JP6933261B2 - 連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法 - Google Patents

連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法 Download PDF

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Description

本発明は、冶金連続鋳造分野に関し、特に連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法に関する。
鉄鋼冶金工業は、国民経済と密接に関係する国民の戦略的産業の一つである。連続鋳造は、鉄鋼生産プロセスにおいて中間の重要な一環として、現在、わが国の鉄鋼生産構造の調整と技術のアップグレード戦略において注目を集めている中核的な一環である。近年、連続鋳造技術は、製品の品質向上や生産範囲の拡大のために高度な技術レベルに進展している。特に連続鋳造連続圧延技術が発達しており、連続鋳造機は熱間圧延の生産タクトを速やかに合わせ、熱間圧延の要求仕様を満たす鋳片を提供しなければならない。それと同時に、小ロット、多仕様の製品ニーズに如何に対応するかも鉄鋼企業の重要な課題である。連続鋳造晶析器の熱間広幅化技術は、それに乗じて生まれ、当該技術は、連続鋳造晶析器の交換や二次注湯に伴う原材料や時間のロスを回避し、設備利用率、金属収率を向上させ、生産ロスを低減し、生産コストを低減し、業界で注目度の高い連続鋳造の中核技術である。
現在、連続鋳造晶析器の熱間広幅化技術は、例えば、奥鋼連熱熱間広幅化Sモード、新日鉄のNS−VWM(ラピッドワイド調整連続鋳造晶析器)技術のような高速化が進んでいる。高速熱間広幅化技術の最大の特徴は、狭幅のテーパー変更と平行移動が同時に行われ、広幅化時間を大幅に短縮し、広幅化による無駄な切断ロスを少なくすることである。モデルパラメータの設定は連続鋳造晶析器の熱間広幅化技術のキーテクノロジーの一つであり、熱間広幅化の水平加速度、狭幅のテーパー変更の角速度は、その中で最も中核をなすパラメータであり、その数値が連続鋳造晶析器のオンライン広幅化システムの安全性及び信頼性に決定的に作用する。モデルパラメータが適切に設定していない場合は、連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程において狭幅による鋳片への過剰な押圧により割れなどの鋳片欠陥が発生したり、狭幅と鋳片とのエアギャップが過大となって、シェルの凝固と均一性に影響を及ぼし、深刻な場合には突起部の鋼露出や粘結性の鋼露出など生産事故を引き起こす。
新日鉄(特許US4660617A)は、スラブ連続鋳造晶析器の広幅化方法を開示しており、シェル強度を広幅化の水平加速度などのパラメータ設定の根拠として、高速広幅化準備技術を実現する。鋳片強度の制限のみを考慮したもので、中低引張速度域の鋳片エアギャップの影響を考慮したものではないので、実生産時においてその高速広幅化は、高流速に合わせなければならず、そうしないと、側面の「くぼみ」欠陥や、シェル割れによる鋼漏出を招く原因となり、それは大きな断面を有する低引張速度の鋼種鋳造に一致しない。
文献「晶析器のオンライン熱態広幅化速度の研究」は、「シェルの歪み率がシェルの収縮率に等しい」という広幅化原理に基づいて広幅化速度を検討し、文献「Study on Casting Speed and the Speed of on−line Mould Width Adjustment of Slab Continuous Casting」は、晶析器の広幅化過程におけるシェルの力受け状態に基づき、広幅化速度の計算方法を導出し、合理的な引張速度の変化過程を定量的に検討する。この2種類の方法において、いずれも鋳片シェルの力受け状態に着目したものであり、広幅化過程においてエアギャップの影響を考慮したものではない。また、その検討のモデルパラメータは、単に広幅化速度だけで、広幅化の水平加速度、狭幅の角速度などのキーパラメータを総合的に考慮したものではなく、晶析器の熱間広幅化過程における連続鋳造生産の安全性を十分に確保するものではない。
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、従来技術における連続鋳造晶析器の熱間広幅化時にキーパラメータ制御の不適切などの問題を解決するための連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法を提供することを目的とする。
上記目的及びその他の関連目的を達成するために、本発明の第1形態は、連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法を提供し、連続鋳造晶析器の熱間広幅化の水平加速度αが設定した境界条件は最大エアギャップ及びシェル強度制限下での最小値であり、式(1)に示したように、
Figure 0006933261
式(1)において、αηは、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップ制限下での最大水平加速度で、単位mm/min2であり、αεはシェル強度制限下での最大水平加速度で、単位mm/min2である。

本発明の幾つかの実施例において、0.8・min(αη,αε)≦α≦min(αη,αε)である。
本発明の幾つかの実施例において、αが式(1)の要件を満たす場合、できる限り最大値、即ちα=min(αη,αε)をとる。
本発明の幾つかの実施例において、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップ制限下での最大水平加速度αηは、式(2)に示したように、
Figure 0006933261
式(2)において、ηmaxは連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップで、単位mmであり、UCは引張速度で、単位mm/minであり、Lは連続鋳造晶析器の有効な高さ、即ち溶鋼湯面から晶析器の底部までの距離で、単位mmである。
本発明の幾つかの実施例において、1mm≦ηmax≦4mm。
本発明の幾つかの実施例において、ηmax=2mm。
本発明の幾つかの実施例において、シェル強度制限下での最大水平加速度αεは、式(3)に示したように、
Figure 0006933261
式(3)において、Wは鋳片幅の半分で、単位mmであり、ε'は鋳片の臨界歪率で、単位min-1であり、UCは引張速度で、単位mm/minであり、Lは連続鋳造晶析器の有効な高さ、単位mmである。
本発明の幾つかの実施例において、1.2×10-2・min-1≦ε'≦3.3×10-2・min-1
本発明の幾つかの実施例において、ε'=1.8×10-2・min-1
本発明の幾つかの実施例において、450mm≦W≦1300mm。
本発明の幾つかの実施例において、600mm/min≦UC≦2400mm/min。
本発明の幾つかの実施例において、800mm≦L≦900mm。
本発明の幾つかの実施例において、連続鋳造晶析器の狭幅の運動は、水平運動とテーパー変更運動との組み合わせであり、角速度ωは、以下の方程式を満たし、
ω=α/UC (4)
式(4)において、角速度ωの単位はrad/minであり、引張速度UCの単位はmm/minである。
本発明の幾つかの実施例において、連続鋳造晶析器の熱間広幅化の水平移動速度Vと加速度とは線形の比例関係にあり、以下の方程式を満たし、
=αt (5)
式において、水平移動速度Vの単位はmm/minであり、時間tの単位はminである。
以上説明したように、本発明の連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法は、連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程において、狭幅銅板と鋳片との最大エアギャップを抑制し、狭幅銅板と鋳片との十分な接触を確保して、エアギャップ熱抵抗が過大することによる鋳片コーナー部の冷却が不十分となり、凝固遅れや熱変形応力の集中により鋳片に割れなどの欠陥が発生することを防止できるという有益な効果を有する。同時に、シェル歪みを臨界歪より小さくするように制御して、鋳片の圧潰や鋳片の狭幅な凹凸形状の発生による鋳片不良を防止する。また、広幅化モデルのパラメータ設定は引張速度の変化に応じて動的に変化しているので、引張速度を余分に上げたり下げたりすることなく、全引張速度範囲で広幅化調整を完了させることができる。
本発明の実施例の連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程において、狭幅を時計回りに回転させた時に鋳片シェルの変形とエアギャップを示す図である。 本発明の実施例の連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程において、狭幅を逆時計回りに回転させた時に鋳片シェルの変形とエアギャップを示す図である。 連続鋳造晶析器の熱間広幅化モデルパラメータ設定の境界条件を示す図である。
以下、本発明の実施形態を特定の具体的な実施例によって説明するが、当業者であれば、本明細書によって開示される内容から、本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。本発明は、さらに異なる具体的な実施形態によって実施し又は適用してもよく、本明細書における各細部は、本発明の理念から逸脱することなく、異なる観点と適用に基づき、様々な修正または変更を行ってもよい。
連続鋳造晶析器の熱間広幅化のモデルパラメータを検討するに際して、まず、鋳片表面品質のギャップ(例えば表面割れ、狭幅ふくらみ、圧潰など)の回避と安全生産性の確保(例えば熱間広幅化による鋼露出事故の回避)という考慮すべき要素は、最大エアギャップ制限(十分に均一な冷却、狭幅ふくらみ防止)とシェル強度制限(シェル歪を臨界歪より小さくするように制御し、鋳片の圧潰防止)の両方の観点から解決できる。広幅化速度は加速度の線形関数であり、狭幅の角速度は狭幅と鋳片との接触状態を直接反映するので、広幅化水平加速度及び角速度の検討は、実際の生産における連続鋳造晶析器の熱間広幅化モデルパラメータの設定により指導的な意味を持つ。
本発明は、連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法を提供し、連続鋳造晶析器の熱間広幅化の水平加速度αの設定した境界条件は、シェル強度及び最大エアギャップ制限下での最小値とし、式(1)に示したように、
Figure 0006933261
式において、αηは、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップ制限下での最大水平加速度で、単位mm/min2であり、αεはシェル強度制限下での最大水平加速度で、単位mm/min2である。
連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップ制限下での最大水平加速度αηは、式(2)に示したように、
Figure 0006933261
式において、ηmaxは連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップで、単位mmであり、UCは引張速度で、単位mm/minであり、Lは連続鋳造晶析器の有効な高さ、単位mmである。
連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップηmaxの取りうる値の範囲は1mm〜4mmで、最もよいηmaxの取りうる値は2mmである。
シェル強度制限下での最大水平加速度αεは、式(3)に示したように、
Figure 0006933261
式において、Wは鋳片幅の半分で、単位mmであり、UCは引張速度で、単位mm/minであり、ε'は鋳片の臨界歪率で、単位min-1であり、Lは連続鋳造晶析器の有効な高さで、単位mmである。
鋳片の臨界歪率ε'は、鋼種類、シェル温度に関連し、取りうる値の範囲は1.2×10-2・min-1≦ε'≦3.3×10-2・min-1で、最もよいε'の取りうる値は1.8×10-2・min-1である。
なお、中低引張速度範囲では、連続鋳造晶析器の熱間広幅化水平加速度αの取りうる値は最大エアギャップ制限に依存し、その設定値は打設速度UCの平方に比例する。高引張速度範囲では、連続鋳造晶析器の熱間広幅化水平加速度αの取りうる値は主にシェル強度制限に依存し、その設定値は打設速度UCに比例する。
さらに、連続鋳造晶析器の狭幅の運動は、水平運動とテーパー変更運動との組み合わせであり、角速度ωは、以下の方程式を満たし、
ω=α/UC (4)
式において、角速度ωの単位はrad/minであり、引張速度UCの単位はmm/minであり、水平加速度αの単位はmm/min2である。
さらに、連続鋳造晶析器の熱間広幅化の水平移動速度Vと加速度αとは線形の比例関係にあり、初期速度は0であり、以下の方程式を満たし、
=αt (5)
式において、水平移動速度Vの単位はmm/minであり、時間tの単位はminである。
以下、図1a、図1b、図2を参照して、本発明を詳細に説明する。
図1a、図1bは連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程において、狭幅回転時に鋳片シェルの変形とエアギャップを示す図である。連続鋳造晶析器の熱間広幅化は少なくともテーパー変化とテーパー複合という2つのステップを含み、図1aに示すように、テーパーが小さい時から大きくなる過程(テーパー変化)に、角速度ωが時計回りに回転し、狭幅の上端のシェル変形速度が正となり、鋳片が押され、狭幅の下端の鋳片の変形速度が負となり、シェルと連続鋳造晶析器の狭幅の下端にエアギャップが生じる。図1bに示すように、テーパーが大きい時から小さくなる過程(テーパー複合)に、角速度ωが逆時計回りに回転し、シェルと狭幅の上端にエアギャップが生じ、狭幅の下端のシェルが押える。
λ'、η'は熱間広幅化時の鋳片の実際の変形速度及び実際のエアギャップ変化速度を示し、
Figure 0006933261
上式から明らかなように、連続鋳造晶析器の熱間広幅化における鋳片の変形速度とエアギャップの変化速度は、連続鋳造晶析器の熱間広幅化速度の大きさに直接関係せず、連続鋳造晶析器の広幅化時の角速度ωのみに依存する。また、角速度は、熱間広幅化αと引張速度UCとの比率であり、引張速度が一定の場合、シェル変形速度及びエアギャップ変化速度は、熱間広幅化水平加速度αのみに依存する。連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程において、引張速度UCと広幅化水平加速度αは一定であれば、ωが一定であり、この際にシェルの変形速度及びエアギャップの変化速度は一定である。
連続鋳造晶析器の熱間広幅化のモデルパラメータを検討するに際して、まず、鋳片表面品質のギャップ(例えば表面割れ、狭幅ふくらみ、圧潰など)の回避と安全生産性の確保(例えば熱間広幅化による鋼露出事故の回避)という要素は、最大エアギャップ制限(十分に均一な冷却、狭幅ふくらみ防止)とシェル強度制限(シェル歪を臨界歪未満に制御し、鋳片の圧潰防止)の両方の観点から解決できる。そこで本実施例では、これら2つの要素を広幅化モデルパラメータの設定原則として、連続鋳造晶析器の熱間広幅化水平加速度α及び角速度ωについて式導出と定量検討を行う。
最大エアギャップ制限:連続鋳造晶析器の基本的役割は溶鋼からの抜熱とシェル形状の形成と保持であり、エアギャップの存在は連続鋳造晶析器の伝熱効率とシェルの凝固速度に影響を与え、連続鋳造晶析器の基本的役割を低下させることである。連続鋳造晶析器伝熱の最大熱抵抗は、シェルと連続鋳造晶析器との間のエアギャップに由来するものであり、エアギャップの熱抵抗は熱抵抗全体の71%〜90%を占め、エアギャップのわずかな変化が鋳片凝固の温度場全体に大きな影響を与える。そのため、連続鋳造晶析器の熱間広幅化モデルパラメータの設定は、鋳片にコーナー部の表面欠陥や縦割れを防止するように、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片との最大エアギャップを制御する必要がある。
連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程に、テーパーを変更させるように狭幅銅板が狭幅中心に沿って回転し(図1に示す)、狭幅両端に最大エアギャップが現れ、狭幅中心からの距離がL/2であると、1/2・L/UC時間におけるエアギャップの累積変化量は、連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程に狭幅と鋳片シェルとの最大エアギャップηmaxであり、以下に示したように、
Figure 0006933261
式(6a)と式(7)を組み合わせると、連続鋳造晶析器の狭幅銅板と鋳片との最大エアギャップ制限下での水平加速度αηの制御方程式は以下に示したように、
Figure 0006933261
シェル強度制限:連続鋳造晶析器の熱間広幅化における生産安全性の前提条件は鋼露出事故の回避である。シェル割れはその事故の原因の一つである。シェルに割れが発生するか否かを評価するための基準として、臨界歪仮説、臨界応力仮説、臨界時間仮説という3仮説がある。鋳片の総合歪を安全歪(0.3%~0.7%)より小さくすることをロール列設計の根拠とする。そのため、連続鋳造晶析器の熱間広幅化過程に、鋳片の過圧による表面割れ、ひいては鋼露出の危険性を回避するために、鋳片シェルの歪速度を臨界歪率より小さくすることを保証する。鋳片シェルの臨界歪は、鋼種類、シェル厚さと表面温度に依存する。
鋳片幅全体を2Wとし、狭幅の調整幅を鋳片の半分Wとし、鋳片の歪みがεになり、歪量λをWで割ることに定義すると、式(6b)は歪率ε’(ε’=dε/dt)で示されるように変わり、
Figure 0006933261
打設欠陥の発生を回避するためには、鋳片の歪率がシェル強度から決まる臨界歪率ε'未満でなければならないと、
Figure 0006933261
従って、シェル強度制限下での水平加速度αεの制御方程式は、以下に示したように、
Figure 0006933261
モデルパラメータ設定の境界条件:連続鋳造晶析器の熱間広幅化モデルパラメータ(水平加速度α)設定の境界条件は、最大エアギャップ及びシェル強度制限での最小値となるべきであり、式(1)に示したように、
Figure 0006933261
図2は連続鋳造晶析器の熱間広幅化モデルパラメータ設定の境界条件を示す図であり、打設速度UCが低い領域に達すると、水平加速度αεが主にエアギャップに制限され、打設速度UC に比例する。打設速度UCが高い領域に達すると、水平加速度αεが主にシェル強度に制限され、引張速度UCに比例し、式(4)に示すように、角速度ωεは水平加速度αεと引張速度UCとの比率であり、水平加速度の境界条件が決められた後、角速度ωεの境界条件を容易に計算できる。
生産技術経験によると、臨界歪ε'=1.8×10-2・min-1 (中炭素鋼鋳片温度1350℃の場合)、最大エアギャップηmax=2mm、鋳片最小幅2W=900mm、連続鋳造晶析器の有効な高さL=800mmである。上記式からモデルパラメータの設定値を計算でき、表1に示したように、
Figure 0006933261
広幅化に引張速度Uc=1200mm/min、連続鋳造晶析器の有効な高さL=800mmとし、技術要求は、境界歪率ε'=1.8×10−2・min−1、最大エアギャップηmax=2mm、鋳片最小幅2W=900mmとする。
1)安全な広幅化区域:実際の広幅化水平加速度α=15mm/min2(境界条件α=18mm/min2より小さい)の場合、角速度ω=0.0125rad/min、広幅化過程にエアギャップη=1.67mm、鋳片シェル歪速度ε’=1.1×10-2・min-1であれば、技術要求の最大エアギャップ制限条件(η≦ηmax)及び鋳片シェル強度制限(ε’≦ε')を満たし、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルとの密着性を確保し、十分に均一に冷却し、狭幅ふくらみを防止するとともに、鋳片シェルが過圧による割れを生じないことを保証することができる。
2)安全ではない広幅化区域:実際の広幅化水平加速度α=24mm/min2 (境界条件α=18mm/min2より大きい)の場合、角速度ω=0.02rad/min、広幅化過程にエアギャップη=2.67mm、鋳片シェル歪速度ε’=1.78×10-2・min-1であれば、技術要求の鋳片シェル強度制限(ε’≦ε'))を満たすが、最大エアギャップ制限条件(η>ηmax)を満たさなく、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルとのエアギャップが大きく、鋳片シェルの冷却不十分による角部割れ、狭幅ふくらみを起こす。
広幅化に引張速度Uc=1800mm/min、連続鋳造晶析器の有効な高さL=800mmとし、技術要求は、境界歪率ε'=1.8×10-2・min-1、最大エアギャップηmax=2mm、片最小幅2W=900mmとする。
1)安全な広幅化区域:実際の広幅化水平加速度α=32mm/min2 (境界条件α=36.45/min2より小さい)の場合、角速度ω=0.018rad/min、広幅化過程にエアギャップη=1.58mm、鋳片シェル歪速度ε’=1.58×10-2・min-1であれば、技術要求の最大エアギャップ制限条件(η≦ηmax)及び鋳片シェル強度制限(ε’≦ε')を満し、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルとの密着性を確保し、十分に均一に冷却し、狭幅ふくらみを防止するとともに、鋳片シェルが過圧による割れを生じないことを保証することができる。
2)安全ではない広幅化区域:実際の広幅化水平加速度α=40mm/min2(境界条件α=18mm/min2より大きい)の場合、テーパー変化速度ω=0.022rad/min、広幅化過程にエアギャップη=1.98mm、鋳片シェル歪速度ε’=1.98×10-2・min-1であれば、技術要求の最大エアギャップ制限条件(η≦ηmax)を満たすが、鋳片シェル強度制限(ε’>ε')を満たさなく、鋳片表面に凹凸欠陥がある。
以上に記載したように、本発明は、以下の有益な効果を有し、
1、広幅化過程全体において、狭幅銅板と鋳片との間のエアギャップが最小となり、狭幅が鋳片シェルを安定的に均一に支持し、種々の鋼種に対応でき、鋼露出の危険性を回避し、生産安全性を確保する。
2、生産安全性を確保するとともに、できるだけ高い広幅化水平加速度を採用することで、広幅化速度を高め、広幅化時間を大幅に短縮し、広幅化による切断の無駄を少なくすることができる。
3、引張速度全体範囲で広幅化を完了させ、引張速度を余計に上げ下げすることなく、実際の生産引張速度で広幅化を完了させることで、生産技術パラメータを一定にして鋳片の品質を安定化させることができる。
上記実施例は、本発明の原理及びその効果を例示的に説明にすぎず、本発明を制限するものではない。当業者であれば、本発明の理念及び範囲から逸脱することなく、上記実施例に修正又は変更を行うことができる。従って、当業者が本発明によって開示した理念と技術的思想から逸脱せずに行った全ての等価な改変又は変更は、本発明の請求項によって包含されるべきである。
本翻訳文のテキストのε'、λ'、η'は、それぞれ、ε、λ、ηの上にドットが付された記号の代用である。

Claims (10)

  1. 続鋳造晶析器の熱間広幅化の水平加速度αは、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最
    大許容エアギャップ制限下での最大水平加速度(α η )、及びシェル強度制限下での最大
    水平加速度(α ε )のうちの最小値を境界条件とし、下記式(1)を満たす、ことを特徴
    とする連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法。
    Figure 0006933261
    (1)
    式(1)において、
    Figure 0006933261
    は、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップ制限下での最大水平加速
    度(単位mm/min )を表し;
    Figure 0006933261
    は、シェル強度制限下での最大水平加速度(単位mm/minを表す
  2. 前記水平加速度αは、0.8・
    Figure 0006933261
    ≦α≦
    Figure 0006933261
    を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法
  3. 連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップ制限下での最大水平加速度
    Figure 0006933261
    は、下記式(2)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造晶析器の熱間広
    幅化方法。
    Figure 0006933261
    (2)
    式(2)において、
    Figure 0006933261
    は、連続鋳造晶析器の狭幅と鋳片シェルの最大許容エアギャップ(単位mm)を表し;
    UCは、引張速度(単位mm/min)を表し
    Lは、連続鋳造晶析器の有効な高さ(単位mm)表す。
  4. シェル強度制限下での最大水平加速度
    Figure 0006933261
    は、下記式(3)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造晶析器の熱間広
    幅化方法
    Figure 0006933261
    (3)
    (3)において、
    Wは鋳片幅の半分(単位mm)を表し;
    Figure 0006933261
    は鋳片の臨界歪率(単位min−1)を表し;
    UCは、引張速度(単位mm/min)を表し;
    Lは連続鋳造晶析器の有効な高さ(単位mm)を表す
  5. 前記η max は、1mm≦
    Figure 0006933261
    ≦4mmを満たす、ことを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法
  6. 前記
    Figure 0006933261
    、1.2×10−2・min−1
    Figure 0006933261
    ≦3.3×10−2・min−1 を満たす、ことを特徴とする請求項4に記載の連続鋳造
    晶析器の熱間広幅化方法
  7. 前記Wは、450mm≦W≦1300mmを満たす、ことを特徴とする請求項4に記載の
    連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法
  8. 前記Ucは、600mm/min≦UC≦2400mm/minを満たす、ことを特徴と
    する請求項3または4に記載の連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法
  9. 前記Lは、800mm≦L≦900mmを満たす、ことを特徴とする請求項3または4に
    記載の連続鋳造晶析器の熱間広幅化方法。
  10. 連続鋳造晶析器の狭幅の運動は、水平運動とテーパー変更運動との組み合わせであり、角
    速度
    Figure 0006933261
    は、下記式(4)に満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造晶析器の熱間広
    幅化方法。
    Figure 0006933261
    (4)
    式(4)において、
    角速度
    Figure 0006933261
    の単位はrad/minであり、
    引張速度Uの単位はmm/minである。
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