以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における、POS(Point Of Sales)システムにおける会計処理の流れを示すイメージ図である。図1には、登録装置20a、20b、精算装置30a、30b、30c、30d、及びサッカ台40が示されている。以下、登録装置20a、20bの夫々を特に区別しない場合には任意の1台を登録装置20と称する。また、精算装置30a、30b、30c、30dの夫々を特に区別しない場合には任意の1台を精算装置30と称する。
登録装置20は、購入対象の商品を登録する。具体的に、登録装置20は、顧客が購入する商品に付されたバーコードを、店員の操作によりスキャンして、購入対象の商品を登録する。また、登録装置20は、会員カードから会員情報を取得することもできる。会員カードには、クレジット機能を有する会員カード(以下、「クレカ付き会員カード」という)、クレジット機能を有しない会員カード(以下、「クレカなし会員カード」という)の2種類のカードがある。
顧客が購入する全ての商品について商品登録が完了した場合、店員は登録装置20で精算装置30を指定する。そして、店員は、指定した精算装置で会計を行うように顧客に伝える。本実施形態では、登録装置20は、精算装置30のうちのいずれかを指定可能となっているが、登録装置20aは、原則として精算装置30aを指定する。登録装置20bは、原則として精算装置30bを指定する。精算装置30c、30dは、登録装置20の共用の精算装置である。例えば精算装置30a、30bが使用されている場合などに、精算装置30c、30dが指定される。
顧客は、指定された精算装置30において、顧客自身が、精算装置30の操作ボタンを操作することで、買上金額を精算する。このように、精算装置30は、登録装置20により登録された購入対象商品についての精算処理を行う。精算処理を行った顧客は、サッカ台40にて商品を袋詰めする。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
これにより、店員は、商品登録を行うが、買上金額の精算を行わないので、効率よく短時間に会計処理を行うことができる。また、顧客が購入する商品の登録については店員が行うので、店員は、商品登録の改ざんが起こらないよう、セキュリティ面における監視役としての役割も果たすことができる。
なお、登録装置20の設置台数と精算装置30の設置台数とが一致していてもよいし、図1に示されるように、異なっていてもよい。例えば、精算装置30における処理時間は、操作ボタンが操作されることで会計を行うだけの短い処理時間となることから、精算装置30の設置台数を少なくしてもよい。
精算装置30の設置台数を削減して、精算装置30が設置される面積を削減すれば、削減した面積を売り場面積として有効活用させることができる。また、仮に、登録装置20及び精算装置30の少なくとも一方の台数を削減した場合、従来のPOSシステムと比べると、会計処理にかかる時間を大幅に短縮することができるので、会計処理を待つ顧客の待ち行列を解消させることができる。
次に、図1における登録装置20と精算装置30の設置位置について説明する。精算装置30aは、精算装置30aに設けられた表示部に表示された内容が登録装置20aにて商品登録中の顧客から見える位置に配置されている。同様に、精算装置30bは、精算装置30bに設けられた表示部に表示された内容が登録装置20bにて商品の登録中の顧客から見える位置に配置されている。
さらに、精算装置30aで精算を終えた顧客がサッカ台40に向かう際に、精算装置30cの表示部に表示された内容を見ることができるように精算装置30cが配置されている。同様に、精算装置30bで精算を終えた顧客がサッカ台40に向かう際に、精算装置30dの表示部に表示された内容を見ることができるように精算装置30dが配置されている。
なお、1客あたりの登録商品数が多い店では、2台の精算装置30c、30dのうちの、いずれか1台だけ設けるようにしてもよい(2台の登録装置20a、20bに対し3台の精算装置)。
次に、POSシステムの各構成について説明する。図2は、本実施形態における、POSシステムの構成図である。なお、図1では、2台の登録装置20と4台の精算装置30を示したが、図2の構成は、一般的なPOSシステムの構成を示しており、図1の構成は、図2に示される構成の一例である。
図2に示すように、POSシステム1は、ストアコントローラ10と、N台(Nは2以上の整数)の登録装置20と、M台(Mは1以上の整数)の精算装置30とを含んで構成され、LAN(Local Area Network)11により接続されている。
ストアコントローラ10は、POSシステム1を制御するコンピュータであり、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ10は、登録装置20及び各精算装置30に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。ストアコントローラ10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、CD−ROM等の媒体)から取得し、登録装置20及び各精算装置30に適宜送信する。また、ストアコントローラ10は、後述する販促情報データベース(以下、「販促情報DB」という)を精算装置30に送信する。
登録装置20は、購入対象の商品を登録する登録処理を実行する。商品の登録は、例えば、スキャナを用いて、商品に付されているバーコードを読み取るか、登録画面上に表示されたプリセットボタン等を操作することにより行われる。また、登録装置20は、登録された商品に関する情報(以下、「登録データ」という)を生成し、記憶する。
登録データは、当該登録データを識別するための登録データ識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、登録データは、当該登録データを生成した登録装置20(すなわち、当該登録データに係る商品を登録した登録装置20)を識別するための登録装置識別情報を更に含むものであってもよい。登録データは、精算装置30において精算処理に用いられる。
本実施形態では、上述したように、店員が登録装置20を操作して一の精算装置30を指定することによって、複数台の精算装置30のなかから精算処理を実行させる一の精算装置30を決定する。なお、登録装置20において、夫々の精算装置30の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置20において、店員が、一の精算装置30を指定する際に、夫々の精算装置30の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
店員が一の精算装置30を指定した場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された登録データが、店員が指定した精算装置30に送信される。すなわち、登録装置20は、登録処理に続いて一の精算装置30が指定された場合には、指定された精算装置30に対し、当該登録処理に基づく登録データを送信する。なお、本実施形態では、登録装置20は、直接、精算装置30に登録データを送信するが、ストアコントローラ10を経由して、精算装置30に登録データを送信してもよい。
精算装置30は、顧客の操作により精算処理を実行する。また、精算装置30は、精算処理を終了した場合には、登録装置20に、精算処理の終了を通知する。さらに、精算装置30は、登録装置20に入力された入力情報に応じた販促情報を出力する。
登録装置20は、上記登録データの他に、精算装置30に販促情報を出力させるための出力指示情報を送信する。本実施形態において、登録装置20は、出力指示情報として購買関連情報を送信する。本実施形態における購買関連情報は、登録された商品に関する情報(商品識別情報)、会員情報、及び客層情報である。本実施形態では、登録された商品に関する情報として上述した商品識別情報を用いている。商品識別情報は、バーコードのスキャン時、またはプリセットボタンの入力時に取得される。
会員情報とは、顧客が会員カードを持っている場合に、その会員カードがクレカ付き会員カードか、クレカなし会員カードかを示す情報である。会員情報は、会員カードを読み取り時に取得される。客層情報は、顧客の性別、及び年代を示す情報であり、本実施形態では、年代は5つに区分けされている。客層情報は、店員により入力されたときか、会員カードから、顧客の性別、及び年代が取得可能な場合には、会員カードを読み取り時に取得される。このように、登録された商品に関する情報(商品識別情報)、会員情報、及び客層情報は、いずれも登録装置20に入力された入力情報である。
これらの購買関連情報は、取得時に精算装置30に送信される。例えば、商品識別情報は、商品が登録されるたびに精算装置30に送信される。会員情報は、会員カードを読み取ることにより、会員情報が取得されると精算装置30に送信される。客層情報は、店員により入力されたときに精算装置30に送信される。会員カードの読み取りと、客層情報の入力は、商品の登録前から精算装置30を指定するまでの期間であれば、いつでも可能である。従って、購買関連情報は、商品の登録前から精算装置30を指定するまでの期間に送信されることとなる。
また、登録装置20において、購買関連情報を送信する精算装置30は、デフォルトで定められており、登録装置20の記憶装置に記憶されている。例えば、登録装置20aの送信先は、精算装置30aがデフォルトで定められており、登録装置20bの送信先は、精算装置30bがデフォルトで定められている。
図3は、本実施形態における、登録装置20の構成を示すブロック図である。登録装置20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部204と、表示部(店員用)205と、表示部(客用)205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、レシート印刷手段209と、ハードディスク210と、カードリーダ211とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムを予め記憶する。CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録装置20の動作を制御する。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。RAM203は、随時読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、スキャナ部204によって読み取られたバーコードに基づく商品識別情報などを記憶する。また、例えば、RAM203は、操作ボタンが操作された履歴を記憶してもよい。
表示部(店員用)205及び表示部(客用)205aは、種々の情報を表示する。例えば、表示部(店員用)205及び表示部(客用)205aは、商品マスタから取得した情報(例えば、商品の名称、価格等)を表示する。また、表示部(店員用)205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員に対する種々の情報を表示する。さらに、表示部(店員用)205は、画面内の領域に表示された操作ボタン(プリセットボタン)が操作されることにより、予め設定登録された商品識別情報について、操作入力を受け付ける。
操作部206は、登録装置20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、品券キー、客層キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品識別情報について、操作入力を受け付ける。
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。なお、例えば、CD−ROMなどの記憶媒体を介してRAM203に最新の商品マスタを記憶させるなどすることも可能である。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。レシート印刷手段209は、登録装置品券レポート(理論値レポート)等を出力する。ハードディスク210は、RAM203が一時的に記憶する顧客の買上内容及び順番情報を記憶する。
カードリーダ211は、RFID、ICカード、及び磁気カードなどから情報を読み取る。本実施形態において、カードリーダ211はクレカ付き会員カード、及びクレカなし会員カードから会員情報を読み取る。
図4は、本実施形態における、精算装置30の外観構成を示す正面図である。図5は、本実施形態における、精算装置30の構成を示すブロック図である。精算装置30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済端末310〜312と、サインポール313、ハードディスク314、とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
なお、精算装置30は、電源投入後の起動時に、バスを介してスキャナ部304、決済端末310〜312等が動作可能であるかを確認するための通信を各装置と行ない、動作可能であるか否かの情報をRAM303に記憶する。
スキャナ部304は、登録装置20により精算用レシート40に出力された精算用コード、或いは商品に付されているバーコードを光学的に読み取る。
RAM303は、種々の情報を記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。例えば、RAM303は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ、及びスキャナ部304によって読み取られた精算用コードによって特定される取引データなどを記憶する。また、RAM303は、一取引における会計に関するデータである会計データを記憶する。ハードディスク314は、上述した販促情報データベース等を記憶する記憶部である。
決済端末(釣銭釣札機)310は、会計(商品の買上金額の精算)において、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。
決済端末311は、会計において、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果を、ポート及びバスを介してCPU301に出力する。
決済端末312は、会計において、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果を、バスを介してCPU301に出力する。
表示部305は、CPU301からの制御に応じて、種々の情報を画面に表示する。また、表示部305は、画面に表示した操作ボタンが操作された履歴(例えば、操作回数、操作順など)を、操作ボタン毎にRAM303に記憶させる。
ROM302は、プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。CPU301は、中央演算処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置30の動作を制御する。
操作部306は、精算装置30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。例えば、ストアコントローラ10と接続して、ストアコントローラ10から最新の商品マスタを取得する。なお、例えば、CD−ROMなどの記憶媒体を介してRAM303に最新の商品マスタを記憶させるなどすれば、通信部307は、ストアコントローラ10に必ずしも接続されていなくてよい。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。印刷部309は、会計(商品の買上金額の精算)が終了した場合、顧客が持ち帰る会計済みレシートを出力する。また、印刷部309は、後述する精算装置品券レポート(精算装置レポート)を出力する。サインポール313は、精算装置30が操作可能である旨を報知する。
図6は、販促情報DBを示す図である。図6(a)は、購買関連情報が商品識別情報の場合の販促情報DBを示す図である。図6(b)は、購買関連情報が商品識別情報以外の場合の販促情報DBを示す図である。いずれの販促情報DBにおいても、購買関連情報に応じた販促情報は表示部305に表示するための販促画像となっている。
まず、図6(a)の販促情報DBについて説明する。商品識別情報は、上述したようにJANコードまたはインストアマーキングが示すコードであるので、「49」や「26」から始まるコードである。なお、販促情報DBに示されている商品識別情報は、全ての商品分の商品識別情報を用意してもよいし、一部の商品の商品識別情報のみを用意してもよい。
次に、図6(b)の販促情報DBについて説明する。商品識別情報以外の購買関連情報には、上述したように会員情報と客層情報とがある。会員情報には、クレカなしを示す情報とクレカ付きを示す情報とがある。客層情報には、男女それぞれに5つに区分けされた年齢層を示す情報がある。
精算装置30は、登録装置から図6に示す購買関連情報を受信すると、受信した購買関連情報をハードディスク314に記憶された販促情報DBで検索し、購買関連情報に応じた販促情報がハードディスク314に記憶されている場合に、表示部305に販促情報を出力することで表示する。
図7は、販促画像の一例を示す図である。図7(a)は、購買関連情報が商品識別情報(酎ハイのJANコード)の場合の販促画像例を示す図である。登録された商品は酎ハイであったため、販促画像は、酎ハイの新製品の購入を促す画像である。図7(b)は、購買関連情報が客層情報(男性年齢層3)の場合の販促画像例を示す図である。客層情報が男性年齢層3(中年)を示していたため、販促画像は、中年男性をターゲットとしている商品の購入を促す画像である。
図7(c)は、購買関連情報が会員情報(クレカ付き)の場合の販促画像例を示す図である。会員情報がクレカ付きのため、販促画像は、会員限定の特売を知らせる画像である。図7(d)は、購買関連情報が会員情報(クレカなし)の場合の販促画像例を示す図である。会員情報がクレカなしのため、販促画像は、クレジットカードに代えることによる特典を知らせる画像である。
商品の登録中、精算装置30には、これらの販促画像が表示され、商品の登録が終わり、精算処理が可能になると、販促画像とともに精算処理を開始することが可能であること示す精算開始ボタン報が表示される。顧客は、操作部306に設けられた精算開始ボタンに押下することで、販促情報は消去され、精算画面が表示される。
図8は登録画面の一例である。図8に例示した登録画面は、商品を登録するときに表示される画面である。画面左上は、今(最後に)登録した商品の商品名や販売価格を表示する領域である。図8に例示した登録画面においては、商品名「卵(M)」、内税売「¥180」が表示されている。画面左下(左中央)は、当該客(一取引)について登録した商品について一欄表示する領域である。図8に例示した登録画面においては、缶ビール、アスパラ、卵(M)が夫々の販売価格とともに表示されている。画面右上は、当該客について現在の登録迄の合計を表示する領域である。図8に例示した登録画面においては、合計の買上点数として「3」、合計の買上金額として「¥563」が表示されている。画面右下(右中央)は、プリセットボタンを配置する領域である。図8に例示した登録画面においてはタブ「野菜」におけるプリセットボタン「きゅうり」「にんじん」などが配置されている。
また、登録画面には、店員用操作部108の小計ボタンに対応する小計ボタン220、及び精算装置指定ボタンA、B、Cが配置されている。小計ボタン220は、商品の登録完了がなされたときに押下されるボタンである。
精算装置指定ボタンA、B、Cに示される「101レジ」「102レジ」「103レジ」は、夫々が、POSシステム1に属する何れかの精算装置30に付された名称である。本実施形態において、「101レジ」は精算装置30aに対応し、「102レジ」は精算装置30cに対応し、「103レジ」は精算装置30dに対応する。精算装置指定ボタンA、B、Cは、小計ボタン220押下前と押下後とで、押下されたときに行われる制御が異なる。
小計ボタン220押下前の精算装置指定ボタンA、B、Cは、商品関連情報の送信先を指定するためのボタンである。例えば、登録装置20aが商品関連情報を精算装置30aに送信しているときに、精算装置指定ボタンBが押下され場合には、商品関連情報の送信先は精算装置30bとなる。このように、小計ボタン220押下前の精算装置指定ボタンA、B、Cが押下された場合には、登録装置20は、指定された精算装置30を送信先とするレジ指定情報を取得し、以降は指定された精算装置30に購買関連情報が送信される。
精算装置指定ボタンには、精算装置指定ボタンに対応する精算装置30において販促情報が表示中である場合には、その旨を示す表示中バッジが表示される。図8の場合、精算装置指定ボタンAに表示中バッジ221が表示されているので、精算装置30aにおいて販促情報が表示されていることを店員は認識することができる。
次に、小計ボタン220押下後の精算装置指定ボタンA、B、Cについて説明する。小計ボタン220押下後の精算装置指定ボタンA、B、Cは、取引の精算処理を実行させる精算装置30を指定するためのボタンである。従って、小計ボタン220の押下操作後に、店員は、当該取引の精算処理を「101レジ」にて実行させるようとするときは精算装置指定ボタン「101レジ」を押下し、当該取引の精算処理を「102レジ」にて実行させるようとするときは精算装置指定ボタン「102レジ」を押下し、当該取引の精算処理を「103レジ」にて実行させるようとするときは精算装置指定ボタン「103レジ」を押下する。即ち、精算装置指定ボタンによって精算処理を実行させる精算装置30が指定される。
図9は小計画面の一例である。図9に例示した小計画面は、当該客(一取引)について商品の登録を完了しようとするときに表示される画面である。例えば、小計画面は、登録画面の表示中に小計ボタン220が押下された場合に表示される。画面左側は、当該客(一取引)について登録した商品について一欄表示する領域である。図9に例示した小計画面においては、缶ビール、アスパラ、卵(M)が夫々の販売価格とともに表示されている。画面右側は、当該客の合計を表示する領域である。図9に例示した小計画面においては、合計の買上点数として「3」、合計の買上金額として「¥563」が表示されている。
画面下部の符号Dは、お会計券発行ボタンである。お会計券(登録商標)とは、顧客に手渡しされる精算処理用の媒体であり、お会計券を読み取った精算装置30で精算処理を行う場合に用いられる。本実施形態では、精算処理を行う精算装置30は指定されるため、お会計券を発行しなくてもよい。
画面下部の符号Eは、登録画面ボタンである。店員は、当該取引として商品を登録するときは登録画面ボタンを押下する。例えば、客Aに対する小計画面を表示しているときに客Aが購入する商品として商品Xを登録するときには、店員は、一旦、小計画面から抜けて登録画面に戻すために登録画面ボタンを押下する。即ち、登録画面ボタンが押下された場合には登録画面が表示される。なお、店員用操作部108として登録画面ボタンに相当するキー(登録画面キー)が存在する場合には、当該登録画面キーの押下によって登録画面が表示されるようにしてもよい。なお、小計画面には、図8と同様に、小計ボタン220が配置されている。既に小計ボタン220が押下されているため、小計ボタン220は無効化される。
図10、図11は、登録処理の一例を示すフローチャートである。登録装置20は、商品識別情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。商品識別情報は、顧客が購入する商品に付されたバーコードをスキャンするか、プリセットボタンが押下されることにより取得される。商品識別情報を取得した場合には(ステップS101:YES)、登録装置20は、商品を登録し(ステップS102)、商品識別情報を精算装置30に送信する(ステップS103)。このステップS103において、登録装置20は、RAM203を参照して送信先を取得する。次いで、登録装置20は、小計ボタン220(図8参照)が押下されたか否かを判定する(ステップS104)。小計ボタン220が押下された場合には(ステップS104:YES)、図11のステップS113に進む。小計ボタン220が押下されていない場合には(ステップS104:NO)、再びステップS101に戻る。
ステップS101において、商品識別情報を取得していない場合には(ステップS101:NO)、登録装置20は、客層情報を取得したか否かを判定する(ステップS105)。客層情報を取得した場合には(ステップS105:YES)、登録装置20は、客層情報を精算装置30に送信し(ステップS106)、上記ステップS104に進む。客層情報を取得していない場合には(ステップS105:NO)、レジ指定情報を取得したか否かを判定する(ステップS107)。レジ指定情報を取得した場合には(ステップS107:YES)、登録装置20は、RAM203に記憶されている送信先を更新し(ステップS108)、上記ステップS104に進む。
レジ指定情報を取得していない場合には(ステップS107:NO)、登録装置20は、会員情報を取得したか否かを判定する(ステップS109)。会員情報を取得していない場合には(ステップS109:NO)、上記ステップS104に進む。会員情報を取得した場合には(ステップS109:YES)、登録装置20は、取得した会員情報がクレカ付きか否かを判定する(ステップS110)。取得した会員情報がクレカ付きの場合には(ステップS110:YES)、登録装置20は、会員情報(クレカ付き)を精算装置30に送信し(ステップS111)、上記ステップS104に進む。取得した会員情報がクレカ付きではない場合には(ステップS110:NO)、登録装置20は、会員情報(クレカなし)を精算装置30に送信し(ステップS112)、上記ステップS104に進む。
上記ステップS104において、小計ボタン220が押下された場合には(ステップS104:YES)、図11のステップS113において、登録装置20は、表示部(店員用)205に小計画面を表示する(ステップS113)。次いで、登録装置20は、登録画面ボタン(図9参照)が押下されたか否かを判定する(ステップS114)。登録画面ボタンが押下された場合には(ステップS114:YES)、図10のステップS104に進む。登録画面ボタンが押下されていない場合には(ステップS114:NO)、精算装置指定ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS115)。
精算装置指定ボタンが押下された場合には(ステップS115:YES)、登録装置20は、指定された精算装置30に登録データを送信する(ステップS116)。次いで、登録装置20は、表示部(店員用)205に不図示の送信確認画面を表示する(ステップS117)。送信確認画面とは、登録情報を精算装置30が受信したことを示す画面である。次いで、登録装置20は、RAM203に記憶されている送信先をデフォルトの送信先に戻す(ステップS108)。その後、登録装置20は、表示部(店員用)205に登録画面(図8参照)を表示して(ステップS119)、本処理を終了する。
図10に示されるように、登録装置20は、購買関連情報を取得し(ステップS101、105、109でYES)、取得された購買関連情報を精算装置30に送信する(ステップS103、106、111、112)。
図12は、販促情報表示処理の一例を示すフローチャートである。精算装置30は、登録装置20から購買関連情報を受信したか否かを判定する(ステップS201)。購買関連情報を受信した場合には(ステップS201:YES)、精算装置30は、ハードディスク314に記憶されている販促情報データベース(図6参照)で、購買関連情報に応じた販促情報を検索する(ステップS202)。精算装置30は、購買関連情報に応じた販促情報が検索されたか否かを判定する(ステップS203)。販促情報が検索されなかった場合には(ステップS203:NO)、ステップS201に進む。販促情報が検索された場合には(ステップS203:YES)、精算装置30は、表示部305に販促情報を表示して(ステップS204)、ステップS201に進む。このように、精算装置30は、登録装置20により登録された商品に関する情報を含む購買関連情報に応じた販促情報を表示部305に出力することで販促情報を表示する。
ステップS201において、購買関連情報を受信していない場合には(ステップS201:NO)、登録データを受信したか否かを判定する(ステップS205)。登録データを受信していない場合には(ステップS205:NO)、ステップS201に進む。登録データを受信した場合には(ステップS205:YES)、精算装置30は、販促画面の表示を終了する(ステップS206)。その後、精算画面が表示される。
図13は、精算装置が表示する精算画面(支払い方法を選択させる画面)の例を示した図である。精算装置30は、登録データを読み出した場合、図13に示すように、支払い方法を選択させる画面を表示する。図示する例では、支払い方法を選択させるための画面には、買上金額、操作キー「現金」、「クレジット」、及び「電子マネーA」〜「電子マネーD」等が表示されている。
図13に示した支払い方法を選択させるための画面において、支払い方法として「現金」が選択された場合、精算装置30は、預り金額等を表示する画面を表示する。図14は、精算装置が表示する精算画面(預かり金額等を表示する画面)を示した図である。図示する例では、決済端末310の位置を示すガイダンス「硬貨」、及び決済端末312の位置を示すガイダンス「紙幣」が点滅する画像と、模擬紙幣が決済端末312に投入される画像と。お買上金額と、お預り金額とが表示されている。これにより、顧客は、決済端末312の位置を容易に把握することができる。また、顧客は、お買い上げ金額と、お預り金額とを把握することができる。
図12に示した画面を表示しているときに、顧客により現金が投入されると、精算装置30は精算処理を行い、精算処理が完了したときには処理を終了する。なお、図13に示した支払い方法を選択させるための画面において、支払い方法として「現金」以外が選択された場合においても、精算装置30は、支払い方法として「現金」が選択された場合と同様に、精算処理を行う。なお、精算装置30が表示する精算画面は、図13や図14に示した例に限らず、どのような画面であってもよい。また、支払い方法が現金のみの場合(登録装置において、支払方法が現金によることが指定された場合も含む)には、図13を表示せず、直ちに図14を表示するようにしてもよい。
なお、登録データ受信後にも販促画面を表示し続け、販促画面の表示を終了する契機が到来したときに精算画面を表示するようにしてもよい。上記契機として、販促画面に精算を開始するためのボタン(精算ボタン、支払方法選択ボタン等)を設け、そのボタンが選択されたことが挙げられる。また、精算が現金のみの場合には、紙幣や硬貨が精算装置に投入されたことも契機として挙げられる。さらに、お会計券が精算装置に読み込まれたことや、精算装置に顧客が接近したことを人感センサ等によって検知したことも契機として挙げられる。
次に、登録装置20と精算装置30との配置について、図1に示した配置以外の3つの変形例について説明する。なお、以下に説明する配置変形例において、登録装置は、精算処理が行われていない精算装置の一部または全部に販促情報を表示させることができる。さらに、登録装置20は、販促情報を表示させる精算装置の優先順位を設定できる。
(配置変形例1)
図15は、配置変形例1における配置を示す図である。図15には、1レーンあたりの精算装置を2台並列配置し、そうしたレーンを複数列並列配置されていることが示されている。各レーンにおける2台の精算装置は向きが同じくなるように配置される。Aレーンにおける精算装置A2、A3の向きとBレーンおける精算装置B2、B3の向きは同じ左向きである。一方、Cレーンにおける精算装置C2、C3の向きは右向きであり、Dレーンおける精算装置C2、C3の向きは左向きである。従って、CレーンとDレーンの精算装置は対向して配置されている。
Aレーンにおいて、登録装置A1は、精算装置A2、A3に販促情報を表示させることが可能である。Bレーンにおいて、登録装置B1は、精算装置B2、B3に販促情報を表示させることが可能である。また、Aレーンにおいて、登録装置A1は、精算装置A2、A3のいずれかに登録データを送信する。Bレーンにおいて、登録装置B1は、精算装置B2、B3のいずれかに登録データを送信する。従って、顧客A4、B4が精算を行う精算装置とは異なる精算装置の他に1台の精算装置に販促情報を表示させることができる。
次にCレーン及びDレーンについて説明する。Cレーンにおいて、登録装置C1は、精算装置C2、C3、D2、D3に販促情報を表示させることが可能である。Dレーンにおいて、登録装置D1は、精算装置C2、C3、D2、D3に販促情報を表示させることが可能である。また、Cレーンにおいて、登録装置C1は、精算装置C2、C3のいずれかに登録データを送信する。Dレーンにおいて、登録装置D1は、精算装置D2、D3のいずれかに登録データを送信する。Cレーン及びDレーンでは、顧客C4、D4が精算を行う精算装置とは異なる精算装置の他に3台の精算装置に販促情報を表示させることができる。
配置変形例1において、優先順位を設定する場合の設定例として、Aレーンの場合の優先順位は、優先順位の高い順に、精算装置A2、A3が挙げられる。Bレーンの場合の優先順位は、優先順位の高い順に、精算装置B2、B3が挙げられる。Cレーンの場合の優先順位は、優先順位の高い順に、精算装置C2、D2、C3、D3が挙げられる。Dレーンの場合の優先順位は、優先順位の高い順に、精算装置D2、C2、D3、C3が挙げられる。
(配置変形例2)
図16は、配置変形例2における配置を示す図である。図16において、登録装置R1及び登録装置R2は、Aレーン、及びBレーンが形成されるような位置に並列に配置されている。また精算装置F1、精算装置F2、精算装置F3、及び精算装置F4は、2列のレーンが登録装置R1、R2の下流側で略直角に曲がって合流させるような位置に配置されている。
Aレーンにおいて、登録装置R1は、精算装置F1、F2、F3、F4に販促情報を表示させることが可能である。Bレーンにおいて、登録装置R2は、精算装置F1、F2、F3、F4に販促情報を表示させることが可能である。また、Aレーンにおいて、登録装置R1は、精算装置F1、F2、F3、F4のいずれかに登録データを送信する。Bレーンにおいて、登録装置R2は、精算装置F1、F2、F3、F4のいずれかに登録データを送信する。従って、顧客C1、C2が精算を行う精算装置とは異なる精算装置の他に3台の精算装置に販促情報を表示させることができる。
配置変形例2において、優先順位を設定する場合の設定例として、Aレーンの場合の優先順位は、優先順位の高い順に、精算装置F1、F2、F3、F4が挙げられる。Bレーンの場合の優先順位は、優先順位の高い順に、精算装置F4、F3、F2、F1が挙げられる。
以上説明した配置変形例2において、精算装置F1、F2、F3、F4の向きは、下向きであったが、上向き(登録装置の方向)であってもよい。この場合、表示部305が精算装置方向を向くため、顧客は商品の登録中に販促情報を見ることができる。
なお、配置変形例2において(精算装置の方向が上向きの場合も含む)、1客あたりの登録商品数が多い店では、2台の精算装置F1、F2、F3、F4のうちの、いずれか3台だけ設けるようにしてもよい(2台の登録装置R1、R2に対し3台の精算装置)。
(配置変形例3)
図17は、配置変形例3における配置を示す図である。図17には、1レーンあたりの精算装置を2台並列配置し、そうしたレーンを複数列並列配置されていることが示されている。図17では、A〜Cレーンを示しているが、Cレーンの右側にも同様のレーンが配置されている。従って、精算装置C3は、Cレーンの1つ右側のレーンの顧客が使用する精算装置である。
図17において、各レーンにおける2台の精算装置は向きが異なるように配置される。Aレーンにおける精算装置A2の向きと、Bレーンおける精算装置B2の向きと、Cレーンにおける精算装置C2の向きは左向きである。
一方、Aレーンにおける精算装置A3の向きと、Bレーンおける精算装置B3の向きと、Cレーンにおける精算装置C3の向きは右向きである。
Aレーンにおいて、登録装置A1は、精算装置A2に販促情報を表示させることが可能である。Bレーンにおいて、登録装置B1は、精算装置A3、B2に販促情報を表示させることが可能である。また、Aレーンにおいて、登録装置A1は、精算装置A2に登録データを送信する。Bレーンにおいて、登録装置B1は、精算装置A3、B2のいずれかに登録データを送信する。従って、Aレーンの場合は、顧客A4が精算を行う精算装置とは異なる精算装置は存在しない。Bレーンの場合、顧客B4が精算を行う精算装置とは異なる精算装置の他に1台の精算装置に販促情報を表示させることができる。
Cレーンにおいて、登録装置C1は、精算装置B3、C2に販促情報を表示させることが可能である。また、Cレーンにおいて、登録装置C1は、精算装置B3、C2のいずれかに登録データを送信する。従って、Cレーンの場合、顧客C4が精算を行う精算装置とは異なる精算装置の他に1台の精算装置に販促情報を表示させることができる。
以上説明した実施形態では、購買関連情報を受信した精算装置30が、販促情報を検索し、検索された場合には販促情報を表示していたが、これに限るものではない。以下、上記実施形態とは異なる3つの構成例について説明する。
(構成例1)
構成例1において、登録装置20は、購買関連情報をストアコントローラ10に送信する。購買関連情報を受信したストアコントローラ10は、販促情報を検索し、検索された場合には、販促情報を精算装置30に送信する。販促情報を受信した精算装置30は、販促情報を表示する。なお、登録装置20は、購買関連情報をストアコントローラ10に送信する際に、販促情報を表示させる精算装置30を指定する情報も送信するようにしてもよいし、ストアコントローラ10が販促情報を表示させる精算装置30を決定してもよい。
構成例1によれば、上記実施形態と比較して、精算装置30に販促情報DBを記憶する必要がなく、また精算装置30は販促情報を検索する必要がないため、精算装置30の負荷が小さくなる。従って、精算装置30の要求スペックを低くすることができるため、コストを低下させた精算装置30を用いる場合に好適な構成例である。
(構成例2)
構成例2において、登録装置20は、販促情報DBを予め記憶しておく。そして、登録装置20は、購買関連情報を取得すると、販促情報を検索し、検索された場合には、販促情報を精算装置30に送信する。販促情報を受信した精算装置30は、販促情報を表示する。
構成例2によれば、上記実施形態と比較して、登録装置20の負荷が大きくなり、精算装置30の負荷が小さくなるが、例えば精算装置30が低スペックで、ストアコントローラ10が設けられていない場合や、ストアコントローラ10と通信できない場合に好適な構成例である。
(構成例3)
構成例3において、登録装置20は、上記実施形態と同じく、購買関連情報を精算装置30に送信する。精算装置30は、上記実施形態における販促情報DBに代えて、購買関連情報と、購買関連情報に対応する販促情報が存在するか否かのみを示す情報(以下、「販促情報存在DB」という)を予め記憶しておく。この販促情報存在DBには、販促情報自体は記憶されていない。精算装置30は、購買関連情報を受信すると、販促情報存在DBにおいて受信した購買関連情報に対応する販促情報を検索し、販促情報が存在する場合には、ストアコントローラ10に購買関連情報を送信する。購買関連情報を受信したストアコントローラ10は、販促情報を検索し、検索された販促情報を精算装置30に送信する。販促情報を受信した精算装置30は、販促情報を表示する。
構成例3によれば、精算装置30に比較的情報量の大きい販促情報が記憶されないため、精算装置30の記憶領域の占有を大幅に削減することができる。従って、精算装置30の要求スペックを低くすることができるため、コストを低下させた精算装置30を用いる場合に好適な構成例である。
以上説明した実施形態及び3つの構成例に限るものではなく、購買関連情報に対応する販促情報を精算装置30で表示可能であれば、どのような構成であってもよい。
本実施形態は、指定された精算装置30にのみ販促情報を表示するものであったが、これに限るものではない。すなわち、顧客が精算を行う精算装置30とは異なる精算装置30に購買関連情報を送信するようにしてもよい。例えば、登録装置20aで精算装置30aが指定されている場合、精算装置30cに販促情報を表示するようにしてもよい。このような指定された精算装置30以外に販促情報を表示するケースとして、精算装置30aでの精算が終わっていない場合が挙げられる。このように、指定された精算装置30で精算が終わっていないなど、指定された精算装置30で販促情報を表示できない場合には、登録装置20は、精算処理が行われていない精算装置30に購買関連情報を送信するようにしてもよい。あるいは、前の顧客の精算処理中に、現在登録中の顧客の購買関連情報を受信した精算装置30は、購買関連情報を記憶しておき、前の顧客の精算処理終了後に、現在登録中の顧客の購買関連情報に対応する販促情報を表示するようにしてもよい。
指定された精算装置30以外に販促情報を表示する他の例として、精算装置30aにて販促情報を10件表示した場合には、11件目から精算装置30bに表示するなど、表示件数で変更する例や、購買関連情報の種類によって表示させる精算装置30を変更する例が挙げられる。例えば、登録装置20aで登録を行っている場合に、購買関連情報が商品識別情報のときは、精算装置30aに販促情報を表示させ、購買関連情報が商品識別情報以外の場合には、精算装置30cに販促情報を表示させるようにしてもよい。
指定された精算装置30以外に販促情報を表示する場合であっても、顧客以外の他人に見られると好ましくない販促情報は、他人が見ることが困難な精算装置30aに表示させるようにしてもよい。なお、他人に見られると好ましくない販促情報としては、プライバシーに関わる商品(例えば、生理用品、避妊具、義歯洗浄剤等の衛生用品など)の販促情報や、図7(c)や図7(d)に示したクレジットカードに関する販促情報(これにより、顧客がクレジットカード保有者か否かが他人に分かる)などが挙げられる。
登録装置20が精算処理を指定可能な精算装置30のグループと、広告を表示させることが可能な精算装置30のグループとが、一致していてもよいし、異なっていてもよい。異なる例として、精算装置30aが精算処理を指定可能な精算装置30を精算装置30a、30cとし、広告を表示させることが可能な精算装置30を精算装置30a、30b、30cとする例が挙げられる。
本実施形態では、精算装置30が購買関連情報を受信するたびに表示される販促情報が変更されているが、これに限るものではない。例えば、1つの販促情報を予め定められた時間(例えば一律2秒、または販促情報ごとに設定する、など)は表示するようにし、その間に受信した購買関連情報を記憶しておき、2秒経過ごとに、記憶していた購買関連情報に対応する販促情報を表示するようにしてもよい。この場合、商品の登録終了までに表示されない販促情報が発生する可能性もあるが、顧客は1つの販促情報を見る時間に余裕ができるため、販促情報の広告効果を高めることができる。
販促情報ごとに優先度を設けるようにしてもよい。例えば、数字が大きいほど優先度が高いものとし、商品A、B、Cの順に登録され、商品Aの販促情報Aの優先度を5とし、商品Bの販促情報Bの優先度を3とし、商品Cの販促情報Cの優先度を7とする。このとき、上述した実施形態では、販促情報A、販促情報B、販促情報Cの順に表示されることとなるが、優先度を用いて制御した場合には販促情報Aが表示され、次の販促情報Bの優先度が販促情報Aの優先度より小さいため、販促情報Bを表示せず、次の販促情報Cの優先度が販促情報Aの優先度より大きいため、販促情報Cを表示する。このようにすることで、優先度が大きい販促情報が表示されるため、より効率的に顧客に販促情報を表示することができる。
本実施形態において、販促情報を表示するだけではなく、レシート等に印刷するようにしてもよい。また、精算処理中にバナーやスクリーン広告として販促情報を表示するようにしてもよい。
本実施形態において、購買関連情報は、商品識別情報、会員情報、及び客層情報であったが、これに限るものではない。例えば、会員情報として、顧客の地理的変数、デモグラフィック変数、心理的変数、及び行動変数などを記憶しておき、これらを購買関連情報としてもよい。さらに、買上金額に応じてポイントを顧客に付与している場合には、ポイント数を購買関連情報としてもよい。購買関連情報がポイント数の場合には、ポイントによる特典を示す情報を販促情報としてもよい。また、顧客が電子マネーで支払いを行う場合には、電子マネーに関する情報を購買関連情報としてもよい。この場合、電子マネーのポイント還元率などの販促情報を表示するようにしてもよい。さらに、精算装置30は、登録データを受信したときに得られる合計金額に応じた販促情報を表示するようにしてもよい。この場合の販促情報として、例えば、買上累計金額に応じた特典を提供している場合には、その特典が得られるまでの金額などの販促情報が挙げられる。
本実施形態では、図8に示したように、精算装置30において販促情報が表示中である場合には、その旨を示す表示中バッジが精算装置指定ボタンに表示されるが、どのような販促情報が表示されているかを表示するようにしてもよい。
また、精算装置指定ボタンに、当該精算装置指定ボタンに対応する精算装置30のステータス(状態等)を表示してもよい。ステータスには、電源投入の有無に関するものや、ネットワーク(通信可否)に関するものや、釣銭に関するものなどが含まれる。ステータスとして表示される内容として、「オフライン」や「釣銭不足」が挙げられる。オフライン」とは、精算装置30がオフライン状態であるか、電源が投入されていない状態であることを示している。また、「釣銭不足」とは、精算装置30の釣銭が不足している状態であることを示している。なお、表示されるステータスは、例示した「オフライン」や「釣銭不足」に限るものではなく、例えば、釣銭不足が近い状態であることを示した「ニアエンド」や、釣銭(例えば一万円札)の満杯が近い状態であることを示した「ニアフル」などを表示してもよい。
なお、バッジの表示位置は、図8に示した表示位置に限るものではなく、バッジの全部がボタンの表示領域内に収まるような表示位置であってもよい。またステータスの表示は、バッジによるものに限るものではなく、ボタン内にステータスを示した文言(テキスト)を表示するテキスト表示領域を設け、当該表示領域にステータスを表示するようにしてもよい。また、ボタンの色をステータスに応じて変化させるようにしてもよい。
本実施形態では、販促情報として画像を用いたが、これに限るものではない。例えば、販促情報はテキスト(HTML、XML、スクリプトも含む)など、顧客に販促情報を表示させることが可能な情報であれば、どのような情報であってもよい。
本実施形態において、上述したお会計券を用いるようにしてもよい。お会計券の用いる形態として、2つの例が挙げられる。1つめは、お会計券に登録データを印刷する例である。お会計券に登録データを2次元コードなどで印刷することで、登録装置20は精算処理を指定した精算装置30への登録データの送信が不要となる。精算装置30は、登録データを読み取ることで精算処理を行うことができる。2つめは、お会計券に登録データを識別する識別情報を印刷する例である。登録装置20は、お会計券に登録データをバーコードや2次元コードで印刷し、登録データをストアコントローラ10に送信する。精算装置30は、識別情報を読み取り、ストアコントローラ10に識別情報を送信し、ストアコントローラ10から登録データを取得することで精算処理を行うことができる。
上述した実施形態では、店員が登録装置20で精算装置30を指定する例を示しているが、これに限るものではない。精算装置の指定方法の他の例として、以下の2例が挙げられる。
1例目は、精算装置が受信した登録データの精算処理を当該精算装置が実行し得る状態のとき、登録装置に対して精算処理が可能であることを通知し、精算処理を行う例である。さらに1例目では、精算装置が受信した登録データの精算処理が当該精算装置が不可能なとき、登録データを他の決済装置に転送する転送する。
2例目は、登録装置は、登録データを2台以上の精算装置に並列的に送信し、精算装置は、登録装置から送信される登録データを受信し、記憶領域に格納し、操作者による精算開始の指示入力を受け付けたことに応じて、記憶領域に格納された登録データの精算処理を行う例である。また、精算装置は、指示入力を受け付けたことに応じて、他の精算装置に登録データのクリアを指令する。精算装置は、他の決済装置からクリアの指令を受けたならば記憶領域に格納されている登録データをクリアする。
これら2つの例に加え、サーバなどの上位装置が、精算を行う精算装置を指定するようにしてもよい。
本実施形態では、図7に示したように、販促情報を精算装置30に表示するようにしているが、これに限るものではない。例えば、精算装置30の操作方法を表示するようにしてもよい。
この場合、精算装置30は、登録装置20に入力された入力情報に応じた操作情報を出力する出力部を有する。また、登録装置20は、精算装置30に前記操作情報を出力させるための出力指示情報を送信する送信部を有する。
具体的には、客層情報に示される年齢層が低年齢または高年齢を示す場合や、会員登録していない顧客の場合など、精算装置30の操作が不得手と考えられる客層の場合に、精算装置30の操作方法を表示するようにしてもよい。操作方法の表示に加え、音声によるガイダンスを出力してもよい。このようにすることで、顧客はスムーズに会計を行うことができる。さらに、客層の1つとして外国人客を設け、客層が外国人客を示す場合には、英語による操作方法や、精算画面が英語表記されるようにしてもよい。このようにすることで、外国人の顧客もスムーズに会計を行うことができる。なお、精算装置30は、購買関連情報を受信するまで、デフォルトとして操作方法を表示しておくようにしてもよい。
本実施形態において、登録装置20は、出力指示情報として購買関連情報を送信したが、出力指示情報として販促情報を送信してもよい。具体的に、登録装置20は、販促情報DBを記憶しておき、登録された商品の商品識別情報から販促画像を取得し、取得した販促画像を精算装置30に送信する。なお、販促画像のデータサイズは大きくないので、販促画像の送信による通信トラフィックへの影響はほとんどない。
以上説明したように、本実施形態によれば、顧客に適した情報を表示可能となる。
なお、以上に説明した登録装置20、精算装置30、及びPOSシステムを実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。