JP6941278B2 - 圧力センサ、圧力センサの製造方法及び質量流量制御装置 - Google Patents

圧力センサ、圧力センサの製造方法及び質量流量制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、圧力センサ、圧力センサの製造方法及び質量流量制御装置に関する。
流体の圧力の変化に応じて弾性変形するダイアフラムの歪を検出することによって、流体の圧力を測定することができる圧力センサが知られている。例えば、特許文献1及び2には、歪ゲージ又は歪ゲージを備える半導体チップが鋼製のダイアフラムの表面に接合された圧力センサの発明が記載されている。
ダイアフラムへの半導体チップの接合には、低融点ガラスを含むガラスペーストが用いられる。接合の際は、軟化温度以上に加熱されたガラスペーストを用いて半導体チップをダイアフラムと接合させた後、冷却する。
ガラスペーストの軟化による接合では、軟化状態のガラスの粘度が低いため、接合層の厚さが不均一になったり、厚さが極端に薄くなったりする場合がある。接合層の厚さが不均一だと圧力センサの感度が低下する。接合層の厚さが極端に薄いと接合が剥がれやすくなったり、ダイアフラムと半導体チップとの間の電気的な絶縁を維持するのが困難になったりする。
接合体の接合層の厚さを均一にする手段として、接合層に粒体を混合する方法が知られている。例えば、特許文献3には、銅系リードフレームにシリコンチップを接合する接合層として、熱硬化性樹脂バインダ及び銀粉末でなる導電性ペースト中に球状フィラーを所定の割合で混合した接合層を用いることによって、接合層の厚さを一定にすることができると記載されている。
特開平10−90093号公報 特開2005−227283号公報 特公平4−30122号公報 国際公開第2016/056555号
ダイアフラムと歪ゲージとで構成された圧力センサにおいては、流体の圧力の変化に応じてダイアフラムが繰り返し弾性変形する。したがって、ダイアフラムと歪ゲージとを接合する低融点ガラスでなる接合層は、繰り返し変形を受けても割れたり剥離したりしない柔軟性を備えることが求められる。しかし、接合層に球状フィラーを混合して単に厚さを一定にしただけでは、接合層自体に柔軟性を付与することはできない。
また、低融点ガラスを用いて接合を行う際に、軟化した低融点ガラスの内部に細かな気泡が発生する場合がある。気泡は界面エネルギーを低下させようとして互いに合体し、時間の経過と共に大きなボイドを形成する。接合層に大きなボイドが含まれると、接合が剥がれやすくなったり、ダイアフラムと半導体チップとの間の電気的な絶縁を維持するのが困難になったりする。
本発明は、これらの諸課題に鑑みてなされたものであり、圧力センサを構成するダイアフラムと歪ゲージとの間に、柔軟性を備え、ボイドの少ない接合層を容易に形成することができる新規な手段を提供することを目的としている。
本発明に係る圧力センサは、金属又は合金でなる弾性体の表面に接合層を介して歪ゲージが接合された圧力センサであって、接合層が、低融点ガラスと、低融点ガラスの軟化温度よりも高い軟化温度を有するガラスビーズとを含み、ガラスビーズの直径が、20μm未満であり、接合層100質量部に含まれるガラスビーズの割合が、7.0質量部以上、11.5質量部以下である圧力センサである。本発明に係る圧力センサでは、接合層中に軟化温度の異なる2種類のガラスが混在しているので、繰り返し変形に耐える柔軟性を備える。また、軟化した低融点ガラスの内部に細かな気泡が発生した場合であっても、気泡がガラスビーズの表面に吸着されるため、ボイドの形成が妨げられる。
た、本発明に係る圧力センサの製造方法は、金属又は合金でなる弾性体の表面に、低融点ガラスと、低融点ガラスの軟化温度よりも高い軟化温度を有するガラスビーズとを含む接合層であって、ガラスビーズの直径が、20μm未満であり、接合層100質量部に含まれるガラスビーズの割合が、7.0質量部以上、11.5質量部以下となるように配合された接合層を設け、低融点ガラスの軟化温度以上、ガラスビーズの軟化温度以下の温度に加熱された接合層に、歪ゲージを接合した後、冷却する圧力センサの製造方法である。
本発明よれば、比較的に簡単な構成によって、繰り返し変形に対する柔軟性を備え、かつ、ボイドの少ない接合層を有する圧力センサを実現することができる。これによって、繰り返し変形に対する耐久性に優れ長寿命の圧力センサを少ないコストで供給することができる。
本発明に係る圧力センサの接合層の断面を示す図面代用写真である。
本発明を実施するための形態につき、図を参照しながら以下に詳細に説明する。なお、ここに記載された実施の形態はあくまで例示に過ぎず、本発明を実施するための形態はここに記載された形態に限定されない。
本発明に係る圧力センサは、金属又は合金でなる弾性体の表面に接合層を介して歪ゲージが接合された圧力センサである。金属又は合金でなる弾性体は、流体の圧力の変化に応じて弾性変形するように構成される。弾性体の表面に接合された歪みゲージを用いて弾性体の歪量を測定することにより、弾性体の変形をもたらした流体の圧力を知ることができる。弾性体と歪ゲージの接合は、接合層を介して行われる。
本発明に係る圧力センサにおいては、接合層が、低融点ガラスと、低融点ガラスの軟化温度よりも高い軟化温度を有するガラスビーズとを含む。低融点ガラスとは、主としてデバイスを組み立てる際のシール剤又は接着剤として開発されたガラス系の材料であって、軟化温度が概ね400℃以下のものをいう。本発明で用いられる低融点ガラスとしては、例えば、ビスマス系(主成分:Bi、ZnO)、鉛系(主成分:SiO、B、PbO)及びバナジウム系(主成分:TeO、V)などの低融点ガラスがあるが、これらに限定されない。
ガラスの軟化温度とは、軟化点ともいい、ガラスが自重によって軟化変形を開始する温度をいう。ガラスの軟化温度は、さまざまな方法によって測定することができる。本発明における軟化温度には、例えば、所定の形状を有するガラスの外形が変化を開始する温度や、示差熱分析計によって測定された曲線の変曲点の温度などを使用することができるが、本発明における軟化温度はこれらの方法によって測定された温度に限定されない。
ガラスビーズとは、ガラス系の材料で構成された略球状の粒体をいう。本発明で用いられるガラスビーズが有する軟化温度は、接合層に含まれる低融点ガラスの軟化温度よりも高い。本発明において、低融点ガラスの軟化温度とガラスビーズの軟化温度との比較は、同一の方法により測定された軟化温度を用いて行う。本発明で用いられるガラスビーズを構成するガラス材料としては、例えば、ソーダ石灰ガラス(主成分:SiO、NaO、CaO)及び低アルカリガラス(主成分:SiO、CaO、Al)などがあるが、これらに限定されない。
本発明に係る圧力センサにおいては、ガラスビーズの軟化温度が、低融点ガラスの軟化温度より高い。このため、接合層を、低融点ガラスの軟化温度よりも高く、ガラスビーズの軟化温度よりも低い温度に加熱することができる。このような加熱温度において、接合層は軟化した低融点ガラスの中に軟化しないガラスビーズが混ざった状態となる。この状態の接合層を用いて弾性体と歪ゲージとを接合した後、冷却することによって、低融点ガラスのみで構成された接合層に比べて厚さが均一な接合層を容易に形成することができる。なお、歪ゲージの耐熱温度が低融点ガラスの軟化温度よりも高く、ガラスビーズの軟化温度よりも低い場合には、接合層を加熱する温度を、低融点ガラスの軟化温度よりも高く、歪みゲージの耐熱温度よりも低くすればよい。
本発明で用いられる接合層は、軟化温度の異なる2種類のガラス材料を含む複合材料である。これら軟化温度の異なる2種類のガラス材料では機械的性質も異なる。一般に、軟化温度の高いガラス材料はそれよりも軟化温度の低いガラス材料に比べて硬度が高く割れにくい性質を有する。仮に、本発明で用いられる接合層を構成する低融点ガラスの一部に微小なクラックが発生した場合であっても、硬度が高く割れにくいガラスビーズの存在によって接合層におけるクラックの伝播が妨げられる。このため、本発明で用いられる接合層は、繰り返し変形に耐えうる柔軟性を有する。
本発明で用いられる接合層は、軟化した低融点ガラスの中に軟化しないガラスビーズが混ざった状態である。軟化した低融点ガラスの内部に細かな気泡が発生した場合、気泡は界面エネルギーを低下させようとしてその近傍のガラスビーズの表面に付着する。ガラスビーズの表面に付着した気泡は再びガラスビーズから離れることがない。また、ガラスビーズ同士は互いに離れているため、気泡が互いに合体することもない。このため、気泡の合体によって大きなボイドが形成されることはなく、接合強度に優れた接合層を実現することができる。
本発明に係る圧力センサは、接合層100質量部に含まれるガラスビーズの割合が、7.0質量部以上、11.5質量部以下である。接合層100質量部に含まれるガラスビーズの割合が7.0質量部以上だと、繰り返し変形に対する柔軟性向上の効果が得られる。11.5質量部以下だと、11.5質量部を超える場合と比べて、接合層に必要な接着強度の確保及び仮焼成前の流動性向上の効果が得られる。
本発明に係る圧力センサおいては、ガラスビーズの直径が、20μm未満である。ガラスビーズの直径とは、ガラスビーズの形状が球形である場合はその直径をいい、ガラスビーズの形状が球形でない場合はその最大径をいう。ガラスビーズの直径が20μm未満であるとは、ガラスビーズの直径がある範囲に分布している場合に、その分布範囲の最大値が20μmに達しないことをいう。ガラスビーズの直径を20μm未満に調整する方法としては、例えば、低融点ガラスと混合する前のガラスビーズを目の開きが20μmのふるいに通して、ふるいを通過したガラスビーズだけを低融点ガラスと混合するなどの方法があるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。
ガラスビーズの直径が20μm未満であると、低融点ガラスと、低融点ガラスの軟化温度よりも高い軟化温度を有するガラスビーズを含む接合層によって得られる効果がより顕著になる。すなわち、ガラスビーズの直径を20μm未満に制限することによって、そうでない場合に比べて、接合層の厚さを均一にする効果、微少なクラックの伝播を妨げる効果及び気泡の合体を防止する効果がいずれも増大する。
本発明に係る圧力センサの好ましい実施形態においては、接合層の厚さが、ガラスビーズの直径よりも厚い。接合層の厚さがガラスビーズの直径よりも厚いと、接合層の厚さがガラスビーズの直径に近い場合と比べて、接合層のうち弾性体又は歪ゲージと接している部分に低融点ガラスが存在する割合が増える。接合機能を有する低融点ガラスが存在する割合が増え、接合機能を有さないガラスビーズが存在する割合が減ることによって、弾性体と歪ゲージとの接合強度をより高めることができる。
本発明に係る圧力センサの好ましい実施形態においては、低融点ガラスが、ビスマス系又はバナジウム系の低融点ガラスを含む。これらのガラス材料は、環境に対する負荷が比較的少ないので、好ましい。
本発明に係る圧力センサの好ましい実施形態においては、ガラスビーズが、低アルカリガラスを含む。低アルカリガラスは、一般的なソーダ石英ガラスに比べて軟化温度が高いため、本発明の効果がより顕著となり、好ましい。
本発明に係る圧力センサの好ましい実施形態においては、弾性体が、ダイアフラム又は前記ダイアフラムに接続されたビームである。ダイアフラムとは、厚さが薄い金属又は合金で構成された隔膜をいう。ダイアフラムの一方の面に圧力を測定したい流体を接触させることによって、流体の圧力に応じた変形を起こさせることができる。本発明の一形態において、歪ゲージはダイアフラムの表面に接合層を介して接合される。この形態においては、圧力センサ全体の構造を単純にすることができるので、好ましい。
本発明の他の実施形態において、歪ゲージは、例えば特許文献4などに記載されているように、ダイアフラムに接続されたビームの表面に接合層を介して接合される。この実施形態においては、ビームとダイアフラムが機械的に接続されているため、ビームの歪を測定することによってダイアフラムの変形を間接的に測定することができる。この実施形態は、ダイアフラムとビームとを、それぞれの機能に適した異なる材料で構成することができる点で、好ましい。
本発明に係る圧力センサの好ましい実施形態においては、弾性体の表面に金属又は合金のめっき層が設けられる。めっき層によって弾性体の腐食が防止され、接合層との接着強度をより高めることができるので、好ましい。この実施形態で用いられるめっき層の材料としては、例えば、ニッケル、ニッケルとリンの合金などがあるが、これらに限定されない。
本発明に係る圧力センサの好ましい実施形態においては、歪ゲージが、シリコン基板上に形成された半導体チップでなり、半導体チップの接合層と接する面にチタン及び/又はアルミニウムでなるコーティングが施される。半導体チップでなる歪ゲージとは、例えば、特許文献4などに記載されているような、シリコン基板の表面に半導体製造技術を用いて複数の歪ゲージ及び制御回路などを形成したものをいう。この形態においては、半導体チップの接合層と接する面にチタン及び/又はアルミニウムでなるコーティングが施されることによって、接合層との密着性が向上するので、好ましい。
本発明に係る圧力センサの好ましい実施形態においては、半導体チップと弾性体との間には接合層が隙間なく存在しており、さらに、半導体チップの側面付近にも接合層が接合面からはみ出す形で存在している。これにより、半導体チップと弾性体の電気的絶縁を確実に実現することができ、半導体チップの安定な動作が可能になる。
本発明に係る圧力センサの製造方法は、金属又は合金でなる弾性体の表面に、低融点ガラスと、低融点ガラスの軟化温度よりも高い軟化温度を有するガラスビーズとを含む接合層であって、ガラスビーズの直径が、20μm未満であり、接合層100質量部に含まれるガラスビーズの割合が、7.0質量部以上、11.5質量部以下となるように配合された接合層を設け、低融点ガラスの軟化温度以上、ガラスビーズの軟化温度以下の温度に加熱された接合層に、歪ゲージを接合した後、冷却する圧力センサの製造方法である。本発明においては、接合層に含まれるガラスビーズの軟化温度が低融点ガラスの軟化温度よりも高いので、接合層を低融点ガラスの軟化温度以上、ガラスビーズの軟化温度以下の温度に加熱することができる。
本発明に係る圧力センサの製造方法において、接合層の加熱と弾性体と歪ゲージとの接合とはどのような順序で実施してもよい。すなわち、接合層を予め所定の温度に加熱した後に弾性体と歪ゲージを接合してもよく、あるいは、室温において、弾性体と歪ゲージとを接合層を介して接合する位置に配置した後に、接合層の加熱を開始してもよい。
本発明に係る圧力センサの製造方法において、接合層の厚さは、基本的に接合層を加熱した状態における弾性体と歪ゲージとの接合距離によって決まる。接合層には転位点の高いガラスビーズが含まれているので、接合層が加熱された状態において歪ゲージを弾性体の方向に加圧しても、歪ゲージが弾性体に押し付けられて密着するまでには至らず、接合層の厚さはガラスビーズの直径よりも厚い状態に維持される。これにより、接合層の接合強度及び繰返し変形に対する柔軟性が向上する。
本発明に係る圧力センサの製造方法を実施することにより、弾性体と歪ゲージとが低融点ガラスと、低融点ガラスの軟化温度よりも高い軟化温度を有するガラスビーズとを含む接合層によって接合される。このような接合層を有する圧力センサが、本発明に係る圧力センサが有する従来技術にない優れた効果と同じ効果を奏することは言うまでもない。
本発明に係る質量流量制御装置は、本発明に係る圧力センサを備えた質量流量制御装置である。本発明に係る質量流量制御装置では、圧力センサによって測定された流体の圧力に基づいて、流体の流量を制御することができる。本発明に係る圧力センサは耐久性に優れているので、本発明によれば、全体として耐久性に優れた質量流量制御装置を構成することができる。
<実施例1>
厚さ0.25mm、幅2.8mmのコバール製のビーム10を用意した。ビーム10の表面には厚さ5μmのニッケルでなるめっき層11が形成されていた。
次に、ビスマス系の低融点ガラスを含むガラスペースト(旭硝子株式会社製、品名:AP4115AB、軟化温度:402℃)及び低アルカリガラス製のガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、品名:EJ−1200、軟化温度:830℃)を用意した。ガラスビーズは、目の開きが20μmのふるいを通過させたものである。次に、有機溶剤を含むガラスペーストに、ガラスビーズを添加、混合し、泡が消えるまでよく攪拌した。ガラスビーズの添加量は、接合層を脱脂、仮焼成して有機溶剤を除去した後の接合層100質量部に含まれるガラスビーズの含有量が7.0質量部となるように配合した。
次に、ビーム10の表面のうち、ダイアフラムと接続した面と反対側の面で、中央から離れた位置に、ガラスペーストとガラスビーズとの混合物をスクリーン印刷によって縦横2.7mmのサイズで塗布した。次に、混合物が塗布された組立品を、120℃で10分間乾燥した後、300℃で30分間脱脂し、さらに430℃で10分間仮焼成して、有機溶剤が除去された接合層20を形成した。接合層20の表面は平面又は凸面で、その平坦度は±10μm以下であった。
次に、歪ゲージを4個備えた縦横2.5mmの半導体チップ30を用意した。半導体チップ30はシリコン基板上に形成されており、半導体チップ30の接合層20と接する面は、厚さ0.25μmのチタン層と、その外側に位置する厚さ1.25μmのアルミニウム層からなるコーティング層31を備えていた。次に、ダイアフラムとビーム10の組立品をチップ接合機の下部側にセットし、半導体チップ30をチップ接合機の上部側にセットし、両者の位置をモニタで確認しながら、ビーム10の表面の接合層20を塗布した位置に半導体チップ30を押し当てた。このときの力は0.98Nであった。
次に、チップ接合機に備えられた上下のヒータの間に接合層20をはさんで加熱し、2分間保持した後、徐々に冷却した。半導体チップ30と接触する上ヒータの加熱温度は半導体チップ30の耐熱温度よりも低い400℃とし、ビーム10と接触する下ヒータの加熱温度は440℃以上470℃以下とした。この間、力は加えたままであった。接合が完了した後の接合層20は、半導体チップ30とビーム10との間に隙間なく存在しており、さらに、半導体チップ30の側面付近にも接合層20が接合面からはみ出す形で存在していた。
次に、厚さ0.1mmのステンレス鋼板を加工して、受圧部の直径が8.4mm、外径が9.8mmのダイアフラムを作製した。ダイアフラムの受圧面と反対側の面に、半導体チップ30が接合されたビーム10を配置し、ダイアフラムの中心とビーム10の中心とをスポット溶接により接続した。
図1に、接合層20の断面を撮影した光学顕微鏡写真の例を示す。接合層20の厚さは約34μmであった。接合層20には、低融点ガラスと、その中に分散されたガラスビーズの断面とが観察され、大きなボイドは見られなかった。接合層20とめっき層11を有するビーム10との間及び接合層20とコーティング層31を有する半導体チップ30との間に、それぞれ緻密な接合面が形成されていた。また、接合層20の厚さはガラスビーズの直径よりも厚く、接合層20のうちビーム10又は半導体チップ30と接している部分にはガラスビーズだけではなく低融点ガラスが多く存在していた。
表1に、作製した圧力センサの接合層20の断面を観察して測定した接合層20の厚さを示す。接合層20の厚さは、半導体チップ30の両端及び中央の3箇所で測定した。また、ひとつの圧力センサにおける接合層20の厚さの差の最大値及び平均値を計算した。表1に示すように、4個の試料について測定された厚さの差の平均は4.3μm、厚さの平均値の平均は33.5μmであった。
Figure 0006941278
表2に、試験温度が50℃の条件で、作製した圧力センサに圧力1MPaの窒素ガスを供給した後、放出する操作を繰り返してダイアフラムを繰り返し弾性変形させ、繰り返し回数25万回ごとに半導体チップ30とビーム10との間の剥離の有無をテストした結果を示す。剥離の有無は、半導体チップ30とビーム10との間の絶縁抵抗と、圧力センサの圧力値とを測定し、抵抗値が600MΩを超えており、かつ、圧力センサの測定値が正常であれば合格(PASS)、そうでなければ不合格(FAIL)とした。加圧を100万回繰り返した後でも、テストした7個の試料は全て合格であった。
Figure 0006941278
<実施例2>
接合層100質量部に含まれるガラスビーズの割合を11.5質量%にした以外は実施例1と同じ条件で圧力センサを作製した。表1に、作製した圧力センサの接合層20の断面を観察して測定した接合層の厚さを示す。1個の試料について測定された厚さの差は5.0μm、厚さの平均値は38.0μmであった。
接合層20の内部にはボイドが見られず、接合層20とビーム10及び半導体チップ30との間に緻密な接合面が形成されていた。また、接合層20の厚さはガラスビーズの直径よりも厚く、接合層20のうちビーム10又は半導体チップ30と接している部分にはガラスビーズだけではなく低融点ガラスが多く存在していた。
<比較例1>
接合層中にガラスビーズの混合しなかったこと以外は実施例1と同じ条件で圧力センサを作製した。表1に、作製した圧力センサの接合層20の断面を観察して測定した接合層20の厚さを示す。4個の試料について測定された厚さの差は5.0μm、厚さの平均値は24.8μmであった。接合層20の内部には細かな気泡が合体して形成されたボイドが多く見られた。
<比較例2>
接合層100質量部に含まれるガラスビーズの割合を3.5質量%にした以外は実施例1と同じ条件で圧力センサを作製した。表1に、作製した圧力センサの接合層20の断面を観察して測定した接合層の厚さを示す。3個の試料について測定された厚さの差は3.3μm、厚さの平均値は29.3μmであった。
接合層の内部にはボイドが見られず、接合層20とビーム10及び半導体チップ30との間に緻密な接合面が形成されていた。また、接合層20の厚さはガラスビーズの直径よりも厚く、接合層20のうちビーム10又は半導体チップ30と接している部分にはガラスビーズだけではなく低融点ガラスが多く存在していた。
表2に、実施例1と同じ条件で半導体チップとビームとの間の剥離の有無をテストした結果を示す。テストした6個の試料のうち3個は、加圧回数が25万回のときに半導体チップ30とビーム10との間の絶縁抵抗が600MΩ未満となり、不合格となった。また、1個は、加圧回数が100万回のときに不合格となった。
以上に説明した実施例及び比較例を対比すると、本発明に係る圧力センサでは、100万回の繰り返し変形に耐えうる柔軟性を有する接合層が実現されていることが分かる。
10 ビーム
11 めっき層
20 接合層
30 半導体チップ
31 コーティング層

Claims (8)

  1. 金属又は合金でなる弾性体の表面に接合層を介して歪ゲージが接合された圧力センサであって、
    前記接合層が、低融点ガラスと、前記低融点ガラスの軟化温度よりも高い軟化温度を有するガラスビーズとを含み、
    前記ガラスビーズの直径が、20μm未満であり、
    前記接合層100質量部に含まれる前記ガラスビーズの割合が、7.0質量部以上、11.5質量部以下である
    圧力センサ。
  2. 前記接合層の厚さが、前記ガラスビーズの直径よりも厚い
    請求項1載の圧力センサ。
  3. 前記低融点ガラスが、ビスマス系又はバナジウム系の低融点ガラスを含む
    請求項1又は2記載の圧力センサ。
  4. 前記ガラスビーズが、低アルカリガラスを含む
    請求項に記載の圧力センサ。
  5. 前記弾性体が、ダイアフラム又は前記ダイアフラムに接続されたビームである
    請求項1からいずれか記載の圧力センサ。
  6. 前記歪ゲージが、シリコン基板上に形成された半導体チップでなり、前記半導体チップの前記接合層と接する面にチタン及び/又はアルミニウムでなるコーティングが施された
    請求項1からいずれか記載の圧力センサ。
  7. 金属又は合金でなる弾性体の表面に、低融点ガラスと、前記低融点ガラスの軟化温度よりも高い軟化温度を有するガラスビーズとを含む接合層であって、前記ガラスビーズの直径が、20μm未満であり、前記接合層100質量部に含まれる前記ガラスビーズの割合が、7.0質量部以上、11.5質量部以下となるように配合された接合層を設け、前記低融点ガラスの軟化温度以上、前記ガラスビーズの軟化温度以下の温度に加熱された前記接合層に、歪ゲージを接合した後、冷却する
    圧力センサの製造方法。
  8. 請求項1からいずれか記載の圧力センサを備えた
    質量流量制御装置。
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