JP7462141B2 - 測定装置、電子機器、演算処理方法、およびプログラム - Google Patents

測定装置、電子機器、演算処理方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、測定装置、電子機器、演算処理方法、プログラムに関し、特に幅広い肌の状態の皮膚バリア機能を示す数値を精度よく測定することができる測定装置等に関する。
従来より、電気信号を用いて、皮膚バリア機能を測定する装置が知られている。例えば、特許文献1では、信号発生器から発生させた交流信号を、皮膚に接触した電極を通して皮膚に印加して皮膚バリア機能を測定する装置が開示されている。特許文献1の信号発生器から発生した交流信号は、皮膚の中の皮膚表面角質層、表皮層を透過した後、電極を介して検出される。そして、検出された信号を用いて演算処理が行われ、角質層バリア機能を算出する。
特開2003-310567号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、角質層と表皮層の電気的特性の違いから、角質層の水分量を算出し、皮膚バリア機能を測定しているため、角層がすべて剥がれた荒れ肌で、皮膚バリア機能を測定することができない。
そこで、本発明では、前記課題に鑑みてなされ、正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定できる測定装置を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る測定装置は、交流信号を発生させる交流信号出力部と、
前記交流信号出力部から出力され、皮膚を透過した検出信号を検出する検出信号処理部と、
前記交流信号と前記検出信号との時間差に基づく第一の変数と、前記交流信号に基づく皮膚インピーダンスと、を算出し、
前記第一の変数および前記皮膚インピーダンスに基づいて、前記皮膚の抵抗および容量を算出し、
前記抵抗および前記容量から、式(3)を利用して皮膚バリア機能を示す数値を算出する演算処理部と、
を備える。
ここで、WCは角層の水分量を示した数値、Rは前記抵抗、Cは前記容量、α、β、γ、α、β、γは、定数である。
また、本発明に係る測定装置は、交流信号を発生させる交流信号出力部と、
前記交流信号出力部から出力され、皮膚を透過した検出信号を検出する検出信号処理部と、
前記交流信号と前記検出信号との時間差に基づく第一の変数と、前記交流信号出力部により発せられた前記交流信号に基づく皮膚インピーダンスと、を算出し、
前記第一の変数および前記皮膚インピーダンスに基づいて、前記皮膚の抵抗および容量を算出し、
前記抵抗および前記容量から、式(11)を利用して皮膚バリア機能を示す数値を算出する演算処理部と、
を備える。
ここで、SCは角層の厚さを示した数値、Rは前記抵抗、Cは前記容量、α、β、γ、α、β、γは、定数である。
本発明に係る測定装置によれば、正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本発明に係る第1実施形態の測定装置を有する電子機器を示す構成図である。 図1に示す電子機器のプローブの構成を示す構成図である。 図1に示す電子機器が備える測定装置の構成図である。 図3に示す測定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る第2実施形態の測定装置の構成図である。 図5に示す測定装置の動作を示すフローチャートである。 皮膚バリア機能を示す数値(WC値)と測定された数値との相関関係を示す図である。 本発明に係る第3実施形態の測定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る第4実施形態の測定装置の動作を示すフローチャートである。 皮膚バリア機能を示す数値(SC値)と測定された数値との相関関係を示す図である。 交流信号と検出信号との位相差を表すグラフである。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されることはなく、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形、および変更が可能である。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の測定装置を有する電子機器を示す構成図である。図1に示すように、電子機器1は、本体部101と、プローブ103と、を備える。
本体部101は、後述する測定装置と、表示部102と、操作スイッチ(不図示)と、を備える。表示部102は、測定結果および電子機器のステータス等の情報を表示する。ここで、表示部102は、本体部101に備えられるものとしたが、これに限らず、無線回線又は有線回線により電子機器1に接続された別のコンピュータディスプレイを用いてもよい。また、操作スイッチは、電子機器の電源のON/OFF、測定開始および/または終了を行うユーザーインタフェースであるが、操作スイッチに代わり、表示部102をタッチパネルとし、タッチパネルで操作を行ってもよいし、無線回線又は有線回線を介して電子機器1に接続された別のコンピュータ等を用いて、それら操作を行ってもよい。
図2は、プローブ103の構成を示す構成図である。プローブ103は、検出電極104と、印加電極201と、グラウンド電極202と、を備え、人の皮膚における皮膚バリア機能を評価するために使用される。印加電極201は、人の皮膚に交流信号を印加する電極であり、検出電極104は、印加した交流信号を検出する電極である。グラウンド電極202は、測定時に外部からのノイズが検出電極104や印加電極201に伝播し測定にノイズの影響が出ることを低減する。
なお、プローブ103の構成は図2の構成に限らず、人の皮膚に交流信号を印加して当該皮膚を通過した信号を検出することができる構成であればどのような構成であってもよい。さらに、測定時に外部からのノイズの影響を低減できるのであればグラウンド電極202を用いなくてもよい。また、電子機器1は、本実施形態の構成に限らず、プローブを組み込みことができる構成であれば、携帯電話やスマートフォン、時計等どのような電子機器であってもよい。さらに、測定装置は、本体部101に内蔵されるものとしたが、これに限らず、プローブ103を備える電子機器1と、有線回線又は無線回線で接続された別の電子機器に内蔵されていてもよい。
次に、測定装置300について詳説する。図3は、電子機器1が備える第1実施形態の測定装置の構成図である。この測定装置300は、大別して、演算処理部301と、交流信号出力部310と、検出信号処理部320と、判定部330と、を備える。
交流信号出力部310は、交流信号を出力し、印加電極201に伝達する。検出信号処理部320は、増幅回路321と、フィルター回路322と、信号検出回路323と、検出抵抗324と、を備え、検出電極104から伝達された検出信号を出力信号に変換する。信号検出回路323は、検出電極104と、検出抵抗324を介してグラウンド電極202に接続され、測定に適した検出信号をフィルター回路322に伝達する。フィルター回路322は、信号検出回路323と増幅回路321に接続され、信号検出回路323から得た信号のうち、測定に適した範囲の信号のみを抽出する。増幅回路321は、フィルター回路322に接続され、フィルター回路322で抽出した信号を増幅させる。検出抵抗324は、検出電極104と、信号検出回路323と、グラウンド電極202とに接続され、検出電極104に発生した信号を検出するために用いられる。判定部330は、検出信号処理部320から得た値が、演算処理部301で読み込み可能な値(検出可能範囲内)であるか否かを判定する。また、判定部330は、検出可能範囲外であるときは増幅回路321に増幅率を上げる信号を出力して、検出可能範囲内に信号が増幅されるように調節する。演算処理部301は、記録媒体を備え、測定装置300の各部の動作を制御し、判定部330から得た信号(値)を演算処理し、得られた結果を記憶する。
次に、電子機器1の動作について説明する。図4は、本実施形態の測定装置の動作を示すフローチャートである。本体部101の電源をオンにした後、本体部101の側面にあるプローブ103を人の皮膚に押し当て、検出電極104と印加電極201が皮膚に接触するようにして測定を開始する。
まず、ステップS401において、上記測定装置300は、演算処理部301から制御信号を出力して交流信号出力部310から交流信号を発生させ、発生した交流信号を印加電極201から人の皮膚へと印加する。
次に、ステップS402において、検出信号処理部320は、検出電極104の検出信号を測定し、信号検出回路323、フィルター回路322、及び増幅回路321を用いて、出力信号に変換する。
次に、ステップS403において、判定部330は、ステップS402における検出信号を測定して出力信号へ変換する過程で、出力信号が演算処理部301で読み込み可能な値(検出可能範囲内)か否かを判定する。
出力信号が演算処理部301で読み込み可能な値であると判定された場合(ステップS403においてYESの場合)、ステップS404へ進む。
一方、出力信号が演算処理部301で読み込み可能な値でないと判定された場合(ステップS403においてNOの場合)、ステップS401に戻り、増幅回路321のゲインを変更して再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理部301にて読み込み可能な値になるまで継続される。
次に、ステップS404において、演算処理部301は、結果1として、交流信号と検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出する。加えて、演算処理部301は、交流信号と検出信号との時間差および検出信号の波高値に基づいて、人の皮膚の角層のみの通電特性である皮膚インピーダンスZ(Z=R+iX)を算出する。そして、結果1を演算処理部301内の記録媒体に保存する。
ここで、図11を用いて、交流信号と検出信号との時間差(位相差)について説明する。図11に示すように、皮膚に印加される交流信号と皮膚を通過して検出される検出信号とは、共に電圧を計測しており、印加電極から皮膚を通過した検出信号は皮膚の中の容量成分によって信号が遅延するため、時間差が生じる。交流信号と検出信号との時間差をΔt、交流信号の周波数をfとすると、例えば、θ=2πfΔtと表すことができ、位相角θは、交流信号と検出信号との時間差によって変化する変数と定義することもできる(以下、交流信号と検出信号との時間差とθの関係については同様である)。同様に、検出信号の波高値Vは、皮膚の中の容量成分によって交流信号の波高値Vと比較して減衰する。この減衰した波高値Vと交流信号と検出信号との時間差とに基づき、皮膚インピーダンスZを算出する。
次に、ステップS405において、演算処理部301は、結果1として保存された位相角θおよび皮膚インピーダンスZに基づいて、第一の皮膚バリア機能を示す数値である角層の表面等の水分量WCを算出する。具体的には、皮膚インピーダンスZは、抵抗RおよびリアクタンスXを用いて、Z=R+iXと表すことができ、式中、R=Zcosθ、X=Zsinθであることから、まず、以下の式(1)および(2)により、位相角θおよび皮膚インピーダンスZから、皮膚の角層の抵抗R及び容量Cを算出する。
=R+X×X/R・・・・・・(1)
=X/(ω×(R^2+X^2)・・・・・・(2)
ここで、ωは、角周波数である。
そして、抵抗Rおよび容量Cから、以下の式(3)を利用して、第一の皮膚バリア機能を示す数値である角層の表面等の水分量WCを算出する。
ここで、WCは角層の水分量を示した数値、Rは抵抗、Cは容量、α、β、γ、α、β、γは、所定の定数である。
これらの所定の定数は、最適化計算法により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の皮膚において位相角θおよび皮膚インピーダンスZを算出し、複数の位相角θおよび皮膚インピーダンスZを得る。さらに、同様の皮膚を用いて、従来の角層の水分量の測定方法の一つとして用いられている共焦点ラマン分光装置により角層の水分量を測定する。このようにして得られた角層の水分量WCの値を用い、位相角θおよび皮膚インピーダンスZの複数の組について最適化計算を行い、式(3)に用いられる所定の定数を決定する。なお、従来の評価方法として角層の水分量を測定できるのであれば共焦点ラマン分光装置に限らず、別の方法を用いてもよい。
最終的に、ステップS410において、式(3)に基づいて算出された角層の水分量WCの値を表示部102に表示させる。
以上のような本発明を適用した測定装置300を有する電子機器1によれば、演算処理部301において、交流信号と検出電極104の検出信号との時間差に基づいて算出された位相角θおよび皮膚インピーダンスZに基づいて角層の抵抗Rおよび容量Cを算出し、抵抗Rおよび容量Cから角層の水分量WCを算出するため、正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。
なお、電子機器1において、判定部330は出力信号を判定して増幅回路321のゲインを変更する方式を採用しているが、出力信号を精度よく正確に検出できる方式であればその方式は特に限定されず、例えば、交流信号の波高値を変更する方式や検出抵抗の抵抗値を変更する方式を採用してもよい。
また、交流信号出力部310は、一又は二以上の交流信号を発生させる構成としてもよい。交流信号出力部310が二以上の交流信号を発生させる構成とした場合、各交流信号と当該交流信号に基づいて検出された検出信号との時間差に基づいた各位相角θおよび皮膚インピーダンスZを角層の水分量WCの算出に用いてもよい。
なお、通電特性としては、皮膚インピーダンスZの他に、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値から一つの値を選択することができる。または、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
<第2実施形態>
次に、図5および図6を用いて、本発明に係る第2実施形態の測定装置について説明する。第2実施形態の測定装置1300の演算処理部1301は、角層の水分量WCを算出するための演算方式および端子の構成が第1実施形態の演算処理部301と異なる。この相違に伴い、演算処理部1301に接続される交流信号出力部に関しても構成が異なる。演算処理部1301の他の構成は、演算処理部301の各構成と同一であるため、同一の符号を付し、それらの説明は割愛する。
図5に示すように、本実施形態に係る電子機器において、交流信号出力部1310は、それぞれ演算処理部1301からの制御信号により動作を制御される、500Hz交流信号発生回路1311と、100kHz交流信号発生回路1312と、切り替え回路1313と、を備える。500Hz交流信号発生回路1311及び100kHz交流信号発生回路1312は、それぞれ第一の交流信号である500Hz及び第二の交流信号である100kHzの交流信号を出力する回路である。切り替え回路1313は、印加電極201へ出力する交流信号を切り替えるためのスイッチング機構であり、入力端子1314,1315と、出力端子1316と、を備える。
演算処理部1301からの500Hz交流信号発生回路1311の出力は、切り替え回路1313の入力端子1314に接続され、100kHz交流信号発生回路1312の出力は、切り替え回路1313の入力端子1315に接続される。切り替え回路1313の出力端子1316は、印加電極201に接続される。
次に、図6を用いて、演算処理部1301を備えた測定装置の動作について説明する。上記測定装置1300も、電子機器のプローブを人の皮膚に押し当てた後、測定動作を開始する。
まず、ステップS1401において、上記測定装置1300は、演算処理部1301から制御信号を出力し、切り替え回路1313を用いて、500Hz交流信号発生回路1311と印加電極201を接続し、交流信号出力部1310から、第一の交流信号である500Hzの交流信号を発生させ、印加電極201から500Hzの交流信号を皮膚に印加する。
次に、ステップS1402において、検出信号処理部320は、検出電極104から得た検出信号を測定し、信号検出回路323、フィルター回路322、及び増幅回路321を用いて、出力信号に変換する。
次に、ステップS1403において、判定部330は、ステップS1402における検出信号を測定して出力信号へ変換する過程で、出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値(検出可能範囲内)か否かを判定する。
出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値であると判定された場合(ステップS1403においてYESの場合)、ステップS1404へ進む。
一方、出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値でないと判定された場合(ステップS1403においてNOの場合)、ステップS1401に戻り、増幅回路321のゲインを変更して再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理部301にて読み込み可能な値になるまで継続される。
次に、ステップS1404において、演算処理部1301は、結果1として、500Hzの交流信号と検出信号との時間差および検出信号の波高値に基づいて、第一の皮膚インピーダンスZを算出する。加えて、演算処理部1301は、500Hzの交流信号と検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出する。そして、結果1を演算処理部1301内の記録媒体に保存する。
次に、ステップS1405において、上記測定装置1300は、演算処理部1301から制御信号を出力し、切り替え回路1313を用いて、100kHz交流信号発生回路1312と印加電極201を接続し、交流信号出力部1310から、第二の交流信号である100kHzの交流信号を発生させ、印加電極201から100kHzの交流信号を皮膚に印加する。
次に、ステップS1406において、検出信号処理部320は、検出電極104の検出信号を測定し、信号検出回路323、フィルター回路322、及び増幅回路321を用いて、出力信号に変換する。
次に、ステップS1407において、判定部330は、ステップS1406における検出信号を測定して出力信号へ変換する過程で、出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値(検出可能範囲内)か否かを判定する。
出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値であると判定された場合(ステップS1407においてYESの場合)、ステップS1408へ進む。
一方、出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値でないと判定された場合(ステップS1407においてNOの場合)、ステップS1405に戻り、増幅回路321のゲインを変更して再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理部301にて読み込み可能な値になるまで継続される。
次に、ステップS1408において、演算処理部1301は、結果2として、100kHzの交流信号と検出信号との時間差および検出信号の波高値に基づいて、第二の皮膚インピーダンスZを算出する。そして、結果2を演算処理部1301内の記録媒体に保存する。
次に、ステップS1409において、演算処理部1301は、結果1として保存された皮膚インピーダンスZおよび位相角θと、結果2として保存された皮膚インピーダンスZとに基づいて、第一の皮膚バリア機能を示す数値である角層の表面等の水分量WCを算出する。具体的には、皮膚インピーダンスZおよびZは、それぞれ、抵抗R、RおよびリアクタンスX、Xを用いて、Z=R+iX、Z=R+iXと表すことができ、式中、R=Zcosθ、X=Zsinθ=Zcosθ、X=Zsinθであることから、まず、以下の式(4)および(7)により、位相角θおよび皮膚インピーダンスZ、Zから、皮膚の角層の抵抗RPL、RPH及び容量CPL、CPHを算出する。
PL=R+X*X/R・・・・・・(4)
PH=R+X*X/R・・・・・・(5)
PL=X/(ω*(R^2+X^2)・・・・・・(6)
PH=X/(ω*(R^2+X^2)・・・・・・(7)
ここで、ωL、ωは、角周波数ある。
そして、抵抗RPL、RPH及び容量CPL、CPHから、以下の式(8)により、第一の皮膚バリア機能を示す数値である角層の水分量WCを算出する。
ここで、WCは角層の水分量を示した数値、RPL、RPHは角層の抵抗、CPL、CPHは角層の容量、αRH、βRH、γRH、αCL、βCL、γCLは、所定の定数である。
これらの所定の定数は、最適化計算法により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の皮膚において位相角θと皮膚インピーダンスZLおよびZHとを算出し、複数の位相角θと皮膚インピーダンスZおよびZとを得る。さらに、同様の皮膚を用いて、従来の角層の水分量の測定方法の一つとして用いられている共焦点ラマン分光装置により角層の水分量を測定する。このようにして得られた角層の水分量の値を用い、位相角θおよび皮膚インピーダンスZと、皮膚インピーダンスZと、の複数の組について最適化計算を行い、式(8)に用いられる所定の定数を決定する。
ここで、複数の人の肌を用いて、人数分の位相角θと皮膚インピーダンスZおよびZを得た結果として、例えば、αRHとして「1e5~1e9」、βRHとして「0.01~100」、γRHとして「0.01~100」、αCLとして「1e-6~1e-10」、βCLとして「0.01~100」、γCLとして「0.01~100」の数値が得られた。
ここで、図7は、式(8)により算出された角層の水分量WCSEと、測定した角層の水分量WCSMとの比較検証の結果を示すものである。図7において、縦軸は算出された角層の水分量WCSEの値を示し、横軸は共焦点ラマン分光装置により測定した角層の水分量WCSMの値を示す。
図7から把握されるように、式(8)により算出された角層の水分量WCSEと、従来の共焦点ラマン分光装置により測定した角層の水分量WCSMとの間では、良好な正の相関が確認できた。
このようにして角層の水分量WCを算出した後、ステップS1410において、算出された角層の水分量WCの値を表示部102に表示させる。
以上のような第2実施形態に係る測定装置1300を有する電子機器によれば、演算処理部1301において、従来の共焦点ラマン分光装置により測定した角層の水分量と良好な相関関係にある角層の水分量WCを算出することができるため、正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。
さらに、第2実施形態に係る測定装置1300では、位相角θに加え、実数値である皮膚インピーダンスZを用いているため、より正確に角層の水分量WCの値を算出することができ、正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。
なお、本実施形態に係る測定装置1300では、交流信号の周波数として、500Hzと100kHzを用いているが、2つ交流信号の周波数は異なるものであればよく、本実施形態の数値に限られない。例えば、低周波数が皮膚内の細胞を通過しないものとし、高周波数が皮膚内の細胞を通過するものとすることができる。
さらに、本実施形態に係る測定装置1300は、500Hzの交流信号を印加した後、100kHzの交流信号を印加しているが、交流信号を印加する順番は特に限定されず、どちらを先に印加してもよい。
また、第2実施形態に係る測定装置1300では、500Hzの交流信号と検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出しているが、位相角θの種類としては特に限定されず、100kHzの交流信号と検出信号との時間差に基づいて算出されるθ(以下、θ100kと表す)を用いてもよく、かかる場合、上記式において、θをθ100kに変更して角層の水分量WCを求めてもよい。なお、500Hzおよび100kHzの両方の位相角θを用いてもよい。
さらに、前述の如く、交流信号と検出信号との時間差をΔt、交流信号の周波数をfとすると、例えば、θ=2πfΔtと表すことができる(2πおよびfは定数)。このため、位相角θは、時間差Δtに変換することも可能である。
<第3実施形態>
次に、図8を用いて、本発明に係る第3実施形態の測定装置について説明する。
ここで、人の皮膚は、角層を含む表皮、真皮、および皮下組織から構成されている。そして、皮膚の最外側に設けられる角層が外界に対するバリア機能に大いに寄与していることが知られている。角層の構造に変化(例えば、角層の薄層化、一部欠損等)が見られる場合、皮膚炎等が誘発されることも知られており、やはり角層が皮膚バリア機能に大いに寄与していると言える。
そこで、本発明者らは、角層の厚さも、角層の水分量と同様、皮膚バリア機能を示す値として有意義であると考え、第3実施形態に係る測定装置を完成させるに至った。
第3実施形態に係る測定装置の演算処理部は、第1実施形態に係る演算処理部と同様の数式を用いて角層の厚さを算出する点以外は、第1実施形態に係る演算処理部301と同一の構成を備え、第3実施形態に係る演算処理部を備えた測定装置に関しても第1実施形態に係る演算処理部301を備えた測定装置と同一の構成である。また、電子機器としても同一の構成である。一方、第3実施形態に係る演算処理部を備えた測定装置の動作に関しては、後述の式(11)を用いて角層の厚さを算出する点が異なるため、図8を用いて説明する。なお、以下の説明において、第3実施形態に係る演算処理部を備えた測定装置の各構成に関しては、第1実施形態に係る回路と同一の符号を用いる。
図8を用いて、第3実施形態に係る測定装置の動作を説明する。上記測定装置は、電子機器1のプローブ103を人の皮膚に押し当てた後に、測定動作を開始する。
まず、ステップS501において、上記測定装置は、演算処理部301から制御信号を出力して交流信号出力部310から交流信号を発生させ、発生した交流信号を印加電極201から人の皮膚へと印加する。
次に、ステップS502において、検出信号処理部320は、検出電極104の検出信号を測定し、信号検出回路323、フィルター回路322、及び増幅回路321を用いて、出力信号に変換する。
次に、ステップS503において、判定部330は、ステップS502における検出信号を測定して出力信号へ変換する過程で、出力信号が演算処理部301で読み込み可能な値(検出可能範囲内)か否かを判定する。
出力信号が演算処理部301で読み込み可能な値であると判定された場合(ステップS503においてYESの場合)、ステップS504へ進む。
一方、出力信号が演算処理部301で読み込み可能な値でないと判定された場合(ステップS503においてNOの場合)、ステップS501に戻り、増幅回路321のゲインを変更して再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理部301にて読み込み可能な値になるまで継続される。
次に、ステップS504において、演算処理部301は、結果1として、交流信号と検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出する。加えて、演算処理部301は、交流信号と検出信号との時間差および検出信号の波高値に基づいて、人の皮膚の角層のみの通電特性である皮膚インピーダンスZ(Z=R+iX)を算出する。そして、結果1を演算処理部301内の記録媒体に保存する。
次に、ステップS505において、演算処理部301は、結果1として保存された位相角θおよび皮膚インピーダンスZに基づいて、第二の皮膚バリア機能を示す数値である角層厚SCを算出する。具体的には、皮膚インピーダンスZは、抵抗RおよびリアクタンスXを用いて、Z=R+iXと表すことができ、式中、R=Zcosθ、X=Zsinθであることから、まず、以下の式(9)および(10)により、位相角θおよび皮膚インピーダンスZから、皮膚の角層の抵抗R及び容量Cを算出する。
=R+X*X/R・・・・・・(9)
=X/(ω*(R^2+X^2)・・・・・・(10)
ここで、ωは、角周波数である。
そして、抵抗Rおよび容量Cから、以下の式(11)を利用して、第二の皮膚バリア機能を示す数値である角層厚SCを算出する。
ここで、SCは角層の厚さを示した数値、Rは角層の抵抗、Cは角層の容量、α、β、γ、α、β、γは、所定の定数である。
これらの所定の定数は、最適化計算法により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の皮膚において位相角θおよび皮膚インピーダンスZを算出し、複数の位相角θおよび皮膚インピーダンスZを得る。さらに、同様の皮膚に関し、通常行われる共集点レーザ顕微鏡(Caliber I.D社製、Vivascope)を用いて角層厚を測定する。このようにして得られた角層厚の値を用い、位相角θおよび皮膚インピーダンスZと角層厚との複数の組について最適化計算を行い、式(11)に用いられる所定の定数を決定する。なお、角層厚を測定する方法に関しては特定されず、公知の方法を適宜用いることができる。
最終的に、ステップS506において、式(11)に基づいて算出された角層厚SCの値を表示部102に表示させる。
以上の第3実施形態に係る測定装置を有する電子機器1によれば、演算処理部301において、交流信号と検出電極104の検出信号との時間差に基づいて算出された位相角θおよび皮膚インピーダンスZに基づいて角層の抵抗Rおよび容量Cを算出し、抵抗Rおよび容量Cから角層厚SCを算出するため、正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。
なお、電子機器1において、判定部330は出力信号を判定して増幅回路321のゲインを変更する方式を採用しているが、出力信号を精度よく正確に検出できる方式であればその方式は特に限定されず、例えば、交流信号の波高値を変更する方式や検出抵抗の抵抗値を変更する方式を採用してもよい。
また、交流信号出力部310は、一又は二以上の交流信号を発生させる構成としてもよい。交流信号出力部310が二以上の交流信号を発生させる構成とした場合、各交流信号と当該交流信号に基づいて検出された検出信号との時間差に基づいた各位相角θおよび皮膚インピーダンスZを角層厚SCの算出に用いてもよい。
なお、通電特性としては、皮膚インピーダンスZの他に、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値から一つの値を選択することができる。または、サセプタンス値、アドミッタンス値、コンダクタンス値、これらの逆数値から二つ以上の値を選択し算出した値を用いてもよい。
<第4実施形態>
次に、図9および図10を用いて、本発明に係る第4実施形態の測定装置について説明する。
第4実施形態に係る測定装置の演算処理部は、第2実施形態に係る演算処理部と同様の数式を用いて角層の厚さを算出する点以外は、第2実施形態に係る演算処理部1301と同一の構成を備え、第4実施形態に係る演算処理部を備えた測定装置に関しても第2実施形態に係る演算処理部1301を備えた測定装置と同一の構成である。また、電子機器としても同一の構成である。一方、第4実施形態に係る演算処理部を備えた測定装置の動作に関しては、式(16)を用いて角層の厚さを算出する点が異なるため、図9を用いて説明する。なお、以下の説明において、第4実施形態に係る演算処理部を備えた測定装置の各構成に関しては、第2実施形態に係る回路と同一の符号を用いる。
図9を用いて、第4実施形態に係る測定装置の動作について説明する。上記測定装置も、電子機器のプローブを人の皮膚に押し当てた後に、測定動作を開始する。
まず、ステップS1501において、上記測定装置1300は、演算処理部1301から制御信号を出力し、切り替え回路1313を用いて、500Hz交流信号発生回路1311と印加電極201を接続し、交流信号出力部1310から、第一の交流信号である500Hzの交流信号を発生させ、印加電極201から500Hzの交流信号を皮膚に印加する。
次に、ステップS1502において、検出信号処理部320は、検出電極104の検出信号を測定し、信号検出回路323、フィルター回路322、及び増幅回路321を用いて、出力信号に変換する。
次に、ステップS1503において、判定部330は、ステップS1502における検出信号を測定して出力信号へ変換する過程で、出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値(検出可能範囲内)か否かを判定する。
出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値であると判定された場合(ステップS1503においてYESの場合)、ステップS1504へ進む。
一方、出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値でないと判定された場合(ステップS1503においてNOの場合)、ステップS1501に戻り、増幅回路321のゲインを変更して再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理部301にて読み込み可能な値になるまで継続される。
次に、ステップS1504において、演算処理部1301は、結果1として、500Hzの交流信号と検出信号との時間差および検出信号の波高値に基づいて、第一の皮膚インピーダンスZを算出する。加えて、演算処理部1301は、500Hzの交流信号と検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出する。そして、結果1を演算処理部1301内の記録媒体に保存する。
次に、ステップS1505において、上記測定装置1300は、演算処理部1301から制御信号を出力し、切り替え回路1313を用いて、100kHz交流信号発生回路1312と印加電極201を接続し、交流信号出力部1310から、第二の交流信号である100kHzの交流信号を発生させ、印加電極201から100kHzの交流信号を皮膚に印加する。
次に、ステップS1506において、検出信号処理部320は、検出電極104の検出信号を測定し、信号検出回路323、フィルター回路322、及び増幅回路321を用いて、出力信号に変換する。
次に、ステップS1507において、判定部330は、ステップS1506における検出信号を測定して出力信号へ変換する過程で、出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値(検出可能範囲内)か否かを判定する。
出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値であると判定された場合(ステップS1507においてYESの場合)、ステップS1508へ進む。
一方、出力信号が演算処理部1301で読み込み可能な値でないと判定された場合(ステップS1507においてNOの場合)、ステップS1505に戻り、増幅回路321のゲインを変更して再測定する。この再測定工程は、出力信号が演算処理部301にて読み込み可能な値になるまで継続される。
次に、ステップS1508において、演算処理部1301は、結果2として、100kHzの交流信号と検出信号との時間差および検出信号の波高値に基づいて、第2の皮膚インピーダンスZを算出する。そして、結果2を演算処理部1301内の記録媒体に保存する。
次に、ステップS1509において、演算処理部1301は、結果1として保存された皮膚インピーダンスZおよび位相角θと、結果2として保存された皮膚インピーダンスZとに基づいて、第二の皮膚バリア機能を示す数値である角層厚SCを算出する。具体的には、皮膚インピーダンスZおよびZは、それぞれ、抵抗R、RおよびリアクタンスX、Xを用いて、Z=R+iX、Z=R+iXと表すことができ、式中、R=Zcosθ、X=Zsinθ=Zcosθ、X=Zsinθであることから、まず、以下の式(12)および(15)により、位相角θおよび皮膚インピーダンスZ、Zから、皮膚の角層の抵抗RPL、RPH及び容量CPL、CPHを算出する。
PL=R+X*X/R・・・・・・(12)
PH=R+X*X/R・・・・・・(13)
PL=X/(ω*(R^2+X^2)・・・・・・(14)
PH=X/(ω*(R^2+X^2)・・・・・・(15)
ここで、ω、ωは、角周波数である。
そして、抵抗RPL、RPH及び容量CPL、CPHから、以下の式(16)により、第二の皮膚バリア機能を示す数値である角層厚SCを算出する。
ここで、SCは角層の厚さを示した数値、RPL、RPHは角層の抵抗、CPL、CPHは角層の容量、αRH、βRH、γRH、αCL、βCL、γCLは、所定の定数である。
これらの所定の定数は、最適化計算法により適宜定められる値である。すなわち、複数の人の皮膚において位相角θと皮膚インピーダンスZおよびZとを算出し、複数の位相角θと皮膚インピーダンスZおよびZとを得る。さらに、同様の皮膚に関し、通常行われる共集点レーザ顕微鏡(Caliber I.D社製、Vivascope)を用いて角層厚を得る。このようにして得られた、位相角θ、皮膚インピーダンスZおよびZと、角層厚との複数の組について最適化計算を行い、式(16)に用いられる所定の定数を決定する。
ここで、複数の人の肌を用いて、人数分の位相角θと皮膚インピーダンスZおよびZを得た結果として、例えば、αRHとして「1e5~1e9」、βRHとして「0.01~100」、γRHとして「0.01~100」、αCLとして「1e-6~1e-10」、βCLとして「0.01~100」、γCLとして「0.01~100」の数値が得られた。なお、角層を測定する方法に関しては特定されず、公知の方法を適宜用いることができる。
ここで、図10は、式(16)により算出された角層厚SCと、測定した角層厚SCとの比較検証の結果を示すものである。図10において、縦軸は算出された角層厚SCの値を示し、横軸は共集点レーザ顕微鏡により測定した角層厚SCの値を示す。
図10から把握されるように、式(16)により算出された角層厚SCと、共集点レーザ顕微鏡による角層厚SCの測定値と間では、良好な正の相関が確認できた。
このようにして角層厚SCを算出した後、ステップS1410において、算出された角層厚SCの値を表示部102に表示させる。
ここで、共集点レーザ顕微鏡の仕様に起因して、皮膚インピーダンスZおよびZの数値によって式(16)により算出される角層厚SCがマイナスになる可能性がある。かかる場合には、演算処理部1301において、角層厚SCを「0」とする処理を行うことが好ましい。当該処理方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
以上のような第4実施形態に係る測定装置1300を有する電子機器によれば、演算処理部1301において、共集点レーザ顕微鏡による角層厚の測定値と良好な相関関係にある角層厚SCを検出することができるため、正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。
さらに、第4実施形態に係る測定装置1300では、位相角θに加え、実数値である皮膚インピーダンスZを用いているため、より正確に角層厚SCを算出することができ、もって正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。
なお、本実施形態に係る測定装置1300では、交流信号の周波数として、500Hzと100kHzを用いているが、2つ交流信号の周波数は異なるものであればよく、本実施形態の数値に限られない。例えば、低周波数が皮膚内の細胞を通過しないものとし、高周波数が皮膚内の細胞を通過するものとすることができる。
さらに、本実施形態に係る測定装置1300では、500Hzの交流信号を印加した後、100kHzの交流信号を印加しているが、交流信号を印加する順番は特に限定されず、どちらを先に印加してもよい。
また、第4実施形態に係る測定装置1300では、500Hzの交流信号と検出信号との時間差に基づいて、第一の変数としての位相角θを算出しているが、この位相角θの種類としては特に限定されず、100kHzの交流信号と検出信号との時間差に基づいて算出されるθ(θ100k)を用いてもよく、かかる場合、上記式において、θをθ100kに変更して角層厚SCを求めてもよい。なお、500Hzおよび100kHzの両方の位相角θを用いてもよい。
また、本発明に係る測定装置は、交流信号出力部により発生された交流信号と検出信号との時間差に基づいて算出された位相角θおよび皮膚インピーダンスZに基づいて角層の抵抗Rおよび容量Cを算出し、抵抗Rおよび容量Cを用いて角層の水分量WCまたは角層厚SCの算出を実行するプログラムであってもよい。例えば、このプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、本発明に係る測定装置による人の皮膚バリア機能に係る演算処理方法にも関する。この演算処理方法は、少なくとも、交流信号出力部により発せられた交流信号と印加電極から肌を透過した信号との時間差に基づいて算出された位相角および皮膚インピーダンスによって算出された角層の抵抗Rおよび容量Cを用いて皮膚バリア機能を評価する演算工程を含んでいる。さらに、この演算処理方法は、交流信号を人の皮膚に印加する印加工程、皮膚を通過した信号を検出し出力信号へ変換する変換工程、演算工程により算出された皮膚バリア機能を示す数値(WC値またはSC値)を表示する表示工程、を含んでいてもよい。
演算工程は、演算処理部301または演算処理部1301に係る演算方式のように、交流信号出力部により発せられた交流信号と印加電極から肌を透過した信号との時間差に基づいて算出された位相角θと、時間差および検出信号の波高値から算出される皮膚インピーダンス値と、を用いて、WC値またはSC値を算出する工程であってもよい。具体的には式(3)、(8)、(11)、および(16)のいずれかに基づいてWC値またはSC値を算出されるようにしてもよい。
さらに、前述の如く、交流信号と検出信号との時間差をΔt、交流信号の周波数をfとすると、例えば、θ=2πfΔtと表すことができる(2πおよびfは定数)。
このため、上記数式4におけるθは、「Δt」に変換することも可能である。
本発明に係る演算処理方法は、上記演算工程を備えているため、正常な状態から角層がすべて剥がれた荒れ肌など幅広い肌の状態で精度よく皮膚バリア機能を測定することができる。
1 電子機器
101 本体部
102 表示部
103 プローブ
104 検出電極
201 印加電極
202 グラウンド電極
300、1300 測定装置
301、1301 演算処理部
310、1310 交流信号出力部
320 検出信号処理部
321 増幅回路
322 フィルター回路
323 信号検出回路
324 検出抵抗
330 判定部
1311 500Hz交流信号発生回路
1312 100kHz交流信号発生回路
1313 切り替え回路

Claims (8)

  1. 交流信号を発生させる交流信号出力部と、
    前記交流信号出力部から出力され、皮膚を透過した検出信号を検出する検出信号処理部と、
    前記交流信号と前記検出信号との時間差に基づく第一の変数と、前記交流信号に基づく皮膚インピーダンスと、を算出し、
    前記第一の変数および前記皮膚インピーダンスに基づいて、前記皮膚の抵抗および容量を算出し、
    前記抵抗および前記容量から、式(3)を利用して皮膚バリア機能を示す数値を算出する演算処理部と、
    を備える、測定装置。
    ここで、WCは角層の水分量を示した数値、Rは前記抵抗、Cは前記容量、α、β、γ、α、β、γは、定数
  2. 交流信号を発生させる交流信号出力部と、
    前記交流信号出力部から出力され、皮膚を透過した検出信号を検出する検出信号処理部と、
    前記交流信号と前記検出信号との時間差に基づく第一の変数と、前記交流信号出力部により発せられた前記交流信号に基づく皮膚インピーダンスと、を算出し、
    前記第一の変数および前記皮膚インピーダンスに基づいて、前記皮膚の抵抗および容量を算出し、
    前記抵抗および前記容量から、式(11)を利用して皮膚バリア機能を示す数値を算出する演算処理部と、
    を備える、測定装置。
    ここで、SCは角層の厚さを示した数値、Rは前記抵抗、Cは前記容量、α、β、γ、α、β、γは、定数
  3. 前記交流信号出力部は、前記交流信号として、第一の交流信号と、第二の交流信号とを発生させ、
    前記演算処理部が算出する前記皮膚インピーダンスは、前記第一の交流信号に基づく第一の皮膚インピーダンスと、前記第二の交流信号に基づく第二の皮膚インピーダンスと、を含む、請求項1または2に記載の測定装置。
  4. 前記皮膚バリア機能を示す数値は、角層の厚さである、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置と、
    前記前記交流信号出力部から発生した前記交流信号を印加する印加電極と、
    前記印加電極から肌を透過した前記検出信号を検出する検出電極と、
    を備える電子機器。
  6. 少なくとも、交流信号出力部により発せられた交流信号と印加電極から皮膚を透過した検出信号との時間差に基づく第一の変数と、前記交流信号出力部により発せられた前記交流信号に基づく皮膚インピーダンスと、を算出するステップと、
    前記第一の変数および前記皮膚インピーダンスに基づいて、前記皮膚の抵抗および容量を算出するステップと、
    前記抵抗および前記容量から、式(3)を利用して皮膚バリア機能を示す数値を算出するステップと、
    を含む演算処理方法。
    ここで、WCは角層の水分量を示した数値、Rは前記抵抗、Cは前記容量、α、β、γ、α、β、γは、定数
  7. 少なくとも、交流信号出力部により発せられた交流信号と印加電極から皮膚を透過した検出信号との時間差に基づく第一の変数と、前記交流信号出力部により発せられた前記交流信号に基づく皮膚インピーダンスと、を算出するステップと、
    前記第一の変数および前記皮膚インピーダンスに基づいて、前記皮膚の抵抗および容量を算出するステップと、
    前記抵抗および前記容量から、式(11)を利用して皮膚バリア機能を示す数値を算出するステップと、
    を含む演算処理方法。
    ここで、SCは角層の厚さを示した数値、Rは前記抵抗、Cは前記容量、α、β、γ、α、β、γは、定数
  8. コンピュータに請求項6または7に記載の演算処理方法を実行させるためのプログラム。
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