JP6933092B2 - 蓄電機能を有する色素増感太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電機能を有する色素増感太陽電池に関する。
一般に、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子(例えば、太陽電池)には、シリコン半導体や砒素化ガリウム半導体の接合を利用したダイオード型構造が用いられている。一方、グレッツェルらが1991年に、非特許文献1において発表した色素増感型湿式太陽電池(以下、「色素増感太陽電池」と記載)は、ダイオード型の太陽電池とは、まったく異なる構造を持つ。しかしながら、光電変換効率が10%程度と比較的高いため、1991年の発表以降、盛んに研究されている。
色素増感太陽電池の基本的な構造は次の通りである。ガラス基板上の透明導電膜に、色素を吸着した酸化物半導体電極(光電極)が形成され、さらに、この光電極と対向して、白金等が蒸着された対向電極が配置される。また光電極と対向電極の間には、酸化還元種が溶解されている液体(電解液)が配置されている。この酸化還元種は、光照射時に励起した色素からホールを受け取り、このホールを対向電極まで輸送する役割を担っている。
通常、透明基板及び対向電極の下地には厚さ1mm程度のガラスが用いられ、透明電極には、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ化酸化スズ(FTO)が用いられている。その表面に形成された酸化物半導体電極には、多孔質化して表面積を大きくした酸化チタン(TiO)電極が用いられている。色素としてはルテニウム(Ru)錯体などの太陽光を効率的に吸収できる増感色素が用いられる。電解液の酸化還元種としては一般的には有機溶媒に溶解されたヨウ素とヨウ化カリウムの混合物が用いられる。
色素増感太陽電池に光が照射されると色素が励起され、同時に電子が半導体電極に注入され、さらに外部の回路を経て対向電極に到達する。色素において電子が半導体電極に注入されるのと同時にホールが形成される。このホールは、電解液中の酸化還元種を酸化し、その酸化体は電解液層を通じて対向電極に運ばれる。対向電極において、酸化体は、外部回路を経て到達した電子により還元される。これにより、色素増感太陽電池は電流(電力)を発生する。すなわち、発電する。
太陽電池は、色素増感太陽電池も含め、蓄電機能を有しないため、消費される電力より大きな電力を発電した場合、その電力は廃棄される。また、曇天や夜間などの低光照射強度時には発電量が極端に少なくなる、もしくはゼロとなる。この場合、電力の消費量に見合う発電ができなくなる。
一方、太陽電池に蓄電機能を持たせると、廃棄される電力は、曇天や夜間などの低光照射強度時に有効に活用できる。これにより、太陽電池の電力効率(電力消費量/発電量)は格段に向上する。
特許文献1、2及び3には、蓄電機能を有する色素増感太陽電池として、エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池(光二次電池)が提案されている。エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池では、光電極、電解液(第一電解液)、対向電極からなる従来型の色素増感太陽電池に加えて、対向電極と対峙して電荷蓄積電極が配置されている。また、対向電極と電荷蓄積電極の間には、電荷蓄積電極用の第二電解液およびカチオン交換膜が配置されている。
光照射時には、色素の光励起と同時に、光電極上では第一電解液中に存在する酸化還元種の酸化が起こる。酸化還元種から光電極に移動した電子は、透明電極を通り、さらに外部に取り出すことができる。この電子は外部負荷を経由し、電荷蓄積電極に流れる。そこで、電荷蓄積電極に流れた電子は、電荷蓄積電極を還元することでエネルギー貯蔵を行う。このようにして蓄えられたエネルギーは、対向電極で酸化還元種を還元し、同時に電荷蓄積電極を酸化することで、エネルギーとして外部に取り出すことができる。すなわち、対向電極と電荷蓄積電極は、二次電池の正極および負極としての機能を有している。この対向電極には、白金メッシュ電極などの表面積の大きな金属電極が例示されており、また電荷蓄積電極にはポリピロール膜などの導電性高分子材料や硫化銀などが例示されている。また、第一電解液と第二電解液の間には、第一電解液中の酸化還元種が第二電解液に漏れ出さないようにするために、カチオン交換膜が配置されている。
また、特許文献4には、特許文献1に記載のエネルギー貯蔵型色素増感太陽電池の改良された構造が開示されている。当該太陽電池では、対向電極に対向して透明導電性基板上に形成された光電極と電荷蓄積電極とを備え、該電荷蓄積電極はカチオン交換膜で被覆されている。光電極及び電荷蓄積電極と対向電極との間には電解液が配置されており、該電解液には、還元体、酸化体、及びカチオンを含む溶液が用いられている。
特開2004−288985号公報 特開2006−172758号公報 特開2014−86239号公報 特開2015−103305号公報 特開2002−304996号公報 WO2006/061948号公報
グレッツェル他1名、ネイチャー(Nature)、1991年、353巻、p.737-740 ナカハラ他2名、ジャーナル・オブ・マテリアル・ケミストリー(Journal of Material Chemistry)、22巻、2012年、p.13669-13673
これまでに提案されている蓄電機能を有する色素増感太陽電池(「エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池」ともいう)は、色素増感太陽電池の基本構成である光電極、対向電極、電解質層(電解液)に加え、電荷蓄積電極、カチオン交換膜が追加構成要素として必須である。また、特許文献4のように電荷蓄積電極をカチオン交換膜で被覆する場合を除き、光電極−対向電極間の電解質層(第一電解質層又は第一電解液)に加えて、電荷蓄積電極用の第二電解質層(第二電解液)を配する必要がある。そのため、エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池は、通常の蓄電機能を持たない色素増感太陽電池(単に「色素増感太陽電池」という)に比べ、構成要素が多く、また構造も複雑になっている。
本発明の目的は、これまでに提案されているエネルギー貯蔵型色素増感太陽電池より、より単純な構造の蓄電機能を有する色素増感太陽電池を提供することである。
本発明では、光電極、電解液、対向電極からなる従来型の色素増感太陽電池に加え、光電極に酸化還元機能を有するラジカルポリマー電極を直接接触させ、光照射によりラジカルポリマー電極中のラジカル種を酸化してカチオンに変換する構造とすることで、従来に比べ単純な構造の蓄電機能を有する色素増感太陽電池が得られることを見出した。
すなわち、本発明の一形態は、色素が吸着された半導体層を備える光電極と、該光電極に対向する対向電極と、前記光電極と前記対向電極間に配置され、前記光電極の半導体層と接するラジカルポリマーを含むラジカルポリマー電極と、前記ラジカルポリマー電極と前記対向電極間に配置される電解液とを備えることを特徴とする、蓄電機能を有する色素増感太陽電池に関する。
本発明の一形態によれば、従来よりも、より単純な構造の蓄電機能を有する色素増感太陽電池を提供することができる。
本発明の蓄電機能を有する色素増感太陽電池の一例を表す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る蓄電機能を有する色素増感太陽電池について、図1を参照しつつ、詳細に説明する。
まず、光照射による蓄電の原理を述べる。本実施形態の蓄電機能を有する色素増感太陽電池では、光照射により、光電極20の色素23は励起され、色素のHOMOより高い(正側に)伝導帯準位を持つ半導体層22に電子を受け渡す。同時に色素23のHOMO順位より低い(負側に)酸化還元電位を持つラジカルポリマー電極10にホールを受け渡す。これにより、ラジカルポリマー電極10のラジカルポリマーは酸化される。これと同時に光電極20と配線60を介して電気的に接続されている対向電極40は、半導体層22より高い(正側に)に酸化還元電位を持つために還元されることになる。以上の原理により、光照射により、光電極20によりラジカルポリマー電極10のラジカルポリマーを酸化し、同時に対向電極40の電極活物質を還元することにより蓄電を行う。さらに、蓄電された電荷は、リード12を正極に、リード42を負極に用い、配線70で接続された外部負荷80を設けることで放電することができる。
通常の色素増感太陽電池では、光照射時に、光電極の色素から半導体電極に電子が注入され、それと同時に、電解液の酸化還元種にホールが渡される。本実施形態の蓄電機能を有する色素増感太陽電池では、ラジカルポリマー電極表面のラジカルが、このホールを受け取る。ラジカルは、このホールを受け取ると、カチオンに変化する。すぐさま、カチオンは電極内に電荷輸送により拡散される。これにより、ラジカルポリマー電極の表面は、常にホールを受け取ることが可能なラジカルとなる。そして、ラジカルポリマー電極では、光照射に伴い徐々にカチオンの濃度が増加していく。すなわち、有機ラジカル電池の正極が充電されるときと同じ現象が起こることで蓄電することができる。
また、本実施形態の蓄電機能を有する色素増感太陽電池では、対向電極に電極活物質を含むことができる。このとき、ラジカルポリマー電極のラジカルが酸化されるのと同時に、対向電極では、そこに用いられている電極活物質の還元が起こる。これは、二次電池の負極が充電されるときと同じ現象である。すなわち、光照射時にラジカルポリマー電極では正極の充電、対向電極では負極の充電が起こることから、ラジカルポリマー電極と対向電極間で蓄電がなされる。さらに、これら二つの電極に外部負荷80を与えると、蓄電された電荷は放電される。
このように、本実施形態の蓄電機能を有する色素増感太陽電池は、光照射により蓄電でき、また、蓄えた電荷を放電することができる。なお、蓄電した電気は、ラジカルポリマー電極と対向電極とをつなぐ配線間に、電気機器などを接続することで、電力として使用することができる。
次に各部の構造について詳細を述べる。
(ラジカルポリマー電極)
まず、ラジカルポリマー電極10について説明する。ラジカルポリマー電極は、ラジカル種を含むポリマー(ラジカルポリマー)を含み、必要に応じて導電性材料、結着剤を含んで構成される。
ラジカルポリマーとしては、還元状態においてニトロキシルラジカル部分構造をとる材料を用いることができる。より詳しくは、下記反応式(A)に示すように、酸化状態において化学式(1)で示されるオキソアンモニウムカチオン部分構造をとり、還元状態において化学式(2)で示されるニトロキシルラジカル部分構造をとるニトロキシルラジカルポリマーを好ましく用いることができる。
Figure 0006933092
なお、反応式(A)は酸化還元反応を表しており、こうした反応を伴うニトロキシルラジカルポリマーは、電子の蓄積と放出を行う蓄電デバイス用材料として機能させることができる。
本発明において、ニトロキシルラジカルポリマーは、還元状態において化学式(3)で示される環状ニトロキシルラジカルを含む構造を有する。
Figure 0006933092
化学式(3)において、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基を表し、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。また、ラジカルの安定性の観点から、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特に全てメチル基であることが好ましい。基Xとしては、化学式(3)が5〜7員環を形成する2価の基を表し、具体的には、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH=CH−、−CH=CHCH−、−CH=CHCHCH−、−CHCH=CHCH−が挙げられる。その中で、−CH−の一部は、−O−、−NH−又は−S−によってこれらが連続しない範囲で置き換えられていてもよく、−CH=は、−N=によって置き換えられていてもよい。また、環を構成する原子に結合した水素原子は、アルキル基、ハロゲン原子、=O等により置換されていてもよく、また、環を構成する原子の少なくとも一つはポリマーの主鎖もしくは側鎖に連結する。
なかでも、特に好ましい環状ニトロキシルラジカル構造は、還元状態において、化学式(4)で示される2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル、化学式(5)で示される2,2,5,5−テトラアルキルピロリジン−N−オキシル、および化学式(6)で示される2,2,5,5−テトラアルキルピロリン−N−オキシルからなる群より選ばれるものである。なお、化学式(4)〜(6)中、R1〜R4は前記化学式(3)と同じである。
Figure 0006933092
上記の化学式(3)〜(6)で示される環状ニトロキシルラジカル構造は、側鎖もしくは主鎖の一部としてポリマーの一部を構成している。すなわち、式(3)のXの少なくとも一部は、ポリマーの主鎖の一部を構成しており、環状構造を形成する元素に結合する少なくとも1つの水素原子を取った構造としてポリマーの側鎖もしくは主鎖の一部に存在している。環状ニトロキシルラジカル構造は、合成等の容易さから側鎖に存在している方が好ましい。側鎖に存在するときは、下記化学式(7)で示される残基のように、化学式(3)で示される環状ニトロキシルラジカル構造の基X中の環員を構成する−CH−、−CH=又は−NH−から水素原子を取った残基X’によってポリマー主鎖に結合している。
Figure 0006933092
化学式(7)中、R〜Rは前記化学式(3)と同じであり、X’は前記化学式(3)のXから水素原子を一つ取った残基を表したものである。このとき用いられる主鎖を構成するポリマーの構造としては特に制限はなく、どのようなものであっても、化学式(7)で示される残基が側鎖に存在していればよい。具体的には、次に挙げるポリマーに、化学式(7)で示される残基が付加したもの、又はポリマーの一部の原子又は基が、化学式(7)で示される残基によって置換されたものを挙げることができる。いずれの場合も、化学式(7)で示される残基が直接ではなく、適当な2価の連結基を中間に介して結合していてもよい。
主鎖を構成するポリマーの構造としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリデセン、ポリドデセン、ポリヘプテン、ポリイソブテン、ポリオクタデセン等のポリアルキレン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリイソブテン等のジエン系ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸;ポリ(メタ)アクリロニトリル;ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリメチル(メタ)アクリルアミド、ポリジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリイソプロピル(メタ)アクリルアミド等のポリ(メタ)アクリルアミド類;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリアルキル(メタ)アクリレート類;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー;ポリスチレン、ポリブロモスチレン、ポリクロロスチレン、ポリメチルスチレン等のポリスチレン系ポリマー;ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン等のビニル系ポリマー;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブテンオキサイド、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリメチルビニルエーテル、ポリプロピルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリベンジルビニルエーテル等のポリエーテル系ポリマー;ポリメチレンスルフィド、ポリエチレンスルフィド、ポリエチレンジスルフィド、ポリプロピレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテトラフルフィド、ポリエチレントリメチレンスルフィド等のポリスルフィド系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンパラフェニレンジアセテート、ポリエチレンイソプロピリデンジベンゾエート等のポリエステル類;ポリトリメチレンエチレンウレタン等のポリウレタン類;ポリエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン等のポリケトン系ポリマー;ポリオキシイソフタロイル等のポリ無水物系ポリマー;ポリエチレンアミン、ポリヘキサメチレンアミン、ポリエチレントリメチレンアミン等のポリアミン系ポリマー;ナイロン、ポリグリシン、ポリアラニン等のポリアミド系ポリマー;ポリアセチルイミノエチレン、ポリベンゾイルイミノエチレン等のポリイミン系ポリマー;ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズイミド、ポリピロメルイミド等のポリイミド系ポリマー;ポリアリレン、ポリアリレンアルキレン、ポリアリレンアルケニレン、ポリフェノール、フェノール樹脂、セルロース、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾキサジン、ポリベンゾキサゾール、オリカルボラン、ポリジベンゾフラン、ポリオキソイソインドリン、ポリフランテトラカルボキシル酸ジイミド、ポリオキサジアゾール、ポリオキシンドール、ポリフタラジン、ポリフタライド、ポリシアヌレート、ポリイソシアヌレート、ポリピペラジン、ポリピペリジン、ポリピラジノキノキサン、ポリピラゾール、ポリピリダジン、ポリピリジン、ポリピロメリチミン、ポリキノン、ポリピロリジン、ポリキノキサリン、ポリトリアジン、ポリトリアゾール等のポリアロマティック系ポリマー;ポリジシロキサン、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系ポリマー;ポリシラン系ポリマー;ポリシラザン系ポリマー;ポリホスファゼン系ポリマー;ポリチアジル系ポリマー;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の共役系ポリマーを挙げることができる。なお、(メタ)アクリルとはメタクリル又はアクリルを意味する。
この中で、電気化学的な耐性に優れている点で、ポリアルキレン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド類、ポリアルキル(メタ)アクリレート類、ポリスチレン系ポリマーを主鎖構造として有することが好ましい。主鎖とは、高分子化合物中で、最も炭素数の多い炭素鎖のことである。この中でも、還元状態において下記化学式(8)で示される単位を含むことができるように、ポリマーが選ばれることが好ましい。
Figure 0006933092
ここで、化学式(8)中、R〜Rは前記化学式(3)と同じであり、X’は前記化学式(7)と同じである。Rは、水素又はメチル基である。Yは特に限定されないが、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−、−O−、−S−、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリーレン基、及びこれらの基の2つ以上を結合させた2価の基を挙げることができる。Rは、水素原子もしくは炭素数1〜18のアルキル基を表す。化学式(8)で示される単位で、特に好ましいものは、下記化学式(9)〜(11)で示される単位である。
Figure 0006933092
化学式(9)〜(11)において、R〜Rは前記化学式(3)と同じであり、またYは上記化学式(8)と同じであるが、特に−C(=O)−O−、−O−及び−C(=O)−NR−のいずれかが好ましい。また、Rとしては、水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
本発明において、化学式(7)で示される残基が、ポリマー側鎖のすべてに存在しなくてもよい。例えば、ポリマーを構成する単位のすべてが化学式(8)で示される単位であっても、又は一部が化学式(8)で示される単位であってもよい。ポリマー中にどの程度環状ニトロキシルラジカル構造が含まれるかは、ポリマーの構造、製造方法に異なるが、わずかでも存在していればよく、通常1質量%以上、特に10質量%以上が好ましい。ポリマー合成に特に制限が無く、またできるだけ大きな蓄電作用を得たい場合には、50質量%以上、特に80質量%以上が好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられるニトロキシルラジカルポリマーが有する単位の例として、下記化学式(12)、(13)で示されるポリマー、又はその化学構造を繰り返し単位として含む共重合体を好ましく挙げることができる。なお、化学式(12)、(13)中、R〜Rは前記化学式(3)と同じであり、Rは、水素原子又はメチル基である。
Figure 0006933092
化学式(12)、(13)で示されるポリマーの例としては、化学式(14)、化学式(15)、化学式(16)で示される繰り返し単位を含むラジカルポリマーであることが好ましい。
Figure 0006933092
例えば、式(14){ポリ(4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−N−オキシル)(PTMAと略す)}は特許文献5に開示されている。また、式(16){ポリ(4−ビニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−N−オキシル)(PTVEと略す)}は特許文献6に開示されている。これらのニトロキシルラジカルポリマーは、主に有機ラジカル電池の正極活物質として用いられており、充電において、ニトロキシルラジカルからオキソアンモニウムカチオンに酸化され、放電において、オキソアンモニウムカチオンからニトロキシルラジカルに還元されることで、充放電を行う。また、ニトロキシルラジカルポリマーは、有機溶媒に対する親和性が高いために、有機系電解液を吸収することでゲル状となる性質がある。非特許文献2には、そのゲルがニトロキシルラジカルとオキソアンモニウムイオン間での電荷自己交換により電荷輸送能を持つことが報告されている。この電荷輸送は、ニトロキシルラジカルとオキソアンモニウムカチオンの電極内における濃度勾配により生じる拡散現象である。
本発明におけるニトロキシルラジカルポリマーの分子量は特に制限はないが、対向電極との間に配される電解液に溶けないだけの分子量を有していることが好ましく、これは電解液中の有機溶媒の種類との組み合わせにより異なる。一般には、重量平均分子量1,000以上であり、好ましくは10,000以上、特に20,0000以上である。また、取り扱い性の観点からは、ニトロキシルラジカルポリマーの重量平均分子量は5,000,000以下、好ましくは500,000以下である。また、化学式(7)で示される残基を含むポリマーは、架橋していてもよく、それにより電解液に対する耐久性を向上させることができる。重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた公知の方法で確認することができる。
導電性材料としては、ラジカルポリマー電極の内部に取り込まれることによって、そのラジカルポリマーとの複合体に良好な電子伝導性を発現できる導電性を有する微粒子状材料、粉体状材料、ファイバー状材料、チューブ状材料であれば種々の導電性材料を用いることができる。例えば、炭素材料、導電性無機材料、導電性高分子材料等を挙げることができる。なかでも、炭素材料が好ましく、具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ炭素繊維、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。
導電性材料の大きさは特に限定されないが、均一分散の観点からは細かいほど好ましく、例えば微粒子である場合における粒径としては、一次粒子の平均粒子径で、500nm以下が好ましく、ファイバー状やチューブ状材料である場合における直径としては、500nm以下、長さとしては5nm以上、50μm以下が好ましい。なお、ここでの平均粒径や各寸法は、電子顕微鏡により測定された値である。
ラジカルポリマー同士、ラジカルポリマーと導電性材料との結びつきを強めるために、結着剤を用いることもできる。このような結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、部分カルボキシ化セルロース、各種ポリウレタン等が挙げられる。
ラジカルポリマー電極10は、シート状の金属集電体11上に形成されることが好ましい。集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。特に、電解液とラジカルポリマー電極を接触させる必要があるため、電解液を通過させるメッシュ状もしくは微細な穴が空いている多孔質シートが好ましい。
また、集電体には溶接などでリード12が接続されている。このリード12は、蓄電された電荷を外部に取り出すとき、プラス(+)極としての役割をする。アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの材質でできた厚さ0.5mmから2mm程度の薄板であることが好ましい。
(光電極)
光電極20としては、例えば、透明導電膜付き基板21上に形成された、増感剤として色素23が吸着されている半導体層22を用いることができる。透明導電膜付き基板21を構成する基板としては、例えばガラス、プラスチックなどのように適度な強度を有し、且つ光を効率的に透過し得る材料からなる透明な基板が用いられる。
また、透明導電膜としては、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)やスズをドープした酸化インジウム(ITO)などのほか、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタルあるいはこれらの混合物などが用いられる。
半導体層22は、半導体に吸着した色素から光吸収によって発生した電子を受け取るとる役割を持つ。半導体は、太陽光のうち照射強度が大きい可視領域の光を吸収しない酸化物半導体が好ましい。このような半導体としては、3eV程度のエネルギーギャップをもつものが好ましく、例えば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化スズ、酸化タングステン、酸化インジウム等の酸化物半導体、ガリウム−ヒ素などの化合物半導体を挙げることができる。半導体は表面積の大きな多孔質体としたものが好ましく、より好ましくは酸化チタンの多孔質体が用いられる。このような酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの種々の酸化チタン、含酸化チタン複合体などが挙げられる。その中でもアナターゼ型酸化チタンであることが好ましい。
半導体の形状としては、多孔質半導体以外にも、ゾル−ゲル法、スパッタ法、スプレー熱分解法などにより得られる薄膜状半導体などが挙げられ、その他繊維状半導体層や針状晶からなる半導体など色素増感太陽電池の使用目的に応じて、適宜、選択することができる。また、半導体層22は、単層であっても多層であってもよい。多層にすることによって、十分な厚さの半導体層を容易に形成することができる。また、多孔質の多層半導体層は、平均粒径の異なる半導体微粒子層からなってもよい。例えば、光入射側に近い方の半導体層(第1半導体層)を構成する半導体微粒子の平均粒径を、遠い方(ラジカルポリマー電極側)の半導体層(第2半導体層)より小さくすることにより、第1半導体層で多くの光を吸収させ、第1半導体層を通過した光は、第2半導体層で散乱させて第1半導体層に戻して第1半導体層で吸収させることにより、全体の光吸収率を向上させることができる。半導体層の膜厚は、特に限定されるものではないが、透過性、発電効率などの観点より、0.5〜45μm程度が望ましい。
多孔質半導体は、例えば、半導体微粒子を高分子などの有機化合物及び分散剤と共に、有機溶媒や水など分散媒に加えて懸濁液を調製し、この懸濁液を基板21上に塗布し、これを乾燥、焼成することによって形成することができる。
増感剤として用いられる色素23は、可視光領域および赤外光領域に吸収を持つものであって、半導体に強固に吸着させるために、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。これらのインターロック基の中でもカルボキシル基を有するものが特に好ましい。インターロック基は、吸着の機能に加えて、励起状態の色素と半導体の導電帯との間の電子移動を容易にする機能を有する。
本実施形態で使用可能な色素としては、インターロック基を備えた、ルテニウム金属錯体色素(ルテニウムビピリジン系金属錯体色素、ルテニウムターピリジン系金属錯体色素、ルテニウムクォーターピリジン系金属錯体色素など)、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素、クマリン系色素、インドリン系色素などが挙げられる。その中でもルテニウム金属錯体色素が好ましい。また、吸着する色素は1種類で良いし、また、2種類以上の混合物でも良い。
半導体に色素を吸着させる方法としては例えば、色素を溶解した溶液中に、基板上に形成された半導体層を浸漬する方法が挙げられる。色素を溶解するために用いる溶媒は、エタノールなどのアルコール系、アセトンなどのケトン系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。
(電解液)
電解液30としては、電解質塩を溶解した有機溶媒を利用することができる。一般には20℃で10−5S/cm以上のイオン伝導性を有していることが好ましい。電解質塩として、テトラブチルアンモニウム(TBA)塩、リチウム(Li)塩、ナトリウム(Na)塩など従来公知の材料を用いることができる。TBA塩としては、TBAPF、TBAClO、TBABF、TBACFSO、TBA(CFSON、TBA(CSON、TBA(CFSOC、TBA(CSOCなど、また、Na塩としてはNaPF、NaClO、NaBF、NaCFSO、Na(CFSON、Na(CSON、Na(CFSOC、Na(CSOCなどが挙げられる。また、Li塩としては、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CFSOC、Li(CSOCなどが使用可能である。
電解液に用いる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。これらの溶媒は単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
電解液中に溶解されている、前記電解質塩の濃度は、0.5mol/L〜2.0mol/Lの範囲、好ましくは、0.8mol/L〜1.6mol/Lの範囲から選択することが好ましい。
(対向電極)
対向電極40には、電解液30中のイオンをドープ、脱ドープすることができ、かつ酸化還元電位が、光電極20に用いられる半導体の伝導帯準位よりも高い材料を用いることができる。例えばポリピロールなどの導電性ポリマー、活性炭、酸化タングステンなどの金属材料を用いることができる。導電性ポリマーとしては、ポリピロールのほか、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビオロゲン、ポリポルフィリン、ポリフタロシアニン、ポリフェロセン、ポリアミンなどを用いることができる。また、活性炭には特に制限がないが、フェノール樹脂系活性炭、石油ピッチ系活性炭、石油コークス系活性炭、及び石炭コークス系活性炭からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。活性炭の粒径としては、通常、微細な径を有するものを用いる。例えば、その50%体積累積径(D50ともいう)が2μm以上であり、好ましくは2〜50μm、特に2〜20μmが最も好ましい。さらには、活性炭の平均細孔径は10nm以下であることが好ましい。本実施形態において、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した粒度分布のD50値である。
活性炭は、粒子状であり、比表面積が1000m/g以上であることが好ましい。比表面積は、例えばBET法を用いて測定することができる。
活性炭を用いる場合、活性炭と必要により結着剤、導電剤などをペースト化し、シート状の金属集電体(不図示)上に活物質層を形成して、対向電極とすることができる。集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。その形状は、金属箔や、メッシュ状もしくは微細な穴が空いている多孔質シートを用いることができる。酸化タングステンなどの表面を焼成により酸化した金属箔をそのまま対向電極とすることができる。また、導電性ポリマーを使用する場合は、絶縁性基板上に透明導電膜を形成したものを用いて、透明導電膜上に導電性ポリマーを電解重合により形成して、対向電極とすることもできる。
また、集電体を用いる場合は溶接などでリード42が接続されている。集電体を用いない場合は対向電極に直接、リード42を接続することができる。このリード42は、蓄電された電荷を外部に取り出すとき、マイナス(−)極としての役割をする。アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの材質でできた厚さ0.25mmから2mm程度の薄板であることが好ましい。
(セパレータ)
本実施形態では、ラジカルポリマー電極と対向電極を絶縁分離するために、セパレータ50を両者の間に配置することが好ましい。セパレータ50には、通常、二次電池に使用される公知の材料が制限なく使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質フィルム、セルロース膜、不織布等を用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、実施例に示す形態に限定されるものではない。
(実施例1)
<ラジカルポリマー電極の作製>
PTMA(重量平均分子量:89,000)2.1g、導電性付与剤としてカーボンブラック0.63g、結着剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)0.24gとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)0.03g、水18mlをホモジナイザーで撹拌し、均一なスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体であるアルミメッシュ集電体に塗布し、80℃で5分間乾燥した。さらにロールプレス機により圧縮することで、厚さ80μmの電極(アルミメッシュ集電体の厚さを含む)を作製した。アルミメッシュ集電体は、12mm×6mm角の一辺にタブとしてアルミ板を溶着したものを使用した。
<光電極の作製>
光電極としては、透明導電膜付き基板上に多孔性酸化チタン電極を有し、多孔性酸化チタン電極上にルテニウム系色素を吸着させたものを使用した。具体的には、20mm×20mm角、1.1mm厚のFTO膜付きガラス基板上に、6mm×6mm角、0.6mm厚の多孔質酸化チタン層が形成された電極を、ルテニウム系金属錯体色素N719(商品名:Ruthenizer 535−bisTBA、ソーラロニクス社製)の0.5Mエタノール溶液に、12時間浸漬した。その後、エタノールでリンスを行った後、乾燥空気中で乾燥することで、ルテニウム系色素を吸着させた多孔質半導体層を備える光電極を得た。
<対向電極の作製>
対向電極には、タングステン箔の表面を加熱焼成により酸化させた表面酸化タングステン箔を使用した。具体的な作製法としては、電気炉により空気中にて、0.25mm厚のタングステン箔を400℃で20分加熱し、100℃以下まで冷却することを3度繰り返した。さらに、750℃で20分加熱し、室温まで冷却した。これにより、表面が黄白色で覆われた表面酸化タングステン箔を得た。
<蓄電機能を有する色素増感太陽電池の組み立て>
上記の手順により作製した光電極の表面にラジカルポリマー電極の表面を押しつけた。さらに、多孔質ポリオレフィンセパレータ(厚さ:25μm、Celgard社製商品名「Celgard 3500」)、対向電極の順に重ね合わせた。次に、熱融着フィルムにより、セルの周囲を熱圧着した。この際、熱融着フィルムには、電解液注入用の切り目を入れた。電解液として、濃度1.0mol/lのテトラブチルアンモニウム・テトラフルオロボレート塩を溶解させたプロピレンカーボネート溶液を作製した。セル周囲の熱硬化性樹脂フィルムの切り目の部分から注射器を用いて電解液を注入した。光電極のFTO膜と、対向電極をワニ口クリップを介して銅線で接続した。これにより、蓄電機能を有する色素増感太陽電池を得た。
<光照射および放電実験>
上記のようにして作製した蓄電機能を有する色素増感太陽電池の光電極の透明導電膜付き基板に向けて、HOYA SCHOTT社製ファイバー光源HL100を用いて光照射を行い、同時に、ラジカルポリマー電極と対向電極の電圧を測定した。照射面の照度を照度計(カスタム社製LX−105)にて測定したところ54600ルクスであった。ラジカルポリマー電極−対向電極間の初期電圧は、−0.4Vであった。光照射と同時に、徐々に電圧は上昇し、光照射120分後に0.6Vとなった。つづいて、ラジカルポリマー電極、対向電極のリードにワニ口クリップを通じて、電気化学測定器(ソーラトロン社製ポテンショ/ガルバノスタットSI1287)に接続し、0.2mAにて、電圧が0Vになるまで定電流放電を行った。その結果、電圧は、0.6Vから徐々に低下していき、0Vになるまで1.5時間放電が可能なことを確認した。すなわち、光照射により、ラジカルポリマー電極と対向電極間に蓄電され、その蓄電された電力は、放電できることを確認した。
(実施例2)
実施例1で用いた表面酸化タングステン箔に代え、ポリピロール膜を対向電極に用いた。ポリピロール膜は、ITO膜付きガラス基板上で、ピロールを電解酸化重合することにより作製した。まず、0.1M過塩素酸リチウム、0.1Mピロールのプロピレンカーボネート溶液中にITO膜を浸漬し、対極にPt電極、参照電極(Ag/Ag)に用いた3極法にて、作用極の電流を50μA/cmに保ち、50mCの電気量で定電流電解重合を行い、ポリピロール膜を形成した。
ポリピロール膜を対向電極に用い、そのほかは実施例1と同様にして、蓄電機能を有する色素増感太陽電池を作製した。実施例1と同様な方法で光照射と蓄積された電荷の放電を行った。光照射を120分後行ったところ電圧は0.6Vまで上昇し、さらに0.2mAにて、電圧が0Vになるまで定電流放電を行ったところ1.0時間の放電が可能であった。すなわち、光照射により、ラジカルポリマー電極と対向電極間に蓄電され、その蓄電された電力は、放電できることを確認した。
本発明にかかる蓄電機能を有する色素増感太陽電池は、電子掲示板、街灯、などの太陽光発電ができない夜間に使用される電気機器の自立型電源として使用可能である。
<付記>
本発明は、以下の態様を含む。
[付記1]
色素が吸着された半導体層を備える光電極と、
該光電極に対向する対向電極と、
前記光電極と前記対向電極間に配置され、前記光電極の半導体層と接するラジカルポリマーを含むラジカルポリマー電極と、
前記ラジカルポリマー電極と前記対向電極間に配置される電解液と
を備えることを特徴とする、蓄電機能を有する色素増感太陽電池。
[付記2]
前記ラジカルポリマー電極のラジカルポリマーが、下記反応式(A)に示す、酸化状態において化学式(1)で示されるオキソアンモニウムカチオン部分構造をとり、還元状態において化学式(2)で示されるニトロキシルラジカル部分構造をとるニトロキシルラジカルポリマーである、付記1に記載の色素増感太陽電池。
Figure 0006933092
[付記3]
前記ニトロキシルラジカルポリマーが、還元状態において化学式(3)で示される環状ニトロキシルラジカル構造を有するニトロキシルラジカルポリマーである、付記2に記載の色素増感太陽電池。
Figure 0006933092
(化学式(3)において、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基を表し、基Xは、化学式(3)が5〜7員環を形成する2価の基を表し、環を構成する原子の少なくとも一つはポリマーの主鎖もしくは側鎖に連結する)
[付記4]
前記環状ニトロキシルラジカル構造が、還元状態において化学式(4)〜(6)のいずれかの環状ニトロキシルラジカル構造を有している、付記3に記載の色素増感太陽電池。
Figure 0006933092
(化学式(4)〜(6)において、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す)
[付記5]
前記ニトロキシルラジカルポリマーが、還元状態において化学式(7)で示される環状ニトロキシルラジカル構造を側鎖に有するニトロキシルラジカルポリマーである、付記2〜4のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
Figure 0006933092
(化学式(7)中、R〜Rは前記化学式(3)と同じであり、X’は前記化学式(3)のXから水素原子を一つ取った残基を表す。)
[付記6]
前記ニトロキシルラジカルポリマーが、ポリアルキレン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド類、ポリアルキル(メタ)アクリレート類、ポリスチレン系ポリマーを主鎖構造として有する、付記2〜5のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
[付記7]
前記ニトロキシルラジカルポリマーが、還元状態において化学式(8)で示される繰り返し単位を含む、付記2〜6のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
Figure 0006933092
(化学式(8)中、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基を表し、X’は5〜7員環を形成する2価の基であって、環を構成する元素から水素原子を一つ取った残基を表す。Rは、水素又はメチル基である。Yは−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−、−O−、−S−、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリーレン基、及びこれらの基の2つ以上を結合させた2価の基を表す。Rは、水素原子もしくは炭素数1〜18のアルキル基を表す。)
[付記8]
前記ニトロキシルラジカルポリマーが、還元状態において下記化学式(9)〜(11)のいずれかで示される繰り返し単位を含むラジカルポリマーである、付記7に記載の色素増感太陽電池。
Figure 0006933092
(化学式(9)〜(11)において、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、Rは水素原子もしくはメチル基、Yは−C(=O)O−、−O−及び−C(=O)NR−のいずれかを表し、Rは水素原子、もしくは炭素数1〜4のアルキル基を表す)
[付記9]
前記ニトロキシルラジカルポリマーが、還元状態において化学式(12)又は(13)で示されるポリマー、又はその化学構造を繰り返し単位として含む共重合体である、付記8に記載の色素増感太陽電池。
Figure 0006933092
(化学式(12)、(13)中、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基を表し、Rは、水素原子又はメチル基である。)
[付記10]
前記ラジカルポリマーが、化学式(14)もしくは化学式(15)もしくは化学式(16)で示される繰り返し単位を含むラジカルポリマーである、付記9に記載の色素増感太陽電池。
Figure 0006933092
[付記11]
前記対向電極は、前記光電極の半導体の伝導帯準位よりも、正側に高い電位の酸化還元電位を持つことを特徴とする付記1〜10のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
[付記12]
前記光電極の半導体層が、半導体として酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化スズ、酸化タングステン、酸化インジウム、ガリウム−ヒ素の少なくとも1種を含む、付記1〜11のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
[付記13]
前記光電極の半導体層が、多孔質酸化チタンを半導体として含む、付記12に記載の色素増感太陽電池。
[付記14]
前記対向電極は、導電性ポリマー、活性炭、酸化タングステンのいずれかを含む、付記1〜13のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
[付記15]
前記電解液は、電解質塩を溶解した有機溶媒を含む、付記1〜14のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
[付記16]
前記ラジカルポリマー電極と対向電極との間に、さらにセパレータを含む、付記1〜15のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池。
[付記17]
前記セパレータは多孔質セパレータである、付記16に記載の色素増感太陽電池。
10 ラジカルポリマー電極
11 集電体
12 リード
20 光電極
21 透明導電膜付き基板
22 半導体層
23 色素
330 電解液
40 対向電極
42 リード
50 セパレータ
60、70 配線
80 外部負荷

Claims (10)

  1. 色素が吸着された半導体層を備える光電極と、
    該光電極に対向する対向電極と、
    前記光電極と前記対向電極間に配置され、前記光電極の半導体層と接するラジカルポリマーを含むラジカルポリマー電極と、
    前記ラジカルポリマー電極と前記対向電極間に配置される電解液と
    え、前記ラジカルポリマー電極のラジカルポリマーが、下記反応式(A)に示す、酸化状態において化学式(1)で示されるオキソアンモニウムカチオン部分構造をとり、還元状態において化学式(2)で示されるニトロキシルラジカル部分構造をとるニトロキシルラジカルポリマーであることを特徴とする、蓄電機能を有する色素増感太陽電池。
    Figure 0006933092
  2. 前記ニトロキシルラジカルポリマーが、還元状態において化学式(3)で示される環状ニトロキシルラジカル構造を有するニトロキシルラジカルポリマーである、請求項に記載の色素増感太陽電池。
    Figure 0006933092
    (化学式(3)において、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基を表し、基Xは、化学式(3)が5〜7員環を形成する2価の基を表し、環を構成する原子の少なくとも一つはポリマーの主鎖もしくは側鎖に連結する)
  3. 前記環状ニトロキシルラジカル構造が、還元状態において化学式(4)〜(6)のいずれかの環状ニトロキシルラジカル構造を有している、請求項に記載の色素増感太陽電池。
    Figure 0006933092
    (化学式(4)〜(6)において、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す)
  4. 前記ニトロキシルラジカルポリマーが、還元状態において下記化学式(9)〜(11)のいずれかで示される繰り返し単位を含むラジカルポリマーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
    Figure 0006933092
    (化学式(9)〜(11)において、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、Rは水素原子もしくはメチル基、Yは−C(=O)O−、−O−及び−C(=O)NR−のいずれかを表し、Rは水素原子、もしくは炭素数1〜4のアルキル基を表す)
  5. 前記ラジカルポリマーが、化学式(14)もしくは化学式(15)もしくは化学式(16)で示される繰り返し単位を含むラジカルポリマーである、請求項に記載の色素増感太陽電池。
    Figure 0006933092
  6. 前記光電極の半導体層が、多孔質酸化チタンを半導体として含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記対向電極は、前記光電極の半導体の伝導帯準位よりも、正側に高い電位の酸化還元電位を持つことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  8. 前記対向電極は、導電性ポリマー、活性炭、酸化タングステンのいずれかを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  9. 前記電解液は、電解質塩を溶解した有機溶媒を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  10. 前記ラジカルポリマー電極と対向電極との間に、さらにセパレータを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
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