JP6930907B2 - タイヤ - Google Patents
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Description
これにより、タイヤにおいて、波状突起が形成されているパターン領域を有する装飾部の表現の幅を広げることができる。
本発明の第1実施形態に係るタイヤの一例について図1から図6に従って説明する。なお、図中に示す矢印Cは、タイヤ周方向を示し、矢印Rは、タイヤ径方向を示し、矢印Wは、タイヤ幅方向を示す。
また、タイヤサイド部12において装飾部14以外の領域で、突起等が形成されていない他の領域18に対して凹んだベース面16が、装飾部14に形成されている。このベース面16は、装飾部14の底面を構成すると共にタイヤ周方向から見て、タイヤ10の幅方向の外側に凸を成す湾曲面状とされている。本実施形態では、ベース面16は、他の領域18に対して0.4〔mm〕凹んでいる。
本実施形態の要部の構成を、図2から図6に従って説明する。
パターン領域20は、図3及び4に示すように、装飾部14のベース面16から突出するとともに、ベース面16に沿って延び、ベース面16の側を形成する基部32と、ベース面16から該ベース面に直交する方向に突出して先端の側を形成する先端部34とを含んで構成される突起30と、を備える。
また、パターン領域20は、図3に示すように、突起30が隣り合う形態で複数形成され、互いに隣り合う突起30の基部32の側が、突起30の長さの方向から見て、互いに重なる状態に形成されている。
それぞれの領域Pには、領域Pの範囲内において、互いに隣り合う複数の突起30がそれぞれ平行に形成されている。
これにより、パターン領域20は、領域Pにより区画され、それぞれの領域Pは、タイヤの中心軸CEを基準に、タイヤの径方向Rに放射状に配置されている。
突起30は、図3から図5に示すように、後述する、基部32と、先端部34と、第一壁部36と、第二壁部38と、を含んで構成されている。
また、突起30は、ベース面16に沿う突起の長さの方向から見て、基部32の側が広く、かつ、先端部34の側が狭い形状を有する。
また、基部32と先端部34とを結ぶ、第一壁部36と、第二壁部38と、を備える。
この突起30は、図3に示すように、ベース面16に沿って、本実施形態では、タイヤの径方向Rに向けて、複数が互いに隣り合って平行に配置されている。
基部32は、図4に示すように、突起30のベース面16の側を構成し、突起30の長さの方向から見て、後述する先端部34よりも広く形成されている。
また、ベース面16に直交する方向、すなわち、タイヤの幅方向Wから見て、基部32の側が波状に形成されている。
先端部は、図3、4に示すように、突起30がベース面16から突出する先端の側を構成し、タイヤの径方向Rに向けて直線状に形成され、基部32と、後述する第一壁部36と第二壁部38とをつないでいる。
第一壁部36は、基部32の一方の端部32Aと先端部34に向かって延在して面状に形成されている。
また、第一壁部36は、ベース面16に直交する方向、すなわち、タイヤの幅方向Wから見て、波状に形成されている。
この波状の第一壁部36は、先端部34を基準として、基部32に向けて張り出す山部36Aと、基部32に向けて山部36Aよりへこんでいる谷部36Bと、を含んで構成されている。
具体的には、図5に示すように、山部36Aと谷部36Bは、線LBの方向に振幅を有して、突起30の長さの方向に周期的に連続している。ここで、線LBは、第一壁部36において隣り合う谷部36Bを結ぶ線LAに直交する線である。
第二壁部38は、基部32の他方の端部32Bと先端部34に向かって延在して面状に形成されている。
また、第二壁部38は、ベース面16に直交する方向、すなわち、タイヤの幅方向Wから見て、波状に形成されている。
この波状の第二壁部38は、先端部34を基準として、基部32に向けて張り出す山部38Aと、基部32に向けて山部38Aよりへこんでいる谷部38Bと、を含んで構成されている。
具体的には、図5に示すように、山部38Aと谷部38Bは、第一壁部38において隣り合う谷部38Bを結ぶ線LAに直交する線LBの方向に、振幅を有して突起30の長さの方向に周期的に連続している。
上記のとおりの構成を有する突起30は、パターン領域20内において隣り合って形成されているが、隣り合う突起同士の配置関係について説明する。
本実施形態では、一方の突起30と他方の突起30とは、溝部40によって隔てられて配置されている。
同様に、一方の突起30の第二壁部38の谷部38Bと、他方の突起30の第一壁部36の山部36Aとが、対向する状態で配置されている。
具体的には、一方の突起30の第二壁部38と他方の突起30の第一壁部36は、突起30の長さの方向、すなわち、タイヤの径方向Rに対して、溝部40を挟んで、同じ位相で、例えば同一周期で対向している。
具体的には、図5に示すように、他方の突起30の山部36Aが、一方の突起30の周期的に配置されている山部38A同士を結ぶ線LCを越えて、一方の突起30の谷部38Bの側に入り込んで、重なり部42が形成される。
具体的には、隣り合う突起30における重なり部42の高さは、突起30の突出高さL1の2分の1から3分の1程度であり、この高さは、突起30の突出高さL1と、互いに隣り合う突起30のピッチL2と、に依存する。
換言すれば、この重なり部42の一定の幅と一定の高さは、予め定められた幅と予め定められた高さとして設定し、該幅と高さが確保されるように、突起30の突出高さL1と、互いに隣り合う突起30のピッチL2と、を決定してもよい。
そして、装飾部14に、タイヤの回転方向Cに連続して、複数のパターン領域20が形成されている。
また、好ましくは、突起30の突出高さL1は0.2以上0.8以下であり、互いに隣り合う突起30のピッチL2は、0.2mm以上0.8mm以下である。
突起30の突出高さL1が、0.1mm未満であると、制作が困難となり、1.0mmを超えると、突起30の倒れや破断が生じる可能性が大きくなり、好ましくない。
また、互いに隣り合う突起30のピッチL2が、0.1mm未満であると制作が困難となり、1.0mmを超えると、第一壁部36及び第二壁部38の傾斜が緩やかになり、光が反射して明度を低く維持できなくなって、好ましくない。
次に、本実施形態に係るタイヤの作用効果について説明する。
これに対し、本実施形態では、装飾部14において、パターン領域20に入射する光の一部は、図5、6に示す重なり部42によって遮られ、突起30の長さの方向、すなわち、タイヤの径方向Rに対して、通過することができない。
すなわち、装飾部14の明度は、突起30が形成されていない他の領域18の明度よりも低い状態となる。
これにより、タイヤ10において、突起30が形成されているパターン領域20を有する装飾部14の表現の幅を広げることができる。
また、衝突した光の他の一部は、第一壁部36の山部36A及び第二壁部38の山部38Aの間で反射して減衰されるので、重なり部42の光の遮断機能に加え、装飾部14の明度をより低下させる機能を有する。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るタイヤの一例について、図7を用いて説明する。
なお、第2実施形態については、第1実施形態と共通する部分については共通の符号を用い、異なる部分について主に説明する。
これによっても、重なり部42を形成することができ、また、第一壁部36の山部36A及び第二壁部38の山部38Aの対向する角度を小さくすることができるため、山部36Aと山部38Aとの間で反射する光を減衰させることができる。
これにより、タイヤ10において、突起30が形成されているパターン領域20を有する装飾部14の表現の幅を広げることができる。
本第1実施形態又は第2実施形態における変形例について、図8に基づいて説明する。なお、変形例については、第1実施形態及び第2実施形態と共通する部分については同一の符号を用い、異なる部分について主に説明する。
一例として、図8に示すように、パターン領域20Aが形成される領域P内において、突起30の長さの方向が、互いに交差して形成されている。
これは、図8に示すように、ひとつの領域Pの範囲内において、格子状に4つの区分に分けられ、それぞれに形成される突起30の長さの方向が、互いに交差するものである。
例えば、領域P内を格子状に区分したが、区分する形状は他の形状としてもよい。
また、領域P内を区分せずに、隣り合うパターン領域20Aに形成される突起30が互いに交差していてもよい。
このようにしても、タイヤ10において、突起30が形成されているパターン領域20Aを有する装飾部14の表現の幅を広げることができる。
このため、パターン領域に入射した光は突起の長さの方向に通過しないから、光が突起の長さの方向に通過するものと比べて、装飾部における明度が装飾部以外の明度よりも低くすることができる。
また、タイヤにおいて、突起が形成されているパターン領域を有する装飾部の表現の幅を広げることができる。
Claims (4)
- タイヤ外面に形成され、ベース面を有する装飾部と、
前記装飾部の前記ベース面から突出するとともに、前記ベース面に沿って波状に延び、前記ベース面の側を形成する基部と、直線状に延び、前記突出する先端の側を形成する先端部とを含んで構成される波状突起と、を備え、
前記装飾部は、前記波状突起が隣り合う形態で複数形成され、互いに隣り合う前記波状突起の少なくとも一部が、前記波状突起の長さの方向から見て、互いに重なる重なり部が形成されるパターン領域を備え、
前記パターン領域における前記波状突起は、前記ベース面から0.1mm以上1.0mm以下の突出高さで突出するとともに、前記隣り合う前記波状突起のピッチは、0.1mm以上1.0mm以下とされている、
タイヤ。 - 前記波状突起は、前記波状突起の長さの方向から見て、前記基部の側が広く、かつ、前記先端部の側が狭い形状を有するとともに、前記基部の一方の端部と前記先端部とを結ぶ第一壁部と、前記基部の他方の端部と前記先端部とを結ぶ第二壁部と、を備え、
前記隣り合う前記波状突起は、一方の前記波状突起の第一壁部と、他方の前記波状突起の第二壁部とが、前記ベース面に直交する方向から見て、前記長さの方向に向けて、前記基部の側が相互に対向して波状に沿う状態で形成されている、
請求項1に記載のタイヤ。 - 前記パターン領域は、前記装飾部に複数形成されている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 複数の前記パターン領域は、隣り合う前記パターン領域のそれぞれ、又は、ひとつの前記パターン領域の内部において、前記波状突起の前記長さの方向が、互いに交差して形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤ。
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