JP6938258B2 - 熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、パッキン及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方法 - Google Patents
熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、パッキン及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方法 Download PDFInfo
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ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールと、p−フェニレンジイソシアネートと、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと、アセチルアセトンとを含むことを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
2.
前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量部に対して、前記p−フェニレンジイソシアネート15〜30重量部と、前記1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン5〜28重量部と、前記アセチルアセトン0.001〜0.5重量部とを含むことを特徴とする前記1記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
3.
ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール及びp−フェニレンジイソシアネートを重合して得られるプレポリマーと、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと、アセチルアセトンとを含むことを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
4.
前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量に対して前記p−フェニレンジイソシアネート15〜30重量部を重合して得られるプレポリマーと、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン5〜28重量部と、アセチルアセトン0.001〜0.5重量部とを含むことを特徴とする前記3記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
5.
前記1〜4の何れかに記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物を重合してなることを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマー。
6.
前記5記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなることを特徴とするパッキン。
7.
ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールと、p−フェニレンジイソシアネートと、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとを含む組成物を、加熱下で撹拌して熱可塑性ポリウレタンエラストマーを製造する際に、前記組成物に更にアセチルアセトンを配合することを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
8.
ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール及びp−フェニレンジイソシアネートを重合して得られるプレポリマーと、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとを含む組成物を、加熱下で撹拌して熱可塑性ポリウレタンエラストマーを製造する際に、前記組成物に更にアセチルアセトンを配合することを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
第1態様に係る組成物は、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール(略称PHC)と、p−フェニレンジイソシアネート(略称PPDI)と、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(略称BHEB)と、アセチルアセトンとを含む。
PHCは、ポリウレタンエラストマーのポリオール(ジオール)成分である。PHCは、ポリウレタンエラストマーの耐久性を向上する効果を奏する。
PPDIは、ポリウレタンエラストマーのイソシアネート(ジイソシアネート)成分である。PPDIは、分子構造の対称性が良好であり、ポリウレタンエラストマーの凝集構造を相分離構造へ近付けることによって、耐へたり性を向上する効果を奏する。
BHEBは、ポリウレタンエラストマーの分子鎖を延長する鎖延長剤である。BHEBもまた、分子構造の対称性が良好であり、ポリウレタンエラストマーの耐へたり性を向上する効果を奏する。
PHC/PPDI/BHEBからなる組成物は、ポリウレタンエラストマーの耐久性(耐低温性等)及び耐へたり性を向上するが、通常ではポットライフが非常に短いため、該組成物を十分に撹拌することが困難であった。そのため、各成分の分布が不均一になり、品質を向上することが困難であり、成形性にも難があった。
第1態様に係る組成物は、ワンショット法によるポリウレタンエラストマーの製造方法に好ましく用いられる。
第2態様に係る組成物は、PHC及びPPDIを重合してなるプレポリマーと、BHEBと、アセチルアセトンとを含む。
本発明の組成物は、ポットライフを延長できるため、ポットライフ期間中に成形して、所定形状のポリウレタンエラストマー成形物を製造することができる。また、得られるポリウレタンエラストマーは熱可塑性であるため、ポットライフ後に、加熱下で軟化させた状態で成形して、所定形状のポリウレタンエラストマー成形物を製造することもできる。また、ポリウレタンエラストマーには必要に応じて例えば105℃〜140℃で更に熱処理を施すことができる。
ポリオールであるポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール(略称PHC)(東ソー社製「ME−2010」)100重量部と、イソシアネートであるp−フェニレンジイソシアネート(略称PPDI)(JIANGSU SUHUA GROUP社製)19.0重量部とを125℃で反応させてプレポリマーを得た。
実施例1において、アセチルアセトンの配合量を0.05重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタン材を得た。ポリウレタンエラストマー組成物中のアセチルアセトン濃度は382ppmである。
実施例1において、アセチルアセトンの配合量を0.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタン材を得た。ポリウレタンエラストマー組成物中のアセチルアセトン濃度は3834ppmである。
実施例1において、アセチルアセトンの配合量を1重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタン材を得た。ポリウレタンエラストマー組成物中のアセチルアセトン濃度は7669ppmである。
実施例1において、アセチルアセトンの配合を省略したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタン材を得た。
比較例1において、鎖伸長剤としてBHEBに代えて1,4−ブタンジオール(略称BD)(三菱化学社製)5.20重量部を配合したこと以外は、比較例1と同様にして、ポリウレタン材を得た。
比較例1において、イソシアネートとしてPPDIに代えて4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(略称MDI)(東ソー社製)60.0重量部を配合し、BDの配合量を15.1重量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、ポリウレタン材を得た。
比較例1において、イソシアネートとしてPPDIに代えて4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル(略称TODI)(日本曹達社製)50.0重量部を配合し、鎖伸長剤としてBD 10.4重量部と、1,1,1−トリメチロールプロパン(略称TMP)(広栄化学工業社製)0.5重量部とを併用し、更に触媒としてトリエチレンジアミン(略称TEDA)(東ソー社製)0.01重量部を配合したこと以外は、比較例1と同様にして、ポリウレタン材を得た。
以上の実施例及び比較例を下記評価項目について評価した。
鎖伸長反応時のポットライフについて、下記評価基準で評価した。ポットライフ[秒]は、JIS K 6870:2008に準拠して測定した。
〔評価基準〕
○:ポットライフが30秒〜300秒である
△:ポットライフが300秒を超える
×:ポットライフが30秒未満である
得られたポリウレタン材の試験片につき、以下の方法で、硬さ、引張り強さ及び伸びを評価した。
硬さ(ゴム硬度Hs)[−];JIS K 6253:1997に準拠し、DuroA(瞬時)を測定した。
引張り強さ[MPa];JIS K 6251:2010に準拠して測定した。
伸び(切断時伸び)[%];JIS K 6251:2010に準拠して測定した。
得られたポリウレタン材について測定された圧縮永久ひずみCSに基づいて、下記評価基準で耐へたり性を評価した。圧縮永久ひずみCSは、JIS K6262:2013に準拠して、厚さ2mmのシートを3枚積層した試験片について測定された圧縮永久ひずみCS[%](120℃×70h)である。
〔評価基準〕
○:圧縮永久歪CSが70%未満である
△:圧縮永久歪CSが70%〜79%である
×:圧縮永久歪CSが80%以上である
得られたポリウレタン材について測定されたTR10に基づいて、下記評価基準で耐低温性を評価した。TR10[℃]は、JIS K 6261:2006に準拠して、試験片を50%伸長し、ガラス転移点Tg以下でガラス化させた後、徐々に温度を上げて歪みを緩和させ、初期伸長に対して10%回復したときの温度である。
〔評価基準〕
○:TR10が−25℃以下である
△:TR10が−25℃を超え、−20℃以下である
×:TR10が−20℃を超える
表1より、実施例1〜3では、耐久性や耐へたり性に優れ、且つポットライフを延長する効果が発揮されることがわかる。また、実施例4においても、ポットライフが600秒であり、物性等に関しても本発明の目的を達成できる程度の効果が発揮された。
Claims (6)
- ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールと、p−フェニレンジイソシアネートと、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと、アセチルアセトンとを含む熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物であって、
前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量部に対して、前記p−フェニレンジイソシアネート15〜30重量部と、前記1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン5〜28重量部と、前記アセチルアセトン0.001〜0.5重量部とを含むことを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。 - ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール及びp−フェニレンジイソシアネートを重合して得られるプレポリマーと、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと、アセチルアセトンとを含む熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物であって、
前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量に対して前記p−フェニレンジイソシアネート15〜30重量部を重合して得られるプレポリマーと、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン5〜28重量部と、アセチルアセトン0.001〜0.5重量部とを含むことを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。 - 請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物を重合してなることを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマー。
- 請求項3記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなることを特徴とするパッキン。
- ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールと、前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量に対して15〜30重量部のp−フェニレンジイソシアネートと、前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量に対して5〜28重量部の1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとを含む組成物を、加熱下で撹拌して熱可塑性ポリウレタンエラストマーを製造する際に、前記組成物に更に前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量に対して0.001〜0.5重量部のアセチルアセトンを配合することを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
- ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール及び前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量に対して15〜30重量部のp−フェニレンジイソシアネートを重合して得られるプレポリマーと、前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量に対して5〜28重量部の1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとを含む組成物を、加熱下で撹拌して熱可塑性ポリウレタンエラストマーを製造する際に、前記組成物に更に前記ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール100重量に対して0.001〜0.5重量部のアセチルアセトンを配合することを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
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