JP6927918B2 - 信号機を道路レーンに割り当てる道路地図作成装置、プログラム及び方法 - Google Patents
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Description
これに対し、自動運転車用の地図は、このグローバルパスプランニングに加えて、車両における走行経路計算や操作判断を局所的に実行可能な情報を含む必要がある(ローカルパスプランニング)。具体的には、「どこでどのレーンからどのレーンに移るべきか」「どのような角度で曲がるべきか」「進むべきか止まるべきか」という判断をリアルタイムに実行可能な情報を含む。
また、信号機から車両へ、信号機の灯火情報を無線で配信する技術(例えば非特許文献1参照)もある。但し、膨大な数の信号機に対する改修コストを要するために、インフラ整備にコストや時間を要する。
地図に反映される道路状況としては、例えば車両の位置や、信号機の灯火状態、工事情報、渋滞情報、事故情報なども反映される。これらの情報は、道路管理団体や走行中車両から通信回線を介してリアルタイムに収集され、効率的な自動運転や交通制御が実現される。
しかしながら、自動走行中の車両がカメラで信号機を認識する場合、「その信号機が走行中の道路レーンに向けられたものなのか」を判断することは難しい。これは、MMS専用車であっても同様である。
また、信号機と道路レーンと位置関係のみでは自動的な判別ができないことがあるため、結果的に、人による映像の目視と手動による作成が推奨されている(例えば非特許文献4参照)。
各道路レーンの位置範囲と、各信号機の位置とを記憶する道路地図記憶手段と、
車両毎に、位置及び速度を記憶する車両状態記憶手段と、
信号機毎に、灯火状態を取得する信号機状態取得手段と、
道路地図記憶手段を用いて、推定対象の信号機の位置から第1の所定範囲に含まれる道路レーンを選択する道路レーン選択手段と、
車両状態記憶手段を用いて、選択された道路レーンを走行する車両における統計的速度を算出する道路レーン車速算出手段と、
信号機の灯火状態と、車両の統計的速度との相関値を算出する相関値算出手段と、
相関値が所定の正の相関を満たす際に、当該信号機を、当該車両が走行する道路レーンに割り当てる信号機割当手段と
を有することを特徴とする。
信号機状態取得手段は、灯火状態として、車両に対する進行灯火又は停止灯火を取得し、
相関値算出手段は、進行灯火時及び停止灯火時それぞれについて、当該車両の統計的速度との相関値を算出する
ことも好ましい。
信号機割当手段は、所定の正の相関として、信号機が進行灯火の際の車両の統計的速度が、信号機が停止灯火の際の車両の統計的速度よりも速くなるとする相関傾向が、所定閾値以上となる場合に、信号機を、車両が走行する道路レーンに割り当てる
ことも好ましい。
道路地図記憶手段は、各信号機について当該位置からの向きを更に記憶しており、
道路レーン選択手段は、信号機の向きと道路レーンの進行方向とのなす角度が、所定範囲内に含まれる道路レーンのみを選択する
ことも好ましい。
道路レーン車速算出手段は、統計的速度として、複数の車両の速度における平均値又は中央値を算出する
ことも好ましい。
道路地図記憶手段は、各道路レーンの停止位置を更に記憶し、
道路レーン車速算出手段は、選択された当該道路レーンの停止位置から第2の所定範囲に含まれる車両における統計的速度を算出する
ことも好ましい。
道路レーン車速算出手段は、統計的速度として、選択された道路レーンを走行する車両について、当該道路レーンの停止位置からの距離に応じて重み付けしたものを算出する
ことも好ましい。
道路レーン車速算出手段は、重みとして、当該道路レーンの停止位置からの距離に近いほど、大きい重みを付ける
ことも好ましい。
相関値算出手段は、機械学習エンジンであり、
学習段階として、教師データとなる信号機の灯火状態及び車両の統計的速度と相関の正否とを、予め入力して学習し、
推定段階として、信号機の灯火状態及び車両の統計的速度を入力することによって、相関の正否を出力する
ことも好ましい。
道路地図記憶手段は、自動運転車用地図のHDMAP(High Definition MAP)を記憶したものである
ことも好ましい。
各道路レーンの位置範囲と、各信号機の位置とを記憶する道路地図記憶手段と、
車両毎に、位置及び速度を記憶する車両状態記憶手段と、
信号機毎に、灯火状態を取得する信号機状態取得手段と、
道路地図記憶手段を用いて、推定対象の信号機の位置から第1の所定範囲に含まれる道路レーンを選択する道路レーン選択手段と、
車両状態記憶手段を用いて、選択された道路レーンを走行する車両における統計的速度を算出する道路レーン車速算出手段と、
信号機の灯火状態と、車両の統計的速度との相関値を算出する相関値算出手段と、
相関値が所定の正の相関を満たす際に、当該信号機を、当該車両が走行する道路レーンに割り当てる信号機割当手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
装置は、
各道路レーンの位置範囲と、各信号機の位置とを記憶する道路地図記憶部と、
車両毎に、位置及び速度を記憶する車両状態記憶部と、
信号機毎に、灯火状態を取得する信号機状態取得部と
を有し、
装置は、
道路地図記憶部を用いて、推定対象の信号機の位置から第1の所定範囲に含まれる道路レーンを選択する第1のステップと、
車両状態記憶部を用いて、選択された道路レーンを走行する車両における統計的速度を算出する第2のステップと、
信号機の灯火状態と、車両の統計的速度との相関値を算出する第3のステップと、
相関値が所定の正の相関を満たす際に、当該信号機を、当該車両が走行する道路レーンに割り当てる第4のステップと
を実行することを特徴とする。
また、車載装置は、CAN(Controller Area Network)から「速度」情報を取得することもできる。
更に、車載装置は、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)から道路交通情報(混雑状況、交通規制等)を受信することもできる。
また、道路地図作成装置1は、各車両2から、道路レーンを走行中に見える1つ以上の信号機の位置及び灯火状態を受信するものであってもよい(道路に対応付けられていない信号機も含む)。これによって、道路地図作成装置1は、信号機の位置から信号機IDを特定すると共に、その灯火状態を対応付けて記憶することができる。
道路地図記憶部101は、自動運転車用地図のHDMAP(High Definition MAP)を記憶したものである。
ここで、本発明の道路地図記憶部101は、基本的に、地図上に、以下の要素を記憶する。
各道路レーンの位置範囲
各信号機の位置
各道路レーンの位置範囲としては、道路毎に、各道路レーンについて、地図上の座標範囲(少なくとも対角の座標点)が対応付けられたものであってもよいし、仮想リンクと称される中心線からの幅であってもよい。また、ポリゴン表記に基づく形状であってもよい。
また、更に以下の要素を記憶することも好ましい。
各道路レーンの停止位置
各道路レーンの進行方向(直進専用、右折専用など)
各信号機の向き(地図上で北を0°した時計方向の角度)
これら要素の位置や向きは、例えばMMS専用車によって計測されたデータから、事前に、道路地図に反映されたものである。
車両状態記憶部102は、車両毎に、時刻に応じた「位置」及び「速度」を記憶する。これらは、走行中の車両から、例えばダイナミックマップ基盤のネットワークを介して受信される。
「位置」は、例えば車両のGPSによって測位された緯度経度であって、時系列に収集される。
「速度」は、車両の車載装置によって計測されたものであってもよいし、GPSの測位センサから出力された位置の時間的変位に基づいて算出されたものであってもよい。尚、車両の「加速度」を、速度から算出するものであってもよい。
信号機状態取得部103は、信号機毎に、時刻に応じた灯火状態を取得する。「灯火状態」とは、車両に対する進行灯火又は停止灯火を表す。灯火状態は、信号機状態管理装置4から、リアルタイム又は所定時間間隔で受信される。
道路レーン選択部11は、道路地図記憶部101を用いて、推定対象の信号機の位置から第1の所定範囲(例えば半径100m)に含まれる道路レーンを選択する。ここでは、1つの道路に複数の道路レーンがある場合、道路レーン毎に区別して選択する。同一の道路であっても道路レーンに応じて信号機が異なる場合もあるし、同一の信号機であっても道路レーンに応じて異なる指示をする場合もある。
道路地図記憶部101が、信号機毎に「向き」(例えば北を0°として時計回りに360°)が予め登録されている場合、信号機の向きと道路レーンの進行方向とのなす角度が、所定範囲(例えば90°)内に含まれる道路レーンのみを選択する。道路レーンの方向は、道路地図上の当該道路レーンの中央線の進行方向であってもよい。
これは、道路レーンを走行する車両から見て、その車両の進行/停止を指示する信号機は、所定角度(例えば90°)の視野角に入ることを前提としている。
道路レーン車速算出部12は、車両状態記憶部102を用いて、選択された道路レーンを走行する車両における「統計的速度」を算出する。「統計的速度」は、複数の車両の速度における平均値又は中央値であってもよいし、速度から算出された加速度の平均値又は中央値であってもよい。
尚、統計計算の期間は、任意の期間、例えば1つの信号の灯火サイクル(例えば30秒)毎であってもよい。また、統計計算対象は、該当道路レーン上を走行する全車両に対して、複数台まとめてもよいし、1台ずつであってもよい。この結果、計算期間毎や統計計算対象毎に、統計計算結果が得られる。
統計的速度の算出に用いられる車両の速度は、推定対象の信号機の灯火状態が変化してから所定時間経過後(例えば10秒)のものである。即ち、所定時間経過以前の車両の速度は、信号機の以前の灯火状態に影響を受けているとして除外する。
道路レーン選択部11によって選択された道路レーン走行する車両であっても、当該道路レーンの停止位置から第2の所定範囲(例えば50m)に含まれる車両における統計的速度を算出する。即ち、所定範囲外となる車両の速度は除外する。
図6によれば、第1の所定範囲(信号機から100m)に含まれる道路レーンについて、停止位置から第2の所定範囲(例えば50m)に含まれる車両の速度のみが選択される。
「統計的速度」は、選択された道路レーンを走行する車両について、当該道路レーンの停止位置からの距離dに応じて重み付け(重み関数W(d))したものである
具体的には、重み関数W(d)について、x=0〜50mをW(d)=1、x=51m〜をW(d)=0とすることによって、前述した<道路レーンの停止位置から所定範囲に含まれない車両の速度の除外>と同様になる。また、距離dが短くなるほどW(d)が高くなり、距離dが長くなるほどW(d)が低くなるように重み付けすることも好ましい。
例えば重み付けした統計的速度の平均値Vavgは、各車両の速度から以下のように算出される。
Vavg=Σi=0 N-1W(di)vi/Σi=0 N-1W(di)
N:道路レーン上の車両数
Vavg:道路レーンの統計的速度の平均値
vi:車両iの速度
di:道路レーンの停止位置からの距離
W(di):距離diに応じた重み関数
相関値算出部13は、信号機の灯火状態と、道路レーン上の車両の統計的速度との相関値を算出する。具体的には、進行灯火時及び停止灯火時それぞれについて、当該道路レーン上の車両の統計的速度との相関値を算出する。
図7によれば、例えば30分における灯火状態の変化の12回分(進行点灯6回及び停止灯火6回)がプロットされている。また、それらプロットを、例えば最小二乗法などを用いて回帰直線(y=ax+b)を計算し、この回帰直線の係数aを相関値とする。この相関値は、信号機と道路レーンとの組み合わせの数だけ、算出される。
尚、道路レーンには、右折専用や、直進、左折専用などもあり、赤信号が灯火していても、矢印灯がその該当方向に点灯している場合などには「進行点灯」と判定される。
特に、正の相関を持つか否かを判定するために、例えばサポートベクタマシンのような機械学習エンジンを用いたものであってもよい。
相関値算出部13は、学習段階として、教師データとなる信号機の灯火状態及び車両の統計的速度と相関の正否とを、予め入力して学習する。また、推定段階として、信号機の灯火状態及び車両の統計的速度を入力することによって、相関の正否を出力する。このよに、相関値算出部13は、機械学習エンジンによって実現することもできる。
信号機割当部14は、相関値が所定の正の相関を満たす際に、当該信号機を、当該車両が走行する道路レーンに割り当てる。
図3でも前述したように、本発明の道路地図は、HDMAPに基づくものであるので、その中で、信号機と道路レーンとを自動的に割り当てることができる。
101 道路地図記憶部
102 車両状態記憶部
103 信号機状態取得部
11 道路レーン選択部
12 道路レーン車速算出部
13 相関値算出部
14 信号機割当部
2 車両
3 信号機
4 信号機状態管理装置
Claims (12)
- 地図上で、推定対象の信号機を道路レーンに割り当てる道路地図作成装置であって、
各道路レーンの位置範囲と、各信号機の位置とを記憶する道路地図記憶手段と、
車両毎に、位置及び速度を記憶する車両状態記憶手段と、
信号機毎に、灯火状態を取得する信号機状態取得手段と、
前記道路地図記憶手段を用いて、推定対象の信号機の位置から第1の所定範囲に含まれる道路レーンを選択する道路レーン選択手段と、
前記車両状態記憶手段を用いて、選択された前記道路レーンを走行する車両における統計的速度を算出する道路レーン車速算出手段と、
前記信号機の灯火状態と、前記車両の統計的速度との相関値を算出する相関値算出手段と、
前記相関値が所定の正の相関を満たす際に、当該信号機を、当該車両が走行する道路レーンに割り当てる信号機割当手段と
を有することを特徴とする道路地図作成装置。 - 前記信号機状態取得手段は、前記灯火状態として、車両に対する進行灯火又は停止灯火を取得し、
前記相関値算出手段は、進行灯火時及び停止灯火時それぞれについて、当該車両の統計的速度との相関値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の道路地図作成装置。 - 前記信号機割当手段は、前記所定の正の相関として、前記信号機が進行灯火の際の前記車両の統計的速度が、前記信号機が停止灯火の際の前記車両の統計的速度よりも速くなるとする相関傾向が、所定閾値以上となる場合に、前記信号機を、前記車両が走行する道路レーンに割り当てる
ことを特徴とする請求項2に記載の道路地図作成装置。 - 前記道路地図記憶手段は、各信号機について当該位置からの向きを更に記憶しており、
前記道路レーン選択手段は、信号機の向きと道路レーンの進行方向とのなす角度が、所定範囲内に含まれる道路レーンのみを選択する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の道路地図作成装置。 - 前記道路レーン車速算出手段は、前記統計的速度として、複数の車両の速度における平均値又は中央値を算出する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の道路地図作成装置。 - 前記道路地図記憶手段は、各道路レーンの停止位置を更に記憶し、
前記道路レーン車速算出手段は、選択された当該道路レーンの停止位置から第2の所定範囲に含まれる車両における統計的速度を算出する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の道路地図作成装置。 - 前記道路レーン車速算出手段は、前記統計的速度として、選択された前記道路レーンを走行する車両について、当該道路レーンの停止位置からの距離に応じて重み付けしたものを算出する
ことを特徴とする請求項6に記載の道路地図作成装置。 - 前記道路レーン車速算出手段は、前記重みとして、当該道路レーンの停止位置からの距離に近いほど、大きい重みを付ける
ことを特徴とする請求項7に記載の道路地図作成装置。 - 前記相関値算出手段は、機械学習エンジンであり、
学習段階として、教師データとなる信号機の灯火状態及び車両の統計的速度と相関の正否とを、予め入力して学習し、
推定段階として、信号機の灯火状態及び車両の統計的速度を入力することによって、相関の正否を出力する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の道路地図作成装置。 - 前記道路地図記憶手段は、自動運転車用地図のHDMAP(High Definition MAP)を記憶したものである
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の道路地図作成装置。 - 地図上で、推定対象の信号機を道路レーンに割り当てる装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
各道路レーンの位置範囲と、各信号機の位置とを記憶する道路地図記憶手段と、
車両毎に、位置及び速度を記憶する車両状態記憶手段と、
信号機毎に、灯火状態を取得する信号機状態取得手段と、
前記道路地図記憶手段を用いて、推定対象の信号機の位置から第1の所定範囲に含まれる道路レーンを選択する道路レーン選択手段と、
前記車両状態記憶手段を用いて、選択された前記道路レーンを走行する車両における統計的速度を算出する道路レーン車速算出手段と、
前記信号機の灯火状態と、前記車両の統計的速度との相関値を算出する相関値算出手段と、
前記相関値が所定の正の相関を満たす際に、当該信号機を、当該車両が走行する道路レーンに割り当てる信号機割当手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 地図上で、推定対象の信号機を道路レーンに割り当てる装置の道路地図作成方法であって、
前記装置は、
各道路レーンの位置範囲と、各信号機の位置とを記憶する道路地図記憶部と、
車両毎に、位置及び速度を記憶する車両状態記憶部と、
信号機毎に、灯火状態を取得する信号機状態取得部と
を有し、
前記装置は、
前記道路地図記憶部を用いて、推定対象の信号機の位置から第1の所定範囲に含まれる道路レーンを選択する第1のステップと、
前記車両状態記憶部を用いて、選択された前記道路レーンを走行する車両における統計的速度を算出する第2のステップと、
前記信号機の灯火状態と、前記車両の統計的速度との相関値を算出する第3のステップと、
前記相関値が所定の正の相関を満たす際に、当該信号機を、当該車両が走行する道路レーンに割り当てる第4のステップと
を実行することを特徴とする装置の道路地図作成方法。
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