JP2018103130A - 原水供給装置及び原水供給方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生物処理を行う反応槽に原水を供給するための原水供給装置および原水供給方法であって、貯水槽と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管とを備える原水供給装置、および、この装置を用いて原水を一定のサイクルで間欠的に前記反応槽に供給する原水供給方法。
【選択図】図1
Description
また、従来は原水を間欠的に反応槽に供給するために、ポンプを一定のサイクルでON−OFFする必要があり、原水ポンプの運転負荷が大きく、ポンプの寿命が短いという問題があった。さらに、ポンプの稼働率を大きく変動させる必要があったため、ポンプを過剰設計する必要があった。
(1)生物処理を行う反応槽に原水を供給するための原水供給装置であって、貯水槽と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管とを備える原水供給装置。
(2)前記反応槽が、好気性処理および無酸素処理を単一の反応槽内で行う反応槽である、(1)記載の原水供給装置。
(3)前記反応槽が、浸漬膜分離ユニットと曝気手段とを内部に配置する反応槽である、(1)または(2)記載の原水供給装置。
(4)前記原水供給装置が、貯水槽内の原水の一部を貯水槽槽壁の一部から抜き出し、貯水槽の外部であって貯水槽よりも低位にある前記サイホン管の側部に供給する補助配管を更に備える、(1)〜(3)のいずれかに記載の原水供給装置。
(6)前記反応槽が、好気性処理および無酸素処理を単一の反応槽内で行う反応槽である、(5)記載の原水供給方法。
(7)前記反応槽が、浸漬膜分離ユニットと曝気手段とを内部に配置する反応槽である、(5)または(6)記載の原水供給方法。
(8)前記反応槽への原水の供給が、貯水槽内の原水の一部を抜き出し、貯水槽の外部であって貯水槽よりも低位にあるサイホン管の側部に供給する補助配管を更に用いて行われる、(5)〜(7)のいずれかに記載の原水供給方法。
(9)前記反応槽内に原水を一定流量で供給する工程と、前記工程における原水の供給流量よりも多い流量の原水を反応槽内に供給する工程と、原水の供給を停止する工程とを、この順で繰り返し行う、(5)〜(8)のいずれかに記載の膜分離活性汚泥処理方法。
原水供給装置10には、原水槽から一定の流量で供給された原水を貯える貯水槽12と、貯水槽12の内部から貯水槽槽壁の上部、好ましくは貯水槽槽壁の上端を介して貯水槽12の外部に延在するサイホン管13が設けられている。ここで、サイホン管とは、液体は液面の高い方から低い方に向かって流れ移るという液体の性質を利用して、液体を一度高所に上げて低所に移すために用いる曲管を意味する。
原水供給装置10には、万一サイホン管が閉塞し原料が漏洩した場合に対処可能なように、貯水槽内の高水位を感知できる水位センサーを備えた緊急停止装置やバイパス配管を設置することができる。
原水槽から貯水槽12に原水が一定流量で供給されると、貯水槽12内に原水が貯留され水位が上昇していくが、水位が一定水位に到達するまでは、サイホン管から反応槽に原水が供給されることはない。したがって、この時間帯(t=0〜t1)において、サイホン管により反応槽に供給される原水の流量は0である(図2:t=0〜t1)。
次いで、貯水槽12内の水位が、一定水位、即ち、サイホン管13が貯水槽12の槽壁の上端で曲折する部分に相当する水位に到達すると、貯水槽内の原水がサイホン管13を通して反応槽に供給され始め(t=t1)、その後貯水槽12内のほぼ全ての原水が反応槽に供給され、貯水槽12およびサイホン管13の内部は、原水の存在しないほぼ空の状態となる(t=t2)。したがって、この時間帯(t=t1〜t2)においては、原水が一定流量でサイホン管を通して反応槽に供給される(図2:t=t1〜t2)。
その後も、原水は一定の流量で貯水槽12に供給され続けるため原水は貯水槽12内に貯留していくが、貯水槽12内の水位が前記一定水位に到達するまでは、原水がサイホン管13から反応槽に供給されることはない。したがって、この時間帯(t=t2〜t3)における反応槽への原水の供給流量は0となる(図2:t=t2〜t3)。
貯水槽12内の水位が前記一定水位に到達すると、サイホン管による原水の反応槽への供給が再開される(図2:t=t3)。
原水槽9から貯水槽12に原水が一定流量で供給されると、貯水槽12内の水位が上昇してゆき、水位が貯水槽12の槽壁の一部に結合する補助配管14よりも上位に上昇すると、原水が補助配管14からサイホン管を経て反応槽1に供給される。ここで、補助配管14から反応槽1に供給される原水の流量は、反応槽内の液位が仕切板の上端を越えない流量である。この時間帯(t=0〜t1)において、補助配管により反応槽1に供給される原水の流量は一定であり(図4(b)t=0〜t1)、この原水の流量が膜ろ過流量とほぼ同じであれば、反応槽内の液位もほぼ一定となる。この時、反応槽内の液位は仕切板上端よりも低いため、膜分離ユニット2が配置された好気区画(仕切板内部)とそれ以外の区画(仕切板外部)とは仕切板7により分断されており、仕切板外部は無酸素状態となる。
次いで、貯水槽12内の水位が、一定水位、即ち、サイホン管13が貯水槽12の槽壁の上端で曲折する部分に相当する水位に到達すると、原水供給装置内の原水がサイホン管13を通して反応槽1に供給され始め(t=t1)、原水供給装置内の全ての原水が反応槽1に供給される。この時間帯(t=t1〜t2)における反応槽1への原水の供給流量は、その前の時間帯((i)t=0〜t1))における供給流量よりも多く(図4(b))、反応槽内の液位は上昇して仕切板7の上端よりも高くなる(図4(a)t=tA)。その結果、仕切板の影響はなく、散気管4からのエアで槽全体に及ぶ循環流(膜ユニット収容区画から、仕切板7の上を越えてその他の区画に入り、該その他の区画内を下降し、仕切板7よりも下の領域を介して膜ユニット収容区画に戻る循環流)が形成され、仕切板7の外部は無酸素状態から大部分が好気状態に切り換わる。また、反応槽1内の仕切板内部において、原水中のアンモニア成分が、硝化細菌の作用により亜硝酸態、さらに硝酸態に酸化された、硝酸態窒素を多く含む汚泥が仕切板外部に循環する。
原水供給装置10’内の全ての原水が反応槽1に供給されると、貯水槽12、サイホン管13および補助配管14の内部は、原水の存在しないほぼ空の状態となる。その後も、原水槽9から貯水槽12に一定の流量で供給され続けるため原水は貯水槽12内に貯留していくが、貯水槽12内の水位が補助配管14に到達するまでは、原水が補助配管14から反応槽1に供給されることはない。したがって、この時間帯(t=t2〜t3)における反応槽1への原水の供給流量は0となり、反応槽1内の液位は次第に低下していき、t=tBの時点で液位が仕切板上端より低くなる(図4(a)(b)t=t2〜t3)。
貯水槽12内の水位が補助配管14に到達すると、補助配管による原水の反応槽1への供給が再開される(図4(b)t=t3)。この時間帯(t=t3〜t4)における反応槽への原水の供給流量は、反応槽内の液位が仕切板の上端を越えない一定の流量である(図4(b)t=t3〜t4)。膜分離ユニット2によって処理液がろ過され、そのろ過水が吸引ポンプ3により槽外に取り出される膜ろ過流量と、補助配管により反応槽に供給される原水流量がほぼ同じであれば、反応槽内の液位もほぼ一定となる(図4(a)t=t3〜t4)。この時、反応槽内の液位は仕切板上端よりも低いため、膜分離ユニットが配置された好気区画とそれ以外の区画とが仕切板7により分断されている。その結果、散気管4からのエアは仕切板7で囲まれた空間内で留まることになり、仕切板外部の領域はエアが循環しないため無酸素状態にすることができる。また、補助配管14から原水が一定流量で反応槽の仕切板外部の区画に供給されるため、脱窒菌が必要とする原水中の有機物が不足することなく、硝酸態の窒素を窒素分子に還元する脱窒が進行する。なお、このとき、膜分離ユニット2の洗浄エアは散気管4から連続的に供給されているため、ろ過は停止する必要はなく継続される。
また、原水供給装置10’の補助配管14により、反応槽内の液位が仕切板の上端よりも低く、仕切板の外側の区画が無酸素状態であるときに、反応槽内の液位が仕切板の上端を越えない量の原水を反応槽内に供給することができ、脱窒性能を向上させることができる。
2 膜分離ユニット
3 吸引ポンプ
4 散気管
5 ブロワ
6 レベルセンサー
7 仕切板
8 原水ポンプ
9 原水槽
10、10’ 原水供給装置
12 貯水槽
13 サイホン管
14 補助配管
Claims (9)
- 生物処理を行う反応槽に原水を供給するための原水供給装置であって、貯水槽と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管とを備える原水供給装置。
- 前記反応槽が、好気性処理および無酸素処理を単一の反応槽内で行う反応槽である、請求項1記載の原水供給装置。
- 前記反応槽が、浸漬膜分離ユニットと曝気手段とを内部に配置する反応槽である、請求項1または2記載の原水供給装置。
- 前記原水供給装置が、貯水槽内の原水の一部を貯水槽槽壁の一部から抜き出し、貯水槽の外部であって貯水槽よりも低位にある前記サイホン管の側部に供給する補助配管を更に備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の原水供給装置。
- 生物処理を行う反応槽に原水を供給する原水供給方法であって、貯水槽と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管を用いて、原水を一定のサイクルで間欠的に前記反応槽に供給する原水供給方法。
- 前記反応槽が、好気性処理および無酸素処理を単一の反応槽内で行う反応槽である、請求項5記載の原水供給方法。
- 前記反応槽が、浸漬膜分離ユニットと曝気手段とを内部に配置する反応槽である、請求項5または6記載の原水供給方法。
- 前記反応槽への原水の供給が、貯水槽内の原水の一部を抜き出し、貯水槽の外部であって貯水槽よりも低位にあるサイホン管の側部に供給する補助配管を更に用いて行われる、請求項5〜7のいずれか1項に記載の原水供給方法。
- 前記反応槽内に原水を供給する工程と、前記工程における原水の供給流量よりも多い流量の原水を反応槽内に供給する工程と、原水の供給を停止する工程とを、この順で繰り返し行う、請求項5〜8のいずれか1項に記載の原水供給方法。
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