JP6932547B2 - ストーマ袋 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なストーマ袋に関する。特に、本発明は、受入口のほかに、排出口も備えたストーマ袋に関する。
ストーマ(stoma)は、手術等によって腹壁に人工的に造設された排泄口である。消化器系の疾病又は傷害により、大腸、直腸等の消化管のほか、尿道等の一部を手術により切除した場等合には、その排泄物を体外に排出するためにストーマが設けられる。
肛門、尿道等においては括約筋があるので、大便・小便を自分の意思で排泄したり、止めることができる。これに対し、ストーマでは、括約筋のようなものは存在しないため、自分の意思で排泄のコントロールを行うことができない。
このため、ストーマにはストーマ装具を装着することにより排泄物の処理が行われている。一般に、ストーマ装具は、主要な構成部材として、排泄物を溜めるためのストーマ袋(パウチ)と、ストーマ袋を人体に取り付けるための土台(面板)とを含んでいる。ここに、ストーマ袋の排出口の有無により、下部開放型及び閉鎖型の2種のストーマ袋がある。下部開放型は、ストーマ袋の下部に排出口を備えたタイプであり、ある程度繰り返し使用できる。これに対し、閉鎖型は、排出口がないので、排泄物を溜めるだけの機能を有するタイプである。
この中ても、特に下部開放型のストーマ袋を備えたストーマ装具が人体に装着された場合、ストーマから排出された排泄物がストーマ袋にある程度溜まれば、ストーマ袋に備えられた排出口を開き、ストーマ袋内の排泄物を捨てて、ストーマ袋内部を洗浄し、排出口を閉じるという一連の使用工程を数回繰り返される。
ストーマ装具としては、これまでに種々のものが提案されている。とりわけ、ストーマ袋についても様々な工夫が凝らされている。
例えば、生体に形成したスト−マより排出される排泄物を受入れて収納するパウチをメタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィン系プラスチックフイルムで形成したことを特徴とするスト−マ装具のパウチが知られている(特許文献1)。
また例えば、最外部に引き剥がし用のカットラインを設けた積層フィルム製であって、そのカットラインが底部の上部数ミリから数センチ上の位置に配されていることを特長とする使い捨てストーマパウチが提案されている(特許文献2)。
その他にも、生体に形成したスト−マやフイステルから排出される排泄物を受入れて収納するパウチを、プラスチックフイルムの一面に無機酸化物の蒸着層を設け、該蒸着層の上をプラスチックフイルムで覆った全体として透明性の多層フイルムで形成したことを特徴とするオストミー装具用パウチが知られている(特許文献3)。
特開平11−19108号公報 特開2010−188092号公報 特開2001−231801号公報
しかしながら、従来より提案されている種々のストーマ袋は、主として消臭等を目的として開発されたものであり、さらなる改善の余地がある。
すなわち、既存のストーマ袋では、ストーマ袋内の排泄物を廃棄するに際し、ストーマ袋を搾り出す感触の悪さ、ストーマ袋の排出口付近を触って排泄物を絞り出すことの不衛生さ等の問題がある。特に、ストーマ袋内の排泄物が硬い場合又は粘度が高い場合には、排泄物を絞り出すのに時間がかかり、その間悪臭又は不快感に悩まされる。さらに、ストーマ装具の装着者(オストメイト)が要介護者である場合、介護者の熟練度によっては排泄物の廃棄に手間取ることもある。
これに対し、溜まった排泄物を円滑に廃棄できるようにスクワラン等の油脂をストーマ袋内にスプレーし、潤滑性を高めることが慣習的になされているが、こうした油脂はストーマ袋を構成するフィルム又は接着剤に悪影響を与える可能性もあるほか、排泄物をスムーズに搾り出すという点においてもさらなる改善が必要である。
このように、ストーマ袋から容易に排泄物を取り出せるストーマ袋の要請は極めて高いものの、このようなストーマ袋は未だ開発されるに至っていないのが現状である。
よって、本発明の主な目的は、ストーマ袋内の排泄物を容易に除去可能なストーマ袋を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の材料でストーマ袋を構成することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のストーマ袋に係る。
1. ストーマ装具に用いられるストーマ袋であって、
(1)ストーマと連通して排泄物を受け入れる受入口と、排泄物を袋外に除去するための開閉可能な排出口とを含み、
(2)ストーマ袋内の表面上の少なくとも一部に疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含む機能層が最表面層として形成されている、
ことを特徴とするストーマ袋。
2. 機能性粒子が、1)一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子及び2)前記微粒子表面にポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層を備えた複合酸化物微粒子の少なくとも1種である、前記項1に記載のストーマ袋。
3. 機能層が、機能性粒子が互いに固着して三次元網目構造状に形成された多孔質層である、前記項1に記載のストーマ袋。
4. 機能性粒子の積層量が0.4〜2.5g/mである、前記項1か記載のストーマ袋。
5. 外面の少なくとも一部に不織布が積層されていることを特徴とする、前記項1に記載のストーマ袋。
6. 前記受入口の排出口が設けられた方向とは反対側に通気口を備える、前記項1に記載のストーマ袋。
7. ストーマ袋を構成する基材が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンの少なくとも1種の樹脂フィルムである、前記項1に記載のストーマ袋。
8. 前記項1〜7のいずれかに記載のストーマ袋を含むストーマ装具。
本発明によれば、ストーマ袋内の排泄物を容易に除去可能なストーマ袋を提供することができる。特に、ストーマ袋内の表面に特定の機能層が排泄物と接触できるように形成されているので、排泄物が機能層によりはじかれやすくなるため、ストーマ袋の内面から排泄物が離脱しやすくなる。その結果、比較的容易に排泄物を取り出すことができ、廃棄処理の簡便化、処理時間の短縮化等に貢献することができる。
本発明のストーマ袋の一実施形態を示す模式図である。図1(a)平面図、図1(b)は側面図を示す。 図1(b)のA領域におけるストーマ袋の断面構成図を示す。 本発明のストーマ袋の別の実施形態を示す側面図である。 本発明のストーマ袋の別の実施形態を示す平面図である。 本発明のストーマ袋の別の実施形態を示す平面図である。 本発明のストーマ袋を構成するシート状材料の層構成例を示す図である。
本発明のストーマ袋は、ストーマ装具に用いられるストーマ袋であって、
(1)ストーマと連通して排泄物を受け入れる受入口と、排泄物を袋外に除去するための開閉可能な排出口とを含み、
(2)ストーマ袋内の表面上の少なくとも一部に疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含む機能層が最表面層として形成されている、
ことを特徴とする。
図1には、本発明のストーマ袋の一実施形態の模式図を示す。図1(a)にはストーマ袋の平面図を示し、図1(b)にはその側面図を示す。図1(b)は、ストーマ袋内に排泄物が入って少し膨らんだ状態を模式的に示している。
図1(a)に示すように、本発明のストーマ袋10は、ストーマと連通して排泄物を受け入れ可能な受入口20がストーマ袋の上方側に形成されている。ストーマ袋10の外面において、受入口20の周囲領域には面板22が設けられている。面板22は、取り付けの容易性、装着性等の見地より、通常は樹脂、ゴム等の軟らかい材質から構成されている。面板22の表面には粘着層(図示せず)が形成されており、粘着層を介してストーマ袋が人体(皮膚)に取り付けられる。受入口20から入った排泄物は貯留部40に溜められる。ストーマ袋の下方側には、排泄物を取り出すための排出口30が形成されている。
図1(a)に示すストーマ袋では、排出口30を有する下部先端領域35(点線が囲われた領域)は、その平面形状が略矩形状になっている。そして、その下部先端領域35内において、ストーマ袋表面のいずれか一方の面に係止部34,36が設けられており(図1(b))、その間には蛇腹部32が形成されている。このような構成において、蛇腹部32を中心線として下部先端領域35を2つに折り曲げ、係止部34と係止部36とを対面させて開閉可能な状態で接合(固定)することにより、排出口30が一時的に閉じられる。排出口30を閉じる方法(機構)は、これに限定されず、公知又は市販のストーマ袋で採用されている方法も適宜採用することができる。一方、ストーマ袋内に溜まった排泄物をストーマ袋10の外に排出する際には、係止部36と係止部34とを引き離して蛇腹部32を延ばすことにより、排出口30が開かれる。
図2には、図1(a)のA部分の断面構成の模式図を示す。図2に示すように、ストーマ袋は、ストーマ袋を構成する基材シート50の袋内21の表面上の少なくとも一部に機能層60が形成されている。機能層60が排泄物と接触する面を構成する。基材シート50は、単層であっても良いし、2層以上の積層体からなる多層であっても良い。機能層60は、疎水性粒子又は疎油性粒子が互いに固着することによって形成されており、排泄物の袋内面への付着を抑制ないし防止することができる。機能層60は、排泄物と接触できる限り、ストーマ袋の袋内の表面の全域に形成しても良いし、その一部に形成していても良い。
また、本発明のストーマ袋では、受入口及び排出口のほかにも、必要に応じて他の開口部を適宜備えていても良い。例えば、ストーマ袋の人体とは接しない側にストーマ袋内のガスを抜くための通気口を1つ以上設けても良い。ストーマ袋に通気口を設けることで、袋が内圧の上昇によりパンク等の破損を防ぐことができる。また、製袋後のストーマ袋内に後述する機能層を事後的に付与するために、スプレーの噴射口を設けても良い。例えば、後述の機能層を積層するために、機能性粒子を含むエアロゾルを充填したスプレーのノズルを挿入し、ストーマ袋内面に当該粒子を噴霧するための噴射口を設けることにより、ストーマ袋内面の排泄物の付着防止性が低下した場合等に補修することができる。
こうした通気口、噴射口等は、フタにより開閉可能な構造としても良いし、弁作用を有するフタにより構成されていても良い。また、図3に示すように、通気口、噴射口等が形成される部位は、ストーマ袋の受入口からみて排出口が形成された部位とは反対側の部位に形成されていると、排泄物が通気口、噴射口等から漏れ出てくることを防止することができる。また、図3に示すように、通気口、噴射口等は、ストーマ袋の受入口が形成された面とは反対の面上に備えられていると、装着者の皮膚により通気口、噴射口等が塞がれないのでより好ましい。
なお、本発明のストーマ袋は、公知又は市販のストーマ装具のストーマ袋として適用でき、図1で示したストーマ袋10の形式等に限定されない。例えば、図1〜図2で示したストーマ袋ではストーマ袋と面板とが一体になっているタイプ(ワンピースタイプ)であるが、面板とストーマ袋が別々になっているツーピースタイプにも本発明のストーマ袋は適用できる。また、図1〜図2で示したストーマ袋は面体が粘着式であるが、非粘着式(ベルト固体タイプ等)であっても良い。その他、各種のタイプのストーマ装具のストーマ袋として適用することができる。
以下においては、本発明のストーマ袋(本発明ストーマ袋)の具体的な構成について説明する。
ストーマ袋(袋本体)
ストーマ袋(袋本体)は、シート状材料を袋状に成形したものであり、基本的には受入口及び排出口以外は密閉された状態になっている。
袋本体の形状は、一定量の排泄物を溜め込める形状であれば特に限定されず、平面視において、例えば円状、楕円状、多角形状、矩形状等の構造が挙げられる。また、袋本体は、立体的な形状を採って、例えば略球状、立方体状等のいずれであっても良い。特に、衣服の下でもストーマ袋を使用することができ、効率的に排泄物を溜め込め、かつ、装着者の動きが邪魔されないという見地より、例えば図1(a)〜(b)に示すように、扁平の楕円状が好ましい。特に、ストーマ袋が扁平の楕円状である場合は、幅方向に膨らんだ部分が排泄物の貯留部として機能し、受入口及び排出口が形成されている部分では幅方向に狭くなっているために排泄物の受入又は排出がしやすくなる。
袋本体の大きさは、特に制限されないが、内容積が200〜400cc程度の範囲内となるように設計することが好ましい。これにより、排泄物を溜め込むために十分な容量を確保できるとともに、装着者の動作に支障を来さないようにすることができる。
袋本体を構成するシート状材料としては、機能層を含むものであれば良い。従って、例えば、基材シート及びその上に最外層として形成されている機能層を含む積層体を好適に用いることができる。例えば、図6に示すシート状材料70は、基材シート50と機能層60を含む積層体から構成されており、基材シート50は、基材層51とその両面に他の層52,53が形成されている。他の層52,53は、任意に形成できる層であり、これらの一方だけを含む基材シートであっても良い。また、他の層52,53を含まず、基材層51のみから構成される基材シートであっても良い。
基材シートとしては、公知又は市販のストーマ袋に用いられる材料であれば特に限定されず、例えば基材層としてポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等の各種の合成樹脂フィルムを含む積層体を使用することができる。
基材シートの厚みは、特に限定されないが、ストーマ袋内の排泄物によって基材が伸びたり、破損したりしないため、強度を有するべく、ある程度の厚さが望まれる。その一方で、ストーマ袋の基材を厚くしすぎて使用者に活動の妨げとなってストレスにならないようにするため、ある程度の薄さにすることが望ましい。このため、基材シートの厚みは、通常は10μm〜1mmの範囲とすることが望ましく、特に50μm〜200μmとすることがより望ましい。なお、この厚みは、基材シートが多層構造をとる場合は、その合計厚みである。
基材シートは、より排泄物の付着を防止する目的でストーマ袋の内面の表面に凹凸が形成されていても良い。このような形態は、基材シート等にエンボス加工を施すことによって付与することができる。
基材シートの層構成としては、限定的でなく、基材層のみの場合のほか、基材層と別の層とを含む多層構造であっても良い。基材シートが多層構造を有する場合は、本発明の効果を妨げない範囲内で、例えば文字図柄層、不織布層、接着層等が適宜含まれていても良い。
特に、文字図柄層は、ストーマ袋に関する情報、意匠等を表示するために、ストーマ袋の外面に形成することができる。文字図柄層は、公知の印刷方法等によって形成することができる。
また、不織布層も、必要に応じてストーマ袋の外面に積層することができる。これによって、装着者の皮膚がストーマ袋に長時間接しても、皮膚等を効果的に保護することができる。また、不織布層は、ストーマ袋の人体と接する部位に備わっていれば良く、必ずしもストーマ袋の外面全面に積層されていなくても良い。不織布の種類は特に限定されないが、特に人体にアレルギー又は物理的なストレスを与えないものであることが好ましい。不織布層を構成する繊維質原料としては、例えばセルロース繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維等が適している。これらの繊維質原料による不織布(シート)は、公知又は市販のものを採用することができる。
不織布層の形成方法は、限定的でなく、不織布シートを基材層等に接着させることにより積層する方法等により実施できる。接着は、接着剤を使用する方法でも良いが、可能な限り皮膚障害を防ぐ必要があるため、接着剤等の使用を抑えることが望ましい。従って、いわゆるノーバインダー製法が望ましく、より具体的にはスパンボンド、エアスルー、サーマルボンド等のラミネートによる接着が望ましい。
機能層は、疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含む。これにより、機能層は、撥水性及び撥油性の少なくも一方を発揮することができる。このため、機能層に内容物が接触した場合でも、内容物の一部が脱落して機能層(すなわち内包フィルム側)に付着する現象を抑制ないしは防止することができる。この場合、水分が多い内容物であっても、好適に付着を抑制することができる。
かかる見地より、機能層は、機能性粒子が互いに固着することにより形成された三次元網目状構造を有する多孔質層であることが好ましい。このような多孔質層は、内部に空気層を有しているため、より高い付着防止効果を達成できる。その結果、ストーマ袋から排泄物を取り出す際に、排泄物がストーマ袋の内面(機能層面)からより容易に脱離できるので、排泄物を容易に簡単に排出することができる。
機能性粒子としては、疎水性及び/又は疎油性を有する粒子であれば限定されず、例えば無機酸化物の粒子又はその粒子表面が被覆された複合粒子を好適に用いることができる。前記の無機酸化物としては、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の粒子(粉末)の少なくとも1種を用いることができる。特に、酸化ケイ素であることが好ましい。
機能性粒子は、平均一次粒子径が5〜50nmであることが好ましく、特に7〜30nmであることがより好ましい。これにより、より確実に機能性粒子からなる多孔質層を形成することが可能になる。
なお、本発明において、機能性粒子等の一次粒子平均径の測定は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡を用いて実施することができる。より具体的には、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で撮影し、その写真上で200個以上の粒子の直径を測定し、その算術平均値を算出することによって求めることができる。
前記のようなナノレベルの機能性粒子そのものは、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、市販の疎水性粒子、疎油性粒子等を適宜採用することができる。また例えば、疎水性及び疎油性を有する粒子を用いることもできる。
疎水性粒子(撥水性粒子)としては、シリカとして製品名「AEROSIL R972」、「AEROSIL R972V」、「AEROSIL R972CF」、「AEROSIL R974」、「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RY200」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R202」、「AEROSIL R805」、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」、(以上、エボニック デグサ社製)、「サイロホービック100」「サイロホービック200」「サイロホービック603」(以上、富士シリシア化学株式会社製)等が例示できる。チタニアとしては、製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等が例示できる。アルミナとしては、製品名「AEROXIDE Alu C」(エボニック デグサ社製)等をシランカップリング剤で処理して粒子表面を疎水性とした微粒子が例示できる。
これらの中でも、疎水性シリカ微粒子を好適に用いることができる。特に、より優れた非付着性が得られるという点において、表面にトリメチルシリル基を有する疎水性シリカ微粒子が好ましい。これに対応する市販品としては、例えば前記「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」(いずれもエボニック デグサ社製)等が挙げられる。
疎油性粒子(撥油性粒子)としては、酸化ケイ素として製品名「AEROSIL 200」(「AEROSIL」は登録商標。以下同じ)、「AEROSIL 130」、「AEROSIL 300」、「AEROSIL 50」、「AEROSIL 200FAD」、「AEROSIL 380」(以上、日本アエロジル(株)製)等により例示される粒子をコアとして、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂でコア表面が被覆された撥油性粒子を用いることができる。酸化チタンとしては、例えば製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等により例示される粒子をコアとして、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂でコア表面が被覆された複合酸化物微粒子を撥油性粒子として用いることができる。酸化アルミニウムとしては、例えば製品名「AEROXIDE Alu C 805」(エボニック デグサ社製)等により例示される粒子をコアとして、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂でコア表面が被覆された複合酸化物微粒子を撥油性粒子として用いることができる。
被覆層は、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂は、上記のようなコアとなる酸化物粒子(特に酸化ケイ素粒子)との親和性に優れるがゆえに比較的密着性の高い強固な被覆層を当該粒子表面上に形成できるととともに、高い撥水性・撥油性をも発現させることができる。このような樹脂そのものは公知又は市販のものを使用することができる。市販品としては、例えば製品名「CHEMINOX FAMAC−6」(ユニマテック(Japan)社製)、製品名「Zonyl TH Fluoromonomer コード421480」(SIGMA−ALDRICH(USA)社製)、製品名「SCFC−65530−66−7」(Maya High Purity Chem(CHINA)社製)、製品名「FC07−04〜10」(Fluory,Inc(USA))、製品名「CBINDEX:58」(Wilshire Chemical Co.,Inc(USA)社製)、製品名「アサヒガードAG−E530」、「アサヒガードAG−E060」(いずれも旭硝子株式会社製)、製品名「TEMAc−N」(Top Fluorochem Co.,LTD(CHINA)社製)、製品名「Zonyl 7950」(SIGMA−RBI (SWITZ)社製)、製品名「6100840〜6100842」(Weibo Chemcal Co.,Ltd(CHINA)社製)、製品名「CB INDEX:75」(ABCR GmbH&CO.KG(GERMANY)社製)等を挙げることができる。
これらの中でも、より優れた撥油性、さらには撥水性が得られる見地より、例えばa)ポリフルオロオクチルメタクリレート、b)2−N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、c)2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びd)2,2’−エチレンジオキシジエチルジメタクリレートが共重合したコポリマーを上記樹脂として好適に採用することができる。これらも上記のような市販品を用いることができる。
コア表面をポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂で被覆する方法(複合酸化物微粒子の調製方法)は特に限定されず、コア粒子(粉末)に対して被覆材としてポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を用い、公知のコーティング方法、造粒方法等に従って被覆層を形成すれば良い。例えば、液状のポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を溶媒に溶解又は分散させた塗工液を金属酸化物の粒子にコーティングする工程(被覆工程)を含む製造方法によって複合酸化物微粒子を好適に調製することができる。
上記製造方法では、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂として常温(25℃)及び常圧下で液状のものを好適に用いることができる。このようなポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂としては、前記で例示した市販品を使用することもできる。
塗工液に使用する溶媒は特に制限されず、水のほか、アルコール、トルエン等の有機溶剤を使用することができるが、本発明では水を用いることが好ましい。すなわち、塗工液としてポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂が水に溶解及び/又は分散した塗工液を使用することが好ましい。
上記の塗工液中におけるポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂の含有量は特に制限されないが、一般的には10〜80重量%とし、特に20〜60重量%の範囲内に設定することが好ましい。
コア粒子表面に塗工液をコーティングする方法は、公知の方法に従えば良く、例えばスプレー法、浸漬法等のいずれも適用することができる。特に、本発明では、均一性等に優れるという点でスプレー法によるコーティングが特に好ましい。
塗工液をコーティングした後、熱処理により溶媒を除去することによって被覆粒子を得ることができる。熱処理温度は通常150〜250℃程度、特に180〜200℃とすることが好ましい。熱処理の雰囲気は限定的ではないが、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気が望ましい。また、例えば、必要に応じて、さらに被覆工程及び熱処理工程からなる一連の工程を1回以上実施することができる。これにより被覆量の制御等を好適に行うことが可能となる。
このようにして得られた複合酸化物微粒子は、その表面にポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を備えているので、無機酸化物粒子との親和性に優れるがゆえに比較的密着性の高い強固な被覆層を当該粒子表面上に形成できるとともに、排泄物に対する高い非付着性(特に撥油性)を発現させることができる。
本発明のストーマ袋では、機能層として、例えばa)疎水性粒子と疎油性粒子とを含む混合層、b)疎水性粒子を含む疎水性領域と、疎油性粒子を含む疎油性領域とを含む混成層等も採用することができる。前記混成層は、疎水性領域と疎油性領域とがストライプ状、碁盤目状、散点状等の形状を有する構成を例示することができる。このような層を採用することにより、水分とともに脂肪分が多い排泄物であっても、ストーマ袋の内面への付着を効果的に抑制ないしは防止することができる。
機能層中における機能性粒子の含有量は、特に制限されず、通常は10〜100重量%の範囲内で適宜設定することができる。機能性粒子の含有量を100重量%に近づければそれだけ高い撥水性及び/又は撥油性を得ることができる。従って、例えば機能層中における機能性粒子の含有量を98〜100重量%に設定することもできる。
機能層における機能性粒子の付着量(乾燥後重量)は限定的ではないが、優れた撥水性・撥油性が得られるという点で、通常は0.01〜10g/mとすることが好ましく、特に0.4〜2.5g/mとすることがより好ましい。この範囲内で機能性粒子の特性等に応じて適宜設定することができる。例えば、疎水性粒子を用いる場合は0.4〜2.5g/mとし、特に1.5〜2.4g/mと設定することができる。また例えば疎油性粒子を用いる場合は0.4〜2.4g/mとし、特に0.5〜2.2g/mと設定することができる。
なお、ストーマ袋内の表面(内面)に機能層を積層する部位は特に限定されないが、ストーマ袋の内面全面に積層しても良いし、あるいはストーマ袋の内面の一部に積層しても良い。例えば、図4の領域80に示すように、ストーマ袋の排出口が形成されている側であって、ストーマ袋内面全体の2分の1から3分の1の下部範囲に積層されていても良い。このような領域に機能層が積層されていることにより、排出口を開いた際に、過度に勢いよく排泄物が流れることなく、ストーマ袋外へ排出することが容易となる。
また例えば、図5の領域82に示すように、ストーマ袋の内面の受入口の周囲に機能層が積層されていても良い。受入口の周囲に機能層が積層されていることにより、排泄物がストーマからストーマ袋内に流れてきた場合に、排泄物が速やかに排出口へ滑落し、容易にストーマ袋外へ排出することが容易となる。この場合の機能層の大きさ等は、受入口の形状、大きさ、設置箇所等に応じて適宜設定することができる。
一方で、機能層がストーマ袋内面の全面に積層されている場合には、排出口の大きさを小さくすることができる。すなわち、排出口が小さくても、ストーマ袋内面の全面に機能層が積層されていると、排泄物が容易に廃棄できるようになる。
機能層には、例えば抗菌性、消臭性等を有する粒子を同時に担持させて衛生能力を向上させても良い。ただし、尿用途、水様便等のように、液状ではねて人工肛門付近に届くおそれがある場合は、人体により安全な銀等の材料を用いることが好ましい。
機能層の形成方法は、特に限定されず、例えば機能性粒子が溶媒に分散した塗工液を基材シート表面に塗布した後、乾燥する工程を含む方法が挙げられる。
溶媒としては、例えばアルコール(エタノール)、シクロヘキサン、トルエン、アセトン、IPA、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ペンタメチレングリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコール等の有機溶剤の中から適宜選択することができる。
塗工液中における機能性粒子の分散量は、限定的でなく、通常10〜100g/L程度の範囲内で上記の付与量となるように適宜設定することができる。
塗布する方法としては、例えばロールコーティング、グラビアコーティング、バーコート、ドクターブレードコーティング、コンマコーター、刷毛塗り等の公知の方法をいずれも採用することができる。
乾燥は、自然乾燥又は加熱乾燥のいずれであっても良い。加熱乾燥する場合は、通常200℃以下の温度とすれば良い。例えば70〜150℃の範囲内で好適に乾燥させることができる。
このようにして、所定の機能層を形成することができる。この場合、必要に応じて、機能層の厚み又は積層量が所定の範囲になるまで、前記の塗布と乾燥とを繰り返して実施することもできる。
また、機能層を形成するタイミングも限定的できなく、例えば袋体に製袋される前の基材シートに予め機能層を形成する方法でも良いし、あるいは製袋された袋体に機能層を形成する方法等のいずれの段階であっても良い。従って、例えば袋体を製造した後に機能層を形成する場合には、ストーマ袋の受入口又は排出口、もしくはこれら以外に任意で形成した開口部を介して塗工液をスプレー等によってストーマ袋の内面に噴霧することによって機能層を形成しても良い。
受入口
受入口は、ストーマと連通して排泄物を受け入れ可能に形成されている。すなわち、受入口は、ストーマ袋の開口部としてストーマ袋上部に設けられている。
受入口の形状及び大きさは限定されず、ストーマの形状及び大きさに応じて適宜設定することができる。特に、ストーマのサイズに応じて受入口を広げられる構造であることが好ましい。例えば、当初は小さな開口部であって、はさみでカットして開口部を広げられるような構造とすることが好ましい。また、受入口の設置箇所も限定されず、ストーマ袋の上部の適当な位置に設置すれば良い。
排出口
排出口は、開閉可能にされて排泄物を袋外に除去可能に形成されている。すなわち、排出口は、前記受入口とは別に、ストーマ袋の他の開口部としてストーマ袋の下部に設けられている。
排出口の形状及び大きさは、限定的ではなく、本発明の効果を妨げない範囲内で種々の形状及び大きさに設定することができる。特に、ストーマ袋内に排泄物を効率的に溜め、なおかつ、排泄物をストーマ袋外に衛生的に排出するため、排出口の開口部がストーマ袋の幅方向において狭く形成されていることが好ましい。例えば、図1(a)に示すように、ストーマ袋の下方に下部先端領域35(点線が囲われた領域)を形成することができる。下部先端領域35は、略矩形状であり、その幅は貯留部40の最大幅よりも小さく設計されている。この場合、排出口を広げた状態の開口面積は、限定的ではないが、特に0.8〜20cm程度とすることにより、排出口を開いた際に急に排泄物が流出することによるトイレ等の汚染をより効果的に防ぐことができる。かかる見地より、排出口の開口面積はさらに1.8〜7.1cmとすることが好ましい。
また、排出口が開閉可能な構造は、特に限定されないが、上述の蛇腹部のように折り畳み可能な構造のほか、例えば排出口付近を絞る構造を採っても良い。また、排出口を閉じた状態を維持するために、上述の係止部が備えられていることが好ましい。係止部としては、限定的でなく、例えば面ファスナー、スナップボタン、粘着材、ファスナー等の公知の係止手段を採用することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
厚さ15μm、14cm×22cmの大きさのポリエステルフィルム(東洋紡製)の片面に、疎水性酸化物微粒子が三次元網目構造状に形成された多孔質層を形成した。多孔質層の形成方法としては、まず疎水性酸化物微粒子(製品名「AEROSIL R812S」エボニック デグサ社製、BET比表面積:220m/g、一次粒子平均径:7nm)5gをエタノール100mLに分散させてコート液を調製した。このコート液を上記ポリエステルフィルムに乾燥後重量で0.45g/mとなるようにバーコート方式で付与した後、100℃で10秒程度をかけて乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、ストーマ袋を製造するためのシート状材料を得た。
実施例2
ポリエステルフィルム上に多孔質層を形成するに際してコート液を乾燥後重量で1.4g/mとなるようにバーコート方式で付与した以外は、実施例1と同様にしてシート状材料を得た。
実施例3
ポリエステルフィルム上に多孔質層を形成するに際してコート液を乾燥後重量で1.8g/mとなるようにバーコート方式で付与した以外は、実施例1と同様にしてシート状材料を得た。
実施例4
厚さ50μm、14cm×22cmの大きさのポリエステルフィルム(東洋紡製)の片面に、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層を備えた金属酸化物粒子を含有する塗膜を形成した。塗膜の形成方法としては、まず平均一次粒子径12nm及びBET比表面積200m/gの気相法シリカ粉末(製品名「AEROSIL 200」日本アエロジル(株)製)100gを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら市販の表面処理剤500gをスプレーし、次いで200℃で30分間攪拌した後、冷却した。このように表面改質シリカ微粒子(複合酸化物微粒子)の粉末を得た。上記の処理剤として、ポリフルオロオクチルメタクリレート、2−N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2,2’−エチレンジオキシジエチルジメタクリレートのコポリマーの水分散液(固形分濃度:20重量%)を用いた。得られた表面改質シリカ微粒子30重量部をエタノール200重量部に添加・混合することによりコート液を調製した。このコート液を上述のポリエステルフィルムに乾燥後重量で0.5g/mとなるようにバーコート方式で付与した後、100℃で10秒程度をかけて乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、ストーマ袋を製造するためのシート状材料を得た。
実施例5
ポリエステルフィルム上に塗膜を形成するに際してコート液を乾燥後重量で0.6g/mとなるようにバーコート方式で付与した以外は、実施例4と同様にしてシート状材料を得た。
実施例6
ポリエステルフィルム上に塗膜を形成するに際してコート液を乾燥後重量で2.0g/mとなるようにバーコート方式で付与した以外は、実施例4と同様にしてシート状材料を得た。
比較例1
市販のストーマ袋に使用されているポリエステルフィルムとして、厚さ50μm、14cm×22cmのポリエステルフィルム(東洋紡製)を用意し、これをストーマ袋を製造するためのシート状材料とした。
比較例2
比較例1のポリエステルフィルムの片面に、市販の潤滑性油脂を塗布することにより、シート状材料を得た。潤滑性油脂としてスクワラン配合の清浄剤(花王社製 薬用サニーナ)を用いて0.27g噴霧し、標準温度の大気中で5分間静置して乾燥した。
試験例1
排泄物として実際の人の便を用いると、その都度性質が異なることから正確な比較が困難となる。そこで、再現性が高い評価を行うために、排泄物にみたてて、市販の500gパック入り合わせ味噌を用意した。この市販のままの味噌を擬似便とした。
ストーマ装具の装着者がストーマ袋材料の排泄物を排出する操作を想定した試験を行った。実施例1〜6で得られたシート状材料の多孔質層もしくは塗膜が形成された面、及び比較例1のシート状材料の片面と比較例2のシート状材料の潤滑性油脂が塗工された面を、それぞれ内面となるように筒状に丸めて、底面を市販のセロハンテープで留めて、直径約5cm×高さ14cmの筒状体とし、これをストーマ袋に見立てた。これらの筒状体の重量を計測した。次いで直径3cm×高さ1cmの厚紙製の管を準備し、この管の中に擬似便を充填した。各筒状体を寝かせた状態で筒状体内の中心付近に管中に充填した擬似便を押し出して載せた。1つの試料あたりの擬似便は15.7gであった。この後、それぞれの筒状体を横向けに寝かせた状態のまま、筒状体の上からハンドプレス機を用いて、擬似便を10秒間430gの加重をかけ、筒内部で擬似軟便をつぶした。さらに、筒状体を垂直に立てて擬似便を落下させた。落下時間は2分を上限とした。落下した擬似便を取り除き、それぞれの筒状体の重量を計測し、筒状体内部に付着した擬似便の重量(g)を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0006932547
表1の結果からも明らかなように、全ての実施例では擬似便の大半が滑落したのに対し、比較例では擬似便が相当に付着したままであった。特に、実施例4〜6においては、目視でも擬似便の付着を確認できなかった。従って、とりわけポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層を備えた金属酸化物粒子を含有する機能層を備えたストーマ袋は、疎水性酸化物微粒子が三次元網目構造状に形成された多孔質層を備えるストーマ袋よりも、擬似便の滑落性がより高い結果が得られることがわかる。
試験例2
試験例1よりも条件が厳しい試験として、装着者が座った状態におけるシート状材料の排泄物の滑落性を想定した試験を行った。厚さ5mm×14cm×29cmのステンレス鋼板を水平な台に置き、実施例1〜6で得られたシート状材料の多孔質層もしくは塗膜が形成された面、及び比較例1のシート状材料の片面と比較例2のシート状材料の潤滑性油脂が塗工された面を、それぞれ上面となるように上述のステンレス鋼板に並べた。このとき、ステンレス鋼板とシート状材料とは市販の両面テープで接着して固定した。
次いで、直径3cm×高さ1cmの厚紙製の管を準備し、その中に擬似便を充填し、各ストーマ袋材料の中心部に擬似便を押し出して載せた。この後、ステンレス鋼板を45度に傾け、擬似便を落下させてシート状材料の上に残った擬似便の重量及び落下にかかる時間を計測した。ただし、時間は3分を上限とした。その結果を表2に示す。
Figure 0006932547
表2の結果からも明らかなように、特に実施例3〜6では擬似便が計測開始直後に滑落し、実施例1及び比較例1では擬似便は滑落しなかった。実施例2及び比較例2では、擬似便の滑落に時間がかかった。
試験例1で示すように、ストーマ袋内の排泄物を除去するという点では実施例1〜6のいずれの構成でも好ましい結果が得られる。そのうえで、さらに装着者が座った状態でストーマ袋の受入口から流入した排泄物をストーマ袋の排出口付近に滑落させるためには、特に実施例3〜6がより好ましい結果が得られることがわかる。
以上のように、本発明のストーマ袋を用いることによって、排泄物がストーマ袋内面に付着せずに滑落し、容易に排泄物を除去することが可能となる。これにより、装着者がストレスなくストーマ袋を利用できる。また、本発明のストーマ袋は容易にストーマ袋内に溜まった排泄物を排出可能であるため、袋内の排泄物の排出後に必ずしも洗浄をせずに利用を続けることも可能である。

Claims (8)

  1. ストーマ装具に用いられるストーマ袋であって、
    (1)ストーマと連通して排泄物を受け入れる受入口と、排泄物を袋外に除去するための開閉可能な排出口とを含み、
    (2)ストーマ袋内の表面上の少なくとも一部に疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含む機能層が最表面層として形成されており、
    (3)前記機能層が、a)ストーマ袋の排出口が形成されている側であって、ストーマ袋内面全体の2分の1から3分の1の下部範囲又はb)ストーマ袋の内面の受入口の周囲に積層されている、
    ことを特徴とするストーマ袋。
  2. 機能性粒子が、1)一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子及び2)前記微粒子表面にポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層を備えた複合酸化物微粒子の少なくとも1種である、請求項1に記載のストーマ袋。
  3. 機能層が、機能性粒子が互いに固着して三次元網目構造状に形成された多孔質層である、請求項1に記載のストーマ袋。
  4. 機能性粒子の積層量が0.4〜2.5g/mである、請求項1か記載のストーマ袋。
  5. 外面の少なくとも一部に不織布が積層されていることを特徴とする、請求項1に記載のストーマ袋。
  6. 前記受入口の排出口が設けられた方向とは反対側に通気口を備える、請求項1に記載のストーマ袋。
  7. ストーマ袋を構成する基材が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンの少なくとも1種の樹脂フィルムである、請求項1に記載のストーマ袋。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のストーマ袋を含むストーマ装具。
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