JP6933956B2 - レピア織機における緯入れ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、緯糸にテープ状の扁平糸を用いて製織を行うレピア織機における緯入れ装置、特に、待機位置が反給糸側に設定されたレピアヘッドが給糸側へ向けて前進すると共に給糸側で把持した前記扁平糸を後退しつつ緯入れする片側レピア形式であると共に、前記レピアヘッドに把持される前の前記扁平糸が上下方向に関し前記レピアヘッドの走行経路を挟んで案内されるように給糸側で前記扁平糸を保持する糸案内機構を含む、レピア織機における緯入れ装置に関する。
テープ状の扁平糸を緯糸として用いた製織を可能とするために、緯入れ装置がそのような扁平糸を緯入れ可能に構成されたレピア織機が従来から知られている。なお、扁平糸を緯入れする場合、その扁平糸に捩れ等が発生しないように緯入れが行われる必要がある。そして、そのような緯入れを実現するための緯入れ装置として、下記の特許文献1に開示された緯入れ装置がある。
その特許文献1に開示された緯入れ装置は、待機位置が反給糸側に設定されたレピアヘッドを給糸側へ向けて前進させると共に、そのレピアヘッドが給糸側で緯糸を把持することで、そのレピアヘッドの後退に伴って緯糸(扁平糸)が緯入れされる片側レピア形式の緯入れ装置である。因みに、そのような片側レピア形式の緯入れ装置を備えたレピア織機は、片側レピア織機とも言われる。
また、前記のように扁平糸に捩れ等が発生しないように緯入れが行われるようにするために、給糸側においてレピアヘッドに把持される前の扁平糸は、織機の前後方向(経糸Tの延在方向)におけるレピアヘッドの走行位置と同じ位置で、平面視において緯入れ方向(織幅方向)と平行に延在すると共にその面(特許文献1で言う扁平面)を上下方向に向けた状態で案内されている必要がある。さらに、その状態の扁平糸をレピアヘッドが把持できるようにするために、扁平糸は、レピアヘッドの最前進位置付近で、その先端側の部分がレピアヘッドの走行経路を挟んで上下方向に延在するように案内されている必要がある。
そのように扁平糸を案内するための糸案内機構が特許文献1にも開示されている。そして、その特許文献1における糸案内機構は、扁平糸の先端部を挟持した状態で保持する糸端挟持部と、その糸端挟持部よりも上流側(給糸体側)で緯糸を案内する緯糸支持部とで構成されている。
特開2012−046835号公報
ところで、特許文献1に開示された糸案内機構における糸挟持部は、レピアヘッドの走行経路よりも下方でレピアヘッドの走行位置を含んで前記前後方向に延在するように設けられた定置挟持片と、その定置挟持片と同様に前記前後方向に延在すると共に定置挟持片に対し上下方向において接離するように設けられた可動挟持片とで構成されている。そして、その糸挟持部は、扁平糸の先端部を上下方向において挟持する機構となっている。また、緯糸支持部は、前記前後方向に長いコ字状に形成されており、上方及び下方において扁平糸を支持し得るように構成となっている。
その上で、糸案内機構がそのように構成された特許文献1のレピア織機では、レピアヘッドが扁平糸を把持する時点においては、そのレピアヘッドが糸挟持部(可動挟持片)の直上に位置し、緯入れ時においては、扁平糸が糸挟持部(可動挟持片)の上方を通過するように引き出される。さらに、その特許文献1の糸案内機構では、レピアヘッドの後退の際(緯入れ中)に、糸挟持部における可動挟持片が上方を向けて変位されると共に、緯糸支持部が下方へ向けて変位される。したがって、その糸案内機構では、その糸挟持部における可動挟持片の変位に伴って緯入れ中の扁平糸が可動挟持片の上面に載った状態になると共に、緯糸支持部の下方への変位に伴って糸挟持部よりも上流側で扁平糸が下方へ押し下げられる。そして、特許文献1では、その可動挟持片及び緯糸支持部の変位により、扁平糸が可動挟持片の上面に載った状態から滑り落ち、定置挟持片上(定置挟持片と可動挟持片との間)に位置した状態になるとされている。
しかし、そのような特許文献1の糸案内機構では、次のような問題がある。
先ず、その特許文献1の糸案内機構においては、前記のように緯入れ中において、扁平糸が可動挟持片に載った状態にされる(可動挟持片によって扁平糸が押し上げられる)と共に、緯糸支持部によって扁平糸が押し下げられる。その場合、扁平糸は、織物を形成するための部分を含むその全体に亘り、可動挟持片及び緯糸支持部に対し摺接しながら引き出されることとなる。しかも、緯入れ時においては、扁平糸は、高速で引き出されるため、張力が高まった状態となっている。その上で、前記のように扁平糸が可動挟持片によって押し上げられると共に緯糸支持部によって押し下げられると、その扁平糸の張力がより高まった状態となる。そのため、扁平糸と可動挟持片及び緯糸支持部との間の摺動抵抗がより大きくなる。その結果、扁平糸が損傷を受け、製織される織物の品質が低下する虞がある。
また、特許文献1の糸案内機構では、緯入れ後の扁平糸の把持のために、扁平糸が可動挟持片から滑り落ちて定置挟持片上に位置する状態となることを期待している。しかし、前記のように、緯入れ時においては扁平糸の張力が高まった状態となっており、扁平糸と可動挟持片との間の摺動抵抗が大きい状態となっている。また、緯入れ終了後も、織物に織り込まれる扁平糸の緩みを防止するために、扁平糸は張力を維持した状態とされる。その場合、扁平糸が確実に可動把持片の上面から滑り落ちるとは限らず、場合によっては、筬打ち後の切断時まで扁平糸が可動把持片上に載ったままの状態となり、扁平糸の把持が行えない状態となる虞がある。すなわち、特許文献1の糸案内機構は、扁平糸の保持(次回の緯入れに備えた準備)の面において確実性(信頼性)を欠く構成となっている。
そこで、本発明は、前述のような糸案内機構を含む扁平糸を緯入れするためのレピア織機における緯入れ装置に関し、扁平糸に損傷を与えることなく且つ扁平糸の保持がより確実に行われるように糸案内機構が構成された緯入れ装置を提供することを目的とする。
前述のように、本発明は、緯糸にテープ状の扁平糸を用いて製織を行うレピア織機における緯入れ装置であって、待機位置が反給糸側に設定されたレピアヘッドが給糸側へ向けて前進すると共に給糸側で把持した前記扁平糸を後退しつつ緯入れする片側レピア形式であると共に、前記レピアヘッドに把持される前の前記扁平糸が上下方向に関し前記レピアヘッドの走行経路を挟んで案内されるように給糸側で前記扁平糸を保持する糸案内機構を含む緯入れ装置を前提とする。その上で、本発明は、その前提とする前記緯入れ装置において、次のような特徴を有する。
前記糸案内機構は、織幅方向に関し最前進位置に達した前記レピアヘッドにおける把持部の位置で且つ上下方向に関し前記走行経路の下方に設けられた保持体であって前記扁平糸の先端部を上方から受け入れて保持する保持体を含む保持装置と、前記保持装置の上方に設けられた誘導装置であって前記扁平糸の先端部を前記保持装置へ導く誘導装置と、前記走行経路よりも上方で前記扁平糸を案内する案内部材とを備える。さらに、前記誘導装置は、薄板形状に形成された誘導板であって前記保持装置における前記保持体の直上で板面が織幅方向と直交するように設けられた誘導板と、該誘導板を前記走行経路よりも上方に設定された待機位置及び前記誘導板の先端が前記保持体に達する誘導位置の2位置間で変位させる誘導板駆動装置とを含む。
また、そのような本発明による緯入れ装置において、前記保持体を、一対の保持部によって前記扁平糸を把持する形式であって、一対の前記保持部のうちの一方を含むと共に織幅方向に関する配置が固定された第1の保持部材と一対の前記保持部のうちの他方を含むと共に前記他方の保持部が前記一方の保持部材に対し接離するように設けられた第2の保持部材とで構成し、その上で、前記保持装置を、前記一方の保持部に対する前記他方の保持部の位置を変更するように前記第2の保持部材を駆動する把持駆動装置を含むように構成しても良い。
さらに、本発明による緯入れ装置において、前記保持装置における前記保持体が水平方向であって織幅方向と直交する方向に変位可能に設けられ、その上で、前記保持装置は、前記レピアヘッドの前記最前進位置へ向けた前進に合せて前記保持体を変位させる変位駆動装置を含むように構成されていても良い。
本発明による緯入れ装置においては、糸案内機構は、レピアヘッドの走行経路よりも上方において案内部材により案内された扁平糸を、前記走行経路よりも下方に設けられて扁平糸を上方から受け入れる保持装置により保持することで、その扁平糸が前記走行経路を挟んで上下方向に亘るかたちで案内されるように構成されている。そして、その案内部材は、上下方向に関する配置が固定されるかたちで設けられており、緯入れ中の扁平糸に対し積極的に上方又は下方へ向けて力を及ぼさないように構成されている。さらに、保持装置は、緯入れのために保持を解放した後(緯入れ中)は、扁平糸とは干渉しないように設けられている。したがって、その構成によれば、緯入れ中の案内部材や保持装置との摺接に起因する扁平糸の損傷を可及的に低減することができる。
さらに、その糸案内機構は、保持装置における保持体の直上に設けられた誘導板を含む誘導装置を備えており、その誘導装置は、誘導板が保持体に向けて変位するように構成されている。また、その誘導板は、その待機位置が前記走行経路よりも上方に設定されるかたちで設けられている。したがって、その構成によれば、筬打ち後に切断されることで緯入れされた部分から切り離された給糸側の扁平糸の先端部が、その上方に位置する誘導板が下方に位置する保持体へ向けて変位されることで、その誘導板によって保持体へ向けて導かれることとなる。したがって、その構成によれば、保持体の保持部分への扁平糸の先端部の導入が確度の高い状態で行われることとなり、次回の緯入れに向けた扁平糸の保持(案内)が高い信頼性のもとに行われることとなる。
また、本発明における糸案内機構において、保持装置における保持体を前記のような第1、第2の保持部材で構成されたものとすることにより、よりしっかりとしたかたちで扁平糸の先端部の保持が行われた状態とすることできる。その上で、保持装置が第2の保持部材を駆動する把持駆動装置を含むことにより、扁平糸を把持する一対の保持部間への扁平糸の先端部の挿入が、扁平糸に負荷を掛けることなく容易に行えるものとなる。
また、本発明における糸案内機構において、レピアヘッドの最前進位置へ向けた前進に合せて保持体が前記方向に変位するように保持装置を構成することにより、レピアヘッドと扁平糸とが干渉するのを防止することができる。
詳しくは、本発明が前提とするレピア織機の緯入れ装置では、給糸側における糸案内機構に案内された扁平糸は、前記前後方向においてレピアヘッドの走行位置と同じ位置に位置している。そして、その糸案内機構に案内された状態の扁平糸に対しレピアヘッドが正面から接近し、レピアヘッドの把持部に対し扁平糸が導入されてレピアヘッドによる扁平糸の把持が行われる。
その場合において、例えば特許文献1に開示された緯入れ装置のように扁平糸を正面から把持部に受け入れるようにレピアヘッドが構成されている場合でも、そのレピアヘッドの構成によっては、糸案内機構に案内されている扁平糸に対しレピアヘッドが干渉する場合がある。何故なら、レピアヘッドは高速で最前進位置へ向けて前進するため、厳密にその最前進位置で停止するとは限らず、慣性等により若干オーバーランする可能性があるからである。
また、別の構成のレピアヘッドとして、把持部が側方に開口し、把持部に対し側方から扁平糸を受け入れるように構成されたレピアヘッドがある。さらに、そのような構成において、レピアヘッドの先端部がその側方へ向けて扁平糸を案内するような形状に形成されたものがある。そして、そのように構成された緯入れ装置の場合は、レピアヘッドの前進に伴ってレピアヘッドの先端部と糸案内機構に案内されている扁平糸とが干渉し、そこからの更なるレピアヘッドの前進によって扁平糸が把持部の開口に向けて案内されることで、扁平糸が把持部に導入される。
このように、扁平糸が前記前後方向においてレピアヘッドの走行位置と同じ位置で案内されている本発明が前提とする緯入れ装置では、レピアヘッドの最前進位置へ向けた前進に伴い、扁平糸におけるレピアヘッドに把持される部分(被把持部分)に対しレピアヘッドが干渉する(もしくは、干渉する可能性が高い)ように構成されたものがある。なお、扁平糸における被把持部分は、緯入れ後に織物の外側に位置する部分であるため、その被把持部分が前記干渉によって損傷したとしても、それが織物の品質に直接的に影響することはない。しかし、前記干渉により扁平糸は衝撃を受けるため、レピア織機における給糸側で扁平糸を案内する構成や糸の種類によっては、前記干渉が好ましくない場合がある。
それに対し、前記のように保持装置を保持体が変位するように構成されたものとすれば、その保持体の変位によって保持体に保持されている扁平糸も変位するため、扁平糸をレピアヘッドと干渉しない位置にまで変位させることが可能となる。したがって、保持装置をそのように構成することで、前記干渉が好ましくないレピア織機に対しても本発明を適用することが可能となる。
本発明による緯入れ装置の一実施形態におけるレピアヘッドを示す一部断面平面図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態におけるレピアヘッドを示す斜視図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態におけるレピアヘッドの把持機構の給糸側での開放操作を説明するための動作説明図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態におけるレピアヘッドの把持機構の反給糸側での開放操作を説明するための動作説明図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態における糸案内機構を含む給糸機構を示す正面図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態における糸案内機構を含む給糸機構を示す正面図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態における糸案内機構の保持装置を示す正面図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態における糸案内機構の変位駆動装置を示す正面図及び側面図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態における糸案内機構の誘導板駆動装置を示す正面図及び側面図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態における糸案内機構を含む給糸機構の動作を説明するための動作説明図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態における糸案内機構を含む給糸機構の動作を説明するための動作説明図。 本発明による緯入れ装置が適用されるレピア織機の緯入れ装置周辺部分を概略的に示す平面図。 本発明による緯入れ装置の他の実施形態におけるレピアヘッドを示す平面図。
以下、本発明によるレピア織機における緯入れ装置について、その一実施形態(実施例)を図1〜12に基づいて説明する。
図12は、本発明が前提とする片側レピア織機を概略的に示している。片側レピア織機は、単一のレピアヘッド10を用いて緯入れを行うレピア織機である。そのレピアヘッド10を含む緯入れ装置1は、本実施例では、レピアヘッド10を進退運動させる駆動(進退駆動)に用いられる駆動部材としてバンド材(レピアバンド)が用いられる所謂バンドレピア式の緯入れ装置である。したがって、緯入れ装置1は、レピアヘッド10に加え、そのレピアヘッド10が取り付けられるレピアバンド21、及び巻き掛けられたレピアバンド21を進退駆動するように所定の角度範囲で正逆回転駆動されるバンドホイール23を含む駆動装置を備えている。そして、その緯入れ装置1においては、バンドホイール23が回転駆動されることにより、レピアバンド21を介してレピアヘッド10が進退駆動される。なお、図10は、筬Rが最後退位置に位置する状態を示しており、図示のように、レピアヘッド10がそのように進退駆動されて走行する走行位置は、織機の前後方向(経糸Tの延在方向)に関し、筬Rの最後退位置の近傍に設定されている。
また、緯入れ装置1は、緯入れ時においてレピアヘッド10に対し緯糸Yを供給するための給糸機構25を備えている。但し、本発明が対象とする緯糸Yは、テープ状に形成された扁平糸であって、例えば炭素繊維から成る糸である。その上で、緯入れ装置1は、緯入れ期間以外においてレピアヘッド10が配置されるレピアヘッド10の待機位置が、給糸機構25が設けられる給糸側とは織幅方向に関し反対側の反給糸側に設定されるように、前記の駆動装置等が配置される構成となっている。
そして、緯入れ装置1においては、筬Rが最後退位置に位置する状態となっている緯入れ期間において、レピアヘッド10が前進するように駆動され、レピアヘッド10が経糸Tによって形成された開口内を給糸側へ向けて走行する。次いで、レピアヘッド10が給糸側における給糸機構25の位置に達するのに伴い、そのレピアヘッド10に対し緯糸(扁平糸)Yが供給される。その後、レピアヘッド10は、その供給された扁平糸Yを把持した状態となり、その状態で前記した待機位置へ向けて後退駆動される。それにより、扁平糸Yが経糸Tの開口内に挿入(緯入れ)された状態となり、その扁平糸Yが筬Rによって織前に筬打ちされることで織物が形成される。
図1、2に示すのは、本発明による緯入れ装置に適用されるレピアヘッドの一例(レピアヘッド10)である。そのレピアヘッド10は、ヘッド本体11を主体としており、そのヘッド本体11が取付部材27によってレピアバンド21に固定されることで、レピアバンド21に対し取り付けられた状態となっている。ヘッド本体11は、薄板状のベース部11aと、最先端11gに向けて収斂するように形成されたヘッド部11bとを有する。そして、ヘッド本体11は、そのベース部11aとヘッド部11bとがレピアヘッド10の長手方向において離間すると共に連結部11cによって連結されるかたちで一体的に形成されている。
したがって、ヘッド本体11は、ベース部11aとヘッド部11bとの間の空間部であってレピアヘッド10の幅方向(平面視において前記長手方向と直交する方向)における一方の側が連結部11cによって閉塞された空間部11dを有している。すなわち、ヘッド本体11は、ヘッド部11bのベース部11a側を向く端面11b1、ベース部11aのヘッド部11b側を向く側面、及び連結部11cのヘッド本体11の内側を向く側面による3つの内側面によって画定される空間部11dを、ヘッド部11bを含む先端側の部分に有している。そして、その空間部11dは、その先端側の部分において、前記幅方向における一方の側及び上下方向に開口しており、平面視においてコ字状の形を為している。その上で、その空間部11dは、後述のように扁平糸Yが導入されるヘッド本体11における糸導入部として機能する。
なお、ヘッド本体11において、ヘッド部11bは、前記幅方向及びレピアヘッド10の厚さ(高さ)方向において最先端11gに向けて収斂すると共に、最先端11gが前記幅方向に関し中央よりも連結部11cとは反対の側に位置するような形状に形成されている。また、ヘッド本体11は、ベース部11aから立ち上がるように形成された側壁であって、ベース部11aにおける先端側(前記長手方向に関しヘッド部11b側)で前記幅方向に関し連結部11cとは反対の側に形成された側壁11e、及びベース部11aにおける後端側(前記長手方向に関しヘッド部11b側とは反対の側、以下では単に「後端側」とも言う。)で前記幅方向に対向するように形成された一対の側壁11f、11fを有している。そして、これらの側壁11e、11fもベース部11aと一体的に形成されている。因みに、側壁11f、11fはリブで連結されており、前記した取付部材27は、その一対の側壁11f、11fとリブとで囲まれた部分においてヘッド本体11をレピアバンド21に対し固定している。さらに、その一対の側壁11f、11fの一方の外側面には、後述のように反給糸側においてレピアヘッド10の位置を規制するためのガイド部12が取り付けられている。
また、レピアヘッド10は、ヘッド本体11における糸導入部11dに導入された扁平糸Yをヘッド部11bと協働して把持するためのヤーンキャッチ13を有している。そのヤーンキャッチ13は、ヘッド本体11内において、前記長手方向に変位可能に設けられる。そのため、レピアヘッド10は、そのヤーンキャッチ13の変位を案内するための案内体14を有している。
その案内体14は、ブロック状の部材で形成されており、ヤーンキャッチ13の変位を案内するための矩形状の案内溝14aを有している。そして、案内体14は、案内溝14aの延在方向を前記長手方向に一致させた向きで、ヘッド本体11のベース部11aに対し複数のネジ部材で固定されている。
ヤーンキャッチ13は、その案内体14の案内溝14aに案内される部分である案内部13aを有している。その案内部13aは、板状に形成されている。また、その案内部13aは、その板厚方向に見て、矩形状を為すと共に、その長辺の方向である縦方向の寸法が短辺の方向である横方向の寸法と比べて十分に大きい形に形成されている。その上で、案内体14における案内溝14aの溝幅は、ヤーンキャッチ13の前記縦方向における変位を案内できるように、そのヤーンキャッチ13における案内部13aの前記横方向の寸法と略同じ大きさに形成されている。
また、ヤーンキャッチ13は、扁平糸Yを把持するための部分である把持部13b及びその把持のための付勢力を受ける受け部13cを有し、その把持部13bを案内部13aの前記縦方向における一端側に有すると共に、受け部13cを案内部13aの他端側に有するように形成されている。そして、ヤーンキャッチ13は、その案内部13a、把持部13b及び受け部13cが一体的に形成された部材となっている。
そのヤーンキャッチ13について、受け部13cは、前記板厚方向に見て、前記横方向に関し案内部13aよりも一方の側に突出するように形成されている。したがって、ヤーンキャッチ13は、前記板厚方向に見て、案内部13a及び受け部13cの部分において略L字形を為している。さらに、受け部13cは、前記板厚方向に関し、案内部13aよりも大きい寸法を有しており、一方の側において案内部13aと面一に形成されると共に他方の側が案内部13aから突出するように形成されている。
また、把持部13bは、前記板厚方向に関し案内部13aと同じ寸法で、前記横方向に関し案内部13aから両側に突出するように形成されている。因みに、その把持部13bは、前記縦方向における寸法が案内部13aの前記横方向の寸法と同じような大きさに形成されている。また、把持部13bは、前記横方向の寸法が、ヘッド本体11のヘッド部11bにおける前記した糸導入部11dを画定する内側面(端面11b1)の前記幅方向の寸法と略同じであるように形成されている。
さらに、ヤーンキャッチ13は、案内部13aと受け部13cとの間に形成された係合部分13dを有している。より詳しくは、ヤーンキャッチ13は、前記横方向における案内部13aの範囲内で、受け部13cにおける前記板厚方向に関し案内部13aよりも突出する部分から案内部13aの側へ向けて突出するように形成された係合部分13dを有している。また、その係合部分13dは、その突出端が円弧面を為すように形成されている。そして、ヤーンキャッチ13においては、その係合部分13dも案内部13a、受け部13cと一体的に形成されている。
そして、そのヤーンキャッチ13は、案内部13aが案内体14における案内溝14aに遊嵌された状態とされることで、前記長手方向に変位可能な状態でヘッド本体11内に設けられる。但し、そのように設けられた状態において、ヤーンキャッチ13は、前記長手方向に関し把持部13bが案内体14よりもヘッド部11b側に位置すると共に、前記板厚方向に関し係合部分13dが案内部13aよりもベース部11a側に位置する向きとされる。また、ヤーンキャッチ13は、そのように設けられた状態において、前記幅方向に関し、把持部13bの位置がヘッド部11bの端面11b1の位置と一致する(把持部13bがヘッド部11bの端面11b1と完全に対向する)ように配置されている。言い換えれば、案内体14は、前記幅方向に関し、そのような位置でヤーンキャッチ13の案内部13aを案内し得るように設けられている。
また、レピアヘッド10は、前記のようにヘッド本体11内に配置されたヤーンキャッチ13を前記長手方向に関しヘッド本体11のヘッド部11b側へ付勢するためのバネ部材を備えている。より詳しくは、ヘッド本体11内には、前記長手方向に関し案内体14よりも前記後端側に、案内体14から離間した配置でバネ受け部材15bがベース部11a上に設けられている。なお、そのバネ受け部材15bは、ヘッド本体11における前記した一対の側壁11f、11fの一方に対しネジ部材で固定されたホルダ15cにより、ヘッド本体11に対し取り付けられている。そして、ヘッド本体11内において、そのバネ受け部材15bと前記のように配置されたヤーンキャッチ13における受け部13cとの間に、圧縮バネ15a(図示の例では2本)が配置されている。
その構成により、レピアヘッド10においては、ヤーンキャッチ13は、その受け部13cにおいて圧縮バネ15aのバネ力を受け、ヘッド本体11内でヘッド部11b側へ付勢された状態となる。したがって、レピアヘッド10は、ヤーンキャッチ13に対し前記後端側へ向けた力が作用しない限りは、ヤーンキャッチ13の把持部13b(より詳しくは、把持部13bにおけるヘッド部11bを向く端面13b1)がヘッド部11bの端面11b1に対し押接された状態(押接状態)となっている。そして、そのレピアヘッド10においては、そのように押接状態となるヤーンキャッチ13の把持部13bとヘッド本体11のヘッド部11bとにより、糸導入部11dに導入された扁平糸Yが把持される。
因みに、図示の構成では、バネ受け部材15b及びヤーンキャッチ13における受け部13cには、その圧縮バネ15aの一部を受け入れる孔が形成されている。また、ヘッド部11bは、前記のようにヤーンキャッチ13における把持部13bが押接された状態で、その把持部13bにおける端面13b1側の一部を僅かに受け入れるように、その端面11b1に溝が形成されている。なお、そのヘッド部11bにおける端面11b1は、ヘッド本体11においては前記のようにベース部11a側を向く面であるが、レピアヘッド10の進退運動の方向で言えば後退方向を向く面である。すなわち、その端面11b1は、前述のように糸導入部11dを画定する内側面の1つであってレピアヘッド10の後退方向を向く内側面である。
さらに、レピアヘッド10は、前記のような状態でヘッド本体11内に設けられたヤーンキャッチ13を前記長手方向に変位させるための操作レバ17を備えている。なお、本発明が前提とする片側レピア織機も、一般的なレピア織機と同様に、レピアヘッド10における把持機構を操作する(開放状態とする)ためのオープナを給糸側及び反給糸側に備えている(オープナの詳細については後述)。その上で、本実施例のレピアヘッド10における操作レバ17は、給糸側において把持機構を開放状態とする(ヤーンキャッチ13(把持部13b)を変位させる)ために給糸側のオープナと係合する第1の係合部17aと、その第1の係合部17aとは別に、反給糸側において把持機構を開放状態とするために反給糸側のオープナと係合する第2の係合部17bとを有している。その操作レバ17について、詳しくは以下の通りである。
操作レバ17は、ヘッド本体11に対し前記幅方向に揺動可能に支持されるかたちでレピアヘッド10において設けられる。そのため、操作レバ17は、ヘッド本体11のベース部11aに対し支持される部分である支持部17cを有する。但し、その支持部17cは、その厚さ方向に見て、概ね矩形状を為すと共にその矩形の一部を切り欠いたような形状(略矩形状)に形成されている。また、そのように略矩形状に形成された支持部17cの長辺方向における寸法は、ベース部11aにおける操作レバ17(支持部17c)を支持する部分の前記幅方向における寸法と略同じ大きさとなっている。
また、操作レバ17は、前記のように第1の係合部17a及び第2の係合部17bを有している。その第1の係合部17aは、操作レバ17をその厚さ方向に見て、前記長辺方向及びその前記長辺方向に対し直交する方向(短辺方向)に関し、前記長辺方向における支持部17cの一端側の部分から前記短辺方向に延びるように形成されている。また、第2の係合部17bは、操作レバ17をその厚さ方向に見て、前記長辺方向における支持部17cの他端側の部分から前記短辺方向であって第1の係合部17aとは反対側へ延びるように形成されている。したがって、操作レバ17は、その平面視において全体として略Z形を為している。但し、第1の係合部17aは、中間部において湾曲するような形状を為すと共に、その延在方向が支持部17cに対しやや鈍角を為すように操作レバ17において形成されている。また、第2の係合部17bも、その延在方向が支持部17cに対しやや鈍角を為すように操作レバ17において形成されている。
そして、操作レバ17は、前記長辺方向における支持部17cの一端側において、ヘッド本体11(ベース部11a)に対し揺動可能に支持されている。それにより、操作レバ17は、ヘッド本体11に対し前記幅方向に揺動可能に設けられた状態となっている。なお、操作レバ17は、第1の係合部17aが支持部17cに対しヘッド本体11におけるヘッド部11b側に位置すると共に第2の係合部17bが支持部17cに対し前記後端側に位置するように、ヘッド本体11に対し支持される。その結果として、レピアヘッド10においては、操作レバ17における第1の係合部17aと第2の係合部17bとが前記長手方向に関し異なる位置に位置すると共に、第1の係合部17aに対し第2の係合部17bが前記後端側(レピアヘッド10が進退駆動される際の後退方向側)に位置することとなる。
また、そのベース部11a上での操作レバ17の支持位置(操作レバ17の揺動中心)について、その支持位置は、前記長手方向に関しては、案内体14よりも前記後端側における案内体14の近傍に設定されている。また、その支持位置は、前記幅方向に関しては、操作レバ17を前記長辺方向が前記幅方向に略一致する状態としたときに、支持部17cの位置とベース部11aの位置とが略一致する(平面視において支持部17cとベース部11aとがほぼ全体的に重複する)ような位置に設定されている。
また、ヘッド本体11内におけるその操作レバ17と前述のように配置されたヤーンキャッチ13との位置関係について、その位置関係は、上下方向に関しては、ヤーンキャッチ13における案内部13aよりも下方であって係合部分13dと同じ高さに操作レバ17が位置する関係となっている。また、その位置関係は、前記長手方向に関しては、ヤーンキャッチ13の係合部分13dが操作レバ17の支持部17cよりも前記後端側に位置する関係となっている。
そのような操作レバ17の支持位置及び操作レバ17とヤーンキャッチ13との位置関係により、ヘッド部11b内においては、前記長手方向に関し、案内体14とヤーンキャッチ13の係合部分13dとの間に操作レバ17の支持部17cが位置する状態となる。
因みに、操作レバ17における支持部17cは、前述のように矩形の一部を切り欠いたような形状に形成されており、具体的には、係合部分13dと対向する側の部分であって前記長辺方向における係合部分13dと対向する部分及びその周辺部分が略円弧状に若干切り欠かれた形状となっている。したがって、支持部17cにおけるその部分の前記短辺方向の寸法は、それ以外の部分と比べ若干小さくなっている。
また、ヤーンキャッチ13は、前述のように圧縮バネ15aによるヘッド部11b側へ向けた付勢力を受けており、操作レバ17が前記したオープナと係合していないレピアヘッド10の通常の状態では、ヘッド本体11のヘッド部11bに対し把持部13bにおいて押接された状態となっている。すなわち、その通常の状態では、ヤーンキャッチ13は、その把持部13bがヘッド部11bに押接された前記長手方向における位置において、その位置が圧縮バネ15a(前記付勢力)で保持された状態となっている。そして、それに伴い、係合部分13dも、そのヤーンキャッチ13の位置に応じた位置で、前記長手方向に関しその位置が前記付勢力によって保持された状態となっている。但し、その状態での係合部分13dの前記長手方向における位置は、案内体14に対し、前記した操作レバ17における支持部17cの切り欠かれた部分の前記短辺方向における寸法と略同じ(僅かに大きい)距離だけ離間した位置となっている。
したがって、前記のように揺動可能に支持された操作レバ17は、そのように前記長手方向における位置が前記付勢力によって保持された係合部分13dとヘッド本体11(ベース部11a)に対し固定配置された案内体14とにより、その揺動が規制された状態となっている。また、その状態では、操作レバ17は、その支持部17cにおける前記長辺方向が前記幅方向と略一致する状態となっている。それに伴い、前述のように操作レバ17において支持部17cに対しやや鈍角を為すように形成された第1の係合部17a及び第2の係合部17bは、その一部がヘッド本体11(ベース部11a)から前記幅方向に突出した状態となっている。
また、以上のように構成されたレピアヘッド10において、ヘッド本体11におけるベース部11aには、蓋部材11hが取り付けられている。その蓋部材11hは、前記長手方向における前記リブから糸導入部11dまでの範囲において、ベース部11a上に設けられた各部材を平面視において覆うように設けられている。したがって、レピアヘッド10においては、前記した案内体14、バネ受け部材15b及び圧縮バネ15a、ヤーンキャッチ13における案内部13a及び受け部13c、並びに操作レバ17の一部等は、上下方向におけるベース部11aと蓋部材11hとの間の空間に配置された状態となっている。
次に、図3、4をも用い、前記した給糸側及び反給糸側での把持機構を開放状態とする(ヤーンキャッチ13を変位させる)操作(以下、「開放操作」とも言う。)について説明する。
図3は、給糸側における前記開放操作を示している。但し、図3は、レピアヘッド10が前述の待機位置から給糸側に向けて前進駆動されて経糸Tの開口内を走行した後の、そのレピアヘッド10が最前進位置に達した状態を示している。また、その最前進位置は、図1で示した給糸側に設けられた給糸機構25の位置に対応する位置となっている。また、レピアヘッド10は、前記のように進退駆動されることに伴い、織幅方向と平行に走行する。すなわち、緯入れ装置1において、レピアヘッド10は、その前記長手方向が織幅方向と一致する向きで進退駆動される。したがって、レピアヘッド10の前記幅方向は、織機の前後方向(経糸Tの延在方向)と一致している。
給糸機構25は、図示のような給糸側のオープナ31を備えている。なお、そのオープナ31は、上下方向及び織幅方向に関し、前記最前進位置に達した状態のレピアヘッド10における操作レバ17の第1の係合部17aと前記前後方向において対向し得る位置に設けられている。すなわち、オープナ31は、上下方向に関し、織機上におけるレピアヘッド10の操作レバ17(第1の係合部17a)の高さ位置と同じ高さ位置で、織幅方向に関し、前記最前進位置に達した状態のレピアヘッド10における第1の係合部17aと位置が重複するように設けられている。但し、本実施例の緯入れ装置1においては、給糸側のオープナ31は、前記最前進位置に達した状態のレピアヘッド10における操作レバ17に対し接近・離間するように設けられている。
具体的には、給糸機構25は、オープナ31を支持する支持レバ33を含んでいる。その支持レバ33は、適当な支持手段等によって織機のフレーム(図示略)に支持されるかたちで設けられている。また、その支持レバ33は、自身の長手方向における略中間の位置に設定された支点33aを揺動中心として水平面内で揺動可能であるように設けられている。その上で、オープナ31は、その支持レバ33における支点33aに対する一端側の端部に取り付けられるかたちで設けられている。そして、オープナ31は、そのように支持レバ33に取り付けられた状態で、前記のようにレピアヘッド10における操作レバ17と前記前後方向において対向し得る、より詳しくは、レピアヘッド10の走行位置側を向く側面において第1の係合部17aの側面(前記幅方向と交差する外側の面、以下、「第1の係合面」と言う。)17a1と対向し得る、配置となっている。
また、支持レバ33は、その始点33aに対する他端側の端部において、支持レバ33を揺動駆動するための駆動機構(図示略)に対し連結されている。なお、その駆動機構による支持レバ33の揺動駆動は、支持レバ33に取り付けられたオープナ31が、レピアヘッド10における操作レバ17の第1の係合部17aとの係合位置として設定された作用位置、及び前記前後方向に関し第1の係合部17aから離間した位置である不作用位置の2位置間で変位するように行われる。このように、オープナ31は、揺動可能に設けられた支持レバ33、及びその支持レバ33を揺動駆動する駆動機構により、操作レバ17(第1の係合部17a)に対し接近・離間するように設けられている。但し、オープナ31は、前記開放操作を行う時点以外は、前記不作用位置に位置する状態とされる。
緯入れにあたっては、レピアレッド10が、前記のように前進駆動されて前記最前進位置に位置した状態(以下、「最前進状態」とも言う。)とされる。なお、レピアヘッド10が前記最前進位置に達した時点では、図3(a)に示すように、オープナ31は、前記不作用位置に位置した状態で、レピアヘッド10における操作レバ17の第1の係合部17aにおける第1の係合面17a1に対向した状態となっている。その状態で前記駆動機構により支持レバ33が揺動駆動される。それにより、オープナ31は、前記不作用位置から前記作用位置へ向けて、すなわち、第1の係合部17aの方へ向けて、前記前後方向に変位(接近)し、第1の係合部17aにおける第1の係合面17a1と係合した状態となる。そして、オープナ31が前記作用位置まで変位されると、第1の係合部17aがオープナ31によってレピアヘッド10の内側へ向けて押され、操作レバ17が図3における時計回り方向へ揺動する。その結果として、操作レバ17は、図3(b)に示すように、予め定められた量だけ揺動した状態となる。
なお、前記のようにオープナ31が操作レバ17に係合するのに伴い、レピアヘッド10は、オープナ31によって前記前後方向の力を受けることとなる。そこで、本実施例の給糸機構25は、そのように力を受けることによってレピアヘッド10が前記前後方向に変位するのを防止(規制)するための第1の規制部材35を含んでいる。その第1の規制部材35は、前記前後方向に関し、レピアヘッド10に対するオープナ31の側とは反対の側において、レピアヘッド10の前記最前進状態でそのレピアヘッド10の側部に近接するような位置に設けられている。また、その第1の規制部材35は、織幅方向に関し、前記最前進状態のレピアヘッド10におけるヘッド本体11の側壁11eと前記前後方向において対向する位置に設けられている。したがって、レピアヘッド10がオープナ31によって前記のような力を受けても、ヘッド本体11の側壁11eを介してその力が第1の規制部材35に受けられるため、レピアヘッド10の前記前後方向における変位がその第1の規制部材35によって規制される。
オープナ31と第1の係合部17aとの係合によって操作レバ17が前記のように揺動されると、それに伴い、前述のようにその一端側においてヘッド本体11に対し回動可能に支持されている操作レバ17の支持部17cは、その支持位置を中心として前記長手方向における前記後端側へ向けて回動する。それにより、前記長手方向に関し支持部17cに近接した位置で支持部17cと対向する係合部分13dを含むヤーンキャッチ13が、その係合部分13dにおいて支持部17cにより押され、圧縮バネ15aの付勢力に抗して前記後端側へ向けて変位する。その結果として、ヘッド本体11におけるヘッド部11bに対し押接された状態となっている把持部13bが前記後端側へ向けて変位し、糸導入部11dにおいてヘッド部11bと糸把持部13bとの間に空隙が形成された状態となる。すなわち、レピアヘッド10における把持機構が開放された状態(前記開放操作が行われた状態)となる。
また、図4は、反給糸側における前記開放操作を示している。但し、図4において、(a)は、レピアヘッド10が、前記最前進位置に位置する状態から前述の反給糸側の待機位置へ向けて後退駆動されて経糸Tの開口内を走行した後の、前記待機位置の直前に位置する状態を示している。また、(b)は、レピアヘッド10が、(a)の状態からさらに後退駆動されて、前記待機位置に達した状態(前記待機位置に位置した状態、以下、「待機状態」とも言う。)を示している。
緯入れ装置1において、反給糸側の前記待機位置には、図示のような反給糸側のオープナ41が固定的に設けられている。より詳しくは、緯入れ装置1は、反給糸側においてレピアバンド21の走行を案内するバンドガイド29を備えている。また、そのバンドガイド29は、その反給糸側において、織機のフレームに対し固定的に設けられている。その上で、オープナ41は、そのバンドガイド29に取り付けられるかたちで設けられている。なお、オープナ41は、平面視において略矩形状を為すと共に、その長さ寸法(矩形の長辺の方向における寸法)が幅寸法(矩形の短辺の方向における寸法)よりも十分に大きくされた形状を為すように形成されている。そして、そのオープナ41は、その長辺の方向を織幅方向と一致させた向きで設けられている。
そのオープナ41は、上下方向に関し、織機上でのレピアヘッド10における操作レバ17の第2の係合部17bの高さ位置と同じ高さ位置に設けられている。さらに、オープナ41は、前記前後方向に関し、その内側の側面(レピアヘッド10の走行位置側の側面)41aがレピアヘッド10におけるヘッド本体11(側壁11e)に対し近接した位置に位置するように設けられている。
その上で、オープナ41は、織幅方向に関し、前記のように後退駆動されるレピアヘッド10が前記待機位置に達する前において操作レバ17における第2の係合部17bが達する位置に、その経糸Tの側の端面41bが位置するように設けられている。
なお、図示のように本実施例では、レピアヘッド10の前記待機状態で、その端面41bは、織幅方向に関しレピアヘッド10の最先端11gと略同じ位置に位置している。さらに、オープナ41は、前記待機状態のレピアヘッド10における第2の係合部17bの位置よりも後方(レピアヘッド10の後退方向側)まで延在するような前記長さ寸法を有している。したがって、レピアヘッド10の前記待機状態で、オープナ41は、織幅方向に関し、レピアヘッド10における最先端11gから第2の係合部17bよりも前記後端側の部分の存在範囲に亘って存在している。因みに、本実施例では、レピアヘッド10とオープナ41とは、織幅方向に関し、レピアヘッド10が前記待機位置に位置した状態でそのレピアヘッド10における第2の係合部17bがオープナ41の略中央部に位置するような位置関係となっている。
そして、そのようなオープナ41の構成及び配置によれば、後退駆動されてレピアヘッド10が反給糸側に達するのに伴い、レピアヘッド10における操作レバ17の第2の係合部17bがその側面(前記幅方向と交差する外側の面、以下、「第2の係合面」と言う。)17b1においてオープナ41(内側の側面41a)と係合する。
また、オープナ41において、その内側の側面41aは、経糸Tの側の部分が外側に向けて傾斜するように形成されている。すなわち、オープナ41は、外側の側面がその全体に亘って平坦に形成されている上で、端面41bの前記幅寸法が前記中央部の前記幅寸法よりも小さくなるように形成されている。さらに、そのオープナ41における端面41bの前記幅寸法は、後退駆動されるレピアヘッド10における第2の係合部17bがオープナ41の位置に達した時点で、前述のようにそのレピアヘッド10におけるヘッド本体11から突出する第2の係合部17bが端面41bには衝突せずに内側の側面41aにおける傾斜面41a’に係合するような大きさに設定されている。
それにより、後退過程におけるレピアヘッド10は、第2の係合部17bがオープナ41の位置に達した時点で、図4(a)に示すように、その第2の係合部17bがその第2の係合面17b1において、最初にオープナ41の内側の側面41aにおける傾斜面41a’(より詳しくは、傾斜面41a’における端面41b側の部分)に対し係合した状態となる。その後、その最初に係合した時点からの更なるレピアヘッド10の後退に従って第2の係合面17b1が傾斜面41a’に沿って変位することに伴い、第2の係合部17b(第2の係合面17b1)と側面41a(傾斜面41a’)との係合点が、前記前後方向に関し、レピアヘッド10のヘッド本体11側へ変位する。すなわち、そのレピアヘッド10の後退に伴い、レピアヘッド10においては、操作レバ17における第2の係合部17bが前記幅方向に関しヘッド本体11側へ変位する。このように、オープナ41における傾斜面41a’は、織幅方向におけるレピアヘッド10との相対変位に伴って第2の係合部17bをヘッド本体11側へ変位させるカム面として機能する。
そして、そのような第2の係合部17bの変位に伴い、レピアヘッド10においては、図4における時計回り方向へ操作レバ17が揺動する。さらに、オープナ41の内側の側面41aにおける(傾斜面41a’を除く)平坦な部分に前記係合点が達する状態までレピアヘッド10が後退すると、第2の係合部17bは、図4(b)に示すように、ほぼ全体がヘッド本体11内(ベース部11aと蓋部材11hとの間の空間)に入り込んだ状態となり、操作レバ17は、予め定められた量だけ揺動した状態となる。そして、操作レバ17がそのように揺動されることに伴い、前述した給糸側の場合と同様に、レピアヘッド10における把持機構が開放された状態となる。
なお、レピアヘッド10においては、ヤーンキャッチ13の前記後端側へ向けた変位量(把持機構を開放する際のその開放量)は、操作レバ17の揺動量に応じたものとなる。その上で、本実施例では、前記のような反給糸側でのオープナ41と操作レバ17(第2の係合部17b)との係合に伴う操作レバ17の揺動量は、前述した給糸側でのオープナ31と操作レバ17(第1の係合部17a)との係合に伴う操作レバ17の揺動量よりも小さい量に設定されている。
また、反給糸側においても、操作レバ17(第2の係合部17bにおける第2の係合面17b1)がオープナ41と係合したときにレピアヘッド10に作用する前記前後方向の力によってレピアヘッド10が前記前後方向に変位するのを規制する第2の規制部材43が設けられている。その第2の規制部材43は、オープナ41と同じような形状の部材で構成されており、オープナ41と前記前後方向において対向すると共に、織幅方向に関しオープナ41と略同じ位置に配置されるかたちで設けられている。さらに、その第2の規制部材43は、前記前後方向に関しては、その内側の側面(オープナ41側を向く面)の位置がレピアヘッド10におけるガイド部12の前記幅方向における最も外側の側面(外側側面)の位置と略一致するように設けられている。
さらに、レピアヘッド10においては、ガイド部12は、前記外側側面が操作レバ17における第2の係合部17bよりも前記長手方向に関し前記後端側まで存在するように設けられている。したがって、レピアヘッド10は、前記のように第2の係合部17bがオープナ41と係合する位置にまで後退すると、そのガイド部12における前記外側側面において第2の規制部材43の前記内側の側面に当接した状態となる。それにより、操作レバ17(第2の係合部17b)がオープナ41と係合することに伴い、前記のようにレピアヘッド10に対し前記前後方向の力が作用したとしても、その力が第2の規制部材43によって受けられるため、レピアヘッド10の前記前後方向における変位がその第2の規制部材43によって規制される。
因みに、第2の係合部17bとオープナ41との係合によって操作レバ17が前記のように予め定められた量だけ揺動した状態では、前記幅方向に関し、第1の係合部17aは、その全てがガイド部12の前記外側側面よりもレピアヘッド10の内側に位置した状態となる。すなわち、レピアヘッド10においては、ガイド部12は、そのような状態と成り得るような大きさとなっている。また、前述のように、レピアヘッド10においては、第2の係合部17bは、前記長手方向に関し、第1の係合部17aよりも前記後端側に位置している。したがって、緯入れ装置1は、レピアヘッド10が前記待機位置まで後退する過程において、第1の係合部17aが第2の規制部材43と干渉しない構成となっている。
次に、図5〜図9に基づき、レピアヘッド10の前記最前進状態で、そのレピアヘッド10に対し緯糸としての扁平糸Yを供給するための構成及びその作用について説明する。すなわち、以上では、扁平糸Yを緯糸として緯入れする片側レピア織機における緯入れ装置に含まれる構成の一例を説明したが、そのような扁平糸Yを緯入れするための緯入れ装置は、給糸側においてレピアヘッドに対し扁平糸Yを供給可能とすべく、レピアヘッドの走行経路を挟んで上下方向に亘るかたちで扁平糸Yを案内する糸案内機構を備えている。以下では、本実施例におけるその糸案内機構50について詳述する。但し、本実施例では、糸案内機構50は、その糸案内機構の動作によってレピアヘッド10における糸導入部11dに対する扁平糸Yの導入が行われるように構成されている
糸案内機構50は、本実施例では、前記した給糸機構25に含まれる。そして、その糸案内機構50は、給糸体を含む給糸手段(図示略)から供給される扁平糸Yを、織幅方向に関し、レピアヘッド10が前記最前進状態となったときの糸導入部11dの位置(以下、「給糸位置」とも言う。)において、上下方向に関し、レピアヘッド10の走行経路(図5、6において一点鎖線Pで示す位置)の上方から下方に向けて(その走行経路Pを挟んで)扁平糸Yを案内するように構成されている。
より詳しくは、その糸案内機構50は、走行経路Pの下方で扁平糸Yを保持する保持装置51と、走行経路Pよりも上方で扁平糸Yを案内する案内部材53と、保持装置51へ向けて扁平糸Yを導く誘導装置55と、保持装置51を保持状態と非保持状態とに切り換える把持駆動装置としての流体圧シリンダ(例えば、エアシリンダ)57とを含んでいる。
保持装置51は、扁平糸Yを上方から受け入れてその扁平糸Yの先端部を保持する保持体を含んでいる。その保持体は、全体としてクリップ状の挟み具のように構成されており、扁平糸Yを保持する際の保持ベースとなるベース側の保持部材(第1の保持部材)51aと、扁平糸Yを保持する際に回動操作される可動側の保持部材(第2の保持部材)51bとを含んでいる。その両保持部材51a、51bは、いずれも略角柱状に形成された基体部51a1、51b1を主体としており、その基体部51a1、51b1の長手方向における一端側に、保持部51a2、51b2を有するように構成されている。すなわち、保持体は、一対の保持部51a2、51b2を有すると共に、その一対の保持部51a2、51b2のうちの一方の保持部51a2が第1の保持部材であるベース側の保持部材51aに含まれ、他方の保持部51b2が第2の保持部材である可動側の保持部材51bに含まれる構成となっている。
なお、各保持部材51a、51bにおいて、保持部51a2、51b2は、各保持部材51a、51bの幅方向に関し、基体部51a1、51b2よりも大きい寸法を有しており、その中間部において基体部51a1、51b1に連続している。したがって、各保持部材51a、51bは、その厚さ方向に見てT字形に形成されている。その上で、両保持部材51a、51bは、それぞれの基体部51a1、51b1のその長手方向における略中間部に形成された取付部51a3、51b3において、枢軸51cによって相対的に回動可能に組み合わされている。そして、その保持体は、そのように組み合わされた状態の両保持部材51a、51bがその厚さ方向で対向すると共に、基体部51a1、51b1の長手方向において両保持部51a2、51b2の位置が一致するように構成されている。したがって、両保持部51a2、51b2は、そのように組み合わされた状態で接離可能となっている。
さらに、その保持体は、基体部51a1、51b1の長手方向に関し取付部51a3、51b3に対する保持部51a2、51b2側とは反対側の位置で、両基体部51a1、51b1の間に介装された圧縮バネ51d(図示の例では2つ)を備えている。したがって、その保持体においては、その圧縮バネ51dのバネ力により、両保持部材51a、51bにおける保持部51a2、51b2が互いに押接されている。
その上で、保持装置51は、そのベース側の保持部材51aを織機上で支持するための保持体支持機構51eを含んでいる。図7は、その保持体支持機構51eの一例を示している。図示のように、保持体支持機構51eは、ベース側の保持部材51aが取り付けられる支持プレート51e1を含んでいる。そして、ベース側の保持部材51aは、基体部51a1における可動側の保持部材51bと対向する側面とは反対側の側面において、支持プレート51e1に対し取り付けられている。
その支持プレート51e1は、板材をL字形に屈曲させたかたちに形成されている。すなわち、支持プレート51e1は、その屈曲部よりも一方の側の板部(一方側板部)と他方の側の板部(他方側板部)とを有している。そして、ベース側の保持部材51aは、その支持プレート51e1の前記一方側板部における内側の面(前記他方側板部の側を向く面)に対し、基体部51a1の長手方向が前記他方側板部の端面と平行を為すように取り付けられている。なお、支持プレート51e1は、それに取り付けられたベース側の保持部材51aの基体部51a1の長手方向に関し、前記他方側板部の寸法が前記一方側板部の寸法よりも小さくなっており、両板部の一端側の位置が一致すると共に前記一端側板部が前記他端側板部に対し延長された形状となっている。
また、保持体支持機構51eは、その支持プレート51e1を織機上で支持された状態とすべく、支持プレート51e1を支持するブラケット51e3を含んでいる。そして、支持プレート51e1は、前記他方側板部における外側の面(前記一方側板部の側を向く面とは反対側の面)において、そのブラケット51e3に対し取り付けられている。
そのブラケット51e3は、支持プレート51e1が取り付けられる板状の支持部を有すると共に、その支持部の支持プレート51e1が取り付けられる面と平行に見て、L字形を為すように形成されている。すなわち、ブラケット51e3は、前記支持部に加え、その前記支持部に対し直交する方向に延びる部分であって織機上で支持プレート51e1を支持する際のベースとなる部分である基部を有している。そして、支持プレート51e1は、そのブラケット51e3の前記支持部における外側の面(前記基部の側を向く面とは反対側の面)に対し取り付けられている。但し、支持プレート51e1は、ベース側の保持部材51aにおける基体部51a1の長手方向がブラケット51e3における前記基部に対する前記支持部の延在方向と一致するように、ブラケット51e3に対し取り付けられている。
さらに、保持体支持機構51eは、レール51e6と、そのレール51e6によって変位が案内されるブロック51e5とから成る所謂LMガイドのような案内機構を含んでいる。そのレール51e6は、適当な支持手段等によって織機のフレームに対し支持されており、上下方向における走行経路Pの下方であって織幅方向における前記給糸位置において、前記前後方向に延在するように固定配置されている。その上で、前記のように支持プレート51e1が取り付けられたブラケット51e3は、その前記支持部の前記延在方向を上下方向に一致させる向きで、その案内機構におけるブロック51e5上に取り付けられている。
それにより、前記のように支持プレート51e1に取り付けられたベース側の保持部材51a及びその保持部材51aに組み合わされた可動側の保持部材51bは、その基体部51a1、51b1の長手方向を上下方向に向けるかたちで保持体支持機構51eにより支持された状態で織機上に設けられることとなる。なお、保持体支持機構51eにおける案内機構において、ブロック51e5は、レール51e6の延在方向、すなわち前記前後方向には変位を許容されているが、それ以外の方向への変位は許容されていない。したがって、そのブロック51e5に対しブラケット51e3及び支持プレート51e1を介して支持されている保持部材51a(保持部材51b)は、織幅方向に関しては配置が固定された状態となっている。
そして、そのように織機上に設けられた状態で、両保持部材51a、51bは、前記のように走行経路Pの下方に位置している。また、織機上での保持体支持機構51e(レール51e6)の配置及び支持プレート51e1に取り付けられた状態でのベース側の保持部材51aとその保持体支持機構51e(レール51e6)との位置関係により、前記のように織機上に設けられた状態での保持部材51aは、織幅方向に関しその保持部51a2の可動側の保持部材51b側を向く面が前記給糸位置に位置するように配置される。したがって、前記のように両保持部材51a、51bにおける保持部51a2、51b2が互いに押接された状態となることで形成されている保持装置51における保持部分51hも、織幅方向に関し前記給糸位置に位置する。そして、保持体支持機構51eが前記のような案内機構において織機のフレームに支持されていることから、両保持部材51a、51bは、織機上において前記前後方向に変位可能に設けられた状態となっている。
また、保持装置51は、保持体支持機構51eを前記前後方向に変位させ、延いては両保持部材51a、51bを前記前後方向に変位させるための駆動機構としての変位駆動装置を含んでいる。また、保持体支持機構51eは、連結部材51e7を含み、その連結部材51e7がブラケット51e3における前記支持部の前記外側の面に取り付けられた構成となっている。その上で、保持体支持機構51eは、その連結部材51e7においてその変位駆動装置と連結されている。
図8は、その変位駆動装置の一例を示している。図8に示す変位駆動装置51fは、上下方向に関し案内部材53よりも上方で、軸線を織幅方向に向けて織機上において固定的に配置された支持軸51f3と、その支持軸51f3に対し軸受を介して支持されて織機上において前記前後方向に揺動可能に設けられた板状の駆動レバ51f1とを含んでいる。その駆動レバ51f1は、図8(b)に示すように、その板厚方向に見て略L字形の形状に形成されており、その一端において支持軸51f3に支持されている。また、駆動レバ51f1は、その他端において連結部材51e7(ブラケット51e3)と連結されている。なお、駆動レバ51f1と連結部材51e7との連結は、球面軸受等を含む連結具51f4によって行われている。
また、変位駆動装置51fは、駆動レバ51f1を揺動駆動するためのカム機構を含んでいる。そのカム機構は、織機上において支持軸51f3と平行を為すように設けられた回転軸51f6と、その回転軸51f6に対し相対回転不能に組み付けられて回転軸51f6に支持されたカム51f2とを含む。また、その回転軸51f6は、適当な駆動手段に連結されている。そして、回転軸51f6(カム51f2)は、その駆動手段により、織機の1サイクル(織機の主軸が1回転する期間)毎に1回転するように回転駆動される。なお、その駆動手段は、例えば、織機の主軸に連結されて主軸により回転駆動される駆動軸、及びその駆動軸と回転軸51f6とを連結して駆動軸の回転を回転軸51f6に伝達する伝達機構であってプーリ、ベルト等から成る伝達機構を含む駆動機構である。また、その駆動手段は、回転軸に対し直接的に連結される駆動モータであっても良い。
カム51f2は、前記のように回転軸51f6に支持された状態において、図8(b)に示すように、駆動レバ51f1の板厚方向に見てその一部が駆動レバ51f1と重複するように、織機上において設けられている。そのカム51f2は、図示の例では溝カム(カム溝は図示略)である。また、駆動レバ51f1には、カム51f2のカム溝に案内され得るように設けられたカムフォロア(図示略)が、前記のようにカム51f2と重複する部分におけるカム51f2と対向する面に対し回転自在に取り付けられている。
それにより、変位駆動装置51fは、前記のようにカム51f2が回転駆動されることで駆動レバ51f1が揺動駆動され、カム51f2の1回転毎に駆動レバ51f1が前記前後方向において1回の往復揺動運動を行う構成となっている。そして、駆動レバ51f1がそのように揺動駆動されることで、その駆動レバ51f1に連結された保持体支持機構51e、並びにその保持体支持機構51eに支持された両保持部材51a、51bは、緯入れ期間中において後述のように前記前後方向に変位駆動される。
また、糸案内機構50は、前記したように扁平糸Yを案内する案内部材53も含んでおり、その案内部材53も、保持体支持機構51eによって支持されている。詳しくは、その案内部材53は、ロール状(軸状)の部材であり、取付プレート53a及び支持アーム53bを介して保持体支持機構51eにおける支持プレート51e1に支持されている。その取付プレート53aは、板材をL字形に屈曲させた部材であり、その屈曲部よりも一端側の部分において支持プレート51e1における前記一方側板部における外側の面に取り付けられている。但し、その取付プレート53aは、そのように取り付けられた状態で、その屈曲部よりも他端側の部分が織機上において支持プレート51e1における前記他方側板部の上方に位置するように支持プレート51e1に対し取り付けられている。
また、支持アーム53bは、細長い板状の部材であり、織機上において取付プレート53aにおける前記他端側の部分から上方に向けて延びるようなかたちで、その長手方向における一端部において取付プレート53aに対し取り付けられている。その上で、案内部材53は、その支持アーム53bの他端部において片持ち支持されている。なお、そのように支持された状態で、案内部材53は、上下方向に関し走行経路Pの上方に位置する。すなわち、支持アーム53bは、案内部材53をそのような位置に配置するような長さ寸法を有している。また、案内部材53は、織幅方向に関しては、ベース側の保持部材51aの保持部51a2よりも筬Rの側とは反対の側に配置された状態となっている。
このように、案内部材53は、両保持部材51a、51bを支持する保持体支持機構51eによって支持されている。したがって、前記のように両保持部材51a、51bが前記前後方向に変位駆動されるのに伴い、案内部材53も同じように前記前後方向に変位する。なお、その両保持部材51a、51b及び案内部材53の変位駆動は、前記前後方向に関し、レピアヘッド10の走行位置と重複する位置である基準位置と、レピアヘッド10の走行位置から織前側へ離間した退避位置との2位置間で行われる。そして、両保持部材51a、51b及び案内部材53は、通常は前記基準位置に配置される。また、両保持部材51a、51b及び案内部材53は、緯入れのためのレピアヘッド10の前進駆動が開始されてからレピアヘッド10が前記最前進位置に達するまでの間に前記退避位置に位置する状態とされ、レピアヘッド10が前記最前進位置に達して糸導入部11dに対し扁平糸Yが導入される際に前記基準位置へ向けて変位される。
また、糸案内機構50は、前記したように、把持駆動装置としての流体圧シリンダ57も含んでいる。その流体圧シリンダ57は、保持装置51を保持状態と非保持状態とに切り換える装置、より詳しくは、前記した保持装置51における保持部分51hを、両保持部材51a、51bにおける保持部51a2、51b2が互いに押接された状態である保持状態と、両保持部51a2、51b2が離間してその保持部分51hが開放された状態である非保持状態とに切り換える装置である。
その流体圧シリンダ57は、適当な支持手段等により、織機のフレームに対し固定配置されている。また、その流体圧シリンダ57は、前記前後方向に関し前記基準位置にある可動側の保持部材51bの基体部51b1に対し、そのピストンロッド57aの先端に取り付けられた押圧体57bが織幅方向において対向するように設けられている。但し、その流体圧シリンダ57は、上下方向に関しては、基体部51b1のその長手方向における保持部51b2側とは反対側の端部(下端部)に対向するように設けられている。さらに、流体圧シリンダ57は、織幅方向に関し、不作動状態(ピストンロッド57aが後退した状態)においてその押圧体57bが保持部材51bから離間すると共に、作動状態(ピストンロッド57aが進出した状態)において押圧体57bが保持部材51bの前記下端部を所定量だけ押すように設けられている。
したがって、流体圧シリンダ57が作動状態とされることで、可動側の保持部材51bは、その下端部が前記のように押されて圧縮バネ51dのバネ力に抗して変位する結果として、両保持部材51a、51bを組み合わせている枢軸51cを中心に、保持部51b2が保持部材51aから離間する方向へ回動変位する。すなわち、流体圧シリンダ57は、保持部51aに対し押接された状態となっている保持部51bの位置を保持部51aから離間した位置へ変更するように可動側の保持部材51bを回動駆動する。それにより、ベース側の保持部材51aの保持部51a2と可動側の保持部材51bの保持部51b2とが、前記のように押接された状態(図5の状態)から離間した状態(図6の状態)となり、保持部分51hが開放された状態となる。
また、糸案内機構50は、前記したように、保持装置51へ向けて扁平糸Yを導く誘導装置55も含んでいる。その誘導装置55は、図示のような薄板を2箇所において略直角に屈曲させて形成された誘導部材を有しており、その誘導部材における先端側の屈曲部よりも先端側の部分が本発明における誘導板に相当する。
その誘導板55aの配置について、誘導板55aは、織幅方向に関しては、その全体が保持装置51における保持部分51hと略同じ位置に位置するように設けられている。すなわち、誘導板55aは、その板面が前記前後方向と平行を為す(板面と直交する板厚方向が織幅方向と一致する)向きで、保持装置51における保持体の直上に位置するように設けられている。但し、その誘導板55aは、その先端縁(屈曲部側とは反対側の端縁)55a1が最も下方で水平に延在するように設けられている。また、誘導板55aは、前後方向に関しては、保持装置51が前記基準位置に位置するときの保持部分51h(保持部51a2、51b2)の位置と略同じ位置に位置するように設けられている。
なお、本実施例では、誘導板55aは、保持部材51a、51bの幅方向における保持部51a2、51b2の寸法と略同じ幅寸法(先端縁55a1の延在方向における寸法)を有するように形成されている。そして、その誘導板55aは、前記のような配置において、その誘導板55aが固定される支持体55bを含む誘導板支持機構に取り付けられると共に、誘導板55aを上下方向に変位させるための駆動機構としての誘導板駆動装置55gに連結されるかたちで支持されている。
その誘導板支持機構は、誘導板55aが固定される板状の支持体55bに加え、誘導板55aの上下方向の変位を案内するための案内機構を含んでいる。その案内機構は、前記した保持装置51の支持機構51eにおける案内機構と同様のものであって、レール55eと、そのレール55eによって変位が案内されるブロック55dとから成る所謂LMガイドのような機構である。そのレール55eは、織機上において織機のフレームに対し固定的に設けられた糸案内機構50のための支持フレーム59(一部のみを図示)に対し、支持ブラケット55fを介して支持されている。因みに、前述した保持装置51における保持体支持機構51e(レール51e6)も、その支持フレーム59に対し支持されている。
その案内機構におけるレール55eは、前記のように支持された状態で、その長手方向を上下方向に一致させる向きで、織機上における走行経路Pの上方であって前記のような誘導板55aの配置を成し得る位置において固定配置されている。したがって、その案内機構におけるブロック55dは、織機上において上下方向に変位可能となっている。その上で、誘導板55aが固定された支持体55bは、板状のスペーサ55cを介してブロック55dに取り付けられている。それにより、誘導板55aは、織機上における前記のような配置において、上下方向に変位可能に設けられた状態となっている。
また、誘導板駆動装置55gは、支持体55b(誘導板55a)に連結される板状の昇降レバ55g1と、その昇降レバ55g1を揺動駆動するためのカム機構とを含んでいる。なお、その昇降レバ55g1は、前述した変位駆動装置51fにおける支持軸51f3に支持されており、織機上において上下方向に揺動可能となっている。すなわち、本実施例では、変位駆動装置51fにおける駆動レバ51f1を支持する軸と誘導板駆動装置55gにおける昇降レバ55g1を支持する軸とが共通の軸となっている。そして、その支持軸51f3は、支持フレーム59に対し回転可能に支持されている。
また、その昇降駆動装置55gにおけるカム機構のカム55g2は、前述した変位駆動装置51fにおけるカム機構の回転軸51f6に対し相対回転不能に組み付けられるかたちでその回転軸51f6によって支持されている。すなわち、本実施例では、変位駆動装置51fにおけるカム機構のカム51f2を回転駆動する軸と昇降駆動装置55gにおけるカム機構のカム55g2を回転駆動する軸とが共通の軸となっている。したがって、昇降駆動装置55gにおけるカム機構のカム55g2も、変位駆動装置51fにおけるカム機構のカム51f2と同様に前述のように回転駆動される。そして、その回転軸51f6も、支持フレーム59に対し回転可能に支持されている。
昇降レバ55g1は、その板厚方向を織幅方向に一致させると共に前記前後方向に延在するように配置され、球面軸受等を含む連結具55g4により、その一端部において支持体55bと連結されている。そして、昇降レバ55g1は、その長手方向における中間部よりも他端部側において、支持軸51f3に対し回転可能に支持されており、前記のように織機上において上下方向に揺動可能に設けられている。
また、カム55g2は、その回転軸51f6に支持された状態において、図9(b)に示すように、昇降レバ55g1の板厚方向に見てその一部が昇降レバ55g1における支持軸51g3に支持される部分よりも他端側の部分と重複するように、織機上において設けられている。なお、そのカム55g2は、変位駆動装置51fにおけるカム機構のカム51f2と同様に溝カム(カム溝は図示略)である。また、昇降レバ55g1には、その他端部に、カム55g2のカム溝に案内されるカムフォロアが取り付けられている。
そして、昇降レバ55g1は、そのカムフォロアがカム55g2のカム溝に案内されることで、自在に揺動し得る状態が規制され、カム溝内でのカムフォロアの位置に応じた揺動位置に位置した状態となっている。それにより、前記のように上下方向に変位可能に設けられた誘導板55aは、支持体55bが連結具55g4によって昇降レバ55g1と連結されていることで、上下方向に関しその昇降レバ55g1の揺動位置に応じた位置に支持された状態となっている。
このような昇降駆動装置55gの構成によれば、カム55g2が回転駆動されるのに伴い、そのカム55g2の1回転毎に昇降レバ55g1が上下方向において1回の往復揺動運動を行う。その結果として、誘導板55aは、その先端縁55a1が案内部材53よりも上方に位置する上方待機位置と、先端縁55a1が保持装置51におけるベース側の保持部材51aの保持部51a2よりも下方に位置する誘導位置の2位置間で変位するように昇降駆動される。その上で、誘導板55aは、保持装置51に対する扁平糸Yの誘導が行われる作動時以外の待機時では前記上方待機位置に配置され、その作動時において前記誘導位置へ向けて変位駆動される。
以上のように構成された緯入れ装置1の作用、特に糸案内機構50の作用は、以下の通りである。
図5は、緯入れが終了した時点の状態を示している。前記給糸手段(給糸体)から供給された扁平糸Yは、案内部材53によって走行経路P側に転向され、反給糸側へ向けて織幅方向に引き出されている。緯入れ装置1は、織幅方向における糸案内機構50と筬Rとの間に、緯入れされた扁平糸Yを切断するための切断装置26を備えている。
因みに、図示の切断装置26は、扁平糸Yを挟持しつつ切断する形式の切断装置であって、固定刃26a1及び可動刃26a2を含む切断機構と、固定挟持体26b1及び可動挟持体26b2を含む挟持機構とを備えている。そして、その切断装置26は、可動刃26a2及び可動挟持体26b2が一体的に上下方向に変位するように構成されており、その可動刃26a2及び可動挟持体26b2は、扁平糸Yを切断する切断動作時以外では、固定刃26a1及び固定挟持体26b1に対し上方へ離間した位置に配置される。
緯入れが終了すると、その終了後から次の緯入れが開始されるまでの所定のタイミングで、切断装置26において可動刃26a2及び可動挟持体26b2が駆動され、その切断装置26の位置において扁平糸Yが切断される。それにより、前記給糸手段に連なる扁平糸Yは、緯入れされた扁平糸Yから切り離される。また、その状態では、前記給糸手段側の扁平糸Yの先端部は、固定挟持体26b1と可動挟持体26b2とで挟持され、その位置に保持されている。
その状態で、図6に示すように、流体圧シリンダ57が作動状態とされ、前記のように保持装置51における保持部分51hが開放された状態(保持部51a2と保持部51b2とが離間した状態)とされる。さらに、誘導装置55において、前記上方待機位置に位置している誘導板55aが前記誘導位置へ向けて下降するように変位駆動される。それにより、前記給糸手段側へ連なる扁平糸Yの上方に位置する誘導板55aが、先ずはその先端縁55a1においてその扁平糸Yと係合する。但し、切断装置26は、そのように誘導板55aが扁平糸Yと係合する前に、可動挟持体26b2が上方へ向けて駆動され、固定挟持体26b1と可動挟持体26b2とによる扁平糸Yの挟持が解放された状態とされる。
その係合した時点からの誘導板55aの更なる下降により、誘導板55aは、その先端縁55a1において扁平糸Yの表面を撫でつつその扁平糸Yを下方へ向けて導く。そして、誘導板55aが前記誘導位置に達することにより、扁平糸Yは、図6に示すようにその先端部が保持装置51における開放された保持部分51h内(保持部51a2と保持部51b2との間)に挿入された状態となる。そして、その状態において、誘導板55aが前記上方待機位置へ向けて変位駆動されると共に、流体圧シリンダ57が不作動状態とされる。それにより、保持装置51においては、圧縮バネ51dのバネ力によって保持部51b2がベース側の保持部材51a(保持部51a2)側へ変位するように可動側の保持部材51bが回動し、扁平糸Yが保持部51a2と保持部51b2とに挟持されて保持された状態となる。
そして、その状態では、その扁平糸Yは、走行経路Pよりも上方に位置する案内部材53により案内(転向)されてその下方へ向けて延び、走行経路Pよりも下方に設けられた両保持部材51a、5bによりその先端側の部分が保持された状態となる。すなわち、糸案内機構50(保持装置51)においては、扁平糸Yは、前記のような緯入れ後における切断装置26による切断後において、その先端側の部分に連なる部分が走行経路Pを挟んで上下方向に案内された状態とされる。また、その状態では、保持装置51における両保持部材51a、51b及び案内部材53は、前記前後方向に関し、扁平糸Yが緯入れされるレピアヘッド10の走行位置と重複する前記基準位置に位置している。
なお、その緯入れされた扁平糸Yが筬Rによって筬打ちされ、経糸Tによって次の開口が形成されると、次の緯入れのためのレピアヘッド10の前進駆動が開始される。それに伴い、糸案内機構50においては、前記のように前記基準位置に位置する両保持部材51a、51b及び案内部材53が、前記前後方向(前記幅方向と平行な方向)において前記退避位置へ向けて変位するように、保持装置51における支持機構51eが変位駆動される。それにより、図10に示すように、両保持部材51a、51b及び案内部材53が、前記前後方向においてレピアヘッド10の走行位置から織前側に外れた前記退避位置に位置する状態となる。また、そのときにおいて、給糸側のオープナ31は、前記のような支持レバ33の駆動により、前記不作用位置に位置する状態となっている。
そして、前記の前進駆動に伴ってレピアヘッド10が前記最前進位置に達すると、レピアヘッド10は、平面視において、両保持部材51a、51b及び案内部材53(並びに案内部材53と両保持部材51a、51bとの間に亘るかたちで上下方向に案内された扁平糸Yの部分)とオープナ31との間に位置した状態となる。その状態においては、前述のように、レピアヘッド10における操作レバ17の第1の係合部17a(第1の係合面17a1)とオープナ31とが前後方向において対向すると共に、織幅方向においてレピアヘッド10における糸導入部11dの位置と保持装置51における保持部分51hの位置とが略一致した状態となっている。
その上で、先ず、支持レバ33が揺動駆動されてオープナ31が前記作用位置へ向けて変位され、図11の上図に示すようにオープナ31がレピアヘッド10における操作レバ17(第1の係合部17aの第1の係合面17a1)と係合した状態となる。それにより、レピアヘッド10においては、前記開放操作が行われ、その把持機構が前述のように開放された状態となる。なお、レピアヘッド10(ヘッド本体11)において空間部として形成された糸導入部11dは、前述のようにヤーンキャッチ13の把持部13bがヘッド本体11のヘッド部11bに押接された状態(把持機構が閉じられた状態)では、外部に対し閉塞された状態となっている。そして、レピアヘッド10における把持機構が前記のように開放された状態とされる(前記開放操作が行われる)ことで、糸導入部11dは外部に開放された状態となる。
次いで、そのようにレピアヘッド10における把持機構(糸導入部11d)が開放された状態で、糸案内機構50における保持装置51において、両保持部材51a、51b及び案内部材53が前記前後方向に関し前記基準位置へ向けて変位するように、支持機構51eが変位駆動される。それに伴い、糸案内機構50において前記のように上下方向に案内された扁平糸Yの部分が、前記前後方向においてレピアヘッド10と重複する位置まで変位される。それにより、扁平糸Yのその部分(正確には、その部分のうちの上下方向においてレピアヘッド10と同じ高さ位置に位置する部分)が、前記のように開放された状態のレピアヘッド10における糸導入部11dに導入される。図11は、そのように扁平糸Yが糸導入部11dに導入された状態を示している。
そして、そのように扁平糸Yがレピアヘッド10における糸導入部11dに導入されると、支持レバ33が前記とは反対の方向へ揺動駆動されてオープナ31が前記不作用位置へ向けて変位し、再びオープナ31がレピアヘッド10における操作レバ17(第1の係合部17a)から離間した状態とされる。それにより、レピアヘッド10においては、再びヤーンキャッチ13の把持部13bがヘッド本体11のヘッド部11bに押接された状態となり、その把持機構において把持部13bとヘッド部11bとで扁平糸Yが把持された状態となる。
さらに、糸案内機構50においては、流体圧シリンダ57が再び作動状態とされ、保持装置51における保持部分51hが開放された状態(保持部51a2と保持部51b2とが離間した状態)とされる。それにより、保持装置51における両保持部材51a、51bによってその先端部が保持されていた扁平糸Yは、その保持が解放された状態となる。
そして、そのように保持装置51による扁平糸Yの保持が解放された後、レピアヘッド10に対する後退駆動が開始され、前記のように把持機構において扁平糸Yを保持した状態のレピアヘッド10が前記待機位置へ向けた後退を開始する。それにより、扁平糸Yは、その先端部が保持装置51における保持部分51h内(保持部51a2と保持部51b2との間)から引き出されると共に、前記給糸手段に連なる部分がレピアヘッド10の後退に連れだって経糸Tの開口内に引き出されて緯入れされる。なお、扁平糸Yの先端部が保持部分51hから引き出されると、流体圧シリンダ57が不作動状態とされ、保持装置51は、再び扁平糸Yを保持する(扁平糸Yの先端部が挿入される)前の状態に戻され、次の緯入れに備えた状態となる。
また、後退駆動によってレピアヘッド10が前記待機位置の近傍に達すると、レピアヘッド10においては、操作レバ17が第2の係合部17bの第2の係合面17b1が反給糸側のオープナ41と係合し、把持機構から開放された状態となる。それにより、扁平糸Yは、その先端部においてレピアヘッド10により把持された状態から解放された状態となる。その後、レピアヘッド10が前記待機位置まで後退することで、1回の緯入れが完了した状態となる。
以上で説明したように、本実施例の緯入れ装置1における糸案内機構50では、その保持装置51における扁平糸Yを保持するための保持体は、前述のように織幅方向に対向する一対の保持部51a2、51b2を有すると共に走行経路Pの下方に配置されている。そして、その保持体は、その一対の保持部51a2、51b2間である保持部分51hに対し上方から扁平糸Y(先端部)を受け入れて扁平糸Yを保持する構成となっている。そのように扁平糸Yを上方から受け入れて保持できるように構成された保持体によれば、緯入れが終了して切断装置によって切断された後で、その給糸側の扁平糸Yの先端部を保持部分51hに受け入れることが可能である。したがって、その保持体の構成によれば、扁平糸Yを保持するまでは、扁平糸Yと保持体とを完全に離間した状態とすることができる。それにより、糸案内機構50がそのように構成された緯入れ装置1によれば、保持体と扁平糸Yとの摺接が殆ど生じないため、扁平糸Yと部材との摺接等に伴う扁平糸Yの損傷を可及的に低減することができる。
また、糸案内機構50は、前述のように構成された誘導装置55を備えており、切断後に扁平糸Yの先端部を保持体の保持部分51hへ導入するにあたり、誘導板55aによってその扁平糸Yの先端部が保持部分51h(保持部51a2、51b2間)へ導かれる構成となっている。その構成により、保持体によって扁平糸Yを保持するための保持部分51hへの扁平糸Yの先端部の導入がより確実に行われる。
また、本実施例の糸案内機構50は、前述のように構成された保持体の保持部分51hを開放された状態(非保持状態)とするための把持駆動装置(流体圧シリンダ57)を備えている。なお、前述のような保持装置51における保持体の構成では、保持部分51hにおける保持部51a2と保持部51b2との押接は圧縮バネ51dのバネ力による弾性的なものであるため、保持部分51hを積極的に開放しなくても、誘導板55aを保持部51a2、51b2間へ押し込むことが可能であり、それにより扁平糸Yの先端部を保持部分51hへ導入することが可能である。また、緯入れ時においても、レピアヘッド10が扁平糸Yを把持して牽引することで、保持部51a2、51b2が押接状態となっている保持部分51hから扁平糸Yの先端部を引き出すことが可能である。しかし、そのように扁平糸Yの先端部を閉じられた状態の保持部分51hへ押し込んだりその保持部分51hから引き出したりすると、扁平糸Yに負荷が掛かるため、扁平糸Yの種類によっては扁平糸Yが損傷する場合がある。
それに対し、前述のように糸案内機構50を、把持駆動装置が備えられ、扁平糸Yの先端部の導入時及び緯入れ開始時に保持体における保持部分51hが積極的に開放される構成とすれば、保持部分51hへの扁平糸Yの導入時や保持部分51hからの扁平糸Yの引き出し時に扁平糸Yに対し負荷が掛かることを無くすことができる。したがって、そのような構成とすることで、その糸案内機構50は、どの様な種類の扁平糸Yにも対応することが可能となる。
さらに、本実施例の糸案内機構50は、保持装置51が変位駆動装置を含み、レピアヘッド10の進退運動に合せて保持体が前記前後方向に変位駆動されるように構成されている。なお、そのような本実施例の構成とは異なる保持体が変位駆動されない構成(例えば、前述の特許文献1に開示されたレピア織機)であっても、レピアヘッドにおける扁平糸Yを把持する糸導入部に対し扁平糸Yが導入された状態とすることは可能である。但し、その構成では、扁平糸Yとレピアヘッドとが干渉する、又は干渉する虞があることとなる。そして、扁平糸Yの種類等によっては、そのような干渉が好ましくないとされる場合がある。
それに対し、前記のような本実施例の糸案内機構50の構成によれば、レピアヘッド10において扁平糸Yを保持すべく糸導入部11dに扁平糸Yを導入する前において、レピアヘッド10と扁平糸Yとが干渉することが無いため、その糸案内機構50は、どの様な形式のレピア織機における製織にも対応可能である。
以上では、本発明による緯入れ装置について、その一実施形態(以下、「前記実施例」と言う。)を説明したが、本発明は、前記実施例には限定されず、以下のような他の実施形態(変形例)での実施も可能である。
(1)糸案内機構について、前記実施例では、その糸案内機構50は、走行経路Pの下方で扁平糸Yを保持する保持装置51を備えると共に、その保持装置51における扁平糸Yを保持するための保持体が前述のようなベース側の保持部材(第1の保持部材)51aと可動側の保持部材(第2の保持部材)51bとで構成されている。また、前記実施例の糸案内機構50は、保持装置51を保持状態と非保持状態とに積極的に切り換えるための把持駆動装置としての流体圧シリンダ57を備えている。
しかし、糸案内機構における保持装置(保持体)が前記実施例のように構成されている場合であっても、本発明においては、糸案内機構は、前記実施例のような把持駆動装置(流体圧シリンダ)を備えていなくても良い。すなわち、前記実施例の糸案内機構の構成において、その流体圧シリンダ57は省略することが可能である。
詳しくは、前述のように前記実施例の保持体は、ベース側の保持部材51aの保持部51a2に対し可動側の保持部材51bの保持部51b2が圧縮バネ51dによって押接されるように構成されている。そして、把持駆動装置は、その両保持部51a2、51b2間(保持部分51h)への扁平糸Yの挿入を容易にするために、保持部51b2が保持部51a2から離間するように保持部51b2(保持部材51b)を変位させる装置である。その上で、その保持部51a2、51b2間への扁平糸Yの挿入は、前述のように誘導装置55の誘導板55aを保持部51a2、51b2間へ下降変位させることによって行われている。
但し、そのように誘導板55aによって扁平糸Yを誘導しつつ保持部51a2、51b2間へ扁平糸Yを挿入するにあたっては、前記のように把持駆動装置によって保持部分51hを積極的に開放された状態としなくても、誘導板55aを下降させて前記のように互いに押接された状態となっている保持部51a2、51b2間へ誘導板55aを押し込むことで、その押し込み力によって保持部51b2が変位するため、扁平糸Yを挿入することは可能である。したがって、糸案内機構において、保持装置のための把持駆動装置(前記実施例における流体圧シリンダ57)は省略可能である。
(2)糸案内機構における保持装置について、前記実施例の保持装置51は、前記のようにその保持体が2つの保持部材51a、51bによって扁平糸Yを保持するように構成された装置となっている。しかし、本発明の糸案内機構における保持装置は、保持体がそのように機械的に扁平糸Yを保持するように構成された装置に限らず、例えば、保持体がサクションパイプのような吸引気流によって扁平糸Yを保持するように構成された装置であっても良い。また、保持装置は、その保持体が一対の板バネ等の弾性体を組み合わせて構成された装置であっても良い。なお、これらの場合も、前記(1)で述べたように、その緯入れ装置(糸案内機構)において前記の把持駆動装置は省略される。
(3)糸案内機構について、前記実施例では、保持装置51における保持体(保持部分51h)が前記前後方向に変位可能に設けられると共に、その保持体を変位させるための駆動機構が糸案内機構に含まれている。その上で、糸保持機構は、レピアヘッド10の前記最前進位置へ向けた前進時にレピアヘッド10の先端側の部分と扁平糸Yとが干渉しないように、レピアヘッド10が前記最前進位置に達する前に、保持体及び保持体と協働で扁平糸Yの一部を上下方向に案内する案内部材53であって保持装置51に支持された案内部材53を前記前後方向に変位させるように構成されている。すなわち、前記実施例の緯入れ装置は、糸案内機構によって上下方向に案内された扁平糸Yの部分が、糸案内機構における保持体及び案内部材の変位により、レピアヘッド10が前記最前進位置に達する前に積極的に前記前後方向に変位される構成となっている。
しかし、本発明による緯入れ装置においては、糸案内機構は、前記のように扁平糸Yを上下方向に案内する保持体及び案内部材が前記前後方向に変位するように構成されものには限らず、保持体及び案内部材が前記前後方向における所定の位置(前記基準位置)に固定的に配置されたものであっても良い。但し、その場合、レピアヘッドの糸導入部への扁平糸Yの導入は、例えば、図13に示すようなレピアヘッドを用い、糸案内機構による上下方向における扁平糸Yの案内とレピアヘッドの前進運動との協働で為されるようにすれば良い。
図13に示す例について、そのレピアヘッド10’は、前記実施例におけるレピアヘッド10とは異なり、その最先端11g’が前記幅方向に関し連結部11c’の範囲内に位置する、すなわち、その最先端11g’が前記幅方向に関し糸導入部11d’よりも連結部11c’側(糸導入部11d’の前記前後方向における開口部とは反対の側)に位置するように、ヘッド部11b’が形成されている。また、図示は省略するが、前記前後方向に関し、糸案内機構における保持体及び案内部材は、前記のように前記基準位置に固定的に配置されている。したがって、扁平糸Yは、その位置において上下方向に案内された状態とされる。なお、図13において、Y’は、扁平糸Yにおける前記のように上下方向に案内された部分(以下、「案内部分」とも言う。)の一部分であって、その案内部分におけるレピアヘッド10’と同じ高さ位置に位置する一部分である。
そして、図13に示す構成では、前進駆動されることによってレピアヘッド10’が前記最前進位置の近傍に達すると、(a)に示すように、レピアヘッド10’がそのヘッド部11b’における最先端11g’から糸導入部11d’側へ向けて傾斜する先端の傾斜面において扁平糸Yの一部分Y’と係合する。その係合後、レピアヘッド10’がさらに前進することにより、(b)に示すように、扁平糸Y(一部分Y’)は、レピアヘッド10’の前記傾斜面に案内されるかたちで、織幅方向においてレピアヘッド10’に対し相対的に前記後端側へ変位しつつ、前記前後方向(前記幅方向と平行な方向)における織前側へ変位する。
なお、前記のように糸案内機構における保持体及び案内部材の前記前後方向における位置は固定されている。そのため、扁平糸Yにおける案内部分は、前記のようにレピアヘッド10’と係合する一部分Y’が変位することで、正面から見て、その係合する一部分Y’において屈曲した状態となる。
その後、さらにレピアヘッド10’が前進すると、扁平糸Y(一部分Y’)がさらに前記のように変位し、扁平糸Y(一部分Y’)がレピアヘッド10’におけるヘッド部11b’の前記幅方向における連結部側とは反対側の側縁を乗り越える。但し、(c)は乗り越える直前を示している。そして、一部分Y’がそのようにヘッド部11b’の前記側縁を乗り越えると、扁平糸Yの案内部分が自身の張力によって前記のように屈曲した状態から元の状態に戻ろうとし、それにより、一部分Y’が前記前後方向における織前から離間する方向へ変位する。その結果として、扁平糸Y(一部分Y’)がレピアヘッド10’における糸導入部11d’に導入された状態となる。
このように、図13に示す例では、糸案内機構による上下方向における扁平糸Yの案内と、レピアヘッド10’の構成及びその前進運動との協働で、レピアヘッド10’が前記最前進位置に達する過程で扁平糸Yが前記前後方向に変位されると共に、その変位後に扁平糸Yがレピアヘッド10’における糸導入部11d’に導入されるように緯入れ装置が構成されている。
但し、緯入れ装置がそのように構成される場合、扁平糸Yの案内部分は、前記のようにレピアヘッド10’におけるヘッド部11b’の前記傾斜面に案内される過程で屈曲された状態となる。そして、その屈曲に伴い、案内部分の張力が上昇する。そこで、緯入れ装置がそのように構成されている場合には、扁平糸Yにおける案内部分の張力が過剰に上昇するのを防止するために、糸案内機構における保持装置は、その保持体が前記したような吸引気流によって扁平糸Yを保持するように構成されている装置であるのが望ましい。
また、本発明による緯入れ装置は、前記実施例や図13に示す例のような形式のレピアヘッドを用いるように構成されたものに限らず、前述の特許文献1に開示された形式のレピアヘッドを用いるように構成されたものであっても良い。なお、その場合におけるレピアヘッドの糸導入部(緯糸把持部)への扁平糸の導入は、その特許文献1に開示されている通りである。
(4)操作レバを揺動させるためのオープナについて、前記実施例では、給糸側のオ−プナ31は、前記最前進位置に達した状態のレピアヘッドの操作レバに対し接近・離間するように設けられており、反給糸側のオープナ41は、前記前後方向に関しレピアヘッドの操作レバと係合し得る位置で固定的に設けられている。
しかし、本発明による緯入れ装置においては、給糸側のオ−プナは、前記実施例の反給糸側のオープナと同様に、前記前後方向に関しレピアヘッドの操作レバと係合し得る位置で固定的に設けられていても良い。なお、レピアヘッドが前記実施例のように構成されている場合、操作レバは、固定的に配置されたオープナに対し、その外側の側面であってレピアヘッドの進行方向に対し鋭角を為す側面において係合する。したがって、そのような構成では、レピアヘッドの進行方向と直交する面においてオープナとレピアヘッドにおける操作部とが係合する従来の構成と比べ、その係合の際にレピアヘッドに対し作用する進行方向とは逆向きの力は小さい。それにより、その構成では、レピアバンドに座屈が生じる虞が少なくなる(特に、織機の回転数が低い場合等においてはその虞が殆ど無くなる)ため、給糸側のオープナが前記のように固定的に配置されていても、問題が発生する可能性は低い。
また、前記実施例では、反給糸側のオープナは前記のように固定的に配置されているが、その反給糸側のオープナも、前記実施例の給糸側のオープナと同様に、前記前後方向においてレピアヘッドの操作レバに対し接近・離間するように設けられていても良い。その上で、適当な駆動機構により、前記待機位置へ向けて後退するレピアヘッドにおける操作レバが織幅方向に関しオープナの存在範囲に達したときに、オープナをレピアヘッド(操作レバ)に向けて変位するように駆動すれば良い。
(5)前記実施例では、緯入れ装置は、レピアヘッドを進退運動させる駆動部材にバンド材が用いられた所謂バンドレピア式の緯入れ装置とされている。しかし、本発明は、前記駆動部材が棒材である棒レピア式の緯入れ装置にも適用可能である。
また、本発明は、以上で説明したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。
1 緯入れ装置
10 レピアヘッド
10’ レピアヘッド
11 ヘッド本体
11a ベース部
11b ヘッド部
11b’ ヘッド部
11b1 (ヘッド部の)端面
11c 連結部
11c’ 連結部
11d 糸導入部(空間部)
11d’ 糸導入部
11h 蓋部材
13 ヤーンキャッチ
13a 案内部(被操作部材の一部)
13b 把持部(糸把持部材)
13b1 (把持部の)端面
13c 受け部(被操作部材の一部)
13d 係合部分(被操作部材の一部)
15a 圧縮バネ
17 操作レバ
17a 第1の係合部
17a’ (操作レバの)第1の部分
17a1 第1の係合面
17b 第2の係合部
17b1 第2の係合面
17c 支持部
17c’ 支持部
18a 糸把持部材
18b 被操作部材
21 レピアバンド
25 給糸機構
26 切断装置
29 バンドガイド
31 給糸側のオープナ
41 反給糸側のオープナ
50 糸案内機構
51 保持装置
51a 保持部材
51a2 保持部
51b 保持部材
51b2 保持部
51d 圧縮バネ
51e 支持機構
51e5 ブロック(案内機構)
51e6 レール(案内機構)
51h 保持部分
53 案内部材
55 誘導装置
55a 誘導板
57 流体圧シリンダ
R 筬
T 経糸
Y 扁平糸(緯糸)
Y’ (扁平糸の)一部分

Claims (3)

  1. 緯糸にテープ状の扁平糸を用いて製織を行うレピア織機における緯入れ装置であって、待機位置が反給糸側に設定されたレピアヘッドが給糸側へ向けて前進すると共に給糸側で把持した前記扁平糸を後退しつつ緯入れする片側レピア形式であると共に、前記レピアヘッドに把持される前の前記扁平糸が上下方向に関し前記レピアヘッドの走行経路を挟んで案内されるように給糸側で前記扁平糸を保持する糸案内機構を含む緯入れ装置において、
    前記糸案内機構は、織幅方向に関し最前進位置に達した前記レピアヘッドにおける把持部の位置で且つ上下方向に関し前記走行経路の下方に設けられた保持体であって前記扁平糸の先端部を上方から受け入れて保持する保持体を含む保持装置と、前記保持装置の上方に設けられた誘導装置であって前記扁平糸の先端部を前記保持装置へ導く誘導装置と、前記走行経路よりも上方で前記扁平糸を案内する案内部材であって上下方向に関し配置が固定された案内部材とを備え、
    前記誘導装置は、薄板形状に形成された誘導板であって前記保持装置における前記保持体の直上で板面が織幅方向と直交するように設けられた誘導板と、該誘導板を前記走行経路よりも上方に設定された上方待機位置及び前記誘導板の先端が前記保持体に達する誘導位置の2位置間で変位させる誘導板駆動装置とを含む
    ことを特徴とするレピア織機における緯入れ装置。
  2. 前記保持体は、一対の保持部によって前記扁平糸を把持する形式であって、一対の前記保持部のうちの一方を含むと共に織幅方向に関する配置が固定された第1の保持部材と一対の前記保持部のうちの他方を含むと共に前記他方の保持部が前記一方の保持部に対し接離するように設けられた第2の保持部材とで構成され、
    前記保持装置は、前記一方の保持部に対する前記他方の保持部の位置を変更するように前記第2の保持部材を駆動する把持駆動装置を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のレピア織機における緯入れ装置。
  3. 前記保持装置は、前記保持体が水平方向であって織幅方向と直交する方向に変位可能に設けられると共に、前記レピアヘッドの前記最前進位置へ向けた前進に合せて前記保持体を変位させる変位駆動装置を含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレピア織機における緯入れ装置。
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