JP6936560B2 - 電磁波測定装置および電磁波測定方法 - Google Patents

電磁波測定装置および電磁波測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気光学プローブ、電磁波測定装置および電磁波測定方法に関し、特に、電気光学結晶を用いる電気光学プローブ、電磁波測定装置および電磁波測定方法に関する。
電気光学結晶等を用いて電磁波を検出する装置が各種開発されている。このような電磁波を検出する技術の一例として、たとえば、特許文献1(特開2005−214892号公報)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、電界センサは、電気光学結晶を備えるセンサヘッド部と、このセンサヘッド部の出力に基づいて被測定電界を検出する信号処理部と、この信号処理部からの光を前記センサヘッド部に伝送して前記電気光学結晶の第1面に入射させる偏波保持ファイバと、前記電気光学結晶中を伝搬して前記電気光学結晶の第1面と対向する第2面から出射した光を前記信号処理部に伝送する光ファイバとを有し、前記信号処理部は、直線偏光を放射し、この直線偏光を前記偏波保持ファイバにより前記センサヘッド部へ伝送させる光源と、前記光ファイバによって伝送された光を予め設定された角度の偏波面を有する直線偏光に変換する直線偏光生成器と、この直線偏光生成器の出力光をS偏光とP偏光に分離する偏光分離素子と、前記S偏光を光電変換する第1の光検出器と、前記P偏光を光電変換する第2の光検出器と、前記第1の光検出器の出力電気信号と前記第2の光検出器の出力電気信号とを差動増幅する差動増幅器と、この差動増幅器の出力電気信号に基づいて被測定電界を検出する電気信号測定器とを備えるものであり、前記電気光学結晶の第1面に入射する直線偏光の偏波面の角度は、前記電気光学結晶の2つの電気的主軸のうちいずれかの軸に対して略45度をなし、前記直線偏光生成器の応答速度は、前記被測定電界の周波数の下限値よりも低い。
また、特許文献2(特開2001−343410号公報)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、電界プローブは、レーザ光の進行方向に平行または直交する電界のみに感度を有する電気光学結晶と、該電気光学結晶に対してレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、該レーザ光照射手段から前記電気光学結晶に入射して反射されてきたレーザ光を受けて、レーザ光の偏光変化をレーザ光の強度変化に変換する偏光検出光学手段と、該偏光検出光学手段で変換したレーザ光の強度変化を電気信号の強度変化の検出信号に変換する光検出手段と、該光検出手段で検出された検出信号の強度および位相を出力する出力手段とを有する。
また、特許文献3(特開2014−52272号公報)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、電磁波検出システムは、第一の光源と、前記第一の光源と異なる周波数で発光する第二の光源と、前記第一の光源からの光を2つに分岐する第一の光分岐器と、前記第二の光源からの光を2つに分岐する第二の光分岐器と、前記第一の光分岐器で分岐された2つの光のうち一方の光および前記第二の光分岐器で分岐された2つの光のうち一方の光を合波する第一の光合波器と、前記第一の光分岐器で分岐された2つの光のうち他方の光および前記第二の光分岐器で分岐された2つの光のうち他方の光を合波する第二の光合波器と、一定の周波数の発振信号を出力する発振器と、前記第一の光分岐器と前記第一の光合波器との間、前記第二の光分岐器と前記第一の光合波器との間、前記第一の光分岐器と前記第二の光合波器との間および前記第二の光分岐器と前記第二の光合波器との間のいずれかに挿入され、前記発振器からの発振信号で光の周波数を前記発振信号の周波数だけシフトする周波数シフタと、前記第一の光合波器からの異なる周波数の2つの光を受光して、2つの光の差周波数を周波数とする第一のRF(Radio Frequency)信号を生成し、生成した第一のRF信号を被測定物に照射するRF信号発生器と、前記第二の光合波器からの異なる周波数の2つの光をLO(Local Oscilating)信号とし、前記被測定物を透過又は反射した第一のRF信号および前記LO信号を混合しヘテロダイン検波して、前記LO信号を構成する2つの光の差周波数と前記第一のRF信号との周波数との差周波数を周波数とする検出信号を出力するRF信号検出器と、前記RF信号検出器の出力する検出信号を前記発振器の出力する発振信号で2位相ロックイン検出して、前記RF信号検出器の出力する検出信号と同位相となる同相成分および前記RF信号検出器の出力する検出信号と直交位相となる直交成分を出力する2相ロックイン検出器と、を備える。
特開2005−214892号公報 特開2001−343410号公報 特開2014−52272号公報
このような特許文献1〜3に記載の技術を超えて、電磁波を良好に測定可能な技術が望まれる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することが可能な電気光学プローブ、電磁波測定装置および電磁波測定方法を提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電気光学プローブは、電磁波を検出するための電気光学プローブであって、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記電気光学結晶へ入射される前記光ファイバからの光の偏波方向とが沿うように設けられている。
このような構成により、電気光学結晶に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶の中で大きな電気光学効果を有する固有軸に揃えることができる。そして、固有軸の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波とプローブ光とが電気光学結晶中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学効果が大きいことによる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
(2)好ましくは、前記電気光学結晶は、自然複屈折を有する。
このように、大きな電気光学定数を有する種類が数多く存在する自然複屈折を有する電気光学結晶を用いる構成により、複屈折の影響の除去による測定の安定性向上の効果を得ながら、検出感度をより向上させることができる。また、特許文献1および2に記載の技術では、プローブ光の偏光状態が、温度等に起因する自然複屈折の揺らぎによって大きく変動し、この変動が検出感度の揺らぎに大きく影響を及ぼす。これに対して、偏波変調による電界計測を測定原理としていない、具体的には、電気光学結晶に入射されるプローブ光の偏波方向を電気光学結晶の固有軸に揃える構成により、温度揺らぎに起因する変調効率の変動が非常に小さいことから、外乱の影響を受けにくい状態を実現し、被検出電磁波の振幅および位相を安定して計測することができる。
(3)好ましくは、前記電気光学結晶は、有機非線形光学結晶である。
このように、たとえば無機光学結晶と比べて大きな電気光学効果が得られる場合の多い有機非線形光学結晶を電気光学結晶として用いる構成により、検出感度をより向上させることができる。
(4)より好ましくは、前記電気光学結晶は、DAST(4−N,N−dimethylamino−4’−N’−methyl−stilbazolium tosylate)、DASC(4−N,N−dimethylamino−4’−N’−methyl−stilbazolium p−chlorobenzenesulfonate)、DSTMS(4−N,N−dimethylamino−4’−N’−methyl−stilbazolium 2,4,6−trimethylbenzenesulfonate)またはOH1(2−(3−(4−Hydroxystyryl)−5,5−dimethylcyclohex−2−enylidene)malononitrile)である。
このように、特に電気光学定数の大きい有機非線形光学結晶を電気光学結晶として用いる構成により、電気光学結晶に入射されるプローブ光の偏波方向を電気光学結晶の固有軸に揃えることで自然複屈折率の揺らぎを抑えながら、検出感度を大幅に向上させることができる。
(5)好ましくは、前記光ファイバは、偏波保持ファイバであり、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記光ファイバの固有偏波方向とが沿うように設けられている。
このような構成により、光ファイバを伝搬する光の偏波方向の乱れを抑制し、また、電気光学結晶の固有軸に光ファイバの固有偏波方向をより確実かつ容易に揃えることができる。
(6)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電気光学プローブは、電磁波を検出するための電気光学プローブであって、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記光ファイバの固有偏波方向とが沿うように設けられている。
このような構成により、たとえば、電気光学結晶に入射される光ファイバからの光の偏波方向が電気光学結晶の固有軸の方向に沿っていない場合でも、たとえば、偏波分離素子等を用いて電気光学結晶の固有軸方向の偏波成分を分離して取り出すことができる。これにより、たとえば、電気光学効果が大きいことによる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
(7)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電磁波測定装置は、光源と、前記光源からの光、および電磁波を受ける電気光学プローブと、前記電気光学プローブから出力された光を受ける光フィルタと、前記光フィルタを通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備え、前記電気光学プローブは、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記電気光学結晶へ入射される前記光ファイバからの光の偏波方向とが沿うように設けられている。
このような構成により、電気光学結晶に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶の中で大きな電気光学効果を有する固有軸に揃えることができる。そして、固有軸の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波とプローブ光とが電気光学結晶中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学効果が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電磁波測定装置は、光源と、前記光源からの光、および電磁波を受ける電気光学プローブと、前記電気光学プローブから出力された光を受ける光フィルタと、前記光フィルタを通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備え、前記電気光学プローブは、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記光ファイバの固有偏波方向とが沿うように設けられている。
このような構成により、たとえば、電気光学結晶に入射される光ファイバからの光の偏波方向が電気光学結晶の固有軸の方向に沿っていない場合でも、たとえば、偏波分離素子等を用いて電気光学結晶の固有軸方向の偏波成分を分離して取り出すことができる。これにより、たとえば、電気光学効果が大きいことによる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
(9)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電磁波測定方法は、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記電気光学結晶へ入射される前記光ファイバからの光の偏波方向とが沿うように設けられている電気光学プローブを用いる電磁波測定方法であって、光源からの光を前記電気光学プローブに与えるとともに、電磁波を前記電気光学プローブに与えるステップと、前記電気光学プローブから出力される光に基づいて前記電磁波を測定するステップとを含む。
これにより、電気光学結晶に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶の中で大きな電気光学効果を有する固有軸に揃えることができる。そして、固有軸の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波とプローブ光とが電気光学結晶中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学効果が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
(10)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電磁波測定方法は、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記光ファイバの固有偏波方向とが沿うように設けられている電気光学プローブを用いる電磁波測定方法であって、光源からの光を前記電気光学プローブに与えるとともに、電磁波を前記電気光学プローブに与えるステップと、前記電気光学プローブから出力される光に基づいて前記電磁波を測定するステップとを含む。
これにより、たとえば、電気光学結晶に入射される光ファイバからの光の偏波方向が電気光学結晶の固有軸の方向に沿っていない場合でも、たとえば、偏波分離素子等を用いて電気光学結晶の固有軸方向の偏波成分を分離して取り出すことができる。これにより、たとえば、電気光学効果が大きいことによる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電磁波測定装置は、第1の光源と、前記第1の光源と異なる周波数で発光する第2の光源と、前記第1の光源からの光および前記第2の光源からの光を受ける電気光学プローブと、前記第1の光源からの光および前記第2の光源からの光を受けて、受けた各前記光の周波数の差の周波数を有する電磁波を生成して前記電気光学プローブへ放射する光電磁波変換部と、前記第1の光源または前記第2の光源と前記光電磁波変換部または前記電気光学プローブとの間に設けられ、受けた光の周波数をシフトして出力する光シフタとを備え、前記電気光学プローブは、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記電気光学結晶へ入射される前記光ファイバからの光の偏波方向とが沿うように設けられている。
このような構成により、電気光学結晶に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶の中で大きな電気光学効果を有する固有軸に揃えることができる。そして、固有軸の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波とプローブ光とが電気光学結晶中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学効果が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。また、周波数シフタすなわち光シフタにより少なくとも1つの光源からの出力光の周波数をシフトさせるとともに少なくとも2つの異なる周波数のプローブ光を電気光学結晶に入射する構成により、周波数をシフトさせないかまたは1つのプローブ光を電気光学結晶に入射する構成では2点以上測定する必要がある位相情報を、リアルタイムに計測することが可能となる。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電磁波測定方法は、電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記電気光学結晶へ入射される前記光ファイバからの光の偏波方向とが沿うように設けられている電気光学プローブを用いる電磁波測定方法であって、第1の光源からの光、および前記第1の光源と異なる周波数で発光する第2の光源からの光を前記電気光学プローブに与えるとともに、前記第1の光源および前記第2の光源のいずれか一方の周波数と、前記第1の光源および前記第2の光源の他方の周波数をシフトした周波数との差の周波数を有する電磁波を前記電気光学プローブへ放射するか、または、前記第1の光源および前記第2の光源のいずれか一方からの光、および前記第1の光源および前記第2の光源の他方からの光の周波数をシフトした光を前記電気光学プローブに与えるとともに、前記第1の光源の周波数と前記第2の光源の周波数との差の周波数を有する電磁波を前記電気光学プローブへ放射するステップと、前記電気光学プローブから出力される光に基づいて前記電磁波を測定するステップとを含む。
これにより、電気光学結晶に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶の中で大きな電気光学効果を有する固有軸に揃えることができる。そして、固有軸の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波とプローブ光とが電気光学結晶中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学効果が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。また、周波数シフタすなわち光シフタにより少なくとも1つの光源からの出力光の周波数をシフトさせるとともに少なくとも2つの異なる周波数のプローブ光を電気光学結晶に入射する構成により、周波数をシフトさせないかまたは1つのプローブ光を電気光学結晶に入射する構成では2点以上測定する必要がある位相情報を、リアルタイムに計測することが可能となる。
本発明によれば、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定原理を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の比較例の測定結果の一例を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の比較例の測定結果の一例を示す図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブの構成を概略的に示す斜視図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブの図7におけるVIII−VIII線に沿った断面を示す断面図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブの変形例の図7におけるVIII−VIII線に沿った断面を示す断面図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置を用いた電磁波測定方法の手順を示す図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置およびその比較例1の測定結果の一例を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置およびその比較例1の測定結果の一例を示す図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。 図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置およびその比較例2の測定結果の一例を示す図である。 図15は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。 図16は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置におけるプローブ光および電気光学結晶による変調サイドバンドの一例を示す図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。
図1を参照して、電磁波測定装置201は、発光素子(光源)1,2と、光増幅器3,4と、光分岐器5,6と、光合波器7,8と、光シフタ9と、光電磁波変換部10と、発振器11と、サーキュレータ12と、光フィルタ13と、受光素子14と、振幅/位相検出器15と、電気光学プローブ101とを備える。光電磁波変換部10は、光電変換器21と、アンテナ22とを含む。
電磁波測定装置201の各構成要素間の光伝送の少なくとも一部は、光ファイバ16を用いて行われる。アンテナ22は、たとえばホーンアンテナである。
発光素子1は、周波数f1で発光する。発光素子2は、周波数f1とは異なる周波数f2で発光する。周波数f1および周波数f2は、たとえば1.5μm帯の周波数である。また、周波数f1および周波数f2の差は、たとえばテラヘルツ帯の125GHzである。なお、周波数f1および周波数f2の差は、テラヘルツ帯以外の周波数帯であってもよく、たとえば、マイクロ波帯またはミリ波帯であってもよい。また、以下では、一例として、f2>f1の場合について説明を行う。
光増幅器3は、たとえばEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)であり、発光素子1の出力光を増幅して光分岐器5へ出力する。
光分岐器5は、光増幅器3から受けた光を分岐して光シフタ9および光合波器8へ出力する。
光増幅器4は、たとえばEDFAであり、発光素子2の出力光を増幅して光分岐器6へ出力する。
光分岐器6は、光増幅器4から受けた光を分岐して光合波器7および8へ出力する。
光合波器8は、光分岐器5から受けた光および光分岐器6から受けた光を合波してサーキュレータ12経由で電気光学プローブ101へ出力する。
発振器11は、周波数fsの発振信号を生成して光シフタ9および振幅/位相検出器15へ出力する。周波数fsは、たとえば500kHzである。
光シフタ9は、発光素子1と光電磁波変換部10との間の光伝送路上に設けられ、受けた光の周波数をシフトして出力する。より詳細には、光シフタ9は、光分岐器5から受けた光を、発振器11から受けた発振信号の周波数fsシフトさせ、シフト後の光を光合波器7へ出力する。
光合波器7は、光シフタ9から受けた光および光分岐器6から受けた光を合波して光電変換器21へ出力する。
光電磁波変換部10は、発光素子1からの光および発光素子2からの光を受けて、受けた各光の周波数の差の周波数を有する被検出電磁波36を生成して電気光学プローブ101へ放射する。
より詳細には、光電変換器21は、たとえば受光素子を含み、光合波器7から受けた2種類の周波数の光から、これら2つの周波数の差の周波数成分を有する被検出電磁波36を生成し、生成した被検出電磁波36をアンテナ22から測定対象へ照射する。
電気光学プローブ101は、アンテナ22に対向する位置等、アンテナ22から照射された電磁波を受けることが可能な位置に配置される。すなわち、上記測定対象は、アンテナ22と電気光学プローブ101との間に配置されてもよいし、アンテナ22を含んでもよいし、アンテナ22自体であってもよい。
電気光学プローブ101は、被検出電磁波36を検出する。より詳細には、サーキュレータ12から電気光学プローブ101へ伝送された光は、電気光学プローブ101において、アンテナ22からの被検出電磁波36と相互作用され、かつ反射されてサーキュレータ12へ出力され、サーキュレータ12から光フィルタ13へ出力される。
光フィルタ13は、サーキュレータ12から受けた光の周波数成分のうち、たとえば所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。
受光素子14は、光フィルタ13を通過した光を電気信号に変換して振幅/位相検出器15へ出力する。
振幅/位相検出器15は、発振器11から受けた発振信号を用いて、受光素子14から受けた電気信号の振幅および位相を検出し、検出した振幅および位相を示す信号をそれぞれ出力する。
このように、電磁波測定装置201は、光技術を用いることにより、低周波から高周波にわたる広帯域において、たとえば電気光学プローブ101の位置を変更しながら電磁波計測を行うことにより電磁波の電界の空間分布を計測することができる。また、電界の振幅および位相をリアルタイムに計測することができる。
なお、光シフタ9は、光分岐器5と光合波器7との間に設けられる構成に限らず、光分岐器6と光合波器8との間、光分岐器5と光合波器8との間、または光分岐器6と光合波器7との間に設けられる構成であってもよい。
すなわち、光シフタ9は、発光素子1または発光素子2と光電磁波変換部10または電気光学プローブ101との間に設けられ、受けた光の周波数をシフトして出力する。言い換えれば、光シフタ9は、発光素子1または発光素子2からの光の周波数をシフトして電気光学プローブ101または光電磁波変換部10へ出力する。
また、電磁波測定装置201は、光シフタを1つ備える構成に限らず、たとえば2つ備える構成であってもよい。具体的には、たとえば、光シフタ9に加えて、他の光シフタが光分岐器6と光合波器8との間に設けられ、これらの光シフタの周波数のシフト方向が互いに反対方向に設定される構成であってもよい。また、電磁波測定装置201が光シフタを2つ以上備える場合、振幅/位相検出器15に与える発振信号の周波数は、光シフタの位置およびシフト方向等に応じて適宜設定すればよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。
光増幅器3,4の位置は、図1に示す位置に限定されるものではない。具体的には、たとえば、図2を参照して、光増幅器3は、光合波器7と光電変換器21との間に設けられている。また、光増幅器4は、光合波器8とサーキュレータ12との間に設けられている。
光分岐器5は、発光素子1の出力光を分岐して光シフタ9および光合波器8へ出力する。光分岐器6は、発光素子2の出力光を分岐して光合波器7および8へ出力する。
光合波器8は、光分岐器5から受けた光および光分岐器6から受けた光を合波して光増幅器4へ出力する。
光増幅器4は、たとえばEDFAであり、光合波器8から受けた光を増幅してサーキュレータ12経由で電気光学プローブ101へ出力する。
光合波器7は、光シフタ9から受けた光および光分岐器6から受けた光を合波して光増幅器3へ出力する。
光増幅器3は、たとえばEDFAであり、光合波器7から受けた光を増幅して光電変換器21へ出力する。
また、光増幅器は、光の強度を増加させることが必要な場合に配置すればよく、電磁波測定装置201は、光増幅器3および4の少なくともいずれか一方を備えない構成であってもよい。また、電磁波測定装置201は、光フィルタ13を備えない構成であってもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の変形例の構成を示す図である。
図3を参照して、電磁波測定装置201の変形例は、図1に示す電磁波測定装置201と比べて、光増幅器3,4を備えない構成である。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定原理を示す図である。
図1および図4を参照して、電磁波測定装置201では、たとえばCW(continuous wave)を用いる。
より詳細には、RF(Radio Frequency)側すなわち被検出電磁波36の系統において、光シフタ9によって周波数(f1+fs)の光が生成され、光電変換器21は、光合波器7において合波された周波数(f1+fs)の光および周波数f2の光を受ける(フェーズP1)。
光電変換器21は、光電変換(O/E)を行なう、より詳細には、受けた2種類の光の周波数の差の周波数成分、すなわちfT=f2−f1−fsの周波数を有する被検出電磁波36を生成する(フェーズP2)。被検出電磁波36は、電気光学プローブ101における電気光学結晶52の方向に照射される(フェーズP12)。
一方、LO(Local)側すなわちプローブ光の系統において、光合波器8において合波された周波数f1の光および周波数f2の光は、プローブ光として、電気光学プローブ101における電気光学結晶52へ伝送される(フェーズP11,P12)。
プローブ光の周波数f1の成分および周波数f2の成分は、それぞれ、被検出電磁波36が照射された電気光学結晶52内で変調され、変調サイドバンド、具体的には、f1s=f1+fT=f2−fs、f2s=f2−fT=f1+fs、f1sd=f1−fT、およびf2sd=f2+fTの周波数成分の光が生成される(フェーズP13)。生成されたこれらの光は、周波数f1の光および周波数f2のプローブ光とともに光フィルタ13へ伝送される(フェーズP14)。
通過帯域Fを有する光フィルタ13において、たとえば、周波数f2のプローブ光と、周波数f1sの変調サイドバンドの光とが取り出される(フェーズP15)。
光フィルタ13において取り出された光は、受光素子14へ伝送されて光電変換(O/E)が行われ、f2―f1s=fsのIF(Intermediate frequency)帯の電気信号が得られる(フェーズP21)。
具体的な数値の例で説明すると、電磁波測定装置201では、たとえば、発光素子1,2の周波数差を125GHzとし、発光素子1の出力光を2つに分けて、一方を光シフタ9に通し、光の周波数を500kHzシフトさせる。その結果、光電変換器21へ進む2つの光の周波数差は(125GHz−500kHz)となる。
一方、電気光学プローブ101へ進む2つのプローブ光の周波数差は125GHzとなる。
そして、電気光学プローブ101に対して被検出電磁波36、すなわち光電変換器21へ進む2つの光の周波数差(125GHz−500kHz)の周波数成分を有する被検出電磁波36を照射すると、電気光学結晶52が有する電気光学効果により、2つのプローブ光にそれぞれ変調サイドバンドが生成される。
そして、光フィルタ13を通過した光から、受光素子14の出力として500kHzの電気信号が得られる。
なお、通過帯域Fを有する光フィルタ13において、たとえば、周波数f1のプローブ光と、周波数f2s=f1+fsの変調サイドバンドの光とが取り出される構成であってもよい。
図1を参照して、振幅/位相検出器15は、たとえば、ミキサ、フィルタおよび位相シフタ等を有するロックインアンプであり、発振器11から受けた周波数fsの発振信号を用いて、受光素子14から受けたIF帯の電気信号からベースバンド帯の電気信号を生成し、IF帯の電気信号の振幅および位相を検出する、すなわち、変調サイドバンド成分の振幅および位相を検出する。
このように、電磁波測定装置201により、被検出電磁波36の電界すなわち振幅および位相を計測することが可能となる。
ここで、電磁波測定において用いられる電気光学プローブの電気光学結晶として、自然複屈折を有しないZnTe(テルル化亜鉛)等の電気光学結晶と比べて、大きな電気光学定数を有する種類が数多く存在する自然複屈折を有する電気光学結晶を用いることにより、検出感度を向上させる方法が考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、直線偏光の偏波面の角度を、電気光学結晶の2つの電気的主軸のうちいずれかの軸に対して略45度に傾けることから、最大の電気光学効果が電気的主軸に存在している自然複屈折を持つ電気光学結晶を使用する場合、傾けた角度に応じて電気/光の変換効率が下がり、検出感度が低下する。
また、特許文献2に記載の技術は、プローブ光の偏波変調を応用した電界計測手法であり、自然複屈折を持つ電気光学結晶を使用する場合、電気光学結晶自身が持つ自然複屈折の外乱等による揺らぎが検出感度の揺らぎに直結するため、測定安定性が低下する。また、光ファイバにおいて伝搬中の偏波の変動も検出感度の変動を誘起し、測定安定性が低下する。これらの外乱由来の偏波変調を抑制するためには、偏波安定化システムを別途要することとなり、測定系が複雑かつ高価になる。
上記のような問題点を解決するために、本願発明者らは、本発明の実施の形態に係る電磁波測定装置の一例として、偏波変調による電界計測を測定原理としない、上述のような、光フィルタおよび受光素子を用いる構成を採用し、自然複屈折を有する電気光学結晶を用いるという着想を得た。
ここで、本願発明者らは、以下のような実験を行った。
図5および図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の比較例の測定結果の一例を示す図である。
図5において、縦軸は振幅[mV]であり、横軸は時間[分]である。図6において、縦軸は位相[rad]であり、横軸は時間[分]である。
本測定では、上記のような着想に基づく比較例として、電磁波測定装置201の電気光学プローブ101における電気光学結晶の固有軸の方向と当該電気光学結晶へ入射される光ファイバ16からの光の偏波方向とのなす角を、特許文献1に記載の技術のように略45度に設定した電磁波測定装置を使用した。また、振幅/位相検出器15として、ロックイン周波数が100kHzであり、かつロックイン時定数が30msであるロックインアンプを使用した。図5に示す振幅は、被検出電磁波36の振幅に比例している。
また、本測定では、有機非線形光学結晶であるDAST(4−N,N−ジメチルアミノ−4’−N’−メチル−スチルバゾリウムトシレート)を上記電気光学結晶として用いて、0.310THzの被検出電磁波36の電界を2分間計測した。そして、電磁波測定装置の使用環境として、屋外等、実験室環境ではないことを想定し、電気光学プローブ101周辺の温度を測定期間において数度変化させた。
図5および図6を参照して、グラフG11およびG21より、本来一定のはずであるアンテナ22および電気光学プローブ101間の空間における0.310THzの電界の振幅および位相の経時変化が、比較例の電気光学プローブ101により変動しており、検出感度の変動が確認された。
具体的には、振幅は約1000mV〜約4500mVの範囲で大きく変動し、かつ、位相は少なくとも±πラジアンの範囲で大きく変動しており、不安定な特性が得られていることが分かる。特に、位相検出において、その不安定性が顕著である。
本願発明者らは、この実験により、単に比較例のような構成では、温度等に起因する自然複屈折の揺らぎにより測定安定性が低下するという新規な課題を見出した。そして、本願発明者らは、電気光学プローブ101において以下のような構成を採用することにより、上記課題を解決できることを発見した。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブの構成を概略的に示す斜視図である。図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブの図7におけるVIII−VIII線に沿った断面を示す断面図である。
図7および図8を参照して、電気光学プローブ101は、反射部51と、電気光学結晶52と、レンズ53と、光ファイバ16とを含む。
電気光学結晶52と光ファイバ16とがレンズ53を介して光学的に結合されている。より詳細には、電気光学結晶52の端部とレンズ53の端部とが光学的に結合されており、当該端部と反対側のレンズ53の端部と光ファイバ16の端部とが光学的に結合されている。光ファイバ16は、たとえば偏波保持ファイバ(PMF)である。レンズ53は、たとえばGRIN(Gradient Index)レンズである。
反射部51は、電気光学結晶52のレンズ53と反対側の端部において、電気光学結晶52と光学的に結合されている。反射部51は、たとえばHR(High Reflector)コーティングの施された全反射ミラーである。
電気光学結晶52の形状は、たとえば四角柱状であり、レンズ53の形状は、たとえば円柱状である。
光ファイバ16によって伝送される光、具体的には、たとえば光ファイバ16の固有偏波方向D1すなわちスロー軸またはファスト軸と偏波面とが一致した直線偏光は、図8の点線91で示すように、レンズ53によって平行光となって電気光学結晶52へ進入し、アンテナ22からの被検出電磁波36と相互作用され、かつ反射部51によって反射される。反射された光は、レンズ53へ進入して集光され、光ファイバ16へ戻る。
ここで、電気光学結晶52の固有軸の方向と光ファイバ16の固有偏波方向とが沿うように設けられている。
より詳細には、電気光学結晶52の固有軸D2、および光ファイバ16の固有偏波方向D1すなわち固有軸D1は、x軸方向に対して、すなわち、光の進行方向(z軸)に対して垂直な同じ方向に沿っている。つまり、電気光学結晶52の固有軸D2の方向と光ファイバ16の固有偏波方向D1とが沿うように、たとえば同一方向になるように、電気光学プローブ101におけるレンズ53と光ファイバ16とが接続されている。電気光学結晶52における上記直線偏光の偏波面は、電気光学結晶52の固有軸D2と略平行になる。
ここで、固有軸D2は、たとえば、電気光学結晶52におけるプローブ光の伝搬方向に対応する固有の偏波方向である。一般に、複屈折性の結晶中を単一方向に伝搬する光は、互いに直交する直線偏波状態の波すなわち2つの固有波の線形結合からなる。たとえば異方性の結晶の場合、各モードは固有の偏波方向および屈折率を有する。
また、好ましくは、固有軸D2は、電気光学結晶52の複数の固有軸のうち、最大の電気光学効果が得られる軸であり、一例として、電気光学結晶52の主軸である。たとえばDASTでは、主軸であるx軸、y軸およびz軸のうち、最大の電気光学効果が得られる主軸はx軸である。より詳細には、最大の電気光学効果が得られる軸は、たとえば、最大の性能指数n^3×rが得られる軸である。ただし、nは屈折率であり、rは電気光学定数である。
また、本願明細書におけるDASTを用いた各実験では、固有軸D2の方向と光ファイバ16の固有偏波方向D1の1つであるスロー軸とが沿う状態として、DASTのa軸と光ファイバ16の固有偏波方向D1とが沿う状態で測定を行った。DASTでは、a軸は、たとえばDASTの主軸(dielectric principal axis)の1つであるx軸に対して5.4°ずれている。
なお、電気光学プローブ101は、レンズ53を備えない構成であってもよい。また、電気光学結晶52とレンズ53との間に、距離調整等のためのガラス板等の部材が設けられてもよい。また、電気光学プローブ101は、反射部51を備えない構成であってもよく、たとえば、HRコーティングが施された電気光学結晶52を備える構成であってもよい。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブの変形例の図7におけるVIII−VIII線に沿った断面を示す断面図である。以下で説明する内容以外は図8で説明した内容と同様である。
図9を参照して、レンズ53は、図8に示すようなコリメートレンズに限らず、たとえば集光レンズであってもよい。
光ファイバ16によって伝送される光、具体的には、たとえば光ファイバ16の固有偏波方向D1すなわちスロー軸またはファスト軸と偏波面とが一致した直線偏光は、図9の点線92で示すように、レンズ53によって集光されながら電気光学結晶52へ進入し、アンテナ22からの被検出電磁波36と相互作用され、かつ反射部51によって反射される。反射された光は、レンズ53へ進入して集光され、光ファイバ16へ戻る。
なお、ここでは、説明を簡単にするために、電気光学結晶52の1つの固有軸D2を示したが、たとえば、電気光学結晶52は、固有軸D2に直交する、すなわちy軸に沿う固有軸を有する。また、たとえば、光ファイバ16も、固有偏波方向D1に直交する、すなわちy軸に沿う固有偏波方向を有する。
好ましくは、電気光学結晶52は、自然複屈折を有する結晶である。具体的には、電気光学結晶52は、たとえば、LiTaO3(タンタル酸リチウム)、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)、BaTaO3(チタン酸バリウム)、SBN(ニオブ酸ストロンチウムバリウム)、およびZGP(リン化亜鉛ゲルマニウム)等の自然複屈折を有する無機結晶である。
あるいは、電気光学結晶52は、たとえば、DAST(4−N,N−ジメチルアミノ−4’−N’−メチル−スチルバゾリウムトシレート)、DASC(4−N,N−ジメチルアミノ−4’−N’−メチル−スチルバゾリウム−パラ−クロロベンゼンスルホネート)、DSTMS(4−N,N−ジメチルアミノ−4’−N’−メチル−スチルバゾリウム2,4,6−トリメチルトルエンスルホネート)、およびOH1(2−(3−(4−ヒドロキシスチリル)−5,5−ジメチルシクロヘクス−2−エニリデン)マロノニトリル)等の自然複屈折を有する有機非線形光学結晶である。
なお、電気光学結晶52は、たとえば、GaP(リン化ガリウム)、GaAs(ヒ化ガリウム)、InP(リン化インジウム)、ZnTe(テルル化亜鉛)およびCdTe(テルル化カドミウム)等の自然複屈折を有しない無機結晶であってもよいし、または、自然複屈折を有しない有機結晶であってもよい。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置を用いた電磁波測定方法の手順を示す図である。
図10を参照して、まず、発光素子1,2を用いて、異なる2種類の周波数f1,f2の光をそれぞれ出力する(ステップS1)。
次に、発光素子1からの光、および発光素子1と異なる周波数で発光する発光素子2からの光を電気光学プローブ101に与えるとともに、発光素子1および発光素子2のいずれか一方の周波数と、発光素子1および発光素子2の他方の周波数をシフトした周波数との差の周波数を有する被検出電磁波36を電気光学プローブ101へ放射する。あるいは、発光素子1および発光素子2のいずれか一方からの光、および発光素子1および発光素子2の他方からの光の周波数をシフトした光を電気光学プローブ101に与えるとともに、発光素子1の周波数と発光素子2の周波数との差の周波数を有する被検出電磁波36を電気光学プローブ101へ放射する。
具体的には、光電変換器21および電気光学プローブ101の一方に周波数f1,f2の光を与え、他方に周波数f1およびf2の一方をシフトした光、および他方の光を与える。そして、光電変換器21に与えられた2つの光の周波数差を有する被検出電磁波36がアンテナ22から放射される(ステップS2)。
次に、電気光学プローブ101から出力される光に基づいて被検出電磁波36を測定する。具体的には、光電変換器21からアンテナ22経由で出力される被検出電磁波36を、電気光学プローブ101から光ファイバ16経由で出力される光に基づいて計測する(ステップS3)。
ここで、本願発明者らは、電磁波測定装置201を用いて、以下のような検証を行った。
図11および図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置およびその比較例1の測定結果の一例を示す図である。図の見方は図5および図6とそれぞれ同様である。
図11において、グラフG11は電磁波測定装置201の比較例1の振幅を示し、グラフG12は電磁波測定装置201の振幅を示す。図12において、グラフG21は電磁波測定装置201の比較例1の位相を示し、グラフG22は電磁波測定装置201の位相を示す。
本測定では、電磁波測定装置201として、電気光学プローブ101における電気光学結晶の固有軸の方向と当該電気光学結晶へ入射される光ファイバ16からの光の偏波方向とのなす角を略0度に設定した電磁波測定装置を使用した。また、振幅/位相検出器15として、ロックイン周波数が100kHzであり、かつロックイン時定数が30msであるロックインアンプを使用した。
また、本測定では、有機非線形光学結晶であるDASTを上記電気光学結晶として用いて、電磁波測定装置201およびその比較例1の各電気光学プローブ101を並べて配置し、0.310THzの被検出電磁波36の電界を2分間計測した。そして、電磁波測定装置の使用環境として、屋外等、実験室環境ではないことを想定し、各電気光学プローブ101周辺の温度を測定期間において数度変化させた。上述の図5および図6は、本測定における比較例1の測定結果のみを示した図である。すなわち、図11および図12におけるグラフG11およびG21は、図5および図6におけるグラフG11およびG21とそれぞれ同じである。
図11および図12を参照して、グラフG12およびG22より、電磁波測定装置201において、アンテナ22および電気光学プローブ101間の空間における0.310THzの電界の振幅および位相の経時変化が安定しており、電気光学プローブ101による検出感度の安定が確認された。
具体的には、振幅は約1400mV〜約3200mVの範囲であり、位相は約−1.7ラジアン〜約−1.0ラジアンの範囲であり、比較例1に対して、振幅検出および位相検出の安定性における顕著な性能向上が達成されたことが分かる。
また、電気光学プローブ101周辺の温度が測定期間において変化するような制御を行っていない状況において、電磁波測定装置201およびその比較例1における振幅/位相検出器15の出力信号を用いてS/N比を求め、比較したところ、比較例1に対して電磁波測定装置201のS/N比が3dB大きい結果が得られた。このように、電磁波測定装置201の感度は、比較例1に対して3dB向上しており、測定対象となる電磁波のパワーは、たとえばミリ波、テラヘルツ波と高周波になるにつれて劇的に小さくなることから、3dBの感度向上は、このような周波数帯において顕著な進歩であると言える。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。図13は、0.1249995THzの被検出電磁波36の電界を計測した結果を示している。
図13において、縦軸は振幅[arb.u.]および位相[rad]であり、横軸は時間[秒]である。縦軸の振幅は、正規化された値である。グラフG1は振幅を示し、グラフG2は位相を示す。
本測定では、有機非線形光学結晶であるDASTを電気光学結晶52として用いて、0.1249995THzの被検出電磁波36の電界を60秒間計測した。なお、本測定では、電気光学プローブ101周辺の温度が測定期間において変化するような制御は行っていない。
図13を参照して、グラフG1およびG2より、アンテナ22および電気光学プローブ101間の空間における0.1249995THzの電界の振幅および位相の経時変化を、リアルタイムに、すなわち並行して計測できていることが分かる。
具体的には、計測結果として、振幅は略1.0と一定であり、また、位相は−0.2.〜0.1ラジアンの範囲であり、変動の少ない安定した結果が得られていることが分かる。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置およびその比較例2の測定結果の一例を示す図である。
図14において、縦軸は振幅[arb.u.]および位相[rad]であり、横軸は時間[秒]である。縦軸の振幅は、正規化された値である。
また、グラフG31は電磁波測定装置201の比較例2の振幅を示し、グラフG32は電磁波測定装置201の振幅を示し、グラフG41は比較例2の位相を示し、グラフG42は電磁波測定装置201の位相を示す。
本測定では、電磁波測定装置201において、DASTを電気光学結晶52として用いた。また、この電磁波測定装置201に対する比較例2として、ZnTe(テルル化亜鉛)を電気光学結晶として用い、かつ電気光学プローブ101における電気光学結晶の固有軸の方向と当該電気光学結晶へ入射される光ファイバ16からの光の偏波方向とのなす角を、特許文献1に記載の技術のように略45度に設定した電磁波測定装置を使用した。ここで、比較例2における電気光学結晶の固有軸は、ZnTeに電界を印加した状態におけるZnTeの主軸である。また、振幅/位相検出器15として、ロックイン周波数が100kHzであり、かつロックイン時定数が30msであるロックインアンプを使用した。
本測定では、0.1249995THzの被検出電磁波36の電界を60秒間計測した。なお、本測定では、電気光学プローブ101周辺の温度が測定期間において変化するような制御は行っていない。
グラフG41,G42を参照して、比較例2および電磁波測定装置201における位相の検出特性はほぼ同等である。
一方、グラフG31,G32を参照して、比較例2における振幅は約1.0であり、電磁波測定装置201における振幅は約9.0である。すなわち、電磁波測定装置201では、測定安定性が顕著に向上し、自然複屈折を有する電気光学効果の大きいDASTが使用可能となった結果、比較例2に対して振幅検出感度が約9倍に向上したことが分かる。これは、S/N比に換算すると19dBの向上に相当する。
なお、光ファイバ16は、偏波保持ファイバに限らず、たとえばシングルモードファイバまたはマルチモードファイバであってもよい。この場合、シングルモードファイバまたはマルチモードファイバは、光の偏波方向すなわち偏波面を安定させるために、何らかの固定部材等によって位置が固定されることが好ましい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、特許文献3に記載の技術と同様に、光シフタ9を用いたいわゆるセルフヘテロダイン技術を利用しているが、これに限定するものではなく、ホモダイン技術等、他の方法を用いてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、2つのプローブ光を電気光学プローブ101に与える構成であるとしたが、これに限定するものではなく、3つ以上のプローブ光を電気光学プローブ101に与える構成であってもよい。また、電気光学プローブ101は、1つのプローブ光を与えるような電磁波測定装置において用いられてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、電気光学結晶52の固有軸D2の方向と光ファイバ16の固有偏波方向D1とが沿うように設けられている構成であるとしたが、これに限定するものではない。電気光学結晶52に入射される光ファイバ16からの光の偏波方向が電気光学結晶52の固有軸D2の方向に沿っている構成であればよく、たとえば、光ファイバ16の固有偏波方向が電気光学結晶52の固有軸D2の方向に沿っておらず、光ファイバ16と電気光学結晶52との間に、光ファイバ16からのプローブ光の偏波方向を電気光学結晶52の固有軸D2の方向に沿うように制御する偏波制御素子が設けられる構成であってもよい。
また、電気光学結晶52に入射される光ファイバ16からの光の偏波方向が電気光学結晶52の固有軸D2の方向に沿っている構成は、たとえば、検出感度のピーク値の1/2以上となる構成に相当し、好ましくは、検出感度のピーク値の3/4以上となる構成に相当する。検出感度のピーク値が得られる構成は、一例として、電気光学結晶52に入射される光ファイバ16からの光の偏波方向が電気光学結晶52の固有軸D2の方向と一致する構成である。
ところで、特許文献1〜3に記載の技術を超えて、電磁波を良好に測定可能な技術が望まれる。
具体的には、たとえば、特許文献1に記載の技術では、直線偏光の偏波面の角度を、電気光学結晶の2つの電気的主軸のうちいずれかの軸に対して略45度に傾けることから、たとえば最大の電気光学効果が電気的主軸に存在している自然複屈折を持つ電気光学結晶を使用する場合、傾けた角度に応じて電気/光の変換効率が下がり、検出感度が低下する。
また、たとえば、特許文献2に記載の技術は、プローブ光の偏波変調を応用した電界計測手法であり、たとえば自然複屈折を持つ電気光学結晶を使用する場合、電気光学結晶自身が持つ自然複屈折の外乱等による揺らぎが検出感度の揺らぎに直結するため、測定安定性が低下する。また、光ファイバにおいて伝搬中の偏波の変動も検出感度の変動を誘起し、測定安定性が低下する。これらの外乱由来の偏波変調を抑制するためには、偏波安定化システムを別途要することとなり、測定系が複雑かつ高価になる。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブでは、光ファイバ16は、電気光学結晶52と光学的に結合されている。そして、電気光学結晶52に入射される光ファイバ16からの光の偏波方向が電気光学結晶52の固有軸の方向に沿うように設けられている。
このような構成により、電気光学結晶52に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶52の中で大きな電気光学効果を有する固有軸D2に揃えることができる。そして、固有軸D2の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波36とプローブ光とが電気光学結晶52中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学効果が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブでは、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブでは、電気光学結晶52は、自然複屈折を有する。
このように、大きな電気光学定数を有する種類が数多く存在する自然複屈折を有する電気光学結晶52を用いる構成により、複屈折の影響の除去による測定の安定性向上の効果を得ながら、検出感度をより向上させることができる。
また、特許文献1および2に記載の技術では、プローブ光の偏光状態が、温度等に起因する自然複屈折の揺らぎによって大きく変動し、この変動が検出感度の揺らぎに大きく影響を及ぼす。
これに対して、偏波変調による電界計測を測定原理としていない、具体的には、電気光学結晶52に入射されるプローブ光の偏波方向を電気光学結晶52の固有軸D2に揃える構成により、温度揺らぎに起因する変調効率の変動が非常に小さいことから、外乱の影響を受けにくい状態を実現し、被検出電磁波36の振幅および位相を安定して計測することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブでは、電気光学結晶52は、有機非線形光学結晶である。
このように、たとえば無機光学結晶と比べて大きな電気光学効果が得られる場合の多い有機非線形光学結晶を電気光学結晶52として用いる構成により、検出感度をより向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブでは、電気光学結晶52は、DAST、DASC、DSTMSまたはOH1である。
このように、特に電気光学定数の大きい有機非線形光学結晶を電気光学結晶52として用いる構成により、電気光学結晶52に入射されるプローブ光の偏波方向を電気光学結晶52の固有軸D2に揃えることで自然複屈折率の揺らぎを抑えながら、検出感度を大幅に向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電気光学プローブでは、光ファイバ16は、偏波保持ファイバである。そして、電気光学結晶52の固有軸の方向と光ファイバ16の固有偏波方向とが沿うように設けられている。
このような構成により、光ファイバ16を伝搬する光の偏波方向の乱れを抑制し、また、電気光学結晶52の固有軸D2に光ファイバ16の固有偏波方向D1をより確実かつ容易に揃えることができる。また、光ファイバ16において光の偏波方向を制御する構成により、光ファイバ16と電気光学結晶52との間に、光ファイバ16からのプローブ光の偏波方向を電気光学結晶52の固有軸の方向に沿うように制御する偏波制御素子等を設ける必要がなくなる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、発光素子2は、発光素子1と異なる周波数で発光する。電気光学プローブ101は、発光素子1からの光および発光素子2からの光を受ける。光電磁波変換部10は、発光素子1からの光および発光素子2からの光を受けて、受けた各光の周波数の差の周波数を有する被検出電磁波36を生成して電気光学プローブ101へ放射する。光シフタ9は、発光素子1または発光素子2と光電磁波変換部10または電気光学プローブ101との間に設けられ、受けた光の周波数をシフトして出力する。そして、電気光学プローブ101において、電気光学結晶52に入射される光ファイバ16からの光の偏波方向が電気光学結晶52の固有軸の方向に沿うように設けられている。
このような構成により、電気光学結晶52に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶52の中で大きな電気光学定数を有する固有軸D2に揃えることができる。そして、固有軸D2の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波36とプローブ光とが電気光学結晶52中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学定数が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置では、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
また、周波数シフタすなわち光シフタ9により少なくとも1つの光源からの出力光の周波数をシフトさせるとともに少なくとも2つの異なる周波数のプローブ光を電気光学結晶52に入射する構成により、周波数をシフトさせないかまたは1つのプローブ光を電気光学結晶52に入射する構成では2点以上測定する必要がある位相情報を、リアルタイムに計測することが可能となる。
より詳細には、少なくとも1つの光源から発光する光の周波数を光シフタ9によりシフトさせる構成により、光電磁波変換部10により生成された電磁波の周波数と、電気光学プローブ101に入射させる異なる2つの光の周波数差との間に、周波数差を与えることができ、これにより、振幅および位相の情報を同時に取得することが可能となる。なお、この周波数差を与えない場合、すなわち光シフタ9を使用しない場合は、振幅および位相を同時に決定することはできず、2つ以上の測定値が必要となる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定方法では、まず、発光素子1からの光、および発光素子1と異なる周波数で発光する発光素子2からの光を電気光学プローブ101に与えるとともに、発光素子1および発光素子2のいずれか一方の周波数と、発光素子1および発光素子2の他方の周波数をシフトした周波数との差の周波数を有する被検出電磁波36を電気光学プローブ101へ放射するか、または、発光素子1および発光素子2のいずれか一方からの光、および発光素子1および発光素子2の他方からの光の周波数をシフトした光を電気光学プローブ101に与えるとともに、発光素子1の周波数と発光素子2の周波数との差の周波数を有する被検出電磁波36を電気光学プローブ101へ放射する。次に、電気光学プローブ101から出力される光に基づいて被検出電磁波36を測定する。そして、電気光学プローブ101において、電気光学結晶52に入射される光ファイバ16からの光の偏波方向が電気光学結晶52の固有軸の方向に沿うように設けられている。
これにより、電気光学結晶52に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶52の中で大きな電気光学定数を有する固有軸D2に揃えることができる。そして、固有軸D2の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波36とプローブ光とが電気光学結晶52中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学定数が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定方法では、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
また、周波数シフタすなわち光シフタ9により少なくとも1つの光源からの出力光の周波数をシフトさせるとともに少なくとも2つの異なる周波数のプローブ光を電気光学結晶52に入射する構成により、周波数をシフトさせないかまたは1つのプローブ光を電気光学結晶52に入射する構成では2点以上測定する必要がある位相情報を、リアルタイムに計測することが可能となる。
より詳細には、少なくとも1つの光源から発光する光の周波数を光シフタ9によりシフトさせる構成により、光電磁波変換部10により生成された電磁波の周波数と、電気光学プローブ101に入射させる異なる2つの光の周波数差との間に、周波数差を与えることができ、これにより、振幅および位相の情報を同時に取得することが可能となる。なお、この周波数差を与えない場合、すなわち光シフタ9を使用しない場合は、振幅および位相を同時に決定することはできず、2つ以上の測定値が必要となる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電磁波測定装置と比べてセルフヘテロダインとは異なる方式を採用した電磁波測定装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電磁波測定装置と同様である。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の構成を示す図である。
図15を参照して、電磁波測定装置202は、電気光学プローブ101と、発光素子(光源)31と、光位相変調器32,33と、シフタ34と、発振器35と、サーキュレータ37と、光フィルタ38と、受光素子(PD)39とを備える。
電磁波測定装置202では、電磁波測定装置201と異なり、被検出電磁波36とプローブ光とが同期しない非同期計測を行う。たとえば、周波数fEMの被検出電磁波36が発振器40によって生成され、ホーンアンテナ等のアンテナ41から電気光学プローブ101へ放射される。
光位相変調器32は、発光素子31から受けた種光を、発振器35から受けた周波数fmの発振信号により位相変調して出力する。
シフタ34は、発振器35から受けた発振信号の位相をシフトして光位相変調器33へ出力する。
光位相変調器33は、光位相変調器32から受けた光を、シフタ34から受けた発振信号により位相変調して出力する。
サーキュレータ37経由で電気光学プローブ101へ伝送された光位相変調器33からの光は、電気光学プローブ101において、被検出電磁波36と相互作用され、かつ反射されてサーキュレータ37へ出力され、サーキュレータ37から光フィルタ38へ出力される。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置におけるプローブ光および電気光学結晶による変調サイドバンドの一例を示す図である。
図16を参照して、光周波数コム、具体的には周波数fmの間隔で並ぶ単一周波数の光で構成される変調サイドバンド群が、光位相変調器33からプローブ光としてサーキュレータ37へ出力される。
サーキュレータ37は、光位相変調器33からこのような光周波数コムを受けて、電気光学プローブ101へ出力する。
電気光学プローブ101では、周波数fEMの被検出電磁波36とサーキュレータ37からの光周波数コムの各成分との相互作用により、各成分について新たにサイドバンド成分が生じる。なお、図16では、注目すべき1つのサイドバンドの光である周波数f1s=(f1+fEM)の成分のみを示している。
光フィルタ38は、サーキュレータ37から受けた光の周波数成分のうち、たとえば所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。より詳細には、光フィルタ38は、たとえば、サーキュレータ37から受けた光のうち、電気光学プローブ101において生成された1つのサイドバンドの光、およびサーキュレータ37が受ける光周波数コムの任意の成分を選択するバンドパスフィルタである。ここでは、光フィルタ38は、周波数(f1+fEM)の光および周波数f2の光を出力するものとする。ただし、fEM≠f2−f1の関係が成り立つ。
受光素子39は、光フィルタ38を通過した光を電気信号に変換してロックインアンプ等の図示しない検出器へ出力する。
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置の測定結果の一例を示す図である。図17は、受光素子39の出力信号をスペクトラムアナライザで測定した結果を示している。
図17において、縦軸は信号強度であり、1目盛が10dBである。横軸は周波数であり、1目盛が100Hzである。
本測定では、発光素子31から出力される種光の波長を1550nmとし、発振器35から出力される発振信号の周波数fmを12.6GHzとし、被検出電磁波36の周波数fEMを75.60177GHzとした。
すなわち、図16に示すように、fEM<(f2−f1)=6×fmに設定した。この場合、電気光学プローブ101において生成された1つのサイドバンドの光である周波数f1s=(f1+fEM)の光、およびサーキュレータ37が受ける光周波数コムにおける周波数f2の成分の周波数差は、12.6GHz×6−75.60177GHz=1.77MHzとなる。
受光素子39から出力されるIF信号、すなわち周波数f1sの光および周波数f2の光間におけるヘテロダイン検出の結果生じるIF帯の電気信号は、被検出電磁波36の振幅および位相の情報を含んでいる。
図17を参照して、受光素子39の出力信号において、マーカ1として周波数1.769035MHzおよび振幅−34.64dBmの成分が得られており、電磁波測定装置202を用いて高感度かつ安定に、75.60177GHzの電磁波を計測できたことが分かる。
なお、電磁波測定装置202では、2つの光位相変調器を用いて光周波数コムを生成する構成であるとしたが、これに限定するものではなく、たとえば、モード同期レーザを用いる構成であってもよいし、位相変調器および強度変調器を用いる構成であってもよいし、1つの位相変調器を用いる構成であってもよいし、1つの強度変調器を用いる構成であってもよい。
また、電磁波測定装置202では、光周波数コムを生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば周波数f1およびf2の光を非同期に生成する2つの光源を用いる構成であってもよい。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電磁波測定装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る電磁波測定装置では、プローブ光として複数の周波数の光を用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。電気光学プローブ101は、プローブ光として単一の周波数の光を用いる電磁波測定装置に適用することも可能である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置および本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置における検出器は、被検出電磁波36の振幅および位相を計測する構成であるとしたが、これに限定するものではない。検出器は、被検出電磁波36の振幅および位相のいずれか一方を計測する構成であってもよい。また、検出器は、たとえば、被検出電磁波36の周波数、その一例として周波数ゆらぎを計測する構成であってもよい。具体的には、検出器は、たとえば、スペクトラムアナライザ、オシロスコープ、周波数カウンタまたはパーソナルコンピュータであってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置は、被検出電磁波36を計測する検出器を備える構成であるとしたが、これに限定するものではなく、検出器を備えず、外付けの検出器が用いられる構成であってもよい。すなわち、受光素子14,39の出力する電気信号が、電磁波測定装置201,202による被検出電磁波36の計測結果を示している。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電磁波測定装置および本発明の第2の実施の形態に係る電磁波測定装置では、被検出電磁波36が電気光学プローブ101に放射される構成であるとしたが、これに限定するものではない。電磁波測定装置は、被検出電磁波36が電気光学プローブ101に与えられる構成であればよく、たとえば、電磁波が発生する空間に電気光学プローブ101を配置することにより、被検出電磁波36が電気光学プローブ101に与えられる構成であってもよい。
以上のように、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る電磁波測定装置では、電気光学プローブ101は、光源からの光、および被検出電磁波36を受ける。光フィルタは、電気光学プローブ101から出力された光を受ける。受光素子は、光フィルタを通過した光を電気信号に変換する。
このような構成により、電気光学結晶52に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶52の中で大きな電気光学定数を有する固有軸D2に揃えることができる。そして、固有軸D2の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波36とプローブ光とが電気光学結晶52中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学定数が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る電磁波測定装置では、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る電磁波測定方法では、まず、光源からの光を電気光学プローブ101に与えるとともに、被検出電磁波36を電気光学プローブ101に光ファイバ16経由で与える。次に、電気光学プローブ101から光ファイバ16経由で出力される光に基づいて被検出電磁波36を測定する。
これにより、電気光学結晶52に入射されるプローブ光の偏波方向を、電気光学結晶52の中で大きな電気光学定数を有する固有軸D2に揃えることができる。そして、固有軸D2の方向に沿った偏波方向のプローブ光を用いて、被検出電磁波36とプローブ光とが電気光学結晶52中で相互作用する構成により、たとえば、電気光学定数が大きいことよる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る電磁波測定方法では、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る電気光学プローブは、電気光学結晶52に入射される光ファイバ16からの光の偏波方向が電気光学結晶52の固有軸D2の方向に沿うように設けられている構成であるとしたが、これに限定するものではない。
電磁波測定装置は、以下のような構成であってもよい。すなわち、一例として、図15に示す電磁波測定装置202において、電気光学結晶52の固有軸D2の方向と光ファイバ16のスロー軸等の固有偏波方向D1とが沿うように設けられている電気光学プローブ101を用いる。そして、電気光学結晶52の固有軸D2の方向と電気光学結晶52へ入射される光ファイバ16からの光の偏波方向とのなす角をたとえば略45度に設定し、電気光学プローブ101と受光素子39との間に接続される偏光ビームスプリッタ等の偏光分離素子を設ける。たとえば、偏光分離素子は、光フィルタ38と受光素子39との間に接続され、光フィルタ38を通過した光から、電気光学結晶52の固有軸D2の方向に沿った偏波方向の成分とこれに直交する偏波方向の成分とを分離して受光素子39へ出力する。なお、偏光分離素子は、光フィルタ38の前段に設けられてもよい。
このような構成により、たとえば、本発明の実施の形態に係る電磁波測定装置および電磁波測定方法において、電気光学結晶52に入射される光ファイバ16からの光の偏波方向が電気光学結晶52の固有軸D2の方向に沿っていない場合でも、たとえば、偏波分離素子等を用いて電気光学結晶52の固有軸D2の方向の偏波成分を分離して取り出すことができる。これにより、たとえば、電気光学効果が大きいことによる検出感度の最大化、すなわち高感度な電界計測を実現することができる。したがって、電気光学結晶を用いて電磁波を良好に測定することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 発光素子(光源)
3,4 光増幅器
5,6 光分岐器
7,8 光合波器
9 光シフタ
10 光電磁波変換部
11 発振器
12 サーキュレータ
13 光フィルタ
14 受光素子
15 振幅/位相検出器
16 光ファイバ
21 光電変換器
22 アンテナ
31 発光素子(光源)
32,33 光位相変調器
34 シフタ
35,40 発振器
37,61 サーキュレータ
38,62 光フィルタ
39,63 受光素子
41 アンテナ
51 反射部
52 電気光学結晶
53 レンズ
101 電気光学プローブ
201,202 電磁波測定装置
D1 固有偏波方向,固有軸
D2 固有軸

Claims (8)

  1. 周波数の異なる第1のプローブ光と第2のプローブ光とを含む複数のプローブ光を出力する光源と、
    前記光源からの前記複数のプローブ光、および電磁波を受ける電気光学プローブと、
    前記電気光学プローブから出力された光を受け、通過帯域外の周波数成分を減衰させる光フィルタと、
    前記光フィルタを通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備え、
    前記電気光学プローブは、
    電気光学結晶と、
    前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、
    前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記電気光学結晶へ入射される前記光ファイバからの光の偏波方向とが沿うように設けられており、
    前記電気光学プローブは、前記複数のプローブ光および前記電磁波に基づいて、複数のサイドバンド光を生成し、生成した前記複数のサイドバンド光および前記複数のプローブ光を出力し、
    前記光フィルタは、前記通過帯域外の周波数成分として、前記第1のプローブ光と、前記第2のプローブ光および前記電磁波に基づいて生成された1つの前記サイドバンド光と、を除く周波数成分を減衰させる、電磁波測定装置。
  2. 周波数の異なる第1のプローブ光と第2のプローブ光とを含む複数のプローブ光を出力する光源と、
    前記光源からの前記複数のプローブ光、および電磁波を受ける電気光学プローブと、
    前記電気光学プローブから出力された光を受け、通過帯域外の周波数成分を減衰させる光フィルタと、
    前記光フィルタを通過した光を電気信号に変換する受光素子とを備え、
    前記電気光学プローブは、
    電気光学結晶と、
    前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、
    前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記光ファイバの固有偏波方向とが沿うように設けられており
    前記電気光学プローブは、前記複数のプローブ光および前記電磁波に基づいて、複数のサイドバンド光を生成し、生成した前記複数のサイドバンド光および前記複数のプローブ光を出力し、
    前記光フィルタは、前記通過帯域外の周波数成分として、前記第1のプローブ光と、前記第2のプローブ光および前記電磁波に基づいて生成された1つの前記サイドバンド光と、を除く周波数成分を減衰させる、電磁波測定装置。
  3. 前記電気光学結晶は、自然複屈折を有する、請求項1または請求項2に記載の電磁波測定装置。
  4. 前記電気光学結晶は、有機非線形光学結晶である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電磁波測定装置。
  5. 前記電気光学結晶は、DAST(4−N,N−dimethylamino−4’−N’−methyl−stilbazolium tosylate)、DASC(4−N,N−dimethylamino−4’−N’−methyl−stilbazolium p−chlorobenzenesulfonate)、DSTMS(4−N,N−dimethylamino−4’−N’−methyl−stilbazolium 2,4,6−trimethylbenzenesulfonate)またはOH1(2−(3−(4−Hydroxystyryl)−5,5−dimethylcyclohex−2−enylidene)malononitrile)である、請求項4に記載の電磁波測定装置。
  6. 前記光ファイバは、偏波保持ファイバである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電磁波測定装置。
  7. 電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記電気光学結晶へ入射される前記光ファイバからの光の偏波方向とが沿うように設けられている電気光学プローブを用いる電磁波測定方法であって、
    光源から出力される周波数の異なる第1のプローブ光と第2のプローブ光とを含む複数のプローブ光、を前記電気光学プローブに与えるとともに、電磁波を前記電気光学プローブに与えるステップと、
    前記電気光学プローブから出力される光に基づいて前記電磁波を測定するステップとを含み、
    前記電磁波を測定するステップにおいて、前記電気光学プローブから出力された光は、光フィルタによって前記光フィルタの通過帯域外の周波数成分が減衰され、
    前記電磁波を測定するステップにおいて、前記電気光学プローブから、前記複数のプローブ光および前記電磁波に基づいて生成された複数のサイドバンド光および前記複数のプローブ光が出力され、
    前記電磁波を測定するステップにおいて、前記光フィルタによって、前記通過帯域外の周波数成分として、前記第1のプローブ光と、前記第2のプローブ光および前記電磁波に基づいて生成された1つの前記サイドバンド光と、を除く周波数成分が減衰される、電磁波測定方法。
  8. 電気光学結晶と、前記電気光学結晶と光学的に結合された光ファイバとを備え、前記電気光学結晶の固有軸の方向と前記光ファイバの固有偏波方向とが沿うように設けられている電気光学プローブを用いる電磁波測定方法であって、
    光源から出力される周波数の異なる第1のプローブ光と第2のプローブ光とを含む複数のプローブ光、を前記電気光学プローブに与えるとともに、電磁波を前記電気光学プローブに与えるステップと、
    前記電気光学プローブから出力される光に基づいて前記電磁波を測定するステップとを含み、
    前記電磁波を測定するステップにおいて、前記電気光学プローブから出力された光は、光フィルタによって前記光フィルタの通過帯域外の周波数成分が減衰され、
    前記電磁波を測定するステップにおいて、前記電気光学プローブから、前記複数のプローブ光および前記電磁波に基づいて生成された複数のサイドバンド光および前記複数のプローブ光が出力され、
    前記電磁波を測定するステップにおいて、前記光フィルタによって、前記通過帯域外の周波数成分として、前記第1のプローブ光と、前記第2のプローブ光および前記電磁波に基づいて生成された1つの前記サイドバンド光と、を除く周波数成分が減衰される、電磁波測定方法。
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