以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[1.第1の実施形態]
以下に説明する本発明の各実施形態は、金融機関等のコールセンター業務において、コールセンターの運営を円滑におこなう施策に関するものである。以下の説明においては、当該コールセンターは、電話応答によりオペレーターが顧客に対して応対を行う形態で運営されているものとして説明する。しかしながら、本発明の各実施形態はこのような形態に限定されるものではなく、テレビ電話によってオペレーターが顧客に対して応対を行う形態で運営されていてもよい。さらに、本発明の各実施形態は、上述のような金融機関等のコールセンター等において使用されることに限定されるものではなく、例えば、通信販売等を行う商業サービス事業者等のコールセンターや公共機関のコールセンター等においても使用することが可能である
[1.1.情報処理システム10の構成例]
<各装置の構成>
まず、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム10の構成について図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成について説明するための説明図である。
本実施形態に係る情報処理システム10は、上述したコールセンター業務を運営するために用いられるシステムである。情報処理システム10は、図1に示すように、コールセンター100と公衆通信網200と通信端末300で構成される。以下に、本実施形態に係る情報処理システム10に含まれる各構成の概要について説明する。
<コールセンター100>
図1に示すように、コールセンター100は、電話制御装置110と、業務サーバ120と、記憶装置130と、IP(Internet Protocol)電話機140と、当該IP電話機140に紐づけられたオペレーター端末150、専用通信網1600とで構成される。以下に、本実施形態に係るコールセンター100に含まれる各構成の概要について説明する。
電話制御装置110は、顧客が所持する通信端末300(接続要求元)から着信(接続要求)を受信し、接続可能状態にあるIP電話機140に当該着信に係る接続を割り当てる機能を有する。また、電話制御装置110は、顧客とオペレーターとの通話内容に応じて後処理に関する入力時間を設定する機能を有する。
業務サーバ120は、通話内容に関する情報を記憶装置130に格納する機能を有する。例えば、業務サーバ120は、オペレーター端末150から転送される入力データを受信して記憶装置130に格納する。また、業務サーバ120は、電話制御装置110から転送される後述の音声認識結果である音声認識データを受信して記憶装置130に格納する。音声認識データとは音声認識結果のテキストデータである。
記憶装置130は、上述した業務サーバ120から格納される通話内容に関する情報をデータベースに記憶する機能を有する。記憶装置130は、対応履歴や音声認識結果を格納する履歴DB131を有する。例えば、履歴DB131には業務サーバ120が受信した入力データや音声認識結果である音声認識データが格納される。履歴DB131については後述の動作例で詳細を説明する。
IP電話機140は、オペレーターにより使用され、顧客との通話(接続)を行う機能を持つ。また、IP電話機140は、オペレーターが顧客と対話するために用いるヘッドセット(図示省略)等をさらに有していてもよい。なお、本実施形態においては、図1に示すように、情報処理システム10は、複数のIP電話機140を含んでいてもよい。なお、IP電話機140は後述のオペレーター端末150上で動作するソフトウェアにより実現されてもよい。その場合オペレーター端末150はIP電話機140を兼ねた一体的な通話装置となる。
オペレーター端末150は、オペレーターが顧客と通話する際に使用する通信端末である。詳細には、オペレーター端末150は、デスクトップ型又はノート型のPC(Personal Computer)等で実現される。なお、オペレーター端末150は、タブレット端末、スマートフォン等の携帯端末等であってもよい。また、本実施形態においては、図1に示すように、情報処理システム10は、複数のIP電話機140に対応するように複数のオペレーター端末150を含んでいてもよい。
図1に示すように、各装置は専用通信網1600を介して接続される。当該専用通信網1600は、コールセンター内の情報の送受信に利用されるネットワークである。専用通信網1600は、有線又は無線であることができ、例えば、インターネット、IP−VPN(Internet Protocol‐Virtual Private Network)、専用回線、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの任意の通信ネットワークから構成される。
<公衆通信網200>
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム10は、公衆通信網200に接続されており、当該公衆通信網200を介して顧客が所持する通信端末300に接続される。公衆通信網200は、有線又は無線であって、例えば、電話回線、衛星通信網等の既存の公衆回線網や、インターネット、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN又はWAN等の任意の通信ネットワークから構成される。
<通信端末300>
通信端末300は、顧客がコールセンターに電話をする際に使用する端末装置である。かかる通信端末300の一例として、スマートフォン、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistants)などの移動体通信端末がある。このような移動体通信端末の他、固定電話や、パーソナルコンピューターなどの固定端末、さらには、タブレット端末やスレート端末などを採用することもできる。
以上、本実施形態に係る情報処理システム10の概要を説明した。次に電話制御装置110の構成について説明をする。
[1.2.電話制御装置110の構成例]
<電話制御装置110の構成>
本実施形態に係る電話制御装置110の詳細について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る電話制御装置110の機能ブロック図である。図2に示すように、電話制御装置110は、送受信部111と、制御部112と、情報取得部113と、音声認識部114と、内容判定部115と、時間設定部116と、記憶部117と、切換判定部118と、切換通知部119とを主に有する。以下に、電話制御装置110の各機能部について説明する。
送受信部111は、上述の公衆通信網200を介して、電話制御装置110と通信端末300との間を接続するインターフェースである。詳細には、送受信部111は、顧客(接続要求元)からの着信(接続要求)を受信し、顧客からの着信に係る電話番号を取得し、後述する制御部112に取得した情報等を出力する。
制御部112は、電話制御装置110に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等のハードウェアを用いて、電話制御装置110の動作を全般的に制御する。制御部112は、上述した送受信部111からの情報に基づいて、受電可能状態にあるIP電話機140へ受信した着信(接続要求)に係る接続を割り当てる。また、制御部112はIP電話機140と通信端末300とが接続されたことや、接続が切断されたことを検出する機能を有する。また、制御部112は後述の切換通知部119から転送される受電可能通知を受信し、記憶部117に当該受信した通知情報を転送して受電可能状態を記憶させる。制御部112は通話装置の受電可能状態の情報の切換、管理を行う。
情報取得部113は、上述した専用通信網1600を介して、業務サーバ120から通話内容に関する情報を取得する。通話内容に関する情報とは、履歴DB131に格納される入力データや音声認識データである。
音声認識部114は、IP電話機140と通信端末300との間における通話音声を取得し、通話音声を認識してテキストデータである音声認識データに変換する機能を有する。音声認識部114は、電話制御装置110に内蔵されるCPU、ROM及びRAM等のハードウェアを用いて、上記通話に係る音声を記録し、記録した音声データを解析することにより、通話音声を認識する。音声認識部114は、音声認識結果である音声認識データを業務サーバ120に転送する。なお、音声認識部114で認識した音声認識データは制御部112の制御情報に基づき、後述の記憶部117に記憶される。
内容判定部115は、電話制御装置110に内蔵されるCPU、ROM及びRAM等のハードウェアを用いて、上述した情報取得部113によって取得された通話内容に関する情報と、後述の苦情文言DB50とを参照して、通話内容に関する情報に苦情を示す文言が含まれているか否かを判定する機能を有する。
時間設定部116は、内容判定部115の判定結果に応じて切断後の対応内容入力に関する制限時間(後処理制限時間)、その時刻(後処理制限時刻)を設定する機能を有する。時間設定部116は、制御部112が検出した切断の時刻に後処理制限時間を加算した時刻を後処理制限時刻として設定する。後処理制限時間 とは内容判定部115の判定結果に応じた後処理に必要な時間であり、且つ後処理の状態を必要以上に継続しないための制限時間のことである。時間設定部116は、記憶部117に記憶している時間情報から設定する時間の選択を判定することから時間判定部ともいう。
記憶部117は、制御部112の処理に関するデータ、制御部112の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。また、記憶部117には内容判定部115が判定する際に参照する苦情文言DB50が予め格納される。図3は、本実施形態に係る苦情文言DB50に格納される情報の一例を示す図である。苦情文言DB50には、苦情を示す文言が記憶される。例えば、苦情の場合、通話の中で顧客から直接オペレーターに言われるであろう「謝れ」や「責任者を出せ」などの苦情文言が苦情文言DB50に格納される。また、苦情の場合にオペレーターが入力すると推測される苦情を受け付けたことを示す「謝罪」などの苦情文言が苦情文言DB50に格納される。また、記憶部117は、内容判定部115の判定結果に応じた後処理制限時間の時間情報を予め記憶する。また、記憶部117は、通知メッセージを含む切換通知のフォーマットを予め記憶する。また記憶部117には、制御部112が受信する受信可能状態の情報が通話装置に関する情報(例えば、オペレーターID)と紐付けられて記憶される。また、記憶部117には、音声認識部114の音声認識データのテキストデータが記憶される。
切換判定部118は、時間設定部116で設定した後処理制限時刻を経過し、且つ情報取得部113で取得する入力データが更新されずに無入力の状態が所定時間継続された場合に、該当するIP電話140の状態を受電不可能状態から強制的に受電可能状態に切り換る、すなわち切換可と判定する機能を有する。上記所定時間、すなわち無入力状態が継続することを制限する時間は、無入力制限時間として予め記憶部117に記憶される。無入力制限時間は、例えば30秒であり、後処理の入力作業が終了したと見做せる時間である。よって、切換判定部118は、後処理制限時刻を経過した後、無入力制限時間中に入力データが更新されない場合に受電不可能状態から強制的に受電可能状態に切り換ると判定する。また、時間設定部116で設定した制限時刻以内に入力完了を示す情報(受電可能通知)をオペレーター端末150から受けた場合にも、受電不可能状態から受電可能状態に切り換ると判定する。切換判定部118は、判定結果である切換判定結果を切換通知部119に転送する。
切換通知部119は、切換判定部118から転送された切換判定結果に基づく切換通知をオペレーター端末150に通知する機能を有する。具体的には、切換通知部119は、切換判定結果に基づき記憶部117の切換通知フォーマットを参照して切換通知を生成し、切換通知に画像切換信号を含めてオペレーター端末150に通知する。画像切換信号とは、オペレーター端末150に表示される画像を強制的に切り替えるための制御信号である。また、切換通知部119は、切換通知を送ったオペレーター端末150が受電可能な状態となったことを示す受電可能通知を制御部112に通知する。
[1.3.オペレーター端末150の構成例]
<オペレーター端末150の構成>
本実施形態に係るオペレーター端末150の詳細について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るオペレーター端末150の機能ブロック図である。図4に示すように、オペレーター端末150は、表示部151と、操作受付部152と、制御部153と、送受信部154と、記憶部155と、撮像部156とを主に有する。以下に、オペレーター端末150の各機能部について説明する。
表示部151は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、CRTディスプレイ装置などの映像信号を表示する表示装置で構成される。表示部151には、受電待ち中を示す待ち画面の画像情報や、通話内容をオペレーターが入力するための入力画面の画像情報などが表示される。
ここで、表示部151に表示される入力画面の構成について説明する。図5は入力画面の画像情報の一例を示す図である。図5に示すように、入力画面は対応開始日時が表示される欄1510、対応オペレーターのオペレーターIDが表示される欄1515、オペレーターの操作により通話内容に関する情報が入力される欄1520〜1575、入力が完了した際にオペレーターにより選択される欄1580で構成される。入力画面の画像は通信端末300と接続が開始されると、制御部153により表示部151に表示される。なお、このとき欄1510には接続が開始された日時情報が表示され、欄1515には予め記憶部155に記憶しているオペレーターIDが表示される。
図4に戻り、操作受付部152は、オペレーターからの入力操作を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、ボタン等がこれに相当する。オペレーターは操作受付部152の操作により上述の入力画面の欄1520〜1575について入力を行う。
制御部153は、オペレーター端末150に内蔵されるCPU、ROM、及びRAM等のハードウェアを用いて、オペレーター端末150の動作を全般的に制御する。例えば、制御部153は、操作受付部152で受け付けた入力データを入力イベント発生の都度業務サーバ120へ送信する、或いは所定間隔(例えば、0.5秒間隔)で業務サーバ120へ送信するように制御を行う。また、制御部153は、表示部151にかかる表示の制御を行い、後述の送受信部154で切換通知を受信するとそれまでに表示していた入力画面の画像から待ち画面の画像へ切り替える制御を行う機能を有する。
送受信部154は、上述の専用通信網1600を介して業務サーバ120に入力データを送信し、また電話制御装置110から切換通知を受信する機能を有する。
記憶部155は、制御部153の処理に関するデータ、制御部153の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。また、記憶部155は、待ち画面の画像情報や入力画面の画像情報など各種画像情報が記憶され、さらに当該端末を使用するオペレーターIDが記憶される。
撮像部156は、オペレーターを撮像するカメラで構成される。撮像部156は、撮像した画像データ、動画データ(以下、撮像データ)を送受信部154に転送する機能を有する。撮像データは送受信部154から業務サーバ120に送信される。業務サーバ120により履歴DB131に撮像データが格納される。なお、撮像部156は、制御部153により所定間隔(例えば、0.5秒間隔)で撮像データを業務サーバ120へ送信するように制御される。
以上が第1の実施形態に係る情報処理システム10の電話制御装置110、オペレーター端末150の詳細な構成である。
[1.4.情報処理システム10の動作例]
次に、第1の実施形態に係る情報処理システム10の動作例について図6、図7を参照しながら詳細に説明する。図6は、情報処理システム10の主たる動作の処理フローの例を示す図である。図7は履歴DB131に格納される情報の一例を示す図であり、情報処理システム10の動作において更新される遷移状態をそれぞれ示している。図6の動作の処理フローを主として図7を参照しながら以下に説明する。
まず、通信端末300から接続要求が発生する(STEP100)。送受信部111が接続要求を受信する(STEP102)。送受信部111は接続要求を受信するとともに着信に係る電話番号を取得して制御部112に出力する。制御部112は、受電可能状態にあるIP電話機140へ受信した接続要求に係る接続を割り当てる(STEP104)。この際に制御部112は割り当て先のIP電話機140を使用するオペレーターIDを取得して電話番号の情報と紐付け、当該通話を特定、管理するための通話ID(Identification)を付与する。制御部112は業務サーバ120に通話IDと電話番号の情報、オペレーターID、IP電話機140と通信端末300の接続状態を示す「通話準備中」の情報を転送し、業務サーバ120はこれらの情報を履歴DB131に格納する。
本実施例においては、付与した通話IDを「001」、取得した電話番号を「03−1111−2222」、オペレーターIDを「126789」とし、業務サーバ120は図7の(1)に示すように履歴DB131の通話ID400、接続状態情報401、オペレーターID402、電話番号403の項目に転送された情報を対応させて格納する。
図6に戻り、割り当てたIP電話機140と通信端末300が接続され、通話が開始される(STEP106)。制御部112は通話が開始されたことを検出し、検出した時刻を通話開始時刻としてその情報を業務サーバ120に転送する。例えば、通話開始時刻が2018年1月1日の12時0分30秒の場合、業務サーバ120は履歴DB131の通話開始時刻404の項目に「2018/1/1 12:00:30」と格納する(図7の(2))。また、制御部112はIP電話機140と通信端末300が接続されたことを示す「接続中」の情報を業務サーバ120に転送し、業務サーバ120は履歴DB131の接続状態情報401の項目を「接続中」に更新する。
通信端末300とIP電話機140間で通話が開始されると同時に音声認識部114により音声認識の処理が開始され、変換された音声認識データが順次履歴DB131に格納される(STEP108)。また、通信端末300とIP電話機140間で通話が開始されると同時にIP電話機140に対応するオペレーター端末150の表示部151には図5に示す入力画面の画像が制御部153により表示される(STEP110)。なお、STEP108とSTEP110の動作はSTEP106の接続と同時に開始されるものとする。
操作受付部152がオペレーターによる入力の受け付けを開始する(STEP112)。操作受付部152で受け付けた入力データは履歴DB131に格納される。例えば、表示される入力画面の欄1520に問合せ対象となる商品名を「商品A」の入力を受け付けた場合、業務サーバ120により入力データ407の項目に「項目1:商品A」のデータが順次格納される。
次に、情報取得部113は、通話開始時刻から所定の間隔(5秒等)で定期的に、あるいは入力データや音声認識データが格納される都度、履歴DB131に格納される入力データや音声認識データを取得する(STEP114)。情報取得部113は、上述のタイミングで履歴DB131からデータを繰り返し取得し、内容判定部115に出力する。
内容判定部115は取得した入力データ、音声認識データ中に苦情を示す文言が含まれているかを判定する第1苦情判定を実施する(STEP116)。第1苦情判定は通信端末300とIP電話機140とが接続されている段階で実施される判定処理である。判定方法として、内容判定部115は記憶部117に予め記憶される苦情文言DB50を参照し、苦情文言が入力データ、音声認識データ中に含まれているかを判定する。
ここで、通話開始から5分30秒後の12時6分0秒時点で格納されている履歴DB131の情報を図7の(3)に示す。図7の(3)中の入力更新時刻406の項目は操作受付部152で受け付けた入力データが履歴DB131に格納された最新の時刻を示す。入力データ407の項目には操作受付部152で受け付けた入力データが格納され、音声認識データ408の項目には音声認識部114の音声認識結果である音声認識データが格納される。内容判定部115は苦情文言DB50に格納される苦情を示す文言である「謝れ」や「責任者を出せ」などの文言が、取得した入力データ、音声認識データ中に含まれているかを判定する。苦情文言が含まれる場合、内容判定部115は第1苦情判定の判定結果である第1判定結果を「苦情」とし、苦情文言が含まれない場合は「通常」と判定する。「通常」とは、苦情以外の問合せであったことを意味し、例えば商品に対する質問や、意見要望などがこれに該当する。
図7の(3)中に示す12時6分0秒時点で格納されている履歴DB131の情報には苦情を示す文言が含まれていないので、内容判定部115は12時6分0秒時点での第1判定結果を「通常」と判定する。内容判定部115は第1判定結果が「通常」の場合、所定の間隔(例えば1分間隔、或いは情報取得部113が入力データを取得して内容判定部115に出力する都度)で第1苦情判定の判定処理を繰り返す。上記例の場合、12時7分0秒時点で格納されている履歴DB131の情報から再び第1苦情判定を行う。12時7分0秒時点で格納されている履歴DB131の情報を図7の(4)に示す。図7の(4)中に示す12時7分0秒時点で格納されている履歴DB131の音声認識データには「謝れ」の苦情文言が含まれており、内容判定部115は第1判定結果を「苦情」と判定する。内容判定部115は判定の都度、業務サーバ120に第1判定結果を転送し、履歴DB131の判定結果409の項目に格納される。
通信端末300とIP電話機140間で通話が終了する(STEP118)。終了と同時に、制御部112は切断を検出する(STEP120)。制御部112が切断を検出すると、検出した時刻を通話終了時刻としてその情報を業務サーバ120に転送する。例えば、通話終了時刻が2018年1月1日の12時10分30秒の場合、業務サーバ120は履歴DB131の通話開始時刻405の項目に「2018/1/1 12:10:30」と格納する(図7の(5))。また、制御部112が切断を検出すると、時間設定部116は記憶部117と履歴DB131を参照して、内容判定部115で判定された第1判定結果に応じて切断後の後処理における入力の後処理制限時間を設定する(STEP122)。詳細には、第1判定結果に応じた後処理制限時間の時間情報を記憶部117より参照し、通話終了時刻に後処理制限時間を加算した後処理制限時刻を設定する。なお、制御部112は切断を検出すると、当該IP電話機140が受電不可能状態に移行したとして記憶部117で管理する。
第1判定結果が「通常」の場合、時間設定部116は通常対応時の後処理制限時間を設定する。例えば、通常の後処理制限時間を5分とする。一方で、第1判定結果が「苦情」であった場合、時間設定部116は苦情対応時の後処理制限時間を設定する。例えば、苦情の場合の後処理制限時間を通常時よりも長い10分とする。本実施例における第1判定結果は「苦情」なので、時間設定部116は後処理制限時間を10分とし、切断後の後処理制限時刻を通話終了時刻から10分後に設定し、後処理制限時間と後処理制限時刻の情報を業務サーバ120に転送する。本実施例における通話終了時刻は12時10分30秒であるので、時間設定部116はその10分後の12時20分30秒を後処理制限時刻として設定する。図7の(5)に示すように、転送された後処理制限時間と後処理制限時刻の情報は業務サーバ120により対応する項目である制限時間410と制限時刻411へそれぞれ格納される。
一方で、第1判定結果が「通常」の場合、情報取得部113は、切断後も所定の間隔(5秒等)で定期的に、あるいは入力データが格納される都度、履歴DB131に格納される入力データを取得し、内容判定部115に出力する(STEP124)。情報取得部113は履歴DB131から第1判定結果を取得し、判定結果が「通常」だった場合に、情報取得部113は履歴DB131から入力データを取得して内容判定部115に出力し、内容判定部115は取得した入力データ中に苦情を示す文言が含まれているかを判定する第2苦情判定を実施する(STEP126)。第2苦情判定は通信端末300とIP電話機140との間の接続が切断された段階で実施される判定処理である。第2苦情判定の判定方法は第1苦情判定の方法と同様である。第2苦情判定において「苦情」と判定した場合に、内容判定部115は判定結果の情報を第1判定結果である「通常」を第2判定結果である「苦情」に更新する。第2苦情判定においても「通常」と判定した場合には、内容判定部115は判定結果を更新しない。
例えば、図7の(6)は、入力更新時刻が12時11分0秒時の履歴DB131の情報を示す図である。なお、図7の(6)は、第1苦情判定において「通常」と判定された場合の履歴DB131の情報である。そのため図7の(5)と異なり、図7の(6)に格納されている音声認識データには「謝れ」といった苦情を示す苦情文言は含まれていないものとする。第1判定結果が「通常」の場合、切断後の後処理中に入力される入力データに苦情を示す文言が含まれるときに内容判定部115は第2苦情判定の判定結果である第2判定結果を「苦情」と判定する。内容判定部115は第2苦情判定において、12時12分0秒時点の入力データ407の項目に「謝罪」の苦情文言の入力データがあることから第2判定結果を「苦情」と判断する。
第2判定結果が「苦情」の場合、時間設定部116は苦情対応時の制限時間に再設定する(STEP128)。つまり、第1判定結果を受けて設定した後処理制限時刻を、第2判定結果に応じた後処理制限時刻に更新する。上記の例でいうと、第1判定結果が「通常」の場合、STEP122において時間設定部116が設定する後処理制限時刻は通話終了時刻から5分後の12時15分30秒である。これを第2判定結果が「苦情」である場合には、苦情対応時の後処理制限時間が10分であるので、時間設定部116は通話終了時刻から10分後の12時20分30秒を後処理制限時刻として設定し、後処理制限時間と後処理制限時刻の情報を業務サーバ120に転送して情報を更新する。
その後、情報取得部113は業務サーバ120から後処理制限時刻と入力更新時刻の情報を取得し、切換判定部118に転送する。切換判定部118は、後処理制限時刻を経過し、且つ入力更新時刻が記憶部117に予め記憶される無入力制限時間の間(例えば30秒間)更新されない場合に、後処理の入力作業が終了したと判断して受電可能状態に切り替えると判定する(STEP130)。なお、切換判定部118は、後処理制限時刻が経過しても入力更新時刻が所定時間以内に更新されている場合には後処理の入力作業が継続していると判断できるため受電可能状態に切り替えないと判定する。
最後に、切換判定部118の切換判定結果を受けて切換通知部119が切換通知をオペレーター端末150に通知する(STEP132)。切換通知には、オペレーター端末150に表示する通知メッセージと画像切換信号が含まれる。図8はオペレーター端末150に表示される通知メッセージを示す表示画面の一例である。切換通知を受領したオペレーター端末150の表示部151には、「待ち画面に切り替えます」というメッセージ800が表示される。さらに、画像切換信号に従い、それまで表示部151に表示されていた入力画面の画像から待ち画面の画像に強制的に切換が実行される。切換通知部119は、切換通知を送ったオペレーター端末150が受電可能な状態であることを示す受電可能通知を制御部112に通知する。
[1.5.第1の実施形態のまとめ]
以上述べたように、本実施の形態によれば、顧客とオペレーターの通話内容を示す通話内容情報に苦情を示す文言が含まれる場合、当該電話応答が苦情処理に関するものと判断し、切断後の後処理時間に関してオペレーターの心理状態を考慮して苦情以外の場合に設定する時間よりも長い時間を設定し、適切なタイミングで受電不可能状態から受電可能状態に復帰させることが可能となる。
[2.第2の実施形態]
第2の実施形態の情報処理システム100は、第1の実施形態に加えて、第1の実施形態で説明した無入力制限時間を、通話内容に関する情報から「苦情」と判定した場合に「通常」の場合よりも長く設定するものである。第2の実施形態のシステムを情報処理システム100とし、第2の実施形態の電話制御装置510の構成について説明をする。なお、電話制御装置510以外の情報処理システム100の構成については第1の実施形態に係る情報処理システム10と同一の構成である。
[2.1.電話制御装置510の構成例]
本実施形態に係る電話制御装置510の詳細について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る電話制御装置510の機能ブロック図である。図9に示すように、電話制御装置510は、送受信部511と、制御部512と、情報取得部513と、音声認識部514と、内容判定部515と、時間設定部516と、記憶部517と、切換判定部518と、切換通知部519とを主に有する。以下に、電話制御装置510の各機能部について説明する。
本実施形態に係る送受信部511、制御部512、情報取得部513、音声認識部514、内容判定部515、切換通知部519は第1の実施形態で説明した送受信部111と、制御部112と、情報取得部113と、音声認識部114と、内容判定部115と、切換通知部119の構成と同一であるので説明を省略する。時間設定部516は、内容判定部515の判定結果に応じて無入力制限時間を設定する機能を有する。また、時間設定部516は、第1の実施形態の時間設定部116と同様に内容判定部515の判定結果に応じて切断後の入力に関する後処理制限時間を設定する機能を有する。時間設定部516は、後処理制限時刻と無入力制限時間の情報を切換判定部518に出力する。
記憶部517は、制御部512の処理に関するデータ、制御部512の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。また、記憶部517には内容判定部515が判定する際に参照する、第1の実施形態で説明したものと同一の苦情文言DB50が予め格納される。また、記憶部517は、内容判定部515の判定結果に応じた後処理制限時間の時間情報と、無入力制限時間の時間情報とを予め記憶する。また、記憶部517は第1の実施形態同様に内容判定部515の判定結果に応じた通知メッセージを含む切換通知のフォーマットを予め記憶する。
切換判定部518は、第1の実施形態で説明した切換判定部118の機能を備える。ただし、本実施形態において無入力制限時間は内容判定部515の判定結果に応じて設定されるため、その点で第1の実施形態と差異が生じる。つまり、切換判定部518は、後処理制限時間を経過し、内容判定部515で苦情と判定された場合の無入力制限時間、或いは通常と判定された場合の無入力制限時間中に入力データが更新されない(無入力の状態が継続する)場合に、該当するIP電話140の状態を受電不可能状態から強制的に受電可能状態に切り換ると判定する機能を有する。これは、対応内容が苦情の場合に心理的負担を抱えたオペレーターは思慮時間が通常よりも長くなり、手が止まる時間を増えることを考慮して無入力の状態をある程度許容するためである。切換判定部518は、判定結果である切換判定結果を切換通知部519に転送する。
以上が第2の実施形態に係る情報処理システム100の電話制御装置510の詳細な構成である。
[2.2.情報処理システム100の動作例]
次に、第2の実施形態に係る情報処理システム100の動作例について図10を参照しながら詳細に説明する。図10は、情報処理システム100の主たる動作の処理フローの例を示す図である。処理に伴う履歴DB131に格納される情報の更新については第1の実施形態と同じものとして説明を行う。
図10に示すSTEP200からSTEP214までは、第1の実施形態のSTEP100からSTEP114と同じであるので説明を省略する。以下、STEP216から説明する。STEP216において、内容判定部515は取得した入力データ、音声認識データ中に苦情を示す文言が含まれているかを判定する第1苦情判定を実施する。判定方法は第1の実施形態と同様である。内容判定部515は第1判定結果が「通常」の場合、上述の間隔で第1苦情判定の判定処理を繰り返す。
通信端末300とIP電話機140間で通話が終了する(STEP218)。終了と同時に、制御部112は切断を検出する(STEP220)。制御部112が切断を検出すると、検出した時刻を通話終了時刻としてその情報を業務サーバ120に転送し、業務サーバ120によって通話終了時刻の情報が履歴DB131に格納される。制御部112が切断を検出すると、時間設定部516は記憶部517と履歴DB131を参照して第1判定結果に応じて後処理制限時間を設定する(STEP222)。詳細には、第1判定結果に応じた後処理制限時間の時間情報を記憶部117より参照し、通話終了時刻に後処理制限時間を加算した後処理制限時刻を設定する。さらに、時間設定部516は第1判定結果に応じて無入力制限時間を設定する(STEP224)。
STEP222における設定方法は第1の実施形態と同様である。STEP224における時間設定部516の動作として、第1判定結果が「通常」の場合、時間設定部516は記憶部517に記憶される通常対応時の時間情報に基づいて無入力制限時間を設定する。例えば、通常の無入力制限時間を30秒とする。一方で、第1判定結果が「苦情」であった場合、時間設定部516は苦情対応時の時間情報に基づいて無入力制限時間を設定する。例えば、苦情の場合の無入力制限時間を通常時よりも長い1分とする。時間設定部516は履歴DB131に設定した無入力制限時間の情報を業務サーバ120に転送する。転送された無入力制限時間の情報は業務サーバ120により図示しない対応する項目にそれぞれ格納される。
次に、情報取得部513は、第1判定結果を取得し、判定結果が「通常」だった場合に切断後も所定の間隔(5秒等)で定期的に、あるいは入力データが格納される都度、履歴DB131に格納される入力データを取得する(STEP226)。情報取得部513は、取得したデータを内容判定部515に出力し、内容判定部515は取得した入力データ中に苦情を示す文言が含まれているかを判定する第2苦情判定を実施する(STEP228)。第2苦情判定において「苦情」と判定した場合に、内容判定部115は第1判定結果である「通常」から第2判定結果である「苦情」に判定結果の情報を更新する。第2判定結果が「苦情」の場合、時間設定部516は苦情対応時の後処理制限時間、後処理制限時刻に再設定する(STEP230)。さらに時間設定部516は苦情対応時の無入力制限時間に再設定する(STEP232)。つまり、第1判定結果を受けて設定した後処理制限時間、後処理制限時刻、無入力制限時間を第2判定結果に応じた時刻に更新する。
その後、情報取得部513は後処理制限時刻と無入力制限時間の情報を取得し、切換判定部518に転送する。切換判定部518は、後処理制限時刻を経過し、且つ時間設定部516で設定された判定結果に応じた無入力制限時間において入力データが更新されない場合に、後処理の入力作業が終了したと判断して受電可能状態に切り替えると判定する (STEP234)。なお、切換判定部518は、後処理制限時刻が経過しても入力更新時刻が無入力制限時間内に更新されている場合には後処理の入力作業が継続していると判断できるため受電可能状態に切り替えないと判定する。
最後に、切換判定部518の切換判定結果を受けて切換通知部519が切換通知をオペレーター端末150に通知する(STEP236)。切換通知には、第1の実施形態同様にオペレーター端末150に表示する通知メッセージと画像切換信号が含まれる。
[2.3.第2の実施形態のまとめ]
以上述べたように、本実施の形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、当該電話応答が苦情処理に関するものと判断した場合に無入力制限時間を苦情以外のものより長く設定することでオペレーターの心理状態を考慮した適切なタイミングで受電不可能状態から受電可能状態に復帰させ、コールセンターの運営を円滑におこなうことが可能となる。
[3.第3の実施形態]
第3の実施形態の情報処理システム1000は、第1の実施形態、第2の実施形態の構成に、管理者端末160が追加される。第3の実施形態のシステムを情報処理システム1000とし、情報処理システム1000の構成について説明をする。なお、ここでは便宜上第2の実施形態との差異を中心に説明をする。図11は、本実施形態に係る情報処理システム1000の構成について説明するための説明図である。
[3.1.情報処理システム1000の構成例]
<各装置の構成>
本実施形態に係る情報処理システム1000は、図11に示すように第1の実施形態に係る情報処理システム10、第2の実施形態に係る情報処理システム100の構成に管理者端末160が追加される。
管理者端末160は一般的にスーパーバイザーと呼ばれる、コールセンターシステムの管理者又は監督者が利用する通信端末である。管理者端末160は、デスクトップ型又はノート型のPC等で実現される。なお、管理者端末160は、タブレット端末、スマートフォン等の携帯端末等であってもよい。管理者端末160はコールセンター100において専用通信網1600を介して他の装置と接続される。
その他、情報処理システム1000の構成については、管理者端末160、電話制御装置を除いて、第1の実施形態に係る情報処理システム10、第2の実施形態に係る情報処理システム100と同一の構成である。
以上、本実施形態に係る情報処理システム1000の概要を説明した。次に本実施形態に係る電話制御装置の構成について説明をする。
[3.2.電話制御装置1010の構成例]
第3の実施形態における電話制御装置を電話制御装置1010とし、電話制御装置1010について第2の実施形態に係る電話制御装置510との差異になる構成を中心に説明をする。
本実施形態に係る電話制御装置1010の詳細について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る電話制御装置1010の機能ブロック図である。図12に示すように、電話制御装置1010は、送受信部1011と、制御部1012と、情報取得部1013と、音声認識部1014と、内容判定部1015と、時間設定部1016と、記憶部1017と、切換判定部1018と、切換通知部1019と、許可依頼通知部1020とを主に有する。以下に、電話制御装置1010の各機能部について説明する。
本実施形態に係る送受信部1011、制御部1012、情報取得部1013、音声認識部1014、内容判定部1015、時間設定部1016、切換通知部1019は、第2の実施形態で説明した送受信部511、制御部512、情報取得部513、音声認識部514、内容判定部515、時間設定部516、切換通知部519の各構成と同一であるので説明を省略する。
記憶部1017は、制御部1012の処理に関するデータ、制御部1012の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。記憶部1017には内容判定部1015が判定する際に参照する、第1の実施形態で説明したものと同一の苦情文言DB50が予め格納される。また、記憶部1017は、内容判定部1015の判定結果に応じた後処理制限時間の時間情報と、無入力制限時間の時間情報とを予め記憶する。また、記憶部1017は、内容判定部1015の判定結果に応じた通知メッセージを含む切換通知のフォーマットの他に、内容判定部1015の判定結果に応じた切換の許可依頼メッセージを含む許可依頼通知のフォーマットを予め記憶する。
切換判定部1018は、第1の実施形態で説明した切換判定部118、第2の実施形態で説明した切換判定部518の機能に加え、該当するIP電話140の状態を受電不可能状態から強制的に受電可能状態に切り換ると判定する場合に、切換判定部1018は、判定結果である切換判定結果を許可依頼通知部1020に転送する。
許可依頼通知部1020は、切換判定部1018から転送された切換判定結果に基づく許可依頼通知を後述の管理者端末160に通知する機能を有する。具体的には、許可依頼通知部1020は、切換判定結果に基づき記憶部1017の許可依頼通知フォーマットを参照して許可依頼通知を生成し、管理者端末160に通知する。許可依頼通知には、管理者に強制的に受電可能状態に切り換えてよいかの許可を依頼する許可依頼メッセージを含む。
[3.3.管理者端末160の構成例]
次に、本実施形態に係る管理者端末160の詳細について、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る管理者端末160の機能ブロック図である。図13に示すように管理者端末160は、表示部161と、操作受付部162と、制御部163と、送受信部164と、情報取得部165と、記憶部166と、許可通知部167とを主に有する。以下に、管理者端末160の各機能部について説明する。
表示部161は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、CRTディスプレイ装置などの映像信号を表示する表示装置で構成される。表示部161には、履歴DB131に格納された撮像データ、入力データ、音声認識データ、許可依頼通知の許可依頼メッセージなどが表示される。また、表示部161は管理者による切換許可を通知するための切換許可ボタンが表示される。
操作受付部162は、管理者からの入力操作を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、ボタン等がこれに相当する。例えば、管理者の入力操作により切換許可ボタンの選択を受け付ける。
制御部163は、管理者端末160に内蔵されるCPU、ROM、及びRAM等のハードウェアを用いて、管理者端末160の動作を全般的に制御する。
送受信部164は、専用通信網1600を介して許可依頼通知を受信する機能を有する。
情報取得部165は、履歴DB131に格納される撮像データや入力データ、音声認識データなどを取得する機能を有する。情報取得部165は、履歴DB131に格納される最新の撮像データを、送受信部164が許可依頼通知を受信したタイミングで取得する。
記憶部166は、制御部163の処理に関するデータ、制御部163の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。また、記憶部166は、切換許可メッセージを含む許可通知のフォーマットを予め記憶する。切換許可メッセージとは、管理者の許可のうえ強制的に受電可能状態に切り換える旨のメッセージである。例えば、「管理者により画面切り替えの許可が承認されましたので、待ち画面に切り替えます」といったメッセージである。
許可通知部167は、管理者の入力操作による切換許可ボタンの選択に基づいて生成される切換の許可通知をオペレーター端末150に通知する機能を有する。具体的には、許可通知部167は、表示部161に表示される切換許可ボタンに対する選択入力の操作に基づき記憶部166の許可通知フォーマットを参照して許可通知を生成し、管理者端末160に通知する。許可依頼通知には、切換許可メッセージの他に画像切換信号が含まれる。
以上が第3の実施形態に係る情報処理システム1000の管理者端末160と、電話制御装置1010の詳細な構成である。
[3.4.情報処理システム1000の動作例]
次に、第3の実施形態に係る情報処理システム1000の動作例について図14を参照しながら詳細に説明する。図14は、情報処理システム1000の主たる動作の処理フローの例を示す図である。処理に伴う履歴DB131に格納される情報の更新については第2の実施形態と同じものとして説明を行う。
図14に示すSTEP300からSTEP310までは、第2の実施形態のSTEP200からSTEP210と同じであるので説明を省略する。以下、STEP312を説明する。STEP312において、通信端末300とIP電話機140間で通話が開始されると同時にオペレーター端末150の撮像部156によってオペレーターの撮像が開始される。撮像データは業務サーバ120に送信され、履歴DB131に格納される。次のSTEP314からSTEP334までは、第2の実施形態のSTEP212からSTEP232と同じであるので説明を省略する。
次に、切換判定部1018は後処理制限時刻を経過し、且つ時間設定部516で設定された判定結果に応じた無入力制限時間において入力データが更新されない場合に、後処理の入力作業が終了したと判断して受電可能状態に切り替えると判定する(STEP336)。切換判定部1018は、判定結果である切換判定結果を許可依頼通知部1020に転送し、許可依頼通知部1020は、切換判定部1018から転送された切換判定結果に基づく許可依頼通知を管理者端末160に通知する(STEP338)。
送受信部164が許可依頼通知を受信すると、情報取得部165が履歴DB131から最新の撮像データと入力データ、音声認識データを取得する(STEP340)。情報取得部165が取得したデータは、制御部163の表示制御情報により表示部161に表示される(STEP342)。図15は、管理者端末160に表示される画像情報の一例を示す図である。図15に示すように、表示部161には許可依頼メッセージを表示する欄1610と、入力データを表示する欄1611、音声認識データを表示する欄1612、撮像データを表示する欄1613と、切換許可ボタン1614で構成される画像が表示される。当該画像の各欄に撮像データと入力データ、音声認識データを表示することで、管理者は強制的に受電可能状態に切り換えてよいかの許可承認の判断を行うことができる。
管理者は表示部161に表示される各データから強制的に受電可能状態に切り換えてよいと判断すると、切換許可ボタンを選択する(STEP344)。管理者の選択操作により、許可通知部167は記憶部166を参照して許可通知を生成し、オペレーター端末150に通知する(STEP346)。許可通知部167は、許可通知を送ったオペレーター端末150が受電可能な状態であることを示す受電可能通知を制御部112に通知する(STEP348)。
[3.5.第3の実施形態のまとめ]
以上述べたように、本実施の形態によれば、第1の実施形態、第2の実施形態に加えて、管理者に許可依頼通知を提示して、オペレーターの状況を確認させることにより、受電可能状態への切換に際してよりオペレーターの心理状態を考慮して適切なタイミングで受電不可能状態から受電可能状態に復帰させることを可能とし、コールセンターの運営を円滑におこなうことが可能となる。
[4.むすび]
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述の実施形態では苦情を受けた際のオペレーターの心理的負担を考慮したコールセンターシステムについて説明したが、これに限定されない。コールセンターにおいては、苦情以外の嫌がらせや相手に不快感を与えるようなハラスメントを受ける場合がある。このようなハラスメントを受けた場合にも本システムは適用可能であって、ハラスメントを受けた際のオペレーターの心理的負担を考慮した時間設定や、受電可状態への適切なタイミングでの復帰をさせることができる。この場合、電話制御装置はハラスメントを示す文言を予め記憶部に記憶しておき、内容判定部にて通話内容に関する情報に当該ハラスメントを示す文言が含まれるかを判定し、判定の結果、ハラスメントを示す文言を通話内容に関する情報が含む場合に後処理制限時間、無入力制限時間を通常よりも長く設定する。
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的にまたは個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。