以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。また、本発明は、下記の各実施形態及びその変形例のいずれかを互いに組み合わせることもできる。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る演算処理装置を備えた電子機器を示す構成図である。図1に示す電子機器1は、本体部101と、表示部102と、プローブ103と、検出電極104と、を備える。
図2は、プローブ103の構成を示す構成図である。図2に示すプローブ103は、検出電極104と、印加電極201と、グラウンド電極202と、を同心円状に備え、人の皮膚における角層水分量を評価するために使用される。ここで、プローブ103のグラウンド電極202は、測定時に外部からのノイズが検出電極104や印加電極201に伝播し測定にノイズの影響が出ることを防止している。また、本実施形態では、検出電極104の外径と印加電極201の内径との電極間隔が2.2mmに形成されているが、電極間隔はこの寸法に限られず、電極の形状も同心円状に限られない。
次に、電子機器1の動作について説明する。本体部101の電源をオンにした後、本体部101の側面にあるプローブ103を人の皮膚に押し当て、検出電極104と印加電極201が皮膚に接触するようにして測定開始スイッチをオンにする。そして、本体部101の内部にある角層水分量測定回路を動作させ、例えば、500Hz交流信号と500Hz検出信号との時間差及び500Hz検出信号の波高値を測定し、位相差θ、サセプタンス値B、アドミッタンス値Yを算出する。また、例えば、100kHz検出信号の波高値を測定し、アドミッタンス値Yを算出する。算出したθ、B、Yに基づいて皮膚全体のインピーダンス値を演算し、その皮膚全体のインピーダンス値から顆粒層以下のインピーダンス値を減算して、角層の皮膚インピーダンス値として算出する。算出結果は、後述する演算処理装置にて角層水分量等を表す数値に変換して表示部102に表示される。
ここで、角層の皮膚インピーダンス値とは、人の皮膚の角層のみの通電特性を表すインピーダンス値のことをいう。また、交流信号と検出信号との時間差をΔt、交流信号の周波数をfとすると、例えば、θ=2πfΔtと表すことができ、θは交流信号と検出信号との時間差によって変化する変数と定義することもできる(以下、交流信号と検出信号との時間差とθの関係については同様である)。
なお、プローブ103の構成は図2の構成に限らず、人の皮膚に交流信号を印加して当該皮膚を通過した信号を検出することができる構成であればどのような構成であってもよい。さらに、測定時に外部からのノイズの影響を低減できるのであればグラウンド電極202を用いなくてもよい。また、電子機器1は、上記構成に限らず、プローブと角層水分量測定回路を組み込むことができる構成であれば、携帯電話やスマートフォン、時計等どのような電子機器であってもよい。
図3(a)は、人の皮膚の断面を示す模式図である。皮膚300は、人の外側表面から内側に向かって、表皮301、真皮302及び皮下組織303の3層で構成されている。また、表皮301は、人の外側表面の上層から角層305、顆粒層306、有棘層307及び基底層308の4つの層で構成されている。
図3(b)は、表皮の断面を詳細に示す模式図である。角層305は、角質細胞321と細胞間脂質322とで構成されている。また、顆粒層306はSG1細胞323と、SG2細胞324と、SG3細胞325と、SG2細胞324の細胞間の隙間をシールするタイトジャンクション326とで構成される。
ここで、皮膚バリア機能とは、主として角層305中の角質細胞321、角質細胞間脂質322、顆粒層306中のSG2細胞324及びタイトジャンクション326によって構成された生体組織の機能のことである。皮膚バリア機能によって皮膚300の内側から外側への水が移動することを制限して皮膚が乾燥することを防止している。また、皮膚300の外から病原体やアレルゲンが皮膚300内側に侵入してくることを防いで皮膚300が感染症にかかる事を防止している。角層305が皮膚バリア機能の9割を担っており、角層305の薄層化や角層305中の水分の低下等が起こると皮膚バリア機能が低下し、皮膚の乾燥や感染症発症のリスクが高まる。
皮膚バリア機能を評価する一つの手法として従来より、経皮水分蒸散量(transepidermal water loss:以下、TEWLと略す場合がある)の測定が行われている。人の皮膚にてTEWLの測定を行い、TEWL値が大きくなることがわかれば、角層に損傷があるということを推測することが出来る。このため、皮膚バリア機能の低下を推測することができると考えられ、人の皮膚でTEWLを測定することが皮膚バリア機能を評価するために用いられている。
一例として、本実施形態で用いている交流信号を皮膚300内部に伝搬させて角層の皮膚インピーダンス値を算出する手順について説明する。まず、本実施形態に係る電子機器1を動作させ、プローブ103の検出電極104と印加電極201が皮膚300に接触するようにして測定開始スイッチをオンにする。すると、皮膚300に入力された交流信号は、例えば、表皮301及び真皮302を通過して皮下組織33の上層部まで到達し、そこから折り返して真皮302を通り表皮301まで戻ってきて検出電極104で検出される。そして、検出された交流信号に基づいて、皮膚300全体のインピーダンス値から顆粒層306以下のインピーダンス値を減算して、角層305の皮膚インピーダンス値を算出する。
図4は、電子機器1が備える角層水分量測定回路の回路図である。図4に示す角層水分量測定回路400は、演算処理装置401と、交流信号発生回路410と、信号検出回路420と、判定回路430と、グラウンド電極202に接続されるグラウンド端子440と、を備える。
演算処理装置401は、出力端子451、452、453及び465と、入力端子461、462、463及び464と、を備える。
交流信号発生回路410は、500Hz交流信号発生回路411と、100kHz交流信号発生回路412と、切り替え回路413と、を備える。切り替え回路413は、入力端子414、415と、出力端子416と、を備える。
信号検出回路420は、500Hz出力測定回路421と、100kHz出力測定回路422と、電流検出回路423と、切り替え回路424と、検出抵抗425、426と、を備える。500Hz出力測定回路421及び100kHz出力測定回路422は、それぞれ、増幅回路471、472と、フィルター回路481、482と、を備える。切り替え回路424は、入力端子427と、出力端子428、429と、を備える。
次に、角層水分量測定回路400の接続について説明する。演算処理装置401において、出力端子451は500Hz交流信号発生回路411の入力に接続され、出力端子452は100kHz交流信号発生回路412の入力に接続され、出力端子453は切り替え回路413に接続される。
また、500Hz交流信号発生回路411の出力は切り替え回路413の入力端子414に接続され、100kHz交流信号発生回路412の出力は切り替え回路413の入力端子415に接続される。切り替え回路413の出力端子416は印加電極201に接続される。
演算処理装置401において、入力端子461は、500Hz出力測定回路421内の増幅回路471の出力及び判定回路430の入力に接続され、入力端子462は判定回路430の出力及び増幅回路471に接続される。また、入力端子463は、100kHz出力測定回路422内の増幅回路472の出力及び判定回路430の入力に接続され、入力端子464は判定回路430の出力及び増幅回路472接続される。出力端子465は、切り替え回路424に接続される。
500Hz出力測定回路421内の増幅回路471の入力は、フィルター回路481の出力に接続され、100kHz出力測定回路422内の増幅回路472の入力は、フィルター回路482の出力に接続される。フィルター回路481、482の入力は、電流検出回路423の出力に接続される。
さらに、検出電極104は、切り替え回路424の入力端子427に接続される。切り替え回路424の出力端子428は、検出抵抗425の一方の端子及び電流検出回路423の入力に接続される。切り替え回路424の出力端子429は、検出抵抗426の一方の端子及び電流検出回路423の入力に接続される。検出抵抗425、426のもう一方の端子はグラウンド端子440に接続される。
次に、図5を用いて、本実施形態に係る演算処理装置401を備えた角層水分量測定回路400の動作について説明する。電子機器1のプローブ103を人の皮膚に押し当てると、角層水分量測定回路400の動作が開始される。
まず、ステップS501において、演算処理装置401は、制御信号を出力して交流信号発生回路410から、第一の交流信号である500Hz交流信号を発生させ、印加電極201から500Hz交流信号を皮膚に印加する。
次に、ステップS502において、信号検出回路420は、500Hz出力測定回路421で検出電極104の500Hz検出信号を測定し、出力信号に変換する。
次に、ステップS503において、判定回路430は、ステップS502における500Hz検出信号の測定工程及び出力信号への変換工程において、出力信号が演算処理装置401で読み込み可能な値か否かを判定する。
出力信号が演算処理装置401で読み込み可能でないと判定回路430で判定された場合、増幅回路471のゲインを変更してステップS501に戻り、再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理装置401にて読み込み可能な値になるまで継続される。一方、出力信号が演算処理装置401で読み込み可能な値になった場合、ステップS504に進む。
ステップS504において、演算処理装置401は、結果1として、500Hz交流信号と500Hz検出信号との時間差及び500Hz検出信号の波高値に基づいて、第一の変数としての位相角θ及び第一の皮膚インピーダンス値としてのサセプタンス値Bを算出する。そして、上記算出した値をこの演算処理装置401内の記録媒体に保存する。
次に、ステップS505において、演算処理装置401は、制御信号を出力して交流信号発生回路410から、第二の交流信号である100kHz交流信号を発生させ、印加電極201から100kHz交流信号を皮膚に印加する。
次に、ステップS506において、信号検出回路420は、100kHz出力測定回路422で検出電極104の100kHz検出信号を測定し、出力信号に変換する。
次に、ステップS507において、判定回路430は、ステップS506における100kHz検出信号の測定工程及び出力信号への変換工程において、出力信号が演算処理装置401で読み込み可能な値か否かを判定する。
出力信号が演算処理装置401で読み込み可能でないと判定回路430で判定された場合、増幅回路472のゲインを変更してステップS505に戻り、再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理装置401にて読み込み可能な値になるまで継続される。一方、出力信号が演算処理装置401で読み込み可能な値になった場合、ステップS508に進む。
ステップS508において、演算処理装置401は、結果2として、100kHz検出信号の波高値に基づいて、第二の皮膚インピーダンス値としてのアドミッタンス値Yを算出する。そして、上記算出した値を演算処理装置401内の記録媒体に保存する。なお、ステップS501からS504までの工程とステップS505からS508までの工程とは、どちらが先であってもよく、順序の入れ替えが可能である。また、アドミッタンス値Yのみの演算結果を使用して皮表の角層水分量を算出する場合は、ステップS501からS504までの工程を省略することができる。
その後、ステップS509において、演算処理装置401は、角層水分量が多い領域の場合、結果1として保存されたθ及びBと結果2として保存されたYとを用いて、以下の数式1を利用して角層水分量SW(Stratum corneum Water content)1を算出する。
[数式1]
SW1=a1×Bn/Ym+a2×θ+a3×Yn/Bm+a4
ここで、a1、a2、a3、a4は所定の係数(定数)であり、m、nは所定の変数(定数)である。なお、a1、a2、a3、a4、m、nは、回帰分析により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の肌においてθ、B及びYを算出し、複数のθ、B及びYを得る。また、同様の皮膚に対して、従来のコンダクタンス測定法による角層水分量を求める装置である、アイ・ビイ・エス社の製品名皮表角層水分量測定装置(以下「SKICON」という。)による測定を行い、SKICON値を得る。このようにして得られた、θ、B及びYとSKICON値との複数の組について回帰分析を行い、数式1に用いられる所定の値a1、a2、a3、a4、m、nを決定する。
本実施形態では、複数の人の肌を用いて、人数分のθ、B、Y及びSKICON値を得た結果として、例えば、a1として「210522.896」、a2として「1.2726155」、a3として「517.176523」、a4として「−111.04154」、mとして「0.5」、nとして「1」の数値が得られた(図6参照)。これらの値を数式1に適用して、角層の皮膚インピーダンスを測定すれば、同様の皮膚をコンダクタンス測定法で測定しなくてもコンダクタンス測定法で測定した値とほぼ同等の値を得ることが出来る。
上記計算により、SKICONとの相関RがR=0.93という高い数値が得られた。なお、所定の値a1、a2、a3、a4、m、nはθ、B、YとSKICON値との複数の組について回帰分析を行うことで決定されるため、人数の増加に応じて適切な数値を決定することができる。
また、数式1において、Bn/Ym及びYn/Bmは第一の皮膚インピーダンス値と第二の皮膚インピーダンス値から算出されるものであり、本発明の第二の変数に相当するものである。
そして、ステップS510において、表示部102は、算出したSW1値を表示する。
ここで、図6は、上記数式1により算出されたSW1値と、SKICON値との回帰分析の結果を示すものである。図6において、縦軸はSW1(算出SKICON)値を示し、横軸はSKICON値を示す。
図6から把握されるように、上記数式1により算出されたSW1値とSKICON値との間では、相関R=0.93の良好な正の相関が確認できた。
また、変形例として、ステップS509において、演算処理装置401は、角層水分量が多い領域の場合、結果2として保存されたYを用いて、以下の数式2を利用して角層水分量SW2を算出する。
[数式2]
SW2=c1×(Y)c2
ここで、c1、c2は所定の係数(定数)である。なお、c1、c2は、回帰分析により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の肌においてYを算出し、複数のYを得る。また、同様の皮膚を用いて、SKICONによる測定を行い、SKICON値を得る。このようにして得られた、YとSKICON値との複数の組について回帰分析を行い、数式2に用いられる所定の値c1、c2を決定する。
本実施形態では、複数の人の肌を用いて、人数分のY及びSKICON値を得た結果として、例えば、c1として「11066」、c2として「0.5863」の数値が得られた(図7参照)。これらの値を数式2に適用して、角層の皮膚インピーダンスを測定すれば、同様の皮膚をコンダクタンス測定法で測定しなくてもコンダクタンス測定法で測定した値とほぼ同等の値を得ることが出来る。
上記計算により、SKICONとの相関RがR=0.91という高い数値が得られた。なお、所定の値c1、c2はYとSKICON値との複数の組について回帰分析を行うことで決定されるため、人数の増加に応じて適切な数値を決定することができる。
そして、ステップS510において、表示部102は、算出したSW2値を表示する。
ここで、図7は、上記数式2により算出されたSW2値と、SKICON値との回帰分析の結果を示すものである。図7において、縦軸はSKICON値を示し、横軸はSW2(算出SKICON)値を示す。
図7から把握されるように、上記数式2により算出されたSW2値とSKICON値との間では、相関R=0.91の良好な正の相関が確認できた。
以上のように、本実施形態に係る演算処理装置401を備えた電子機器1によれば、角層水分量が多い領域の場合であっても、演算処理装置401で算出された位相角θ、サセプタンス値B及びアドミッタンス値Yに基づいて、コンダクタンス測定法で測定した値と良好な相関関係にあるSW値を検出することができる。
さらに、本実施形態に係る演算処理装置401では、位相角θに加え、実数値である皮膚インピーダンス値を用いているため、より正確にSW値を算出することができる。したがって、正常な状態から角層が剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度が高く皮表の角層水分量を測定することができる。
なお、本実施形態に係る電子機器1では、交流信号の周波数として、500Hz及び100kHzを用いているが、交流信号の周波数はこれに限られない。さらに、本実施形態に係る電子機器1では、500Hz交流信号を印加した後、100kHz交流信号を印加しているが、交流信号を印加する順番は特に限定されず、どちらを先に印加してもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置401では、第一の皮膚インピーダンス値として、第一のサセプタンス値を用いているが、例えば、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらサセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値の逆数値を用いてもよい。又は、第一の皮膚インピーダンス値として、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値からなる群から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置401では、第二の皮膚インピーダンス値として、アドミッタンス値を用いているが、例えば、サセプタンス値、コンダクタンス値、これらサセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値の逆数値を用いてもよい。又は、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値からなる群から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
すなわち、本実施形態に係る演算処理装置401において、例えば、500Hz交流信号からアドミッタンス値Yを、100kHz交流信号からサセプタンス値(以下、B100kと表す)を検出して、皮膚インピーダンス値を求めてもよい。また例えば、100kHz交流信号からサセプタンス値(B100k)を、500Hz交流信号からサセプタンス値を検出して、皮膚インピーダンス値を求めてもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置401では、500Hz交流信号と500Hz検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出しているが、この位相角θの種類としては特に限定されず、100kHz交流信号と100kHz検出信号との時間差に基づいて算出される位相角θ(以下、θ100kと表す)を用いてもよく、かかる場合、数式1において、θをθ100kに変更してSW1値を求めてもよい。
さらに、前述の如く、交流信号と検出信号との時間差をΔt、交流信号の周波数をfとすると、例えば、θ=2πfΔtと表すことができる(2π及びfは定数)。このため、上記数式1におけるθは、「Δt」に変換することも可能である。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る演算処理装置について説明する。本実施形態が実施形態1と相違する点は、演算処理装置において、角層水分量が少ない領域で高精度な角層水分量の測定ができる点である。
本実施形態に係る演算処理装置は、実施形態1に係る演算処理装置401と異なる数式を用いて角層水分量を算出する点以外は、実施形態1に係る演算処理装置401と同一の構成である。また、本実施形態に係る電子機器も実施形態1に係る電子機器1と同一の構成である。そこで、本実施形態に係る演算処理装置を備えた角層水分量測定回路の動作について、下記の数式3を用いて説明する。なお、以下の説明において、本実施形態に係る演算処理装置を備えた角層水分量測定回路の各構成に関しては、実施形態1に係る角層水分量測定回路400と同一の符号を用いる。
本実施形態の角層水分量測定回路の動作は、図5に示す実施形態1のステップS501からS508までは同じ動作である。その後、ステップS509において、演算処理装置401は、角層水分量が少ない領域の場合、結果1として保存されたθ、B及びYと結果2として保存されたYとを用いて、以下の数式3を利用して角層水分量SW3を算出する。
[数式3]
SW3=b1×Bn/Ym+b2×θ+b3×Yn/Bm+b4
ここで、b1、b2、b3、b4は所定の係数(定数)であり、m、nは所定の変数(定数)である。なお、b1、b2、b3、b4、m、nは、回帰分析により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の肌においてθ、B及びYを算出し、複数のθ、B及びYを得る。また、同様の皮膚に対して、従来のキャパシタンス測定法による角層水分量を求める装置である、Courage+Khazaka社の製品名携帯型皮膚水分計(以下「モバイルモイスチャー」(Mobile Moisture)という。)による測定を行い、MM値を得る。このようにして得られた、B、θ、YとMM値の複数の組について回帰分析を行い、数式3に用いられる所定の値b1、b2、b3、b4、m、nを決定する。なお、モバイルモイスチャーに代えて、Courage+Khazaka社の製品名皮膚水分計(以下「コルネオメーター」(Corneometer)という。)でキャパシタンス測定法による測定を行ってもよい。
本実施形態では、複数の人の肌を用いて、人数分のθ、B、Y及びMM値を得た結果として、例えば、b1として「−29.25191968」、b2として「0.483169324」、b3として「−5.961675317」、b4として「105.2995447」、mとして「0.25」、nとして「0.125」の数値が得られた(図8参照)。これらの値を数式3に適用して、角層の皮膚インピーダンスを測定すれば、同様の皮膚をキャパシタンス測定法で測定しなくてもキャパシタンス測定法で測定した値とほぼ同等の値を得ることが出来る。
上記計算により、MM値との相関RがR=0.89という高い数値が得られた。なお、所定の値b1、b2、b3、b4、m、nはθ、B、YとMM値との複数の組について回帰分析を行うことで決定されるため、人数の増加に応じて適切な数値を決定することができる。
また、数式3において、Bn/Ym及びYn/Bmは第一の皮膚インピーダンス値と第二の皮膚インピーダンス値から算出されるものであり、本発明の第二の変数に相当するものである。
そして、ステップS510において、表示部102は、算出したSW3値を表示する。
ここで、図8は、上記数式3により算出されたSW3値と、MM値との回帰分析の結果を示すものである。図8において、縦軸はSW3(算出モバイルモイスチャー)値を示し、横軸はMM(Mobile Moisture)値を示す。
図8から把握されるように、上記数式3により算出されたSW3値とMM値との間では、相関R=0.89の良好な正の相関が確認できた。
また、変形例として、ステップS509において、演算処理装置401は、角層水分量が少ない領域の場合、結果2として保存されたYを用いて、以下の数式4を利用して角層水分量SW4を算出する。
[数式4]
SW4=d1×ln(Y)+d2
ここで、d1、d2は所定の係数(定数)である。なお、d1、d2は、回帰分析により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の肌においてYを算出し、複数のYを得る。また、同様の皮膚を用いて、モバイルモイスチャーによる測定を行い、MM値を得る。このようにして得られた、Y及びMM値の複数の組について回帰分析を行い、数式4に用いられる所定の値d1、d2を決定する。なお、上記と同様に、モバイルモイスチャーに代えて、コルネオメーターでキャパシタンス測定法による測定を行ってもよい。
本実施形態では、複数の人の肌を用いて、人数分のY及びMM値を得た結果として、例えば、d1として「8.1406」、d2として「96.509」の数値が得られた(図9参照)。これらの値を数式4に適用して、角層の皮膚インピーダンスを測定すれば、同様の皮膚をキャパシタンス測定法で測定しなくてもキャパシタンス測定法で測定した値とほぼ同等の値を得ることが出来る。
上記計算により、モバイルモイスチャーとの相関RがR=0.89という高い数値が得られた。なお、所定の値d1、d2はYとMM値との複数の組について回帰分析を行うことで決定されるため、人数の増加に応じて適切な数値を決定することができる。
そして、ステップS510において、表示部102は、算出したSW4値を表示する。
ここで、図9は、上記数式4により算出されたSW4値と、MM値との回帰分析の結果を示すものである。図9において、縦軸はMM値を示し、横軸はSW4(算出モバイルモイスチャー)値を示す。
図9から把握されるように、上記数式4により算出されたSW4値とMM値との間では、相関R=0.89の良好な正の相関が確認できた。
以上のように、本実施形態に係る演算処理装置を備えた電子機器によれば、角層水分量が少ない領域の場合であっても、演算処理装置で算出された位相角θ、サセプタンス値B及びアドミッタンス値Yに基づいて、キャパシタンス測定法で測定した値と良好な相関関係にあるSW値を検出することができる。
本実施形態に係る電子機器によれば、角層の皮膚インピーダンスを測定することで実施形態1ではコンダクタンス測定法で測定した値と良好な相関関係にあるSW値を検出することができ、実施形態2ではキャパシタンス測定法で測定した値と良好な相関関係にあるSW値を検出することができる。このため、1回の皮膚への接触でキャパシタンス測定法とコンダクタンス測定法の両方の測定と同等の測定ができ、皮膚の状態を変化させず同じ箇所を測定することができる。これにより、キャパシタンス測定法及びコンダクタンス測定法の両方で、皮膚の状態を変化させずに、高精度で角層水分量を測定することができる。
さらに、実施形態1と同様に、本実施形態に係る演算処理装置でも、位相角θに加え、実数値である皮膚インピーダンス値を用いているため、より正確にSW値を算出することができる。したがって、正常な状態から角層が剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく角層水分量を測定することができる。
なお、本実施形態に係る電子機器では、交流信号の周波数として、500Hz及び100kHzを用いているが、交流信号の周波数はこれに限られない。さらに、本実施形態に係る電子機器では、500Hz交流信号を印加した後、100kHz交流信号を印加しているが、交流信号を印加する順番は特に限定されず、どちらを先に印加してもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置では、第一の皮膚インピーダンス値として、サセプタンス値を用いているが、例えば、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらサセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値の逆数値を用いてもよい。又は、第一の皮膚インピーダンス値として、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値からなる群から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置では、第二の皮膚インピーダンス値として、アドミッタンス値を用いているが、例えば、サセプタンス値、コンダクタンス値、これらサセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値の逆数値を用いてもよい。又は、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値からなる群から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
すなわち、本実施形態に係る演算処理装置において、例えば、500Hz交流信号からアドミッタンス値を、100kHz交流信号からサセプタンス値(以下、B100kと表す)を検出して、皮膚インピーダンス値を求めてもよい。また例えば、100kHz交流信号からサセプタンス値(B100k)を、500Hz交流信号からサセプタンス値を検出して、皮膚インピーダンス値を求めてもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置では、500Hz交流信号と500Hz検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出しているが、この位相角θの種類としては特に限定されず、100kHz交流信号と100kHz検出信号との時間差に基づいて算出される位相角θ(以下、θ100kと表す)を用いてもよく、かかる場合、数式3において、θをθ100kに変更してSW3値を求めてもよい。
さらに、前述の如く、交流信号と検出信号との時間差をΔt、交流信号の周波数をfとすると、例えば、θ=2πfΔtと表すことができる(2π及びfは定数)。このため、上記数式3におけるθは、「Δt」に変換することも可能である。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る演算処理装置について説明する。本実施形態が実施形態1と相違する点は、演算処理装置において、角層水分量が多い領域と角層水分量が少ない領域との両方で高精度な角層水分量の測定ができる点である。
本実施形態に係る演算処理装置は、実施形態1に係る演算処理装置401と異なる数式を用いて角層水分量を算出する点以外は、実施形態1に係る演算処理装置401と同一の構成である。また、本実施形態に係る電子機器も実施形態1に係る電子機器1と同一の構成である。そこで、本実施形態に係る演算処理装置を備えた角層水分量測定回路の動作について、下記の数式5を用いて説明する。なお、以下の説明において、本実施形態に係る演算処理装置を備えた角層水分量測定回路の各構成に関しては、実施形態1に係る角層水分量測定回路400と同一の符号を用いる。
本実施形態の角層水分量測定回路の動作は、図5に示す実施形態1のステップS501からS508までは同じ動作である。その後、ステップS509において、演算処理装置401は、角層水分量が多い領域の場合であっても少ない領域の場合であっても、結果1として保存されたθ、Bと結果2として保存されたYとを用いて、以下の数式5を利用して角層水分量SW5を算出する。
[数式5]
SW5=a1×Bn/Ym+a2×θ+a3×ln(Y)+a4
ここで、a1、a2、a3、a4は所定の係数(定数)であり、m、nは所定の変数(定数)である。なお、a1、a2、a3、a4、m、nは、回帰分析により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の肌においてθ、B及びYを算出し、複数のθ、B及びYを得る。また、同様の皮膚に対して、従来のキャパシタンス測定法による角層水分量を求める装置である、Courage+Khazaka社の製品名携帯型皮膚水分計(以下「モバイルモイスチャー」(Mobile Moisture)という。)による測定を行い、MM値を得る。このようにして得られた、B、θ、YとMM値の複数の組について回帰分析を行い、数式5に用いられる所定の値a1、a2、a3、a4、m、nを決定する。なお、モバイルモイスチャーに代えて、Courage+Khazaka社の製品名皮膚水分計(以下「コルネオメーター」(Corneometer)という。)でキャパシタンス測定法による測定を行ってもよい。
本実施形態では、複数の人の肌を用いて、人数分のθ、B、Y及びMM値を得た結果として、例えば、a1として「−0.00159」、a2として「0.21592」、a3として「8.744291」、a4として「91.61601」、mとして「1」、nとして「0.125」の数値が得られた(図10参照)。これらの値を数式5に適用して、角層の皮膚インピーダンスを測定すれば、同様の皮膚をキャパシタンス測定法で測定しなくてもキャパシタンス測定法で測定した値とほぼ同等の値を得ることが出来る。
上記計算により、MM値との相関RがR=0.89という高い数値が得られた。なお、所定の値a1、a2、a3、a4、m、nはθ、B、YとMM値との複数の組について回帰分析を行うことで決定されるため、人数の増加に応じて適切な数値を決定することができる。
また、数式5において、Bn/Ymは第一の皮膚インピーダンス値と第二の皮膚インピーダンス値から算出されるものであり、本発明の第二の変数に相当するものである。
そして、ステップS510において、表示部102は、算出したSW5値を表示する。
ここで、図10は、上記数式5により算出されたSW5値と、MM値との回帰分析の結果を示すものである。図10において、縦軸はSW5(算出モバイルモイスチャー)値を示し、横軸はMM値を示す。
図10から把握されるように、上記数式5により算出されたSW5値とMM値との間では、相関R=0.89の良好な正の相関が確認できた。
さらに、同様の皮膚に対して、従来のコンダクタンス測定法による角層水分量を求める装置である、アイ・ビイ・エス社の製品名皮表角層水分量測定装置(以下「SKICON」という。)による測定を行い、SKICON値を得る。このようにして得られた、θ、B及びYとSKICON値との複数の組について回帰分析を行い、数式5に用いられる所定の値a1、a2、a3、a4、m、nを決定する。
本実施形態では、複数の人の肌を用いて、人数分のθ、B、Y及びSKICON値を得た結果として、例えば、a1として「0.034119」、a2として「0.1557」、a3として「119.4805」、a4として「1086.094」、mとして「1」、nとして「0.125」の数値が得られた(図11参照)。これらの値を数式5に適用して、角層の皮膚インピーダンスを測定すれば、同様の皮膚をコンダクタンス測定法で測定しなくてもコンダクタンス測定法で測定した値とほぼ同等の値を得ることが出来る。
上記計算により、SKICONとの相関RがR=0.92という高い数値が得られた。なお、所定の値a1、a2、a3、a4、m、nはθ、B、YとSKICON値との複数の組について回帰分析を行うことで決定されるため、人数の増加に応じて適切な数値を決定することができる。
ここで、図11は、上記数式5により算出されたSW5値と、SKICON値との回帰分析の結果を示すものである。図11において、縦軸はSW5(算出SKICON)値を示し、横軸はSKICON値を示す。
図11から把握されるように、上記数式5により算出されたSW5値とSKICON値との間では、相関R=0.92の良好な正の相関が確認できた。
以上のように、本実施形態に係る演算処理装置を備えた電子機器によれば、角層水分量が多い領域の場合であっても、さらには、角層水分量が少ない領域の場合であっても、演算処理装置で算出された位相角θ、サセプタンス値B及びアドミッタンス値Yに基づいて、キャパシタンス測定法で測定した値と良好な相関関係にあるSW値を検出することができる。
本実施形態に係る電子機器によれば、角層の皮膚インピーダンスを測定することで、コンダクタンス測定法で測定した値と良好な相関関係にあるSW値を検出することができ、及びキャパシタンス測定法で測定した値と良好な相関関係にあるSW値を検出することができる。このため、1回の皮膚への接触でキャパシタンス測定法とコンダクタンス測定法の両方の測定と同等の測定ができ、皮膚の状態を変化させず同じ箇所を測定することができる。これにより、キャパシタンス測定法及びコンダクタンス測定法の両方で、皮膚の状態を変化させずに、高精度で角層水分量を測定することができる。
さらに、実施形態1および2と同様に、本実施形態に係る演算処理装置でも、位相角θに加え、実数値である皮膚インピーダンス値を用いているため、より正確にSW値を算出することができる。したがって、正常な状態から角層が剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく角層水分量を測定することができる。
なお、本実施形態に係る電子機器では、交流信号の周波数として、500Hz及び100kHzを用いているが、交流信号の周波数はこれに限られない。さらに、本実施形態に係る電子機器では、500Hz交流信号を印加した後、100kHz交流信号を印加しているが、交流信号を印加する順番は特に限定されず、どちらを先に印加してもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置では、第一の皮膚インピーダンス値として、サセプタンス値を用いているが、例えば、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらサセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値の逆数値を用いてもよい。又は、第一の皮膚インピーダンス値として、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値からなる群から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置では、第二の皮膚インピーダンス値として、アドミッタンス値を用いているが、例えば、サセプタンス値、コンダクタンス値、これらサセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値の逆数値を用いてもよい。又は、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値からなる群から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
すなわち、本実施形態に係る演算処理装置において、例えば、500Hz交流信号からアドミッタンス値を、100kHz交流信号からサセプタンス値(以下、B100kと表す)を検出して、皮膚インピーダンス値を求めてもよい。また例えば、100kHz交流信号からサセプタンス値(B100k)を、500Hz交流信号からサセプタンス値を検出して、皮膚インピーダンス値を求めてもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置では、500Hz交流信号と500Hz検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出しているが、この位相角θの種類としては特に限定されず、100kHz交流信号と100kHz検出信号との時間差に基づいて算出される位相角θ(以下、θ100kと表す)を用いてもよく、かかる場合、数式3において、θをθ100kに変更してSW3値を求めてもよい。
さらに、前述の如く、交流信号と検出信号との時間差をΔt、交流信号の周波数をfとすると、例えば、θ=2πfΔtと表すことができる(2π及びfは定数)。このため、上記数式3におけるθは、「Δt」に変換することも可能である。
本発明に係る演算処理装置を備えたパーソナルコンピュータ等の電子機器に、上記演算処理装置での処理を実行するプログラムをインストールすることによって、角層水分量を示す数値等を算出することもできる。
また、本発明は、角層水分量の評価方法にも関する。この評価方法は、交流信号発生回路により発せられた交流信号を印加電極から肌に透過させ、肌から検出した信号から算出した角層の皮膚インピーダンス値と、交流信号及び印加電極から肌を透過した信号の時間差に基づく第一の変数と、に基づいて、角層水分量を評価する演算工程を含んでいる。
本発明に係る評価方法は、上記演算工程を備えているため、1回の皮膚への接触により、皮膚の状態を変化させずに、高精度で角層水分量を測定することができる。
(実施例)
本発明を適用した演算処理装置と、SKICON及びモバイルモイスチャーとの相関関係を示す実施例について説明する。
表1は、本発明を適用した演算処理装置において、n>mの範囲に設定した場合のSKICON及びモバイルモイスチャーとの相関関係を算出した実施例1〜9を示している。
表1から、上記演算処理装置において数式1を用いることにより、n>mの範囲に設定した場合には、SKICONとの間で、相関係数R=0.88以上の非常に高い相関関係を示すことが分かった。また、表1から、上記演算処理装置において数式3を用いることにより、nの値が小さい場合及びnとmとの差が小さい場合に、モバイルモイスチャーとの間で、相関係数R=0.84以上の非常に高い相関関係を示すことが分かった。
表2は、本発明を適用した演算処理装置において、n<mの範囲に設定した場合のSKICON及びモバイルモイスチャーとの相関関係を算出した実施例10〜15を示している。
表2から、上記演算処理装置において数式3を用いることにより、n<mの範囲に設定した場合には、モバイルモイスチャーとの間で、相関係数R=0.80以上の非常に高い相関関係を示すことが分かった。また、表2から、上記演算処理装置において数式1を用いることにより、nとmとの差が小さい場合に、SKICONとの間で、相関係数R=0.814以上の非常に高い相関関係を示すことが分かった。
上記実施例1〜15に示すように、本発明を適用した演算処理装置において、数式1及び数式3を用いることにより、SKICON及びモバイルモイスチャーとの間で、相関係数R=0.71以上の高い相関関係を示すことが分かった。すなわち、本発明を適用した演算処理装置による測定値は、コンダクタンス法及びキャパシタンス法のどちらで測定した値であっても、高い相関関係を示すことができる。
特に、n>mの範囲に設定した場合、又は、n<mの範囲に設定した場合であってもnとmとの差が小さい場合には、SKICONとの間で、非常に高い相関関係を示すことができる。また、n<mの範囲に設定した場合、又は、n>mの範囲に設定した場合であってもnの値が小さい場合及びnとmとの差が小さい場合には、モバイルモイスチャーとの間で、非常に高い相関関係を示すことができる。なお、本発明を適用した演算処理装置は、モバイルモイスチャーと高い相関関係があるため、コルネオメーターとも同様に高い相関関係を得ることができる。