JP6926632B2 - 表面処理装置および表面処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面処理装置および表面処理方法に関する。
各種基材の表面改質や微細加工のためにプラズマを利用した表面処理が幅広く利用されている。これはプラズマ励起用ガスを電離することでプラズマを生成し、生成したプラズマ中の荷電粒子(イオンや電子)およびラジカル、官能基、などの活性種や重合性ガスの分解によって生成する成膜種を表面処理の目的に応じて基材表面に暴露させることで処理を進行させる。
プラズマを利用した表面処理の一例として、プラズマ励起用ガスが電離することで生成する荷電粒子を基材表面に衝突させて微細形状を形成するエッチングや、官能基を基材表面に結合させることで親水性、撥油性などの機能を付与する表面改質、またラジカルや荷電粒子を用いて重合性ガスを分解し、重合性ガスを分解して生成した成膜種を基材の処理表面に化学的に結合させて薄膜を形成するCVDなど、様々な表面処理装置の開発が進められてきた。
これらの表面処理を高速に進行させるためには、プラズマ励起用ガスを電離することで生成する荷電粒子およびラジカルなどの活性種や重合性ガスの分解によって生成する成膜種の生成量を増加させ、それらを無駄なく基材の処理表面や重合性ガスとの反応空間に供給し、反応を促進させることが必要である。この処理速度高速化に向けた取り組みとして、生成した活性種や成膜種を基材表面に輸送する過程で、電極部材表面に付着して損失する活性種や成膜種の量を低減し、基材の処理表面や重合性ガスとの反応空間に対する活性種や成膜種の供給量を向上させるための方策が検討されてきた。
例えば特許文献1には、真空チャンバの壁の内側にCFnイオンおよびラジカルとの反応性が低いアルミナの筐体を設けることで、衝突したCFnイオンおよびラジカルがチャンバの壁の内側で反応し、消滅する活性種の量を低減できることが示されている。これにより生成したCFnイオン及びラジカルを消滅させることなく基材の処理表面まで輸送することで均一かつ高速な処理ができるとしている。
また特許文献2には、CVD処理空間を規定する周壁の処理空間を囲む壁面に二次元的に分布する複数の吐出口から供給される付着抑制ガスが、重合性ガスの分解によって生成された成膜種に衝突し、その方向を変えることで、処理空間を規定する周壁の処理空間を囲む壁面への成膜種の衝突を抑制できることが示されており、これにより成膜種の周壁表面への付着を防止し、周壁のクリーニングの頻度とクリーニング時のクリーニングガスの使用量を低減することができるとしている。この特許文献2において、周壁へ衝突しなくなった成膜種は、排気口や基材表面、電極表面へ向かって飛行するようになり、一部は基材の処理に利用されるようになるため、基材の処理表面に対する成膜種の供給量が副次的に増加し表面処理の高速化が見込めると考えられる。
特開平9−55368号公報 特開2015−170680号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、活性種の筐体への衝突そのものは低減できないため、活性種のチャンバ内壁での反応を低減させるために用いた筐体に衝突した活性種によってスパッタリングが生じ、筐体から微粒子が飛散し、処理基材に付着、混入することで表面処理を行った基材の品質低下に繋がる。
特許文献2の方法では、吐出口の正面方向以外の空間を飛行している成膜種は押し返すことができない。そのため、吐出口同士の間に向かって飛行してきた成膜種は電極部材表面やチャンバ内壁に衝突および付着して消滅してしまうため、基材表面に対する活性種の供給量を向上させる十分な効果が期待できない。
本発明の目的は、電極を構成する周壁表面での活性種や成膜種の付着による損失量を低減し、基材表面に対する活性種や成膜種の供給量を増加させ、表面処理速度の向上を可能とする、表面処理装置および表面処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、真空容器と、前記真空容器内を減圧し、その圧力を維持するための排気手段と、前記真空容器内に備えられ、プラズマを生成するためのプラズマ生成手段と、基材を保持するための基材保持機構であって、前記プラズマ生成手段によりプラズマが生成されるプラズマ生成空間に前記基材の処理面が対向するように配置された基材保持機構と、前記プラズマ生成空間および前記基材保持機構を囲む周壁と、を備え、前記周壁に、この周壁で囲まれた空間へ向けて、この周壁の壁面に対して斜め方向にガスを吹き出す複数の第1のガス供給口が形成された、基材の表面を処理する表面処理装置を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記第1のガス供給口のうち、前記プラズマ生成空間に向けてガスを吹き出すガス供給口を含む、表面処理装置を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記第1のガス供給口から供給されるガスの吹き出し方向が、前記プラズマ生成空間から前記基材保持機構側に向かう方向に直交する方向よりも基材保持機構側へ傾いている、表面処理装置を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記第1のガス供給口が孔状であり、任意の前記第1のガス供給口をガス供給口Aとし、ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向が、このガスの吹き出し方向を前記周壁で囲まれた空間内から見て周壁の表面へ投影した方向に、ガス供給口Aに隣り合う別の前記第1のガス供給口であるガス供給口Bが存在する方向であり、前記ガス供給口Aから供給されるガスの前記周壁で囲まれた空間内での平均自由行程をλ、前記ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向と前記周壁の表面とのなす角度(鋭角)をθとしたとき、前記ガス供給口Aの周縁部と前記ガス供給口Bの周縁部との間隔がλ・cosθ以下である、表面処理装置を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記第1のガス供給口がスリット状であり、任意の前記第1のガス供給口をガス供給口Aとし、ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向が、このガスの吹き出し方向を前記周壁で囲まれた空間内から見て周壁の表面へ投影した方向に、ガス供給口Aに隣り合う別の前記第1のガス供給口であるガス供給口Bが存在する方向であり、前記ガス供給口Aから供給されるガスの前記周壁で囲まれた空間内での平均自由行程をλ、前記ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向と前記周壁の表面とのなす角度(鋭角)をθ、前記ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向を前記周壁で囲まれた空間内から見て周壁の表面へ投影した方向を方向Cとしたとき、前記ガス供給口Aの周縁部と前記ガス供給口Bの周縁部の前記方向Cの距離がλ・cosθ以下である、表面処理装置を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記プラズマ生成手段が、アノードとこのアノードに対して空間を設けて配置されたカソードとで構成され、前記アノードと前記カソードとの間の空間を通して、前記基材保持機構へ向けてガスを吹き出すように配置された第2のガス供給口を備えた、表面処理装置を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記基材保持機構が前記プラズマ生成空間から離れて配置されており、前記第1のガス供給口のうち、前記基材保持機構と前記プラズマ生成空間との間の空間に向けてガスを吹き出すガス供給口を含む、表面処理装置を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記プラズマ生成空間を通さずに、前記プラズマ生成空間と前記基材保持機構の間の空間にガスを吹き出す第3のガス供給口を備えた、表面処理装置を提供する。
上記課題を解決するために本発明は、前記真空容器内を減圧し、前記第1のガス供給口から前記プラズマ生成空間へ向けて重合性または非重合性ガスのいずれか、もしくは両方のガスを供給し、前記プラズマ生成空間にプラズマを生成して、前記基材保持機構に保持した基材の表面を処理する、表面処理方法を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記真空容器内を減圧し、前記第1のガス供給口から前記プラズマ生成空間と前記基材保持機構の間の空間へ向けて非重合性ガスを供給し、前記第2のガス供給口から前記アノードと前記カソードとの間のプラズマ生成空間を通して、前記基材保持機構へ向けて重合性または非重合性ガスのいずれか、もしくは両方のガスを供給しながら、前記プラズマ生成空間にプラズマを生成して、前記基材保持機構に保持した基材の表面を処理する、表面処理方法を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記真空容器内を減圧し、前記第1のガス供給口から前記周壁で囲まれた空間に非重合性ガスを供給し、前記第2のガス供給口から前記アノードと前記カソードとの間のプラズマ生成空間を通して、前記基材保持機構へ向けて非重合性ガスを供給し、前記第3のガス供給口から前記プラズマ生成空間を通さずに、前記プラズマ生成空間と前記基材保持機構の間の空間に重合性ガスを供給し、前記プラズマ生成空間にプラズマを生成して、前記基材保持機構に保持した基材の表面を処理する、表面処理方法を提供する。
本発明における用語の意味は以下のとおりである。
「プラズマ生成手段」とは、供給したガスの少なくとも一部をイオンや電子に電離した状態にする装置のことをいう。ガスを電離するための励起方法は、一例として誘導結合型や、容量結合型などの放電を用いた励起方法が挙げられるが、その他に例示される光励起型や熱励起型などいずれの励起方法でもよい。
「周壁」とは、基材保持機構とプラズマ生成空間または/およびプラズマ生成空間と基材保持機構の間の空間を囲むように、任意の材料および部材で構成されたものをいう。周壁を構成する部材の一部分としてプラズマ生成手段を構成するアノードやカソードなどの電極部材を用いてもよい。
「表面処理」とは、エッチング、蒸着、スパッタ、CVD等が挙げられる。中でも特にCVDは、プラズマ励起用として用いた非重合性ガスの電離によって生成される活性種の他に、重合性ガスの分解によって生成される成膜種の付着が存在することなどから、本発明の対象としては好適である。
「活性種」とは、プラズマ生成空間に供給した非重合性ガスが、エネルギー供給源によって与えられたエネルギーによって、化学的に活性な状態となった粒子をいう。活性種の種類としては非重合性ガスの電離によって生成されるイオンや電子などの荷電粒子、ラジカル、励起種などが挙げられる。ただし、活性種の種類はこれらには限定されない。
「成膜種」とは、プラズマ生成空間に供給した重合性ガスが、エネルギー供給源によって与えられたエネルギーによって分解、または活性種との衝突によって分解された状態の粒子をいう。
「ガスの吹き出し方向」とは、第1のガス供給口の中心軸に沿った付着損失抑制ガスのガス流れの向きをいう。
「付着損失抑制ガス」とは、周壁表面に流入してきた活性種や成膜種を周壁に囲まれた空間中へ押し返す機能を目的としたガスをいう。
「非重合性ガス」とは、そのガス単独ではプラズマにより分解して生成した活性種同士が結合して重合物を形成することのないガスをいう。
「重合性ガス」とは、そのガス単独でもプラズマにより分解して生成した成膜種同士の結合により、薄膜や微粒子などの重合物を形成しうるガスをいう。
「プラズマ励起用ガス」とは、プラズマ生成手段に接続されたエネルギー供給源によって供給されたエネルギーにより電離し、少なくとも一部が電子やイオンを生成するガスをいう。
本発明の表面処理装置、表面処理方法によれば、以下に説明するとおり、プラズマによって生成した活性種や成膜種が、周壁表面へ付着して損失する量を低減して、基材表面へ供給される量を増加できるので、表面処理を高速で行うことができる。
本発明の表面処理装置の一例を示した概略断面図である。 本発明における、第1のガス供給口から供給されるガスの吹き出し方向と周壁表面の被覆面積について示した図である。 本発明における、隣り合う第1のガス供給口同士の位置関係を示した図である。 本発明における表面処理装置の別の態様の主要構成要素を示した図である。 本発明における表面処理装置の別の態様の主要構成要素を示した図である。 本発明における表面処理装置の別の態様の主要構成要素を示した図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照しながら説明する。
図1を参照する。図1は、本発明の表面処理装置の一例を示した概略断面図である。本発明の表面処理装置は、真空容器1、並びに真空容器1内部に、基材3を保持するための基材保持機構4、プラズマ生成手段5及び周壁10を備える。真空容器1には、真空容器1内部の圧力を減圧し、減圧した圧力状態を維持するための排気手段2が接続されている。プラズマ生成手段5には、エネルギー供給源9が接続されている。基材保持機構4とプラズマ生成手段5は、基材保持機構4に保持された基材3の被処理面が、プラズマ生成手段5によってプラズマが生成されるプラズマ生成空間6と対向するように配置されている。周壁10は、プラズマ生成空間6および基材保持機構4を囲んでいる。周壁10には、周壁10で囲まれた空間11aへ向けて、周壁10の壁面に対して斜め方向に付着損失抑制ガスを吹き出す複数の第1のガス供給口12が形成されている。周壁10には付着損失抑制ガスの供給経路7aが接続されており、供給経路7aには空間11aへ吹き出す付着損失抑制ガスの流量を調整するための調整機構8aが接続されている。
第1のガス供給口12から吹き出す付着損失抑制ガスの種類としては、非重合性ガスと重合性ガスのいずれでも構わない。重合性ガスの例として、TEOS(テトラエトキシシラン)、TMS(テトラメトキシシラン)、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)、メタン、エタン、エチレン、アセチレン等が挙げられる。非重合性ガスの例として、アルゴン、酸素、窒素、水素、ヘリウム等が挙げられる。重合性ガスと非重合性ガスの種類は、これらに限定されない。
プラズマ生成手段5に接続されたエネルギー供給源9によって、第1のガス供給口12からプラズマ生成空間6へ向けて吹き出した付着損失抑制ガスをプラズマ励起用ガスとして利用し、吹き出した付着損失抑制ガスにエネルギーを与えて、付着損失抑制ガスを電離しプラズマを生成する。付着損失抑制ガスが非重合性ガスの場合、電離によって活性種が生成される。付着損失抑制ガスが重合性ガスの場合、電離によって成膜種が生成する。生成したプラズマ中の活性種や成膜種を基材3の被処理面に供給し、表面処理を行う。
本実施形態において第1のガス供給口12から付着損失抑制ガスを吹き出すことによる効果は、付着損失抑制ガスとして非重合ガスを用い、電離によって活性種を生成させた場合と、付着損失抑制ガスとして重合性ガスを用い、電離によって成膜種を生成させた場合とで同じであるので、以後の説明では特に断りのない限り、付着損失抑制ガスとして非重合ガスを用い、電離によって活性種を生成させた実施形態を例として説明をする。
プラズマ生成手段5におけるガスの励起方法は、一例として誘導結合型や、容量結合型などの放電を用いた励起方法が挙げられるが、その他の光励起型や熱励起型などいずれの励起方法でもよい。またエネルギー供給源9は励起方法に応じて、電気、熱、光などのエネルギーを供給できるものを適宜選定できる。プラズマ励起用のエネルギーとして電気を供給する場合、電源としては直流電源でも交流電源でも構わない。
図1の表面処理装置では、周壁10とは別にプラズマ生成手段5を備えているが、周壁10がプラズマ生成手段5の機能を兼ねる構成であってもよい。
図1に示す様な構成とすることで、付着損失抑制ガスの電離によって生成された活性種を、第1のガス供給口12から吹き出した付着損失抑制ガスによって空間11a中へ押し返し、周壁10の表面に付着して損失する活性種の量を低減できる。
図2を参照する。図2に示すように、第1のガス供給口12は、ガスの吹き出し方向13が周壁10の壁面に対して斜め方向になるように形成されている。このようにガスの吹き出し方向13が斜め方向となることで、付着損失抑制ガスを周壁10表面から空間11aへ向けて垂直に吹き出した場合と比較して、周壁10表面を覆う面積が、ガスの吹き出し方向13を周壁10の表面に投影した被覆面積15だけ増加する。これにより、空間11aに存在する周壁10表面へ流入する活性種を空間11aへ押し返す確率が向上し、周壁10表面に付着して損失する活性種の量をさらに低減できる。この結果、基材3の処理表面に対する活性種の供給量が増加し、表面処理の処理速度を向上できる。
なお、第1のガス供給口12から付着損失抑制ガスとして重合性ガスを供給した場合には、基材3の処理表面に対する成膜種の供給量が増加し、基材3の処理表面に形成する薄膜の成膜レートを向上させることができる。さらに、周壁10表面に付着する成膜種の量が低減するので、周壁10表面に薄膜が形成されにくくなり、装置のクリーニング頻度が低減し、長期間に渡って安定的に放電するのでメンテナンス費用が低減できる。
再び図1を参照する。また図1に示す様に、周壁10によって空間11aを囲むことで、プラズマで生成した活性種の拡散を防止し、基材3の処理表面に活性種を効率良く供給できる。
第1のガス供給口12から吹き出す付着損失抑制ガスの流量は、空間11a内の圧力によって決まる周壁10表面へ流入する粒子数と同じ数か、その粒子数を超える数の粒子を供給することができる流量を設定することが好ましい。第1のガス供給口12から吹き出す付着損失抑制ガスの流量をこのような流量に設定することで、空間11a内の周壁10表面へ流入する全ての粒子を空間11a内へ押し返すために必要な量の粒子数を供給することができ、より高い活性種の付着損失抑制効果を得ることができる。
さらに第1のガス供給口12から吹き出す付着損失抑制ガスの流量は、周壁10表面へ流入する粒子数と等しい粒子数を供給することができる流量を設定することが、より好ましい。第1のガス供給口12から吹き出す付着損失抑制ガスの流量をこのような流量に設定することで、空間11a内の周壁10表面へ流入する全ての粒子を空間11a内へ押し返しつつ、かつ排気手段2の大容量化を抑制できる。これにより、基材3の処理表面に対する活性種の供給量の増加と設備費増加の抑制を両立できる。
第1のガス供給口12は、ガス吹き出し方向が、プラズマ生成空間6から基材保持機構4に向かう方向14aに直交する方向14bよりも基材保持機構4側へ傾くように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、周壁10表面の被覆面積15が増加する効果に加えて、付着損失抑制ガスのガス粒子が押し返した活性種が基材保持機構4側に向かうようになり、空間11aへ押し返した活性種が基材3の表面に到達するまでの飛行距離が短くなる。その結果、空間11a内で活性種が再結合して消失する確率が低減し、基材3の処理表面へ供給する活性種の量を増加させることができる。これによって表面処理の処理速度を向上することができる。
図2、3を参照する。第1のガス供給口12の形状が孔状の場合、図3に図示したように、第1のガス供給口12から供給されるガスの吹き出し方向13(方向13については図2を参照)を、このガスの吹き出し方向13を周壁10で囲まれた空間内から見て周壁10の表面に投影した方向16(以下、被覆方向16とする)に、別の隣り合う第1のガス供給口12が存在する方向とすることが好ましい。空間11a内の圧力と空間11a内に存在するガス種類で決まる平均自由行程をλ、ガスの吹き出し方向13と周壁10の表面とのなす角度18をθとすると、付着損失抑制ガスにより周壁10を覆う被覆面積15はλ・cosθで表される。付着損失抑制ガスで効率的に活性種を押し返すには、複数の第1のガス供給口12から供給される付着損失抑制ガスの被覆面積15が、それぞれ重ならないようにするのがよい。ところが、複数の第1のガス供給口12からのガスの吹き出し方向13を、それぞれ任意の方向に設定してしまうと、被覆面積15が重なる懸念がある。そこで上記のように、第1のガス供給口12から供給されるガスの吹き出し方向13を、その被覆方向16に、隣接する別の第1のガス供給口12が存在するように定めておくことで、被覆面積15を極力重ならないようにすることができる。
さらに、任意の第1のガス供給口12をガス供給口Aとし、ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向13の被覆方向16にある隣接する第1のガス供給口12をガス供給口Bとしたとき、ガス供給口Aとガス供給口Bの周縁部同士の間隔17を、λ・cosθ以下とするのが好ましい。間隔17をλ・cosθ以下とすることで、付着損失抑制ガスの被覆方向16に隣り合う第1のガス供給口12の周縁部同士間の周壁10の表面を被覆面積15で覆うことができ、活性種が周縁部同士間の周壁10の表面に到達する隙間がなくなる。ガス供給口Aとガス供給口Bの周縁部同士の間隔17は、λ・cosθであることがさらに好ましい。間隔17をλ・cosθとすることで、被覆面積15同士が重なる無駄な部分がなくなり、付着損失抑制ガスを無駄にすることなく、効率よく活性種の付着損失を抑制できる。
図4を参照する。図4の実施形態では、周壁10に形成される第1のガス供給口12がスリット形状となっている。このように第1のガス供給口12の形状をスリット形状にすることで、スリット長辺19方向に隙間なく付着損失抑制ガスを吹き出すことができる。これにより付着損失抑制ガスによって周壁10表面を被覆する面積が増加し、周壁10の表面に向かって流入してきた活性種を第1のガス供給口12から吹き出した付着損失抑制ガスによって、空間11a中に押し返す確率が向上し、周壁10の表面に付着して損失する活性種の量を低減できる。これにより、より多くの活性種を基材3の処理表面に供給できる。また、スリット形状の長辺19の方向を基材3の表面に平行な方向とすると、基材3の面積が大きくなった場合に、基材3のスリット長辺19方向に対して均一にガスが供給でき、大面積の基材3を均一に表面処理できる。
さらに、第1のガス供給口12の形状が孔状の場合は、基材3が大面積化した際にスリット長辺19方向に多数の第1のガス供給口12を作製しなければならないが、第1のガス供給口12の形状をスリット形状とすることで、第1のガス供給口12の加工の手間を省くことができる。これにより、作製期間の短縮と加工コストの増加を抑制することができる。
また、任意のスリット形状の第1のガス供給口12をガス供給口Aとし、ガス供給口Aに隣接するスリット形状の第1のガス供給口12をガス供給口Bとしたとき、ガス供給口Aとガス供給口Bの周縁部同士の間隔17を、λ・cosθ以下とするのが好ましく、λ・cosθとするのがより好ましい。この理由は前述の第1のガス供給口12が孔形状である場合と同様であり、間隔17をλ・cosθ以下とすることで、隣り合う第1のガス供給口12の周縁部同士間の周壁10の表面を被覆面積15で完全に覆うことができ、活性種が周壁10の表面に到達する隙間がなくなる。間隔17をλ・cosθとすることで、さらに被覆面積15同士が重なる無駄な部分がなくなり、付着損失抑制ガスを無駄にすることなく、効率よく活性種の付着損失を抑制できる。
図5を参照する。図5は本発明の表面処理装置の別の態様の主要構成要素を示した図である。図5に示す表面処理装置は、第2のガス供給口20を備え、プラズマ生成手段5がアノード21と、このアノード21と空間を設けて対向するカソード22とで構成されている。基材保持機構4はプラズマ生成空間6から距離をあけた位置に配置され、第2のガス供給口20は、第2のガス供給口20から吹き出したガスがアノード21とカソード22との間のプラズマ生成空間6を通過し、基材保持機構4に保持した基材3の処理表面に当たる位置に配置されている。第1のガス供給口12は、周壁10で囲まれた、プラズマ生成空間6およびプラズマ生成空間6と基材保持機構4との間の空間11bへ向けて付着損失抑制ガスを周壁10の壁面に対して斜め方向に吹き出すよう配置されている。また第2のガス供給口20には供給経路7bとガスの供給量を調整するための調整機構8bが接続されている。
本実施形態において第1のガス供給口12から付着損失抑制ガスを吹き出すことによる効果は、第2のガス供給口20から非重合ガスを供給し、プラズマ生成空間6での電離によって活性種を生成させた場合と、第2のガス供給口20から重合性ガスを供給し、プラズマ生成空間6での電離によって成膜種を生成させた場合とで同じであるので、以後の説明では特に断りのない限り、第2のガス供給口20から非重合性ガスを供給する実施形態を例として説明をする。
第2のガス供給口20は、カソード22と電気的に絶縁されていることが好ましい。第2のガス供給口20が電気的に絶縁されていることで、第2のガス供給口20に高いカソード22電圧が印可されず、プラズマ生成空間6以外で放電を生じる異常放電の発生を抑制できる。この異常放電を抑制することで、カソード22に安定的に電力を供給でき、プラズマ生成空間6における放電を安定化できる。また第2のガス供給口20から重合性ガスを吹き出した場合、第2のガス供給口20付近での放電を抑制でき、これにより第2のガス供給口20への薄膜の形成を防止できる。この結果、第2のガス供給口20の閉塞が抑制でき、長期間の安定的なガス供給と基材3の処理表面への薄膜形成が可能となる。
このように基材保持機構4をプラズマ生成空間6から空間11bをあけて配置することで、基材3がプラズマ生成空間6に生成されたプラズマと分離される。その結果、基材3に対するプラズマによるダメージおよび熱負荷を低減できる。また、第2のガス供給口20を、第2のガス供給口20から吹き出したガスが、プラズマ生成空間6を通過して、基材保持機構4に保持した基材3の処理表面に当たるように配置することで、プラズマで生成された活性種は、第2のガス供給口20から吹き出したガスの流れに沿って基材3の処理表面へ流れる。その結果、生成した活性種を効率よく基材3の処理表面に供給できる。これにより、表面処理の処理速度が向上する。
プラズマ生成手段5を構成するアノード21の第2のガス供給口20から吹き出すガス流れ方向23の長さh1と、カソード22の第2のガス供給口20から吹き出すガス流れ方向23の長さh2は、いずれもアノード21とカソード22間の距離wよりも長いことが好ましい。長さh1および長さh2をアノード21とカソード22間の距離wよりも長くし、プラズマ生成空間6を長さh1及び長さh2方向に広げることで、第2のガス供給口20から吹き出したガスがプラズマ生成空間6を通過する時間が長くなる。その結果、第2のガス供給口20から吹き出したガスの分解が促進され、生成される活性種の量が増加する。この結果、基材3の処理表面に供給される活性種の量が増加するため、表面処理の処理速度が向上する。
アノード21の第2のガス供給口20から吹き出すガスのガス流れ方向23の長さh1と、カソード22の第2のガス供給口20から吹き出すガスのガス流れ方向23の長さh2は必ずしも同じ長さでなくてもよいが、同じ長さであることが好ましい。図5に示すように、長さh1とh2が同じである場合、アノード21とカソード22間に電界が均一に形成されるため、第2のガス供給口20から吹き出すガス流れ方向23に形成されるプラズマの偏りを低減することができる。これにより、アノード21とカソード22間で生成される活性種の密度分布を均一化でき、基材保持機構4に保持した基材3処理表面への活性種の供給量の偏りを抑制することができる。この結果、ムラを抑制した表面処理を行うことができる。
アノード21とカソード22は必ずしも平行でなくてもよいが、略平行に配置されることがより好ましい。アノード21とカソード22を略平行に配置することで、アノード21とカソード22の間に均一な電解を形成することができる。これにより、局所的な電解集中による異常放電の発生を抑制することができ、カソード22に安定的に電力を供給することができる。ここで、略平行とはアノード21とカソード22が平行になるように設計されたという意味であり、製作誤差により多少平行からずれたとしても、略平行に含まれるとする。一方、アノード21とカソード22が平行にならないように設計されていれば、これは略平行に含まれない。
図5の表面処理装置では、第1のガス供給口12は、周壁10で囲まれたプラズマ生成空間6およびプラズマ生成空間6と基材保持機構4との間の空間11bへ向けて、第1のガス供給口12から付着損失抑制ガスを吹き出すようにしている。プラズマ生成空間6の中には、プラズマ密度の勾配に従い、プラズマ生成空間6の中に存在するプラズマ密度が高い領域からその周辺のプラズマ密度が低い領域へ向けて活性種の拡散流れが生じる。活性種はこの拡散流れによってプラズマ生成空間6を囲む周壁10の表面に向かうように流れる。したがって、プラズマ生成空間6では、空間11bで生じる空間を自由に飛行している活性種の周壁10への付着による損失に加えて、拡散流れによる付着損失が生じる。さらに、この拡散流れによる付着損失は、空間11bを囲む周壁10表面で生じる付着損失と比較して損失量が多い。そのため、第1のガス供給口12からプラズマ生成空間6へ向けて付着損失抑制ガスを吹き出すことで、この拡散流れによる付着損失を低減し、プラズマ生成空間6を囲む周壁10に活性種が衝突して付着する量を大幅に低減できる。これにより、活性種が衝突して付着することによる周壁10の劣化や汚染を防止することができ、長期間の安定的な放電とメンテナンス頻度を低減できる。また、基材3の処理表面に対する活性種の供給量がさらに増加し、表面処理の処理速度を大幅に向上できる。
図5に示す装置構成において、第1のガス供給口12から吹き出すガス種類は非重合性ガスとし、第2のガス供給口20から吹き出すガスは重合性ガスまたは非重合性ガスとするのが好ましい。
第1のガス供給口12および第2のガス供給口20から吹き出すガス種類をこのような組み合わせにした場合、空間11b中で周壁10の表面に向かって流入する、第2のガス供給口20から吹き出した非重合性ガスまたは重合性ガスの分解によって生成された活性種または成膜種を、第1のガス供給口12から付着損失抑制ガスとして吹き出した非重合性ガスによって空間11b中へ押し返すことで、周壁10の表面に付着して損失する活性種や成膜種の量を低減することができる。これにより、基材3の処理表面に対する活性種や成膜種の供給量が増加し、基材3の処理表面に形成する薄膜の成膜レートを向上することができる。さらに、空間11bを囲む周壁10の表面に活性種や成膜種が付着し薄膜が形成されることを抑制することができ、電極部材のクリーニング頻度の低減による長期間の安定的な放電とメンテナンス費用の低減が可能である。
また第2のガス供給口20から、第1のガス供給口12から吹き出す非重合性ガスと同じ種類のガスを吹き出した場合、第2のガス供給口20から吹き出した非重合性ガスの電離によって生成された活性種と第1のガス供給口12から吹き出した非重合性ガスとが空間11b中で衝突することで、第2のガス供給口20から吹き出した非重合性ガスの電離によって生成された活性種とは別に、第1のガス供給口12から吹き出した非重合性ガスが電離し活性種が生成される。その結果、周壁10に付着して損失する活性種の量を低減しつつ、基材3の処理表面への活性種の供給量を増加できる。これにより表面処理の処理速度を向上できる。
図6を参照する。図6の表面処理装置のさらに別態様の主要構成要素を示した図である。図6に示す構成は、図5に示す構成に対して、プラズマ生成空間6を通さず、空間11bにガスを吹き出す第3のガス供給口24を備えた構成としている。
図6に示す様な構成とすることで、プラズマ生成空間6と基材3の処理表面との距離25を空間11b内の圧力や空間11b内に存在するガス種類に応じて任意に設定し、プラズマ生成空間6で生成した活性種と第3のガス供給口24から吹き出した重合性ガスが基材3の処理表面に供給されるまでに空間11b内で衝突する回数を制御することができる。活性種と重合性ガスの衝突回数によって空間11b内で生成される成膜種の量を制御することで、基材3の処理表面に供給される活性種と成膜種量の割合を制御することができる。この結果、基材3の処理表面に形成する薄膜の膜質を制御することができる。
図6に示す装置構成において、第1のガス供給口12から吹き出すガス種類は非重合性ガス、第2のガス供給口20から吹き出すガス種類は第1のガス供給口12から吹き出すガスと同じ種類の非重合性ガス、第3のガス供給口24から吹き出すガス種類は重合性ガスとするのが好ましい。このようなガスの組み合わせとすることで、周壁10表面に付着して損失する活性種や成膜種の量を低減しつつ、第2のガス供給口20から吹き出したガスが電離することで生成する活性種とは別に、空間11b中で第1のガス供給口12から供給した非重合性ガスがプラズマによってプラズマ生成空間6中で電離し、空間11bに供給する活性種の量を増加することができる。これにより、空間11bにおける、第3のガス供給口24から吹き出した重合性ガスの分解が促進され、基材3の処理表面に供給される成膜種の量が増加する。この結果、基材3の処理表面に形成する薄膜の成膜レートが向上する。
また第3のガス供給口24から重合性ガスを吹き出した場合、第2のガス供給口20から吹き出した非重合性ガスが電離することで生成する活性種と、第3のガス供給口24から吹き出した重合性ガスとが衝突することで、空間11b中で重合性ガスが分解され成膜種が生成される。生成された成膜種は第2のガス供給口20から吹き出したガスの流れに沿って、プラズマ生成空間6を通過せず基材3の処理表面に供給されるため、プラズマ生成空間6中に存在する成膜種の量を低減できる。これにより、プラズマ生成手段5を構成するアノード21およびカソード22の表面に成膜種が付着し薄膜が形成されることを防止でき、電極部材のクリーニング周期の低減と長期間の安定的な放電を行うことができる。
以下に示す実施例において、基材表面に対する表面処理効果を測定した。
[実施例1]
図5に示す構成の表面処理装置を用いて、厚さ12μm、長さ70mmのポリエチレンテレフタラートフィルム(東レ株式会社製「ルミラー(登録商標)」)表面のドライエッチングを行った。表面処理の条件は以下の通り。
(真空容器内条件)
真空容器内圧力:5Pa
(電極構成条件)
放電方式:容量結合型 平行平板電極
アノード、カソード間距離:30mm
アノード、カソード高さ:200mm
アノード、カソード奥行き長さ:200m
周壁間距離:70mm
プラズマ生成空間と基材表面までの距離:50mm
第1のガス供給口の形状:幅1mm×奥行き方向長さ180mmのスリット
第1のガス供給口の配置:各周壁表面に4つ、周縁部同士の間隔6mm
付着損失抑制ガス供給角度:45°(基材保持機構側)
(表面処理条件)
第1のガス供給口から供給する付着損失抑制ガス種類:酸素
付着損失抑制ガス合計流量:0、400sccm
第2のガス供給口から供給するプラズマ励起用ガス種類:酸素
プラズマ励起用ガス流量:1000sccm
処理時間:1分
電源:RF電源(周波数:13.56MHz)
電力:300W。
以上の条件で表面処理を実施した基材のエッチングレートを以下の方法で測定した
(測定方法)
使用測定器:段差測定計
(株式会社小坂研究所製 Surfcorder ET4000A)
測定内容:長さ70mmの基材を5mm間隔で15箇所、各箇所3回ずつ測定し長さ方向に対するエッチングレートの平均値を算出。
以上の条件で、基材表面をドライエッチングし基材表面のエッチングレートを評価した。エッチングレートは85.0nm/minを示した。
[実施例2]
電極構成条件の付着損失抑制ガスの供給方向をプラズマ励起用ガス供給口側に変更した以外は、実施例1と同じ条件でドライエッチングを行った。エッチングレートは71.1nm/minを示した。
[実施例3]
表面処理条件の付着損失抑制ガスの種類をアルゴンに変更した以外は、実施例1と同じ条件でドライエッチングを行った。エッチングレートは75.7nm/minを示した。
[比較例1]
表面処理条件の付着損失抑制ガスを供給しない以外は、実施例1と同じ条件でドライエッチングを行った。エッチングレートは59.8nm/minを示し、実施例1、2、3のいずれよりも低いエッチングレートを示した。
本発明は、プラズマCVD装置に限らず、表面改質装置やエッチング装置などの表面処理にも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
1 真空容器
2 排気手段
3 基材
4 基材保持機構
5 プラズマ生成手段
6 プラズマ生成空間
7 ガス供給経路
8 ガス流量調整機構
9 エネルギー供給源
10 周壁
11 周壁によって囲まれた空間
12 第1のガス供給口
13 付着損失抑制ガス吹き出し方向
14a プラズマ生成空間から基材保持機構に向かう方向
14b プラズマ生成空間から基材保持機構に向かう方向に対して直交する方向
15 被覆面積
16 被覆方向
17 第1のガス供給口の周縁部同士の間隔
18 ガスの吹き出し方向と周壁の表面とのなす角度θ
19 スリット長辺
20 第2のガス供給口
21 アノード
22 カソード
23 ガス流れ方向
24 第3のガス供給口
25 プラズマ生成空間と基材の処理表面との距離

Claims (12)

  1. 真空容器と、
    前記真空容器内を減圧し、その圧力を維持するための排気手段と、
    前記真空容器内に備えられ、プラズマを生成するためのプラズマ生成手段と、
    基材を保持するための基材保持機構であって、前記プラズマ生成手段によりプラズマが生成されるプラズマ生成空間に前記基材の処理面が対向するように配置された基材保持機構と、
    前記プラズマ生成空間および前記基材保持機構を囲む周壁と、を備え、
    前記周壁に、この周壁で囲まれた空間へ向けて、この周壁の壁面に対して斜め方向にガスを吹き出す複数の第1のガス供給口が形成され
    前記第1のガス供給口から供給されるガスの吹き出し方向が、前記プラズマ生成空間から前記基材保持機構側に向かう方向に直交する方向よりも基材保持機構側へ傾いている、基材の表面を処理する表面処理装置。
  2. 前記第1のガス供給口が孔状であり、
    任意の前記第1のガス供給口をガス供給口Aとし、ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向が、このガスの吹き出し方向を前記周壁で囲まれた空間内から見て周壁の表面へ投影した方向に、ガス供給口Aに隣り合う別の前記第1のガス供給口であるガス供給口Bが存在する方向であり、
    前記ガス供給口Aから供給されるガスの前記周壁で囲まれた空間内での平均自由行程をλ、前記ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向と前記周壁の表面とのなす角度(鋭角)をθとしたとき、前記ガス供給口Aの周縁部と前記ガス供給口Bの周縁部との間隔がλ・cosθ以下である、請求項の表面処理装置。
  3. 真空容器と、
    前記真空容器内を減圧し、その圧力を維持するための排気手段と、
    前記真空容器内に備えられ、プラズマを生成するためのプラズマ生成手段と、
    基材を保持するための基材保持機構であって、前記プラズマ生成手段によりプラズマが生成されるプラズマ生成空間に前記基材の処理面が対向するように配置された基材保持機構と、
    前記プラズマ生成空間および前記基材保持機構を囲む周壁と、を備え、
    前記周壁に、この周壁で囲まれた空間へ向けて、この周壁の壁面に対して斜め方向にガスを吹き出す複数の第1のガス供給口が形成され、
    前記第1のガス供給口がスリット状である、基材の表面を処理する表面処理装置。
  4. 前記第1のガス供給口から供給されるガスの吹き出し方向が、前記プラズマ生成空間から前記基材保持機構側に向かう方向に直交する方向よりも基材保持機構側へ傾いている、請求項3の表面処理装置。
  5. 意の前記第1のガス供給口をガス供給口Aとし、ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向が、このガスの吹き出し方向を前記周壁で囲まれた空間内から見て周壁の表面へ投影した方向に、ガス供給口Aに隣り合う別の前記第1のガス供給口であるガス供給口Bが存在する方向であり、
    前記ガス供給口Aから供給されるガスの前記周壁で囲まれた空間内での平均自由行程をλ、前記ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向と前記周壁の表面とのなす角度(鋭角)をθ、前記ガス供給口Aから供給されるガスの吹き出し方向を前記周壁で囲まれた空間内から見て周壁の表面へ投影した方向を方向Cとしたとき、前記ガス供給口Aの周縁部と前記ガス供給口Bの周縁部の前記方向Cの距離がλ・cosθ以下である、請求項3または4の表面処理装置。
  6. 前記第1のガス供給口のうち、前記プラズマ生成空間に向けてガスを吹き出すガス供給口を含む、請求項1〜5のいずれかの表面処理装置。
  7. 前記基材保持機構が前記プラズマ生成空間から離れて配置されており、
    前記第1のガス供給口のうち、前記基材保持機構と前記プラズマ生成空間との間の空間に向けてガスを吹き出すガス供給口を含む、請求項1〜のいずれかの表面処理装置。
  8. 前記プラズマ生成手段が、アノードとこのアノードに対して空間を設けて配置されたカソードとで構成され、
    前記アノードと前記カソードとの間の空間を通して、前記基材保持機構へ向けてガスを吹き出すように配置された第2のガス供給口を備えた、請求項1〜のいずれかの表面処理装置。
  9. 前記プラズマ生成空間を通さずに、前記プラズマ生成空間と前記基材保持機構の間の空間にガスを吹き出す第3のガス供給口を備えた、請求項の表面処理装置。
  10. 請求項1〜のいずれかの表面処理装置を用いて、
    前記真空容器内を減圧し、
    前記第1のガス供給口から前記プラズマ生成空間へ向けて重合性または非重合性ガスのいずれか、もしくは両方のガスを供給し、
    前記プラズマ生成空間にプラズマを生成して、前記基材保持機構に保持した基材の表面を処理する、表面処理方法。
  11. 請求項の表面処理装置を用いて、
    前記真空容器内を減圧し、
    前記第1のガス供給口から前記プラズマ生成空間と前記基材保持機構の間の空間へ向けて非重合性ガスを供給し、
    前記第2のガス供給口から前記アノードと前記カソードとの間のプラズマ生成空間を通して、前記基材保持機構へ向けて重合性または非重合性ガスのいずれか、もしくは両方のガスを供給しながら、
    前記プラズマ生成空間にプラズマを生成して、前記基材保持機構に保持した基材の表面を処理する、表面処理方法。
  12. 請求項の表面処理装置を用いて、
    前記真空容器内を減圧し、
    前記第1のガス供給口から前記周壁で囲まれた空間に非重合性ガスを供給し、
    前記第2のガス供給口から前記アノードと前記カソードとの間のプラズマ生成空間を通して、前記基材保持機構へ向けて非重合性ガスを供給し、
    前記第3のガス供給口から前記プラズマ生成空間を通さずに、前記プラズマ生成空間と前記基材保持機構の間の空間に重合性ガスを供給し、
    前記プラズマ生成空間にプラズマを生成して、前記基材保持機構に保持した基材の表面を処理する、表面処理方法。
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