JP6936951B2 - 曲げ角度測定装置 - Google Patents
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Description
その概要は、曲げ加工された製品の一辺に当接する測定基準部材を備え、他の辺に当接する半円状をなす回転子の外周にマグネスケールを配し該スケールの値を読む検出器を備え、検出した数値を表示する表示器を備え、表示器の表示が90度となるよう原点位置の調整を可能としたことに特性の存するものである。
ところで、加工の現場にあっては、
1)単なるL型の屈曲だけでなく、段曲げ加工といって、2回以上の屈曲によって例えば5mm〜20mm程度の段差のついた形態(ある種Z型となる形態)に曲げられる加工が施されることがある。
2)切り起こし加工といって、例えば板材の一部を残しつつ円弧状(窓状)に切り、その切り片を直角方向に折り曲げて切り起こし状態(例えばブックエンドのような状態)とする加工が施されることがある。
3)製品の多様化にともなって、狭い角度に屈曲され又逆に広い角度に屈曲された製品等があり、測定すべき曲げ角度の範囲が広がる傾向にある。
これらの場合にあって、上記装置にあっては、測定子の動きの範囲が限定的であること等により、これに対応することが困難であった。
このとき、もしワーク段部の側面Wbの高さが非常に低い場合にあっても、本角度測定装置は、延出挺先端部の高さ(He)を、上記基準部材の基準面が本体胴部から平行移動できる上限高さと等しい高さ(Hmax)に設定してあるので、Hk≒Hmaxとすることで測定子の上端部の高さ(Hs)と上昇させた基準面の高さ(Hk)との差(Hs−Hk)を可及的に零に近づけることができ、その曲げ加工に対する角度を測定することが可能となる。
このとき、切片の切り起こし角度が、大きく又は小さく変化した場合にも、挿入した回転ホルダーを基に測定子を奥までスライドさせることで、多様な曲げ角度にも対応することができる。
同時に、スティック状の測定子を手で摘んで自由にスライドさせることができ、それが摺動状態となるので、任意の位置で固定させることが可能となる。
尚、本発明装置で、基準部材14が平行移動する上下方向とは、本装置を横に持ったとき該基準部材が測定子と直交する方向を指すもので、図6、図7における基準部材14の上下に移動する方向を指す。
具体的には、その傾斜角度は、回転ホルダー23の高さ等によって左右されるが、例えば45度程度の角度とすれば、後述する切り起こし加工されたワークWの測定等に適切なものとなる。
該回転ホルダー23の形状は、測定子31を保持し得る範囲で可及的にコンパクトなものが望ましいが、後述する如く測定子31をスティック体型及びケース体型等の形態に適合したものとする。
又、回転ホルダー23のストッパーは、測定時にワークWと測定子とが密接状態にある場合にはその状態で固定される態様となるので絶対的に必要とされるものではなく、状況に応じて設けることも可能である。
これは、後述する如くもしワーク段部の側面Wbの高さが非常に低い場合にあっても、本角度測定装置は、測定子上端部の高さ(Hs)と基準面高さ(Hk)の差を最小限にとどめてその曲げ角度を測定可能とするためである。このとき、測定子上端部の高さ(Hs)とは、測定子31をスライドさせてその上端部とホルダーの上端部23aに揃えた場合の溝部12aからの高さ(距離)をいう。
即ち、図6(b)に示す如く、回転ホルダーの高さ(Hh)は、上端部23aが延出挺21の先端部21bの高さと等しい高さであり、延出挺先端部21bの高さ(He)をHe≒Hmaxとしたとき、Hh≒Heであることから、Hh≒Hmaxとなる。又、段部の測定にあたっては、測定子の上端部高さ(Hs)をホルダーの高さ(Hh)に揃え、(Hs≒Hh)とする。
そして、通常のワーク段部の測定にあたっては、測定子31の上端部の高さ(Hs)と上昇させた基準面14cの高さ(Hk)との差(Hs−Hk)がワークWの段部の高さ(Hw)に相当するところ、ワーク段部の高さが非常に低い場合に、延出挺先端部21bの高さ(He)を基準部材の上限高さ(Hmax)と略等しいものとすると、測定子上端部の高さ(Hs)と基準面の高さ(Hk)との差(Hs−Hk)は、(Hs≒Hh)、(Hh≒He)の関係から、測定子上端部の高さ(Hs)と基準面の上限高さ(Hmax)との差と略等しいものとなる。
つまり、測定子上限部の高さと基準面上限の高さが等しいことから、測定子の高さと基準面の高さの差が可及的に零に近いものとなるからである。
具体的には、延出挺21の高さ及び回転ホルダーの高さは、32mm〜34mm程度とする。
上記延出挺21の高さを上記基準部材の基準面14cが本体胴部から平行移動できる上限高さと等しい高さとした効果を維持する為である。
該測定子31には、スティック体型とケース体型が存する。
スティック型とは、一定長さの直線状のスティック状に形成したものをいい(以下スティック体という)、一つに、断面円形の円柱状の形態(丸タイプ310)のものを指す(図5(a)、側面図(イ)、正面図(ロ)参照)。
該スティック体の場合には、上記回転ホルダー23の端面に、該スティック体を雄雌に嵌合可能な断面略半円形状の溝23bを刻設し、ここに該スティック体を嵌合させるが、この嵌合はスライド可能な緩さを備える一方で、そのスライドが摺動状体となるきつさを備えたものとすることが望ましい。測定子をスライドさせた後、手を放せばその位置に固定させることができるからである。
スティック体の二つ目の型に、上記断面円形状のスティック体に替えて、断面が円形と角形を合わせたタイプ(丸平タイプ320)とすることができる(図5(b)、側面図(イ)、正面図(ロ)参照)。円形部を回転ホルダー23との嵌合用とし、角形をその表面を平坦面としてワークWとの当接面とする。
三つ目の型に、測定子31の一方(下側)を丸タイプとしたとき、他方(上側)を丸平タイプとし、両者を合わせた組み合わせタイプ330がある(図5(c)、側面図(イ)、正面図(ロ)参照)。ホルダー23を軸として測定子31を上下に回転させることで、そのいずれを使用するかを一つの測定子で選択することができる。
即ち、測定子は、測定対象となるワークWに対し、基準部材14の基準面14cにその一辺を当接させ他辺に測定子を当接させて角度測定を行う上で、一定の長さが必要とされる。しかし一方、段曲げ加工されたワークWに対しては、測定子が過剰に長い場合には、その測定を妨害してしまう。
そこで、測定子31に一定の長さを保ちつつ、段曲げ加工されたワークWへの測定を可能にする目的で、その長さをホルダー23の上端部23aから本体部10の胴体12に挟まれる距離より短くなる寸法とする。
ここで基端とされる本体部10の胴体12とは、具体的には図1、図3及び図6に示す如く、該胴体12には、基準部材14との嵌合を図る目的で溝部12aが刻設されているので、この溝部12aの底辺を指すものとする。
本曲げ角度測定装置の測定にあたって、先ず、主として測定対象とする段曲げ加工されたワークWの測定を説明する。
段曲げ加工されたワークWとは、図6(a)に示す如くで、一の曲げ加工が施されて上面Wcが形成され、次いで二の曲げ加工で側面Wbと基体となる底面Waとが形成され、いわゆる段差の形成される態様のワークWを指す。斯かるワークWにおいて底面Waと側面Wbとの曲げ角度を測定する際、側面Wbの高さ(Hw)が一定以下に小さい(背が低い)場合には、上述の如く測定子の上端が上面Wcに衝突して、それに妨害されて測定が不可能となってしまう。
そこで、本発明装置における上記ワークWの測定にあたっては、先ず、回転ホルダー23の一部に配設された測定子31を回転ホルダー23先端から下方で本体部10側に向かってスライドさせる。すると、該測定子31は、その長さが回転ホルダー23の上端部23aから本体胴部に挟まれる距離より短い寸法に形成されているので、測定子31の上端部をホルダー23の上端部23aと一致する(面一となる)位置まで下げることで、ホルダー23の上端部23aから本体部10の間の空間にそれを収納させることができる。即ち、ホルダー23の上端部23aより上には測定子31の頭の出ない状態とすることができる。
そして、ワークWの上面Wcと該測定子31の上端部を揃えた状態としたところで、本体部10の基準部材14を上昇させ、その基準面14cがワークWの底面Waに当接したところで、固定ボルト15を締めてその位置に固定する。次いで、ワークWに対し、その底面Waに基準面14cをしっかりと当接させ、同時にその側面Wbに測定子31の測定面31aを当接させた状態とする。
すると、測定子31の上端部の高さ(Hs)と上昇させた基準面14cの高さ(Hk)との差(Hs−Hk)が、ワークWの段部の高さ(Hw)に相当(ほぼ一致)するものとなり、この状態で基準面14cと測定子31のなす角度を測定することで、ワークWの段部の曲げ角度を測定することができる。
即ち、上記の如く、ワークWの段部の高さに対して基準面14cの高さ(Hk)との差(Hs−Hk)が相当するものとなるが、本発明にあっては上記延出挺先端部21bの高さ(He)を、先端部の高さを上記基準部材の基準面14cが本体胴部から平行移動できる上限高さと等しい高さに設定してあるので、Hk≒Hmaxとすることで(Hs−Hk)を可及的に零に近づけることができ、つまり(Hmax)≒(Hs)の状態で、(Hs−Hk)≒0とすることができる。
この結果、仮にワークWの側面Wbが非常に小さく、可及的に零に近い場合にあっても、測定子31の当接面31が確保できる範囲において、その曲げ加工に対する角度を測定することが可能となる。
切り起こし曲げ加工とは、図7(a)に示す如く、平板状のワークWに対し、一辺を残して窓状に切り込みが施され、窓状部分を曲げ加工して起こしたものをいい、そこには切り取られた空洞部分Wfと切り起こされた切片Weとが形成され、このとき、その板状部Wdに対する切り起こされた切片Weの曲げ角度を測定することが求められる。
従来の装置にあってはこの測定が困難であったが、本発明装置にあっては、先ず、切り起こしされたワークの空洞部WFから切片Weに向かって回転ホルダー23の先端部を挿入する。すると、該ホルダー23を支持する延出挺21が本体部10から傾斜面21aをもって形成されているので、空白部を形成した傾斜面21aに沿って侵入が許され、その空洞Wfから切片Weの一定の奥の位置までホルダー23とそれに支持された定子31を挿入することが可能となる。
次いで、該測定子31を切片Weの切り起こし面に沿ってスライドさせると、更に奥まで測定子31を挿入することができる。
そして、ワークの板状部Wd側に合わせて基準部材14を平行移動させると、該切片Weには測定子31が板状部Wd底面には基準面14cが当接された状態となる。
そこで、両者のなす角度を測定することで、上記切り起こし曲げ加工されたワークWの曲げ角度を測定することが可能となる。
このとき、ワークWの切り起こし角度が、直角だけでなく、より大きく又は小さく変化した場合にも、挿入した回転ホルダー23を基に測定子31を奥までスライドさせることで、多様な角度の変化にも対応することができる。
以上の如く、ワークWの曲げ角度45°から180°以上に及ぶ広い範囲での測定が可能となる。
このとき、測定子が断面円形のスティック体であると、例えば、ワークWとの当接面が平坦面である場合に、該平坦面に断面円形の当接面が一本の接線となり、その結果、当接面が一本の線状に確定され、安定で精度の高い測定が可能となる。
該エンコーダは、偏光式であるので、偏光板を小さくしても精度は落ちない。高分解能を維持した状態で小型化が可能となる。
例えば、回転軸径を直径3mmと小型化した場合にも0.01°の分解能が保持できる。
よって、該ロータリーエンコーダの軸部を上記延出挺21の軸体22と兼用させ、つまり該エンコーダの軸部と軸体22とを同一とすることで、測定子の回転を直接読み取ることができ、
精度の高い測定を可能とする。又、検出部の構造をコンパクト化し、測定作業を円滑化できる。
12 胴体
12a 溝部
14 基準部材
14c 基準面
15 固定ボルト
20 ホルダー部
21 延出挺
21a 傾斜面
21b 先端部
22 軸体
23 回転ホルダー
23a 上端部
23b 嵌合溝
30 測定部
31 測定子
31a 当接面
310 スティック体型の丸タイプ測定子
320 スティック体型の丸平タイプ測定子
330 スティック体型の組み合わせタイプ測定子
340 ケース型の測定子
341 ガイドレール
40 検出部
41 ロータリーエンコーダ
50 表示部
51 表示画面
W ワーク
Hk 基準面高さ
Hmax 基準面上限の高さ
He 延出挺先端部の高さ
Hh ホルダー高さ
Hs 測定子上端部の高さ
Hw ワーク側面の高さ
Claims (6)
- 曲げ加工されたワークの一辺に当接し上下方向に平行移動を自在とした基準面を有する基準部材及び胴体を備えた本体部を有する角度測定装置において、
該本体部の基準面との直交方向に本体上部から傾斜面をもって突出させ、先端部の高さを上記基準部材の基準面が本体胴部から平行移動できる上限高さと等しい高さとした延出艇を形成し、上端部が該延出艇の先端部の高さと等しい高さとなる回転ホルダーを該延出艇に軸着したホルダー部を配設し、
ワークの他辺に接する直状の当接面を備え回転ホルダー上端部から本体胴部に挟まれる距離より短い長さの測定子を形成し、該測定子を回転ホルダーにスライド自在に取着して測定部を配設し、
前記回転ホルダーの回転軸と連係して回転角度を計測するロータリーエンコーダを配した検出部を配設し、
該検出部のエンコーダが読み取った数値を表示する表示部を配設した、
ことを特徴とする曲げ角度測定装置。
- 請求項1記載の測定子を、ホルダーに刻設した溝に嵌合させて摺動状態にスライドする断面円形のスティック体に形成したことを特徴とする曲げ角度測定装置。
- 請求項1記載の測定子を、ホルダーに刻設した溝に嵌合させて摺動状態にスライドする断面が円形と角形を合わせた円角形のスティック体に形成したことを特徴とする曲げ角度測定装置。
- 請求項1記載の測定子を、ホルダーに刻設した溝に嵌合させて摺動状態にスライドし、一方が断面円形で他方が円形と角形を合わせた円角形の2つを組み合わせた形態としたスティック体に形成したことを特徴とする曲げ角度測定装置。
- 請求項1記載の測定子を、上下の両面又は一方を平坦面とし、内部に回転ホルダーを挟着するガイドレールを上下に配したケース体で形成したことを特徴とする曲げ角度測定装置。
- 請求項1〜5いずれか記載の延出挺の傾斜角度を45度としたことを特徴とする曲げ角度測定装置。
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