JP6938000B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
これらの特性を改良したオレフィン系熱可塑性エラストマーとして、特許文献1には、結晶性ポリオレフィン樹脂とエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムとを特定の条件下で動的架橋することで得られる動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)が提案されている。
すなわち、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
結晶性オレフィン系重合体(A)と、
エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)と
を含み、かつ、下記要件(1)を満たすことを特徴とする。
(1)前記熱可塑性エラストマー組成物を架橋剤の存在下で動的架橋してなる動的架橋型熱可塑性エラストマーのX線散乱測定によって得られた散乱強度曲線(ただし、縦軸を散乱強度I(q)、横軸を散乱ベクトルの大きさqとする。)に対して、下記式(1)を用いたカーブフィッティングにより得られるパラメーターAが10〜125nmの範囲である。
[熱可塑性エラストマー組成物]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物(以下「組成物(I)」ともいう。)は、結晶性オレフィン系重合体(A)(以下単に「重合体(A)」ともいう。)と、エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)(以下単に「共重合体(B)」ともいう。)とを含み、かつ、下記要件(1)を満たすことを特徴とする。
λq=4πsinθ (2)
上記フィッティングにより得られるパラメーターAが、動的架橋型熱可塑性エラストマーにおける分散構造サイズの特徴的長さとなる。すなわち、X線散乱測定によって熱可塑性エラストマーにおける分散性を定量的に評価することができる。
X線散乱測定は、一般的なX線散乱測定装置を用いて実施することができるが、例えば大型放射光施設SPring−8(兵庫県)に設置されている高分子専用ビームラインBL03XUを用いて測定することができる。図1に示した通り、試料に対してX線を入射し、入射X線に対して試料の背面方向に検出器を配置してもよいし、図1以外の配置、例えばBonse-Hart型などを採用してもよい(「Takenaka, M. NIPPON GOMU KYOKAISHI 2011, 84, (1), 7-13」参照)。
重合体(A)は、オレフィンから得られる結晶性の重合体であれば特に制限されないが、1種以上のモノオレフィンを、高圧法または低圧法の何れかにより重合して得られる結晶性の高分子量固体生成物からなる重合体であることが好ましい。このような重合体としては、アイソタクチックモノオレフィン重合体、シンジオタクチックモノオレフィン重合体等が挙げられる。
重合体(A)の原料となるモノオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。これらのオレフィンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
重合体(A)は、MFR(ASTM D1238−65T、230℃、2.16kg荷重)が、通常0.01〜100(g/10分)、好ましくは0.05〜50(g/10分)である。
重合体(A)は、熱可塑性エラストマー組成物の流動性および耐熱性を向上させる役割を果たす。
共重合体(B)は、エチレンに由来する構造単位(B1)、少なくとも1種の炭素数4〜20のα−オレフィンに由来する構造単位(B2)、および少なくとも1種の非共役ポリエンに由来する構造単位(B3)を含み、好ましくは下記要件(2)および(3)を満たす。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・・(i)
式(i)中、[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン由来の構造単位(B1)のモル分率、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構造単位(B2)のモル分率、非共役ポリエン由来の構造単位(B3)のモル分率を示し、[EX]はエチレン由来の構造単位(B1)−炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構造単位(B2)のダイアッド連鎖分率を示す。
共重合体(B)の前記B値は、1.20以上であり、好ましくは1.21〜1.80、より好ましくは1.22〜1.40の範囲にある。
なお、B値は、共重合体(B)中における共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示す指標であり、上記式(i)中の[E]、[X]、[Y]、[EX]は、13C−NMRスペクトルを測定し、J. C.Randall [Macromolecules, 15, 353 (1982)]、J. Ray [Macromolecules, 10, 773 (1977)]らの報告に基づいて求めることができる。
共重合体(B)は、さらに以下の要件(4)および(5)の少なくとも1つを満たすことが望ましい。
ムーニー粘度が上記範囲にあると、良好な後処理性(リボンハンドリング性)を示すと共に優れたゴム物性を有する傾向にある。
(a)下記一般式[VII]で表される遷移金属化合物(以下「架橋メタロセン化合物(a)」ともいう。)と、
(b)(b−1)有機金属化合物、
(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(b−3)遷移金属化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物(以下「イオン化イオン性化合物(b−3)」ともいう。)
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
さらに必要に応じて
(c)粒子状担体(以下単に「担体(c)」ともいう。)と
を含むオレフィン重合触媒の存在下において、エチレン、炭素数4〜20のα−オレフィンおよび非共役ポリエンを共重合することにより製造することができる。該架橋メタロセン化合物(a)を含むオレフィン重合触媒の存在下でエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとを共重合する場合、生成する共重合体のさらなる高分子量化が可能であるという利点が得られる。
上記Mは、チタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であるが、好ましくはハフニウム原子である。
電子供与性基含有置換アリール基が有していてもよいハロゲン含有基としては、上述した炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基または酸素含有基において、水素原子がハロゲン原子によって置換された基であるトリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。
このような架橋メタロセン化合物(a−4)は、下記一般式[IX]で表される。
このような架橋メタロセン化合物(a−5)は、下記一般式[X]で表される。
[ジメチルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジエチルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジ-n-ブチルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、 [ジシクロペンチルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジシクロヘキシルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[シクロペンチリデン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[シクロヘキシリデン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[ジフェニルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジ-1-ナフチルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジ-2-ナフチルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[ビス(3-メチルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(3,4-ジメチルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-n-ヘキシルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-シクロヘキシルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-t-ブチルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[ビス(3-メトキシフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(3,4-ジメトキシフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-メトキシ-3-メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-メトキシ-3,4-ジメチルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-エトキシフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-フェノキシフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス{4-(トリメチルシロキシ)フェニル}メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[ビス{3-(ジメチルアミノ)フェニル}メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス{4-(ジメチルアミノ)フェニル}メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-N-モルフォリニルフェニル)(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[ビス{4-(トリメチルシリル)フェニル}メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[ビス(3-クロロフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-クロロフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(3-フルオロフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス(4-フルオロフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス{3-(トリフルオロメチル)フェニル}メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ビス{4-(トリフルオロメチル)フェニル}メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[メチルフェニルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[メチル(4-メチルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[メチル(4-メトキシフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[メチル{4-(ジメチルアミノ)フェニル}メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[メチル(4-N-モルフォリニルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[ジメチルシリレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジエチルシリレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジシクロヘキシルシリレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジフェニルシリレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジ(4-メチルフェニル)シリレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[ジメチルゲルミレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、[ジフェニルゲルミレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド、
[1-(η5-シクロペンタジエニル)-2-(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)エチレン]ハフニウムジクロリド、[1-(η5-シクロペンタジエニル)-3-(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)プロピレン]ハフニウムジクロリド、[1-(η5-シクロペンタジエニル)-2-(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)-1,1,2,2-テトラメチルシリレン]ハフニウムジクロリド、[1-(η5-シクロペンタジエニル)-2-(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)フェニレン]ハフニウムジクロリド、および、これらの化合物のハフニウム原子をジルコニウム原子に置き換えた化合物またはクロロ配位子をメチル基に置き換えた化合物等が挙げられる。これら触媒の中でも、[ビス(4-メチルフェニル)メチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドが好ましい。
上記化合物(b)は、(b−1)有機金属化合物、(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(b−3)架橋メタロセン化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物、からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
共重合体(B)の製造に用いられる有機金属化合物(b−1)として、具体的には下記一般式[X]〜[XII]のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
(式[X]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
(式[XI]中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
一般式[XI]で表される化合物として、LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4等が挙げられる。
(式[XII]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。)で表される周期律表第2族または第12族金属を有するジアルキル化合物。
共重合体(B)の製造に用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)は、1種単独で用いてもよいし2種以上組み合せて用いてもよい。
共重合体(B)の製造に用いられるイオン化イオン性化合物(b−3)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
上記担体(c)は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
多孔質酸化物としては、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2などの無機酸化物、またはこれら無機酸化物を含む複合物または混合物を主成分とする多孔質材が挙げられ、多孔質酸化物としては、具体的には、天然または合成ゼオライト;SiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O3、SiO2−TiO2−MgOなどを主成分とする多孔質酸化物が挙げられる。これらのうち、SiO2および/またはAl2O3を主成分とする多孔質酸化物が好ましい。このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が通常50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成してから使用される。
上記担体(c)として用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理としては、具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体、ビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体が挙げられる。
エチレン、α−オレフィン、及び非共役ポリエンを共重合させる際、重合触媒を構成する各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)前記化合物(a)を単独で重合器に添加する方法。
(2)前記化合物(a)および前記化合物(b)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)前記化合物(a)を前記担体(c)に担持した触媒成分、前記化合物(b)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)前記化合物(b)を前記担体(c)に担持した触媒成分、前記化合物(a)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)前記化合物(a)と前記化合物(b)とを前記担体(c)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
化合物(b)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない化合物(b)を、任意の順序で添加してもよい。この場合化合物(b)は、担体(c)に担持されている化合物(b)と同一でも異なっていてもよい。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素等が挙げられる。上記不活性炭化水素媒体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
目標とする到達分子量、用いる触媒の重合活性によるが、生産性の観点から、重合温度は、より高温(+80℃以上)であることが望ましい。
フェノール樹脂系架橋剤(C)(以下「架橋剤(C)」ともいう。)としては、ハロゲン化フェノール樹脂系架橋剤が挙げられる。
また、架橋剤(C)の分解を促進するために、分散促進剤を用いてもよい。分解促進剤としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、2,4,6−トリ(ジメチルアミノ)フェノールなどの三級アミン;
アルミニウム、コバルト、バナジウム、銅、カルシウム、ジルコニウム、マンガン、マグネシウム、鉛、水銀等、ナフテン酸と種々の金属(たとえば、Pb、Co、Mn、Ca、Cu、Ni、Fe、Zn、希土類)とのナフテン酸塩等が挙げられる。
本発明の組成物(I)には、重合体(A)、共重合体(B)および架橋剤(C)の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、特に限定されないが、軟化剤(D)、無機充填剤(E)等が挙げられる。また、添加剤としては、共重合体(B)以外のゴム(たとえば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、プロピレン・エチレン共重合体ゴム、プロピレン・ブテン共重合体ゴムおよびプロピレン・ブテン・エチレン共重合体ゴムなどのプロピレン系エラストマー、エチレン・プロピレン共重合体ゴムなどのエチレン系エラストマー、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマーおよびこれらの水素添加物などのスチレン系エラストマー);熱硬化性樹脂、結晶性オレフィン系重合体(A)以外のポリオレフィンなどの樹脂;紫外線吸収剤;酸化防止剤;耐熱安定剤;老化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤;帯電防止剤;金属セッケン;脂肪族アミド;ワックスなどの滑剤等、ポリオレフィンの分野で用いられている公知の添加剤が挙げられる。
これら添加剤は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体(B)以外のゴムを用いる場合には、該ゴムは、重合体(A)と、共重合体(B)との合計量100重量部に対して、通常2〜200重量部、好ましくは5〜150重量部の量で用いる。
本発明の動的架橋型熱可塑性エラストマー(以下「組成物(II)」ともいう。)は、熱可塑性エラストマー組成物(I)を動的架橋することによって得られる。より具体的には、組成物(II)は、重合体(A)、共重合体(B)、必要に応じて配合される添加剤を含む混合物を、架橋剤、好ましくは架橋剤(C)の存在下に、動的に熱処理して架橋(動的架橋)することによって得られる。
動的な熱処理は、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。熱処理の温度は、通常重合体(A)の融点〜300℃の範囲であり、好ましくは150〜280℃、より好ましくは170〜270℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは1〜10分間である。また、加えられる剪断力は、最高剪断速度で通常10〜100,000sec-1、好ましくは100〜50,000sec-1、より好ましくは1,000〜10,000sec-1、さらに好ましくは2,000〜7,000sec-1の範囲である。
本発明の組成物(II)は、軽量性、耐熱性、柔軟性、ゴム弾性、耐候性、相溶性にも優れている。
本発明の成形体は、本発明の組成物(II)を、成形することにより得られる。例えば組成物(I)または(IIC)を、押出成形、射出成形、圧縮成形等の従来のプラスチック成形法によって成形することにより得られる。また、このような成形法によって生じた屑やバリを回収して再利用することもできる。
機構部材としては、CVJブーツ、サスペンションブーツ、ラック&ピニオンブーツ、ステアリングロッドカバー、ATクッション、ATスライドカバー、リーフスプリングブッシュ、ボールジョイントリテーナ、タイミングベルト、Vベルト、エンジンルーム内ホース、エアーダクト、エアバッグカバー、プロペラシャフトカバー材などが挙げられる。
[ビス(4-メトキシフェニル)メチレン(η 5 -シクロペンタジエニル)(η 5 -2,3,6,7-テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(触媒−a1)の合成
(i)6,6−ビス(4−メトキシフェニル)フルベンの合成
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコにリチウムシクロペンタジエニド8.28g(115mmol)および脱水THF(テトラヒドロフラン)200mlを加えた。氷浴で冷却しながらDMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)13.6g(119mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。その後4,4'−ジメトキシベンゾフェノン25.3g(105mol)を加え、加熱還流下で1週間攪拌した。氷浴で冷却しながら水100mlを徐々に添加し、更にジクロロメタン200mlを加えて室温で30分間攪拌した。得られた二層の溶液を500ml分液漏斗に移し、有機層を水200mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して橙褐色固体を得た。シリカゲルクロマトグラフ(700g、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)による分離を行い、赤色溶液を得た。減圧下で溶媒を留去し、橙色固体として6,6−ビス(4−メトキシフェニル)フルベン9.32g(32.1mmol、30.7%)を得た。6,6−ビス(4−メトキシフェニル)フルベンの同定は1H−NMRスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3):δ/ppm 7.28−7.23(m,4H),6.92−6.87(m,4H),6.59−6.57(m,2H),6.30−6.28(m,2H),3.84(s,6H)
窒素雰囲気下、100ml三口フラスコに2,3,6,7−テトラメチルフルオレン500mg(2.25mmol)および脱水t−ブチルメチルエーテル40mlを添加した。氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.63M)1.45ml(2.36mmol)を徐々に添加し、室温で18時間攪拌した。6,6−ビス(4−メトキシフェニル)フルベン591mg(2.03mmol)を添加した後、3日間加熱還流を行った。氷浴で冷却しながら水50mlを徐々に添加し、得られた溶液を300ml分液漏斗に移した。ジクロロメタン50mlを加えて数回振った後水層を分離し、有機層を水50mlで3回洗った。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、白色固体を得た。更に、洗浄液の溶媒を減圧下で留去し、得られた固体を少量のジエチルエーテルで洗浄して白色固体を採取し、先に得た白色固体と合わせた。この固体を減圧下で乾燥し、ビス(4−メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)メタン793mg(1.55mmol、76.0%)を得た。ビス(4−メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)メタンの同定はFD−MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
FD−MSスペクトル:M/z512(M+)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク管にビス(4−メトキシフェニル)(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)メタン272mg(0.531mmol)、脱水トルエン20mlおよびTHF90μl(1.1mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.63M)0.68ml(1.1mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌したところ赤色溶液が得られた。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル20mlを添加して再び赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ハフニウム164mg(0.511mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、黄色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体を少量のジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加えて−20℃で再結晶した。析出した固体を採取し、ヘキサンで洗浄した後減圧下で乾燥することにより、黄色固体として[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリド275mg(0.362mmol、70.8%)を得た。[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)]ハフニウムジクロリドの同定は1H−NMRスペクトルおよびFD−MSスペクトルにて行った。以下にその測定値を示す。
1H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3):δ/ppm 7.87(s,2H),7.80−7.66(m,4H),6.94−6.83(m,4H),6.24(t,J=2.6Hz,2H),6.15(s,2H),5.65(t,J=2.6Hz,2H),3.80(s,6H),2.47(s,6H),2.05(s,6H)
FD−MSスペクトル:M/z 760(M+)
得られた触媒−a1の化学式を以下に示す。
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて、連続的に、エチレン、1−ブテン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の重合反応を95℃にて行った。
<共重合体の組成>
エチレン由来の構造単位、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構造単位および非共役ポリエン由来の構造単位のモル量および質量は、1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
共重合体のヨウ素価を滴定法により求めた。具体的には、得られた共重合体0.5gを四塩化炭素60mlに溶解し、少量のウィス試薬および20%ヨウ化カリウム溶液を加え、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で適定した。終点付近では澱粉指示薬を加え、よく攪拌しながら薄紫色が消えるところまで適定し、試料100gに対する消費されるハロゲンの量としてヨウ素のg数を算出した。
o−ジクロロベンゼン−d4/ベンゼン−d6(4/1[v/v])を測定溶媒とし、測定温度120℃にて、13C−NMRスペクトル(100MHz、日本電子製ECX400P)を測定し、下記式(i)に基づき、共重合体のB値を算出した。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・・(i)
ムーニー粘度ML(1+4)125℃およびムーニー粘度ML(1+4)150℃は、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
共重合体の極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。具体的には、共重合体約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)」
東洋精機製作所製ラボプラストミル[型式:R-100H、容量:約100cc(有効混練体積:80cc)]を用いて、混練温度を170℃に設定し、合成例1で得られたEBDM−1を100重量部と、メルトフローレート(ASTM−D−1238−65T;230℃、2.16kg荷重)が2.0g/10分であるポリプロピレン(商品名:プライムポリプロ(商標)E−200GP、プライムポリマー社製)を71重量部とを、回転数10rpmで投入した。次いで、回転数を10rpm(10秒)→30rpm(10秒)→50rpm(10秒)→70rpm(10秒)→90rpm(10秒)と迅速に上げ、これを3セット繰り返した。次いで、回転数10rpmで、軟化剤(ダイアナプロセスPW−100、パラフィンオイル、出光興産社製)114部を、ローターが空回りしないように、少しずつ滴下した。回転数を10rpm→30rpm→50rpm→70rpm→90rpmと迅速に上げた後、回転数を10rpmとし、樹脂温度が170℃まで下がるのを待った。次いで、フェノール樹脂系架橋剤として臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(商品名:SP−1055F、Schenectady社製)8部と、酸化亜鉛(酸化亜鉛2種、ハクスイテック社製)0.5部とを投入した後、回転数を10rpm→30rpm→50rpm→70rpm→90rpmと迅速に上げた。トルクがピークに達してから3分間90rpmで混練した。以上の操作により、動的架橋型熱可塑性エラストマー(以下「組成物(II-1)」ともいう。)を得た。
<MFR>
得られた組成物(II-1)を用いて、ASTM D 1238に準拠して、230℃、10kg荷重で測定した。
上記で得られた2mm厚のシートを重ねて厚さ12mmとし、JIS K6253に従って、硬度(JIS-A)を測定した。
上記で得られたシートを用いて、JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、モジュラス、破断時強度(TB)、破断伸び(EB)を測定した。
上記で得られたシートを用いて、JIS K6250の6.5の要領で、JIS K6262 (2013)に従って、所定の温度にて、22時間処理後の圧縮永久歪みを測定した。
上記で得られたシートを用いて、JIS K6258に従い、試験用潤滑油としてIRM903を用いて、所定の温度および時間で処理後の体積変化率を測定した。
上記で得られたシートを下記方法で前処理したサンプルを用いて、透過型電子顕微鏡(TEM)[(株)日立ハイテクノロジーズ製「H-7650」]によりモルフォロジー観察を行った。結果を図2に示す。
前処理:トリミング・面出し(凍結)→RuO4染色→超薄切片作製(凍結)→カーボン補強
上記で得られたシートを用いて、大型放射光施設SPring−8(兵庫県)に設置されている高分子専用ビームラインBL03XUによりX線散乱測定を行った。得られた散乱強度曲線を図3に示す。また、得られた散乱強度曲線に対して、下記式(1)を用いたカーブフィッティングを行い、パラメーターAを求めた。
実施例1において、合成例1で得られたEBDM−1の代わりに、三井化学(株)製「3072EM」(EPDM、エチレン含量:64wt%、ジエン含量:5.4wt%、ムーニー粘度ML(1+4)125℃:51、油展量:40(PHR))を用いたこと以外は、実施例1と同様にして動的架橋型熱可塑性エラストマーを調製し、シートを作製して評価を行った。結果を表2、図2および図3に示す。
Claims (9)
- 結晶性オレフィン系重合体(A)と、
エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)と
を含む熱可塑性エラストマー組成物について、下記方法(1)により熱可塑性エラストマーにおける分散性を定量的に評価することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の評価方法:
(1)前記熱可塑性エラストマー組成物を架橋剤の存在下で動的架橋してなる動的架橋型熱可塑性エラストマーのX線散乱測定によって得られた散乱強度曲線(ただし、縦軸を散乱強度I(q)、横軸を散乱ベクトルの大きさqとする。)に対して、下記式(1)を用いたカーブフィッティングによりパラメーターAを求める。
λq=4πsinθ (2) - 前記共重合体(B)が、下記要件(2)および(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物の評価方法:
(2)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である;
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・・(i)
[式(i)中、[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン由来の構造単位(B1)のモル分率、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構造単位(B2)のモル分率、非共役ポリエン由来の構造単位(B3)のモル分率を示し、[EX]はエチレン由来の構造単位(B1)−炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構造単位(B2)のダイアッド連鎖分率を示す。]
(3)エチレンに由来する構造単位(B1)と炭素数4〜20のα−オレフィンに由来する構造単位(B2)とのモル比[(B1)/(B2)]が、40/60〜90/10の範囲である。 - 前記共重合体(B)におけるα−オレフィンが1−ブテンであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物の評価方法。
- 前記熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、フェノール樹脂系架橋剤(C)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の評価方法。
- 前記フェノール系架橋剤(C)が、ハロゲン化フェノール樹脂系架橋剤であることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物の評価方法。
- 前記熱可塑性エラストマー組成物における前記結晶性オレフィン系重合体(A)と前記共重合体(B)との重量比[(A)/(B)]が、90/10〜10/90の範囲であり、
前記熱可塑性エラストマー組成物における前記フェノール樹脂系架橋剤(C)の含有量が、前記共重合体(B)100重量部に対して、0.1〜20重量の範囲であることを特徴とする請求項4または5に記載の熱可塑性エラストマー組成物の評価方法。 - 前記熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、軟化剤(D)を、前記結晶性オレフィン系重合体(A)および前記共重合体(B)の合計100重量部に対して、2〜100重量部の範囲で含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の評価方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の評価方法により得られたパラメーターAが10〜125nmの範囲の熱可塑性エラストマー組成物を動的架橋することを特徴とする動的架橋型熱可塑性エラストマーの製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法により得られた動的架橋型熱可塑性エラストマーを成形する工程を含むことを特徴とする成形体の製造方法。
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