JP6927653B2 - フォークリフト - Google Patents
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Description
本発明の第2の態様によるフォークリフトは、ボトム室に対する圧油の給排によりピストンロッドを伸縮させてフォークを昇降する一対のリフトシリンダと、前記一対のリフトシリンダの一方に装着され、前記圧油を前記ボトム室に給排する油路に発生する圧力が低い圧力変動を吸収する第1変動圧力吸収器と、前記一対のリフトシリンダの他方に装着され、前記圧油を前記ボトム室に給排する油路に発生する圧力が高い圧力変動を吸収する第2変動圧力吸収器とを備える。また、運転席から前方への視界を遮る領域は、前記一対のリフトシリンダで遮られる第1領域、および、前記第1領域よりも前方視界を幅方向で広く遮る第2領域を含み、前記第2領域は、前記一対のリフトシリンダの前方にそれぞれ配置される他の構造物で遮られる領域であり、前記第1および第2変動圧力吸収器は、前記第1領域からはみ出し前記第2領域からはみ出さないように前記一対のリフトシリンダにそれぞれ装着される。
−第1実施の形態−
図1は、フォークリフト1の側面図である。図示左側をフォークリフト1の前方、図示右側をフォークリフト1の後方と定義する。フォークリフト1は、車体2の前部に荷役マスト9を備える。荷役マスト9には昇降可能にフォーク24が設けられている。荷役マスト9は、車体2に備えられたチルトシリンダ21により図示左右方向に傾けられる。
車体2は、運転席25を含むキャビン6と、車体2を移動させる前輪26および後輪27と、原動機や油圧回路等が設けられた格納部28とを備える。
図2は、荷役マスト9の外観図であり、図2(a)は荷役マスト9の斜視図、図2(b)は正面図である。図2(a)の左奥がフォークリフト1の前方、図示右手前がフォークリフト1の後方、図示右奥がフォークリフト1の右、図示左手前がフォークリフト1の左である。図2(b)の紙面奥側がフォークリフト1の前方、紙面手前側がフォークリフト1の後方である。荷役マスト9は、フォークリフト1の前後方向に延びる車軸Cを中心軸として左右対称の構成を有する。図2では省略しているが、図2(a)の左奥側にフォーク24が取り付けられる。
一対のアウターマスト40は、右アウターマスト40Rと左アウターマスト40Lとから構成される。一対のアウターマスト40の上部同士、すなわち右アウターマスト40Rの上部と左アウターマスト40Lの上部がアウターマスト連結部49により連結されている。一対のインナーマスト50は、右インナーマスト50Rと左インナーマスト50Lとから構成される。一対のインナーマスト50の上部同士、すなわち右インナーマスト50Rの上部と左インナーマスト50Lの上部がインナーマスト連結部59により連結されている。一対のリフトシリンダ310は、左リフトシリンダ310Lと右リフトシリンダ310Rとから構成される。
図2(a)、(b)に示すように、シリンダチューブ311はアウターマスト40に固定され、ピストンロッド312の先端はインナーマスト50の上部に固定される。シリンダ収縮時はボトム室305からコントロールバルブ82を介してタンク88へ作動用が排出される。油圧ポンプ81からコントロールバルブ82を介してボトム室305に作動油が供給されると、作動油の油圧を受けたピストン314が上部に移動し、ピストン314に一体のピストンロッド312が伸長する。
図2〜4に示すように、一対のリフトシリンダ310には、ボトム室305に給排される作動油の圧力変動を吸収する変動圧力吸収器として機能するアキュームレータが収容されたアキュームレータユニット100が取り付けられる。左リフトシリンダ310Lの車体2側には、低圧用アキュームレータユニット100Lが設けられ、右リフトシリンダ310Rの車体2側には、高圧用アキュームレータユニット100Rが設けられる。以下、低圧用アキュームレータユニット100Lと高圧用アキュームレータユニット100Rとを総称する場合には、アキュームレータユニット100と呼ぶ。
なお、コントロールバルブ82にフローコントロールバルブ83の機能を設けている場は、アキュームレータ101L、101Hは、ボトム室305L,305Rとコントロールバルブ82との間に設けられることになる。
(1)フォークリフト1は、一対のアウターマスト40と、一対のアウターマスト40に案内されて昇降する一対のインナーマスト50と、一対のインナーマスト50に設けられ、インナーマスト50とともに昇降するフォーク24と、ボトム室305に対する圧油の給排によりピストンロッド312を伸縮させてインナーマスト50を昇降する一対のリフトシリンダ310と、圧油をボトム室305に給排する油路の圧力変動を吸収するための変動圧力吸収器であるアキュームレータ101と、を備える。アキュームレータ101は、リフトシリンダ310の車体2に対向する側、すなわち運転席25に対向する面に設けられる。第1実施の形態では、アキュームレータ101は、リフトシリンダ310のチューブの外周面に装着される。
これにより、オペレータは、図2(b)の正面図に示すように、アキュームレータ101により運転席25から前方の視界を妨げられることなく視認できる。また、既存の荷役マスト9に対して大幅な形状変更を加えることなくアキュームレータ101を配置することができるので、既存の設計への影響が少ない。
フローコントロールバルブ83とコントロールバルブ82との間の管路にアキュームレータ101が接続される場合、フォーク24を降下する際の流量制限に伴うメイン管路85に発生する圧力に比べて、フローコントロールバルブ83とコントロールバルブ82との間の管路に発生する圧力が低いので、ボトム室305に作用する圧力変動を十分に吸収することができない。一方、実施の形態のように、ダウンセーフティバルブ84とフローコントロールバルブ83の間のメイン管路85にアキュームレータ101を接続することにより、比較例に比べて高圧側の圧力変動を吸収するような高圧アキュームレータ101Hを使用できるなど、設計上の自由度が向上する。
第1実施の形態のフォークリフトでは、リフトシリンダのボトム室に作用する圧力変動を吸収する低圧用および高圧用アキュームレータをそれぞれ一対のリフトシリンダの運転席25側の面に装着した。しかし、低圧用および高圧用アキュームレータを一対のリフトシリンダのいずれか一方に装着してもよい。
第1実施の形態のフォークリフトでは、リフトシリンダのボトム室に作用する圧力変動を吸収する低圧用および高圧用アキュームレータをそれぞれ一対のリフトシリンダの運転席側の面に装着し、かつ、運転席から前方視界を遮る領域内に低圧用および高圧用アキュームレータを配設した。図1および図2に示すフォークリフトでは、運転席から前方を遮る遮蔽物は、一対のリフトシリンダと、その前方に配置されている一対のアウターマストと一対のインナーマストで構成される昇降装置構造部とである。
変形例2のフォークリフトでは、運転席から前方への視界を遮る領域は、一対のリフトシリンダで遮られる第1領域、および、第1領域よりも前方視界を幅方向で広く遮る第2領域を含み、第2領域は、一対のリフトシリンダの前方にそれぞれ配置される昇降装置構造部で遮られる領域であり、低圧用および高圧用アキュームレータは、第1領域からはみ出し第2領域からはみ出さないように一対のリフトシリンダにそれぞれ装着される。
すなわち、一対のアキュームレータを一対のリフトシリンダにそれぞれ装着する取付板の幅やアキュームレータの直径がリフトシリンダのチューブよりも大きい場合でも、リフトシリンダの前側に一組のアウターマストとインアマストが前方視界を遮るようなフォークリフトでは、一組のアウターマストとインアマストで構成される構造物の幅が実質的な前方視界を遮る領域となる。そこで、取付板の幅やアキュームレータの直径が第2領域を支配する昇降装置構造部の幅方向をはみ出さないようにしたフォークリフトも本発明に含まれる。
上述した実施の形態では、フォークリフト1は低圧用アキュームレータ101Lと高圧用アキュームレータ101Hとを備えた。しかし、フォークリフト1は、低圧用アキュームレータ101Lおよび高圧用アキュームレータ101Hのいずれか一方のみを備えてもよい。また、フォークリフト1は、同種のアキュームレータ、すなわち設定圧が同一のアキュームレータを複数備えてもよい。要するに、本発明は、少なくとも1種類の圧力変動を吸収するアキュームレータに代表される変動圧力吸収器を1つ備えるフォークリフトにも適用可能である。
1本のリフトシリンダでフォークを昇降するフォークリフトにも本発明を適用できる。この場合、リフトシリンダはフォークリフトの中央に配置され、少なくとも1種類の圧力変動を吸収するアキュームレータに代表される変動圧力吸収器を1本のリフトシリンダに装着する。
第2実施の形態のフォークリフトは、ボトム室に対する圧油の給排によりピストンロッドを伸縮させてフォークを昇降する一対のリフトシリンダと、一対のリフトシリンダの一方に装着され、圧油をボトム室に給排する油路に発生する圧力が低い圧力変動を吸収する低圧用アキュームレータと、一対のリフトシリンダの他方に装着され、圧油をボトム室に給排する油路に発生する圧力が高い圧力変動を吸収する高圧用アキュームレータとを備える。
このように、第2実施の形態のフォークリフトでは、2種類の圧力域での圧力変動を吸収する二つのアキュームレータを設ける場合でも、一対のリフトシリンダに二つのアキュームレータをそれぞれ配置すればよく、設置スペースを広げることなく乗り心地性能を改善できる。
図1および図2に示すフォークリフトでは、運転席から前方を遮る遮蔽物は、一対のリフトシリンダと、その前方に配置されている一対のアウターマストと一対のインナーマストで構成される昇降装置構造部とである。第2実施の形態の変形例のフォークリフトでは、リフトシリンダのチューブの外径寸法は昇降装置構造物の幅方向の寸法よりも小さい。したがって、第2実施の形態のフォークリフトでは、低圧用および高圧用アキュームレータの幅寸法や取付板の幅寸法は、昇降装置構造物の幅寸法以下であれば、リフトシリンダの幅寸法より大きくてもよい。
すなわち、フォークリフト運転席から前方への視界を遮る領域は、一対のリフトシリンダで遮られる第1領域、および、第1領域よりも前方視界を幅方向で広く遮る第2領域を含み、第2領域は、一対のリフトシリンダの前方にそれぞれ配置される昇降装置構造物で遮られる領域である。第2実施の形態の変形例のフォークリフトでは、低圧用および高圧用アキュームレータは、第1領域からはみ出し第2領域からはみ出さないように一対のリフトシリンダにそれぞれ装着される。
2…車体
9…荷役マスト
24…フォーク
40…アウターマスト
50…インナーマスト
81…油圧ポンプ
82…コントロールバルブ
83…フローコントロールバルブ
84…ダウンセーフティバルブ
85…メイン管路
86L,86H…分岐管路
101…アキュームレータ
101L…低圧用アキュームレータ
101H…高圧用アキュームレータ
101P…油圧導入室
101K…隔壁
101G…ガス室
305…ボトム室
310…リフトシリンダ
312…ピストンロッド
313…シリンダ室
314…ピストン
Claims (7)
- ボトム室に対する圧油の給排によりピストンロッドを伸縮させてフォークを昇降するリフトシリンダと、
前記圧油を前記ボトム室に給排する油路の圧力変動を吸収するための変動圧力吸収器と、を備え、
前記変動圧力吸収器は、前記リフトシリンダの運転席に対向する側に設けられ、
前記運転席から前方への視界を遮る領域は、前記リフトシリンダで遮られる第1領域、および、前記第1領域よりも前方視界を幅方向で広く遮る第2領域を含み、
前記第2領域は、前記リフトシリンダの前方に配置される他の構造物で遮られる領域であり、
前記変動圧力吸収器は、前記第1領域からはみ出し前記第2領域からはみ出さないように前記リフトシリンダに装着される、フォークリフト。 - 請求項1に記載のフォークリフトにおいて、
前記変動圧力吸収器は、前記リフトシリンダのチューブの外周面に装着されるフォークリフト。 - 請求項1または2に記載のフォークリフトにおいて、
前記他の構造物は、前記リフトシリンダの伸縮により前記フォークを昇降する一対のマスト装置であり、前記リフトシリンダで昇降する一対の第1マストと、前記第1マストの移動を案内する一対の第2マストを含むフォークリフト。 - 請求項1から3までのいずれか一項に記載のフォークリフトにおいて、
前記フォークを降下させる際に前記ボトム室から排出される圧油の流量を制限して前記フォークの降下速度を制限する流量制限部を更に備え、
前記変動圧力吸収器は、前記ボトム室と前記流量制限部との間の前記油路に設けられるフォークリフト。 - 請求項1から4までのいずれか一項に記載のフォークリフトにおいて、
前記変動圧力吸収器は、前記圧油を前記ボトム室に給排する油路に発生する圧力が低い圧力変動を吸収する低圧変動吸収器と、前記圧油を前記ボトム室に給排する油路に発生する圧力が高い圧力変動を吸収する高圧変動吸収器とを備えるフォークリフト。 - 請求項3を引用する請求項5に記載のフォークリフトにおいて、
前記リフトシリンダは第1および第2リフトシリンダを含み、
前記低圧変動吸収器と前記高圧変動吸収器はそれぞれ、前記第1および第2リフトシリンダの運転席と対面する面に装着されるフォークリフト。 - ボトム室に対する圧油の給排によりピストンロッドを伸縮させてフォークを昇降する一対のリフトシリンダと、
前記一対のリフトシリンダの一方に装着され、前記圧油を前記ボトム室に給排する油路に発生する圧力が低い圧力変動を吸収する第1変動圧力吸収器と、
前記一対のリフトシリンダの他方に装着され、前記圧油を前記ボトム室に給排する油路に発生する圧力が高い圧力変動を吸収する第2変動圧力吸収器とを備え、
運転席から前方への視界を遮る領域は、前記一対のリフトシリンダで遮られる第1領域、および、前記第1領域よりも前方視界を幅方向で広く遮る第2領域を含み、
前記第2領域は、前記一対のリフトシリンダの前方にそれぞれ配置される他の構造物で遮られる領域であり、
前記第1および第2変動圧力吸収器は、前記第1領域からはみ出し前記第2領域からはみ出さないように前記一対のリフトシリンダにそれぞれ装着される、フォークリフト。
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