JP6938901B2 - ピーク重心を基にしたピーク同定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クロマトグラフィでの成分同定を、重心位置を示す指標(時間)を基に行い、同定精度を向上させる方法に関するものである。
クロマトグラフィは複数成分から成る試料を分離し、各々の溶出時間を基に同定し、既定の検量線より定量を行うのが一般的な手法である。各成分の同定を行う場合、基準となるクロマトグラムから、各成分の基準溶出時間およびその許容範囲(時間)等を予め設定しておく。次に、未知試料を測定し、得られたピークの溶出時間と比較し、前記許容時間内にある成分と同定するのが一般的な方法であり、クロマトグラフィの基本原理である、「同じ成分は、同じ時間に溶出する」ことを前提としたものである。
しかしながら、実際のクロマトグラフィでは、溶離液をカラムに送液する送液ポンプが不安定になる等の装置上の問題、室温の変動による環境上の問題、濃度によるピーク形状が変化するという試料濃度の問題があるため、同じ成分であっても必ずしも同じ溶出時間にならないことがある。
このような、溶出時間の変動があっても、確実に同定を行うために、基準となる溶出時間の許容幅を広げることも考えられるが、一定程度正確に同定できる確率が高くなる一方、不純物由来のピークを目的の成分として誤同定してしまうリスクも同時に高まることになる。
本発明の課題は、未知試料を分析した際の、ピーク形状変化に対応できるピーク同定方法を提供するものである。
上述した通り、一般的な液体クロマトグラフィでのピーク同定は、基準となる溶出時間に対して一定の範囲に収まるか否かで判断される。しかしながら、ピーク形状が変化した場合は、同じ成分であっても溶出時間は大きく変動し、前記許容範囲に収まらないことがある。特に、濃度範囲の広い試料を分析する場合などは、このような現象が生じやすい。
そこで、本発明者は、ピーク同定の基準を従来のピーク頂点時間(溶出時間)ではなく、ピーク面積又はピーク幅にすることで、より確実、正確に同定精度を向上させることができることを見出した。
すなわち、本発明は標準試料のクロマトグラムについて、ピーク開始時間からピーク終了時間まで微小時間区間当たりの面積値の総和をピーク面積として算出し、ピーク開始時間から微小時間区間当たりの面積値の合計が前記ピーク面積の半分となるまでの時間をピーク面積重心時間とし、未知試料のクロマトグラムについて同様の方法で計算されたピーク面積重心時間を、標準試料のピーク面積重心時間と比較して、成分の同定を行う方法と、標準試料のクロマトグラムについて、ピークのベースラインからの高さに0.1から0.5までの比率を乗じた位置でのピーク幅の中間点となる時間をピーク幅重心時間とし、未知試料のクロマトグラムについて同様の方法で計算されたピーク幅重心時間を、標準試料のピーク幅重心時間と比較して、成分の同定を行う方法に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、「ピーク面積重心時間」について説明する(以下、単に面積重心時間と言う場合がある)。「ピーク面積重心時間」とは、ピークの面積が半分になる時間である(図1a)。ピーク形状が左右対称の場合、ピーク頂点の時間(溶出時間)とピーク面積が半分となる時間は同じとなるが、ピーク形状がピークの立ち上がりがなだらかで立下りが急なリーディング形状や、ピークの立ち上がりがなだらかで立下りが急なテーリング形状となると、ピーク頂点の時間(溶出時間)とピーク面積が半分となる時間に差異が生じる。
「ピーク面積重心時間」の求め方は以下の通りである。
一般的なピーク検出法(ピークスタート感度、ピークエンド感度等)により、少なくともピーク開始時間、ベース開始時間、ピーク頂点時間、ピーク終了時間、ベース終了時間を取得し、前記情報を基に、各ピークのピークスタートからピークエンドまで、微小時間区間当たりの面積値の総和をピーク面積として算出する。一般的に微小時間区間はデータのサンプリング間隔を用いる。図2は面積計算方法を模式的に示した図である。図2aは、ピーク開始時間とベース開始時間、ピーク終了時間とベース終了時間が同じ場合を例示している(ベースライン分離)。図2bは、ピーク開始時間とベース開始時間が同じで、ピーク終了時間とベース終了時間が異なる場合を例示している(不分離)。
次に、ピーク開始時間から微小時間区間当たりの面積値の合計が前記ピーク面積の半分となるまでの時間、つまり、「ピーク面積重心時間」を計算する。
上述した方法で、ピーク形状の変化に伴う「ピーク面積重心時間」の変動を、疑似クロマトグラムを基に説明する。なお、疑似クロマトグラムは、非対称の分布関数である、下記のジョンソンSU関数を用いて作成したものである。
Figure 0006938901
図3は正規分布様のピークでの「ピーク面積重心時間」を示している。
図3から分かるように、左右対称のピークではピークトップの時間(溶出時間)と「ピーク面積重心時間」は同じとなる。
図4は立ち上がりが急で、立下りがなだらかなテーリング状態のピークでの「ピーク面積重心時間」を示している。破線が左右対称、実線がテーリングのピークを示している。テーリング1、2、3の順でテーリングの度合が大きくなっている。図4から分かるように、テーリングピークでは、
ピークトップの時間(溶出時間)<「ピーク面積重心時間」
となる。テーリングの度合が大きくなるにつれて、ピークトップの時間(溶出時間)は早まるものの、「ピーク面積重心時間」は殆ど変化しない。
図5は立ち上がりがなだらかで、立下りが急なリーディング状態のピークでの「ピーク面積重心時間」を示している。破線が左右対称、実線がリーディングのピークを示している。リーディング1、2、3の順でリーディングの度合が大きくなっている。図5から分かるように、リーディングピークでは、
ピークトップの時間(溶出時間)>「ピーク面積重心時間」
となる。テーリングの度合が大きくなるにつれて、ピークトップの時間(溶出時間)は遅くなるものの、「ピーク面積重心時間」は殆ど変化しない。
以上のように、ピーク形状が変化した場合、ピークトップ時間(溶出時間)は大きく変化するものの、「ピーク面積重心時間」は殆ど変化しない。つまり、クロマトグラフィでのピーク同定を「ピーク面積重心時間」を基に実施することで、濃度等の変化によるピーク形状が変化しても、より正確に同定できることを意味している。
前述した左右対称の正規様ピーク(図3)、テーリングピーク(図4a〜c)、リーディングピーク(図5a〜c)の7つのパターンで、従来の溶出時間を基にした同定法と、本発明である「ピーク面積重心時間」による同定法の違いを図表で説明する。
表1に従来の溶出時間を基にした同定法での同定テーブル、表2に本発明である「ピーク面積重心時間」による同定法での同定テーブルを示す。
Figure 0006938901
従来法では、基準となる溶出時間(0.500分)と許容幅を基に同定を行う。ここでは、許容幅は基準となる溶出時間に対して±1%とした。つまり、未知試料を測定して、溶出時間が0.495分から0.505分に収まったピークを成分名「Peak」と同定することを意味している。
Figure 0006938901
本発明の「ピーク面積重心時間法」では、基準となる面積重心時間(0.500分)と許容幅を基に同定を行う。ここでは、許容幅は基準となる面積重心時間に対して±1%とした。未知試料を測定して、面積重心時間が0.495分から0.505分に収まったピークを成分名「Peak」と同定することを意味している。
表3は図3〜5のピークの計算結果を示したものである。
Figure 0006938901
なお、ピーク形状を示す表中の対称係数Asは図6に示す通り、後方半値幅(Wb)を前方半値幅(Wf)で除した値を使用している。
また、図7は対称係数に対して、溶出時間(従来法)と「ピーク面積重心時間」(本法)をプロットした図である。
図7から明らかなように、対称係数(横軸)が大きくなるにつれてピーク頂点の時間(溶出時間)は大幅に早くなる。これに対して「ピーク面積重心時間」は、同様に早くなる傾向があるが、その度合いは遥かに小さい。同定の許容幅を従来法および本法とも1%とした場合、従来の溶出時間法では、リーディング2、3、テーリング2、3では許容幅に収まらない(同定ができていない)。一方、面積重心時間を基にした本法では全てのピーク形状で許容幅内に収まっている(同定ができている)。
次に、「ピーク幅重心時間」について説明する。「ピーク幅重心時間」とは、ピークのベースラインからの高さに0.1から0.5までの比率を乗じた位置でのピーク幅の中間点となる時間である(図1b)。ピーク形状が左右対称の場合、ピーク頂点の時間(溶出時間)とピーク幅の中間点となる時間は同じとなるが、ピーク形状がリーディング形状やテーリング形状となると、ピーク頂点の時間(溶出時間)とピーク幅の中間点となる時間に差異が生じる。
図8は「ピーク面積重心時間」の説明に使用した極度にリーディングしたクロマトグラム(図5b)を「ピーク幅重心時間」により計算した図である。一例としてピーク高さに対して10%(比率0.1)の位置での幅で計算したものである。
まず、ピーク立ち上がり部で、ピーク高さの10%出力となる時間(P1)およびピーク立ち下がり部で、ピーク高さの10%出力となる時間(P2)を取得する。前記2点の差が高さ10%位置でのピーク幅となる。「ピーク幅重心時間」は前記ピーク幅の中点を指す。図からも明らかなように、ピークの頂点の時間(溶出時間)と「ピーク幅重心時間」に差異が生じる。
リーディングしたピークでは、「ピーク幅重心時間」はピークの頂点の時間(溶出時間)より早くなり、テーリングしたピークでは、「ピーク幅重心時間」はピークの頂点の時間(溶出時間)より遅くなる。いずれも、よりピークの重心位置に近い値となることから、ピーク形状が変化しても「ピーク幅重心時間」は溶出時間より変動が少ない。
同様の効果が得られる同定の基準となる指標を模式的に示した図である。図aは「ピーク面積重心時間」を基にした方法、図bは「ピーク幅重心時間」を基にした方法をそれぞれ示している。 クロマトグラムのピーク面積方法を模式的に示した図である。 理想的な左右対称形のピークでの「ピーク面積重心時間」の位置を示した図である。 テーリング形状のピークでの「ピーク面積重心時間」の位置を示した図である。図a、b、cの順でテーリングの度合が高まっている。 リーディング形状のピークでの「ピーク面積重心時間」の位置を示した図である。図a、b、cの順でリーディングの度合が高まっている。 対称性を表す係数の算出法を示した図である。 ピーク形状によるピークトップ時間(溶出時間)と本発明の「ピーク面積重心時間」の変化を示した図である。 テーリング形状のピークでの「ピーク幅重心時間」の位置を示した図である。 実施例で使用したシステム構成を示した図である。 実施例1を説明するためのクロマトグラムである。 実施例1の中で、最も薄い試料である試料7のクロマトグラムを拡大し、ピークトップ時間、および、「ピーク面積重心時間」の位置を示した図である。 実施例1の中で、最も濃い試料である試料1のクロマトグラムを拡大し、ピークトップ時間、および、「ピーク面積重心時間」の位置を示した図である。 実施例1の検証における、希釈率に対するピークトップ時間(溶出時間)と本発明の「ピーク面積重心時間」の変化を示した図である。 実施例2を説明するためのクロマトグラムである。 実施例2の検証における、希釈率に対するピークトップ時間(溶出時間)と本発明の「ピーク面積重心時間」の変化を示した図である。図aはBrイオンピーク、図bはNO イオンピーク、図cはSO 2−イオンピークの変化を示している。 実施例2の検証における、希釈率に対するピークトップ時間(溶出時間)と本発明の「ピーク幅重心時間(ピーク高さ50%)」の変化を示した図である。図aはBrイオンピーク、図bはNO イオンピーク、図cはSO 2−イオンピークの変化を示している。 実施例2の検証における、希釈率に対するピークトップ時間(溶出時間)と本発明の「ピーク幅重心時間(ピーク高さ30%)」の変化を示した図である。図aはBrイオンピーク、図bはNO イオンピーク、図cはSO 2−イオンピークの変化を示している。
(実施例1)
本発明の効果を、実際のクロマトグラムを用いて検証を行った。
図9に示す、液体クロマトグラムシステムを使用し、実際の測定を行った。システムは、溶媒脱気装置(SD−8020)2、送液ポンプ(DP−8020)3、試料注入装置(AS−8020)4、カラムオーブン(CO−8020)6、紫外可視検出器(UV−8020)7、およびデータ処理装置(LC−8020II)9で構成した(いずれも、東ソー(株)製)。分析カラム5としては、東ソー(株)製 TSKgel ODS−100Z(5μm、4.6mmI.D.×15cm)を使用し、p−ヒドロキシ安息香酸類の分離を行った。その他の条件は下記の通りである。
注入量:30uL、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/min
溶離液:CHCN/HO(60/40)
検出波長:280nm
サンプル:p−ヒドロキシ安息香酸 混合物
Methyl p−Hydroxybenzoate(0.1mg/1mL)
Propyl p−Hydroxybenzoate(0.2mg/1mL)
Butyl p−Hydroxybenzoate(0.3mg/1mL)
Hexyl p−Hydroxybenzoate(0.4mg/1mL)
Heptyl p−Hydroxybenzoate(0.5mg/1mL)混合物(試料1 希釈率:1.00)
試料2 上記1/2希釈 希釈率:0.5
試料3 上記1/2希釈 希釈率:0.25
試料4 上記1/2希釈 希釈率:0.125
試料5 上記1/2希釈 希釈率:0.0625
試料6 上記1/2希釈 希釈率:0.03125
試料7 上記1/2希釈 希釈率:0.015625
以降、簡易的にMethyl p−Hydroxybenzoateをピーク1またはPeak_1、Ethyl p−Hydroxybenzoateをピーク2またはPeak_2、Propyl p−Hydroxybenzoateをピーク3またはPeak_3、Butyl p−Hydroxybenzoateをピーク4またはPeak_4、Hexyl p−Hydroxybenzoateをピーク5またはPeak_5、Heptyl p−Hydroxybenzoateをピーク6またはPeak_6、と記載する。
図10は上記、試料1から7のクロマトグラムを重ねて表示した図である。
図11は最も濃度の低い試料7のクロマトグラムと溶出時間および面積重心時間の位置を表示した図である。ピーク形状の変化を見やすくするため、ピーク1、3、5の領域を拡大した図も併せて示している。なお、クロマトグラム上の縦線は溶出時間および面積重心時間の位置を指している。拡大図から分かるように、早く溶出するピーク1、3は溶出時間と「ピーク面積重心時間」が僅かにずれているものの、全体的にはピーク形状はほぼ左右対称形で正規分布様の形態を見せている。
図12は最も濃度の高い試料1のクロマトグラムと溶出時間および面積重心時間の位置を表示した図である。ピーク形状の変化を見やすくするため、ピーク1、3、5の領域を拡大した図も併せて示している。拡大図から分かるように、全てのピークで溶出時間と「ピーク面積重心時間」がずれている。
立ち上がりが急で、立ち下がりがなだらかなテーリングを起こしているため、「ピーク面積重心時間」はピーク頂点時間より後ろに位置する。
図13は、横軸に希釈率、縦軸にピーク頂点時間(溶出時間)および、「ピーク面積重心時間」をプロットした図である。図13から分かるように、全てのピークで、ピーク面積重心時間はピーク頂点時間(溶出時間)より遅いことが分かる。このことは、程度の差はあれ、全てのピーク形状はテーリング形状にあることを示唆している。また、希釈率が1に近づく(濃度が濃くなる)ほど、両者とも早くなり、その差も大きくなっている。
つまり、濃度に対する時間の変動率は、溶出時間より「ピーク面積重心時間」の方が小さいことを意味し、同定の基準として用いることが適していることを意味するものである。
次に、本発明の同定法の効果について検証を行った。
試料6(希釈率0.003125)のクロマトグラムを基準クロマトグラムとして、同定条件を作成し、他の試料の各ピークが正しく同定されるか計算を行った。
本法による同定条件を表4、比較のため従来の溶出時間による同定条件を表5に示す。
Figure 0006938901
Figure 0006938901
何れの同定条件でも、成分名、基準となる時間(本法:「ピーク面積重心時間」、従来法:溶出時間)、同定の許容幅で構成される。同定の許容幅はどちらの同定法でも基準時間に対して±1%とした。
この同定条件を試料1から試料7に適用し同定した結果を表6に示す。
Figure 0006938901
表6から分かるように、試料2から試料7までは、どちらの同定法でも正しく同定されている。しかしながら、最も試料濃度の高い試料1では、従来の溶出時間を基にした同定法では、13.08分に溶出したピークは同定の許容幅内に収まらず「未知成分(unknownと記載)」とされ、本発明の「ピーク面積重心時間」による同定法では、最も試料濃度の高い試料1であっても、正しく同定できている。
(実施例2)
試料濃度によるピーク形状が変化しやすいイオンクロマトグラフィで、本発明の効果の検証を行った。使用した装置は、検出器を除き、実施例1で使用した機器構成で行った。検出器は、電気伝導度検出器10(CM−8000、東ソー(株)製)を用いた。
分析カラム5としては、東ソー(株)製 TSKgel IC−Anion−PW XL(4.6mmI.D.×7.5cm)を使用し、標準アニオン類の分離を行った。その他の条件は下記の通りである。
注入量:30uL、カラム温度:40℃、流速:1.2mL/min
溶離液:ホウ酸バッファ(pH 8.5) 下記試薬を調合し、1Lにメスアップ
BO:360mg
Na*10HO:575mg
Glycerin:5.0g
Potassium Gluconate:350mg
CHCN:40mL
n−Butyl Alcohol:30mL
試料:標準陰イオン標準原液 Br、NO 、SO 2−(各300ppm)
試料1 原液1/8希釈 希釈率:0.125
試料2 上記1/2希釈 希釈率:0.0625
試料3 上記1/2希釈 希釈率:0.03125
試料4 上記1/2希釈 希釈率:0.015625
試料5 上記1/2希釈 希釈率:0.0078125
試料6 上記1/2希釈 希釈率:0.00390625
試料7 上記1/2希釈 希釈率:0.001953125
図14は上記、試料1から7のクロマトグラムを重ねて表示した図である。図14から明らかなように、濃度により大きくピーク形状が変化していることが容易に分かる。
Br、NO 、SO 2−イオン全てで、濃度が高くなるにつて、テーリング形状となる。特に、NO イオン、SO 2−イオンは形状の変化が大きいことが分かる。
図15は、横軸に希釈率、縦軸にピーク頂点時間(溶出時間)および、「ピーク面積重心時間」をプロットした図である。図16は、横軸に希釈率、縦軸にピーク頂点時間(溶出時間)および、「ピーク幅重心時間」をプロットした図であり、各ピークの高さの50%の位置のピーク幅が1/2となる時間を指標とした。図17は、横軸に希釈率、縦軸にピーク頂点時間(溶出時間)および、「ピーク幅重心時間」をプロットした図であり、各ピークの高さの30%の位置のピーク幅が1/2となる時間を指標とした。
図15〜17から分かるように、濃度が高くなるにつて、テーリング形状となり、ピーク頂点時間(溶出時間)が極端に早くなっていることが分かる。一方、本発明であるピークの重心位置を示す指標とした、「ピーク面積重心時間」、「ピーク幅重心時間」のいずれでも、濃度が高くなるにつれて、指標値(時間)は早くなるものの、従来の溶出時間より変化量が少ないことが明確に分かる。
このことは、ピーク形状が大きく変化しても、本発明であるピークの重心位置を示す指標(時間)は、影響を受けにくいことを容易に示唆しているものである。
次に、本発明の同定法の効果について検証を行った。
試料2(希釈率0.0625)のクロマトグラムを基準クロマトグラムとして、同定条件を作成し、他の試料の各ピークが正しく同定されるか計算を行った。本法による同定条件を表7、8、9、比較のため従来の溶出時間による同定条件を表10に示す。
Figure 0006938901
Figure 0006938901
Figure 0006938901
Figure 0006938901
表7は、「ピーク面積重心時間」を基にした同定条件、表8は、「ピーク幅重心時間(ピーク高さ50%)」を基にした同定条件、表9は、「ピーク幅重心時間(ピーク高さ30%)」を基にした同定条件を示している。いずれの同定条件でも、同定の許容幅は各基準となる時間の±3%とした。
これらの同定条件を試料1から試料7に適用し同定した結果を表11に示す。
Figure 0006938901
表11から分かるように、試料1から試料6までは、従来の溶出時間を基にした同定法、本発明の重心位置を基準とした同定法でも正しく同定されている。しかしながら、最も試料濃度の薄い試料7では、従来の溶出時間を基にした同定法では、2番目のピーク(溶出時間:6.193分)は、同定の許容幅内に収まらず「未知成分(unknownと記載)」とされ、本発明の「ピーク面積重心時間」、「ピーク幅重心時間」、を基にした同定方法では確実にNO と同定することができており、本発明の効果を示したものである。
1.溶離液
2.脱気装置
3.送液ポンプ(サンプル側)
4.試料注入バルブ
5.分析カラム
6.カラム恒温槽
7.紫外可視検出器
8.廃液
9.システム制御およびデータ処理装置
10.電気伝導度検出器

Claims (2)

  1. 標準試料のクロマトグラムについて、ピーク開始時間からピーク終了時間まで、データサンプリング間隔毎に微小時間区間当たりの面積値を取得し、前記微小時間区間当たりの面積値の総和をピーク面積として算出し、ピーク開始時間から前記微小時間区間当たりの面積値の合計が前記ピーク面積の半分となるまでの時間をピーク面積重心時間とし、未知試料のクロマトグラムについて同様の方法で計算されたピーク面積重心時間を、標準試料のピーク面積重心時間と比較して、成分の同定を行う方法。
  2. 標準試料のクロマトグラムについて、ピークトップのベースラインからの高さに0.1から0.5までの比率を乗じた高さ位置でのピーク幅の中間点となる時間をピーク幅重心時間とし、未知試料のクロマトグラムについて同様の方法で計算されたピーク幅重心時間を、標準試料のピーク幅重心時間と比較して、成分の同定を行う方法。
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