JP6929379B2 - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、永久磁石式回転電機に関し、特に回転子構造に関する。
産業用モータ、電気自動車、ハイブリッド自動車などに適用される回転電機においては、小型化・高出力化のため、外部からの界磁エネルギーを不要とする永久磁石式回転電機が広く用いられる。この種の回転電機の固定子巻線構造としては、一つのティースにコイルが巻回される集中巻と、複数のティースにまたがってコイルが巻回される分布巻との2つに大別される。集中巻は、分布巻に比べ、コイルエンド長が短いため、モータ軸長を短くすることができる。一方で、集中巻の固定子に発生する起磁力は、トルクに寄与しない低次の高調波成分が含まれており、これらの影響により、トルクリプルの増加、低次の変形モードを有する電磁加振力の発生などを引き起こす。そして、電磁加振力が、回転電機の部品、例えばフレーム、の共振周波数と一致する特定の回転数の時に、フレームが共振して騒音が発生する。
このような状況を鑑み、回転子鉄心の外周面のq軸上に切り欠き部を設け、トルクリプルを低減する従来の永久磁石式回転電機が提案されていた(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2017−055560号公報 特許第5450472号公報
特許文献1,2に記載の従来の永久磁石式回転電機は、トルクリプルを低減する構造となっている。しかしながら、この構造は、必ずしも振動・騒音の原因となるティースに発生する径方向電磁力を低減できるものではなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、振動・騒音の原因となるティースに発生する径方向電磁力を低減できる永久磁石式回転電機を得ることを目的とする。
この発明に係る永久磁石式回転電機は、ティースが円環状のコアバックから径方向に突出して周方向に複数配列され、スロットが周方向に隣り合う上記ティースの間に形成された固定子鉄心、および上記固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子と磁気的空隙を介して、上記固定子の内周側に、同軸に、かつ回転可能に配設された円環状の回転子鉄心、および上記回転子鉄心に周方向に複数配設されて磁極を構成する永久磁石を有する回転子と、を備える。上記回転子鉄心を軸方向に貫通するように形成されて、上記永久磁石が挿入される磁石挿入孔と、上記磁石挿入孔から周方向両側に突出し、かつ上記回転子鉄心を軸方向に貫通するように形成されたフラックスバリアと、上記回転子鉄心の外周面のq軸上に、軸方向の一端から他端に至るように形成された切り欠き部と、を備え、上記q軸における最小鉄幅をC、上記切り欠き部の周方向幅をDとしたときに、上記CおよびDは、C<Dの関係を満足し、上記磁石挿入孔および上記フラックスバリアの外径側における最小鉄幅をA、上記フラックスバリアと上記切り欠き部との間における最小鉄幅をBとしたときに、上記A、Bは、A<Bの関係を満足している。
この発明では、切り欠き部の周方向幅Dがq軸における最小鉄幅Cより大きくなっている。これにより、ティースに発生する径方向電磁力を低減でき、振動・騒音の発生が抑制される。
この発明の実施の形態1に係る永久磁石式回転電機を示す横断面図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石式回転電機における回転子の永久磁石周りを示す要部横断面図である。 A>Cの関係を満足しつつ、鉄心の円筒状の外周面とフラックスバリアの外径側壁面とを平行とした回転子鉄心を用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を示す図である。 A>Cの関係を満足しつつ、鉄心の円筒状の外周面とフラックスバリアの外径側壁面と間の鉄部の幅をq軸に近づくにつれ広くなるようにした回転子鉄心を用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を示す図である。 図4の解析に用いられた回転子鉄心において、フラックスバリアの磁石挿入孔からの突出量を小さくし、A<Cの関係を満足するようにした回転子鉄心を用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を示す図である。 図4の解析に用いられた回転子鉄心において、A<Bとなるように切り欠き部を形成した回転子鉄心を用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を示す図である。 図3の解析に用いた回転子を搭載した回転電機において、電流通電時に発生する磁束線を解析した結果を示す図である。 図4の解析に用いた回転子を搭載した回転電機において、電流通電時に発生する磁束線を解析した結果を示す図である。 図6の解析に用いた回転子を搭載した回転電機において、電流通電時に発生する磁束線を解析した結果を示す図である。 回転子鉄心の最小鉄幅Cを変化させて、ティースに発生する径方向電磁力を解析した結果を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る永久磁石式回転電機を示す横断面図である。 この発明の実施の形態2に係る永久磁石式回転電機における回転子の永久磁石周りを示す要部横断面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る永久磁石式回転電機を示す横断面図、図2は、この発明の実施の形態1に係る永久磁石式回転電機における回転子の永久磁石周りを示す要部横断面図である。なお、横断面図とは、回転子の軸心と直交する断面を示す断面図である。また、図1および図2は、便宜上、ハッチングを省略して図示されている。
図1において、永久磁石式回転電機1は、固定子10と、回転子20と、から構成される。
固定子10は、固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された固定子巻線15と、から構成される。固定子鉄心11は、円環状のコアバック12と、コアバック12に形成された36本のティース13と、から構成される。36本のティース13は、それぞれ、コアバック12の内周面から径方向内方に突出して、周方向に等角ピッチで配列されている。隣り合うティース13間に形成されたスペースがスロット14となる。固定子巻線15は、ティース13のそれぞれに巻回された36本の集中巻きコイル16から構成される。固定子巻線15は、集中巻きコイル16を結線して、例えば三相巻線に構成される。
回転子20は、軸心位置に挿入された回転軸22に固着された回転子鉄心21と、回転子鉄心21に装着された永久磁石23と、から構成される。回転子鉄心21には、回転子鉄心21の外周部を軸方向に貫通する磁石挿入孔24が、周方向に等角ピッチで24個形成されている。磁石挿入孔24のそれぞれには、一つの永久磁石23が挿入される。周方向に配列した永久磁石23は、外周側の極性が周方向に交互にN極とS極となるように、着磁されている。1つの永久磁石23が1磁極を構成する。回転子鉄心21は、電磁鋼板などの磁性薄板から打ち抜かれた磁性片を積層一体化して作製される。
永久磁石式回転電機1は、固定子10の内周側に、固定子10との間に磁気的空隙を介して、固定子10と同軸に、かつ回転可能に回転子20を配置して、構成される。このように構成された永久磁石式回転電機は、24極36スロットの回転電機、すなわち2極3スロット系列の回転電機となる。
ここで、回転子20の要部の構成について図2を参照しつつ説明する。
磁石挿入孔24は、略長方形断面の穴形状に形成され、長方形断面の長辺の長さ方向を周方向に向けて、回転子鉄心21の外周部に配置されている。一対の空隙部が、磁石挿入孔24から周方向両側に突出するように形成されている。この空隙部がフラックスバリア25となる。フラックスバリア25は、磁石挿入孔24の長方形断面の短辺の内径側の部分を除いて、磁石挿入孔24と連通している。フラックスバリア25の外径側の内壁面は、磁石挿入孔24の外径側の内壁面から周方向に延びて、磁石挿入孔24から離れるにつれ漸次内径側に変位するなだらかな曲面に形成されている。なお、フラックスバリア25には、永久磁石23が磁石挿入孔24に挿入されている状態で、ワニスなどが充填されてもよい。
永久磁石23は、磁石挿入孔24と同等の長方形断面に形成されている。永久磁石23は、磁石挿入孔24の長方形断面の短辺の内径側の部分により周方向の移動を規制されて、磁石挿入孔24のそれぞれに収納されている。永久磁石23の長方形断面の長辺の長さ方向の中央位置を通る半径方向がd軸となる。また、周方向に隣り合うd軸間の中央位置を通る半径方向がq軸となる。なお、d軸は、永久磁石23の磁束軸である。q軸は、d軸と電気的、磁気的に直交する軸である。
トルクリプルを低減させるための切り欠き部26が、回転子鉄心21の外周面を窪ませて、溝方向を軸方向として、q軸上に形成されている。切り欠き部26は、単一のR形状、すなわち単一の曲率半径の円弧を軸方向に連ねた溝形状に構成されている。
ここで、回転子鉄心21の各部の寸法関係について説明する。Aは、磁石挿入孔24とフラックスバリア25の外径側の鉄部における最小鉄幅、Bは、切り欠き部26とフラックスバリア25との間の鉄部における最小鉄幅、Cは、q軸を挟んで相対するフラックスバリア25の間の鉄部における最小鉄幅、Dは、切り欠き部26の周方向幅である。
まず、電磁鋼板などの磁性薄板をプレス成形する際に、Cを磁性薄板の板厚の2倍より小さくすると、打ち抜き精度が悪化する。良好な打ち抜き精度を確保するには、Cを磁性薄板の板厚の2倍以上とすることが望ましい。この実施の形態1では、Cは磁性薄板の板厚の2倍としている。これにより、回転子鉄心21の加工性を高めている。
特許文献1,2では、切り欠き部が複雑なR形状で形成されていた。この実施の形態1では、切り欠き部26が単一のR形状、すなわち単一の曲率半径の円弧を軸方向に連ねた溝形状に形成されている。これにより、回転子鉄心21の寸法検査が容易となる。
つぎに、q軸周りの形状を変えた回転子鉄心を用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を図3から図6に示す。
図3は、A>Cの関係を満足しつつ、鉄心の円筒状の外周面とフラックスバリア25の外径側壁面とを平行とした回転子鉄心21Aを用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を示した。なお、切り欠き部26は、形成されていない。
図3から、回転子鉄心21Aの外周面とフラックスバリア25の外径側壁面とを平行とすると、フラックスバリア25のq軸側の角部近傍に応力が集中することが確認された。図3中、数字は、主応力が最も高い部位を示し、図3の主応力の最大値を基準とした主応力の数値を示している。
図4は、A>Cの関係を満足しつつ、鉄心の円筒状の外周面とフラックスバリア25の外径側壁面と間の鉄部の幅をq軸に近づくにつれ広くなるようにした回転子鉄心21Bを用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を示した。なお、切り欠き部26は形成されていない。回転子鉄心21BのA,Cは、図3の解析に用いられた回転子鉄心21AのA,Cと同じとした。
図4中、数字は、主応力が最も高い部位を示し、図3の主応力の最大値を基準とした主応力の数値を示している。図4から、回転子鉄心21Bの外周面とフラックスバリア25の外径側壁面との間の鉄部の最小鉄幅Aが同じであっても、回転子鉄心21Bは、回転子鉄心21Aに対して、主応力を6割近く低減できたことが確認された。
図5は、図4の解析に用いられた回転子鉄心21Bにおいて、フラックスバリア25の磁石挿入孔からの突出量を小さくし、A<Cの関係を満足するようにした回転子鉄心21Cを用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を示した。なお、切り欠き部26は、形成されていない。
図5中、数字は、主応力が最も高い部位を示し、図3の主応力の最大値を基準とした主応力の数値を示している。図5から、回転子鉄心21Cの外周面とフラックスバリア25の外径側壁面との間の鉄部の最小鉄幅Aが同じであっても、回転子鉄心21Cは、回転子鉄心21Aに対して、主応力を5割近く低減できたことが確認された。しかし、回転子鉄心21Cは、回転子鉄心21Bに対して、主応力が増加していることが確認された。このことから、フラックスバリア25に作用する主応力を低減するためには、加工可能な範囲内で、周方向に隣り合うフラックスバリア25間の最小鉄幅Cをできるだけ狭くすればよいことがわかる。
図6は、図4の解析に用いられた回転子鉄心21Bにおいて、A<Bとなるように切り欠き部26を形成した回転子鉄心21を用いた回転子に遠心力を作用させたときに発生する応力を解析した結果を示した。
図6中、数字は、主応力が最も高い部位を示し、図3の主応力の最大値を基準とした主応力の数値を示している。図6から、回転子鉄心21は、回転子鉄心21Bと同等の主応力分布が得られることが確認できた。さらに、図6から、回転子鉄心21は、回転子鉄心21Bに対して、主応力を低減できることが確認できた。
図3から図6の解析結果から、A<Bを満足していれば、q軸上に切り欠き部26を設けた場合、切り欠き部26を設けない場合に比べて、遠心力により回転子鉄心に発生する応力を低減できることがわかった。つまり、A<Bを満足する回転子鉄心では、切り欠き部26を設けることで、遠心力により回転子鉄心に発生する応力を分散し、主応力のピーク値を低減でき、かつトルクリプルを低減できることがわかった。さらに、B>A>Cを満足していれば、フラックスバリア25に作用する主応力をさらに低減できることがわかった。
つぎに、図3の解析に用いた回転子を搭載した回転電機において、電流通電時に発生する磁束線を解析した結果を図7に示す。図7のP部に示されるように、ティース13から出た磁束の一部は、回転子鉄心21Aを通らずに周方向に流れ、隣のティース13に鎖交することがわかった。これは、回転子鉄心21Aの外周面とフラックスバリア25の外径側壁面とが平行となっていることにより、回転子鉄心21Aの外周面とフラックスバリア25の外径側壁面との間の鉄部が、当該鉄部を鎖交する永久磁石23の磁束によって磁気飽和したためと推考される。つまり、固定子の磁束が、フラックスバリア25の外周側の鉄部を通りにくい状態になっているためと推考される。したがって、図7のP部を通る固定子の磁束は、トルクに寄与していないとともに、ティース13における径方向電磁力の発生にもほとんど寄与していない。
図4の解析に用いた回転子を搭載した回転電機において、電流通電時に発生する磁束線を解析した結果を図8に示す。図8のP部に示されるように、ティース13から出た磁束の一部は、回転子鉄心21Bのq軸上の表面を通って、隣のティース13に鎖交することがわかった。これは、回転子鉄心21Bの外周面とフラックスバリア25の外径側壁面とが非平行となっていることにより、回転子鉄心21Bの外周面とフラックスバリア25の外径側壁面との間の鉄部の最小鉄幅部のみが、当該鉄部を鎖交する永久磁石23の磁束によって磁気飽和したためと推考される。つまり、固定子の磁束が、フラックスバリア25の外周側の鉄部を通りやすい状態になっているためと推考される。したがって、図8のP部を通る固定子の磁束は、回転子鉄心21Bの表面の一部のみを鎖交しているため、トルクに寄与していない。しかし、図8のP部を通る固定子の磁束は、ティース13を径方向に通るため、ティース13に径方向電磁力が発生する。
図6の解析に用いた回転子を搭載した回転電機において、電流通電時に発生する磁束線を解析した結果を図9に示す。図9のP部に示されるように、ティース13から出た磁束の一部は、回転子鉄心21を通らずに、隣のティース13に鎖交することがわかった。この回転電機においては、回転子鉄心21の外周面とフラックスバリア25の外径側壁面とが非平行となっているが、q軸上に切り欠き部26が設けられている。これにより、q軸上における固定子と回転子との間の磁気的空隙がひろがり、固定子の磁束が、回転子鉄心21の外周面とフラックスバリア25の外径側壁面との間の鉄部を通りにくい状態となっているためと推考される。したがって、図9のP部を通る固定子の磁束は、トルクに寄与していないとともに、ティース13に発生する径方向電磁力を低減できる。
図7から図9の解析結果から、切り欠き部26をq軸上に設けることにより、回転子鉄心21のq軸上の表面のみを通る固定子の磁束をなくし、ティース13に発生する径方向電磁力を低減できることがわかる。
図10は、回転子鉄心の最小鉄幅Cを変化させて、ティースに発生する径方向電磁力を解析した結果を示す図である。図10中、横軸は、D/Cであり、縦軸は、ティースに発生する径方向電磁力(6次成分)である。また、各線は、Cを一定としてDを変化させたときのティースに発生する径方向電磁力を示している。また、Cは、線毎に変えている。
一般的に、回転電機においては、固定子と回転子との間の磁気的空隙で、電磁加振力が発生する、この電磁加振力により、固定子のティースに径方向電磁力が発生する。この径方向電磁力により、固定子、固定子の周囲の構造部材などが振動し、騒音が発生する。固定子のティースには、様々な時間成分の径方向電磁力、例えば固定子の変形モードが0次、時間成分が6次の径方向電磁力が発生する。2極3スロット系列の集中巻き永久磁石式回転電機では、特に変形モードが0次、時間成分が6次の径方向電磁力の影響が大きいことが知られている。
図10から、Cを一定とし、Dを大きくすると、ティースに発生する径方向電磁力が低下することが分かった。そして、D/Cが1以下の領域では、D/Cの値が大きくなるにつれて、ティースに発生する径方向電磁力が大きく低下し、D/Cが1を超えると、D/Cの値が大きくなるにつれて、ティースに発生する径方向電磁力がなだらかに低下し、D/Cが1.6以上となると、D/Cの値に依存せずに、ティースに発生する径方向電磁力がほぼ一定となることが分かった。
このことから、CとDの一方を決定し、他方をC<Dを満足するように決定することで、ティースに発生する径方向電磁力(6次成分)を小さくすることができる。さらに、D/C≧1.6を満足するようにCとDとを決定することで、ティースに発生する径方向電磁力(6次成分)をより小さくすることができる。このように、q軸上に切り欠き部26を設けても、D/C≦1を満足するようにC,Dを設定した場合には、ティースに発生する径方向電磁力の低減量が小さく、振動・騒音の発生を効果的に抑制できない。したがって、ティースに発生する径方向電磁力を大きく低減させ、振動・騒音の発生を効果的に抑制するためには、C<Dを満足するようにC,Dを設定すればよく、D/C≧1.6を満足するようにC,Dを設定することがより好ましい。
実施の形態2.
図11は、この発明の実施の形態2に係る永久磁石式回転電機を示す横断面図、図12は、この発明の実施の形態2に係る永久磁石式回転電機における回転子の永久磁石周りを示す要部横断面図である。なお、図11および図12は、便宜上、ハッチングを省略して図示されている。
図11において、永久磁石式回転電機1Aは、固定子10と、回転子20Aと、から構成される。すなわち、永久磁石式回転電機1Aは、回転子20に代えて回転子20Aを用いている点を除いて、上記実施の形態1の永久磁石式回転電機1と同様に構成されている。
ここで、回転子20Aの要部の構成について図12を参照しつつ説明する。
回転子20Aは、軸心位置に挿入された回転軸22に固着された回転子鉄心21Aと、回転子鉄心21Aに装着された永久磁石23Aと、から構成される。回転子鉄心21Aには、回転子鉄心21Aの外周部を軸方向に貫通する、略長方形断面を有する磁石挿入孔24Aを、回転軸22の軸心に向かって凸となり、回転子鉄心21Aの外周面に向かって広がるV字形に配置した磁石挿入孔24Aの対が、周方向に等角ピッチで24対形成されている。磁石挿入孔24Aのそれぞれには、略長方形断面を有する一つの永久磁石23Aが挿入される。磁石挿入孔24Aの対に挿入された永久磁石23の対は、相対する面、すなわち外周側の面が同極となるように着磁されている。周方向に配列された24対の永久磁石23Aは、外周側の極性が対毎に周方向に交互にN極とS極となるように配列されている。回転子鉄心21Aは、電磁鋼板などの磁性薄板から打ち抜かれた磁性片を積層一体化して作製される。
一対の空隙部が、磁石挿入孔24Aから周方向両側に突出するように形成されている。この空隙部が、フラックスバリア25Aa,25Abとなる。フラックスバリア25Aa,25Abは、磁石挿入孔24Aの長方形断面の短辺の内径側の部分を除いて、磁石挿入孔24Aと連通している。磁石挿入孔24Aの外径側に連通するフラックスバリア25Aaの外径側の内壁面は、磁石挿入孔24Aの外径側の内壁面から周方向に延びて、磁石挿入孔24Aから離れるにつれ漸次内径側に変位するなだらかな曲面に形成されている。なお、フラックスバリア25Aa,25Abには、永久磁石23Aが磁石挿入孔24Aに挿入されている状態で、ワニスなどが充填されてもよい。
永久磁石23Aは、磁石挿入孔24Aの長方形断面の短辺の内径側の部分により周方向の移動を規制されて、磁石挿入孔24Aのそれぞれに収納されている。磁石挿入孔24Aの対に挿入されている永久磁石23Aの対が、1磁極を構成する。1磁極を構成する永久磁石23A、磁石挿入孔24A、およびフラックスバリア25Aa,25Abは、磁石挿入孔24Aの対間の周方向の中央位置を通る、回転軸22の軸心を含む平面を対称面とする面対称に構成される。この対称面における半径方向がd軸となる。また、周方向に隣り合うd軸間の中央位置を通る半径方向がq軸となる。
トルクリプルを低減させるための切り欠き部26が、回転子鉄心21Aの外周面を窪ませて、溝方向を軸方向として、q軸上に配置されている。切り欠き部26は、単一のR形状で構成されている。
ここで、Aは、磁石挿入孔24Aとフラックスバリア25Aaの外径側の鉄部における最小鉄幅、Bは、切り欠き部26とフラックスバリア25Aaとの間の鉄部における最小鉄幅、Cは、q軸を挟んで相対するフラックスバリア25Aaの間の鉄部における最小鉄幅、Dは、切り欠き部26の周方向幅である。(図12中の「B」の位置を、もう少し上目にずらした方が見やすいと思います)
実施の形態2では、回転子鉄心21Aは、A<B、C<D、かつA<Cの関係を満足するように作製されている。また、Cは、回転子鉄心21Aを構成する磁性薄板の板厚の2倍としている。
したがって、実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、上記各実施の形態では、24極36スロットの集中巻き永久磁石式回転電機を用いているが、2極3スロット系列の集中巻き永久磁石式回転電機であれば、極数スロット数はこれに限定されない。
また、上記各実施の形態では、2極3スロット系列の集中巻き永久磁石式回転電機を用いているが、4極3スロット系列の集中巻き永久磁石式回転電機を用いても、同様の効果を奏する。
10 固定子、11 固定子鉄心、12 コアバック、13 ティース、シャフト、14 スロット、15 固定子巻線、16 集中巻きコイル、20,20A 回転子、21,21A 回転子鉄心、23,23A 永久磁石、24,24A 磁石挿入孔、25,25Aa,25Ab フラックスバリア、26 切り欠き部。

Claims (6)

  1. ティースが円環状のコアバックから径方向に突出して周方向に複数配列され、スロットが周方向に隣り合う上記ティースの間に形成された固定子鉄心、および上記固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、
    上記固定子と磁気的空隙を介して、上記固定子の内周側に、同軸に、かつ回転可能に配設された円環状の回転子鉄心、および上記回転子鉄心に周方向に複数配設されて磁極を構成する永久磁石を有する回転子と、を備える永久磁石式回転電機において、
    上記回転子鉄心を軸方向に貫通するように形成されて、上記永久磁石が挿入される磁石挿入孔と、
    上記磁石挿入孔から周方向両側に突出し、かつ上記回転子鉄心を軸方向に貫通するように形成されたフラックスバリアと、
    上記回転子鉄心の外周面のq軸上に、軸方向の一端から他端に至るように形成された切り欠き部と、を備え、
    上記q軸における最小鉄幅をC、上記切り欠き部の周方向幅をDとしたときに、上記CおよびDは、C<Dの関係を満足し
    上記磁石挿入孔および上記フラックスバリアの外径側における最小鉄幅をA、上記フラックスバリアと上記切り欠き部との間における最小鉄幅をBとしたときに、上記A、Bは、A<Bの関係を満足している永久磁石式回転電機。
  2. 上記CとDは、D/C≧1.6の関係を満足している請求項1記載の永久磁石式回転電機。
  3. 上記AとCは、A>Cの関係を満足している請求項1または請求項2に記載の永久磁石式回転電機。
  4. 上記固定子巻線が上記ティースのそれぞれに装着された集中巻きコイルにより構成された、2極3スロット系列、又は4極3スロット系列である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  5. 上記切り欠き部は、単一の曲率半径の円弧を軸方向に連ねた溝形状である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  6. 上記回転子鉄心は、磁性薄板の積層体であり、
    上記Cは、上記磁性薄板の板厚の2倍以上である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。
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