JP6936556B2 - 接着剤組成物、封止シート、及び封止体 - Google Patents

接着剤組成物、封止シート、及び封止体 Download PDF

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Description

本発明は、接着強度及び水分遮断性に優れる接着剤組成物、この接着剤組成物を用いて形成された接着剤層を有する封止シート、及び被封止物が前記封止シートで封止されてなる封止体に関する。
近年、有機EL素子は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。
しかし、有機EL素子には、時間の経過とともに、発光輝度、発光効率、発光均一性等の発光特性が低下し易いという問題があった。
この発光特性の低下の問題の原因として、酸素や水分等が有機EL素子の内部に浸入し、電極や有機層を劣化させることが考えられる。
そして、この対処方法として、封止材を用いる方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、融解熱量と重量平均分子量が特定の範囲内にあるオレフィン重合体と、40℃における動粘度が特定の範囲内にある炭化水素系合成油とを含むシート状封止材が記載されている。
特開2015−137333号公報
特許文献1に記載のシート状封止材は、必要に応じて剥離が可能であるという特徴を有するものである。しかしながら、このシート状封止材は、接着強度に劣る傾向があった。
有機EL素子等の被封止物は、屋外や車内等の過酷な条件で使用される場合も多い。従って、接着強度及び水分遮断性に優れる封止シートや、このような封止シートの成形材料として用いられる接着剤組成物が要望されていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、接着強度及び水分遮断性に優れる接着剤組成物、この接着剤組成物を用いて形成された接着剤層を有する封止シート、及び被封止物が前記封止シートで封止されてなる封止体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、変性ポリオレフィン系樹脂、粘着付与剤、及び架橋剤を含有する接着剤組成物は、接着強度及び水分遮断性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(6)の接着剤組成物、(7)〜(9)の封止シート、及び(10)、(11)の封止体、が提供される。
(1)下記の(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する接着剤組成物。
(A)成分:変性ポリオレフィン系樹脂
(B)成分:粘着付与剤
(C)成分:架橋剤
(2)前記(A)成分が、酸変性ポリオレフィン系樹脂である(1)に記載の接着剤組成物。
(3)前記(A)成分の含有量が、接着剤組成物の固形分全量に対して、50〜99質量%である、(1)又は(2)に記載の接着剤組成物。
(4)前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、1〜100質量部である、(1)〜(3)のいずれかに記載の接着剤組成物。
(5)前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部である、(1)〜(4)のいずれかに記載の接着剤組成物。
(6)さらに、下記の(D)成分を含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の接着剤組成物。
(D)成分:シランカップリング剤
(7)2枚の剥離フィルムと、これらの剥離フィルムに挟持された接着剤層とからなる封止シートであって、前記接着剤層が、(1)〜(6)のいずれかに記載の接着剤組成物を用いて形成された、熱可塑性を有するものである封止シート。
(8)剥離フィルムと、ガスバリア性フィルムと、前記剥離フィルムと前記ガスバリア性フィルムに挟持された接着剤層とからなる封止シートであって、前記接着剤層が、(1)〜(6)のいずれかに記載の接着剤組成物を用いて形成された、熱可塑性を有するものである封止シート。
(9)前記ガスバリア性フィルムが、金属箔、樹脂製フィルム、又は薄膜ガラスである(8)に記載の封止シート。
(10)被封止物が、(7)〜(9)のいずれかに記載の封止シートで封止されてなる封止体。
(11)前記被封止物が、有機EL素子、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、又は太陽電池素子である、(10)に記載の封止体。
本発明によれば、接着強度及び水分遮断性に優れる接着剤組成物、この接着剤組成物を用いて形成された接着剤層を有する封止シート、及び被封止物が前記封止シートで封止されてなる封止体が提供される。
以下、本発明を、1)接着剤組成物、2)封止シート、及び、3)封止体、に項分けして詳細に説明する。
1)接着剤組成物
本発明の接着剤組成物は、下記の(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有するものである。
(A)成分:変性ポリオレフィン系樹脂
(B)成分:粘着付与剤
(C)成分:架橋剤
(A)成分:変性ポリオレフィン系樹脂
本発明の接着剤組成物は、(A)成分として、変性ポリオレフィン系樹脂を含有する。
本発明の接着剤組成物は、変性ポリオレフィン系樹脂を含有することで、接着強度に優れたものとなる。また、変性ポリオレフィン系樹脂を含有する接着剤組成物を用いることで、後述する厚みの接着剤層を効率よく形成することができる。
変性ポリオレフィン系樹脂は、前駆体としてのポリオレフィン樹脂に、変性剤を用いて変性処理を施して得られる、官能基が導入されたポリオレフィン樹脂である。
ポリオレフィン樹脂とは、オレフィン系単量体由来の繰り返し単位を含む重合体をいう。ポリオレフィン樹脂は、オレフィン系単量体由来の繰り返し単位のみからなる重合体であってもよいし、オレフィン系単量体由来の繰り返し単位と、オレフィン系単量体と共重合可能な単量体由来の繰り返し単位とからなる重合体であってもよい。
オレフィン系単量体としては、炭素数2〜8のα−オレフィンが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、又は1−ヘキセンがより好ましく、エチレン又はプロピレンがさらに好ましい。
オレフィン系単量体と共重合可能な単量体としては、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜2,000,000、好ましくは、20,000〜500,000である。
ポリオレフィン樹脂の変性処理に用いる変性剤は、分子内に、官能基、すなわち、後述する架橋反応に寄与し得る基を有する化合物である。
官能基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、水酸基、エポキシ基、アミド基、アンモニウム基、ニトリル基、アミノ基、イミド基、イソシアネート基、アセチル基、チオール基、エーテル基、チオエーテル基、スルホン基、ホスホン基、ニトロ基、ウレタン基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、水酸基、アンモニウム基、アミノ基、イミド基、イソシアネート基が好ましく、カルボン酸無水物基、アルコキシシリル基がより好ましく、カルボン酸無水物基が特に好ましい。
官能基を有する化合物は、分子内に2種以上の官能基を有していてもよい。
変性ポリオレフィン樹脂としては、酸変性ポリオレフィン系樹脂、シラン変性ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、本発明のより優れた効果が得られる観点から、酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
酸変性ポリオレフィン系樹脂とは、ポリオレフィン樹脂に対して酸でグラフト変性したものをいう。例えば、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸を反応させて、カルボキシル基を導入(グラフト変性)したものが挙げられる。なお、本明細書において、不飽和カルボン酸とは、カルボン酸無水物の概念を含み、カルボキシル基とは、無水カルボキシル基の概念を含むものである。
ポリオレフィン樹脂に反応させる不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸、アコニット酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、接着強度により優れる接着剤組成物が得られ易いことから、無水マレイン酸が好ましい。
ポリオレフィン樹脂に反応させる不飽和カルボン酸の量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜3質量部、さらに好ましくは0.2〜1.0質量部である。このようにして得られた酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有する接着剤組成物は、接着強度により優れる。
酸変性ポリオレフィン系樹脂は、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、アドマー(登録商標)(三井化学社製)、ユニストール(登録商標)(三井化学社製)、BondyRam(Polyram社製)、orevac(登録商標)(ARKEMA社製)、モディック(登録商標)(三菱化学社製)等が挙げられる。
シラン変性ポリオレフィン系樹脂の前駆体であるポリオレフィン樹脂としては、前述の酸でグラフト変性させるポリオレフィン樹脂として例示したポリオレフィン樹脂が挙げられる。
シラン変性ポリオレフィン系樹脂とは、ポリオレフィン樹脂に対して不飽和シラン化合物でグラフト変性したものをいう。シラン変性ポリオレフィン系樹脂は、主鎖であるポリオレフィン樹脂に側鎖である不飽和シラン化合物がグラフト共重合した構造を有する。例えば、シラン変性ポリエチレン樹脂およびシラン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられ、シラン変性低密度ポリエチレン、シラン変性超低密度ポリエチレン、シラン変性直鎖状低密度ポリエチレン等のシラン変性ポリエチレン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂に反応させる不飽和シラン化合物としては、ビニルシラン化合物が好ましく、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシラン等が挙げられる。これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、不飽和シラン化合物を主鎖であるポリオレフィン樹脂にグラフト重合させる場合の条件は、公知のグラフト重合の常法を採用すればよい。
ポリオレフィン樹脂に反応させる不飽和シラン化合物の量としては、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、特に0.3〜7質量部であることが好ましく、さらには0.5〜5質量部であることが好ましい。反応させる不飽和シラン化合物の量が上記の範囲にあることで、得られるシラン変性ポリオレフィン系樹脂を含有する接着剤組成物は、接着強度により優れる。
シラン変性ポリオレフィン系樹脂は、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、リンクロン(登録商標)(三菱化学社製)等が挙げられ、中でも、低密度ポリエチレン系のリンクロン、直鎖状低密度ポリエチレン系のリンクロン、超低密度ポリエチレン系のリンクロン、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体系のリンクロンを好ましく使用することができる。
(B)成分:粘着付与剤
本発明の接着剤組成物は、(B)成分として、粘着付与剤を含有する。
本発明の接着剤組成物は、粘着付与剤を含有することで、水蒸気遮断性に優れたものとなる。また、本発明の接着剤組成物は、粘着付与剤と後述する架橋剤とを併用することで、常温及び高温環境下における接着強度に優れたものとなる。
粘着付与剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものが使用できる。
粘着付与剤としては、重合ロジン、重合ロジンエステル、ロジン誘導体等のロジン系樹脂;ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びその水素化物、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂;クマロン・インデン樹脂;脂肪族石油系樹脂、芳香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族/芳香族共重合体石油樹脂等の石油樹脂;スチレン又は置換スチレンの低分子量重合体;等が挙げられる。
これらの粘着付与剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘着付与剤の重量平均分子量は、好ましくは、100〜10,000、より好ましくは500〜5,000である。
粘着付与剤の軟化点は、好ましくは、50〜160℃、より好ましくは60〜140℃、さらに好ましくは70〜130℃である。
粘着付与剤は、市販品を用いることもできる。市販品としては、クイントン(登録商標)A、B、R、CXシリーズ(日本ゼオン社製)等の脂肪族系石油樹脂;アルコンP、Mシリーズ(荒川化学社製)、ESCOREZ(登録商標)シリーズ(エクソンモービル・ケミカル社製)、EASTOTAC(登録商標)シリーズ(イーストマン・ケミカル社製)、IMARV(登録商標)シリーズ(出光興産社製)等の脂環族系石油樹脂;YSレジンP、Aシリーズ、クリアロン(登録商標)Pシリーズ(ヤスハラケミカル製)、ピコライトA、Cシリーズ(PINOVA社製)等のテルペン系樹脂;フォーラルシリーズ(PINOVA社製)、ペンセル(登録商標)Aシリーズ、エステルガム、スーパー・エステル、パインクリスタル(登録商標)(荒川化学工業社製)等のエステル系樹脂;等が挙げられる。
粘着付与剤の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部である。粘着付与剤の含有量がこの範囲内にある接着剤組成物は、水蒸気遮断性及び接着強度により優れる。
(C)成分:架橋剤
本発明の接着剤組成物は、(C)成分として、架橋剤を含有する。
本発明の接着剤組成物は、架橋剤と粘着付与剤とを併用することで、常温及び高温環境下における接着強度に優れたものとなる。
架橋剤とは、変性ポリオレフィン系樹脂の官能基と反応し得る基、又は、変性ポリオレフィン系樹脂の官能基と反応し得る部分構造(以下、「架橋性基」ということがある。)を有する化合物であって、変性ポリオレフィン系樹脂と反応することで架橋構造を形成する化合物である。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤は、架橋性基としてイソシアネート基を有する化合物である。
イソシアネート系架橋剤としては、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ペンタメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;これらの化合物のビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体;等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤は、架橋性基としてエポキシ基を有する化合物である。
エポキシ系架橋剤としては、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等が挙げられる。
アジリジン系架橋剤は、架橋性基としてアジリジン基を有する化合物である。
アジリジン系架橋剤はとしては、ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカーボキサミド)、トリメチロールプロパントリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカーボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリス−1−(2−メチルアジリジン)フォスフィン、トリメチロールプロパントリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等が挙げられる。
金属キレート系架橋剤としては、金属原子がアルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、鉄、スズ等であるキレート化合物が挙げられ、なかでも、アルミニウムキレート化合物が好ましい。
アルミニウムキレート化合物としては、ジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテート等が挙げられる。
これらの架橋剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の接着剤組成物中における架橋剤の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。架橋剤の含有量がこの範囲内にある接着剤組成物は、接着強度により優れる。
特に、架橋剤の含有量は、架橋剤の架橋性基(金属キレート系架橋剤の場合は、金属キレート系架橋剤)が、(A)成分の官能基に対して、0.1〜5当量となる量が好ましく、0.2〜3当量となる量がより好ましい。
本発明の接着剤組成物は、(D)成分として、シランカップリング剤を含有してもよい。
本発明の接着剤組成物は、シランカップリング剤を含有することで、常温及び高温環境下における接着強度により優れたものとなる。
シランカップリング剤としては、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物が好ましい。
シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物;3−クロロプロピルトリメトキシシラン;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン;等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の接着剤組成物がシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部である。
本発明の接着剤組成物は、溶媒を含有してもよい。
溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の含有量は、塗工性等を考慮して適宜決定することができる。
本発明の接着剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、酸化防止剤、樹脂安定剤、充填剤、顔料、増量剤、軟化剤等の添加剤が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の接着剤組成物がこれらの添加剤を含有する場合、その含有量は、目的に合わせて適宜決定することができる。
本発明の接着剤組成物は、所定の成分を、常法に従って適宜混合・攪拌することにより調製することができる。
本発明の接着剤組成物は、接着強度及び水分遮断性に優れる。このため、本発明の接着剤組成物は、封止材を形成する際に好適に用いられる。
2)封止シート
本発明の封止シートは、下記の封止シート(α)又は封止シート(β)である。
封止シート(α):2枚の剥離フィルムと、これらの剥離フィルムに挟持された接着剤層とからなる封止シートであって、前記接着剤層が、本発明の接着剤組成物を用いて形成された、熱可塑性を有するものであることを特徴とするもの
封止シート(β):剥離フィルムと、ガスバリア性フィルムと、前記剥離フィルムと前記ガスバリア性フィルムに挟持された接着剤層とからなる封止シートであって、前記接着剤層が、本発明の接着剤組成物を用いて形成された、熱可塑性を有するものであることを特徴とするもの
なお、これらの封止シートは使用前の状態を表したものであり、本発明の封止シートを使用する際は、通常、剥離フィルムは剥離除去される。
封止シート(α)を構成する剥離フィルムは、封止シート(α)の製造工程においては支持体として機能するとともに、封止シート(α)を使用するまでの間は、接着剤層の保護シートとして機能する。
剥離フィルムとしては、従来公知のものを利用することができる。例えば、剥離フィルム用の基材上に、剥離剤により剥離処理された剥離層を有するものが挙げられる。
剥離フィルム用の基材としては、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のプラスチックフィルム;等が挙げられる。
剥離剤としては、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
封止シート(α)における2枚の剥離フィルムは同一であっても、異なっていてもよいが、2枚の剥離フィルムは異なる剥離力を有するものが好ましい。2枚の剥離フィルムの剥離力が異なることで、封止シートの使用時に問題が発生し難くなる。すなわち、2枚の剥離フィルムの剥離力を異なるようにすることで、最初に剥離フィルムを剥離する工程をより効率よく行うことができる。
封止シート(α)を構成する接着剤層は、本発明の接着剤組成物を用いて形成されたものである。このため、この接着剤層は、接着強度及び水分遮断性に優れる。
本発明の封止シート(α)の接着剤層の、23℃における引き剥がし接着強度は、通常、17N/25mm以上50N/25mm以下、好ましくは、18.5N/25mm以上50N/25mm以下であり、70℃における引き剥がし接着強度は、通常、12N/25mm超50N/25mm以下、好ましくは12.5N/25mm以上50N/25mmである。
本発明の封止シート(α)の接着剤層の水蒸気透過率は、通常、1〜250g・m−2・day−1、好ましくは2〜250g・m−2・day−1である。
上記の引き剥がし接着強度と水蒸気透過率は、実施例に記載の方法に従って測定したものである。
また、封止シート(α)の接着剤層は、その内部に架橋構造が形成されているものであるが、熱可塑性を有する。したがって、封止シート(α)の接着剤層は、ヒートシール型接着剤として好適に用いられる。
封止シート(α)の接着剤層の厚みは、通常、1〜50μmであり、好ましくは5〜25μmである。
厚みが上記範囲内にある接着剤層は、封止材として好適に用いられる。
封止シート(α)の製造方法は特に限定されない。例えば、キャスト法を用いて、封止シート(α)を製造することができる。
封止シート(α)をキャスト法により製造する場合、公知の方法を用いて、本発明の接着剤組成物を剥離フィルムの剥離処理面に塗工し、得られた塗膜を乾燥することで、剥離フィルム付接着剤層を製造し、次いで、もう一枚の剥離フィルムを接着剤層上に重ねることで、封止シート(α)を得ることができる。
接着剤組成物を塗工する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
塗膜を乾燥するときの乾燥条件としては、例えば80〜150℃で30秒〜5分間が挙げられる。
乾燥処理を行った後、そのまま1週間程度静置し、接着剤層を養生させてもよい。接着剤層を養生させることで、架橋構造を十分に形成することができる。
封止シート(β)を構成する剥離フィルムと接着剤層は、それぞれ、封止シート(α)を構成する剥離フィルムと接着剤層として示したものと同様のものが挙げられる。
封止シート(β)を構成するガスバリア性フィルムは、水分遮断性を有するフィルムであれば特に限定されない。
ガスバリア性フィルムは、温度40℃、相対湿度90%(以下、「90%RH」と略記する。)の環境下における水蒸気透過率が0.1g/m/day以下であることが好ましく、0.05g/m/day以下であることがより好ましく、0.005g/m/day以下であることがさらに好ましい。
ガスバリア性フィルムの温度40℃、90%RHの環境下における水蒸気透過率が0.1g/m/day以下であることで、透明基板上に形成された有機EL素子等の素子内部に酸素や水分等が浸入し、電極や有機層が劣化することを効果的に抑制することができる。
ガスバリア性フィルムの水蒸気等の透過率は、公知のガス透過率測定装置を使用して測定することができる。
ガスバリア性フィルムとしては、金属箔、樹脂製フィルム、薄膜ガラス等が挙げられる。これらの中でも、樹脂製フィルムが好ましく、基材とガスバリア層とを有するガスバリア性フィルムがより好ましい。
基材を構成する樹脂成分としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体、ポリウレタン系ポリマー等が挙げられる。
基材の厚みは、特に制限はないが、取り扱い易さの観点から、好ましくは0.5〜500μm、より好ましくは1〜200μm、さらに好ましくは5〜100μmである。
ガスバリア層は、所望のガスバリア性を付与することができれば、材質等は特に限定されない。ガスバリア層としては、無機膜や、高分子化合物を含む層に改質処理を施して得られる層等が挙げられる。これらの中でも、厚みが薄く、ガスバリア性に優れる層を効率よく形成できることから、ガスバリア層は、無機膜からなるガスバリア層、及び高分子化合物を含む層にイオンを注入して得られるガスバリア層が好ましい。
無機膜としては、特に制限されず、例えば、無機蒸着膜が挙げられる。
無機蒸着膜としては、無機化合物や金属の蒸着膜が挙げられる。
無機化合物の蒸着膜の原料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等の無機酸化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の無機窒化物;無機炭化物;無機硫化物;酸化窒化ケイ素等の無機酸化窒化物;無機酸化炭化物;無機窒化炭化物;無機酸化窒化炭化物等が挙げられる。
金属の蒸着膜の原料としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、及びスズ等が挙げられる。
高分子化合物を含む層(以下、「高分子層」ということがある)にイオン注入して得られるガスバリア層において、用いる高分子化合物としては、ポリオルガノシロキサン、ポリシラザン系化合物等のケイ素含有高分子化合物、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体等が挙げられる。これらの高分子化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
これらの中でも、優れたガスバリア性を有するガスバリア層を形成できる観点から、ケイ素含有高分子化合物が好ましく、ポリシラザン系化合物がより好ましい。
ポリシラザン系化合物は、分子内に−Si−N−結合(シラザン結合)を含む繰り返し単位を有する高分子化合物である。具体的には、式(1)
Figure 0006936556
で表される繰り返し単位を有する化合物が好ましい。また、用いるポリシラザン系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、100〜50,000であるのが好ましい。
前記式(1)中、nは任意の自然数を表す。
Rx、Ry、Rzは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するアルキル基、無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基又はアルキルシリル基等の非加水分解性基を表す。これらの中でも、Rx、Ry、Rzとしては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。前記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザン系化合物としては、Rx、Ry、Rzが全て水素原子である無機ポリシラザン、Rx、Ry、Rzの少なくとも1つが水素原子ではない有機ポリシラザンのいずれであってもよい。
ポリシラザン系化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、ポリシラザン系化合物として、ポリシラザン変性物を用いることもできる。また、本発明においては、ポリシラザン系化合物としては、ガラスコーティング材等として市販されている市販品をそのまま使用することもできる。
前記高分子層は、上述した高分子化合物の他に、本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、硬化剤、他の高分子、老化防止剤、光安定剤、難燃剤等が挙げられる。
高分子層中の高分子化合物の含有量は、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
高分子層の厚みは特に制限されないが、好ましくは50〜300nm、より好ましくは50〜200nmの範囲である。
本発明においては、高分子層の厚みがナノオーダーであっても、充分なガスバリア性を有するガスバリア性積層体を得ることができる。
高分子層を形成する方法としては、例えば、高分子化合物の少なくとも一種、所望により他の成分、及び溶剤等を含有する層形成用溶液を、スピンコーター、ナイフコーター、グラビアコーター等の公知の装置を使用し、塗布し、得られた塗膜を適度に乾燥して形成する方法が挙げられる。
高分子層の改質処理としては、イオン注入処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、熱処理等が挙げられる。
イオン注入処理は、後述するように、高分子層にイオンを注入して、高分子層を改質する方法である。
プラズマ処理は、高分子層をプラズマ中に晒して、高分子層を改質する方法である。例えば、特開2012−106421号公報に記載の方法に従って、プラズマ処理を行うことができる。
紫外線照射処理は、高分子層に紫外線を照射して高分子層を改質する方法である。例えば、特開2013−226757号公報に記載の方法に従って、紫外線改質処理を行うことができる。
これらの中でも、高分子層の表面を荒らすことなく、その内部まで効率よく改質し、よりガスバリア性に優れるガスバリア層を形成できることから、イオン注入処理が好ましい。
高分子層に注入されるイオンとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオン;フルオロカーボン、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、塩素、フッ素、硫黄等のイオン;
メタン、エタン等のアルカン系ガス類のイオン;エチレン、プロピレン等のアルケン系ガス類のイオン;ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類のイオン;アセチレン等のアルキン系ガス類のイオン;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系ガス類のイオン;シクロプロパン等のシクロアルカン系ガス類のイオン;シクロペンテン等のシクロアルケン系ガス類のイオン;金属のイオン;有機ケイ素化合物のイオン;等が挙げられる。
これらのイオンは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、より簡便にイオンを注入することができ、特に優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオンが好ましい。
イオンを注入する方法としては、特に限定されない。例えば、電界により加速されたイオン(イオンビーム)を照射する方法、プラズマ中のイオン(プラズマ生成ガスのイオン)を注入する方法等が挙げられ、簡便にガスバリア層が得られることから、後者のプラズマイオンを注入する方法が好ましい。プラズマイオン注入法は、例えば、プラズマ生成ガスを含む雰囲気下でプラズマを発生させ、イオンを注入する層に負の高電圧パルスを印加することにより、該プラズマ中のイオン(陽イオン)を、イオンを注入する層の表面部に注入して行うことができる。
封止シート(β)の製造方法は特に限定されない。例えば、先に説明した封止シート(α)の製造方法において、剥離フィルムの1枚をガスバリア性フィルムに置き換えることで封止シート(β)を製造することができる。
また、封止シート(α)を製造した後、その1枚の剥離フィルムを剥離し、露出した接着剤層とガスバリア性フィルムとを貼着することにより、封止シート(β)を製造することもできる。この場合、封止シート(α)が、異なる剥離力を有する2枚の剥離フィルムを有する場合には、取扱い性の観点から、剥離力の小さい方の剥離フィルムを剥離するのが好ましい。
3)封止体
本発明の封止体は、被封止物が、本発明の封止シートで封止されてなるものである。
本発明の封止体としては、例えば、透明基板と、該透明基板上に形成された素子(被封止物)と、該素子を封止するための封止材とを備えるものであって、前記封止材が、本発明の封止シートの接着剤層であるものが挙げられる。
透明基板は、特に限定されるものではなく、種々の基板材料を用いることができる。特に可視光の透過率が高い基板材料を用いることが好ましい。また、素子外部から浸入しようとする水分やガスを阻止する遮断性能が高く、耐溶剤性や耐候性に優れている材料が好ましい。具体的には、石英やガラスなどの透明無機材料;ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、アセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、アラミド類、ポリイミド類、ポリスチレン類、ポリアリレート類、ポリスルホン類、ポリオレフィン類などの透明プラスチック;が挙げられる。
透明基板の厚さは特に制限されず、光の透過率や、素子内外を遮断する性能を勘案して、適宜選択することができる。
被封止物としては、有機EL素子、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、太陽電池素子等が挙げられる。
本発明の封止体の製造方法は特に限定されない。例えば、本発明の封止シートから剥離フィルムを剥離して露出した接着剤層を被封止物上に重ねた後、加熱することにより、本発明の封止体を製造することができる。
加熱条件は特に限定されず、従来のヒートシール条件を適宜利用することができる。
例えば、加熱温度は、通常、23〜120℃、好ましくは40〜100℃である。
また、加熱時間は、通常0.1〜60分、好ましくは0.2〜60分である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
各例中の部及び%は、特に断りのない限り、質量基準である。
〔実施例1〕
変性ポリオレフィン系樹脂(α−オレフィン重合体、三井化学社製、商品名:ユニストールH−200、重量平均分子量:52,000)100部、粘着付与剤(1,3−ペンタジエンを主原料とする石油樹脂、日本ゼオン社製、商品名:クイントン A100)30部、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートHX)0.5部をメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度18%の塗工液を調製した。
この塗工液を剥離フィルム(リンテック社製、商品名:SP−PET382150)の剥離処理面上に塗工し、得られた塗膜を100℃で2分間乾燥し、厚みが20μmの接着剤層を形成し、その上に、もう1枚の剥離フィルム(リンテック社製、商品名:SP−PET381031)の剥離処理面を貼り合わせて封止シート1を得た。
〔実施例2〕
実施例1において、架橋剤をアルミキレート系架橋剤(綜研化学社製、商品名:M−5A)に変更したことを除き、実施例1と同様にして封止シート2を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、架橋剤をエポキシ系架橋剤(三菱化学社製、商品名:TC−5)0.1部に変更したことを除き、実施例1と同様にして封止シート3を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、粘着付与剤と架橋剤を使用しない点を除き、実施例1と同様にして封止シート4を得た。
〔比較例2〕
実施例2において、粘着付与剤を使用しない点を除き、実施例2と同様にして封止シート5を得た。
実施例1〜3、比較例1、2で得た封止シート1〜5について、以下の試験を行った。
(水蒸気透過率測定)
水蒸気透過率測定装置(LYSSY社製、商品名:L80−5000)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の環境下における、封止シート1〜5の水蒸気透過率を測定した。
(引き剥がし接着強度の測定)
25mm×300mmの大きさに裁断した封止シートの剥離フィルムを1枚剥離し、露出した接着剤層をポリエチレンテレフタレートシート(東洋紡社製、商品名:コスモシャインPET50A4300、厚み50μm)に重ね、ヒートラミネータを用いてこれらを110℃で接着した。次いで、もう1枚の剥離フィルムを剥離し、露出した接着剤層をガラス板に重ね、ヒートラミネータを用いてこれらを110℃で圧着した。
これを試験片として使用して、JIS Z0237:2009に準拠し、温度23℃、相対湿度50%の環境下と温度70℃(湿度は制御なし)の環境下において、それぞれ、剥離角度180°の条件で剥離試験を行い、引き剥がし接着強度(N/25mm)を測定した。
測定結果を第1表に示す。
Figure 0006936556
第1表から以下のことがわかる。
実施例1〜3の封止シート1〜3の接着剤層は、水分遮断性と、常温時及び高温時における接着強度に優れている。
一方、比較例1、2の封止シート4、5の接着剤層は、水分遮断性、常温時及び高温時における接着強度のいずれにおいても劣っている。

Claims (11)

  1. 以下の接着剤組成物を用いて形成されたヒートシール型接着剤であって、
    内部に架橋構造が形成されたものであり、かつ、熱可塑性を有する、ヒートシール型接着剤。
    (接着剤組成物)
    下記の(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する接着剤組成物(ただし、シリカを含有するものを除く)であって、
    (A)成分の含有量が、接着剤組成物の固形分全量に対して、50〜99質量%であり、
    (C)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して、0.1〜5質量部である接着剤組成物
    (A)成分:変性ポリオレフィン系樹脂
    (B)成分:粘着付与剤
    (C)成分:架橋剤
  2. 前記接着剤組成物中の(A)成分が、酸変性ポリオレフィン系樹脂である請求項1に記載のヒートシール型接着剤。
  3. 前記接着剤組成物中の(B)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、1〜100質量部である、請求項1又は2に記載のヒートシール型接着剤。
  4. 前記接着剤組成物が、さらに、下記の(D)成分を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシール型接着剤。
    (D)成分:シランカップリング剤
  5. 2枚の剥離フィルムと、これらの剥離フィルムに挟持された接着剤層とからなる封止シートであって、
    前記接着剤層が、請求項1〜4のいずれかに記載のヒートシール型接着剤からなるものである、封止シート。
  6. 1枚の剥離フィルムと、この剥離フィルムに担持された接着剤層とからなる封止シートであって、
    前記接着剤層が、請求項1〜4のいずれかに記載のヒートシール型接着剤からなるものである、封止シート。
  7. 剥離フィルムと、ガスバリア性フィルムと、前記剥離フィルムと前記ガスバリア性フィルムに挟持された接着剤層とからなる封止シートであって、
    前記接着剤層が、請求項1〜4のいずれかに記載のヒートシール型接着剤からなるものである、封止シート。
  8. 1枚のガスバリア性フィルムと、このガスバリア性フィルムに担持された接着剤層とからなる封止シートであって、
    前記接着剤層が、請求項1〜4のいずれかに記載のヒートシール型接着剤からなるものである、封止シート。
  9. 前記ガスバリア性フィルムが、金属箔、樹脂製フィルム、又は薄膜ガラスである請求項7又は8に記載の封止シート。
  10. 被封止物が、請求項5〜9のいずれかに記載の封止シートで封止されてなる封止体。
  11. 前記被封止物が、有機EL素子、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、又は太陽電池素子である、請求項10に記載の封止体。
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