JP6930000B1 - コンクリート補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ひび割れの幅に応じた、補修材をある程度の深さまで浸透させて、コンクリート構造物の隙間を埋めるように充填することができるコンクリート補修方法を提供する。【解決手段】 コンクリート補修方法は、ひび割れ3の幅が、1mm以上である場合には、ひび割れ3に樹脂材料からなる補修材91を注入する補修材注入ステップと、補修材91を注入したひび割れ3に、粒状の補助材92を散布する補助材散布ステップと、を繰り返し、ひび割れ3の幅が、1mm未満である場合には、ひび割れ3に補修材91を注入する補修材注入ステップのみを行う。【選択図】図2
Description
本発明は、コンクリート構造物のひび割れを補修するコンクリート補修方法に関するものである。
従来、コンクリート構造物のひび割れに対して、補修材を注入して補修することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、コンクリート床面に生じた陥没や亀裂などの欠陥箇所を補修する場合、欠陥箇所に対し無発泡性ウレタン樹脂を注入して補修を行うことが開示されている。
しかしながら、特許文献1の構成は、ひび割れの幅が異なっても、補修材の注入方法が同じとなるため、ひび割れの幅に応じて、補修材をある程度の深さまで浸透させて、コンクリート構造物の隙間を埋めるように充填することができない、という問題がある。
そこで、本発明は、ひび割れの幅に応じて、補修材をある程度の深さまで浸透させて、コンクリート構造物の隙間を埋めるように充填することができるコンクリート補修方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のコンクリート補修方法は、コンクリート構造物のひび割れを補修するコンクリート補修方法であって、前記ひび割れの幅が、1mm以上である場合には、前記ひび割れに樹脂材料からなる補修材を注入する補修材注入ステップと、前記補修材を注入した前記ひび割れに、粒状の補助材を散布する補助材散布ステップと、を繰り返し、前記ひび割れの幅が、1mm未満である場合には、前記ひび割れに前記補修材を注入する補修材注入ステップのみを行うことを特徴とする。
ここで、本発明のコンクリート補修方法では、前記補修材は、粘度が25℃で15mPa・s以下の非発泡性ポリウレタン樹脂であってもよい。
また、本発明のコンクリート補修方法では、前記補助材の粒径は、前記ひび割れの幅の1/2以下の大きさであってもよい。
また、本発明のコンクリート補修方法では、前記補修材注入ステップの前に、前記ひび割れ内を吸引して前記ひび割れに詰まった異物を除去するように清掃する清掃ステップを有してもよい。
さらに、本発明のコンクリート補修方法では、前記補修材注入ステップの前に、前記ひび割れ内を乾燥させる乾燥ステップを有してもよい。
このように構成された本発明のコンクリート補修方法は、ひび割れの幅が、1mm以上である場合には、ひび割れに樹脂材料からなる補修材を注入する補修材注入ステップと、補修材を注入したひび割れに、粒状の補助材を散布する補助材散布ステップと、を繰り返し、ひび割れの幅が、1mm未満である場合には、ひび割れに補修材を注入する補修材注入ステップのみを行う。そのため、ひび割れの幅が、1mm以上である場合には、コンクリート構造物のひび割れに注入してある程度流下させた補修材に、補助材を添加することで流下を堰き止めて、コンクリート構造物の隙間を埋めるように充填することができる。一方、ひび割れの幅が、1mm未満である場合には、補修材をコンクリート構造物のひび割れに注入するだけで、コンクリート構造物の隙間を埋めるように充填することができる。その結果、ひび割れの幅に応じて、補修材をある程度の深さまで浸透させて、コンクリート構造物の隙間を埋めるように充填することができる。
また、本発明のコンクリート補修方法では、補修材は、粘度が25℃で15mPa・s以下の非発泡性ポリウレタン樹脂とすることで、コンクリート構造物のひび割れに注入した補修材を極めて低粘度にして、自然流下させることができる。そのため、高圧注入するためのコンプレッサー等の大型の機械の使用や、シール材の設置等をすることなく、補修材をコンクリート構造物のひび割れに自然流下させることができる。
また、本発明のコンクリート補修方法では、補助材の粒径は、ひび割れの幅の1/2以下の大きさとすることで、補修材の粘度を向上させつつ、補修材の補修機能を維持することができる。
また、本発明のコンクリート補修方法では、補修材注入ステップの前に、ひび割れ内を吸引してひび割れに詰まった異物を除去するように清掃する清掃ステップを有することができる。そのため、ひび割れに詰まった異物を清掃することができる。その結果、コンクリート構造物のひび割れに補修材を自然流下させやすくすることができる。
また、本発明のコンクリート補修方法では、補修材注入ステップの前に、ひび割れ内を乾燥させる乾燥ステップを有することができる。そのため、ひび割れの隙間に溜まった水等を乾燥させることができる。その結果、ひび割れの隙間に溜まった水等によって、補修材がひび割れ内に行き渡らないような事態を防止することができる。また、ひび割れの隙間に溜まった水等による、補修材の接着不良を防止することができる。
以下、本発明によるコンクリート補修方法を実現する実施形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1のコンクリート補修方法は、コンクリート舗装のひび割れを補修する補修工事に使用される。
[コンクリート舗装]
図1は、実施例1のコンクリート補修方法が使用されるコンクリート舗装を示す断面図である。以下、図1に基づいて、実施例1のコンクリート舗装を説明する。
図1は、実施例1のコンクリート補修方法が使用されるコンクリート舗装を示す断面図である。以下、図1に基づいて、実施例1のコンクリート舗装を説明する。
図1に示すように、コンクリート舗装には、板状のコンクリート構造物となるコンクリート板1が路盤2の上に敷き詰められている。鉄筋コンクリートによって構築されたコンクリート板1には、経年劣化等により、一本の線状のひび割れ3が形成されている。
[コンクリート補修方法]
図2は、実施例1のコンクリート補修方法を示すフローチャートである。以下、実施例1のコンクリート補修方法を説明する。
図2は、実施例1のコンクリート補修方法を示すフローチャートである。以下、実施例1のコンクリート補修方法を説明する。
図2に示すように、作業者は、対象となるひび割れ3が実施例1のコンクリート補修方法の補修対象であることを確認する(ステップS101)。次いで、作業者は、ひび割れ3内が乾燥した状態であるか否かを判断する(ステップS102)。ひび割れ3内が乾燥した状態であると判断した場合(ステップS102でYES)、ステップS103に進む。
一方、ひび割れ3内が乾燥した状態でないと判断した場合(ステップS102でNO)、ひび割れ3内を乾燥させ(ステップS110)、ステップS102に戻る。ひび割れ3内を乾燥させるステップS110は、乾燥ステップを構成する。なお、乾燥ステップについては、後述する。
ステップS103に進むと、作業者は、ひび割れ3内に、小石やゴミ等の異物が詰まっているか否かを判断する(ステップS103)。ひび割れ3内に異物が詰まっていないと判断した場合(ステップS103でNO)、ステップS104に進む。
一方、ひび割れ3内に異物が詰まっていると判断した場合(ステップS103でYES)、ひび割れ3内を吸引して、ひび割れ3に詰まった異物を除去する清掃をし(ステップS111)、ステップS103に戻る。ひび割れ3内を吸引して、ひび割れ3に詰まった異物を除去する清掃をするステップS111は、清掃ステップを構成する。なお、清掃ステップについては、後述する。
ステップS104に進むと、作業者は、ひび割れ3の幅が1mm未満であるか否かを判断する(ステップS104)。作業者は、例えば、スケールをひび割れ3にあてて、ひび割れ3の幅を計測することができる。
ひび割れ3の幅が1mm未満であると判断した場合(ステップS104でYES)、作業者は、ひび割れ3に樹脂材料からなる補修材を注入する(ステップS105)。ひび割れ3に樹脂材料からなる補修材を注入するステップS105は、補修材注入ステップを構成する。なお、補修材注入ステップについては、後述する。
一方、ひび割れ3の幅が1mm以上であると判断した場合(ステップS104でNO)、ステップS112に進む。
次いで、作業者は、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで補修材が充填されたか否かを判断する(ステップS106)。ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで、補修材が充填されたと判断した場合(ステップS106でYES)、ステップS107に進む。一方、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで補修材が充填されていないと判断した場合(ステップS106でNO)、ステップS105に戻る。
ステップS107に進むと、作業者は、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面の余分な補修材を除去して整形する(ステップS107)。具体的には、作業者は、例えば、スクレイパー等を使用して、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面の余分な補修材を除去することができる。
次いで、作業者は、補修材の注入を実施したひび割れ3を養生して、硬化確認を行う(ステップS108)。次いで、作業者は、ひび割れ3に注入された補修材の硬化状況から、交通開放可能であるか否かを判断する(ステップS109)。
交通開放可能であると判断した場合(ステップS109でYES)、交通開放を実施して、作業を終了する。一方、交通開放可能でないと判断した場合(ステップS109でNO)、ステップS108に戻る。
ステップS112に進むと、作業者は、所定の粒径の補助材を選択する(ステップS112)。補助材は粒状であり、例えば、珪砂とすることができる。補助材の粒径は、ひび割れ3の幅の1/2以下の大きさとすることができる。
次いで、作業者は、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面から、樹脂材料からなる補修材を注入する(ステップS113)。ひび割れ3に樹脂材料からなる補修材を注入するステップS113は、補修材注入ステップを構成する。なお、補修材注入ステップについては、後述する。
次いで、作業者は、補修材を注入したひび割れ3に、粒状の補助材を散布する(ステップS114)。補修材を注入したひび割れ3に、粒状の補助材を散布するステップS114は、補助材散布ステップを構成する。なお、補助材散布ステップについては、後述する。
次いで、作業者は、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで補修材が充填されたか否かを判断する(ステップS115)。ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで補修材が充填されたと判断した場合(ステップS115でYES)、作業者は、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面の余分な補修材を除去して整形し(ステップS116)、ステップS108に進む。一方、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで補修材が充填されていないと判断した場合(ステップS115でNO)、ステップS113に戻る。すなわち、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで補修材が充填されるまで、補修材注入ステップと、補助材散布ステップと、を繰り返す。
(乾燥ステップ)
図3は、実施例1の乾燥ステップを説明するための斜視図である。以下、実施例1の乾燥ステップについて説明する。
図3は、実施例1の乾燥ステップを説明するための斜視図である。以下、実施例1の乾燥ステップについて説明する。
図3に示すように、乾燥ステップでは、作業者Mは、例えば、ヒートガン5を使用して、ひび割れ3内に、100℃程度の温風を送る。なお、乾燥ステップでは、自然乾燥を行ってもよい。
(清掃ステップ)
図4は、実施例1の清掃ステップを説明するための斜視図である。図5は、実施例1の異物除去装置を示す断面図である。以下、実施例1の清掃ステップについて説明する。
図4は、実施例1の清掃ステップを説明するための斜視図である。図5は、実施例1の異物除去装置を示す断面図である。以下、実施例1の清掃ステップについて説明する。
図4及び図5に示すように、清掃ステップでは、作業者Mは、例えば、異物除去装置10を使用して、ひび割れ3内の異物を除去することができる。
異物除去装置10は、異物除去部20と、加振機30と、吸引掃除機60と、台車50とを備える。
異物除去部20は、ベースプレート21と、シール材22とで構成される。ベースプレート21は、例えば、鋼材やステンレスなどの、汚れ除去作業で容易に変形や破損しないものを使用する。ベースプレート21は、円板状に形成されている。ベースプレート21には、貫通孔23が形成されている。
貫通孔23には、吸引掃除機60のホース62の吸引ノズル62aが差し込まれて取り付けられている。
シール材22は、例えば合成ゴム、発泡ゴムなどの、気密性が高く、弾性率が低く、弾性限界が高いものを使用する。シール材22は、ドーナツ状(円環状)に形成され、ベースプレート21の裏面に、例えば両面テープ等によって取り付けられている。
加振機30は、モータ31と、加振部32とを備えている。モータ31は、例えば、持ち運び可能なポータブル用の100[v]のバッテリーに接続され、加振部32を上下に移動させる。加振部32は、この上下の移動により、コンクリート板1に振動を伝える。
モータ31と加振部32とは、取付台41に取り付けられている。取付台41は、弾性体40を介して、ベースプレート21の表面側に取り付けられている。弾性体40は、例えば防震ゴムとすることができる。加振機30は、ひび割れ3の周囲を加振する。
台車50は、金属製のパイプで形成されている。台車50には、ベースプレート21と、吸引掃除機60の吸引掃除機本体61が取り付けられている。
台車50が直立した直立姿勢では、シール材22がコンクリート板1と当接する。台車50が後方傾斜した傾斜姿勢では、車輪51がコンクリート板1と当接する。
吸引掃除機60は、吸引掃除機本体61と、ホース62と、吸引ノズル62aとを備える。吸引掃除機本体61は、例えば持ち運び可能なポータブル用の100[v]のバッテリーに接続される。なお、バッテリーは、台車50に取り付けられてもよい。ホース62は、可撓性を有するものとすることができる。吸引ノズル62aは、ベースプレート21の貫通孔23に挿入して取り付けられている。
このように構成された異物除去装置10は、ベースプレート21がひび割れ3を跨ぐようにして、シール材22をコンクリート板1に当接させ、加振機30の電源をONにして、ひび割れ3の周囲を加振する。次いで、吸引掃除機60の電源をONにして、ひび割れ3の中の異物4を、貫通孔23を介して、吸引する。ひび割れ部3の中の異物4を十分に吸引し終えたら、吸引掃除機60と加振機30の電源をOFFにする。このようにして、ひび割れ部3の異物4を除去する。
(補修材注入ステップ・補助材散布ステップ)
図6は、実施例1の補修材注入ステップと補助材散布ステップを説明するための断面図であり、図6(a)と図6(c)は補修材注入ステップを示し、図6(b)は補助材散布ステップを示す。以下、実施例1の補修材注入ステップと補助材散布ステップについて説明する。
図6は、実施例1の補修材注入ステップと補助材散布ステップを説明するための断面図であり、図6(a)と図6(c)は補修材注入ステップを示し、図6(b)は補助材散布ステップを示す。以下、実施例1の補修材注入ステップと補助材散布ステップについて説明する。
図6(a)に示すように、補修材注入ステップでは、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面から、樹脂材料からなる補修材91を、専用ガン81によって注入する。補修材91は、粘度が25℃で15mPa・s以下の非発泡性ポリウレタン樹脂とすることができる。
補修材91は、主剤と硬化剤からなる2液を混合するタイプのものを使用することもできる。この場合、補修材91のうち混合前の主剤の粘度を9〜10mPa・sとすることができる。さらに、補修材91のうち混合前の硬化剤の粘度を13〜14mPa・sとすることができる。そして、補修材91の2液混合直後の補修材の粘度を11mPa・sとすることができる。
専用ガン81には、二液式カートリッジがセットされ、二液式カートリッジの先端にスタティックミキサーが取り付けられている。専用ガン81によって、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面から注入された補修材91は、自然流下してひび割れ3内の底まで到達するようになっている。
図6(b)に示すように、補助材散布ステップでは、補修材91を注入したひび割れ3に粒状の補助材92を散布する。補助材92は、容器82に入れて、散布することができる。補助材92は、粒状であり、例えば、珪砂とすることができる。補助材92の粒径は、ひび割れ3の幅の1/2以下の大きさとすることができる。
図6(c)に示すように、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで、補修材91が充填されていない場合に、さらに、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面から、樹脂材料からなる補修材91を、専用ガン81によって注入する。
(補修工事後のコンクリート板)
図7は、実施例1のコンクリート補修方法によって補修されたコンクリート板1を示す断面図であり、図7(a)はひび割れの幅が1mm未満である場合を示し、図7(b)はひび割れの幅が1mm以上である場合を示す。以下、実施例1の補修後のコンクリート板1について説明する。
図7は、実施例1のコンクリート補修方法によって補修されたコンクリート板1を示す断面図であり、図7(a)はひび割れの幅が1mm未満である場合を示し、図7(b)はひび割れの幅が1mm以上である場合を示す。以下、実施例1の補修後のコンクリート板1について説明する。
このようなコンクリート補修方法を実行することで、図7(a)に示すように、ひび割れ3の幅D1が1mm未満の場合、補修材注入ステップによって注入された補修材91によって、ひび割れ3を充填することができる。
また、図7(b)に示すように、ひび割れ3の幅D2が1mm以上の場合、補修材注入ステップよって注入された補修材91と、補助材散布ステップによって散布された補助材92とによって、ひび割れ3を充填することができる。なお、ひび割れ3が形成されたコンクリート板1の表面まで補修材が充填されるまで、補修材注入ステップと、補助材散布ステップと、を繰り返すことで、補助材92が添加された補修材91の複数の層が形成される。
[コンクリート補修方法の作用]
次に、実施例1のコンクリート補修方法の作用を説明する。
次に、実施例1のコンクリート補修方法の作用を説明する。
ところで、既往のコンクリート舗装のひび割れ3への、補修材91の注入試験結果において、ひび割れ3の幅が1mm以上の場合には、補修材91は、ひび割れ3の隙間に留まらず、コンクリート板1の下端から流出してしまうことがある。
実施例1のコンクリート補修方法は、コンクリート板1のひび割れ3を補修する。このコンクリート補修方法は、ひび割れ3の幅が、1mm以上である場合には、ひび割れ3に樹脂材料からなる補修材91を注入する補修材注入ステップと、補修材91を注入したひび割れ3に、粒状の補助材92を散布する補助材散布ステップと、を繰り返し、ひび割れ3の幅が、1mm未満である場合には、ひび割れ3に補修材91を注入する補修材注入ステップのみを行う(図1)。
これにより、ひび割れ3の幅が、1mm以上である場合には、コンクリート板1のひび割れ3に注入して、ある程度流下させた補修材91に、補助材92を添加して、補修材91の自由体積を小さくして、補修材91の粘度を高めることができる。そのため、ひび割れ3の幅が、1mm以上である場合には、コンクリート板1のひび割れ3に注入してある程度流下させた補修材91を、補助材92によって堰き止めることができる。そのため、コンクリート板1のひび割れ3に注入した補修材91を、ある程度の深さまで浸透させて、コンクリート板1の隙間を埋めるように充填することができる。そして、これを繰り返すことによって、ひび割れ3におけるある程度の深さから、表面にいたるまで、コンクリート板1の隙間を補修材91で埋めるように充填することができる。その結果、コンクリート板1のひび割れ3の強度回復をすることができる。
一方、ひび割れ3の幅が、1mm未満である場合には、自由体積は小さいため、コンクリート板1のひび割れ3に注入した補修材91を、ある程度の深さまで浸透させたとしても、コンクリート板1から下方に流出してしまうことを抑制することができる。そのため、補修材91をひび割れ3のある程度の深さから、表面にいたるまで、コンクリート板1の隙間を埋めるように充填することができる。その結果、コンクリート板1のひび割れの強度回復をすることができる。
すなわち、ひび割れ3の幅に応じて、補修材91をある程度の深さまで浸透させて、コンクリート板1の隙間を埋めるように充填することができる。
また、コンクリート板1の隙間を埋めるように補修材91を充填することができるので、防水性を確保することができる。
実施例1のコンクリート補修方法において、補修材91は、粘度が25℃で15mPa・s以下の非発泡性ポリウレタン樹脂である。
これにより、コンクリート板1のひび割れ3に注入した補修材91を極めて低粘度にして、自然流下させることができる。そのため、高圧注入するためのコンプレッサー等の大型の機械の使用や、シール材の設置等をすることなく、補修材91をコンクリート板1のひび割れ3に自然流下させることができる。
実施例1のコンクリート補修方法において、補助材92の粒径は、ひび割れの幅の1/2以下の大きさである。
これにより、補修材91の粘度を向上させつつ、補修材91の補修機能を維持することができる。また、補助材92を、注入された補修材91に至るまで、落下させることができる。そのため、ひび割れ3内を自然流下している補修材91を、補助材92によってより確実に堰き止めることができる。
実施例1のコンクリート補修方法において、補修材注入ステップの前に、ひび割れ3内を吸引してひび割れ3に詰まった異物4を除去するように清掃する清掃ステップを有する(図4及び図5)。
これにより、ひび割れ3に詰まった異物4を清掃することができる。そのため、コンクリート板1のひび割れ3の奥まで補修材91を自然流下させやすくすることができる。
実施例1のコンクリート補修方法において、補修材注入ステップの前に、ひび割れ3内を乾燥させる乾燥ステップを有する(図3)。
これにより、ひび割れ3の隙間に溜まった水等を乾燥させることができる。そのため、ひび割れ3の隙間に溜まった水等によって、補修材91がひび割れ3内に行き渡らないような事態を防止することができる。また、ひび割れ3の隙間に溜まった水等による、補修材91の接着不良を防止することができる。
以上、本発明のコンクリート補修方法を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や、追加等は許容される。
実施例1では、乾燥ステップを実施してから、清掃ステップを実施する例を示した。しかし、清掃ステップを実施してから、乾燥ステップを実施するようにしてもよい。
実施例1では、吸引掃除機60を台車50に取り付ける例を示した。しかし、吸引掃除機としては、台車に取り付けられなくてもよい。
実施例1では、異物除去装置10は、加振機30を備える例を示した。しかし、異物除去装置10は、加振機30を備えなくてもよい。
実施例1では、ひび割れ3を一本の線状とする例を示した。しかし、ひび割れとしては、この態様に限定されず、例えば、一本から複数本に分岐する線状のものであってもよい。
実施例1では、本発明のコンクリート補修方法をコンクリート舗装のひび割れの補修に適用する例を示した。しかし、本発明のコンクリート補修方法は、コンクリート床や板状のコンクリート構造物のひび割れの補修に適用することができる。
1 コンクリート板
2 路盤
3 ひび割れ
4 異物
5 ヒートガン
10 異物除去装置
91 補修材
92 補助材
2 路盤
3 ひび割れ
4 異物
5 ヒートガン
10 異物除去装置
91 補修材
92 補助材
Claims (5)
- コンクリート構造物のひび割れを補修するコンクリート補修方法であって、
前記ひび割れの幅が、1mm以上である場合には、
前記ひび割れに樹脂材料からなる補修材を注入する補修材注入ステップと、
前記補修材を注入した前記ひび割れに、粒状の補助材を散布する補助材散布ステップと、を繰り返し、
前記ひび割れの幅が、1mm未満である場合には、
前記ひび割れに前記補修材を注入する補修材注入ステップのみを行う
ことを特徴とする、コンクリート補修方法。 - 前記補修材は、粘度が25℃で15mPa・s以下の非発泡性ポリウレタン樹脂である
ことを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート補修方法。 - 前記補助材の粒径は、前記ひび割れの幅の1/2以下の大きさである
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート補修方法。 - 前記補修材注入ステップの前に、前記ひび割れ内を吸引して前記ひび割れに詰まった異物を除去するように清掃する清掃ステップを有する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のコンクリート補修方法。 - 前記補修材注入ステップの前に、前記ひび割れ内を乾燥させる乾燥ステップを有する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート補修方法。
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