JP6931492B2 - 静電チャック - Google Patents

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本発明の態様は、静電チャックに関する。
静電チャックは、例えば、アルミナ等からなるセラミック誘電体基板と、セラミック誘電体基板の内部に設けられた電極とを有している。電極に電力を印加すると静電力が発生する。静電チャックは、発生させた静電力によりシリコンウェーハ等の対象物を吸着するものである。このような静電チャックにおいては、セラミック誘電体基板の表面と、対象物の裏面と、の間にヘリウム(He)等の不活性ガス(以下、単に、ガスと称する)を流し、対象物の温度を制御している。
例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置、スパッタリング装置、イオン注入装置、エッチング装置などの基板に対する処理を行う装置においては、処理中に基板の温度が上昇する場合がある。そのため、このような装置に用いられる静電チャックにおいては、セラミック誘電体基板と基板との間にガスを流し、基板にガスを接触させることで基板の放熱を図る様にしている。
また、処理中においては、対象物の面内に温度分布が生じる。この場合、ガスの圧力が高くなれば、対象物からの放熱量が大きくなるので対象物の温度を低下させることができる。そのため、セラミック誘電体基板の対象物側の表面を複数の領域に分割し、複数の領域におけるガスの圧力を変化させることで、対象物の面内温度を制御している。
例えば、各領域におけるガスの圧力を制御するために、各領域の間にシールリングを設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
この場合、各領域におけるガスの圧力を制御するためには、各領域がシールリングにより気密に仕切られるようにすることが好ましい。ところが、この様にするとウェーハ加工プロセスにおいて発生したパーティクルが、シールリングの部分に溜まりやすくなり、当該部分において不良が生じるなどの不具合が生じる恐れがある。
シールリングの頂部と対象物との間に僅かな隙間を設け、各領域におけるガスの圧力を制御する技術も提案されている(特許文献2を参照)。
この場合でも、シールリング部分にパーティクルが溜まりやすい課題を解決するには至っていない。
そこで、各領域におけるガスの圧力を効果的に制御しつつ、シールリング部分におけるパーティクルの堆積を抑制することができる技術の開発が望まれていた。
特開2011−119708号公報 特開2012−129547号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、各領域におけるガスの圧力を効果的に制御しつつ、シールリング部分におけるパーティクルの堆積を抑制することができる静電チャックを提供することを目的とする。
第1の発明は、ベースプレートと、前記ベースプレートの上に設けられ、外部に露出する第1主面を有するセラミック誘電体基板と、を備え、前記第1主面は、少なくとも、第1領域(領域101)と、前記第1領域に隣接する第2領域(領域102)と、を含み、前記第1主面の前記第1領域には、複数の第1溝(溝14a、14b)と、前記複数の第1溝の少なくとも1つと接続された少なくとも1つの第1ガス導入孔(ガス導入孔15)と、が設けられ、前記複数の第1溝は、前記第1領域と前記第2領域との間の第1境界(境界102a)に最も近接して設けられ、前記第1境界に沿って延びる第1境界溝(溝14a)と、前記第1境界溝とは異なる少なくとも1つの第1領域内溝(溝14b)と、を含み、前記第1主面の前記第2領域には、複数の第2溝(溝14a、14b)と、前記複数の第2溝の少なくとも1つと接続された少なくとも1つの第2ガス導入孔(ガス導入孔15)と、が設けられ、前記複数の第2溝は、前記第1境界に最も近接して設けられ、前記第1境界に沿って延びる第2境界溝(溝14a)を含み、前記第1境界溝と前記第2境界溝との間の溝端部間距離(L1)は、前記第1境界溝と、前記第1境界溝に隣接する前記第1領域内溝との間の溝端部間距離(L2)よりも小さいことを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックでは、従来のように各領域におけるガスの圧力を制御するために各領域間に配置されるシールリングを有していない。すなわち、対象物Wを設置した際に、対象物Wと、セラミック誘電体基板(第1領域と第2領域)とで1つの閉空間が形成されている。そのため、シールリング部分にパーティクルが溜まると言う課題を解決することができる。一方で、単にシールリングを設けないだけでは、各領域毎のガス圧力の分割が困難となり、ガス圧力制御性が低下してしまう。そこで、本発明においては、シールリングをなくすだけでなく、第1境界溝と第2境界溝との間の溝端部間距離を、第1境界溝と第1境界溝に隣接する第1領域内溝との間の溝端部間距離よりも小さくなるように工夫している。
また、この静電チャックによれば、領域と領域との境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域を小さくすることができるので、意図したガスの圧力となる領域を大きくすることができる。そのため、パーティクルが堆積するという課題を解決しつつ、各領域におけるガスの圧力を効果的に制御することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1境界溝と前記第2境界溝との間の溝端部間距離は、前記第1領域内溝同士の間の溝端部間距離よりも小さいことを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、各領域におけるガスの圧力をより効果的に制御することができる。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記ベースプレートから前記セラミック誘電体基板へ向かう第1方向に垂直な平面に投影したときに、前記第1ガス導入孔の少なくとも一部が、前記第1境界溝と重なることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックでは、第1境界溝と第1ガス導入孔とが直接連通しているため、ガス制御性に優れている。そのため、領域と領域との境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域をより小さくすることができる。
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記ベースプレートから前記セラミック誘電体基板へ向かう第1方向に垂直な平面に投影したときに、前記第2ガス導入孔の少なくとも一部が、前記第2境界溝と重なることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、領域と領域との境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域をより小さくすることができる。
第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記第1ガス導入孔の中心と前記第2ガス導入孔の中心とを結ぶ線と、前記第1境界とがなす角度は90°未満であることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、境界溝同士をより近づけることが可能となり、ガスの圧力が変化する領域を小さくすることができる。そのため、意図したガスの圧力となる領域を大きくすることができる。
第6の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記第1ガス導入孔の中心と前記第2ガス導入孔の中心とを結ぶ線と、前記第1境界とがなす角度は90°であることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、各領域の圧力をより狙った圧力に保持しやすくなる。
第7の発明は、第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記第1主面に設けられたリフトピン孔をさらに備え、前記リフトピン孔と前記第1境界溝との間の距離は、前記リフトピン孔と、前記リフトピン孔に最も近い前記第1領域内溝との間の距離よりも大きいことを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、領域内の圧力変化を低減させることができる。
第8の発明は、第1〜第7のいずれか1つの発明において、前記第1主面は、少なくとも、前記第1領域と、前記第1領域の外側に位置する前記第2領域と、前記第2領域の外側に位置し前記第2領域に隣接する第3領域(領域103)と、を含み、前記複数の第2溝は、前記第2領域と前記第3領域との間の第2境界に最も近接して設けられ、前記第2境界に沿って延びる第2外側境界溝(溝14a)を含み、前記第3領域には、前記第2境界に隣接して設けられ、前記第2境界に沿って延びる第3境界溝(溝14a)が設けられ、前記第2外側境界溝と前記第3境界溝との間の溝端部間距離(L4)は、前記第1境界溝と前記第2境界溝との間の溝端部間距離(L1)よりも大きいことを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、領域と領域との境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域をより小さくすることができる。
第9の発明は、第8の発明において、前記第1主面の周縁を囲むように設けられ、少なくとも一部が吸着の対象物と接触可能なアウターシールをさらに備え、前記ベースプレートから前記セラミック誘電体基板へ向かう第1方向に直交する第2の方向において、前記第2境界と前記アウターシールとの間の距離は、前記第1境界と前記第2境界との間の距離よりも小さいことを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、領域と領域との境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域をより小さくすることができる。
第10の発明は、第4または第5の発明において、前記第1ガス導入孔は、前記第1境界溝にガスを供給可能に設けられており、前記第1ガス導入孔は少なくとも2つ設けられていることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、第1境界(境界102a)に沿って延びる第1境界溝(溝14a)に、確実にガスを供給することができる。
第11の発明は、第10の発明において、前記第2ガス導入孔は、前記第2境界溝にガスを供給可能に設けられており、前記第2ガス導入孔は少なくとも2つ設けられていることを特徴とする静電チャックである。
この静電チャックによれば、第1境界(境界102a)に沿って延びる第2境界溝(溝14a)に、確実にガスを供給することができる。
本発明の態様によれば、各領域におけるガスの圧力を効果的に制御しつつ、シールリング部分におけるパーティクルの堆積を抑制することができる静電チャックが提供される。
本実施の形態に係る静電チャックを例示するための模式断面図である。 セラミック誘電体基板、電極、および第1多孔質部を例示するための模式断面図である。 (a)は、比較例に係る溝の配置およびガス導入孔の配置を例示するための模式断面図である。(b)は、本実施の形態に係る溝の配置およびガス導入孔の配置の一例を例示するための模式断面図である。 領域の圧力、領域と領域の境界の圧力をシミュレーションにより求めたグラフ図である。 境界溝間隔の効果を例示するためのグラフ図である。 (a)は、「傾き乖離率」により、境界溝間隔の効果を例示するためのグラフ図である。(b)は、「傾き乖離率」を説明するためのグラフ図である。 図6(a)におけるH部の拡大図である。 第2溝(溝14a、14b)の数の効果を例示するためのグラフ図である。 (a)は、ガス導入孔の配置を例示するための模式断面図である。(b)は、他の実施形態に係るガス導入孔の配置を例示するための模式断面図である。 (a)、(b)は、領域の圧力、領域と領域の境界の圧力をシミュレーションにより求めたグラフ図である。 他の実施形態に係るセラミック誘電体基板の模式平面図である。 (a)は、比較例に係る溝の配置を例示するための模式平面図である。(b)は、溝の配置を例示するための模式平面図である。 基板の中心における圧力変化を例示するためのグラフ図である。 (a)〜(c)は、溝14cの形態を例示するための模式図である。 他の実施形態に係るセラミック誘電体基板の模式平面図である。 本実施の形態に係る処理装置を例示するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、各図中において、ベースプレート50からセラミック誘電体基板11へ向かう方向をZ方向、Z方向と略直交する方向の1つをY方向、Z方向及びY方向に略直交する方向をX方向としている。
(静電チャック)
図1は、本実施の形態に係る静電チャック1を例示するための模式断面図である。
図2は、セラミック誘電体基板11、電極12、および第1多孔質部90を例示するための模式断面図である。
図1に示すように、静電チャック1には、セラミック誘電体基板11、電極12、第1多孔質部90、ベースプレート50、および第2多孔質部70を設けることができる。
図1および図2に示すように、セラミック誘電体基板11は、例えば、焼結セラミックを用いた平板状の部材とすることができる。例えば、セラミック誘電体基板11は、酸化アルミニウム(Al)を含むことができる。例えば、セラミック誘電体基板11は、高純度の酸化アルミニウムを用いて形成することができる。セラミック誘電体基板11における酸化アルミニウムの濃度は、例えば、99原子パーセント(atоmic%)以上100atоmic%以下とすることができる。高純度の酸化アルミニウムを用いれば、セラミック誘電体基板11の耐プラズマ性を向上させることができる。セラミック誘電体基板11の気孔率は、例えば1%以下とすることができる。セラミック誘電体基板11の密度は、例えば4.2g/cmとすることができる。
セラミック誘電体基板11は、吸着の対象物Wが載置される第1主面11aと、第1主面11aとは反対側の第2主面11bと、を有する。第1主面11aは、静電チャック1の外部に露出する面である。対象物Wは、例えば、シリコンウェーハなどの半導体基板やガラス基板などとすることができる。
セラミック誘電体基板11の第1主面11aには、複数のドット13が設けられている。対象物Wは、複数のドット13の上に載置され、複数のドット13により支持される。複数のドット13が設けられていれば、静電チャック1に載置された対象物Wの裏面と第1主面11aとの間に空間が形成される。ドット13の高さ、数、ドット13の面積比率、形状などを適宜選択することで、例えば、対象物Wに付着するパーティクルを好ましい状態にすることができる。例えば、複数のドット13の高さ(Z方向における寸法)は、1μm以上100μm以下、好ましくは1μm以上30μm以下、より好ましくは5μm以上15μm以下とすることができる。
セラミック誘電体基板11の第1主面11aには、複数の溝14a、14bが設けられている。複数の溝14a、14bは、セラミック誘電体基板11の第1主面11a側に開口している。溝14aの幅(X方向またはY方向における寸法)は、例えば、0.1mm以上2.0mm以下、好ましくは0.1mm以上1.0mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.5mm以下とすることができる。溝14aの深さ(Z方向における寸法)は、例えば、10μm以上300μm以下、好ましくは10μm以上200μm以下、より好ましくは50μm以上150μm以下とすることができる。溝14bの幅(X方向またはY方向における寸法)は、例えば、0.1mm以上1.0mm以下とすることができる。溝14bの深さ(Z方向における寸法)は、例えば、0.1mm以上2.0mm以下、好ましくは0.1mm以上1.0mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.5mm以下とすることができる。
セラミック誘電体基板11には、複数のガス導入孔15が設けられている。複数のガス導入孔15のそれぞれの一方の端部は、溝14aに接続することができる。複数のガス導入孔15のそれぞれの他方の端部は、第1多孔質部90を介して後述するガス供給路53に接続することができる。ガス導入孔15は、第2主面11bから第1主面11aにかけて設けられている。すなわち、ガス導入孔15は、第2主面11b側と第1主面11a側との間をZ方向に延び、セラミック誘電体基板11を貫通している。ガス導入孔15の径は、例えば0.05mm以上0.5mm以下とすることができる。
なお、複数の溝14a、14bおよび複数のガス導入孔15に関する詳細は後述する。
電極12は、セラミック誘電体基板11の内部に設けられている。電極12は、セラミック誘電体基板11の第1主面11aと、第2主面11bと、の間に設けられている。
電極12の形状は、例えば、セラミック誘電体基板11の第1主面11a及び第2主面11bに沿った薄膜状とすることができる。電極12は、対象物Wを吸着保持するための吸着電極である。電極12は、単極型でも双極型でもよい。図1に例示をした電極12は双極型であり、同一面上に2極の電極12が設けられている。
電極12には、接続部20が設けられている。電極12および接続部20は、金属などの導電性材料から形成することができる。接続部20の、電極12側とは反対側の端部は、セラミック誘電体基板11の第2主面11b側に露出させることができる。接続部20は、例えば、電極12と導通するビア(中実型)やビアホール(中空型)とすることができる。接続部20は、ロウ付けなどの適切な方法によって接続された金属端子でもよい。
電極12には、接続部20を介して電源210が電気的に接続される。電極12に所定の電圧を印加すれば、電極12の、第1主面11a側の領域に電荷を発生させることができる。そのため、対象物Wは、静電力によってセラミック誘電体基板11の第1主面11a側に吸着保持される。
第1多孔質部90は、セラミック誘電体基板11の内部に設けられている。第1多孔質部90は、例えば、Z方向において、ベースプレート50と、セラミック誘電体基板11の第1主面11aと、の間であって、ガス供給路53と対向する位置に設けることができる。例えば、第1多孔質部90は、セラミック誘電体基板11のガス導入孔15に設けることができる。例えば、第1多孔質部90は、ガス導入孔15の一部に挿入されている。
図1および図2に例示をした第1多孔質部90の場合には、第1多孔質部90は、ガス導入孔15の、第2主面11b側の部分に設けられている。第1多孔質部90の一方の端部は、セラミック誘電体基板11の第2主面11bに露出している。第1多孔質部90の他方の端部は、第1主面11aと第2主面11bとの間に位置している。なお、第1多孔質部90の他方の端部は、溝14aの底面に露出してもよい。また、第1多孔質部90の両方の端部が、第1主面11aと第2主面11bとの間に位置していてもよい。
第1多孔質部90の材料は、例えば、絶縁性を有するセラミックスとすることができる。第1多孔質部90は、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)及び酸化イットリウム(Y)の少なくともいずれかを含む。この様にすれば、高い絶縁耐圧と高い剛性とを有する第1多孔質部90とすることができる。
この場合、セラミック誘電体基板11の酸化アルミニウムの純度は、第1多孔質部90の酸化アルミニウムの純度よりも高くすることができる。この様にすれば、静電チャック1の耐プラズマ性等の性能を確保し、かつ、第1多孔質部90の機械的強度を確保することができる。一例としては、第1多孔質部90に微量の添加物を含有させることにより、第1多孔質部90の焼結が促進され、気孔の制御や機械的強度の確保が可能となる。
例えば、酸化アルミニウムなどのセラミックスの純度は、蛍光X線分析、ICP−AES法(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry:高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)などにより測定することができる。
図1に示すように、ベースプレート50は、例えば、セラミック誘電体基板11を支持する。セラミック誘電体基板11は、例えば、ベースプレート50の上に接着することができる。接着剤は、例えば、シリコーン接着剤などとすることができる。
ベースプレート50は、例えば、金属製である。ベースプレート50は、例えば、アルミニウム製の上部50aと下部50bとに分けられており、上部50aと下部50bとの間に接続路55が設けられている。接続路55の一端側は、入力路51に接続され、接続路55の他端側は、出力路52に接続されている。
ベースプレート50は、誘電体基板11の温度調整を行う役目をも果たす。例えば、誘電体基板11を冷却する場合には、入力路51から冷却媒体を流入し、接続路55を通過させ、出力路52から流出させる。これにより、冷却媒体によってベースプレート50の熱を吸収し、その上に取り付けられたセラミック誘電体基板11を冷却することができる。なお、誘電体基板11を保温する場合には、接続路55内に保温媒体を流入させることも可能である。誘電体基板11の温度を制御することができれば、誘電体基板11に吸着保持された対象物Wの温度を制御することが容易となる。
複数の溝14a、14bにはガスが供給される。供給されたガスが対象物Wに接触することで、対象物Wの温度が制御される。この場合、ベースプレート50の温度が制御できるようになっていれば、溝14a、14bに供給されたガスによる温度制御の幅を小さくすることができる。例えば、ベースプレート50により対象物Wの温度を大まかに制御し、溝14a、14bに供給されたガスにより対象物Wの温度を精密に制御することができる。
ベースプレート50には、複数のガス供給路53を設けることができる。ガス供給路53は、ベースプレート50を貫通するように設けることができる。ガス供給路53は、ベースプレート50を貫通せず、他のガス供給路53の途中から分岐してセラミック誘電体基板11側まで設けられていてもよい。
ガス供給路53は、ガス導入孔15と接続される。すなわち、ガス供給路53に流入したガスは、ガス供給路53を通過した後に、ガス導入孔15に流入する。
ガス導入孔15に流入したガスは、ガス導入孔15を通過した後に、ガス導入孔15が接続された溝14aに流入する。これにより、対象物Wをガスによって直接冷却することができる。
第2多孔質部70は、Z方向において、第1多孔質部90とガス供給路53との間に設けることができる。例えば、第2多孔質部70は、ベースプレート50の、セラミック誘電体基板11側の端面に嵌め込まれる。図1に示すように、例えば、ベースプレート50のセラミック誘電体基板11側の端面には、座ぐり部53aが設けられ、第2多孔質部70を座ぐり部53aに嵌合することができる。座ぐり部53aは、ガス供給路53と接続されている。第2多孔質部70は、第1多孔質部90と対向するように設けることができる。
次に、複数の溝14a、14bおよび複数のガス導入孔15についてさらに説明する。 前述したように、複数の溝14a、14bに供給されたガスにより対象物Wの温度を制御することができる。対象物Wの処理中において、対象物Wの面内に温度分布が生じる場合がある。例えば、対象物Wの面内に温度の低い領域や温度の高い領域が生じる場合がある。この場合、温度の高い領域に接触するガスの圧力を、温度の低い領域に接触するガスの圧力よりも高くすれば、温度の高い領域からの放熱量が多くなるので、対象物Wの温度を制御するとともに対象物Wの面内に温度分布が生じるのを抑制することができる。
例えば、セラミック誘電体基板11の第1主面11a側を複数の領域に分割し、複数の領域に供給するガスの圧力を変化させることで、対象物Wの面内温度を制御することができる。この場合、各領域におけるガスの圧力を制御するためには、各領域が仕切られるように、各領域の間にシールリングが設けられる場合がある。この例では、対象物Wの、第1主面11a側の面にシールリングの頂部を接触させる。この様にすれば、領域間におけるガスの流れをほぼ無くすことができるので、各領域におけるガスの圧力を効果的に制御することができる。
ところが、シールリングを設けると、ウェーハ加工プロセスにおいて発生したパーティクルが、シールリングの部分に溜まりやすくなり、当該部分において不良が生じるなどの不具合の恐れがある。
そこで、本発明においては、領域を分けるためのシールリングを設けずに、溝14a、14bの配置を工夫している。すなわち、対象物Wを設置した際に、対象物Wと、セラミック誘電体基板11(例えば、領域101と領域102)とで閉空間が形成されている。本発明によれば、シールリングがないにもかかわらず、領域内の圧力制御を効果的に行うことが可能となる。
また、本発明においては、実質的にシールリングを設けずに、各領域におけるガスの圧力を効果的に制御することができればよく、部分的または局所的にシールリングを設けることを妨げるものではない。すなわち、実質的にシールリングを設けずに、各領域におけるガスの圧力を効果的に制御する効果を奏するのであれば、部分的または局所的にシールリングを設けていてもよい。
図3(a)は、比較例に係る溝14の配置およびガス導入孔15の配置を例示するための模式断面図である。
図3(a)においては、X方向において溝14を等間隔に設けている。すなわち、X方向における溝端部間距離L23を同じにしている。
なお、本明細書において、溝端部間距離とは、隣接する2つの溝がある場合に、一方の溝の、他方の溝側の内壁と、他方の溝の、一方の溝側の内壁との間の最短距離をいう。この場合、2つの溝における溝端部間距離が変化している場合には、最も短い距離を溝端部間距離とすることができる。
また、X方向において、領域100aと領域100b1、領域100aと領域100b2がそれぞれ隣接している。図3(a)に例示をしたものにおいては、領域100aと領域100b1の境界を挟んで設けられた2つの溝14にはガス導入孔15が接続されている。
また、領域100aに設けられた溝14に供給されるガスの圧力をP1、領域100b1に設けられた溝14に供給されるガスの圧力をP2、領域100b2 に設けられた溝14に供給されるガスの圧力をP3としている。
図3(b)は、本実施の形態に係る溝14a、14bの配置およびガス導入孔15の配置の一例を例示するための模式断面図である。溝14aは異なる領域の境界を挟んで設けられる境界溝であり、溝14bは領域内に設けられた、溝14a以外の領域内溝である。
図3(b)においては、X方向において領域100aと領域100b1、100b2との境界を挟んで設けられる2つの溝14a(境界溝)の溝端部間距離(境界溝間隔)をL21とし、溝14a(境界溝)と、この境界溝14aに隣接する、領域100a内に設けられた溝14a以外の溝14b(領域内溝)との、溝端部間距離(領域内溝間隔)をL22としている。この場合、L21<L22となっている。また、溝14a(境界溝)と、この境界溝14aに隣接する、領域100b1、100b2内に設けられた溝14a以外の溝14bとの、溝端部間距離をそれぞれL24としている。
また、ガス導入孔15を介して、領域100aに設けられた溝14aに供給されるガスの圧力をP1、領域100b1に設けられた溝14aに供給されるガスの圧力をP2としている。
図4は、領域100aの圧力、領域100b1、100b2の圧力、領域100aと領域100b1、100b2の境界の圧力をシミュレーションにより求めたグラフ図である。シミュレーションにおいては、セラミック誘電体基板11の第1主面11aの上方に、ドット13に支持された対象物Wがあるものとしている。
図4中のAは、図3(a)に例示をした溝14の配置、ガス導入孔15の配置、および境界溝間隔と、領域内溝間隔とが等しい場合の例である。
図4中のBは、図3(b)に例示をした溝14a、溝14bの配置、ガス導入孔15の配置、および境界溝間隔が領域内溝間隔よりも小さい場合の例である。いずれの例においても領域間にシールリングは設けられていない。
また、シミュレーションにおいては、P1=3×P2とし、溝端部間距離L21を5mm、溝端部間距離L22を20mm、溝端部間距離L23を15mmとしている。X方向における領域100aの寸法を50mmとしている。
図4から分かるように、境界溝間隔と、領域内溝間隔とが等しい場合(Aの場合)には、領域100aと領域100b1、100b2の境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域が大きくなる。これに対し、境界溝間隔が領域内溝間隔よりも小さい場合(Bの場合)には、領域100aと領域100b1、100b2の境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域をAの場合よりも小さくすることができる。すなわち、領域100a、領域100b1、100b2のいずれにおいても、意図したガスの圧力となる領域を大きくすることができ、領域内におけるガス圧力の均一性を高めることができる。
前述したように、溝14a、溝14bの配置を工夫することで、領域間にシールリングを設けない場合においてもガスの圧力により対象物Wの温度を制御することができる。そのため、領域内におけるガス圧力の均一性を高めることができれば、該領域に対応する部分における対象物Wの温度をより効果的に制御することができる。また、対象物Wの温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。
また、本発明者らの得た知見によれば、境界を挟んで設けられた境界溝である2つの溝14aの少なくともいずれかにガス導入孔15が接続されていれば、前述の効果を得ることができるので好ましい。
この場合、第1主面11aと対象物Wとの間にはドット13の高さだけ隙間があるので、ガス導入孔15が接続された溝14aに供給されたガスは、当該隙間を介して溝14bや他の溝14aに供給される。すなわち、各領域において、対象物Wの裏面と溝14a、14bを含む第1主面11aとの間に形成された空間にガスが供給される。
また、図3(b)に例示をしたように、境界を挟んで設けられた2つの溝14aのそれぞれにガス導入孔15が接続されている場合には、領域境界における、ガス圧力の変化をより顕著にすることができ、また、対象物Wの温度をより効果的に制御することができる
のでさらに好ましい。また、対象物Wの温度に面内分布が生じるのをより効果的に抑制することができる。
図5は、境界溝間隔の効果を例示するためのグラフ図である。
横軸の境界溝間隔は、隣接する領域の境界を挟んで設けられた2つの溝(境界溝)の溝端部間距離である。境界溝間隔の効果は、境界溝間隔自体の効果であり、例えば、図3(a)に例示をした距離L23でも、図3(b)に例示をした距離L21でも適用が可能である。
縦軸の乖離率は、それぞれの領域における平均圧力が、設定した圧力(意図した圧力)からどの程度解離しているかを表している。乖離率が大きくなれば、それぞれの領域における平均圧力と、意図した圧力との差が大きくなることを表している。
図5は、例えば、図3(a)、(b)における領域100aの圧力P1を20Torr(2666.4Pa)とし、領域100b2の圧力P3を60Torr(7999.2Pa)としてシミュレーションにより乖離率を求めたものである。
図5から分かるように、境界溝の溝端部間距離である境界溝間隔が0mmを超え60mm以下、好ましくは、0mmを超え20mm以下であれば、乖離率はほぼ線形に増加する。境界溝間隔が60mmを超えれば乖離率は指数関数的に増加する。このことは、境界溝間隔が60mm以下、好ましくは20mm以下であれば、乖離率の増加を抑制でき、ひいては、それぞれの領域における平均圧力が意図した圧力に近くなることを意味している。
前述したように、境界溝間隔の効果は、境界溝間隔自体の効果であるため、前述した溝14a、14bの配置の工夫、前述したガス導入孔15の配置(境界溝にガス導入孔15を接続する)、後述する溝14cを適宜組み合わせれば、各領域におけるガスの圧力をさらに効果的に制御しつつ、シールリング部分におけるパーティクルの堆積を効果的に抑制することができる。
図6(a)は、「傾き乖離率」により、境界溝間隔の効果を例示するためのグラフ図である。
図6(b)は、「傾き乖離率」を説明するためのグラフ図である。
図7は、図6(a)におけるH部の拡大図である。
第1領域の圧力と第2領域の圧力とが理想的に分断されていれば、第1領域と第2領域との間の第1境界における圧力分布は、図6(b)に示すように、直線上に分布(線形に変化)すると考えられる。そのため、解析により求められた領域間における圧力分布から算術的に傾きを計算し、これと理想的な傾きとの乖離率(傾き乖離率)を求めれば、境界溝間隔の効果を評価することができる。
図6(a)から分かるように、境界溝の溝端部間距離である境界溝間隔が0mmを超え60mm以下であれば、傾き乖離率はほぼ線形に増加する。境界溝間隔が60mmを超えれば傾き乖離率は指数関数的に増加する。このことは、境界溝間隔が60mm以下であれば、傾き乖離率の増加を抑制でき、ひいては、それぞれの領域における平均圧力が意図した圧力に近くなることを意味している。
またさらに、図7から分かるように、境界溝の溝端部間距離である境界溝間隔が0mmを超え20mm以下であれば、傾き乖離率をさらに線形に近づけることができる。このことは、境界溝間隔が20mm以下であれば、傾き乖離率の増加をさらに抑制でき、ひいては、それぞれの領域における平均圧力が意図した圧力にさらに近くなることを意味している。
図8は、第2溝(溝14a、14b)の数の効果を例示するためのグラフ図である。
図8から分かる様に、第2溝が第2領域に少なくとも2つ設けられていれば、乖離率を格段に小さくすることができる。すなわち、第1領域(領域101)と第2領域(領域102)との間の第1境界(境界102a)の圧力を、第1領域の圧力と第2領域の圧力の平均値に近づけることができる。そのため、各領域の圧力をより狙った圧力に保持しやすくなる。
本発明者らの得た知見によれば、境界溝占有率が領域内溝占有率よりも大きければ、図4に例示をした効果を得ることができる。すなわち、境界溝占有率が領域内溝占有率よりも大きければ、境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域を小さくすることができる。そのため、意図したガスの圧力となる領域を大きくすることができるので、対象物Wの温度を効果的に制御することができる。また、対象物Wの温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。
図9(a)は、ガス導入孔15の配置を例示するための模式断面図である。
図9(a)においては、X方向において、領域100aと領域100b1、領域100aと領域100b2がそれぞれ隣接している。また、X方向において領域100aと領域100b1、100b2との境界を挟んで2つの溝14a(境界溝)が設けられている。また、領域100aの内部、および領域100b1、100b2の内部には溝14b(領域内溝)が設けられている。領域100aにおいては、領域100b1側の溝14aにガス導入孔15が接続され、領域100b2側の溝14aにはガス導入孔15が接続されていない。領域100b1においては、領域100a側の溝14aにガス導入孔15が接続されている。領域100b2においては、領域100a側の溝14aにガス導入孔15が接続されている。すなわち、領域100aにおいては、一方の溝14aのみにガス導入孔15が接続されている。
また、領域100aに設けられた溝14aに供給されるガスの圧力をP1、領域100b1、100b2に設けられた溝14aに供給されるガスの圧力をP2としている。
図9(b)は、他の実施形態に係るガス導入孔15の配置を例示するための模式断面図である。
図9(b)においては、領域100aにおいて、領域100b1側の溝14a、および領域100b2側の溝14aにガス導入孔15が接続されている。
また、領域100aに設けられた溝14aに供給されるガスの圧力をP1、領域100b1、100b2に設けられた溝14aに供給されるガスの圧力をP2としている。
図10(a)、(b)は、領域100aの圧力、領域100b1、100b2の圧力、領域100aと領域100b1、100b2の境界の圧力をシミュレーションにより求めたグラフ図である。シミュレーションにおいては、セラミック誘電体基板11の第1主面11aの上方に、ドット13に支持された対象物Wがあるものとしている。
図10(a)は、図9(a)の場合である。
図10(b)は、図9(b)の場合である。
また、P1=3×P2とし、X方向における領域100aの寸法を50mmとしている。
図9(a)に示すように、領域100aの領域100b2側においては、溝14aにガス導入孔15が接続されていないので、図10(a)から分かるように、境界の近傍においてガスの圧力が変化する領域が大きくなる。そのため、意図したガスの圧力となる領域が小さくなる。
これに対して、領域100aの領域100b1側においては、溝14aにガス導入孔15が接続されているので、図10(a)から分かるように、境界の近傍においてガスの圧力が変化する領域が小さくなる。そのため、意図したガスの圧力となる領域を大きくすることができる。
また、図10(b)から分かるように、境界を挟んで設けられた2つの溝14aのそれぞれにガス導入孔15を接続すれば、意図したガスの圧力となる領域をさらに大きくすることができ、より好ましい。
前述したように、ガスの圧力により対象物Wの温度を制御することができる。そのため、意図したガスの圧力となる領域を大きくすることができれば、対象物Wの温度を効果的に制御することができる。また、対象物Wの温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。
以上に説明したように、ガス導入孔15は、溝14a(境界溝)に接続することが好ましい。また、ガス導入孔15は、境界を挟んで設けられた2つの溝14aのそれぞれに接続することがより好ましい。なお、図9(b)に示した例においては、領域100aに2つのガス導入孔15が設けられている。例えば、この2つのガス導入孔15はいずれも、ひとつのガス供給路53(図1参照)と連通されていてもよい。
また、境界を挟んで設けられた2つの溝14aのそれぞれにガス導入孔15を接続する場合には、一方の溝14aに接続されたガス導入孔15の中心と、他方の溝14aに接続されたガス導入孔15の中心とを結ぶ線と、当該境界とがなす角度は90°未満とすることができる。この場合、角度は、例えば、1.0°以上89°以下、好ましくは2.0°以上70°以下、より好ましくは3.0°以上60°以下とすることができる。
この様にすれば、境界溝同士をより近づけることが可能となり、ガスの圧力が変化する領域を小さくすることができる。そのため、意図したガスの圧力となる領域を大きくすることができる。
一方の溝14aに接続されたガス導入孔15の中心と、他方の溝14aに接続されたガス導入孔15の中心とを結ぶ線と、当該境界とがなす角度は90°とすることもできる。 この場合、角度は厳密な意味での90°のみならず、例えば、製造誤差程度の違いは許容される。
この様に、2つのガス導入孔15を対向位置に配置すれば、2つのガス導入孔15から供給された圧力の異なるガスが拮抗しあう。そのため、各領域の圧力をより狙った圧力に保持しやすくなる。
図11は、他の実施形態に係るセラミック誘電体基板11の模式平面図である。図11は、図2に記載さているセラミック誘電体基板11の模式平面図である。
図11に示すように、セラミック誘電体基板11の第1主面11aには、複数の溝14cをさらに設けることができる。溝14cの幅(溝の延在方向に対して略垂直な方向の寸法)は、例えば、0.1mm以上1mm以下とすることができる。溝14cの深さ(Z方向における寸法)は、例えば、50μm以上150μm以下とすることができる。
この例では、溝14cは、領域101、102、104のそれぞれに少なくとも1つ設けられている。溝14cは、1つの領域に設けられた複数の溝14a、14bを接続している。そのため、ガス導入孔15が接続された溝14aに供給されたガスは溝14aに沿って流れ、溝14cを介して溝14bや他の溝14aに供給される。溝14cが設けられていれば、ガスの流れを円滑にすることができるので、シールリングがない場合においても、領域に圧力分布が生じるのを抑制することができる。また、ドット13の頂部が摩耗して対象物Wと第1主面11aとの隙間が狭くなったとしても、溝14cを介して溝14bや他の溝14aにガスを供給することができる。
溝14cは、溝14a、溝14bとを連通させるように配置される。溝14cは、例えば、溝14a、14bと交差する方向に延びるものとすることができる。
例えば、図11に示すように、複数の溝14cは、セラミック誘電体基板11の中心を通る線上に設けることができる。なお、複数の溝14cは必ずしもセラミック誘電体基板11の中心を通る線上に設ける必要はない。また、直線状の溝14cを例示したが、溝14cが、溝14a、溝14bと連通可能な範囲において、曲線状の溝14cとしたり、直線状の部分と曲線状の部分を有する溝14cとしたりすることができる。複数の溝14cの数、配置、形状などは、対象物Wの大きさ、対象物Wにおける温度分布の要求仕様などに応じて適宜変更することができる。複数の溝14cの数、配置、形状などは、例えば、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
シールリングを設けない本発明の態様においては、領域内のガス圧力の応答性を高めるために工夫している。その一例として、溝14a、溝14bとを連通させる溝14cを設けることで、領域内のガス圧力を効果的に制御することができる。
また、第1主面11aと対象物Wとの間にはドット13の高さだけ隙間があるので、ガス導入孔15が接続された溝14aに供給されたガスは、当該隙間を介して溝14bや他の溝14aに供給される。ところが、ドット13の頂部が摩耗して対象物Wと第1主面11aとの間の隙間が狭くなると、各領域内におけるガスの流れが阻害されて、圧力分布が生じるおそれがある。溝14cが設けられていれば、ドット13の頂部が摩耗して対象物Wと第1主面11aとの間の隙間が狭くなったとしても、溝14cを介して溝14bや他の溝14aにガスを供給することができる。そのため、領域内の圧力が所定の圧力となるまでの時間を大幅に短縮したり、領域内に圧力分布が生じるのを抑制したりすることができる。
また、図11に示すように、領域101(第1領域)であって、領域101と領域102(第2領域)との間の境界102a(第1境界)に最も近接して設けられ、境界102aに沿って延びる溝14a(第1境界溝)に、ガスを供給可能なガス導入孔15(第1ガス導入孔)を少なくとも2つ設けることができる。
近年、半導体集積回路の高密度化がさらに進み、更なる微細加工を達成するために、プラズマ密度も高密度化している。この高密度プラズマ下でのアーキングを抑制するために、ガス導入孔15の孔径を小さくすると、製造ばらつき等により個々のガス導入孔15において個体差が生じる恐れがある。本実施の形態によれば、各ガス導入孔15の孔径のばらつきの影響を抑え、且つ、境界102aに沿って延びる溝14aに、より確実に所定流量のガスを供給することができる。
また、図11に示すように、領域102であって、境界102aに最も近接して設けられ、境界102aに沿って延びる溝14a(第2境界溝)に、ガスを供給可能なガス導入孔15(第2ガス導入孔)を少なくとも2つ設けることができる。なお、図11に示した例では、3つのガス導入孔15が設けられている。
この様にすれば、前述したものと同様に、各ガス導入孔15の孔径のばらつきの影響を抑え、且つ、境界102aに沿って延びる溝14aに、より確実にガスを供給することができる。
次に、溝14cの効果についてさらに説明する。
図12(a)は、比較例に係る溝14の配置を例示するための模式平面図である。
図12(a)においては、複数の溝14が基板110の表面に設けられている。複数の溝14は環状を呈し、基板110の中心110aを中心として同心状に等間隔で設けられている。なお、図12(a)においては、溝14cが設けられていない。
図12(b)は、溝14と溝14cの配置を例示するための模式平面図である。
図12(b)においては、複数の溝14と、この複数の溝14同士の少なくとも一部を連通させる複数の溝14cが設けられている。この例では、溝14cは、基板110の中心110aを通る線上に設けられている。複数の溝14は、溝14cを介して互いに接続されている。
図13は、基板110の中心110aにおける圧力変化を例示するためのグラフ図である。図13は、基板110の中心110aにおける圧力変化をシミュレーションにより求めたグラフ図である。シミュレーションにおいては、基板110の上方に、ドット13に支持された対象物Wがあるものとしている。
図13中のEは、図12(a)に例示をした複数の溝14が設けられた場合である。
図13中のFは、図12(b)に例示をした複数の溝14と複数の溝14cが設けられた場合である。
図13からかるように、図12(a)に例示をしたものの場合(Eの場合)には、所定の圧力(20Torr)の95%の圧力までしか上昇させることができなかった。このことは、領域内に圧力分布が発生し得ることを意味する。
図12(b)に例示をしたものの場合(Fの場合)には、所定の圧力(20Torr)にまで上昇させることができた。このことは、領域内に圧力分布が発生するのを抑制することができることを意味する。
また、Fの場合において、所定の圧力まで上昇させるのに必要な時間T1は、Eの場合において、所定の圧力の95%の圧力まで上昇させるのに必要な時間T2よりも短くなった。このことは、領域内の圧力が所定の圧力となるまでの時間を大幅に短縮できること、言い換えると、ガス制御ひいては温度制御の応答性を高めることができることを意味する。
前述したように、ガス導入孔15は、境界101a〜103aを挟んで設けられた2つの溝14aの少なくともいずれかに接続されていることが好ましい。
例えば、図11に例示をしたように、第1主面11aの内側の領域101、102、104においては、それぞれの領域において最も外側に設けられた溝14aにガス導入孔15を接続することができる。第1主面11aの最も外側の領域103においては、最も内側に設けられた溝14aにガス導入孔15を接続することができる。
それぞれの領域に設けられるガス導入孔15の数や配置などは、対象物Wの大きさ、対象物Wにおける温度分布の要求仕様などに応じて適宜変更することができる。例えば、図11に例示をしたように、1つの領域に3つのガス導入孔15を等間隔に設けることができる。この場合、領域103に設けられた複数のガス導入孔15のうちの少なくとも1つと、領域102に設けられたガス導入孔15とが、第1主面11aの中心を通る線上に設けられるようにすることができる。
以上は、境界の近傍において、ガスの圧力が変化する領域を小さくする場合であるが、領域に設けられた溝14a、14cにガスを供給することを考慮すると、ガス導入孔15は、溝14aと溝14cが交差する位置、またはその近傍に設けることが好ましい。例えば、Z方向に垂直な平面に投影したときに、溝14aと溝14cとが接続された部分において、ガス導入孔15の少なくとも一部が、溝14aおよび溝14cの少なくともいずれかと重なるようにすることができる。この様にすれば、溝14aに供給されたガスを溝14c側に流出させるのが容易となる。そのため、前述した溝14cの効果を得るのが容易となる。
図14(a)〜(c)は、溝14cの形態を例示するための模式図である。
図14(b)は、図14(a)におけるE部の拡大図である。
図14(c)は、図14(a)におけるF部の拡大図である。
図14(b)に示すように、溝14cは、例えば、セラミック誘電体基板11の中心から外周へ向けて引いた線と重なるように設けることができる。この場合、溝14aと溝14cとが接続された部分において、溝14aの接線と溝14cとがなす角度は90°とすることができる。
また、図14(c)に示すように、溝14cは、例えば、セラミック誘電体基板11の中心から外周へ向けて引いた線と重ならないようにしてもよい。この場合、溝14aと溝14cとが接続された部分において、溝14aの接線と溝14cとがなす角度は90°とはならない。
図15は、他の実施形態に係るセラミック誘電体基板11の模式平面図である。
図9および図11に例示をしたものの場合には、第1主面11aを同心円状に複数の領域101〜104に分割している。これに対し、図15に例示をしたものの場合には、第1主面11aを互いに密着した複数の領域105に分割している。複数の領域105は、並べて設けることができる。複数の領域105の外形形状には特に限定はないが、互いに密着することができる形状とすることが好ましい。複数の領域105は、例えば、三角形や四角形などの多角形とすることができる。図15に例示をした領域105の外形形状は、正六角形である。複数の領域105の外形形状、数、配置などは、対象物Wの大きさ、対象物Wにおける温度分布の要求仕様などに応じて適宜変更することができる。複数の領域105の外形形状、数、配置などは、例えば、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
溝14aは、領域105の境界105aに沿って設けられている。溝14aは、境界105aを挟んで両側に設けられている。溝14bは、領域105内に少なくとも1つ設けられている。溝14bは、溝14aと同心に設けることができる。1つの領域に設けられる溝14bの数や位置などは、対象物Wの大きさ、対象物Wにおける温度分布の要求仕様などに応じて適宜変更することができる。1つの領域に設けられる溝14bの数や位置などは、例えば、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
その他、前述したものと同様に、溝14c、ガス導入孔15、ドット13、リフトピン孔16、アウターシール17などを設けることができる。
(処理装置)
図16は、本実施の形態に係る処理装置200を例示するための模式図である。
図16に示すように、処理装置200には、静電チャック1、電源210、媒体供給部220、および供給部230を設けることができる。
電源210は、静電チャック1に設けられた電極12と電気的に接続されている。電源210は、例えば、直流電源とすることができる。電源210は、電極12に所定の電圧を印加する。また、電源210には、電圧の印加と、電圧の印加の停止とを切り替えるスイッチを設けることもできる。
媒体供給部220は、入力路51および出力路52に接続されている。媒体供給部220は、例えば、冷却媒体または保温媒体となる液体の供給を行うものとすることができる。
媒体供給部220は、例えば、収納部221、制御弁222、および排出部223を有する。
収納部221は、例えば、液体を収納するタンクや工場配管などとすることができる。また、収納部221には、液体の温度を制御する冷却装置や加熱装置を設けることができる。収納部221には、液体を送り出すためのポンプなどを備えることもできる。
制御弁222は、入力路51と収納部221の間に接続されている。制御弁222は、液体の流量および圧力の少なくともいずれかを制御することができる。また、制御弁222は、液体の供給と供給の停止とを切り替えるものとすることもできる。
排出部223は、出力路52に接続されている。排出部223は、出力路52から排出された液体を回収するタンクやドレイン配管などとすることができる。なお、排出部223は必ずしも必要ではなく、出力路52から排出された液体が収納部221に供給されるようにしてもよい。この様にすれば、冷却媒体または保温媒体を循環させることができるので省資源化を図ることができる。
供給部230は、ガス供給部231、およびガス制御部232を有する。
ガス供給部231は、ヘリウムなどのガスを収納した高圧ボンベや工場配管などとすることができる。なお、1つのガス供給部231が設けられる場合を例示したが、複数のガス供給部231が設けられるようにしてもよい。
ガス制御部232は、複数のガス供給路53とガス供給部231との間に接続されている。ガス制御部232は、ガスの流量および圧力の少なくともいずれかを制御することができる。また、ガス制御部232は、ガスの供給と供給の停止とを切り替える機能をさらに有するものとすることもできる。ガス制御部232は、例えば、マスフローコントローラやマスフローメータなどとすることができる。
図16に示すように、ガス制御部232は、複数設けることができる。例えば、ガス制御部232は、複数の領域101〜104毎に設けることができる。この様にすれば、供給するガスの制御を複数の領域101〜104毎に行うことができる。この場合、複数のガス供給路53毎にガス制御部232を設けることもできる。この様にすれば、複数の領域101〜104におけるガスの制御をより精密に行うことができる。なお、複数のガス制御部232が設けられる場合を例示したが、ガス制御部232が複数の供給系におけるガスの供給を独立に制御可能であれば1台であってもよい。
ここで、対象物Wを保持する手段には、バキュームチャックやメカニカルチャックなどがある。しかしながら、バキュームチャックは大気圧よりも減圧された環境においては用いることができない。また、メカニカルチャックを用いると対象物Wが損傷したり、パーティクルが発生したりするおそれがある。そのため、例えば、半導体製造プロセスなどに用いられる処理装置には静電チャックが用いられている。
この様な処理装置においては、処理空間を外部の環境から隔離する必要がある。そのため、処理装置200は、チャンバ240をさらに備えることができる。チャンバ240は、例えば、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有するものとすることができる。
また、処理装置200は、複数のリフトピンと、複数のリフトピンを昇降させる駆動装置を備えることができる。対象物Wを搬送装置から受け取ったり、対象物Wを搬送装置に受け渡したりする際には、リフトピンが駆動装置により上昇し第1主面11aから突出する。搬送装置から受け取った対象物Wを第1主面11aに載置する際には、リフトピンが駆動装置により下降しセラミック誘電体基板11の内部に収納される。
また、処理装置200には、処理の内容に応じて各種の装置を設けることができる。例えば、チャンバ240の内部を排気する真空ポンプなどを設けることができる。チャンバ240の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生装置を設けることができる。チャンバ240の内部にプロセスガスを供給するプロセスガス供給部を設けることができる。チャンバ240の内部において対象物Wやプロセスガスを加熱するヒータを設けることもできる。なお、処理装置200に設けられる装置は例示をしたものに限定されるわけではない。処理装置200に設けられる装置には既知の技術を適用することができるので詳細な説明は省略する。
以上に説明したように、本実施の形態に係る処理装置200は、前述した静電チャック1と、静電チャック1に設けられた第1ガス導入孔(ガス導入孔15)と第2ガス導入孔(ガス導入孔15)とに供給されるガスを独立に制御可能なガス制御部(ガス制御部232)と、を備えている。本実施の形態に係る処理装置200とすれば、各領域におけるガスの圧力が適切なものとなるようにすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。例えば、静電チャック1として、クーロン力を用いる構成を例示したが、ジョンソン・ラーベック力を用いる構成であってもよい。また、前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 静電チャック、11 セラミック誘電体基板、11a 第1主面、11b 第2主面、12 電極、13 ドット、14a〜14c 溝、15 ガス導入孔、16 リフトピン孔、17 アウターシール、50 ベースプレート、51 入力路、52 出力路、53 ガス供給路、70 第2多孔質部、90 第1多孔質部、101〜104 領域、101a〜103a 境界、200 処理装置、231 ガス供給部、232 ガス制御部、W 対象物

Claims (11)

  1. ベースプレートと、
    前記ベースプレートの上に設けられ、外部に露出する第1主面を有するセラミック誘電体基板と、
    を備え、
    前記第1主面は、少なくとも、第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、を含み、
    前記第1主面の前記第1領域には、複数の第1溝と、前記複数の第1溝の少なくとも1つと接続された少なくとも1つの第1ガス導入孔と、が設けられ、
    前記複数の第1溝は、
    前記第1領域と前記第2領域との間の第1境界に最も近接して設けられ、前記第1境界に沿って延びる第1境界溝と、
    前記第1境界溝とは異なる少なくとも1つの第1領域内溝と、を含み、
    前記第1主面の前記第2領域には、複数の第2溝と、前記複数の第2溝の少なくとも1つと接続された少なくとも1つの第2ガス導入孔と、が設けられ、
    前記複数の第2溝は、前記第1境界に最も近接して設けられ、前記第1境界に沿って延びる第2境界溝を含み、
    前記第1境界溝と前記第2境界溝との間の溝端部間距離は、前記第1境界溝と、前記第1境界溝に隣接する前記第1領域内溝との間の溝端部間距離よりも小さいことを特徴とする静電チャック。
  2. 前記第1境界溝と前記第2境界溝との間の溝端部間距離は、前記第1領域内溝同士の間の溝端部間距離よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の静電チャック。
  3. 前記ベースプレートから前記セラミック誘電体基板へ向かう第1方向に垂直な平面に投影したときに、前記第1ガス導入孔の少なくとも一部が、前記第1境界溝と重なることを特徴とする請求項1または2に記載の静電チャック。
  4. 前記ベースプレートから前記セラミック誘電体基板へ向かう第1方向に垂直な平面に投影したときに、前記第2ガス導入孔の少なくとも一部が、前記第2境界溝と重なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電チャック。
  5. 前記第1ガス導入孔の中心と前記第2ガス導入孔の中心とを結ぶ線と、前記第1境界とがなす角度は90°未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電チャック。
  6. 前記第1ガス導入孔の中心と前記第2ガス導入孔の中心とを結ぶ線と、前記第1境界とがなす角度は90°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電チャック。
  7. 前記第1主面に設けられたリフトピン孔をさらに備え、
    前記リフトピン孔と前記第1境界溝との間の距離は、前記リフトピン孔と、前記リフトピン孔に最も近い前記第1領域内溝との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の静電チャック。
  8. 前記第1主面は、少なくとも、前記第1領域と、前記第1領域の外側に位置する前記第2領域と、前記第2領域の外側に位置し前記第2領域に隣接する第3領域と、を含み、
    前記複数の第2溝は、前記第2領域と前記第3領域との間の第2境界に最も近接して設けられ、前記第2境界に沿って延びる第2外側境界溝を含み、
    前記第3領域には、前記第2境界に隣接して設けられ、前記第2境界に沿って延びる第3境界溝が設けられ、
    前記第2外側境界溝と前記第3境界溝との間の溝端部間距離は、前記第1境界溝と前記第2境界溝との間の溝端部間距離よりも大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の静電チャック。
  9. 前記第1主面の周縁を囲むように設けられ、少なくとも一部が吸着の対象物と接触可能なアウターシールをさらに備え、
    前記ベースプレートから前記セラミック誘電体基板へ向かう第1方向に直交する第2の方向において、
    前記第2境界と前記アウターシールとの間の距離は、前記第1境界と前記第2境界との間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項8記載の静電チャック。
  10. 前記第1ガス導入孔は、前記第1境界溝にガスを供給可能に設けられており、前記第1ガス導入孔は少なくとも2つ設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の静電チャック。
  11. 前記第2ガス導入孔は、前記第2境界溝にガスを供給可能に設けられており、前記第2ガス導入孔は少なくとも2つ設けられていることを特徴とする請求項10記載の静電チャック。
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