JP6933601B2 - 封着方法及び封着製品の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス管の内周に金属筒を封着固定するための封着方法、及び、ガラス管の内周に金属筒が封着固定されてなるステム部を備えた封着製品の製造装置に関する。
ガラス管の内周にガラス製の細筒が封着固定されてなるステム部を備えた封着製品として、蛍光灯等の放電ランプや電子管などが知られている。細筒は、ガス交換や液体注入などの各種処理を行う際に利用される。ガラス管に細筒を封着固定するための封着方法としては、加熱して軟化状態にあるガラス管内に細筒を配置した状態で当該ガラス管を挟み付け、ガラス管の内周部を細筒の外周部に接触させる方法(いわゆるピンチシール)が知られている。
また、封着時に、細筒内に所定のピンを配置した状態でガラス管の挟み付けを行う手法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。当該手法によれば、ピンによって細筒を内側から支持することで、ガラス管の挟み付けに伴う細筒の破損や変形をより確実に防止することが可能となる。
特開平5−325914号公報
ところで、ステム部は、細筒に加えて、電圧の印加される電極や通電のための金属リード部などを備えていることがある。そこで、電極や金属リード部などを省略しつつ、ガラス製の細筒に代えて金属製の細筒(金属筒)を用いることで、ガス交換等の各種処理を可能としつつ、金属筒が、電極や金属リード部の担っていた機能を担うように構成することが考えられる。
しかしながら、ガラス製の細筒に代えて金属筒を用いた場合には、金属筒に対しガラス管が十分になじまない(つまり、金属筒の外周部に対しガラス管が密に接着した状態とならない)といった事態が発生してしまうおそれがある。金属筒に対しガラス管が十分になじまないと、ステム部において、気密性や封止性を十分に確保することができない等の不具合が生じてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属筒に対しガラス管を十分になじませることができる封着方法及び封着製品の製造装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.所定のガラス管の内周に所定の金属筒を封着固定するための封着方法であって、
前記金属筒に棒状の支持具を挿通する挿通工程と、
前記支持具の挿通された前記金属筒を前記ガラス管内に配置した状態で、加熱されて軟化状態にある前記ガラス管の挟み付けを行うことにより、当該ガラス管の内周部を前記金属筒の外周部に接触させる封着工程とを含み、
前記封着工程では、前記金属筒を予熱した状態で、前記ガラス管の挟み付けを行うことを特徴とする封着方法。
上記手段1によれば、封着工程では、金属筒に対し支持具を挿通した状態で、ガラス管の挟み付けが行われる。従って、支持具によって金属筒をその内側から支持することができ、ガラス管の挟み付けに伴う金属筒の潰れ変形をより確実に防止することができる。
また、封着工程においては、金属筒を予熱した状態でガラス管の挟み付けが行われる。従って、加熱・軟化状態にあるガラス管と金属筒との温度差を小さなものとすることができる。その結果、金属筒に対しガラス管を十分になじませることができ(つまり、金属筒に対しガラス管を密に接着させることができ)、ひいては良好な気密性や封止性を得ることができる。
尚、前記封着工程では、前記金属筒のうち前記ガラス管から出た部位を加熱すること又は前記支持具を加熱することによって前記金属筒を予熱した状態で、前記ガラス管の挟み付けを行うことが好ましい。この場合には、金属管の予熱に際してガラス管が邪魔になるといった事態が生じにくくなり、金属筒をより確実に予熱することが可能となる。
手段2.前記支持具を加熱することで、前記金属筒を予熱することを特徴とする手段1に記載の封着方法。
金属筒を予熱するにあたっては、バーナーなどによって金属筒を直接的に加熱する方法が考えられるが、この方法では金属筒に酸化等の変質が生じてしまいやすい。
この点、上記手段2によれば、金属筒を直接的に加熱することで金属筒を予熱するのではなく、支持具を加熱することで金属筒が間接的に予熱される。従って、金属筒における酸化等の変質をより生じにくくすることができる。その結果、金属筒において良好な性能(例えば通電性能など)をより確実に得ることができる。
手段3.前記挿通工程では、予熱された前記支持具を前記金属筒へと挿通することを特徴とする手段2に記載の封着方法。
上記手段3によれば、挿通工程において、予熱された支持具が金属筒へと挿通される。従って、金属筒への挿通後に支持具を加熱する場合と比較して、金属筒に支持具を挿通してからガラス管の挟み付けを行うまでに要する時間を短縮することができる。これにより、生産性の向上を図ることができる。
手段4.前記支持具の長手方向と直交する断面において、前記支持具のうち前記金属筒に挿通される部位における少なくとも一部の外周面は、
前記金属筒の内周面に沿う形状をなし、前記金属筒の内周面に近接する又は接触する近接部と、
前記金属筒の内周面との間の距離が、前記金属筒の内周面から前記近接部までの距離よりも大きなものとなるように構成された隙間形成部とを備えることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の封着方法。
上記手段4によれば、支持具のうち少なくとも金属筒に挿通される部位の外周面には、隙間形成部が設けられている。そのため、金属筒に対する支持具の挿通及び引抜をより円滑に行うことができ、支持具の挿通や引抜に伴う金属筒の破損や変形をより確実に防止することができる。
手段5.所定のガラス管の内周に所定の金属筒を封着固定してなるステム部を備えた封着製品の製造装置であって、
前記金属筒に挿通される棒状の支持具と、
前記ガラス管を加熱して軟化状態とする加熱手段と、
前記支持具の挿通された前記金属筒を前記ガラス管内に配置した状態で、前記加熱手段によって加熱されて軟化状態にある前記ガラス管の挟み付けを行うことにより、当該ガラス管の内周部を前記金属筒の外周部に接触させる封着手段と、
前記金属筒を予熱する予熱手段とを備え、
前記予熱手段によって前記金属筒を予熱した状態で、前記封着手段によって前記ガラス管の挟み付けを行うことを特徴とする封着製品の製造装置。
上記手段5によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏されることとなる。
手段6.前記予熱手段は、前記支持具を加熱することで、前記金属筒を予熱することを特徴とする手段5に記載の封着製品の製造装置。
上記手段6によれば、上記手段2と同様の作用効果が奏されることとなる。
手段7.前記予熱手段は、前記金属筒に対する前記支持具の挿通前に、前記支持具を予熱することを特徴とする手段6に記載の封着製品の製造装置。
上記手段7によれば、上記手段3と同様の作用効果が奏されることとなる。
手段8.前記支持具の長手方向と直交する断面において、前記支持具のうち前記金属筒に挿通される部位における少なくとも一部の外周面は、
前記金属筒の内周面に沿う形状をなし、前記金属筒の内周面に近接する又は接触する近接部と、
前記金属筒の内周面との間の距離が、前記金属筒の内周面から前記近接部までの距離よりも大きなものとなるように構成された隙間形成部とを備えることを特徴とする手段5乃至7のいずれかに記載の封着製品の製造装置。
上記手段8によれば、上記手段4と同様の作用効果が奏されることとなる。
冷陰極放電管の概略構成を示す断面模式図である。 冷陰極放電管の製造装置を示すブロック図である。 冷陰極放電管の製造工程を示す工程図である。 支持具加熱工程やガラス管供給工程を説明するための説明図である。 金属筒供給工程を説明するための説明図である。 挿通工程を説明するための説明図である。 予熱工程やガラス管加熱工程を説明するための説明図である。 封着工程を説明するための説明図である。 封着工程における支持具や金属筒などを示す断面模式図である。 別の実施形態における予熱装置を示す模式図である。 別の実施形態において、ヒータを内蔵した支持具を示す断面模式図である。 別の実施形態における支持具等を示す断面模式図である。 別の実施形態において、ステム部を備えたランプを示す断面模式図である。
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態における封着製品としての冷陰極放電管1は、ガラスからなる直管状のバルブ2と、当該バルブ2の両端に設けられたステム部3とを備えている。
バルブ2は、内周面に蛍光被膜が形成されたものであり、バルブ2の両端部はステム部3によって封止されている。バルブ2内には、少なくともアルゴンやネオン等の希ガスと微量の水銀とが封入されている。
ステム部3は、ガラス管4と、当該ガラス管4の一端側内周に封着固定された金属筒5とを備えている。
ガラス管4は、主として金属筒5を保持する土台として機能する。ガラス管4の他端部には鍔状のフレア部4aが設けられており、当該フレア部4aの外周部全周がバルブ2の端部内周に接合されることで、バルブ2の端部が封止されている。
金属筒5は、導電性の金属により形成されており、本実施形態では、内径及び外径が一定の円筒をなしている。金属筒5は、製品の段階では電極や通電経路として機能し、冷陰極放電管1の製造時にはバルブ2内のガス交換に用いられる。また、金属筒5のうちバルブ2外に位置する端部(不図示)は、プレス処理等により閉塞された状態となっており、その結果、バルブ2内の気密性が確保されている。さらに、各金属筒5は図示しない外部リードを介して電圧が印加されるようになっており、金属筒5へと電圧を印加することで、冷陰極放電管1が発光するようになっている。
上述した冷陰極放電管1は、製造装置10により製造することができる。製造装置10は、図2に示すように、ステム部製造装置20を備えており、ステム部製造装置20は、支持具21、予熱手段としての予熱装置22、ガラス管保治具23、金属筒保治具24、加熱手段としてのガラス管加熱装置25及び封着手段としての封着装置26を備えている。
支持具21は、後述する封着工程P7において、金属筒5をその内側から支持しつつ、金属筒5の予熱に用いられるものである(図8及び図9参照)。支持具21は、良熱伝導性の金属(例えば、銅など)によって比較的細い中実の棒状に形成されている。また、支持具21の長手方向(支持具21の中心軸CL)と直交する断面において、支持具21のうちの少なくとも金属筒5に挿通される部位(本実施形態では、支持具21における最先端部以外の部位)の外周面は、円形を呈するように構成されている(図9参照)。そして、この円形部分に対応する支持具21の外径は、金属筒5の内径よりも若干(例えば、0.05〜0.10mm)だけ小さい程度に設定されている。これにより、金属筒5に対する支持具21の挿通及び引抜を容易に行うことができるとともに、支持具21から金属筒5へと熱を効率よく伝達することが可能となっている。
さらに、金属筒5に対する支持具21の挿通をより容易にすべく、支持具21の最先端部は、半球形状とされており、先細り形状をなしている。尚、支持具21の最先端部を徐々に外径が減少するテーパ状とすることで、支持具21の最先端部が先細り形状をなすように構成してもよい。
また、支持具21は、図示しない駆動手段によって、金属筒5に挿通される挿通位置と、金属筒5から引抜かれる退避位置との間で往復移動可能とされている。
予熱装置22は、所定のバーナーによって構成されており、後述する予熱工程P5において、支持具21を加熱することによって金属筒5を間接的に加熱するためのものである(図4参照)。予熱装置22は、退避位置に配置された金属筒5に対応する位置に設けられている。
ガラス管保治具23は、所定のガラス管供給装置(図示せず)から供給されるガラス管4を保持するものである(図4参照)。ガラス管保治具23は、ガラス管4のうちガラス管加熱装置25や封着装置26による処理対象から外れた部位(本実施形態では、ガラス管4におけるフレア部4a側に位置する部位)を保持する。また、ガラス管保治具23は、回転可能とされており、ガラス管4を保持した状態のガラス管保治具23を回転させることで、当該ガラス管4をその中心軸を回転軸として回転させることができるようになっている。
金属筒保治具24は、所定の金属筒供給装置(図示せず)からガラス管4内へと供給される金属筒5を保持するものである。金属筒保治具24は、ガラス管4の一端部近傍においてガラス管4外に突出した金属筒5を挟み込むことにより当該金属筒5を保持する(図5参照)。
ガラス管加熱装置25は、所定のバーナーによって構成されており、ガラス管4の一端側部位を加熱して軟化させるものである(図7参照)。また、ガラス管加熱装置25は、図示しない駆動手段によって、ガラス管4に近接する加熱時位置と、ガラス管4から離間する退避位置との間を移動可能とされている。尚、ガラス管加熱装置25は、退避位置に配置されることで、封着装置26の動作を阻害しない状態になる。
封着装置26は、ガラス管加熱装置25により加熱されて軟化状態となったガラス管4の一端側部位を挟み込むことで、ガラス管4の一端部内周に金属筒5を封着しつつ、ガラス管4の一端部を閉塞させるものである。封着装置26は、一対のピンチャー26a,26bを備えている(図8,9参照)。これらピンチャー26a,26bは、所定の駆動手段により、相互に接近してガラス管4を挟み込む接近位置と、相互に離間してガラス管4から遠ざかる退避位置との間で移動可能とされている。尚、退避位置に配置された封着装置26は、ガラス管加熱装置25の動作に影響を与えない状態となる。
次に、冷陰極放電管1の製造工程のうち、ステム部3の製造工程を中心に説明する。尚、ステム部3の製造開始時に、支持具21、ガラス管加熱装置25及び封着装置26は、それぞれ退避位置に配置される。
ステム部3を製造するにあたっては、図3に示すように、まず、支持具加熱工程P1において、予熱装置22により、所定温度(例えば、好ましくは300℃以上であり、より好ましくは500〜600℃)まで支持具21を加熱する(図4参照)。
次いで、ガラス管供給工程P2において、前記ガラス管供給装置からガラス管保治具23側へとガラス管4を供給するとともに、ガラス管保治具23によって供給されたガラス管4を保持する(図4参照)。
次に、金属筒供給工程P3において、前記金属筒供給装置からガラス管4内へと金属筒5を供給するとともに、金属筒保治具24によって、供給された金属筒5のうちガラス管4から出た部位を保持する(図5参照)。
続く挿通工程P4では、加熱された支持具21を前記退避位置から前記挿通位置へと移動させることで、当該支持具21を金属筒5へと挿通する(図6参照)。尚、支持具21の加熱は、金属筒5への挿通前に行われていればよい。従って、支持具加熱工程P1は、挿通工程P4の直前までに行われていればよく、例えば、支持具加熱工程P1を、ガラス管供給工程P2や金属筒供給工程P3と同時期に行ってもよい。
挿通工程P4に続く予熱工程P5では、支持具21の熱が金属筒5へと伝導されることで金属筒5の予熱がなされる。尚、金属筒5の予熱は、次述するガラス管加熱工程P6の最中も続く。
次いで、ガラス管加熱工程P6において、ガラス管加熱装置25を前記加熱時位置に配置した上で、ガラス管保治具23を回転させることでガラス管4を回転させつつ、ガラス管加熱装置25によりガラス管4の一端側部位を加熱する(図7参照)。これにより、ガラス管4は、所定温度(例えば約900〜1000℃)まで加熱されて軟化状態となる。ガラス管4の加熱後、ガラス管4の回転を停止させるとともに、ガラス管加熱装置25を、前記加熱時位置から前記退避位置へと移動させる。
次いで、封着工程P7において、封着装置26を前記退避位置から前記接近位置へと移動させることで、ピンチャー26a,26bによって加熱・軟化状態にあるガラス管4の一端側部位の挟み付けを行う(図8及び図9参照)。これにより、ガラス管4の内周部全周が、予熱された金属筒5の外周に接触した状態とされる。その後、封着装置26を前記接近位置から前記退避位置へと移動させる。
次に、アニール工程P8において、図示しないバーナー等によって、ガラス管4及び金属筒5の接触部分を加熱してアニール処理を行うことで、ガラス管4等の残留応力を除去する。
最後に、引抜工程P9において、支持具21を前記挿通位置から前記退避位置へと移動させ、金属筒5から支持具21を引抜くとともに、ガラス管4や金属筒5を徐冷することで、ガラス管4の内周に金属筒5が封着されてなるステム部3を得ることができる。尚、金属筒5からの支持具21の引抜きは、アニール工程P8の前に行ってもよいし、アニール工程P8の最中に行ってもよい。
また、得られたステム部3を用いた冷陰極放電管1の製造工程は、内周面に蛍光被膜が予め形成されたバルブ2の両端部にステム部3を封着した上で、当該ステム部3の金属筒5を通してバルブ2内の排気及び希ガス等の充填(すなわちガス交換)を行い、その後、金属筒5を閉塞してバルブ2内を封止する工程を含む。このような工程を経ることにより、冷陰極放電管1を製造することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、封着工程P7では、金属筒5に対し支持具21を挿通した状態で、ガラス管4の挟み付けが行われる。従って、支持具21によって金属筒5をその内側から支持することができ、ガラス管4の挟み付けに伴う金属筒5の潰れ変形をより確実に防止することができる。
また、封着工程P7においては、金属筒5を予熱した状態でガラス管4の挟み付けが行われる。従って、加熱・軟化状態にあるガラス管4と金属筒5との温度差を小さなものとすることができる。その結果、金属筒5に対しガラス管4を十分になじませることができ、ひいては良好な気密性や封止性を得る(つまり、ガラス管4及び金属筒5間からの気体などのリークをより確実に防止する)ことができる。
尚、金属筒5に対しガラス管4を十分になじませることができるのは、次の理由によると考えられる。すなわち、金属筒5を特に加熱しない場合には、封着工程P7において軟化したガラス管4が金属筒5に接触したときに、ガラス管4が急激に冷却されてしまい、金属筒5に対するガラス管4の溶着状態が不完全なものとなりやすい。これに対し、本実施形態のようにガラス管4及び金属筒5の温度差が小さくされることで、封着工程P7において軟化したガラス管4が金属筒5に接触したときに、ガラス管4の急激な冷却が生じにくくなり、金属筒5に対しガラス管4をより安定した状態で溶着することができる。その結果、金属筒5に対しガラス管4を十分になじませることができると考えられる。
さらに、金属筒5を直接的に加熱することで金属筒5を予熱するのではなく、支持具21を加熱することで金属筒5が間接的に予熱される。従って、金属筒5における酸化等の変質をより生じにくくすることができる。その結果、金属筒5において良好な性能(例えば通電性能など)をより確実に得ることができる。
加えて、挿通工程P4においては、予熱された支持具21が金属筒5へと挿通される。従って、金属筒5への挿通後に支持具21を加熱する場合と比較して、金属筒5に支持具21を挿通してからガラス管4の挟み付けを行うまでに要する時間を短縮することができる。これにより、生産性の向上を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、予熱装置22はバーナーによって構成されているが、予熱装置22は、支持具21を加熱可能なものであればよく、バーナーに限られない。
従って、例えば、図10に示すように、支持具21の挿通されるコイル32aと、当該コイル32aへと高周波電流を供給する交流電源32bとを備えてなる予熱手段としての予熱装置32を用い、支持具21を高周波誘導加熱するようにしてもよい。この場合、コイル32aは、一定位置(例えば、支持具21が前記退避位置に配置されたときに、当該支持具21が挿通される位置)に配置されるものであってもよいし、支持具21の移動に合わせて移動するものであってもよい。
また、図11に示すように、支持具21に、通電により発熱可能な予熱手段としてのヒータ33を内蔵させることとしてもよい。尚、支持具21のうち金属筒5へと挿通される部位以外の部位にヒータ33を設けることで、支持具21のうち金属筒5へと挿通される部位における機械的強度が十分に確保されるように構成してもよい。また、支持具21のうち金属筒5へと挿通される部位にヒータを設けることで、金属筒5をより迅速にかつよりロスなく加熱できるようにしてもよい。
(b)上記実施形態では、予熱装置22により支持具21を加熱することで、金属筒5の予熱を行うように構成されている。すなわち、予熱装置22は、支持具21を介して金属筒5の予熱を間接的に行うようになっている。これに対し、予熱装置22によって、金属筒5を直接的に加熱することとしてもよい。但し、この場合には、金属筒5のうち、封着製品には残らない部分や機能面で悪影響を与えない部分を加熱対象とすることが好ましい。このような部位を加熱対象とすることで、仮に金属筒5に酸化等の変質が生じたとしても、封着製品において金属筒5に関する性能低下をより確実に防止することができる。
また、ガラス管4内に金属筒5を配置した後に、金属筒5を直接的に加熱する場合には、金属筒5をより確実に加熱可能とすべく、金属筒5のうちガラス管4から出た部分を予熱装置22による加熱対象とすることが好ましい。
さらに、金属筒保治具24に金属筒5を加熱する機能を設けることで、金属筒5を直接的に加熱するように構成してもよい。この場合には、予熱装置及び金属筒保治具をひとまとめとすることができ、製造装置10(特にステム部製造装置20)の小型化及び簡素化や、製造装置10の生産等に係るコストの抑制を図ることができる。
(c)上記実施形態では、金属筒5への挿通前に支持具21を加熱するように構成されているが、金属筒5への挿通後に支持具21を加熱することとしてもよい。この場合には、熱膨張前の支持具21を金属筒5へと挿通することになるため、金属筒5に対する支持具21の挿通を一層容易に行うことが可能となる。
(d)上記実施形態では、支持具21の長手方向(中心軸CL)と直交する断面において、支持具21のうち金属筒5へと挿通される部位の外周面は円形とされており、支持具21の外周面全周は金属筒5の内周面に沿う形状とされている。これに対し、例えば、支持具21のうち少なくとも金属筒5へと挿通される部位の先端部に平坦面を設けることで、図12に示すように、支持具21の長手方向(中心軸CL)と直交する断面において、支持具21のうち金属筒5に挿通される部位の少なくとも一部の外周面が、近接部21a及び隙間形成部21bを備えるように構成してもよい。近接部21aは、金属筒5に支持具21を挿通した状態において、金属筒5の内周面に沿う形状をなし、金属筒5の内周面に近接する又は接触する部分をいう。隙間形成部21bは、金属筒5に支持具21を挿通した状態において、金属筒5の内周面との間の距離が、金属筒5の内周面から近接部21aまでの距離よりも大きなものとなるように構成された部分をいう。
上記のように構成することで、金属筒5に対する支持具21の挿通及び引抜をより円滑に行うことができ、支持具21の挿通や引抜に伴う金属筒5の破損や変形をより確実に防止することができる。
尚、近接部21aや隙間形成部21bの形状については上記内容に限定されるものではなく、例えば、隙間形成部が、外側に向けて凸の湾曲形状や中心軸CL側に向けて凹んだ形状をなしていてもよい。また、前記断面を取ったときに表れる近接部や隙間形成部の数についても適宜変更可能である。従って、上記では、前記断面を取ったときに近接部21a及び隙間形成部21bがそれぞれ2つずつ表れるように構成されているが、前記断面を取ったときに3つ以上の近接部21aや隙間形成部21bが表れるように構成してもよい。
(e)上記実施形態では、封着製品としての冷陰極放電管1に本発明の技術思想を適用しているが、本発明の技術思想は、ガラス管に金属筒を封着固定してなるステム部を備えた様々な封着製品に適用可能である。例えば、図13に示すように、封着製品としてのランプ41に対し、本発明の技術思想を適用してもよい。当該ランプ41は、リード線として機能する一対の金属筒45a,45b、両金属筒45a,45bの先端部同士に接合されたフィラメント46及び金属筒45a,45bの封着固定されたガラス管44を有してなるステム部43と、当該ステム部43が接合されたガラス球42とを備えたものである。勿論、本発明の技術思想を、ランプや冷陰極放電管といった発光装置以外の封着製品(例えば、電子管やステム部単体など)に適用してもよい。
(f)上記実施形態において、金属筒5は、製品の段階では電極等として機能し、製造段階ではガス交換に用いられているが、金属筒5の用途については適宜変更可能である。従って、例えば、製品の段階では金属筒5が単なる通電経路として機能するようにしてもよい。また、製造段階では金属筒5が液体の注入などに用いられるようにしてもよい。
1…冷陰極放電管(封着製品)、3,43…ステム部、4,44…ガラス管、5,45a,45b…金属筒、10…(封着製品の)製造装置、21…支持具、21a…近接部、21b…隙間形成部、22,32…予熱装置(予熱手段)、33…ヒータ(予熱手段)、25…ガラス管加熱装置(加熱手段)、26…封着装置(封着手段)、41…ランプ(封着製品)。

Claims (8)

  1. 所定のガラス管の内周に所定の金属筒を封着固定するための封着方法であって、
    前記金属筒に棒状の支持具を挿通する挿通工程と、
    前記支持具の挿通された前記金属筒を前記ガラス管内に配置した状態で、加熱されて軟化状態にある前記ガラス管の挟み付けを行うことにより、当該ガラス管の内周部を前記金属筒の外周部に接触させる封着工程とを含み、
    前記封着工程では、前記金属筒を予熱した状態で、前記ガラス管の挟み付けを行うことを特徴とする封着方法。
  2. 前記支持具を加熱することで、前記金属筒を予熱することを特徴とする請求項1に記載の封着方法。
  3. 前記挿通工程では、予熱された前記支持具を前記金属筒へと挿通することを特徴とする請求項2に記載の封着方法。
  4. 前記支持具の長手方向と直交する断面において、前記支持具のうち前記金属筒に挿通される部位における少なくとも一部の外周面は、
    前記金属筒の内周面に沿う形状をなし、前記金属筒の内周面に近接する又は接触する近接部と、
    前記金属筒の内周面との間の距離が、前記金属筒の内周面から前記近接部までの距離よりも大きなものとなるように構成された隙間形成部とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の封着方法。
  5. 所定のガラス管の内周に所定の金属筒を封着固定してなるステム部を備えた封着製品の製造装置であって、
    前記金属筒に挿通される棒状の支持具と、
    前記ガラス管を加熱して軟化状態とする加熱手段と、
    前記支持具の挿通された前記金属筒を前記ガラス管内に配置した状態で、前記加熱手段によって加熱されて軟化状態にある前記ガラス管の挟み付けを行うことにより、当該ガラス管の内周部を前記金属筒の外周部に接触させる封着手段と、
    前記金属筒を予熱する予熱手段とを備え、
    前記予熱手段によって前記金属筒を予熱した状態で、前記封着手段によって前記ガラス管の挟み付けを行うことを特徴とする封着製品の製造装置。
  6. 前記予熱手段は、前記支持具を加熱することで、前記金属筒を予熱することを特徴とする請求項5に記載の封着製品の製造装置。
  7. 前記予熱手段は、前記金属筒に対する前記支持具の挿通前に、前記支持具を予熱することを特徴とする請求項6に記載の封着製品の製造装置。
  8. 前記支持具の長手方向と直交する断面において、前記支持具のうち前記金属筒に挿通される部位における少なくとも一部の外周面は、
    前記金属筒の内周面に沿う形状をなし、前記金属筒の内周面に近接する又は接触する近接部と、
    前記金属筒の内周面との間の距離が、前記金属筒の内周面から前記近接部までの距離よりも大きなものとなるように構成された隙間形成部とを備えることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の封着製品の製造装置。
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