JP6936426B2 - マイクロ波減圧乾燥機及び乾燥食品等の製造方法 - Google Patents

マイクロ波減圧乾燥機及び乾燥食品等の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷凍した野菜や果実を原料として、これらの原料中に含まれる成分を損うことなく所望の重量に乾燥させるのに好適なマイクロ波減圧乾燥機及び該マイクロ波減圧乾燥機を使用することによって風味豊かな乾燥食品等を効率良く製造することができる乾燥食品等の製造方法に関する。
冷凍した野菜や果実を原料として乾燥食品等を製造する場合、これらの原料中に含まれる成分を破壊することなく乾燥させることができる減圧雰囲気下でのマイクロ波を利用した乾燥方法が実施されている。
そして、マイクロ波を利用した乾燥方法では下記の特許文献1、2に示すようなマイクロ波乾燥機が使用されている。
また、冷凍した野菜や果実を原料として乾燥させると、乾燥の過程で原料中に含まれる液汁がドリップとして流出し該ドリップは原料を載置する乾燥トレイの下方に配置される受皿であるパン等に溜まって、上記原料と共に、乾燥室内で乾燥される。
特開2013−194966号公報 特開2012−172875号公報
しかし、乾燥室内で上記原料とドリップを同時に乾燥させることは、乾燥効率の低下を招くため望ましくない。そして、このような乾燥効率の低下は、乾燥に必要なエネルギーの増大や乾燥時間の長大化をもたらしている。
また、乾燥の過程で一旦マイクロ波乾燥機の動作を停止させて、パンに溜まったドリップを乾燥室外に取り出してから再び乾燥を継続することも考えられる。しかし、稼働していたマイクロ波乾燥機の動作を停止させることは稼働効率の低下をもたらし、作業者の労力を増大させて連続的なマイクロ波による乾燥ができなくなってしまう。
本発明は、このような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、乾燥の過程でドリップの出る冷凍した野菜や果実を原料とした場合でも、無駄の無い効率的な乾燥により、エネルギー損失を小さくして乾燥時間を大幅に短縮することができるマイクロ波減圧乾燥機を提供すること、そして、該マイクロ波減圧乾燥機を使用することで風味豊かな乾燥食品等を安定して効率良く製造することができる乾燥食品等の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1によるマイクロ波減圧乾燥機は、原料を載置する通液性を有する乾燥トレイと、
原料を載置した上記乾燥トレイをセットしたり、搬入・搬出する場合の出入り口となる、少なくとも1つの開口部を備えた乾燥室本体と、
上記開口部に開閉可能な状態に取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内に遮蔽空間を形成する開閉手段と、
上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される原料に向けてマイクロ波を照射して原料を乾燥させるマイクロ波照射装置と、
上記乾燥室本体に対して接続され、該乾燥室本体内の雰囲気を減圧雰囲気にする減圧装置と、
上記乾燥トレイの下方に配置され、乾燥の過程で出たドリップを受けるドリップ受けパンと、該ドリップ受けパンに溜まったドリップを上記乾燥室本体に設けられる排液口から外部に排出する排液管路と、を少なくとも備える排液装置と、を具備し、上記排液管路は、一端が上記排液口に接続され、他端が上記乾燥室本体の外方に向けて延びる取出し管路と、上記取出し管路の他端と上記減圧装置から延びるエア配管の他端が接続される気液分離管路と、上記気液分離管路に一端が接続されて延びる排液取出し管路と、を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2によるマイクロ波減圧乾燥機は、請求項1記載のマイクロ波減圧乾燥機において、上記ドリップ受けパンは、上記乾燥室本体に設けられる排液口に向けてドリップが流れる方向に傾斜して設けられており、該ドリップ受けパンの下端に設けられる開口部と上記排液口との間には、ドリップ受けパンに溜まったドリップを排液口に導く案内部材が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項3によるマイクロ波減圧乾燥機は、請求項1または2記載のマイクロ波減圧乾燥機において、上記排液取出し管路には、上流側に第1開閉弁、その下流にエアバルブ、更にその下流に第2開閉弁が配設されており、これら第1開閉弁とエアバルブと第2開閉弁とのそれぞれの開閉状態を適宜切り換えることによって、排液取出し管路に流入したドリップを外部に取り出すようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項4によるマイクロ波減圧乾燥機は、請求項1〜のいずれかに記載のマイクロ波減圧乾燥機において、上記乾燥トレイは、平面視円環状の回転テーブルによって支持されており、
上記回転テーブルは、所定の方向に回転する複数の支承ローラーによって回転可能な状態で支承されていて、
上記複数の支承ローラーには、単一の駆動モータの回転が動力伝達機構を介して複数の垂直駆動軸と複数の水平伝達軸とに伝達され、その終端に設けられるベベルギヤ対を介して、それぞれ同方向に同速度で回転が伝達されるように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項5によるマイクロ波減圧乾燥機は、請求項記載のマイクロ波減圧乾燥機において、上記複数の垂直駆動軸は、上記乾燥室本体の天板を貫通するように設けられており、上記垂直駆動軸と上記乾燥室本体の天板との接続部には、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるように、それぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構が配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項6によるマイクロ波減圧乾燥機は、請求項1〜のいずれかに記載のマイクロ波減圧乾燥機において、上記乾燥トレイは、上下方向に複数段設けられており、上記マイクロ波照射装置、ドリップ受けパン、排液口、案内部材、取出し管路及び回転テーブルは、各段の乾燥トレイに対応して複数組配設されていることを特徴とするものである。
そして、上記手段によって以下のような効果が得られる。
まず、本発明のマイクロ波減圧乾燥機には乾燥トレイの下方に配置され、乾燥の過程で出たドリップを受けるドリップ受けパンと、該ドリップ受けパンに溜まったドリップを乾燥室本体に設けられる排液口から外部に排出する排液管路と、を少なくとも備える排液装置が具備されているから、乾燥が不要なドリップを乾燥室本体の外部に排出しながらマイクロ波による乾燥を効率よく原料に対して行うことができるようになる。従って、無駄の無い効率的な乾燥により、エネルギー損失を小さくして乾燥時間を大幅に短縮することができるようになる。
また、ドリップ受けパンを、乾燥室本体に設けられる排液口に向けてドリップが流れる方向に傾斜して設け、該ドリップ受けパンの下端に設けられる開口部と排液口との間にドリップ受けパンに溜まったドリップを排液口に導く案内部材を設けた場合には、通液性の乾燥トレイから下方に落下するドリップをドリップ受けパンによって受け止め、更に乾燥室本体に設けられる排液口に向けて円滑に導くことが可能になる。
また、排液管路を、一端が排液口に接続され、他端が乾燥室本体の外方に向けて延びる取出し管路と、該取出し管路の他端と減圧装置から延びるエア配管の他端が接続される気液分離管路と、該気液分離管路に一端が接続されて延びる排液取出し管路と、を備えることによって構成した場合には、気液分離管路に接続されるエア配管によって取出し管路内と気液分離管路内の雰囲気を減圧雰囲気にして乾燥室本体内のドリップを外部に取り出すことが可能になる。また、エア配管と取出し管路を直接接続するのではなく、気液分離管路を介して接続しているので、気液分管路内ではエアとドリップが混ざって存在するのではなく、分離された状態で存在するようになる。
また、排液取出し管路に、上流側から、第1開閉弁、エアバルブ、第2開閉弁を配設し、これらの開閉状態を適宜切り換えることによって、排液取出し管路に流入したドリップを外部に取り出すようにした場合には、上記気液分離管路でエアとドリップが完全に分離できなかった場合でも排液取出し管路において両者を分離してドリップのみを外部に排出することが可能になる。
また、乾燥トレイを平面視円環状の回転テーブルによって支持し、該回転テーブルを所定の方向に回転する複数の支承ローラーによって回転可能な状態で支承し、上記複数の支承ローラーには、単一の駆動モータの回転が動力伝達機構を介して複数の垂直駆動軸と複数の水平伝達軸とに伝達され、その終端のべベルギヤ対を介して、それぞれ同方向に同速度で回転が伝達されるように構成した場合には、回転テーブルの下方にドリップ受けパンが存する構造のマイクロ波減圧乾燥機においても、回転テーブルの使用が可能になる。
そして、単一の駆動モータによって複数の支承ローラーを回転させているから部品点数が少なくなり部品コストの削減を図ることもできるようになる。
また、複数の垂直駆動軸を、乾燥室本体の天板を貫通するように設け、垂直駆動軸と乾燥室本体の天板との接続部に、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるように、それぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構を配置した場合には、駆動源である駆動モータを乾燥室本体の外部に配置してマイクロ波の被曝を防止すると共に、垂直駆動軸と天板との隙間からマイクロ波が漏洩して駆動モータ側に回り込む事態が防止される。従って、マイクロ波の被曝によって生ずる配線被覆の劣化や電気的な悪影響が一層低減されるようになる。
また、乾燥トレイを上下方向に複数段設け、マイクロ波照射装置、ドリップ受けパン、排液口、案内部材、取出し管路及び回転テーブルを、各段の乾燥トレイに対応して複数組、配設するようにした場合には、乾燥室本体の内部スペースを有効に活用して、マイクロ波減圧乾燥機の処理能力の拡大を図ることができる。
また、その場合でも駆動モータや気液分離管路及び排液取出し管路は共有化できるから、部品の有効利用によって装置の大型化と製品コストの増大を極力抑えることが可能になる。
また、本発明の乾燥食品等の製造方法によれば、マイクロ波減圧乾燥工程において、乾燥の過程で出たドリップを乾燥室本体外へ排出しながら原料を乾燥することが可能になるから、無駄の無い効率的な乾燥により、エネルギー損失を小さくして乾燥時間を大幅に短縮することが可能になる。
これにより、風味豊かな乾燥食品等を安定して効率良く製造できるようになる。
また、マイクロ波減圧乾燥工程において、ドリップを排出する場合に、第1開閉弁を閉じてドリップを排液取出し管路の上流位置に溜めるドリップ貯留工程と、第2開閉弁を閉じ、第1開閉弁を開いて排液取出し管路内へドリップを導くドリップ導入工程と、第1開閉弁を閉じ、エアバルブを開いて排液取出し管路内を大気圧にし、その後第2開閉弁を開状態にしてドリップを外部に排出するドリップ排出工程と、を順次実行するようにした場合には、エアとドリップが完全に分離されていない状態で排液取出し管路に供給された場合でも、上記弁の切換え動作によってエアとドリップが完全に分離されるから、ドリップのみを外部に排出することが可能になる。
そして、原料として冷凍した野菜や果実を採用した場合には、乾燥の過程で大量のドリップが出る、これらの原料の乾燥を、無駄の無い効率的な乾燥により実行して乾燥時間を大幅に短縮することが可能になる。
これにより、原料中に含まれていた成分を破壊することなく、風味豊かな乾燥野菜やドライフルーツ等を安定して効率良く製造できるようになる。
本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波減圧乾燥機を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波減圧乾燥機を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波減圧乾燥機を示す右側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波減圧乾燥機を示す背面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、回転テーブルの駆動機構を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、ドリップ受けパンと案内部材を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、ドリップ受けパンと案内部材を示す平断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、排液管路を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室本体の開口部に適用するマイクロ波漏洩防止機構の一部を拡大して示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室本体の開口部に適用するマイクロ波漏洩防止機構の一部を拡大して示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、原料を並べた乾燥トレイを回転テーブル上にセットした状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波減圧乾燥機に適用する減圧装置の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波減圧乾燥機の概略を示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥食品等の製造方法を構成する各工程を示すブロック図である。 本発明の実施の形態を示す図で、排液取出し管路で弁を切り換えて行うドリップの取出し手順を示す説明図である。
以下、図示の実施の形態を例にとって、本発明のマイクロ波減圧乾燥機及び乾燥食品等の製造方法の内容について具体的に説明する。最初に本発明のマイクロ波減圧乾燥機の概要について説明し、続いて本発明のマイクロ波減圧乾燥機の具体的構成を本発明の特徴的構成である排液装置の構成を中心にして説明する。
次に、本発明のマイクロ波減圧乾燥機を使用することによって実行される本発明の乾燥食品等の製造方法の内容を、各工程に分けて上記マイクロ波減圧乾燥機の作動態様と併せて説明する。また、最後にこのようにして構成される本実施の形態とは部分的構成を異にする本発明の他の実施の形態について言及する。
(1)マイクロ波減圧乾燥機の概要(図1〜4、図9、図10、図12及び図13参照)
本発明のマイクロ波減圧乾燥機1は、原料Aを載置する通液性を有する乾燥トレイTと、原料Aを載置した乾燥トレイTをセットしたり、搬入、搬出する場合の出入り口となる、少なくとも1つの開口部3を備えた乾燥室本体5と、上記開口部3に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体5内に遮蔽空間を形成する開閉手段7と、乾燥室本体5に対して取り付けられ、乾燥室本体5内に収容される原料Aに向けてマイクロ波Mを照射して原料Aを乾燥させるマイクロ波照射装置9と、乾燥室本体5に対して接続され、乾燥室本体5内の雰囲気を減圧雰囲気にする減圧装置301と、乾燥トレイTの下方に配置され、乾燥の過程で出たドリップRを受けるドリップ受けパン83と、該ドリップ受けパン83に溜まったドリップRを乾燥室本体5に設けられる排液口6から外部に排出する排液管路85と、を少なくとも備える排液装置81と、を具備している。
そして、上記排液装置81を具備した点が本発明のマイクロ波減圧乾燥機1の特徴的構成になっている。
また、図示のマイクロ波減圧乾燥機1は、いわゆるバッチ式のマイクロ波乾燥機であって、開閉手段7として一例としてスライド式の開閉扉8を備えている。乾燥機本体5は、アングル材等を矩形枠状に組み立てることによって構成されている支持架台23によって支持されており、該支持架台23の前面に形成されている開口部3の上下に左右方向Xに水平に延びるスライドレール43A、43Bが設けられている。
一方、開閉扉8の上縁と下縁には、上記スライドレール43Aに係合する2つのスライダー44Aと、上記スライドレール43Bに係合する2つのスライダー44Bと、が設けられている。また、上方のスライドレール43Aの近傍には2基の押さえ部材47、47が設けられていて、閉塞位置に来た開閉扉8を支持架台23側に押圧して開口部3の気密性を高めるように構成されている。
そして、上記支持架台23に支持された乾燥室本体5に対して開閉扉8を取り付けることによって乾燥室25が構成されている。乾燥室25には、上下方向Zに一例として二段、乾燥トレイTが配置できるように構成されており、これに伴ってマイクロ波照射装置9、ドリップ受けパン83、排液口6、後述する案内部材87、取出し管路89及び回転テーブル97も各段の乾燥トレイT、Tに対応して一例として二組ずつ、配設されている。
また、本実施の形態では、乾燥室本体5の一例として左側板に対して左方に張り出すようにマイクロ波照射装置9が2基配設されている。マイクロ波照射装置9は、所定可変出力のマイクロ波発振装置10と、を備えることによって一例として構成されている。
これにより、乾燥室本体5の左側板に形成されている照射口15から乾燥室本体5の内部に向けてマイクロ波Mが照射されるように構成されている。
また、乾燥室本体5の左側板には、図13に示すように外部からエアQを導入するための外気導入管路31と、エアQの導入の有無の切り換えと導入量を調整するための制御弁32が、一例として上下に1組ずつ、計2組配設されている。
また、乾燥室本体5の一例として右側板には、乾燥中の原料Aの品温を計測する放射温度計79と、乾燥の過程で出たドリップRを外部に排出する排液口6と、が上記2段の乾燥トレイT、Tに対応した位置に2つずつ設けられている。
尚、上記放射温度計79によって計測された原料Aの品温情報は、図示しない制御装置に送られ、この品温情報に基づいて、マイクロ波照射装置9から照射されるマイクロ波Mの出力を制御し得るように構成されている。この他、乾燥室本体5の右側板には一例としてLED製の照明77も設けられている。
また、開閉扉8の前面の左右方向Xの中央には、上下に2つ点検窓39が設けられており、乾燥中の各段における乾燥トレイT上の原料A等の様子を外部から観察できるように構成されている。
また、開閉扉8の前面の左右の端部寄りには、開閉扉8を開閉する際の手掛かりとなるハンドル41が設けられており、開閉扉8の前面の適宜の位置には、開閉扉8の閉塞状態を確実にするための図示しないロック部材が必要に応じて配設される。
更に、開閉扉8を閉塞状態にした時の背面には、乾燥室本体5の開口部3を取り囲むようにマイクロ波漏洩防止機構21が設けられている。また、該マイクロ波漏洩防止機構21の外方には、開閉扉8を閉塞状態にした時、乾燥室本体5の開口部3の周囲のシール面61に当接する一例としてリング状のゴムパッキンによって構成されるシール部材11を有するシール構造13が設けられている。
マイクロ波漏洩防止機構21は、開口部3と上記シール構造13との中間経路63上に設けられており、開口部3側に位置する第1チョーク17と、シール構造13側に位置する第2チョーク19と、が向かい合わせになるように周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のシール構造になっている。
具体的には、図10に示すように開閉扉8の背面に沿うように配置された遮蔽板65の一端縁から基端部69を垂直に立ち上げ、該基端部69の先端を90°内側に折り曲げることによって先端部67を形成して断面L字状の第1チョーク17を設けている。
同様に、上記遮蔽板65の他端縁に上記第1チョーク17と同形状、同サイズの第2チョーク19を設け、これらの第1チョーク17と第2チョーク19とを対向する位置に配置することによってマイクロ波漏洩防止機構21が構成されている。
尚、第1チョーク17の先端部67と第2チョーク19の先端部67との間にはギャップGが形成されており、該ギャップGの中点Oから第1チョーク17及び第2チョーク19のそれぞれの先端部67と基端部69の接続点Bまでの距離L1は、上記中点Oから遮蔽板65側に引いた垂線と遮蔽板65の対向面との接点Cまでの距離L2とほぼ等しく、共に使用するマイクロ波Mの波長λの1/4程度の長さになるように設定されている。
因みに、このような寸法設定を採用することによって、上記中間経路63中に上記波長λの1/4の長さの迂回路が形成される。そして、該迂回路での反射波と上記接続点Bから中点Oに向かう波との位相差が上記波長λの1/2になって互いに打ち消し合うため、乾燥室25の外部へのマイクロ波Mの漏洩が防止されるのである。
次に、減圧装置301について説明する。本実施の形態によるマイクロ波減圧乾燥機1では、乾燥室本体5が開閉扉8により開口部3を閉塞した状態で減圧雰囲気下での使用に耐えられる気密構造と耐圧構造とを備えている。そして、乾燥室25の一例として後方には減圧装置301が配設されており、この減圧装置301を適宜の配管302と分岐管路337を介して乾燥室25に接続することで減圧雰囲気下でのマイクロ波Mによる乾燥が実行できるように構成されている。
減圧装置301としては、図示は省略するが真空用コネクタ、真空ポンプ、真空経路及び制御弁のみを備える基本的な構造の減圧装置であってもよいし、図12に示すような水封式真空ポンプ305と循環式給排水装置307とを備えた構造の減圧装置等、所望の減圧作用を発揮する種々の構造の減圧装置を採用することが可能である。
図12に示す減圧装置301は、上述したように水封式真空ポンプ305と循環式給排水装置307と備えており、更に両者の間に給水経路309と排水経路311とが配設されている。
水封式真空ポンプ305は、水蒸気や水滴を含んだ気体の排気等に利用されるポンプで、シリンダに対して偏心して取り付けられる羽根車の回転を利用してシリンダの内壁に封水リングを形成し、該封水リングと羽根車の羽根によって囲まれた空間の容積変化を利用してポンプ作用を行うようにしたものである。
循環式給排水装置307は、支持架台303の内部に上部タンク313と下部タンク315を備えることによって一例として構成されており、上部タンク313には、外部から水を供給するための給水ノズル317と、上部タンク313内の水位を計測するためのボールタップ319と、上部タンク313内の水温を計測するための温度センサ321と、が配置されている。
一方、下部タンク315内には、水中ポンプ323が配置されており、上述した水封式真空ポンプ305から排出され、排出経路311を通って下部タンク315内に溜まった水を汲み上げて上部タンク313に供給できるように構成されている。
尚、上記水中ポンプ323と上部タンク313とを接続する循環経路325の途中には、一例としてモータによって駆動される三方弁327が配置されており、当該三方弁327を適宜切り替えることによって、上記水中ポンプ323によって汲み上げた水を上部タンク313内に供給したり、外部に排水できるように構成されている。
また、上部タンク313内の底部から上述した給水経路309が延びており、該給水経路309の他端が上述した水封式真空ポンプ305に接続されている。更に、上記乾燥室本体5と水封式真空ポンプ305を接続している排出経路235の途中には、外部からエアQを取り込んで経路内の圧力を調整するニードル弁247が配置されている。
(2)マイクロ波減圧乾燥機の具体的構成(図5〜図8及び図11参照)
本発明の特徴的構成として、マイクロ波減圧乾燥機1には、ドリップ受けパン83と排液管路85と、を少なくとも備える排液装置81が備えられている。
ドリップ受けパン83は、浅底の矩形容器状の部材で、乾燥室本体5に設けられる排液口6に向けてドリップRが流れる方向に幾分傾斜した状態で設けられている。ドリップ受けパン83の下端の中央には一例として矩形穴状に形成された開口部84が設けられており、この開口部84と上記排液口6との間には、ドリップ受けパン83に溜まったドリップRを排液口6に導く案内部材87が設けられている。
案内部材87は、図6及び図7に示すように中央底部が低くなった樋状の部材によって一例として構成されており、ドリップ受けパン83の下方に位置する基端部側で高く、排液口6に臨んでいる先端側が低くなる傾斜姿勢で設けられている。
排液管路85は、一端が上下の排液口6、6に接続され、他端が乾燥室本体5の外方に向けて延びる2本の取出し管路89、89と、上記取出し管路89の他端と上記減圧装置301から延びるエア配管93の他端が接続される気液分離管路91と、該気液分離管路91に一端が接続されて延びる排液取出し管路95と、を備えることによって一例として構成されている。
また、上記2本の取出し管路89、89は、上記気液分離管路91の一例として中央部付近にそれぞれ独立して接続されている。尚、2本の取出し管路89、89は、途中で合流させ、最終的に1本の取出し管路89、89になって上記気液分離管路91に接続されていてもよい。
また、エア配管93は、上述した減圧装置301から延びる配管302の先端部に設けられる上下方向Zに延びる分岐管路337に一端が接続され、他端が上記気液分離管路91の一端側に接続されている比較的、径の小さな細径の管路である。
これに対して、気液分離管路91は比較的、径の大きな太径の管路で、その他端側に上記排液取出し管路95が接続されている。排液取出し管路95は、上記気液分離管路91よりも小径の管路で、排液取出し管路95には、上流側に第1開閉弁101、その下流にエアバルブ103、更にその下流に第2開閉弁105が配設されている。
更に、図示の実施の形態では、上記第1開閉弁101を迂回する迂回路115と、上記第2開閉弁105を通らない分岐路117と、が設けられており、これらの迂回路115上と分岐路117上とエアバルブ103の下流位置に手動で操作するコック119が配置されている。
尚、本実施の形態では気液分離管路91を太径の管路にしたことにより、管路内のエアQとドリップRとを明確に分離できることが期待できる。従って、気液分離管路91によってエアQとドリップRを確実に分離できる時には、排液取出し管路95に取り付けた第1開閉弁101と、エアバルブ103と、第2開閉弁105と、を省略したり、排液取出し管路95自体を省略することが可能である。
一方、気液分離管路91によってエアQとドリップRとが確実に分離できない時に効果を発揮するのが排液取出し管路95であり、後述するように第1開閉弁101と、エアバルブ103と、第2開閉弁105と、を切り換えて操作することによってドリップRを円滑に外部に排出することが可能になる。
また、上記気液分離管路91と、排液取出し管路95は、図3に示すように水平に配置したが、ドリップRが流出しやすいように先端側が前下がりになるような勾配を付けることも可能である。
また、乾燥トレイTは、一例として平面視円形で浅底のメッシュ状の樹脂製トレイである。そして、乾燥トレイTは、一例として平面視円環状の回転テーブル97によって下方から支持されており、上記回転テーブル97は所定の方向に回転する一例として4つの支承ローラー99によって回転可能な状態で支承されている。
そして、1つの回転テーブル97に対して4つ設けられる支承ローラー99は上下に2段設けられている。そして、単一の駆動モータ98の回転が動力伝達機構107を介して一例として2本の垂直駆動軸109A、109Bに伝達され、更にこれら2本の垂直駆動軸109A、109Bから2本ずつ計4本の水平伝達軸111に伝達され、これらの終端に設けられる4組2段で計8組のべベルギヤ対113を介して、それぞれ同方向に同速度で回転が伝達されるように構成されている。
駆動モータ98は、乾燥機本体5の天板に設けられている門型のベースフレーム96によって、出力軸が下方に向く方向で取り付けられている。駆動モータ98の出力軸にはカップリング51を介して、第1垂直駆動軸109Aと共に回転する駆動スプロケット53に動力が伝達されるように構成されている。
また、駆動スプロケット53の回転は、チェーン55を介して第2垂直駆動軸109Bと共に回転する従動スプロケット57に動力が伝達されるようになっている。
また、従動スプロケット57の近傍には、チェーン55にテンションを付与する小径のテンションスプロケット59が配設されている。そして、これら駆動スプロケット53、チェーン55、従動スプロケット57及びテンションスプロケット59によって主要となる動力伝達機構107が構成されている。
また、第1垂直駆動軸109Aと第2垂直駆動軸109Bは、乾燥室本体5の天板を貫通するように設けられており、これらの2本の垂直駆動軸109A、109Bと、乾燥室本体5の天板との接続部には、第1チョーク17と第2チョーク19とが向かい合わせになるように、それぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21Bが2組設けられている。
尚、このマイクロ波漏洩防止機構21Bは一例として円板ないし短寸の円筒形状であるが、その基本的構成と原理は上述した開口部3に対して設けたマイクロ波漏洩防止機構21と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
また、2本の垂直駆動軸109と4本の水平伝達軸111間の動力伝達は、4組のべベルギヤ対71によって行っており、これら4組のべベルギヤ対71も動力伝達機構107の要素になっている。
また、支承ローラー99は、回転テーブル97の周方向に沿って回転するように回転軸の方向が回転テーブル97の回転中心に向かう法線方向に設定されている。また、支承ローラー99の外方に位置する基端部にはフランジ部100が形成されており、このフランジ部100に回転テーブル97の周面が当接することで、回転テーブル97の支承ローラー99からの脱落を防止している。
(3)乾燥食品等の製造方法の内容(図11、図14及び図15参照)
本発明の乾燥食品等の製造方法は、乾燥トレイTに原料Aを並べて乾燥室本体5内にセットまたは搬入する乾燥準備工程P1と、乾燥室本体5内セットまたは搬入された原料Aに向けてマイクロ波Mを照射して減圧雰囲気下で原料Aを乾燥させるマイクロ波減圧乾燥工程P2と、を備えることによって基本的に構成されている。
そして、本発明では上記マイクロ波減圧乾燥工程P2において、乾燥の過程で出たドリップRを乾燥室本体5外へ排出しながら原料Aを乾燥するように構成されている。
以下、本発明の乾燥食品等の製造方法の内容を、上記2工程に分けてマイクロ波減圧乾燥機1の作動態様と併せて具体的に説明する。
(A)乾燥準備工程
原料Aとして本実施の形態では、トマトを輪切りにして冷凍したものを使用した。まず、乾燥トレイT上に上記原料Aを並べたものを2枚用意しておく。次に、ハンドル41を握って開閉扉8を開けて乾燥室本体5の開口部3を開放状態にし、上記2枚の乾燥トレイT、Tを上下2段の回転テーブル97、97上にセットする。
続いて、ハンドル41を再び握って開閉扉8を閉め、図示しないロック部材と押さえ部材47を使用して開閉扉8の閉塞状態を確実にし、乾燥室25内の気密性を高める。
(B)マイクロ波減圧乾燥工程
次に、図示しない制御ボックスに備えられている操作ボタン等を操作してマイクロ波照射装置9と減圧装置301と回転テーブル97(駆動モータ98)とを起動して運転状態にする。マイクロ波照射装置9からは、マイクロ波Mが照射され、照射口15を通って乾燥室本体5内の各段の乾燥トレイT上の原料Aに向けてマイクロ波Mによる乾燥が実行される。
同時に減圧装置301が作動を開始し、乾燥室本体5内の雰囲気を所定の減圧雰囲気にして、原料Aの成分に悪影響を及ぼさない低温乾燥を実行する。
また、駆動モータ98が作動を開始すると、駆動モータ98の出力軸の回転はカップリング51を介して第1垂直駆動軸109Aと一体に回転する駆動スプロケット53に伝達され、チェーン55を介して第2垂直駆動軸109Bと一体に回転する従動スプロケット57に伝達される。
そして、これらの2本の垂直駆動軸109A、109Bの回転は、ベベルギヤ対71を介して4本の水平伝達軸111に伝達され、更にベベルギヤ対113を介して終端の8個の支承ローラー99に伝達される。支承ローラー99によって支承されている回転テーブル97は、支承ローラー99との摩擦力によって所定の方向に一定速度で回転するようになり、原料Aの位置による乾燥ムラの無い均一な乾燥を可能にする。
また、乾燥室本体5の開口部3には、ダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21が設けられており、2本の垂直駆動軸109A、109Bと乾燥室本体5の天板との接続部にも、ダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21Bが設けられている。
これにより、乾燥室本体5の開口部3や垂直駆動軸109と乾燥室本体5の天板との接続部からのマイクロ波Mの漏洩が高いレベルで高周波回路的に防止されるようになって、シール構造13や周辺部材のマイクロ波Mの被曝による劣化を低減させることが可能になる。
原料Aにマイクロ波Mが照射されて乾燥が開始されると、原料Aが加熱されて原料AからドリップRが流出してくる。流出したドリップRは、乾燥トレイTの網目を通り、更に回転テーブル97の中央の大きな開口を通って下方のドリップ受けパン83上に落下し溜まって行く。
ドリップ受けパン83上に溜まったドリップRは、ドリップ受けパン83の傾斜に伴って乾燥室本体5の一例として右側板側に位置する下端部に向けて流れて行く。ドリップ受けパン83の下端部に達したドリップRは、中央の開口部84から下方に落下し、その下方に位置する案内部材87に案内されて排液口6に導かれる。
また、上記気液分離管路91も配管302、分岐管路337及びエア配管93を介して減圧装置301と接続されているため、気液分離管路91と、気液分離管路91に接続されている2本の取出し管路89、89の内部も減圧雰囲気になる。
これにより、上記排液口6に達したドリップRは、2本の取出し管路89、89を通って乾燥室本体5の外部に移動して気液分離管路91内に至ることができる。
次に、図15の説明図に基づいて、排液取出し管路95で行われるドリップRの排出の手順を(a)ドリップ貯留工程、(b)ドリップ導入工程、(c)ドリップ排出工程の3つの工程に分けて説明する。
(a)ドリップ貯留工程(図15(a)参照)
ドリップ貯留工程S1は、第1開閉弁101を閉じて減圧雰囲気下で原料Aを乾燥してドリップRを排液取出し管路95の上流位置に溜める工程である。即ち、第1開閉弁101を閉じることにより、気液分離管路91と連通している第1開閉弁101の上流位置までの排液取出し管路95が減圧雰囲気になるため、ドリップRは排液取出し管路95の上流位置に至ることができるようになる。
(b)ドリップ導入工程(図15(b)参照)
ドリップ導入工程S2は、第2開閉弁105を閉じてから第1開閉弁101を開け、ドリップRを減圧雰囲気下で排液取出し管路95内へ導く工程である。この場合も上記ドリップ貯留工程S1と同様、気液分離管路91と連通している第2開閉弁105の上流位置までの排液取出し管路95が減圧雰囲気になるため、ドリップRは第2開閉弁105の上流位置までの排液取出し管路95内に至ることが可能になる。
(c)ドリップ排出工程(図15(c)参照)
ドリップ排出工程S3は、第1開閉弁101を閉じた後、エアバルブ103を開いて排液取出し管路95内を大気圧にし、その後第2開閉弁105を開いてドリップRを外部に排出する工程である。即ち、第1開閉弁101を閉じることによって、第1開閉弁101の上流と下流に空間を区画して乾燥室本体5内の減圧雰囲気を維持した状態で第1開閉弁101と第2開閉弁105との間の空間の気圧を変えることができる状態にする。この状態でエアバルブ103を開けば、第1開閉弁101と第2開閉弁105との間の空間の気圧は大気圧になるので、この状態で第2開閉弁105を開けば、ドリップRを外部に排出することが可能になる。
また、上記ドリップRの排出の動作は、原料A乾燥中、連続的に行ってもよいし、タイマー等で設定して、例えば5分に1回等の間隔で断続的にドリップRの排出動作を行うようにしてもよい。
このように本実施の形態では、従来、原料Aと共に乾燥室本体5内で行っていたドリップRの不要な乾燥を排除し、本来の原料Aの乾燥のみにマイクロ波Mを使用することが可能になる。したがって、乾燥の過程でドリップRの出る冷凍した野菜や果物を原料Aとした場合でも、無駄の無い効率的な乾燥を実現できるようになる。
また、上記効率的な乾燥によりエネルギー損失が小さくなり、乾燥時間を大幅に短縮することができるようになる。具体的には、乾燥トレイTに8kgの冷凍トマトを原料Aとして載置したものを2段分用意し、乾燥室25に入れてマイクロ波減圧乾燥を実行した時、ドリップRを排除しないで乾燥した場合に乾燥時間が110分掛かっていたのに対して、ドリップRを排除しながら乾燥した場合には乾燥時間が65分となり、乾燥時間の大幅な短縮が確認された。
また、800グラムの冷凍トマトを乾燥させた場合の試験結果として、乾燥したトマトの重量が30グラム、流出したドリップRの重量が272グラム、蒸発した水分の重量が498グラムと、なった。このことからもドリップRの量が多いことが分かり、ドリップRを排除しながら乾燥させた方が効率的な乾燥を実現できることが想定される。
そして、乾燥終了時にはドリップRも蒸発しているので、ドリップRを乾燥室本体5外に排出すれば、より効率的な乾燥が実現でき、低温でのマイクロ波減圧乾燥と組み合わせることによって、風味豊かな乾燥食品等Dを安定して効率よく大量に製造できるようになる。
(4)他の実施の形態
本発明のマイクロ波減圧乾燥機及び乾燥食品等の製造方法は、上記の実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、マイクロ波発振装置10の容量や数は、乾燥する原料Aの量や種類あるいは乾燥室本体5の大きさなどの違いに応じて適宜調整でき、乾燥トレイTの大きさも適宜のサイズが採用可能である。
また、乾燥トレイTの形状も、上記実施の形態では浅底の円筒状としたが、他の形状であっても構わない。
また、開閉手段7としては、上記実施の形態では左右方向にスライド可能な開閉扉8を採用したが、ヒンジを中心にして前後に回動して開閉する片開き方式または両開き方式の開閉扉であってもよいし、連続的な乾燥を実現する場合には、開口部3を対向する2面に設けて、ここに自動的に開閉できる開閉シャッター等を開閉手段として配設することも可能である。
また、案内部材87については各段のドリップ受けパン83ごとに必ずしも設けなくてもよく、最下段のドリップ受けパン83に対してのみ設けておき、各段のドリップ受けパン83の開口部84から落下してくるドリップRをまとめて1つの案内部材87で受け止めるようにすることも可能である。
また、支承ローラー99を単なるフリーローラーで構成し、回転テーブル97の周囲にリング状の外歯車を設けて、この外歯車に噛み合うピニオンギヤを単一の駆動モータ98と1本の垂直駆動軸109で駆動する方式の回転テーブル97の駆動装置を適用することも可能である。
この他、支承ローラー99の数は1枚の回転テーブル97に対して4つにする場合に限らず、3つでもよいし5つ以上設けることが可能である。また、セットする乾燥トレイTの段数も2段にする場合に限らず、1段でもよいし、3段以上設けることも可能である。
本発明のマイクロ波減圧乾燥機及び乾燥食品等の製造方法は、冷凍した野菜や果物を原料とする乾燥食品等の製造分野で利用でき、特に効率的な乾燥を実現して乾燥時間の大幅な短縮を図って風味豊かな乾燥食品等を安定して大量に製造したい場合に利用可能性を有する。
1 マイクロ波減圧乾燥機
3 開口部
5 乾燥室本体
6 排液口
7 開閉手段
8 開閉扉
9 マイクロ波照射装置
10 マイクロ波発振装置
11 シール部材
13 シール構造
15 照射口
17 第1チョーク
19 第2チョーク
21 マイクロ波漏洩防止機構
23 支持架台
25 乾燥室
31 外気導入管路
32 制御弁
39 点検窓
41 ハンドル
43 スライドレール
44 スライダー
47 押さえ部材
51 カップリング
53 駆動スプロケット
55 チェーン
57 従動スプロケット
59 テンションスプロケット
61 シール面
63 中間経路
65 遮蔽板
67 先端部
69 基端部
71 ベベルギヤ対
77 照明
79 放射温度計
81 排液装置
83 ドリップ受けパン
84 開口部
85 排液管路
87 案内部材
89 取出し管路
91 気液分離管路
93 エア配管
95 排液取出し管路
96 ベースフレーム
97 回転テーブル
98 駆動モータ
99 支承ローラー
100 フランジ部
101 第1開閉弁
103 エアバルブ
105 第2開閉弁
107 動力伝達機構
109 垂直駆動軸
111 水平伝達軸
113 ベベルギヤ対
115 迂回路
117 分岐路
119 コック
235 排出経路
247 ニードル弁
301 減圧装置
302 配管
303 支持架台
305 水封式真空ポンプ
307 循環式給排水装置
309 給水経路
311 排水経路
313 上部タンク
315 下部タンク
317 給水ノズル
319 ボールタップ
321 温度センサ
323 水中ポンプ
325 循環経路
327 三方弁
337 分岐管路
A 原料
G ギャップ
O 中点
B 接続点
C 接点
L 距離
λ 波長
D 乾燥食品等
P1 乾燥準備工程
P2 マイクロ波減圧乾燥工程
S1 ドリップ貯留工程
S2 ドリップ導入工程
S3 ドリップ排出工程
T 乾燥トレイ
M マイクロ波
Q エア
R ドリップ
X 左右方向
Z 上下方向

Claims (6)

  1. 原料を載置する通液性を有する乾燥トレイと、
    原料を載置した上記乾燥トレイをセットしたり、搬入・搬出する場合の出入り口となる、少なくとも1つの開口部を備えた乾燥室本体と、
    上記開口部に開閉可能な状態に取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内に遮蔽空間を形成する開閉手段と、
    上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される原料に向けてマイクロ波を照射して原料を乾燥させるマイクロ波照射装置と、
    上記乾燥室本体に対して接続され、該乾燥室本体内の雰囲気を減圧雰囲気にする減圧装置と、
    上記乾燥トレイの下方に配置され、乾燥の過程で出たドリップを受けるドリップ受けパンと、該ドリップ受けパンに溜まったドリップを上記乾燥室本体に設けられる排液口から外部に排出する排液管路と、を少なくとも備える排液装置と、を具備し、上記排液管路は、一端が上記排液口に接続され、他端が上記乾燥室本体の外方に向けて延びる取出し管路と、上記取出し管路の他端と上記減圧装置から延びるエア配管の他端が接続される気液分離管路と、上記気液分離管路に一端が接続されて延びる排液取出し管路と、を備えていることを特徴とするマイクロ波減圧乾燥機。
  2. 上記ドリップ受けパンは、上記乾燥室本体に設けられる排液口に向けてドリップが流れる方向に傾斜して設けられており、該ドリップ受けパンの下端に設けられる開口部と上記排液口との間には、ドリップ受けパンに溜まったドリップを排液口に導く案内部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波減圧乾燥機。
  3. 上記排液取出し管路には、上流側に第1開閉弁、その下流にエアバルブ、更にその下流に第2開閉弁が配設されており、
    これら第1開閉弁とエアバルブと第2開閉弁とのそれぞれの開閉状態を適宜切り換えることによって、排液取出し管路に流入したドリップを外部に取り出すようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のマイクロ波減圧乾燥機。
  4. 上記乾燥トレイは、平面視円環状の回転テーブルによって支持されており、
    上記回転テーブルは、所定の方向に回転する複数の支承ローラーによって回転可能な状態で支承されていて、
    上記複数の支承ローラーには、単一の駆動モータの回転が動力伝達機構を介して複数の垂直駆動軸と複数の水平伝達軸とに伝達され、その終端に設けられるベベルギヤ対を介して、それぞれ同方向に同速度で回転が伝達されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のマイクロ波減圧乾燥機。
  5. 上記複数の垂直駆動軸は、上記乾燥室本体の天板を貫通するように設けられており、上記垂直駆動軸と上記乾燥室本体の天板との接続部には、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるように、それぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構が配置されていることを特徴とする請求項記載のマイクロ波減圧乾燥機。
  6. 上記乾燥トレイは、上下方向に複数段設けられており、
    上記マイクロ波照射装置、ドリップ受けパン、排液口、案内部材、取出し管路及び回転テーブルは、各段の乾燥トレイに対応して複数組、配設されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のマイクロ波減圧乾燥機。
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