以下、本発明の一実施の形態の例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、ビデオゲーム処理サーバ10と、複数のユーザがそれぞれ使用するユーザ端末20,201〜20N(Nは任意の整数)とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
ビデオゲーム処理サーバ10と複数のユーザ端末20,201〜20Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のユーザ端末20,201〜20Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
ビデオゲーム処理システム100は、複数のプレイヤが同一の仮想空間(同期された仮想空間と非同期の仮想空間とを含む)で遊戯するビデオゲーム(いわゆるオンラインゲーム)の進行を制御するための各種機能を有する。なお、本例においては、ビデオゲーム処理システム100が、複数のプレイヤそれぞれに特定の仮想空間(複数のプレイヤが共有可能な同一の仮想空間や、他のプレイヤは閲覧しかできない独立的な仮想空間など、種々の仮想空間を含む)が割り当てられるビデオゲーム(いわゆる、箱庭ゲーム)の進行を制御する場合を例にして説明する。また、本例においては、ビデオゲーム処理システム100が、いわゆるクラウドゲーム(あるいはクラウドゲーミング)を対象とする場合を例にして説明を行う。
ビデオゲーム処理サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のユーザ端末20,201〜20Nに対してビデオゲームに関する情報を提供するための各種の機能を有する。
ビデオゲーム処理サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。ビデオゲーム処理システム100においては、複数のユーザ端末20,201〜20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ビデオゲームに関する情報はビデオゲーム処理サーバ10が管理することが好ましい。本例においては、ビデオゲーム処理サーバ10は、ユーザ端末から受信した情報に基づいて各種処理を行い、レンダリングし終えた出力情報(例えば、映像情報や音情報)をユーザ端末に送信する。
図2は、ビデオゲーム処理サーバ10の構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、ビデオゲーム処理サーバ10は、制御部11と、通信部12と、検索部13と、判定部14と、更新部15と、ビデオゲーム情報記憶部16とを含む。
制御部11は、CPUやROMなどを含み、ビデオゲーム情報記憶部16に記憶された制御プログラムに従ってビデオゲーム処理サーバ10全体の制御を行うための機能を有する。
通信部12は、インターネット等の通信ネットワーク30を介して、複数のユーザ端末20,201〜20Nとの間で通信を行うための機能を有する。
検索部13は、ビデオゲーム情報記憶部16に記憶された各種情報の中から、ビデオゲームの進行に応じた情報(例えば、各ユーザ端末におけるビデオゲームの進行状況に応じた情報)を検索するための機能を有する。
判定部14は、ビデオゲームの進行に応じて各種判定を行うための機能を有する。
更新部15は、ビデオゲームの進行に応じてビデオゲーム情報記憶部16に記憶された各種情報を更新するための機能を有する。なお、更新処理に用いる情報は、複数のユーザ端末20,201〜20Nから取得する構成としてもよいし、ビデオゲーム情報記憶部16に予め準備されている構成としてもよい。
ビデオゲーム情報記憶部16は、例えばデータベース装置によって構成され、ビデオゲーム処理システム100がその進行を制御するビデオゲームに関する各種情報や、ビデオゲーム用の制御プログラムなどの各種のデータが格納される記憶媒体である。
ここで、ビデオゲーム処理システム100にて進行が制御されるビデオゲームの概要について説明する。本例においては、ビデオゲーム処理システム100は、ユーザがユーザ端末を操作して自身の仮想空間を作成するシミュレーションゲームの進行を制御する。以下、ユーザが、仮想空間として「各種オブジェクトが配置された町」を作成する場合について説明する。
ユーザは、自身が管理権限を有する町にゲーム内で取得可能な各種オブジェクトを配置し、町を発展させる。ユーザは、町を他のユーザに公開することもできる。そして、ビデオゲームの進行に応じて、町では敵キャラクタの発生を含む各種ゲーム内イベント(イベント)が発生する。発生したイベントは、町を管理するユーザがゲーム内アイテムを使用または消費することでクリア可能に構成される。すなわち、例えば町に敵キャラクタが発生した場合に、ユーザは、所定のゲーム内アイテムを使用または消費することで敵キャラクタを討伐することができる。なお、オブジェクトやゲーム内アイテムの取得方法は従来のものを利用するので、ここでの詳細な説明は省略する。また、イベントの内容は敵キャラクタとのバトルに限定されず、例えば火事や建設など、他ユーザが参加可能なゲーム内での出来事であればよい。ただし、本例におけるイベントは、仮想空間を示すゲーム画面とは異なるゲーム画面(イベント画面)が対応付けされており、イベントに参加するユーザのユーザ端末にはイベント画面が表示されるものとする。以下、イベントとして敵キャラクタが発生する場合を例にして説明する。
図3は、ユーザが管理する町を示すゲーム画面の例について説明するための説明図である。ここでは、敵キャラクタが現れた状態の町を例にして説明する。図3に示すように、ユーザが管理する町には各種オブジェクト(例えば、家301、ビル302、花303)が配置される。また、本例においては、町には、敵キャラクタ310が出現し得る。敵キャラクタにはHPが設定されており、敵キャラクタ310の近傍にはHPの残存率を示すメータ311が表示される。ユーザは、ゲーム画面に示された建築ボタンB1やメニューボタンB2を利用して、オブジェクトの配置や敵キャラクタの討伐に必要な操作を入力する。
また、敵キャラクタとのバトル(例えば、特定のボスキャラクタとのバトル)は、町の様子を示すゲーム画面とは異なる専用のゲーム画面で行われる(図示せず)。また、敵キャラクタの討伐には、町を管理するユーザとは異なるユーザも参加することができる。敵キャラクタを討伐すると、討伐に貢献したユーザに特典が付与される。
上述したビデオゲームの進行を制御すべく、本例においては、ビデオゲーム情報記憶部16は、ユーザ情報記憶部16aと、イベント関連情報記憶部16bと、仮想空間情報記憶部16cとを含む。
ユーザ情報記憶部16aは、各ユーザに関する情報であるユーザ情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、ユーザ情報は、ユーザの識別情報やレベル、所持アイテムなど、ユーザがビデオゲームを行うために必要とされる情報を含む(図示せず)。また、本例においては、ユーザ情報は、ユーザが作成した町の識別情報(例えば、仮想空間番号)を含む。
イベント関連情報記憶部16bは、ビデオゲームの進行に応じて発生し得る各種イベントに関する情報であるイベント関連情報を記憶する記憶媒体である。本例におけるイベント関連情報は、イベントの進行状況と仮想空間の識別情報とを含む。
図4は、イベント関連情報記憶部16bにおけるイベント関連情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、イベント関連情報は、イベントを一意に特定するためのイベント番号と、仮想空間番号と、イベント進行状況とを含む。
ここで、仮想空間番号とは、イベント番号に対応するイベントが発生している(または、これから発生することが決定した)仮想空間を一意に特定する識別情報である。本例においては、1つのイベント番号に複数の仮想空間番号が対応付けされ得る。なお、イベントの発生履歴を残すことで、1つの仮想空間で同じイベントが複数回発生することを防止可能な構成としてもよい。
また、イベント進行状況は、イベントが発生している各仮想空間におけるイベントの進行状況を示す情報である。本例においては、例えば「敵キャラクタの残りHP」や「敵キャラクタが発生するまでの残り時間」などを示す情報が各仮想空間番号に対応付けされる。すなわち、本例においては、イベントの発生とイベントの開始には時間差が生じ得るものとし、ビデオゲーム処理システム100は、発生中のイベントだけでなく、これから発生するイベントについても管理するものとする。なお、ビデオゲーム処理装置100が、イベントの発生とイベントの開始とに時間差を設けない構成としてもよい。
仮想空間情報記憶部16cは、ユーザによって管理されている仮想空間を表示装置の表示画面に表示するための情報である仮想空間情報を記憶する記憶媒体である。本例における仮想空間情報は、ユーザの識別情報と、仮想空間に配置されたオブジェクトとを含む。
図5は、仮想空間情報記憶部16cにおける仮想空間情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、仮想空間情報は、ユーザを一意に特定するためのユーザ番号と、仮想空間番号と、オブジェクトと、イベント発生フラグとを含む。
ここで、イベント発生フラグとは、対応する仮想空間番号が示す仮想空間でのイベント発生の有無を示すフラグである。本例においては、イベント発生フラグとして、イベント場合には「1」が、それ以外の場合には「0」が設定される。また、本例においては、イベントフラグが「1」のとき(すなわち、イベントが発生しているとき)、ユーザは、仮想空間への新たなオブジェクトの配置と、配置済みのオブジェクトの利用(例えば、花の収穫)を禁止されるものとする。なお、イベントの効果はこれに限定されず、例えば何の効果も発生しない構成としてもよい。
複数のユーザ端末20,201〜20Nは、それぞれ、ビデオゲームを行うユーザ(プレイヤ)によって管理され、例えばパーソナルコンピュータや据置型ゲーム装置、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置など、ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。複数のユーザ端末20,201〜20Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、ビデオゲーム処理サーバ10との通信を行うことによりビデオゲームを実行するためのハードウェア(例えば、ゲーム画面を表示する表示装置や音声出力装置など)およびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20,201〜20Nは、ビデオゲーム処理サーバ10を介さずに直接通信を行うことができる構成とされていてもよい。
図6は、ユーザ端末20の構成の例を示すブロック図である。図6に示すように、ユーザ端末20は、制御部21と、通信部22と、出力部23と、操作受付部24と、ビデオゲーム情報記憶部25とを含む。
通信部22は、ビデオゲーム処理サーバ10から各種情報を受信するための機能と、操作受付部24によって受け付けられた操作情報などユーザ端末においてビデオゲームを実行するために必要な各種情報をビデオゲーム処理サーバ10に送信するための機能とを有する。本例においては、通信部22は、通信ネットワーク30を介してビデオゲーム処理サーバ10との通信を行う。
出力部23は、ユーザ端末20が備える表示装置(ディスプレイ)や発音装置(オーディオ機器)によりビデオゲームの進行に応じた映像や音楽を出力するための機能を有する。本例においては、出力部23は、クラウドゲーミングを実現するための処理(例えば、ビデオゲーム処理サーバ10から受信した映像情報を表示装置の表示画面に表示する処理)を実行する。
操作受付部24は、ユーザによる各種操作入力を受け付けるための機能を有する。本例においては、操作受付部24は、ユーザ端末20が備える操作部(タッチパネル)を介してユーザによる操作入力を受け付ける。
ビデオゲーム情報記憶部25は、ビデオゲーム処理システム100がその進行を制御するビデオゲームに関する各種情報や、ビデオゲーム用の制御プログラムなどの各種のデータが格納される記憶媒体である。本例においては、ビデオゲーム情報記憶部25は、クラウドゲーミングを実現するための情報を記憶するための記憶部(例えば、ビデオゲーム処理サーバ10から受信した映像情報を一時的に記憶するための映像情報記憶部25aと、同じく受信した音情報を一時的に記憶するための音情報記憶部25b)を備える。
次に、本例のビデオゲーム処理システム100の動作について説明する。なお、本発明に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。
図7と図8は、ビデオゲーム処理システム100が実行するイベント関連処理の例を示すフローチャートである。イベント関連処理では、仮想空間におけるイベントの発生とユーザによるイベントへの参加とを実現するための処理が行われる。以下、ビデオゲーム処理サーバ10(サーバ10)とユーザ端末20(端末20)とがイベント関連処理を実行する場合を例にして説明する。
イベント関連処理は、例えばサーバ10が、予め定められたイベントの発生条件に従って、ユーザが管理する仮想空間においてイベントを発生させると判定したことに応じて開始される。なお、イベントの発生条件は特に限定されず、例えばサーバ10が、ユーザによるイベント発生アイテムの使用を検出したことに応じて、イベント関連処理を開始する構成としてもよい。また、本例においては、イベントの発生条件とイベントの内容とが対応付けされた情報(イベント情報)が、ビデオゲーム情報記憶部16に記憶されているものとする。
イベント関連処理において、先ず、サーバ10は、仮想空間に発生させるイベント(発生イベント)を特定する(ステップS101)。本例においては、サーバ10は、ユーザによって満たされたイベント発生条件に対応するイベントを、仮想空間に発生させるイベントとして特定する。
サーバ10は、仮想空間に発生させるイベントを特定すると、イベントを発生させる仮想空間を特定する(ステップS102)。本例においては、サーバ10は、イベント発生条件を満たしたユーザが管理する仮想空間を、イベントを発生させる仮想空間として特定する。
サーバ10は、イベントを発生させる仮想空間を特定すると、当該イベントに対応するユーザ(発生ユーザ)に対応付けされた他のユーザ(他ユーザ)を特定する(ステップS103)。本例においては、サーバ10は、ビデオゲームの進行に応じて(例えば、ユーザの操作に応じて)ユーザと他のユーザとを対応付けたフレンド情報を生成してビデオゲーム情報記憶部16に記憶しておき、他ユーザを特定する際には、フレンド情報を参照して、発生ユーザに対応付けされたユーザを他ユーザとして特定する。
サーバ10は、他ユーザを特定すると、特定した他ユーザにイベントの発生を報知する(ステップS104)。本例においては、サーバ10は、イベントが発生した仮想空間の表示要求を受け付ける仮想ボタン(または、リンク)を含むゲーム画面(報知画面)を表示するための情報を生成し、生成した情報を特定した他ユーザのユーザ端末に送信する。以下、端末20のユーザXが他ユーザとして特定された場合を例にして説明する。
端末20は、報知画面を受信すると、自己が備える表示装置の表示画面に報知画面を表示する(ステップS201)。本例においては、端末20は、発生ユーザの名前と、発生しているイベントの概要と、発生ユーザが管理する仮想空間の表示要求を受け付ける仮想ボタンとを含むゲーム画面を、報知画面として表示する(図示せず)。
端末20は、報知画面を表示すると、ユーザXによる仮参加操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS202)。ここで、例えば報知画面の表示終了操作を受け付けたことにより、仮参加操作を受け付けていないと判定すると(ステップS202のN)、端末20は、ここでの処理を終了する。一方、例えばユーザXによる仮想ボタンの選択操作を受け付けたことにより、仮参加操作を受け付けたと判定すると(ステップS202のY)、端末20は、サーバ10に仮参加要求を送信する(ステップS203)。なお、ここで「仮参加」としたのは、「イベントが発生している仮想空間への移動(すなわち、他のユーザが管理する仮想空間の表示)」と、「他のユーザが管理する仮想空間で発生したイベントへの参加」との差を明確にする意図である。
サーバ10は、仮参加要求を受け付けると、発生ユーザの仮想空間を示すゲーム画面(仮想空間画面)を端末20に送信する(ステップS105)。本例においては、サーバ10は、発生ユーザが管理する町に敵キャラクタが出現している様子を示す仮想空間画面を生成して送信する。
端末20は、仮想空間画面を受信すると、自己が備える表示装置の表示画面に仮想空間画面を表示する(ステップS204)。本例においては、端末20は、ユーザXに管理権限のない状態で、発生ユーザの仮想空間が表現された仮想空間画面(例えば、図3で示したゲーム画面から建築ボタンB1とメニューボタンB2とを除いた画面)を表示する。なお、端末20が、ユーザXに所定の管理権限(例えば、発生ユーザの町に配置された花への水やりなど)を許容する構成としてもよい。
端末20は、仮想空間画面を表示すると、ユーザXによる本参加操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS205)。ここで、例えば仮想空間画面の表示終了操作を受け付けたことにより、本参加操作を受け付けていないと判定すると(ステップS205のN)、端末20は、ここでの処理を終了する。一方、例えばユーザXによる敵キャラクタの選択操作を受け付けたことにより、本参加操作を受け付けたと判定すると(ステップS205のY)、端末20は、サーバ10に本参加要求を送信する(ステップS206)。なお、本参加の方法はイベントの発生を示すオブジェクト(本例においては、敵キャラクタ)の選択に限定されず、例えば仮想空間の表示後所定時間が経過したことに応じて本参加の意思あるとみなして本参加要求を受け付けたと判定する方法など、種々の方法が考えられる。
サーバ10は、本参加要求を受け付けると、イベント内容を示すゲーム画面(イベント画面)を端末20に送信する(ステップS106)。本例においては、サーバ10は、敵キャラクタとユーザXのプレイヤキャラクタとが戦闘を行うイベント画面を生成して送信する。
端末20は、イベント画面を受信すると、自己が備える表示装置の表示画面にイベント画面を表示する(ステップS207)。本例においては、端末20は、敵キャラクタと、ユーザXのプレイヤキャラクタと、ユーザXによる行動の選択を受け付ける仮想ボタン(行動選択ボタン)とを含むゲーム画面を、イベント画面として表示する(図示せず)。
端末20は、イベント画面を表示すると、行動選択操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS208)。ここで、例えばイベント画面の表示終了操作を受け付けたことにより、行動選択操作を受け付けていないと判定すると(ステップS208のN)、端末20は、後述するステップS211の処理に移行する。一方、例えばユーザXによる行動選択ボタンの選択操作を受け付けたことにより、行動選択操作を受け付けたと判定すると(ステップS208のY)、端末20は、サーバ10に行動要求を送信する(ステップS209)。本例においては、端末20は、複数の行動選択ボタンの中からユーザXに選択された行動選択ボタンに対応する行動(例えば、攻撃)を示す行動要求を生成してサーバ10に送信する。
サーバ10は、行動要求を受信すると、行動演出を行動結果とを含む行動実行画面を端末20に送信する(ステップS107)。本例においては、サーバ10は、受信した行動要求に基づいて行動内容(例えば、攻撃演出や攻撃力)を特定し、特定した行動内容とイベント内容(例えば、攻撃対象となった敵キャラクタの強さ)とに基づいて行動演出の内容と行動結果(例えば、敵キャラクタの残りHPや行動に対する特典)とを特定し、特定した内容を含む動画像含む行動実行画面を生成して端末20に送信する。
サーバ10は、行動実行画面を送信すると、ユーザ情報を更新する(ステップS108)。本例においては、サーバ10は、ユーザXによるイベントへの参加内容(例えば、アイテムの消費)に基づいてユーザ情報を更新する。
サーバ10は、ユーザ情報を更新すると、イベント情報を更新して(ステップS109)、ここでの処理を終了する。本例においては、サーバ10は、イベントの進行状況を更新する。なお、ユーザXによる行動によりイベントの終了条件が満たされた場合には、サーバ10は、仮想空間情報を更新する。
一方、行動実行画面を受信した端末20は、自己が備える表示装置の表示画面に行動実行画面を表示する(ステップS210)。本例においては、端末20は、敵キャラクタとプレイヤキャラクタによる戦闘の様子を示す動画像と、戦闘結果を示す画像とを含むゲーム画面を、行動実行画面として表示する(図示せず)。
端末20は、行動実行画面を表示すると、イベントへの参加を終了するか否かを判定する(ステップS211)。ここで、例えば参加継続操作を受け付けたことにより、イベントへの参加を終了しないと判定すると(ステップS211のN)、端末20は、ステップS203の処理に移行する。端末20がステップS203の処理に移行することにより、ユーザXの行動結果後の発生ユーザの仮想画面に再度ユーザXが訪問する機会を設けることができる。なお、端末20がステップS206の処理に移行することで、発生ユーザの仮想空間を表示する処理を省略する構成としてもよい。
一方、例えばイベント参加終了操作を受け付けたことにより、イベントへの参加を終了すると判定すると(ステップS211のY)、端末20は、ここでの処理を終了する。
なお、イベント関連処理は、ユーザの仮想空間で発生したイベントに他のユーザが参加する場合に、他のユーザにイベントが発生した仮想空間を訪問する機会があればよく(例えば、他のユーザが操作するユーザ端末の表示画面にあるユーザの仮想空間を表示させてからイベントに対応する画面を表示させる構成)、処理の内容と各処理の順番は図7と図8とに示したものに限定されない。すなわち、例えばイベント画面の表示後に仮想空間画面を表示する構成としてもよい。
以上に説明したように、上述した実施の形態においては、ユーザが対応付けされた仮想空間(例えば、仮想的な町)におけるビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、他のユーザが対応付けされた仮想空間においてイベント(例えば、敵キャラクタの討伐)が発生する又は発生したことを報知する報知画面を表示し(例えば、ステップS201)、報知画面を表示したことに応じてイベントへの仮参加要求を受け付け(例えば、ステップS202)、仮参加要求に応じてイベントが発生している仮想空間を示す仮想空間画面を表示し(例えば、ステップS204)、仮想空間画面を表示したことに応じてイベントへの本参加要求を受け付け(例えば、ステップS205)、本参加要求に応じてイベントに対応するイベント画面を表示する(例えば、ステップS207)構成としているので、ユーザが他のユーザに対応する仮想空間に訪れる機会を増やすことができるようになる。
すなわち、イベントに参加する場合に、例えば一度他のユーザが対応付けされた(例えば、管理権限が与えられた)仮想空間を表示した後にイベントを開始することで、イベントに興味を示したユーザが他のユーザの仮想空間に訪れることとなるため、ユーザが他のユーザに対応する仮想空間に訪れる機会を増やすことができるようになる。特に、各ユーザが自身に割り当てられた仮想空間の管理するビデオゲームのジャンルにおいて、イベントへの参加に関連付けて他のユーザの仮想空間を表示する構成とすることで、ユーザに思いがけない発見(例えば、独創的な仮想空間を構築しているユーザの発見)をする機会を提供することができるようになる。
また、上述した実施の形態においては、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、イベントの進行状況と仮想空間の識別情報(例えば、仮想空間番号)とを含むイベント関連情報を記憶するイベント関連情報記憶部16bを備え、ユーザの操作に応じてイベントの進行を制御し(例えば、イベントの発生や時間の計時)、仮想空間で発生する又は発生したイベントの進行状況に応じて、イベント画面を生成し、生成したイベント画面を表示する(例えば、ステップS207)構成としているので、あるユーザの仮想空間で発生したイベント(例えば、敵キャラクタの討伐)に他のユーザが参加できるようになる。
また、上述した実施の形態においては、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、ユーザの識別情報(例えば、ユーザ番号)と、仮想空間に配置されたオブジェクトとを含む仮想空間情報を記憶する仮想空間情報記憶部16cを備え、ユーザの操作に応じて、当該ユーザが対応付けされた仮想空間の構成が変化するように仮想空間情報を更新する構成としているので(すなわち、いわゆる箱庭ゲームの進行を制御可能な構成としているため)、他ユーザの訪問機会が増えることにより、各ユーザのビデオゲームを進行させることに対する動機を提供することができるようになる。すなわち、各ユーザが、他ユーザに見られることを期待して仮想空間を発展させるために行動するようになり、ビデオゲーム全体に活気が生まれることが期待できるようになる。
また、上述した実施の形態においては、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、仮想空間においてイベントが発生するまたは発生したことに応じて、当該イベントの発生を示すオブジェクト(例えば、敵キャラクタ310)を含む仮想空間を示す仮想空間画面を生成し(例えば、ステップS105)、生成された仮想空間画面を表示する(例えば、ステップS204)構成としているので、ゲーム画面として表示された仮想空間を見るだけでユーザがイベントの有無を判断できるようになる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、イベント関連情報が、敵キャラクタに関する敵キャラクタ情報を含み、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、敵キャラクタ情報に基づいて敵キャラクタの挙動を制御する構成としてもよい。また、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、ユーザが対応付けされた仮想空間(例えば、町)における敵キャラクタの挙動に応じて、当該仮想空間の構成を変化させる(例えば、オブジェクトを破壊したり、移動したりする)構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザに対してイベントへの参加を促すことができるようになる。
また、上述した実施の形態においては、複数のクライアント装置(例えば、複数のユーザ端末20,201〜20N)の表示画面にゲーム画面を表示させるビデオゲーム処理サーバ10が、所定の発生規則に従って、複数の仮想空間のうち少なくとも1つの仮想空間でイベントを発生させ(例えば、ステップS104とステップS105の間にイベントを発生させ)、当該イベントが発生する又は発生した仮想空間に対応付けされた発生ユーザとは異なる他ユーザが操作するクライアント装置(例えば、ユーザ端末20)に対し、当該イベントが発生する又は発生した仮想空間を示すゲーム画面を表示させる(例えば、ステップS204)構成としているので、ユーザが他のユーザに対応する仮想空間に訪れる機会を増やすことができるようになる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、複数のユーザ番号と1つの仮想空間番号とが対応付けされた仮想空間情報を含む構成としてもよい。このような構成とすることにより、複数のユーザが1つの仮想空間(例えば、町)を共有する箱庭ゲームを実現することができるようになる。この場合、ビデオゲーム処理装置は、複数のユーザがそれぞれ自己のユーザ端末に共有の仮想空間を表示しようとする場合、各ユーザのユーザ端末間で同期を図る構成としてもよい。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、1つのユーザ番号と複数の仮想空間番号とが対応付けされた仮想空間情報を含む構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザが複数の仮想空間(例えば、町)を管理可能な箱庭ゲームを実現することができるようになる。この場合、ビデオゲーム処理装置が、1人のユーザが管理する仮想空間毎にイベントの発生を報知する他のユーザが対応付けされたユーザ情報を参照して、イベントの発生を報知するユーザを特定する構成としてもよい。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、発生イベントと発生ユーザとをそれぞれ独立して特定する構成としてもよい。すなわち、例えばビデオゲーム処理装置が、所定の時間間隔で時期に応じたイベントを発生イベントとして特定し、所定規則(例えば、乱数を利用する規則)に従って単数または複数のユーザを発生ユーザとして特定する構成としてもよい。この場合、例えばビデオゲーム処理装置が、発生ユーザの状況(例えば、レベル)に応じて、ユーザの仮想空間で発生させるイベントの難易度(例えば、レベル)を特定する構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザのレベルでは対応し得ないイベントを発生させてしまうことによるゲームの趣向性の低下を防止することができるようになる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、イベントに参加した他ユーザの行動内容を示すゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面を表示する構成としてもよい。すなわち、例えばユーザ端末201でイベントが発生し、ユーザ端末202のユーザが当該イベントに参加した場合に、ユーザ端末201が、ユーザ端末202に表示されたイベント画面を含むゲーム画面を自己が備える表示装置の表示画面に表示する構成としてもよい。このような構成とすることにより、イベントを介してユーザ間の繋がりを強めることができるようになる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置(例えば、サーバ10または端末20)が、ユーザ端末20にゲーム内アイテムを付与する場合に、ユーザ端末20のユーザが管理する仮想空間を含む画面上でゲーム内アイテムを付与する演出(アイテム付与演出)を実行する構成としてもよい。
図9は、アイテム付与演出の例について説明するための説明図である。図9に示すように、ビデオゲーム処理装置が、イベントに参加したユーザが管理する町にアイテム付与オブジェクト901を表示し(図9(A))、アイテム付与オブジェクト901からアイテムボックス902が落とされる画像を表示し(図9(B)参照)、アイテムボックス902に所定のエフェクト903が付与される画像を表示する(図9(C))構成としてもよい。また、イベントへの参加特典を付与する場合に、ビデオゲーム処理装置が、イベントが発生した仮想空間を含む画面上で特典を付与する演出(特典付与演出)を実行する構成としてもよい。このような構成とすることで、よりプレイヤが他のプレイヤに対応する仮想空間に訪れる機会を増やすことができるようになる。
また、上述した各実施の形態では、ビデオゲーム処理サーバ10と複数のユーザ端末20,201〜20Nとは、それぞれ自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理システム100が、ビデオゲームを実行するために用いられる各種処理(例えば、レンダリング)を実行する機能を有するサーバ10と、当該サーバ10から受信した出力情報(例えば、ゲーム画面や音声情報など)の出力およびユーザの入力の受付を実行する機能を有するユーザ端末20とを備える構成である場合(すなわち、ビデオゲーム処理システム100がいわゆるクラウドゲーミングシステムを構成する場合)について説明した。しかし、ビデオゲーム処理システム100の構成は上述した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20,201〜20Nの何れか(例えば、ユーザ端末20)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のユーザ端末20,201〜20Nが備える構成としてもよい。すなわち、ビデオゲーム処理システム100におけるユーザ端末20とビデオゲーム処理サーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。