JP6941261B2 - 皮膚インピーダンスを測定する演算処理装置、プログラム、前記演算処理装置を備えた電子機器及び皮膚インピーダンスの評価方法 - Google Patents

皮膚インピーダンスを測定する演算処理装置、プログラム、前記演算処理装置を備えた電子機器及び皮膚インピーダンスの評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、皮膚インピーダンスを測定する演算処理装置、プログラム、前記演算処理装置を備えた電子機器及び皮膚インピーダンスの評価方法に関し、特に、皮膚に電極を接触させ交流信号を入力して皮膚のインピーダンスを測定する演算処理装置等に関する。
図8を用いて、従来の演算処理装置を備えた皮膚バリア機能測定回路の構成について説明する。例えば、特許文献1に記載の皮膚バリア機能測定回路800は、表示器801と、演算処理装置802と、信号発生器803と、印加電極804と、検出器805と、検出電極806と、から構成されている。ここで、皮膚バリア機能とは、体外からの異物の侵入を防いだり、体内の水分の蒸発や体液の漏出を防いだりする皮膚の働きのことをいう。この皮膚バリア機能は、主に角層の水分量や角層の厚さなどに影響すると考えられている。
皮膚バリア機能測定回路800は、印加電極804及び検出電極806を肌に接触させた後、信号発生器803にて交流信号を発生させ、印加電極804から交流信号を肌に印加する。信号発生器803から発生した交流信号は、肌の中の皮膚表面角層807、表皮層808を透過した後、検出電極806を介して検出器805で検出される。そして、検出された信号は演算処理装置802にて演算処理が行われ、皮膚バリア機能を算出して表示器801に表示する。
図9(a)及び(b)を用いて、従来の演算処理装置を備えた電子機器の構成について説明する。例えば、特許文献2に記載の電子機器900は、演算処理装置が内蔵された本体部901と、表示部902と、プローブ903と、検出電極904と、印加電極905と、から構成されている。
電子機器900は、印加電極905から低周波及び高周波の交流信号を発生して皮膚を通過させ、その通過した信号は、検出電極904を介して検出される。検出された電気信号は、電子機器900の演算処理装置にて所定の演算処理が行われ、サセプタンス値やアドミッタンス値等が算出される。算出されたサセプタンス値やアドミッタンス値等に基づいて、皮膚バリア機能となりえる特性値が算出される。そして、特性値を表示部902に表示させ、皮膚バリア機能を表す数値として用いられる。そして、従来の電子機器900は、外気の影響を受けずに測定用の電極を短時間皮膚に接触させるだけで、皮膚バリア機能が測定可能とされている。
特開2003−310567号公報 特開2010−172543号公報
しかしながら、従来の電子機器900は、角層が剥がれて薄くなった肌では、皮膚全体のうち顆粒層以下のインピーダンス値の影響が大きくなり角層のインピーダンス値を精度よく測定することが困難であった。このため、従来の電子機器900は、角層が剥がれて薄くなった肌では、皮膚バリア機能を精度よく算出できないという問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば正常な状態から角層が剥がれた荒れ肌までの幅広い肌の状態で角層の皮膚インピーダンス値を精度よく測定できる演算処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態である演算処理装置は、交流信号発生回路により発せられた交流信号を印加電極から肌に透過させ、肌から検出した信号に基づく第一のインピーダンス値から、顆粒層以下に生ずる第二のインピーダンス値を減算して角層の皮膚インピーダンス値を算出する。
本発明によれば、例えば正常な状態から角層が剥がれた荒れ肌まで幅広い肌の状態で角層の皮膚インピーダンス値を精度よく測定できる演算処理装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る演算処理装置を備えた電子機器を示す構成図である。 図1に示す電子機器のプローブの構成を示す構成図である。 (a)は人の皮膚の断面を示す模式図であり、(b)は表皮の断面を詳細に示す模式図である。 図1に示す電子機器が備える皮膚バリア機能測定回路の回路図である。 図4に示す皮膚バリア機能測定回路の動作を示すフローチャートである。 図4に示す皮膚バリア機能測定回路の動作を示すフローチャートである。 皮膚のインピーダンス値とTEWL値との関係を示す図である。 従来の演算処理装置を備えた皮膚バリア機能測定回路の構成図である。 (a)は従来の演算処理装置を備えた電子機器を示す構成図であり、(b)は従来の電子機器のプローブの構成を示す構成図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明の一実施形態に係る演算処理装置を備えた電子機器を示す構成図である。図1に示す電子機器1は、本体部101と、表示部102と、プローブ103と、検出電極104と、を備える。
図2は、プローブ103の構成を示す構成図である。図2に示すプローブ103は、検出電極104と、印加電極201と、グラウンド電極202と、を同心円状に備え、人の皮膚における皮膚バリア機能を評価するために使用される。ここで、プローブ103のグラウンド電極202は、測定時に外部からのノイズが検出電極104や印加電極201に伝播し測定にノイズの影響が出ることを防止している。また、本実施形態では、検出電極104の外径と印加電極201の内径との電極間隔が2.2mmに形成されているが、電極間隔はこの寸法に限られず、電極の形状も同心円状に限られない。
次に、電子機器1の動作について説明する。本体部101の電源をオンにした後、本体部101の側面にあるプローブ103を人の皮膚に押し当て、検出電極104と印加電極201が皮膚に接触するようにして測定開始スイッチをオンにする。そして、本体部101の内部にある皮膚バリア機能測定回路を動作させ、例えば、500Hz交流信号と500Hz検出信号との時間差及び500Hz検出信号の波高値を測定し、位相差θ、サセプタンス値B、アドミッタンス値Yを算出する。また、例えば、100kHz検出信号の波高値を測定し、アドミッタンス値Yを算出する。算出したθ、B、Yに基づいて皮膚全体のインピーダンス値を演算し、その皮膚全体のインピーダンス値から顆粒層以下のインピーダンス値を減算して、角層の皮膚インピーダンス値として算出する。算出結果は、後述する演算処理装置にて皮膚バリア機能等を表す数値に変換して表示部102に表示される。
ここで、角層の皮膚インピーダンス値とは、人の皮膚の角層のみの通電特性を表すインピーダンス値のことをいう。また、交流信号と検出信号との時間差をΔt、交流信号の周波数をfとすると、例えば、θ=2πfΔtと表すことができ、θは交流信号と検出信号との時間差によって変化する変数と定義することもできる(以下、交流信号と検出信号との時間差とθの関係については同様である)。
なお、プローブ103の構成は図2の構成に限らず、人の皮膚に交流信号を印加して当該皮膚を通過した信号を検出することができる構成であればどのような構成であってもよい。さらに、測定時に外部からのノイズの影響を低減できるのであればグラウンド電極202を用いなくてもよい。また、電子機器1は、上記構成に限らず、プローブと皮膚バリア機能測定回路を組み込むことができる構成であれば、携帯電話やスマートフォン、時計等どのような電子機器であってもよい。
図3(a)は、人の皮膚の断面を示す模式図である。皮膚300は、人の外側表面から内側に向かって、表皮301、真皮302及び皮下組織303の3層で構成されている。また、表皮301は、人の外側表面の上層から角層305、顆粒層306、有棘層307及び基底層308の4つの層で構成されている。
図3(b)は、表皮の断面を詳細に示す模式図である。角層305は、角質細胞321と細胞間脂質322とで構成されている。また、顆粒層306はSG1細胞323と、SG2細胞324と、SG3細胞325と、SG2細胞324の細胞間の隙間をシールするタイトジャンクション326とで構成される。
ここで、皮膚バリア機能とは、主として角層305中の角質細胞321、角質細胞間脂質322、顆粒層306中のSG2細胞324及びタイトジャンクション326によって構成された生体組織の機能のことである。皮膚バリア機能によって皮膚300の内側から外側への水が移動することを制限して皮膚が乾燥することを防止している。また、皮膚300の外から病原体やアレルゲンが皮膚300内側に侵入してくることを防いで皮膚300が感染症にかかる事を防止している。角層305が皮膚バリア機能の9割を担っており、角層305の薄層化や角層305中の水分の低下等が起こると皮膚バリア機能が低下し、皮膚の乾燥や感染症発症のリスクが高まる。
皮膚バリア機能を評価する一つの手法として従来より経皮水分蒸散量(transepidermalwaterloss:以下、TEWLと略す場合がある)の測定が行われている。人の皮膚にてTEWLの測定を行い、TEWL値が大きくなることがわかれば、角層に損傷があるということを推測することが出来る。このため、皮膚バリア機能の低下を推測することができると考えられ、人の皮膚でTEWLの測定することが皮膚バリア機能を評価するために用いられている。
一例として、本実施形態で用いている交流信号を皮膚300内部に伝搬させて角層の皮膚インピーダンス値を算出する手順について説明する。まず、本実施形態に係る電子機器1を動作させ、プローブ103の検出電極104と印加電極201が皮膚300に接触するようにして測定開始スイッチをオンにする。すると、皮膚300に入力された交流信号は、例えば、表皮301及び真皮302を通過して皮下組織33の上層部まで到達し、そこから折り返して真皮302を通り表皮301まで戻ってきて検出電極104で検出される。そして、検出された交流信号に基づいて、皮膚300全体のインピーダンス値311から顆粒層306以下のインピーダンス値312を減算して、角層305の皮膚インピーダンス値313を算出する。
図4は、電子機器1が備える皮膚バリア機能測定回路の回路図である。図4に示す皮膚バリア機能測定回路400は、演算処理装置401と、交流信号発生回路410と、信号検出回路420と、判定回路430と、グラウンド電極202に接続されるグラウンド端子440と、を備える。
演算処理装置401は、出力端子451、452、453及び465と、入力端子461、462、463及び464と、を備える。
交流信号発生回路410は、500Hz交流信号発生回路411と、100kHz交流信号発生回路412と、切り替え回路413と、を備える。切り替え回路413は、入力端子414、415と、出力端子416と、を備える。
信号検出回路420は、500Hz出力測定回路421と、100kHz出力測定回路422と、電流検出回路423と、切り替え回路424と、検出抵抗425、426と、を備える。500Hz出力測定回路421及び100kHz出力測定回路422は、それぞれ、増幅回路471、472と、フィルター回路481、482と、を備える。切り替え回路424は、入力端子427と、出力端子428、429と、を備える。
次に、皮膚バリア機能測定回路400の接続について説明する。演算処理装置401において、出力端子451は500Hz交流信号発生回路411の入力に接続され、出力端子452は100kHz交流信号発生回路412の入力に接続され、出力端子453は切り替え回路413に接続される。
また、500Hz交流信号発生回路411の出力は切り替え回路413の入力端子414に接続され、100kHz交流信号発生回路412の出力は切り替え回路413の入力端子415に接続される。切り替え回路413の出力端子416は印加電極201に接続される。
演算処理装置401において、入力端子461は、500Hz出力測定回路421内の増幅回路471の出力及び判定回路430の入力に接続され、入力端子462は判定回路430の出力及び増幅回路471に接続される。また、入力端子463は、100kHz出力測定回路422内の増幅回路472の出力及び判定回路430の入力に接続され、入力端子464は判定回路430の出力及び増幅回路472接続される。出力端子465は、切り替え回路424に接続される。
500Hz出力測定回路421内の増幅回路471の入力は、フィルター回路481の出力に接続され、100kHz出力測定回路422内の増幅回路472の入力は、フィルター回路482の出力に接続される。フィルター回路481、482の入力は、電流検出回路423の出力に接続される。
さらに、検出電極104は、切り替え回路424の入力端子427に接続される。切り替え回路424の出力端子428は、検出抵抗425の一方の端子及び電流検出回路423の入力に接続される。切り替え回路424の出力端子429は、検出抵抗426の一方の端子及び電流検出回路423の入力に接続される。検出抵抗425、426のもう一方の端子はグラウンド端子440に接続される。
次に、図5を用いて、本実施形態に係る演算処理装置401を備えた皮膚バリア機能測定回路400の動作について説明する。
まず、ステップS501において、演算処理装置401は、制御信号を出力して交流信号発生回路410から500Hz交流信号を発生させ、印加電極201から500Hz交流信号を皮膚に印加する。
次に、ステップS502において、信号検出回路420は、検出電極104の500Hz検出信号を測定し、出力信号に変換する。
次に、ステップS503において、判定回路430は、ステップS502における500Hz検出信号の測定工程及び出力信号への変換工程において、出力信号が演算処理装置401で読み込み可能な値か否かを判定する。
出力信号が演算処理装置401で読み込み可能でないと判定回路430で判定された場合、増幅回路471のゲインを変更してステップS501に戻り、再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理装置401にて読み込み可能な値になるまで継続される。一方、出力信号が演算処理装置401で読み込み可能な値になった場合、ステップS504に進む。
ステップS504において、演算処理装置401は、結果1として、500Hz交流信号と500Hz検出信号との時間差及び500Hz検出信号の波高値に基づいて、位相差θ、サセプタンス値Bを算出する。そして、この演算処理装置401内の記録媒体に保存する。
次に、ステップS505において、演算処理装置401は、制御信号を出力して交流信号発生回路410から100kHz交流信号を発生させ、印加電極201から100kHz交流信号を皮膚に印加する。
次に、ステップS506において、信号検出回路420は、100kHz出力測定回路422を介して検出電極104の100kHz検出信号を測定し、出力信号に変換する。
次に、ステップS507において、判定回路430は、ステップS506における100kHz検出信号の測定工程及び出力信号への変換工程において、出力信号が演算処理装置401で読み込み可能な値か否かを判定する。
出力信号が演算処理装置401で読み込み可能でないと判定回路430で判定された場合、増幅回路472のゲインを変更してステップS505に戻り、再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理装置401にて読み込み可能な値になるまで継続される。一方、出力信号が演算処理装置401で読み込み可能な値になった場合、ステップS508に進む。
ステップS508において、演算処理装置401は、結果2として、100kHz検出信号の波高値に基づいて、アドミッタンス値Yを算出する。そして、演算処理装置401内の記録媒体に保存する。なお、ステップS501からS504までの工程とステップS505からS508までの工程とは、どちらが先であってもよく、順序の入れ替えが可能である。また、1周波数のみの演算結果を使用して皮膚インピーダンス値を算出する場合は、ステップS505からS508までの工程を省略して、ステップS504からステップS509へ進むことができる。又は、ステップS501からS504までの工程を省略して、ステップS505から進むことができる。
その後、ステップS509において、演算処理装置401は、顆粒層以下のインピーダンス値312及び分極インピーダンス値を算出する。本実施形態では顆粒層以下のインピーダンス値312及び分極インピーダンス値は予め算出した固定値を用いている。なお、顆粒層以下のインピーダンス値312は後述する算出方法で算出して用いてもよい。
本実施形態では分極インピーダンス値の一例として、交流信号の周波数が500Hzの場合、レジスタンスR=3.579Ω・cmで、リアクタンスX=−10.64Ω・cmを、交流信号の周波数が100kHzの場合、レジスタンスR=0.1212Ω・cmで、リアクタンスX=−0.2634Ω・cmを用いている。これらの数値は、予め固定値として演算処理装置401に記録しておくことができる。
そして、ステップS510において、演算処理装置401は、結果1として保存された値及び/又は結果2として保存された値を用いて、第一のインピーダンス値としての皮膚全体のインピーダンス値311を演算する。演算した皮膚全体のインピーダンス値311から、S509で算出した第二の皮膚インピーダンス値としての顆粒層以下のインピーダンス値312及び予め算出した第三の皮膚インピーダンス値としての分極インピーダンス値を減算し、角層の皮膚インピーダンス値を算出する。
ここで、顆粒層以下のインピーダンス値の減算方法の例について説明する。まず、皮膚全体のインピーダンス値(Zall=Rall+iXall)、分極インピーダンス値(Zpol=Rpol+iXpol)及び顆粒層以下のインピーダンス値(Z=R+iX)を算出し、各インピーダンス値の実部R同士と虚部X同士を以下の数式1により減算して皮膚インピーダンス値を算出する。
[数式1]
Z1=(Rall−Rpol−R)+i(Xall−Xpol−X
数式1は、皮膚全体のインピーダンス値の実部と虚部から分極インピーダンス値及び顆粒層以下のインピーダンス値の実部と虚部を減算するため、精度よく角層の皮膚インピーダンス値を算出することができる。
また、顆粒層以下のインピーダンス値の減算方法の別の例について説明する。まず、皮膚全体のインピーダンス値の絶対値(Zall=1/Yall)、分極インピーダンス値(Zpol=Rpol+iXpol)及び顆粒層以下のインピーダンス値(Z=R+iX)を算出する。次に、皮膚全体のインピーダンス値の絶対値(|Zall|)と、分極インピーダンス値及び顆粒層以下のインピーダンス値の和の絶対値(|Zpol+Z|=sqrt{(Rpol+R+(Xpol+X})と、を算出する。そして、以下の数式2により、上記皮膚全体のインピーダンス値の絶対値から、分極インピーダンス値及び顆粒層以下のインピーダンス値の和の絶対値を減算して角層の皮膚インピーダンス値を算出する。
[数式2]
|Z2|=|Zall|−|Zpol+Z|
数式2は数式1のように皮膚全体のインピーダンス値の実部と虚部を算出する必要がないため、交流信号と検出信号との時間差を測定する必要がない。このため、高周波の交流信号(例えば、周波数100kHz以上の信号)で、交流信号と検出信号との時間差が非常に微小で測定が困難な時に用いると良い。本実施形態では、500Hzの交流信号の時は数式1を、100kHzの交流信号の時は数式2を用いている。
次に、図6を用いて、本実施形態に係る演算処理装置401による、顆粒層以下のインピーダンス値312の算出方法について説明する。
まず、ステップS601において、皮膚を薄く剥がしていくテープストリッピング(TS:Tape Striping)を実施する。ここで、テープストリッピングとは、皮膚から角層を取り除くため、粘着性テープなどを皮膚に貼り付けて、引き剥がす操作のことをいう。テープストリッピングを例えば、数十回繰り返すと、角層がほぼ除去される。
次に、ステップS602において、演算処理装置401は、テープストリッピングを実施した後の、第4のインピーダンス値としての皮膚インピーダンス値2のレジスタンスR及びリアクタンスXを測定する。
ステップS603において、判定回路430は、ステップS602において測定したレジスタンスR及びリアクタンスXが変化するか否かを判定する。
測定したレジスタンスR及びリアクタンスXが変化すると判定回路430で判定された場合、ステップS601に戻り、TSを再実施する。この再実施工程は、皮膚インピーダンス値2のレジスタンスR及びリアクタンスXが変化しなくなるまで継続される。一方、皮膚インピーダンス値2のレジスタンスR及びリアクタンスXが変化しなくなった場合、ステップS604に進む。
ステップS604において、演算処理装置401は、第五のインピーダンス値としての分極インピーダンス値2を算出する。なお、上記と同様に、分極インピーダンス値2は予め算出した固定値を用いる。
ステップS605において、演算処理装置401は、測定したレジスタンスR及びリアクタンスXから分極インピーダンス値2を減算して、顆粒層以下のインピーダンス値312を算出する。
なお、顆粒層以下のインピーダンス値312は皮膚の測定ごとに毎回測定して算出する必要はなく、予め算出した値を固定値として演算処理装置401に保存し、角層の皮膚インピーダンス値の算出時に用いても良い。本実施形態では、顆粒層以下のインピーダンス値312を測定し算出後、この値を固定値として演算処理装置401に記録し、角層の皮膚インピーダンス値313の算出時に用いている。
図7は、100kHzの交流信号を肌に印加した時の皮膚全体のインピーダンス値等とTEWL値との関係を示す図である。図7の横軸は、TEWL値を表し、縦軸は、皮膚全体のインピーダンス値等の対数を表す。図7を用いて、角層の皮膚インピーダンス値を算出する場合における、顆粒層以下のインピーダンス値の影響について説明する。
図7のひし形71は測定した皮膚全体のインピーダンス値を示し、四角72は顆粒層以下のインピーダンス値を減算して補正した角層の皮膚インピーダンス値を示し、三角73は顆粒層以下のインピーダンス値及び電極間分極インピーダンス値を減算して補正した角層の皮膚インピーダンス値を示している。
図7から把握されるように、TEWL値が40以下の場合は、測定した皮膚全体のインピーダンス値と補正後の角層の皮膚インピーダンス値とがほぼ同じ値であるため、補正をしなくても精度が高い角層の皮膚インピーダンス値を測定することができる。一方、TEWL値が40以上の場合は、顆粒層以下のインピーダンス値の影響が大きく、測定した皮膚全体のインピーダンス値と補正後の角層の皮膚インピーダンス値とに大きな誤差が生じるので、精度が高い角層の皮膚インピーダンス値を測定するためには上記のような補正をする必要がある。すなわち、TEWL値が40以上の場合は、顆粒層以下のインピーダンス値及び/又は電極間分極インピーダンス値の補正効果が大きくなる。
以上のように、本実施形態に係る演算処理装置401を備えた電子機器1によれば、演算処理装置401において、測定した皮膚全体のインピーダンス値から、顆粒層以下のインピーダンス値及び/又は電極間分極インピーダンス値を減算して補正した角層の皮膚インピーダンス値を精度よく測定することができる。これにより、例えば正常な状態から角層が剥がれた荒れ肌まで幅広い肌の状態であっても精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。
なお、本実施形態に係る電子機器1では、交流信号の周波数として、500Hz及び100kHzを用いているが、交流信号の周波数はこれに限られない。さらに、本実施形態に係る電子機器1では、500Hzの交流信号を印加した後、100kHzの交流信号を印加しているが、交流信号を印加する順番は特に限定されず、どちらを先に印加してもよい。また、2周波数を用いて測定しているが、1周波数のみを肌に印加してもよい。
また、本実施形態に係る演算処理装置401では、皮膚全体の皮膚インピーダンス値を算出するために、サセプタンス値及びアドミッタンス値を用いているが、例えば、コンダクタンス値や、サセプタンス値、アドミッタンス値、これらの逆数値を用いてもよい。又は、皮膚全体の皮膚インピーダンス値を算出するために、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
なお、本実施形態に係る演算処理装置401において、例えば、500Hzの交流信号からアドミッタンス値を、100kHzの交流信号からサセプタンス値を検出して、皮膚全体の皮膚インピーダンス値を求めてもよい。
さらに、本実施形態に係る演算処理装置を備えたパーソナルコンピュータ等の電子機器に、その演算処理装置での処理を実行するプログラムをインストールすることによって、皮膚インピーダンス値等を算出することもできる。
1 電子機器
101 本体部
102 表示部
103 プローブ
104 検出電極
201 印加電極
202 グラウンド電極
300 皮膚
301 表皮
302 真皮
303 皮下組織
305 角層
306 顆粒層
307 有棘層
308 基底層
311 皮膚全体のインピーダンス値
312 顆粒層以下のインピーダンス値
313 角層の皮膚インピーダンス値
321 角質細胞
322 細胞間脂質
326 タイトジャンクション
400 皮膚バリア機能測定回路
401 演算処理装置
410 交流信号発生回路
411 500Hz交流信号発生回路
412 100kHz交流信号発生回路
413、424 切り替え回路
414、415、427、461、462、463、464、465 入力端子
416、351、428、429、451、452、453 出力端子
420 信号検出回路
421 500Hz出力測定回路
422 100kHz出力測定回路
423 電流検出回路
425、426 検出抵抗
430 判定回路
440 グラウンド端子
471、472 増幅回路
481、482 フィルター回路

Claims (6)

  1. 交流信号発生回路により発せられた交流信号を印加電極から肌に透過させ、
    前記肌から検出した信号に基づく第一のインピーダンス値 all の絶対値から、顆粒層以下に生ずる第二のインピーダンス値 および前記印加電極と検出電極間に生ずる第三のインピーダンス値Z pol の和の絶対値を減算して、以下の数式2により角層の皮膚インピーダンス値Z2の絶対値を算出する演算処理装置。
    [数2]
    |Z2|=|Z all |−|Z +Z pol |・・・(数式2)
  2. 前記第二のインピーダンス値は、前記皮膚インピーダンス値の変化が小さくなった肌に前記交流信号発生回路により発せられた第一の交流信号を前記印加電極から透過させ、前記皮膚インピーダンス値の変化が小さくなった肌から検出した信号に基づく第四のインピーダンス値から、第一の印加電極と第二の検出電極間に生ずる第五のインピーダンス値を減算して算出する請求項1に記載の演算処理装置。
  3. 交流信号を発生させる交流信号発生回路と、
    前記交流信号を印加する印加電極と、
    前記印加電極から肌を透過した信号を検出する検出電極と、
    前記交流信号に基づく信号を検出し波形を調整する検出回路と、
    請求項1または2に記載の演算処理装置と、
    を備えた電子機器。
  4. 前記請求項1からのいずれか一項に記載の皮膚インピーダンス値を示す数値を算出する演算処理装置として、コンピュータを機能させるプログラム。
  5. 交流信号発生回路により発せられた交流信号を印加電極から肌に透過させ、
    前記肌から検出した信号に基づく第一のインピーダンス値 all の絶対値から、顆粒層以下に生ずる第二のインピーダンス値 および前記印加電極と検出電極間に生ずる第三のインピーダンス値Z pol の和の絶対値を減算して、以下の数式2により角層の皮膚インピーダンス値Z2の絶対値を評価する方法。
    [数2]
    |Z2|=|Z all |−|Z +Z pol |・・・(数式2)
  6. 前記第二のインピーダンス値は、前記皮膚インピーダンス値の変化が小さくなった肌に前記交流信号発生回路により発せられた第一の交流信号を前記印加電極から透過させ、前記皮膚インピーダンス値の変化が小さくなった肌から検出した信号に基づく第四のインピーダンス値から、第一の印加電極と第二の検出電極間に生ずる第五のインピーダンス値を減算する、請求項に記載の皮膚インピーダンス値を評価する方法。
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