JP6935216B2 - ルーツ型真空ポンプ - Google Patents

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本発明は、ルーツ型真空ポンプ及びルーツ型真空ポンプの運転方法に関するものである。
ルーツ型真空ポンプは、対向する一対のルーツ型のロータをケーシング内に備え、これらのロータ間およびロータとケーシングとの隙間が微少になるようにクリアランスを設けて構成されている。そして、この一対のロータが同期反転することにより、ロータとケーシングとの間に形成された空間にガスが閉じ込められて吐出口側に移送され、この移送が連続して行われることによりガスの排気が行われている。
このようなルーツ型真空ポンプは、例えば、化学気相成長(CVD)によってウェハに薄膜を成膜する半導体製造装置の真空チャンバから、ガスを排気するために使用されている。この真空チャンバ内は、清浄雰囲気であることが要求されるため、ポンプ内部のガス流路に油を使用しないルーツ型真空ポンプが適している。
ところで、このルーツ型真空ポンプにおいて、真空チャンバから各種の物質を含むガスを圧送する際、例えば、ガスの温度が含まれる物質の沸点や凝固点を下回ると、当該物質が液化あるいは固化し、ポンプ室の内壁やロータ等に固着して、正常な動作が妨げられる場合がある。
このような問題に対し、下記特許文献1には、ポンプ内部に生成物が析出するのを防止するために、ポンプの軸方向に伝熱部材を設けたり、最終段ポンプ室を構成するポンプケーシングの端壁の軸受ハウジング側に中間室を設けたりすることが開示されている。他にも、ポンプケーシングを保温ジャケットやヒータで包囲することが知られている。
特開2012−251470号公報
しかしながら、上記従来技術では、伝熱部材を設けた場所からポンプケーシングを加熱することができるものの、ガスに含まれる物質の種類や濃度、また圧送するガスの温度や流量等の条件により液化や固化の発生条件及び発生場所は異なるため、ガスの液化、固化の対策としては汎用性に乏しいものであった。また、ポンプケーシング全体を加熱する方法は、効率的とは言えなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、汎用性が高く、効率的にガスの液化、固化を防止できるルーツ型真空ポンプ及びルーツ型真空ポンプの運転方法の提供を目的とする。
(1)本発明の一態様に係るルーツ型真空ポンプは、ルーツ型のロータが配置された複数のポンプ室を有し、吸気したガスを前記複数のポンプ室で多段圧縮して排気するルーツ型真空ポンプであって、前記複数のポンプ室のうち、少なくともいずれか一つのポンプ室から排出された圧縮ガスの一部を、当該ポンプ室よりも吸気側に返送する圧縮ガス返送装置を有する。
(2)上記(1)に記載されたルーツ型真空ポンプであって、前記圧縮ガス返送装置は、前記圧縮ガスの返送元のポンプ室の出口側の流路と、前記返送元のポンプ室の入口側の流路、前記返送元のポンプ室よりも吸気側に配置された返送先のポンプ室、及び前記返送先のポンプ室の入口側の流路のうち、少なくともいずれか一つと、を接続する返送流路と、前記返送流路に設けられた流量調整弁と、を有してもよい。
(3)上記(2)に記載されたルーツ型真空ポンプであって、前記圧縮ガス返送装置は、前記ガスの性状に基づいて、前記流量調整弁の開度を調整する制御装置を有してもよい。
(4)上記(3)に記載されたルーツ型真空ポンプであって、前記ガスの性状には、圧力、温度、流量、ガスの種類の少なくとも一つが含まれてもよい。
(5)上記(4)に記載されたルーツ型真空ポンプであって、前記圧縮ガスの返送先のポンプ室の入口側の流路及び出口側の流路の少なくともいずれか一方には、圧力センサ及び温度センサが設けられており、前記制御装置は、前記圧力センサ及び前記温度センサの計測結果に基づいて、前記流量調整弁の開度を調整してもよい。
(6)上記(3)〜(5)に記載されたルーツ型真空ポンプであって、前記返送流路は、複数設けられており、前記圧縮ガス返送装置は、前記ガスの性状に基づいて、前記ガスが固化若しくは液化し得る場所を特定するデータベースを予め記憶している記憶部を有し、前記制御装置は、前記ガスの性状と前記データベースとを照合し、複数の前記返送流路のうち少なくともいずれか一つに設けられた前記流量調整弁の開度を調整してもよい。
(7)本発明の一態様に係るルーツ型真空ポンプの運転方法は、ルーツ型のロータが配置された複数のポンプ室を有し、吸気したガスを前記複数のポンプ室で多段圧縮して排気するルーツ型真空ポンプの運転方法であって、前記複数のポンプ室のうち、少なくともいずれか一つのポンプ室から排出された圧縮ガスの一部を、当該ポンプ室よりも吸気側に返送する。
上記本発明の態様によれば、汎用性が高く、効率的にガスの液化、固化を防止できる。
一実施形態に係るルーツ型真空ポンプ1の縦断面図である。 一実施形態に係る圧縮ガス返送装置70の構成図である。 図2に示す圧縮ガス返送装置70の制御系のブロック図である。 一実施形態の変形例に係るルーツ型真空ポンプ1Aの縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係るルーツ型真空ポンプ1の縦断面図である。
図1に示すように、ルーツ型真空ポンプ1は、真空側に配置されるブースタポンプ2と大気側に配置されるメインポンプ3と、ブースタポンプ2とメインポンプ3とを接続する連絡配管4と、を有する。本実施形態では、メインポンプ3が6段のルーツ型真空ポンプからなり、ブースタポンプ2が単段のルーツ型真空ポンプからなる。
ブースタポンプ2は、ポンプケーシング10と、ポンプケーシング10に支承されたルーツロータ20と、ルーツロータ20を回転させる電動機30と、を有する。ポンプケーシング10は、内部にポンプ室10cを区画形成する略円筒状の本体部11を有する。本体部11には、処理対象の真空チャンバ等から延びる吐出管(図示せず)に接続される吸気口10aと、連絡配管4に接続される排気口10bとが設けられている。
本体部11の両側端には、サイドパネル12が取り付けられている。サイドパネル12には、軸受ハウジング13を介して軸受14が取り付けられている。軸受14は、ルーツロータ20の回転軸22を回転自在に支承している。回転軸22には、タイミングギヤ23が固定されている。サイドパネル12には、軸受14及びタイミングギヤ23を覆うサイドハウジング15が取り付けられている。
上記構成のポンプケーシング10は、本体部11の吸気口10a及び排気口10bを除く領域の外周部が、略円筒状の保温ジャケット16で一体的に包囲されている。また、サイドパネル12には、サイドパネル12の回転軸26の挿通部に窒素ガス等のパージガスを供給して、ポンプ室10c内に流入したプロセスガスが軸受14を通過して流出することを防止するためのパージガス通路12aが形成されている。
ルーツロータ20は、ポンプケーシング10の内部に一対で収容されている(図1では一方のルーツロータ20のみを示している)。一対のルーツロータ20は、ポンプ室10cの内面との間に、また、ルーツロータ20同士の間にわずかな隙間を保持してポンプケーシング10の内部に収容されている。このルーツロータ20は、ポンプ室10cに配置されるロータ21と、ロータ21が固定された回転軸22と、回転軸22に固定されたタイミングギヤ23と、を有する。
ロータ21は、例えば、2葉型のロータである。回転軸22の一方の端部には、電動機30のモータロータ31(永久磁石など)が取り付けられている。タイミングギヤ23は、軸受14よりも軸方向外側に配置され、図示しないもう一方のルーツロータのタイミングギヤと噛み合い、当該一対のルーツロータ20の同期を保つようになっている。
電動機30は、回転軸22に取り付けられたモータロータ31と、モータロータ31を回転させるステータ32と、モータロータ31とステータを隔離するキャン33と、これらモータロータ31、ステータ32及びキャン33を囲うモータケーシング34と、を有する。ステータ32は、モータロータ31に対向するステータコア32aと、ステータコア32aに巻装されたコイル32bと、を有する。
モータケーシング34は、サイドハウジング15の一方に取り付けられている。上記構成の電動機30が回転軸22を回転させると、一対のルーツロータ20のロータ21がタイミングギヤ23によって互いに同期して逆方向の回転し、吸気口10aからポンプ室10cにプロセスガスが導入され、ポンプ室10cにてプロセスガスが圧縮され、その圧縮されたプロセスガス(圧縮ガス)が排気口10bから連絡配管4を介してメインポンプ3に移送される。
メインポンプ3は、ポンプケーシング40と、ポンプケーシング40に支承されたルーツロータ50と、ルーツロータ50を回転させる電動機60と、を有する。ポンプケーシング40は、内部に複数のポンプ室40cを区画形成する略円筒状の本体部41を有する。本体部41には、連絡配管4が接続される吸気口40aと、大気側に開放された排気口40bとが設けられている。
本体部41には、6つのポンプ室40cが形成されている。これら6つのポンプ室40cは、ルーツロータ50の回転軸52が延びる軸方向に間隔をあけて形成されている。吸気口40aに連通する軸方向一端部に配置されたポンプ室40cは、容積が最も大きく、当該ポンプ室40cから軸方向他端部側(排気側)に向かうに従ってポンプ室40cの容積が段階的に小さくなっている。軸方向で隣り合うポンプ室40cの間は、接続流路40dによって接続されている。
本体部41の両側端には、サイドパネル42が取り付けられている。サイドパネル42には、軸受ハウジング43を介して軸受44が取り付けられている。軸受44は、ルーツロータ50の回転軸52を回転自在に支承している。回転軸52には、タイミングギヤ53が固定されている。サイドパネル42には、軸受44及びタイミングギヤ53を覆うサイドハウジング45が取り付けられている。
上記構成のポンプケーシング40は、本体部41の吸気口40a及び排気口40bを除く領域の外周部が、略円筒状の保温ジャケット46で一体的に包囲されている。また、サイドパネル42には、サイドパネル42の回転軸56の挿通部に窒素ガス等のパージガスを供給して、ポンプ室40c内に流入したプロセスガスが軸受44を通過して流出することを防止するためのパージガス通路42aが形成されている。
ルーツロータ50は、ポンプケーシング40の内部に一対で収容されている(図1では一方のルーツロータ50のみを示している)。一対のルーツロータ50は、ポンプ室40cの内面との間に、また、ルーツロータ50同士の間にわずかな隙間を保持してポンプケーシング40の内部に収容されている。このルーツロータ50は、複数のポンプ室40cに配置される複数のロータ51と、複数のロータ51が固定された回転軸52と、回転軸52に固定されたタイミングギヤ53と、を有する。
ロータ51は、例えば、2葉型のロータである。回転軸52の一方の端部には、電動機60のモータロータ61(永久磁石など)が取り付けられている。タイミングギヤ53は、軸受14よりも軸方向外側に配置され、図示しないもう一方のルーツロータのタイミングギヤと噛み合い、当該一対のルーツロータ50の同期を保つようになっている。
電動機60は、回転軸52に取り付けられたモータロータ61と、モータロータ61を回転させるステータ62と、モータロータ61とステータを隔離するキャン63と、これらモータロータ61、ステータ62及びキャン63を囲うモータケーシング64と、を有する。ステータ62は、モータロータ61に対向するステータコア62aと、ステータコア62aに巻装されたコイル62bと、を有する。
モータケーシング64は、サイドハウジング45の一方に取り付けられている。上記構成の電動機60が回転軸52を回転させると、一対のルーツロータ50の複数のロータ51がタイミングギヤ53によって互いに同期して逆方向の回転し、吸気口40aから1段目のポンプ室10cにプロセスガスが導入され、プロセスガスが当該ポンプ室40cから後段側(排気側)のポンプ室40cに順に導入されて多段圧縮され、その圧縮されたプロセスガス(圧縮ガス)が排気口40bから大気に放出される。
続いて、図2及び図3を参照して、上記構成のルーツ型真空ポンプ1に設けられた圧縮ガス返送装置70の構成について説明する。本実施形態の圧縮ガス返送装置70は、図2に示すように、メインポンプ3に設けられている。
図2は、一実施形態に係る圧縮ガス返送装置70の構成図である。図3は、図2に示す圧縮ガス返送装置70の制御系のブロック図である。
図2に示すように、圧縮ガス返送装置70は、ルーツ型のロータ51が配置された複数のポンプ室40cを有し、吸気したガスを複数のポンプ室40cで多段圧縮して排気するメインポンプ3において、当該複数のポンプ室40cのうち、少なくともいずれか一つのポンプ室40cから排出された圧縮ガスの一部を、当該ポンプ室40cよりも吸気側に返送する構成となっている。
この圧縮ガス返送装置70は、圧縮ガスの返送元のポンプ室40cの出口側の流路40e2と、返送元のポンプ室40cの入口側の流路40e1、返送元のポンプ室40cよりも吸気側に配置された返送先のポンプ室40c、及び返送先のポンプ室40cの入口側の流路40e1のうち、少なくともいずれか一つと、を接続する返送流路71と、返送流路71に設けられた流量調整弁72と、を有する。
具体的に、図2に示す範囲(1段目、m段目、最終段の3つのポンプ室40c)で説明すると、排気口40bに連通する最終段のポンプ室40c(以下、ポンプ室40c3と称する)の出口側の流路40e2には、返送流路71aが接続されている。返送流路71aは、3つの流路71a1,71a2,71a3に分岐している。これら3つの流路71a1,71a2,71a3には、それぞれ流量調整弁72a1,72a2,72a3が設けられている。
流路71a1は、返送元のポンプ室40c3の入口側の流路40e1(上流側の接続流路40d)に接続されている。また、流路71a2は、返送元のポンプ室40c3よりも吸気側に配置されたm段目(返送先)のポンプ室40c(以下、ポンプ室40c2と称する)の入口側の流路40e1に接続されている。そして、流路71a3は、ポンプ室40c2よりも吸気側に配置された1段目(返送先)のポンプ室40c(以下、ポンプ室40c1と称する)の入口側の流路40e1に接続されている。
また、m段のポンプ室40c2の出口側の流路40e2には、返送流路71bが接続されている。返送流路71bは、2つの流路71b1,71b2に分岐している。これら2つの流路71b1,71b2には、それぞれ流量調整弁72b1,72b2が設けられている。流路71b1は、返送元のポンプ室40c2の入口側の流路40e1(上流側の接続流路40d)に接続されている。また、流路71b2は、返送元のポンプ室40c2よりも吸気側に配置された1段目(返送先)のポンプ室40c1の入口側の流路40e1に接続されている。
また、1段のポンプ室40c1の出口側の流路40e2には、返送流路71cが接続されている。この返送流路71cには、流量調整弁72cが設けられている。返送流路71cは、返送元のポンプ室40c1の入口側の流路40e1に接続されている。
このように、返送流路71は、ポンプ室40cの設置数(段数)をnとすると、最大でn(n+1)/2個設置できる。なお、返送流路71は、使用頻度を考慮してそれ以下の個数であっても良い。
各ポンプ室40cの入口側の流路40e1には、圧力センサ73P1及び温度センサ74T1が設けられている。また、各ポンプ室40cの出口側の流路40e2には、圧力センサ73P2及び温度センサ74T2が設けられている。なお、本実施形態では、各ポンプ室40cの入口側の流路40e1及び出口側の流路40e2の両方の圧力及び温度を計測可能な構成となっているが、各ポンプ室40cの入口側の流路40e1及び出口側の流路40e2のいずれか一方の圧力及び温度を計測可能とする構成であってもよい。
図3に示すように、圧縮ガス返送装置70は、返送流路71に設けられた流量調整弁72の開度を調整する制御装置75を有している。制御装置75は、メインポンプ3によって圧縮するガスの性状に基づいて、流量調整弁72の開度を調整する。ガスの性状とは、圧力、温度、流量、ガスの種類の少なくとも一つを含む。圧力は、図2に示す圧力センサ73P1,73P2によって計測する。温度は、同じく図2に示す温度センサ74T1,74T2によって計測する。
流量は、例えば、図1に示す電動機60(ルーツロータ50)の回転数(回転指令)から取得する。ガスの種類は、例えば、図3に示す入力部77から取得する。入力部77は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等であって、プロセスガスの種類(例えば、成膜用のガスであるシラン(SiH)及びアンモニア(NH)等)をユーザーが入力可能なものであればよい。圧縮ガス返送装置70は、これらガスの性状の少なくとも一つに基づいて、当該ガスが固化若しくは液化し得る場所(所謂、クールスポット)を特定するデータベースを予め記憶している記憶部76を有する。
このデータベースの一例について説明すると、例えば、記憶部76には、ガスの種類に応じた相図(圧力と温度に関する)データが蓄積されている。制御装置75は、この相図データと、圧力センサ73P1,73P2の計測結果及び温度センサ74T1,74T2の計測結果とを照合し、液相または固相となる条件の場所(例えばポンプ室40c若しくは接続流路40d)を特定する。そして、制御装置75は、当該特定した場所に、適正量の高温の圧縮ガスが、返送流路71を経て流入するように、流量調整弁72の開度を調整するようになっている。すなわち、この例では、制御装置75は、圧力、温度、ガスの種類の3つのガスの性状(流量は一定とする)に基づいて、流量調整弁72を制御するようになっている。
上記構成のルーツ型真空ポンプ1によれば、複数のポンプ室40cのうち、少なくともいずれか一つのポンプ室40cから排出された圧縮ガスの一部を、当該ポンプ室40cよりも吸気側に返送する圧縮ガス返送装置70を有するため、空力加熱によって高温となったポンプ室40cの後段側(排気側)の圧縮ガスを、それよりも前段側(吸気側)の流路に返送流路71で戻し、前段側の低温のガスを必要十分まで加熱することができる。
高温の圧縮ガスは、前段側の流路に直接導入され、ポンプ室40cや接続流路40d自体を直接加熱することができるため、ポンプケーシング40の形状に依存せずに汎用的な加熱が可能であり、また、ポンプケーシング40全体を加熱するよりも効率よく前段側の低温のガスを加熱することができる。これにより、ガスの温度が含まれる物質が沸点や凝固点を下回ることがなくなり、当該物質がポンプ室40cの内壁やロータ51等に固着してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、返送元と返送先とを接続する返送流路71を設け、この返送流路71には流量調整弁72を設けている。返送流路71を単純な管状流路とすると、その抵抗が少ない場合は、高圧の後段側から低圧の前段側に流出する流量が過大となり、メインポンプ3の機能が低下する虞がある。したがって、本実施形態のように、各返送流路71に流量調整弁72を設けることで、各返送流路71を流れる圧縮ガスを必要最小限の流出流量とすることができ、メインポンプ3の機能の低下を抑制できる。
流量調整弁72は、制御装置75からの制御信号により駆動する図示しないアクチュエータを有しており、開度を調整可能とされている。制御装置75は、ガスの性状(圧力、温度、ガスの種類)に基づいて、開くべき流量調整弁72を選択する。本実施形態では、ガスの性状に基づいて、ガスが固化若しくは液化し得る場所を特定するデータベース(ガスの種類に応じた相図データ)を予め記憶している記憶部76を有しており、制御装置75は、取得したガスの性状と当該データベースとを照合し、複数の返送流路71のうち少なくともいずれか一つに設けられた流量調整弁72の開度を調整するようになっている。
この構成によれば、ガスが液化若しくは固化する条件の場所を特定し、その特定した場所に必要最小限の後段側の高温の圧縮ガスを導入することができ、効率的にガスの液化若しくは固化を防止できる。例えば、図2に示す例で、m段目のポンプ室40c2の入口側の流路40e1に設けられた圧力センサ73P1及び温度センサ74T1の計測結果が、データベースの固相若しくは液相の条件に合致した場合は、制御装置75は、流量調整弁72a2及び流量調整弁72b1の少なくともいずれか一方を開く(特定箇所が一箇所の場合は、他の流量調整弁72は閉じる)。これにより、当該入口側の流路40e1またはm段目のポンプ室40c2におけるガスの固化または液化を防止することができる。
このように、上述の本実施形態によれば、ルーツ型のロータ51が配置された複数のポンプ室40cを有し、吸気したガスを複数のポンプ室40cで多段圧縮して排気するルーツ型真空ポンプ1であって、複数のポンプ室40cのうち、少なくともいずれか一つのポンプ室40cから排出された圧縮ガスの一部を、当該ポンプ室40cよりも吸気側に返送する圧縮ガス返送装置70を有する、という構成を採用することによって、汎用性が高く、効率的にガスの液化、固化を防止できるルーツ型真空ポンプ1及びその運転方法を提供できる。
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
例えば、図4に示すような変形例を採用し得る。
図4は、一実施形態の変形例に係るルーツ型真空ポンプ1Aの縦断面図である。
図4に示す圧縮ガス返送装置70Aは、メインポンプ3の中の特定の圧縮段に接続された返送流路71を有する。返送流路71は、回転軸52の軸方向に沿って延びる熱輸送用のヘッダー管71Aを有し、ヘッダー管71Aからクールスポットが発生し得る段にのみ枝管71B1,71B2が延びている。
枝管71B1は、1段目のポンプ室40cと2段目のポンプ室40cとを接続する接続流路40dに接続されている。また、枝管71B2は、2段目のポンプ室40cに直接接続されている。このように、返送流路71の接続場所を限定することで、返送流路71の配管の設置作業が容易になる。また、この例の返送流路71は、1段目のポンプ室40c及びその吸気側を除いた箇所に接続されているため、返送ガスによる図示しない真空チャンバへの直接的な汚染の懸念がない。また、枝管71B2は、ポンプ室40cに直接接続されているため、固化物発生のリスクの高い箇所(ポンプ室40c)を直接加熱できる。
また、上記実施形態では、データベースとしてガスの種類に応じた相図(圧力と温度に関する)データを例示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、一種類のガスが状態線図上の固体と液体の相の境界線上を行き来して固化するのではなく、複数の物質の化学反応によって固体が生じる場合には、化学反応を考慮した熱流体数値解析に基づくデータベースを使用してもよい。例えば、熱流体数値解析ソフトを使用し、化学反応を考慮しつつ、実運用の前に固化発生危険個所(クールスポット発生場所)、および危険条件(圧力、温度、流量等)を特定し、これを記憶部76に事前に記憶しておき、このデータベースに基づき、流量調整弁72の開度を最適化する構成であってもよい。
また、実際の装置の各段に温度や圧力のセンサを設けることはコスト的にも難しい場合があるため、例えば、ある回転数でルーツロータ50を回転させている時にガスがメインポンプ3に流入し、それを排気するときの温度変化挙動を前もって熱流体数値解析によって予測しておき、それを基に流量調整弁72の開度を事前にプログラム(レシピ)化しておいてもよい。
あるいは、各段に温度や圧力のセンサは設けておき、流量調整弁72を開けるか否かの条件について、化学反応を考慮した熱流体数値解析ソフトによって、実運用の前に固化発生危険個所、および危険条件(圧力、温度、流量等)を特定しておき、その条件になった時に流量調整弁72を開けて固化発生を回避してもよい。この場合は、どの程度流量調整弁72を開ければ固化を回避できるかも事前にシュミレーションすることが好ましい。
1…ルーツ型真空ポンプ、40c…ポンプ室、40e1…入口側の流路、40e2…出口側の流路、51…ロータ、70…圧縮ガス返送装置、71…返送流路、72…流量調整弁、75…制御装置、76…記憶部

Claims (6)

  1. ルーツ型のロータが配置された複数のポンプ室を有し、吸気したガスを前記複数のポンプ室で多段圧縮して排気するルーツ型真空ポンプであって、
    前記複数のポンプ室のうち、少なくともいずれか一つのポンプ室から排出された圧縮ガスの一部を、当該ポンプ室よりも吸気側の流路またはポンプ室に返送する圧縮ガス返送装置を有し、
    前記圧縮ガス返送装置は、
    前記圧縮ガスの返送元のポンプ室の出口側の流路と、前記返送元のポンプ室の入口側の流路、前記返送元のポンプ室よりも吸気側に配置された返送先のポンプ室、及び前記返送先のポンプ室の入口側の流路のうち、少なくともいずれか一つと、を接続する返送流路と、
    前記返送流路に設けられた流量調整弁と、を有し、
    前記返送流路は、前記複数のポンプ室のそれぞれを前記圧縮ガスの返送元とするように複数設置されている、ことを特徴とするルーツ型真空ポンプ。
  2. 前記返送流路は、前記ポンプ室の設置数をnとすると、n(n+1)/2個以下の個数で設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のルーツ型真空ポンプ。
  3. 前記圧縮ガス返送装置は、前記ガスの性状に基づいて、前記流量調整弁の開度を調整する制御装置を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のルーツ型真空ポンプ。
  4. 前記ガスの性状には、圧力、温度、流量、ガスの種類の少なくとも一つが含まれる、ことを特徴とする請求項3に記載のルーツ型真空ポンプ。
  5. 前記圧縮ガスの返送先のポンプ室の入口側の流路及び出口側の流路の少なくともいずれか一方には、圧力センサ及び温度センサが設けられており、
    前記制御装置は、前記圧力センサ及び前記温度センサの計測結果に基づいて、前記流量調整弁の開度を調整する、ことを特徴とする請求項3または4に記載のルーツ型真空ポンプ。
  6. 前記返送流路は、複数設けられており、
    前記圧縮ガス返送装置は、前記ガスの性状に基づいて、前記ガスが固化若しくは液化し得る場所を特定するデータベースを予め記憶している記憶部を有し、
    前記制御装置は、前記ガスの性状と前記データベースとを照合し、複数の前記返送流路のうち少なくともいずれか一つに設けられた前記流量調整弁の開度を調整する、ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のルーツ型真空ポンプ。
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