以下、図面を参照しながら、本開示に係る照明装置の実施形態の一例について詳細に説明する。実施形態の説明で参照する図面は模式的に記載されたものであるから、各構成要素の寸法比率などは以下の説明を参酌して判断されるべきである。以下の説明において、具体的な形状、材料、数量等は、本開示の理解を容易にするための例示であって、照明装置の仕様に合わせて適宜変更することができる。また、以下で説明する複数の実施形態の各構成要素を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。以下では、すべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
図1Aは、実施形態の一例である照明装置10を上方から見た斜視図である。図1Bは、照明装置10を下方から見た斜視図である。図2は、図1AのA−A断面図である。図3は、照明装置10の分解斜視図である。図1Aから図3に示すように、照明装置10は、電源ユニット12と、光源ユニット16(図3)と、天井取付ユニット30と、照射方向変更ユニット40とを含んで構成される。照明装置10は、例えば浴室等の天井板100(図2)に支持されて水盤照明用として用いられる。天井板100は、固定部材に相当する。水盤照明は、例えば浴室の下側に配置された浴槽内の水面に斜め下方向に光を照射させ、水面で反射した光により水面の揺らぎを壁面に写すことで、その揺らぎを楽しむものである。このような照明装置10は、光が出射される後述の光出射口であるカバー41の開口50(図2)が下になるように配置され、その開口50を鉛直下方に向けた状態で天井板100の孔である埋め込み孔101(図2)に挿入される天井埋め込み型の照明装置である。このような照明装置10は、一般的にダウンライトと呼ばれる。本明細書では、説明の便宜上、照明装置10を天井に取り付けた状態で、照明装置10の鉛直上方側を「上」とし、鉛直下方側を「下」とする。
照明装置10は、例えば浴室において水平な天井板に取り付けられるが、水平方向に対して傾斜した天井板に取り付けることもできる。照明装置は、屋内のプール施設の天井板、または、屋外の露天風呂、またはプール施設において、上側に設けられた構造物の天井板に取り付けることもできる。また、照明装置は、水盤照明用に限定するものではなく、例えば天井板に取り付けた照明装置により、真下とは異なる位置の床面、または壁面を照明するために用いてもよい。
電源ユニット12は、照明装置10の上部に配置され、後述の光源ユニット16(図3)に電力を供給する。電源ユニット12は、電源カバー13と、電源カバー13に取り付けられたコネクタ14と、電源カバー13の内側に配置された回路基板15とを有する。図3に示すように電源カバー13は、2つのカバー要素13a、13bを上下に組み合わせた状態で結合することにより、回路基板15を覆うように形成される。電源カバー13の横方向端部にはコネクタ14が固定される。図3では、コネクタの図示を省略している。
各カバー要素13a、13bは、金属板に曲げ加工を施すことで形成される。回路基板15には電源回路(図示せず)が配置される。コネクタ14は、電源回路にリード線(図示せず)等により接続される。コネクタ14には、電源コード(図示せず)の一端に設けられたプラグが接続可能であり、電源コードは、他端において交流電源に接続される。電源カバー13は、下側のカバー要素13bを構成する本体板部13cの幅方向両端から下側に伸びるように形成された2つの脚部13dの下端が、後述の天井取付ユニット30の天井取付板31の上面にボルト32及び筒ナット33により結合される。
光源ユニット16は、光源支持部17と、光源である発光モジュール24とを含む。光源支持部17は、上カバー18、下カバー20、及び中カバー22を有する。光源支持部17の内部に発光モジュール24が配置される。上カバー18は、例えば金属により形成され、上端に天板を有する略円筒状であり、電源カバー13を構成する本体板部13cの下側にねじにより固定される。
下カバー20は、例えば光拡散用のフィラーまたはボイドを含有する乳白色の樹脂製透光部材である。下カバー20は、下端に底板を有する略円筒状であり、上カバー18の内側に嵌合される。下カバー20は透明な部材であってもよい。下カバー20は、後述の発光モジュール24から出射される光を下側に透過させる機能を有する。中カバー22は樹脂等により形成され、下端に底板を有する略円筒状であり、下カバー20の内側に嵌合される。中カバー22の底板には円形の窓孔(図示せず)が形成される。この底板において窓孔の周縁部には、発光モジュール24が中カバー22の軸方向に対し垂直な方向に沿って支持されている。上カバー18、下カバー20、及び中カバー22は、電源カバー13と天井取付ユニット30の天井取付板31とに挟まれて固定される。
発光モジュール24は、例えば長方形状の基板に実装されたCOB(Chip on Board)タイプの光源本体を有する。光源本体を構成する発光素子は、例えば半導体発光素子であり、その中でもLED(Light Emitting Diode)が好ましい。発光素子は、例えば蛍光体を含む封止層で封止される。光源本体は、蛍光体によって発光素子の青色光の一部をより長波長の光に変換し、青色光の残りの一部と混色することで白色光を出射する。
発光モジュール24は、電源ユニット12の電源回路にリード線(図示せず)により接続されて、電源回路から電力が供給される。発光モジュール24は、中カバー22の窓孔と下カバー20の底板とを通じて光を下側に出射する。
天井取付ユニット30は、照明装置10を天井板に取り付けるためのものであり、天井取付板31と下側筒部材36とを有する。天井取付板31は、上から見た形状が矩形であり、正方形等の矩形状の本体板部31aと、本体板部31aの外周部に立設する周壁部31bとを有する。本体板部31aには、電源カバー13を固定するための上記のボルト32が、上方に突出するように固定される。本体板部31aの中心部には断面矩形の突部31cが上方に膨らむように形成され、その突部31cの上端に円形の孔部31dが形成される。発光モジュール24の光はこの孔部31dを通じて下側に出射される。
筒部材である下側筒部材36は、円筒状の筒部37の上端にフランジ38が形成される。筒部37は、固定側筒部に相当する。フランジ38は、天井取付板31の突部31cの内側に配置される略矩形板状である。フランジ38の下面は筒部37の軸方向に対し直交する平面を持つ。天井裏空間にこのフランジ38と天井取付板31とが配置された状態で、天井板100に形成された埋め込み孔101に下側筒部材36の筒部37が挿入される。そして、天井取付板31と天井板100とで下側筒部材36のフランジ38を挟んだ状態で、天井取付板31が木ねじ34(図1)によって天井板100の上側に固定される。これにより、光源支持部17が、天井板100に固定される。また、天井板100の取付面である上側面Fに対し軸方向が直交するように、天井板100に下側筒部材36が固定される。この状態で、下側筒部材36の軸方向(中心軸O1方向)は埋め込み孔101の軸方向と平行である。また、図2に示す下側筒部材36の筒部37の内周面にはねじ孔37aが形成され、そのねじ孔37aには、後述の上カバー要素42の雄ねじ部43が下側から結合される。
以上が照明装置10において、天井裏空間に配置される構成要素であり、天井板100の下側には、後述の照射方向変更ユニット40が配置され、後述のカバー41を含めて下側筒部材36に支持される。
図4は、図1から照射方向変更ユニット40を取り出して上方から見た斜視図である。図5は、照射方向変更ユニット40の正面図である。図6は、照射方向変更ユニット40において、蓋部材70を取り外して上方から見た斜視図である。図7は、図6のA−A断面図である。
照射方向変更ユニット40は、カバー41と、パネル部材60とを含む。カバー41は、上カバー要素42と下カバー要素48とを有し、上カバー要素42に下カバー要素48が係止されて結合される。パネル部材60は、上カバー要素42に上部が挿入され、パネル部材60の下側部分が上カバー要素42と下カバー要素48とで形成される円板状の空間内に配置される。
具体的には、上カバー要素42及び下カバー要素48は、樹脂、金属等の非透光性の材料により形成される。図8は、上カバー要素42を上方から見た斜視図である。上カバー要素42は、下端にフランジ44を有する筒状であり、筒部42aの外周面に雄ねじ部43が形成される。この雄ねじ部43は、図3に示した下側筒部材36の筒部37の内周面に形成されたねじ孔に結合される。フランジ44は、外周部において周方向の180度位相が異なる2つの位置に円弧形の切欠45が形成される。
また、フランジ44の上面において切欠45の周方向両端に位置する部分には、半径方向に伸びる半径方向壁部46a、46bが形成される。また、フランジ44の上面において、切欠45の内周側端と半径方向において一致する位置には円形壁部47が形成され、円形壁部47の外周に半径方向壁部46a、46bの内周側端が接続される。後述するようにフランジ44の外周部は、下カバー要素48(図9)を構成する周壁部49の内周面に形成された上端径方向突部51と中間径方向突部52との間に支持される。半径方向壁部46a、46b(図8)は、上カバー要素42を下カバー要素48に対し回転させる際のストッパとしての機能を有する。
図9は、下カバー要素48を上方から見た斜視図である。下カバー要素48は、上端が開口し、下端に円環状の底板部48aが形成された円筒状であり、底板部48aの中心部には円形の光出射口である開口50が形成される。図7に示すように、下カバー要素48の一端部である下端部における開口50の周辺部には、下方に向かうほど直径が小さくなるように傾斜した環状の傾斜部53が形成される。傾斜部53は、周壁部49と底板部48aとを連結する。そして、下カバー要素48は、開口50の周縁部の内面としての傾斜部53の内面において、開口50に向かって下方に傾斜したカバー傾斜面54を有する。
図9に示すように、下カバー要素48の底板部48aの周方向複数位置には、放射状のリブ55が上方に突出するように形成される。さらに、下カバー要素48の周壁部49の内面の上端部において、180度位相が異なる2つの位置には、径方向内側に突出する円弧形の上端径方向突部51が形成される。また、周壁部49の軸方向中間部において、180度位相が異なる2つの位置には、上端径方向突部51と周方向において隣り合うように、径方向内側に突出する中間径方向突部52が形成される。中間径方向突部52の周方向長さは、上端径方向突部51の周方向長さより小さいが、中間径方向突部52の周方向長さを、上端径方向突部51の周方向長さ以上としてもよい。中間径方向突部52の先端部上面には、半球等の上側突部52aが形成される。各中間径方向突部52は、近くの上端径方向突部51に対し周方向一方側に離れた位置に配置される。
図10は、パネル部材60を上方から見た斜視図である。パネル部材60は、樹脂等の非透光性の材料により形成される。パネル部材60は、光を反射させない、または反射させにくい材料であれば金属により形成してもよい。パネル部材60は、断面が長円形の筒部61と、筒部61の光源側の端である上端に連結されたフランジ状の光入口遮光部62と、筒部61の光源とは反対側の端である下端に連結されたフランジ状の光出口遮光部66とを有する。筒部61は、パネル側筒部に相当する。
筒部61は、内側において、パネル部材60の中心軸O1に対し直交する平面についての断面積が光出口側(図7の下側)に向かって徐々に絞られた形状である。図7の例では、筒部61の内周面において、断面形状の長円形の短軸方向一方側(図7の左側)に位置し、パネル部材60の中心軸O1に近い側の一方側面61aは、パネル部材60の軸方向に対し下方に向かってこの中心軸O1から離れる方向に傾斜する。
一方、筒部61の内周面において、断面形状の長円形の短軸方向他方側(図7の右側)に位置し、パネル部材60の中心軸O1から遠い側の他方側面61bは、パネル部材60の軸方向に略沿っている。筒部61が上記のように光出口側に向かって絞られているので、照明装置10から出射される光の量を少なくできる。なお、筒部61は、このような形状に限定するものではなく、例えば断面が円形または長方形等の矩形であってもよい。また、筒部61は、光出口側に向かって絞られた形状に限定せず、全体がカバー41の軸方向に対し傾斜していれば、光入口から光出口に向かって断面積が略一定の筒状となるようにしてもよい。
図10に示すように、光入口遮光部62は、上から見た形状が円形である。光入口遮光部62は発光モジュール24(図3)からの光をその部分で遮光するか、または光入口遮光部62を透過する光の量を抑制する。筒部61の内側には光入口遮光部62の孔としての入口スリット62aが接続される。入口スリット62aは、パネル部材60の中心軸O1と一致する光入口遮光部62の中心軸O1に対し偏心した位置にある。光入口遮光部62は、上面が中心に向かって略皿状に窪んでいる。また、光入口遮光部62は、上面において、筒部61の上端の周囲に、筒部61との接続部に向かって下方に傾斜した入口側傾斜面63を有する。図7に示すように入口側傾斜面63は、断面が下側に窪んだ湾曲面となるように傾斜しているが、断面が直線となるように傾斜してもよい。なお、照明装置10を水盤照明用として用いない場合には、光入口遮光部及び光出口遮光部のそれぞれの上下方向両側面を、窪んだ面及び膨らんだ面のいずれでもなく平面としてもよい。
図10に示すように、光出口遮光部66は、上から見た形状が略円形である。光出口遮光部66の中心軸は、光入口遮光部62の中心軸でもあるパネル部材60の中心軸O1と一致する。光出口遮光部66は発光モジュール24からの光が光入口遮光部62を透過した場合にその光を遮光する。光出口遮光部66の外周部には略円板状のフランジ67が形成される。そのフランジ67の180度位相が異なる2つの位置には円弧形の切欠68が形成される。切欠68の周方向長さは下カバー要素48(図9)の中間径方向突部52の周方向一端からその隣の上端径方向突部51の周方向他端までの周方向長さより大きい。これにより、光出口遮光部66は、上端径方向突部51及び中間径方向突部52を避けながら下カバー要素48の内側に配置できる。
筒部61の内側には光出口遮光部66の孔としての出口スリット66aが接続される。出口スリット66aは、光出口遮光部66の中心軸O1に対し、入口スリット62aの偏心方向と略同じ方向に偏心した位置にある。図7に示すように光出口遮光部66は、下面が中心に向かって略皿状に窪んでいる。また、光出口遮光部66は、上面において、中心部から外周縁に向かって下方に傾斜した出口側傾斜面69を有する。出口側傾斜面69は、上側に膨らむように湾曲して傾斜しているが、断面が直線となる円錐面状に傾斜してもよい。
上記のように筒部61がパネル部材60の中心軸O1に近い側の一方側面61aがパネル部材60の軸方向に対し、光出口側に向かってこの中心軸O1から離れる方向に傾斜する。これにより、パネル部材60は、上側の発光モジュール24から入射された光を、図7の矢印α方向で示すように、筒部61に通して、カバー41の軸方向に対し傾斜して出射させる。パネル部材60から出射された光は下カバー要素48に遮られることなく、下カバー要素48の開口50から出射される。
パネル部材60は、カバー41に支持され、360度以上の回転が可能に配置される。具体的には、パネル部材60の筒部61及び光入口遮光部62は、上カバー要素42の筒部42aの内側に配置される。この状態で、上カバー要素42の筒部42aの内周面と光入口遮光部62の外周面との間には、半径方向の隙間が全周にわたって形成される。また、パネル部材60の光出口遮光部66は、下カバー要素48の内側に配置される。この状態で、下カバー要素48の内周面と光出口遮光部66の外周面との間には、半径方向の隙間が全周にわたって形成される。これにより、ユーザは、下カバー要素48の開口50に下側から挿入した指によって摩擦力を加えて光出口遮光部66を回転させ、光出射方向が所望の方向となるように、照射方向を変更して調節することができる。
また、カバー41の一端である下端から他端である上端に向かって見た場合に、光出口遮光部66と光入口遮光部62とが、少なくとも一部で重畳している。例えば、光出口遮光部66と光入口遮光部62とは、上カバー要素42の筒部42aの内側で重畳している。これにより上側の発光モジュール24(図3)から出射された光が、光入口遮光部62及び光出口遮光部66が上下方向一方側から見て重なった部分を透過することを防止できるので、パネル部材60は二重構造の遮光部で光の透過を防止できる。このため、発光モジュール24から強い光が出射される場合でも、この二重構造で遮光しやすい。これにより、照明装置10の開口50から出射される光を、出口スリット66aのみからの光としやすい。
図4、図5に戻って、上カバー要素42において、筒部42aの上端には蓋部材70が固定されている。この蓋部材70は、例えば光拡散用のフィラーまたはボイドを含有する乳白色の樹脂製透光部材である。蓋部材70は、外径側と内径側との二重円筒状の筒部の上端に天板が連結された形状である。例えば蓋部材70の下面において外径側及び内径側の筒部の間に筒部42aの上端が超音波溶着で固定される。蓋部材70は透明な部材であってもよい。蓋部材70は、発光モジュール24から出射される光を下側に透過させる機能を有する。蓋部材70は、カバー41の内側と天井裏空間との間での水分の流通を遮断する防水構造を形成する。
図4に示すように照射方向変更ユニット40を組み立てる場合、まず図9に示す下カバー要素48の内側に図10に示すパネル部材60の光出口遮光部66を配置する。このとき、下カバー要素48の上端径方向突部51とその隣の中間径方向突部52とを、パネル部材60の光出口遮光部66の切欠68の内側に進入させながら下カバー要素48に光出口遮光部66を挿入する。その後、光出口遮光部66を回転させて、下カバー要素48からのパネル部材60の抜けを阻止した状態で、複数のリブ55に光出口遮光部66のフランジ67を乗せる。この状態で、パネル部材60は、下カバー要素48の軸方向に対しフランジ67の下面が直交するように配置される。また、下カバー要素48の下端部の内面で隣り合うリブ55の間と光出口遮光部66の下端との間には隙間が形成される。また、光出口遮光部66の外周縁と下カバー要素48の内周面との間にも隙間が形成される。
そして、図8に示す上カバー要素42の筒部42aにパネル部材60の光入口遮光部62及び筒部61を挿入しながら、上カバー要素42を下カバー要素48に組み合わせる。このとき、上カバー要素42のフランジ44に形成した切欠45の内側に下カバー要素48の上端径方向突部51を進入させながら、下カバー要素48に上カバー要素42のフランジ44を挿入する。そして、上カバー要素42を下カバー要素48に対し回転させて上カバー要素42のフランジ44を下カバー要素48の中間径方向突部52の上側突部52aに乗せる。これとともに、下カバー要素48の上端径方向突部51の下側には上カバー要素42のフランジ44を進入させる。これにより、上カバー要素42のフランジ44は、下カバー要素48の上端径方向突部51と中間径方向突部52とで挟まれた状態となり、下カバー要素48からの上カバー要素42の抜けが阻止される。また、上カバー要素42のフランジ44に形成された半径方向壁部46a、46bが下カバー要素48の上端径方向突部51の周方向端に突き当たることで上カバー要素42の回転が規制される。
また、図3、図4に示すように、上カバー要素42のフランジ44の上面において、円形壁部47より内周側部分には、2つの円形のパッキン71,72が上下に重ねた状態で配置される。下側のパッキン72は上下両側面が平面であり、上側のパッキン71は下側が平面で、上側には同心円である複数の環状溝が形成される。天井板100に照明装置10を取り付けた状態で上側のパッキン71が天井板100の下面に弾性的に押し付けられることで、照明装置10のがたつきを抑制できる。
上記の照明装置10によれば、照明装置10の一部が挿入される埋め込み孔101(図2)の軸方向にカバー41の軸方向が一致するようにカバー41を配置することにより、照明の照射方向を埋め込み孔101の軸方向に対し傾斜させることができる。また、照明装置10では、特殊な電球を用いる必要がない。これにより、水盤照明用として用いる照明装置10を容易に実現できる。図7に矢印α方向に発光モジュール24(図3)からパネル部材60の筒部61に入り込んだ光は、カバー41の軸方向に対し傾斜した状態で出射され、その出射された光が下側の浴槽等の水面で反射する。その反射した光が壁面に当たることで水面の揺らぎを壁面に映し出すことができる。
また、パネル部材60が360度以上の回転を可能にした状態で、カバー41に支持されるので、照明装置10を天井板に取付後、ユーザが下から指でパネル部材60を回転させ簡単に照射方向を変えることができる。これにより、天井板100への照明装置10の取付位置に影響を受けることなく、壁面の所望位置に水面の揺らぎを写し出しやすい。
また、光入口遮光部62が入口側傾斜面63を有するので、パネル部材60の上部に溜まった水分を図7の矢印β方向に流して、筒部61の内側を通じて下側に排出しやすい。また、照明装置において蓋部材70を省略した場合に、天井の上側等から上カバー要素42の筒部42aに入り込んだ水分を排出しやすい。
また、光出口遮光部66が出口側傾斜面69を有するので、これによっても上カバー要素42の筒部42aに入り込んだ水分を排出しやすい。このとき、図7の矢印P1方向に筒部42aと光入口遮光部62の外周面との間を通じて落下した水分を、出口側傾斜面69で矢印P2の方向に流して、その外周部に排出することができる。この外周部に流れた水分は、光出口遮光部66の外周面と下カバー要素48の内周面との間の隙間を矢印P3の方向に流れて開口50から排出される。このとき、下カバー要素48の下端部の内面で隣り合うリブ55の間と、光出口遮光部66の下端との間の隙間を通じて水分が排出される。この場合、下カバー要素48の上端から入り込んだ水分も矢印P4の方向に流れて矢印P3の方向に排出することができる。
図11は、実施形態の別例である照明装置において、図7に対応する図である。図11に示す構成では、図1〜図10の構成の場合と異なり、パネル部材60aにおいて、光出口遮光部が省略されている。また、カバー41aは、略円筒状に形成される。カバー41aの内周面には、全周にわたってリング状の突部80が形成されるとともに、その突部80より上側の180度位相が異なる2つの位置には突部81a,81bが形成される。これらの突部80,81a,81bにより光入口遮光部62の外周部に形成されたフランジ64が、360度以上の回転を可能に支持される。このとき、光入口遮光部62のフランジ64の180度位相が異なる2つの位置には切欠(図示せず)が形成され、その切欠によって、カバー41aの上側の突部81a,81bを避けて、パネル部材60aをカバー41aに対し脱着することが可能となる。この様な構成では、ユーザがカバー41aの下端の開口を通じて、パネル部材60aの筒部61の下端部を下側から掴んで所望の位置を照射させるようにパネル部材60aを回転させることができる。図11の構成において、その他の構成及び作用は、図1〜図10の構成と同様である。
また、上記ではカバーを上カバー要素42と下カバー要素48とを組み合わせることにより形成する場合を説明したが、カバーは単一の部材により形成してもよい。
上記では光源としてLED等の発光素子を含む発光モジュール24を用いる場合を説明したが、光源はこのような構成に限定するものではなく、LED電球、白熱電球等、種々の光源を用いることができる。