JP6929809B2 - 高揚力装置、翼及び航空機 - Google Patents
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Description
本発明は、高揚力装置、翼及び航空機に関するものである。
飛行機(航空機)の主翼には、巡航飛行中の速度を低下させず、離着陸時の速度を低下させるため、主翼の前縁と後縁に高揚力装置が設置される。主翼の前縁に用いられる高揚力装置のうちクルーガーフラップは、折り畳まれることで主翼前縁の下面に格納され、使用時に前方へ展張される。また、展張時において、フラップの後縁と主翼の前縁に隙間(スロット)が形成されるようにして、隙間を流れる高エネルギーの空気流を主翼の上面に吹き出させる場合がある。
下記の特許文献1では、空気流によってフラップが変形し、フラップと主翼の間の隙間寸法が変化するのを防ぐため、保持部材によってフラップを引っ張り、隙間の間隔を制限する技術が開示されている。
クルーガーフラップは、回転式アクチュエータとリンク機構によって、折り畳まれたり展張されたりする構成を有している。上記の特許文献2において示されているように、従来、一つの回転式アクチュエータによってリンク機構が駆動されるため、フラップの位置や角度は、リンク機構によって定められてしまう。
ところで、飛行機の離陸時と着陸時とでは、空力的に最適な翼の形状や、スロットの最適な隙間寸法が異なる。しかし、上述したとおり、一つの回転式アクチュエータによってリンク機構が駆動される場合、予め定められた位置や角度でしかフラップを駆動できない。そのため、離陸時又は着陸時に応じてフラップの位置及び角度を異ならせることはできるが、離陸時と着陸時の両方ともにおいて、最適な形状や最適な隙間寸法に設定することができなかった。
なお、特許文献1では、フラップにおいて、前縁の位置は一定のまま傾斜角度を変更して、隙間寸法を所定の距離に調整することが開示されている。しかし、フラップの角度だけでなく、フラップの位置を変更することは記載されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、航空機の飛行状態に応じてフラップの位置及び角度をより適切に設定することが可能な高揚力装置、翼及び航空機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の高揚力装置、翼及び航空機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る高揚力装置は、翼の前縁に設置され、前記前縁の下面に格納され、かつ、前記前縁の前方に展張される構成を有するフラップと、軸方向が前記翼の翼長方向に沿って設置された第1回転軸と、軸方向が前記翼の翼長方向に沿って設置された第2回転軸と、前記第1回転軸と前記フラップに接続された第1リンク機構と、前記第2回転軸と前記フラップに接続された第2リンク機構とを備え、前記第1回転軸の回転力によって、前記第1リンク機構を駆動させることによって、前記フラップを前記前縁の下面に格納し又は前記前縁の前方に展張し、前記第2回転軸の回転力によって、前記第2リンク機構を駆動させることによって、前記第1リンク機構によって移動した前記フラップの位置又は角度を変更する。
すなわち、本発明に係る高揚力装置は、翼の前縁に設置され、前記前縁の下面に格納され、かつ、前記前縁の前方に展張される構成を有するフラップと、軸方向が前記翼の翼長方向に沿って設置された第1回転軸と、軸方向が前記翼の翼長方向に沿って設置された第2回転軸と、前記第1回転軸と前記フラップに接続された第1リンク機構と、前記第2回転軸と前記フラップに接続された第2リンク機構とを備え、前記第1回転軸の回転力によって、前記第1リンク機構を駆動させることによって、前記フラップを前記前縁の下面に格納し又は前記前縁の前方に展張し、前記第2回転軸の回転力によって、前記第2リンク機構を駆動させることによって、前記第1リンク機構によって移動した前記フラップの位置又は角度を変更する。
この構成によれば、第1回転軸の回転力によって第1リンク機構を駆動させることで、フラップは、前縁の下面に格納されたり、前縁の前方に展張されたりする。また、第2回転軸の回転力によって第2リンク機構を駆動させることで、第1リンク機構によって移動したフラップの位置又は角度が変更される。したがって、第1回転軸と接続された第1リンク機構のみによって、フラップの位置又は角度を調整する場合と異なり、フラップをより多様な位置又は角度に設定できる。
上記発明において、軸方向が前記翼の翼長方向に沿って設置された回転部材と、第1ジョイントを介して一端が前記第1回転軸に接続され、第2ジョイントを介して他端が前記フラップに接続された第1リンク部材と、前記第1ジョイントを介して一端が前記第1回転軸に接続され、第3ジョイントを介して他端が前記フラップに接続された第2リンク部材と、第4ジョイントを介して一端が前記回転部材に接続され、第5ジョイントを介して他端が前記フラップに接続された第3リンク部材と、第6ジョイントを介して一端が前記第2回転軸に接続され、第7ジョイントを介して他端が前記回転部材に接続された第4リンク部材と、第8ジョイントを介して一端が前記第2回転軸に接続され、第9ジョイントを介して他端が前記回転部材に接続された第5リンク部材とを有し、前記第1リンク機構は、前記第1リンク部材、前記第2リンク部材及び前記第3リンク部材によって構成され、前記第2リンク機構は、前記回転部材、前記第1リンク部材、前記第2リンク部材、前記第3リンク部材、前記第4リンク部材及び前記第5リンク部材によって構成されてもよい。
この構成によれば、第1回転軸が回転することによって、第1回転軸の軸周りに第1ジョイントが移動しながら、第1ジョイントで接続された第1リンク部材と第2リンク部材が、第1ジョイントを支点として回動しフラップが移動する。また、第1回転軸が回転することによって、回転部材の第4ジョイントとフラップの第5ジョイントで接続された第3リンク部材が、第4ジョイントを支点として回動する。その結果、第1回転軸の第1ジョイント、フラップの第2ジョイント、第3ジョイント及び第5ジョイントの位置が変更され、フラップが折り畳まれた位置から展張された位置へ変更される。フラップが展張された状態で、第1回転軸を反対周りに回転させた場合、フラップは、展張された位置から折り畳まれた位置へ変更される。
また、第2回転軸が回転することによって、第2回転軸の軸周りに第6ジョイント及び第8ジョイントが移動する。そして、第6ジョイントで接続された第4リンク部材と、第8ジョイントで接続された第5リンク部材が移動し、第2回転軸の動きに従って、回転部材が軸周りに回転する。また、回転部材が軸周りに回転することによって、回転部材の第4ジョイントの位置が移動する。これにより、回転部材の第4ジョイントで接続された第3リンク部材が移動する。さらに、回転部材が回転することによって、第1リンク部材及び第2リンク部材が、第1ジョイントを支点として回動し、フラップが展張した状態を維持したまま、フラップの位置又は角度が変更される。
本発明に係る翼は、上記の高揚力装置を備える。
また、本発明に係る航空機は、上述した高揚力装置を備える。
また、本発明に係る航空機は、上述した高揚力装置を備える。
本発明によれば、航空機の飛行状態に応じてフラップの位置及び角度をより適切に設定することができ、飛行状態に最適な翼の形状や、フラップの後縁と主翼の前縁の間を飛行状態に最適な隙間寸法に設定することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る高揚力装置1について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る高揚力装置1を示す平面図であり、主翼50の上面のスキンを外して上方から主翼50を見た図である。図2は、本実施形態に係る高揚力装置1を示す縦断面図であり、フラップ2が折り畳まれた状態を破線で示し、フラップ2が展張された状態を実線で示している。図3は、本実施形態に係る高揚力装置1を示す縦断面図であり、フラップ2が展張された状態を示している。図4は、本実施形態に係る高揚力装置1を示す縦断面図であり、フラップ2が展張された状態を破線で示し、フラップ2が展張された状態でフラップ2の位置及び角度が変更された状態を実線で示している。
本発明の一実施形態に係る高揚力装置1は、図1から図4に示すように、飛行機(航空機)の主翼50の前縁50aに設けられたフラップ2を備え、フラップ2が、図1の破線、図2の実線、図3及び図4の実線及び破線で示すように、離陸時又は着陸時において前方へ展張することによって、揚力係数を高めることができる。飛行機の巡航中、フラップ2は、図2の破線で示すように、主翼50の前縁50aの下面へ折り畳まれて格納される。本実施形態に係るフラップ2は、第1回転軸3と第1リンク機構によって、格納時と最大展張時との間の軌道上を移動するだけでなく、第2回転軸4と第2リンク機構によって、第1リンク機構によって移動したフラップ2の位置及び角度を変更することができる。
高揚力装置1は、フラップ2と、第1回転軸3と、第2回転軸4と、回転部材5と、第1リンク(節)部材6と、第2リンク部材7と、第3リンク部材8と、第4リンク部材9と、第5リンク部材10などを有する。第1リンク機構は、第1リンク部材6、第2リンク部材7及び第3リンク部材8によって構成され、第2リンク機構は、回転部材5、第1リンク部材6、第2リンク部材7、第3リンク部材8、第4リンク部材9及び第5リンク部材10によって構成される。
フラップ2は、翼形状を有する一方向に長い部材であって、主翼50の前縁50aにおいて主翼50の翼長方向に沿って設置される。
フラップ2には、第1リンク部材6と接続される第1接続部11と、第2リンク部材7と接続される第2接続部12が、フラップ2の内側(すなわち、展張時の下面側)に形成されている。第1接続部11には、ジョイント(関節)P(第2ジョイント)が設けられ、第2接続部12には、ジョイントQ(第3ジョイント)が設けられる。
フラップ2には、第1リンク部材6と接続される第1接続部11と、第2リンク部材7と接続される第2接続部12が、フラップ2の内側(すなわち、展張時の下面側)に形成されている。第1接続部11には、ジョイント(関節)P(第2ジョイント)が設けられ、第2接続部12には、ジョイントQ(第3ジョイント)が設けられる。
フラップ2には、第1接続部11及び第2接続部12とは別に、第3リンク部材8と接続される第3接続部13が、フラップ2の内側(すなわち、展張時の下面側)に形成されている。第3接続部13には、ジョイントR(第5ジョイント)が設けられる。
フラップ2において第1接続部11と第2接続部12は、主翼50の翼弦方向に沿って間隔をあけて配置される。また、第2接続部12と第3接続部13は、主翼50の翼長方向に沿って、間隔をあけてほぼ同一直線上に配置される。
第1回転軸3は、軸方向が主翼50の翼長方向に沿って設置される。第1回転軸3は、一つの主翼50に対して1本設置される。第1回転軸3は、例えばリブ51を介して主翼50に支持される。リブ51と第1回転軸3の間には軸受(図示せず。)が設けられる。なお、複数のリブ51は、主翼50の翼長方向に沿って設置されたスパー(桁)52と接続される。
第1回転軸3は、モータ(図示せず)を駆動源として軸周りに回転する。第1回転軸3には、第1リンク部材6と接続される接続部14が外周に形成されている。接続部14は、第1回転軸3と一体的に形成されており、第1回転軸3の回転とともに、第1回転軸3の回転軸周りに回転する。接続部14には、ジョイントA(第1ジョイント)が設けられる。接続部14は、第1回転軸3の軸方向に沿って複数箇所に設置される。
第2回転軸4は、軸方向が主翼50の翼長方向に沿って設置される。第2回転軸4は、一つの主翼50に対して1本設置される。第2回転軸4は、例えばリブ51を介して主翼50に支持される。リブ51と第2回転軸4の間には軸受(図示せず。)が設けられる。
第2回転軸4は、モータ(図示せず。)を駆動源として軸周りに回転する。第2回転軸4には、第4リンク部材9と接続される接続部18と、第5リンク部材10と接続される接続部19が外周に形成されている。接続部18と接続部19は、いずれも第2回転軸4と一体的に形成されており、第2回転軸4の回転とともに、第2回転軸4の回転軸周りに所定角度の範囲内で回転する。接続部18には、ジョイントCが設けられ、接続部19には、ジョイントDが設けられる。接続部18及び接続部19は、第2回転軸4の軸方向に沿って複数箇所に設置される。
回転部材5は、軸状部材であって、例えば、図1に示すように、主翼50のリブ51に回転支持部材20を介して設置され、軸周りに所定角度の範囲内で回転する。回転支持部材20は、リブ51に設置される。回転支持部材20には、回転部材5を支持する軸受(図示せず。)が収容される。回転部材5は、第2リンク機構が設置される箇所ごとに一つずつ設けられる。
回転部材5には、第3リンク部材8と接続される接続部15、第4リンク部材9と接続される接続部16、第5リンク部材10と接続される接続部17が外周に形成されている。接続部15、接続部16及び接続部17は、いずれも回転部材5と一体的に形成されており、回転部材5の回転とともに、回転部材5の回転軸周りに回転する。接続部15には、ジョイントBが設けられ、接続部16には、ジョイントEが設けられ、接続部17には、ジョイントFが設けられる。回転部材5の軸方向長さは、接続部15、接続部16及び接続部17が回転部材5の外周面に形成される長さがあればよく、第1回転軸3や第2回転軸4に比べて短い。
第1リンク機構及び第2リンク機構は、主翼50のリブ51の近傍に設置される。また、一つの第1リンク機構及び一つの第2リンク機構を1組とする第1リンク機構及び第2リンク機構のセットは、主翼50の翼長方向に沿って間隔をあけて複数箇所に設けられる。なお、第1リンク機構及び第2リンク機構のセットは、全てのリブ51に設けられる必要はない。
第1リンク機構は、第1回転軸3とフラップ2を接続する。第1リンク機構は、第1リンク部材6、第2リンク部材7及び第3リンク部材8によって構成される。第1リンク機構が第1回転軸3によって駆動することによって、フラップ2が格納時と最大展張時との間の軌道上を移動する。
第2リンク機構は、第2回転軸4とフラップ2を接続する。第2リンク機構は、回転部材5、第1リンク部材6、第2リンク部材7、第3リンク部材8、第4リンク部材9及び第5リンク部材10によって構成される。第2リンク機構が第2回転軸4によって駆動することによって、第2リンク機構によって移動したフラップ2の位置や角度が変更される。
第1リンク部材6は、棒状部材であり、一端がジョイントPを介してフラップ2の第1接続部11に接続され、他端がジョイントAを介して第1回転軸3の接続部14と接続される。第2リンク部材7は、棒状部材であり、一端がジョイントQを介してフラップ2の第2接続部12に接続され、他端がジョイントAを介して第1回転軸3の接続部14と接続される。
第3リンク部材8は、棒状部材であり、一端がジョイントRを介してフラップ2の第3接続部13に接続され、他端がジョイントB(第4ジョイント)を介して回転部材5の接続部15と接続される。
第4リンク部材9は、棒状部材であり、一端がジョイントC(第6ジョイント)を介して第2回転軸4の接続部18に接続され、他端がジョイントE(第7ジョイント)を介して回転部材5の接続部16に接続される。第5リンク部材10は、棒状部材であり、一端がジョイントD(第8ジョイント)を介して第2回転軸4の接続部19に接続され、他端がジョイントF(第9ジョイント)を介して回転部材5の接続部17に接続される。
第4リンク部材9と第5リンク部材10は、両者が平行となるように、第2回転軸4と回転部材5に接続される。なお、第2回転軸4の回転によって回転部材5が回転する構成を有していればよく、第4リンク部材9と第5リンク部材10が平行でなくてもよい。
第4リンク部材9と第5リンク部材10は、両者が平行となるように、第2回転軸4と回転部材5に接続される。なお、第2回転軸4の回転によって回転部材5が回転する構成を有していればよく、第4リンク部材9と第5リンク部材10が平行でなくてもよい。
次に、本実施形態に係る高揚力装置1の動作について説明する。
以下では、第1回転軸3と第2回転軸4が別々のタイミングで駆動される場合、例えば、第1回転軸3を回転させた後、第2回転軸4を回転させる場合について説明する。なお、本発明は、この例に限定されず、第1回転軸3を回転させながら第2回転軸4を同時に回転させてもよい。
以下では、第1回転軸3と第2回転軸4が別々のタイミングで駆動される場合、例えば、第1回転軸3を回転させた後、第2回転軸4を回転させる場合について説明する。なお、本発明は、この例に限定されず、第1回転軸3を回転させながら第2回転軸4を同時に回転させてもよい。
フラップ2の展張及び折り畳みは、第1回転軸3を駆動させることによって行われる。フラップ2は、第1リンク部材6、第2リンク部材7及び第3リンク部材8の三つの部材によって構成される第1リンク機構によって移動する。
フラップ2が折り畳まれた状態から展張された状態へ変更する場合、第1回転軸3を回転させて、接続部14を後縁側から前縁50a側へ移動させる。これにより、図1〜図3に示すように、回転部材5の接続部15の位置は一定のまま、接続部15のジョイントBを支点として第3リンク部材8が回動する。また、第1回転軸3の軸周りに接続部14のジョイントAが移動しながら、ジョイントAを支点として第1リンク部材6と第2リンク部材7が回動する。その結果、第1回転軸3のジョイントAと、フラップ2のジョイントP、ジョイントQ及びジョイントRの位置が変更され、フラップ2が折り畳まれた位置から展張された位置へ変更される。
第1リンク機構によって移動したフラップ2の位置又は角度の変更は、第2回転軸4を駆動させることによって行われる。フラップ2は、回転部材5、第1リンク部材6、第2リンク部材7、第3リンク部材8、第4リンク部材9及び第5リンク部材10によって構成される第2リンク機構によって移動する。
第1リンク機構によって移動したフラップ2の位置又は角度を変更する場合、第2回転軸4を回転させる。これにより、図4に示すように、第2回転軸4の接続部18及び接続部19が移動し、第4リンク部材9及び第5リンク部材10が移動する。そして、第4リンク部材9及び第5リンク部材10の移動に伴って、回転部材5の接続部16及び接続部17が移動し、回転部材5が軸周りに回転する。すなわち、回転部材5は、第2回転軸4の動きに従って回転する。また、回転部材5が軸周りに回転することによって、接続部15の位置が変更される。
これにより、接続部15で回転部材5と接続された第3リンク部材8が回動する。また、第1回転軸3の接続部14の位置は一定のまま、接続部14のジョイントAを支点として第1リンク部材6と第2リンク部材7が回動する。その結果、フラップ2が展張した状態を維持したまま、回転部材5のジョイントBと、フラップ2のジョイントP、ジョイントQ及びジョイントRの位置が変更され、第1リンク機構によって移動したフラップ2の位置及び角度が変更される。
フラップ2が展張された状態から折り畳まれた状態へ変更する場合、第1回転軸3の回転方向を、フラップ2が折り畳まれた状態から展張された状態へ変更する場合とは反対方向に、第1回転軸3を回転させる。また、展張状態において、第2回転軸4を回転させてフラップ2の位置及び角度を変更している場合は、フラップ2が主翼50の前縁50aの下面に適切に格納されるように、第2回転軸4の回転方向を展張状態の変更時とは反対方向に、第2回転軸4を回転させる。
以上、本実施形態に係る高揚力装置1は、フラップ2を展張させたり折り畳むための第1回転軸3に加え、第1リンク機構によって移動したフラップ2の位置及び角度を変更するための第2回転軸4を備える。これにより、飛行機の離陸時と着陸時のそれぞれにおいて、第1回転軸3に基づく軌道上の位置や角度だけでなく、第2回転軸4に基づいてフラップ2の位置及び角度を適切に設定できる。その結果、離陸時と着陸時のそれぞれにおいて、空力的に最適な翼の形状や、スロットの最適な隙間寸法に設定することができる。よって、高揚力装置1は、離陸時と着陸時それぞれにおいて高い性能を発揮することができる。
なお、上述した実施形態では、離陸時と着陸時のそれぞれに最適な位置及び角度にフラップ2を調整する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。離陸時と着陸時以外の飛行状態においてフラップ2を使用する場合、その飛行状態に最適な位置及び角度にフラップ2を調整するようにしてもよい。
また、本発明は、第1回転軸3、第2回転軸4及び回転部材5の位置や、第1リンク部材6、第2リンク部材7、第3リンク部材8と、第4リンク部材9及び第5リンク部材10の長さや、各部材間の接続点の位置などは、上述した実施形態で図示した例に限定されない。さらに、本発明は、第1リンク機構や第2リンク機構を構成する部材の数や組み合わせなども、上述した実施形態に限定されない。第1リンク機構や第2リンク機構を構成する部材は、第1回転軸の回転力によって、第1リンク機構を駆動させることによって、フラップを前縁の下面に格納し又は前縁の前方に展張することができ、第2回転軸の回転力によって、第2リンク機構を駆動させることによって、第1リンク機構によって移動したフラップの位置又は角度を変更することができれば、他の形状や配置関係でもよい。
図1に示した実施形態では、回転支持部材20の一側のみに回転部材5が延設され、第3リンク部材8と接続される接続部15が回転部材5の外周に1箇所に形成される場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、図5に示す変形例のように、リブ51に貫通して設置された回転支持部材20において、回転部材5がリブ51に対して両側に突出して設けられ、接続部15が2箇所に形成されてもよい。この場合、それぞれの接続部15に第3リンク部材8が接続され、フラップ2において2箇所の第3接続部13が互いに近傍に設けられる。これにより、第2リンク機構によるフラップ2の位置及び角度の変更がより安定して行われる。
1 高揚力装置
2 フラップ
3 第1回転軸
4 第2回転軸
5 回転部材
6 第1リンク部材
7 第2リンク部材
8 第3リンク部材
9 第4リンク部材
10 第5リンク部材
11 第1接続部
12 第2接続部
13 第3接続部
14,15,16,17,18,19 接続部
20 回転支持部材
50 主翼
50a 前縁
51 リブ
52 スパー
A,B,C,D,E,F,P,Q,R ジョイント
2 フラップ
3 第1回転軸
4 第2回転軸
5 回転部材
6 第1リンク部材
7 第2リンク部材
8 第3リンク部材
9 第4リンク部材
10 第5リンク部材
11 第1接続部
12 第2接続部
13 第3接続部
14,15,16,17,18,19 接続部
20 回転支持部材
50 主翼
50a 前縁
51 リブ
52 スパー
A,B,C,D,E,F,P,Q,R ジョイント
Claims (4)
- 翼の前縁に設置され、前記前縁の下面に格納され、かつ、前記前縁の前方に展張される構成を有するフラップと、
軸方向が前記翼の翼長方向に沿って設置された第1回転軸と、
軸方向が前記翼の翼長方向に沿って設置された第2回転軸と、
前記第1回転軸と前記フラップに接続された第1リンク機構と、
前記第2回転軸と前記フラップに接続された第2リンク機構と、
を備え、
前記第1回転軸の回転力によって、前記第1リンク機構を駆動させることによって、前記フラップを前記前縁の下面に格納し又は前記前縁の前方に展張し、
前記第2回転軸の回転力によって、前記第2リンク機構を駆動させることによって、前記第1リンク機構によって移動した前記フラップの位置又は角度を変更する高揚力装置。 - 軸方向が前記翼の翼長方向に沿って設置された回転部材と、
第1ジョイントを介して一端が前記第1回転軸に接続され、第2ジョイントを介して他端が前記フラップに接続された第1リンク部材と、
前記第1ジョイントを介して一端が前記第1回転軸に接続され、第3ジョイントを介して他端が前記フラップに接続された第2リンク部材と、
第4ジョイントを介して一端が前記回転部材に接続され、第5ジョイントを介して他端が前記フラップに接続された第3リンク部材と、
第6ジョイントを介して一端が前記第2回転軸に接続され、第7ジョイントを介して他端が前記回転部材に接続された第4リンク部材と、
第8ジョイントを介して一端が前記第2回転軸に接続され、第9ジョイントを介して他端が前記回転部材に接続された第5リンク部材と、
を有し、
前記第1リンク機構は、前記第1リンク部材、前記第2リンク部材及び前記第3リンク部材によって構成され、
前記第2リンク機構は、前記回転部材、前記第1リンク部材、前記第2リンク部材、前記第3リンク部材、前記第4リンク部材及び前記第5リンク部材によって構成される請求項1に記載の高揚力装置。 - 請求項1又は2に記載の高揚力装置を備える翼。
- 請求項1又は2に記載の高揚力装置を備える航空機。
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