以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.前提〕
〔1−1.管理処理について〕
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理の前提として、本実施形態に係る情報処理装置等により実行される管理処理について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理の前提となる管理処理の一例を示す図である。以下では、本実施形態に係る情報処理装置の一例である決済サーバ100により、本実施形態に係る管理処理が実現される場合について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、決済サーバ100と、利用者端末200と、支払元サーバ300と、銀行サーバ400と、ATM(Automatic Teller Machine)500とを含む。なお、図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示すものであり、図1に示す例よりも多くの決済サーバ100や、利用者端末200や、支払元サーバ300や、銀行サーバ400や、ATM500が含まれていてもよい。
決済サーバ100と、利用者端末200と、支払元サーバ300と、銀行サーバ400は、有線または無線によりネットワークN−1(たとえば、図8参照)に接続される。決済サーバ100と、利用者端末200と、支払元サーバ300と、銀行サーバ400は、ネットワークN−1を通じて相互に通信できる。ネットワークN−1は、たとえば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。また、銀行サーバ400と、ATM500は、有線または無線によりネットワークN−2(たとえば、図8参照)に接続される。銀行サーバ400と、ATM500は、ネットワークN−2を通じて相互に通信できる。ネットワークN−2は、MICS(Multi Integrated Cash Service)などを含む所定のネットワークである。
決済サーバ100は、本実施形態に係る管理処理を実行する情報処理装置である。決済サーバ100は、単独のサーバ装置や、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステム等により実現される。
たとえば、決済サーバ100は、利用者端末200を用いて所定の識別コードを表示または読み取ることによって、オンラインで行われる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。たとえば、決済サーバ100は、取引対象の提供者や取引対象が提供される利用者が所有するデジタルマネーの決済口座を管理する。また、決済サーバ100は、利用者からの決済情報に従って、決済口座間においてデジタルマネーの移動等を行うことで、各種決済を実現する。なお、デジタルマネーとは、たとえば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。決済サーバ100を介して行われる電子決済サービスの処理内容については後述する。
利用者端末200は、電子決済サービスの利用者(例えば、利用者U1)によって利用される情報処理装置である。利用者端末200は、たとえば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ウェアラブル端末等により実現される。なお、図1では、利用者端末200がスマートフォンである場合を例示している。
支払元サーバ300は、電子決済サービスの利用者に対して給与を支払う事業者によって利用される情報処理装置である。支払元サーバ300は、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。たとえば、支払元サーバ300は、典型的には、利用者を雇用する企業(以下、適宜「支払元」と記載する。)に属するサーバ装置である。なお、支払元となる事業者は、企業(会社や法人等)に限らず、国、都道府県、市区町村等の自治体であってもよい。
利用者端末200および支払元サーバ300は、決済サーバ100によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
また、利用者端末200および支払元サーバ300は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ100から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、たとえば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語等により記述される。なお、本実施形態では、決済サーバ100から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
銀行サーバ400は、電子決済サービスの利用者の銀行口座を管理する銀行に属する情報処理装置である。銀行サーバ400は、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。たとえば、銀行サーバ400は、銀行口座の利用履歴として、各カード会社や、各種サービスの提供者による銀行口座からの引き落としに関する情報(引き落とした金額や、引き落とした日時等)や、現在の口座情報(口座残高等)などを、利用者に対応付けて管理する。
また、銀行サーバ400は、MICSなどの所定のネットワークを介してATM500と有線または無線により相互に通信可能に接続される。ATM500は、利用者による操作に従って現金を払い出す。
電子決済サービスの利用者の雇用主である支払元は、利用者に対して定期的に(たとえば毎月1回)給与を支払う。そして、本実施形態に係る情報処理システム1は、給与の支払いをデジタルマネーにて行う「給与のデジタル払い」に対処するための管理処理を実現できる。
まず、決済サーバ100は、支払元サーバ300から入金要求を受け付ける(ステップS1)。入金要求には、デジタルマネーの入金を受ける利用者(支払先)の識別情報(支払先識別情報、以下、適宜「支払先ID」と記載する。)、入金額および入金の名目が含まれている。なお、図1では、入金要求の一例として、支払先ID「U#001」、入金学「300,000円」、名目「給与」を含んだ入金要求を例示している。
なお、支払先ID「U#001」は、利用者U1の識別情報(利用者識別情報、以下、適宜「利用者ID」と記載する。)である。利用者IDは、利用者U1を識別することができる情報であればよく、数字、アルファベット、記号等またはこれらの組み合わせの他、たとえば、電話番号およびメールアドレス等であってもよいし、電話番号およびメールアドレス等と氏名との組み合わせであってもよい。氏名は、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットのいずれでも構わない。また、入金要求には、支払元を識別する識別情報(支払元識別情報、以下、適宜「支払元ID」と記載する。)が含まれていてもよい。
つづいて、決済サーバ100は、入金要求に含まれる名目が給与であるか否かを判定する。そして、決済サーバ100は、入金要求に含まれる名目が給与である場合、その入金要求に含まれる利用者IDに紐付けられた総残高のうち給与残高に対して入金処理を行う。
たとえば、決済サーバ100は、「所有者ID」項目と、「総残高」項目と、「内訳」項目とを関連づけた口座情報を記憶する。「所有者ID」項目には、デジタルマネーの口座(決済口座)を所有する所有者を識別する識別情報(所有者識別情報、以下、適宜「所有者ID」と記載する)が記憶される。ここでは、「所有者ID」項目に、利用者U1を識別する利用者ID「U#001」が記憶される場合の例を示しているが、「所有者ID」項目には、利用者IDの他、支払元IDや、取引対象を提供する提供者を識別する識別情報(提供者識別情報、以下、適宜「提供者ID」と記載する。)等が記憶されてもよい。「総残高」項目には、所有者IDによって識別される所有者が所有するデジタルマネーの総残高を示す情報を記憶する。
「内訳」の項目には、「総残高」の項目に記憶される総残高の内訳を示す情報が記憶される。具体的には、「内訳」の項目は、「給与」の項目と「給与以外」の項目とを含む。「給与」の項目には、「総残高」の項目に記憶された総残高のうち、給与として入金(チャージ)されたデジタルマネーの残高を示す情報が記憶される。「給与以外」の項目は、「総残高」の項目に記憶された総残高のうち、給与以外の名目で入金されたデジタルマネーの残高を示す情報が記憶される。
たとえば、図1では、口座情報の一例として、利用者ID「U#001」、総残高「1,000,000円」、給与「700,000円」、給与以外「300,000円」を含んだ口座情報を示している。この場合において、図1に示す入金要求を受け付けた場合、決済サーバ100は、利用者ID「U#001」に対応づけられた「総残高」項目を「1,000,000円」から「1,300,000円」に変更する。また、決済サーバ10は、利用者ID「U#001」に対応づけられた「給与」項目を「700,000円」から「1,000,000円」に変更する(ステップS2)。なお、「給与以外」の項目に記憶された情報は、変更されない。
一方、決済サーバ100は、給与以外の名目を含んだ入金要求を受け付けた場合には、対応する口座情報のうち、「総残高」の項目を変更するとともに「給与以外」の項目を変更する。この場合、「給与」の項目に記憶されている情報は、変更されない。なお、「給与以外」の項目は、複数の項目に細分化されていてもよい。すなわち、給与以外の名目は、複数存在していてもよく、この場合、「給与以外」の項目は、複数存在する名目に対応して細分化されてもよい。
このように、本実施形態に係る情報処理システム1では、デジタルマネーの総残高のうち少なくとも給与残高を分けて管理する。これにより、たとえば、決済サーバ100は、総残高を示す残高情報(たとえば、総残高「1,300,000円」)を、給与残高を示す給与残高情報(たとえば、総残高「1,000,000円」)と給与以外残高を示す給与以外残高情報(たとえば、総残高「300,000円」)とに分けて利用者U1の利用者端末200に表示させることができる(ステップS3)。
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、所謂給与のデジタル払いに対応でき、給与を含む残高を適切に管理することができる。
ところで、給与のデジタル支払いにおいては、給与として支払われたデジタルマネーを現金化できるようにすることで利用者の利便性が担保できる。具体的には、給与として支払われたデジタルマネーをATMから引き出せるようにする必要がある。そこで、本実施形態に係る情報処理システム1は、給与として支払われたデジタルマネーをATM500から引き出すことが可能に構成される。
たとえば、ATM500は、利用者U1による操作に従って、利用者IDおよび出金額を含む出金要求を銀行サーバ400に送信する(ステップS4)。利用者U1によるATM500に対する操作は、たとえば、ATM500が有するタッチパネルや物理的なボタンへの入力操作であってもよいし、利用者端末200が表示するQRコード(登録商標)等をATM500に読み取らせる操作であってもよい。ATM500に入力される情報には、少なくとも、利用者IDおよび出金額が含まれていればよい。
つづいて、銀行サーバ400は、ATM500から受け付けた出金要求を決済サーバ100に送信する(ステップS5)。
決済サーバ100は、銀行サーバ400から受け付けた出金要求に基づき、対応する残高情報のうち「給与」の項目を変更する。たとえば、出金要求に、利用者ID「U#001」、出金額「100,000円」が含まれているとする。この場合、決済サーバ100は、利用者ID「U#001」に紐付けられた「総残高」の項目を「1,300,000円」から「1,200,000円」に変更するとともに、「給与」の項目を「1,000,000円」から「900,000円」に変更する(ステップS6)。
つづいて、決済サーバ100は、利用者IDおよび出金額を含む出金指示を銀行サーバ400に送信する(ステップS7)。銀行サーバ400は、出金指示を受け付けると、決済サーバ100が属する事業者、すなわち、電子決済サービスを提供する企業の銀行口座から、出金指示に含まれる出金額を引き落とす(ステップS8)。なお、この処理は、決済サーバ100から出金指示を受け付けたタイミングで行われてもよいし、たとえば月に1回の予め決められたタイミングで行われてもよい。
また、銀行サーバ400は、出金額を含む出金指示をATM500に送信する(ステップS9)。そして、ATM500は、出金指示に含まれる出金額と同額の現金を払い出す(ステップS10)。
このように、本実施形態に係る情報処理システム1において、利用者U1は、自身が所有するデジタルマネーの総残高のうち、給与残高分のデジタルマネーをATM500から現金として引き出すことができる。
なお、上述した現金化に関する仕組みは、給与として支払われたデジタルマネーを対象とするものであり、給与以外の名目で支払われたデジタルマネーに関しては対象外であってよい。給与以外の名目で支払われたデジタルマネーについても現金化可能とすると、たとえばマネーロンダリング(資金洗浄)の温床となること等が懸念される。このため、決済サーバ100は、給与以外残高のATM500からの出金を禁止してもよい。ただし、給与以外残高が複数の項目に細分化される場合、細分化された複数の項目のうち何れかについては、ATM500からの出金を許容してもよい。
〔1−2.利用者端末200を用いた決済について〕
以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る情報処理の前提として、本実施形態に係る情報処理装置等により実行される利用者端末200を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理の前提となる電子決済処理の一例を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム1は、上述したデジタルマネーの総残高のうち給与残高および給与以外残高の両方を電子決済に利用できる。
図2に示すように、情報処理システム1は、店舗端末600をさらに含んでいてもよい。店舗端末600は、利用者に取引対象を提供する提供者によって利用される情報処理装置である。店舗端末600は、たとえば、POS(Point of Sales)端末や、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、店舗端末600は、決済サーバ100によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。店舗端末600は、有線または無線によりネットワークN−3(たとえば、図8参照)に接続される。決済サーバ100と、店舗端末600は、ネットワークN−3を通じて相互に通信できる。ネットワークN−3は、たとえば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。ネットワークN−3は、ネットワークN−1とは異なるネットワークであってもよい。店舗端末600は、後述する事業者サーバ700が属する事業者により管理される端末である場合がある。なお、図2では、店舗端末600がPOS端末である場合を例示している。
以下の説明では、店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Aを識別する識別情報(以下、「店舗コード」と記載する)C1を示す2次元コードを用いて、利用者U1が利用者端末200を用いた決済を行う例について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末200を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗コードC1は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等(すなわち、所定のコード)であってもよい。
たとえば、利用者U1が店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者U1は、利用者端末200に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者U1は、決済アプリを介して、店舗Aに設置された店舗コードC1を撮影して読み取る(ステップS11)。このような場合、利用者端末200は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U1或いは店舗Aの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末200は、利用者U1を識別する利用者IDと、店舗コードC1(若しくは、店舗コードC1が示す情報、すなわち、店舗Aを示す情報(たとえば、提供者ID))と、決済金額とを示す決済情報を決済サーバ100へと送信する(ステップS12)。
決済サーバ100は、利用者端末200から受信した決済情報に基づいて、利用者IDが示す利用者U1の決済口座から、店舗コードC1が示す店舗Aの決済口座へと、決済金額が示す額のデジタルマネーを移動させる(ステップS13)。そして、決済サーバ100は、決済が完了した旨の通知を利用者端末200へと送信する(ステップS14)。このような場合、利用者端末200は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、デジタルマネーによる決済が行われた旨を通知する。
なお、利用者端末200を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、利用者端末200を用いた決済は、店舗Aに設置された店舗端末600を用いたものであってもよい。たとえば、利用者端末200は、利用者U1を識別するための利用者IDを画面上に表示させる。このような場合、店舗Aに設置された店舗端末600は、利用者端末200に表示された利用者IDを読み取り、利用者IDと、決済金額と、店舗Aを識別する情報とを示す決済情報を決済サーバ100へと送信する。決済サーバ100は、店舗端末600から受信した決済情報に基づいて、利用者IDが示す利用者U1の決済口座から、店舗Aの決済口座へと、決済金額が示す額のデジタルマネーを移動させ、店舗Aの店舗端末600或いは利用者端末200に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
また、利用者端末200を用いた決済は、利用者U1が予めデジタルマネーをチャージした決済口座から店舗Aの決済口座へとデジタルマネーを移動させる処理のみならず、たとえば、利用者U1が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、たとえば、利用者端末200は、店舗Aの決済口座に対して決済金額のデジタルマネーを移動させるとともに、利用者U1のクレジットカードの運用会社(カード会社)に対し、決済金額を請求してもよい。
また、利用者端末200を用いた決済は、実店舗に対するものに限らず、たとえば、電子商取引サービスでの取引対象に対する決済(すなわち、オンライン決済)であってもよい。このような場合、たとえば、利用者端末200は、利用者U1を識別する利用者IDと、提供者IDと、取引対象の価格(決済金額)とを示す決済情報を決済サーバ100へと送信する。そして、決済サーバ100は、利用者IDが示す利用者U1の決済口座から、提供者IDが示す提供者の決済口座へと、決済金額が示す額のデジタルマネーを移動させ、利用者端末200に対し決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知する。
〔2.本実施形態に係る情報処理の一例〕
以下、図3〜図6を用いて、本実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図4〜図6は、本実施形態に係る決済計画の提供例を示す図である。
(はじめに)
利用者の利便性を考慮して電子マネー(デジタルマネー)から各種支払いができるようになってきている。たとえば電子マネーのサービス提供者が展開している請求書払いサービスは、店舗に行かなくても紙の請求書を読み込んで自宅などから支払うことが可能となっている。また、デジタルマネーでの給与支払いも本格化してくると、このような電子マネーでの各種支払のニーズはより高まるものと思われる。
ところで、請求書払いなど定期的に発生する支払は、通常支払期限があるので支払うタイミングは利用者によって様々である。また、電子マネーでの支払いでは、利用者に所定の利益を付与するキャンペーンが実施される場合があり、支払タイミングによっては、色々な利益を獲得する機会が利用者に巡ってくる。
各種支払いなどの定期的な支払は、ある程度の大きな金額になることも多い。電子決済サービスを利用した決済により、色々な利益を獲得できるような決済計画(支払スケジュール)を利用者に提供することにより、電子決済サービスのユーザビリティを向上できる。以下に説明する本実施形態に係る情報処理は、給与の受け取り手段としてのデジタルマネーの優位性を高めることができる処理の一例を提案するものである。
図3に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、事業者サーバ700をさらに含む。事業者サーバ700は、利用者端末200の利用者U1に対して取引対象を提供し、提供の対価を受けることにより事業を営む事業者によって運営・管理される情報処理装置であってもよい。たとえば、事業者サーバ700は、通信事業を営む通信事業者により運営・管理される事業者サーバ701や、電気事業を営む電気事業者により運営・管理される事業者サーバ702や、ガス事業を営むガス事業者により運営・管理される事業者サーバ703などが含まれ得る。なお、事業者は、企業(会社や法人等)に限らず、国、都道府県、市区町村等の自治体であってもよい。また、事業者サーバ700は、利用者U1が利用可能な決済手段に関する情報を管理する情報処理装置であってもよい。
また、事業者サーバ700は、利用者のクレジットカードの管理及び運用を行っている各カード会社に属するサーバ装置であってもよい。具体的には、事業者サーバ700は、利用者に発行されたクレジットカードの利用内容を示す情報を受信し、受信した情報に基づいて支払先に対する支払処理を実行し、所定の期日に利用者に対する請求処理(支払処理による支払金額を利用者の銀行口座から引き落とす処理)を実行する。また、事業者サーバ700は、クレジットカードの利用履歴(利用明細)として、カード利用による支払金額や、支払対象(購入商品等)、支払先(商品が購入された店舗等)、取引日時などを利用者に対応付けて管理する。
事業者サーバ700は、有線又は無線によりネットワークN−1(たとえば、図8参照)に接続される。事業者サーバ700は、ネットワークN−1を通じて、決済サーバ100と相互に通信できる。
事業者サーバ700は、利用者U1に対する取引対象の提供に伴い、利用者U1に対して費用を請求するための費用請求情報を決済サーバ100に送信する(ステップS21)。費用請求情報は、費用請求元を識別するための請求元識別情報(以下、「請求元ID」と記載する。)と、費用請求先を識別するための請求先識別情報(以下、「請求先ID」と記載する。)と、請求金額と、支払期日と、費用の入金先を示す入金先情報とを含む。
また、事業者サーバ700からの費用請求は、利用者端末200の利用者U1が、利用者端末200に予めインストールされている決済アプリを用いて、決済サーバ100が提供する電子決済サービスにおいて利用者U1が所有する決済口座による決済が可能な費用請求であることを前提とする。また、事業者サーバ700からの費用請求は、たとえば、公共料金の支払いなどのように、支払期日を超えない限りにおいて利用者U1が決済のタイミングを自由に調整できる請求であってよい。例えば、事業者サーバ700からの費用請求は、請求書(支払帳票)を電子化したデータ(所謂、「電子請求書」)を用いて行われる請求である場合が考えられる。また、事業者サーバ700からの費用請求は、利用者U1が決済のタイミングを自由に調整できる費用請求であれば、電子決済サービスにおいて利用者U1が所有する決済口座が引き落とし口座として予め設定されている費用請求であってもよい。
決済サーバ100は、事業者サーバ700から費用請求情報を受信すると(ステップS22)、受信した費用請求情報に基づいて決済計画を決定する(ステップS23)。具体的には、決済サーバ100は、利用者U1に紐づく費用請求情報に含まれる支払期日と、電子決済サービスの利用に応じて所定の利益を利用者U1に付与する販促の実施期間とに基づいて、利用者U1の利益を最大化させるような決済計画を決定する。
以下、決済サーバ100が実施する決済計画について、事例を交えて説明する。例えば、決済サーバ100は、費用請求情報の受信日(請求日)が3月10で、費用請求情報に含まれる支払期日が3月25日であったと仮定する。この場合、支払可能期間は、3月10日から3月25日までとなる。
決済サーバ100は、利用者U1に適用可能なキャンペーン情報があるかを確認する。ここでのキャンペーンは、電子決済サービスを利用して給与残高から請求金額の決済を行った場合に、決済した金額に応じて所定の利益を付与する販促に該当する。例えば、図3の事例1に示すように、利用者U1に提供可能なキャンペーン情報として、3月20日が最終日となる開催中のキャンペーン期間があったとする。この場合、決済サーバ100は、キャンペーン最終日までの決済で利用者U1に対して所定の利益を付与できるので、キャンペーンの最終日である3月20日までの決済計画を決定する。これにより、決済サーバ100は、利用者U1が電子決済サービスを利用して費用請求に対する決済を行う場合に、所定の利益が付与されるような決済計画を提案でき、給与の受け取り手段としてのデジタルマネーの優位性を高めることができる。
また、図3の事例2に示すように、利用者U1に提供可能なキャンペーン情報として、3月15日が開始日となる開催予定のキャンペーンがあったとする。この場合、決済サーバ100は、キャンペーンの開始日以降の決済で利用者U1に対して所定の利益を付与できるので、キャンペーンの開始日である3月15日以降の決済計画を決定する。これにより、決済サーバ100は、利用者U1が電子決済サービスを利用して費用請求に対する決済を行う場合に、利用者U1が知り得ない情報に基づいて所定の利益が付与されるような決済計画を提案でき、給与の受け取り手段としてのデジタルマネーの優位性を高めることができる。
また、図3の事例3に示すように、利用者U1に提供可能なキャンペーン情報として、3月15日が最終日となる開催中の第1キャンペーンと、3月20日から開始される予定の第2キャンペーンがあったとする。また、第1キャンペーンの実施期間における利用者U1の特典獲得状況が上限額(たとえば、10,000ポイント)に到達しているものとする。この場合、決済サーバ100は、第2キャンペーンの開始日以降の決済で利用者U1に対して所定の利益を付与できるので、第2キャンペーンの開始日である3月20から支払期日である3月25日までの決済計画を決定する。これにより、決済サーバ100は、利用者U1が電子決済サービスを利用して費用請求に対する決済を行う場合に、利用者U1にできるだけ利益を獲得させ、かつ利用者U1の獲得可能な利益を最大化させるような決済計画を提案でき、給与の受け取り手段としてのデジタルマネーの優位性を高めることができる。
決済計画の決定後、決済サーバ100は、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかを利用者U1に問い合わせる問合せ通知とともに決済計画に関する情報を利用者U1に送信して(ステップS24)、提供する。これにより、決済サーバ100は、電子決済サービスを利用した決済を行わせるように利用者U1を誘導でき、電子決済サービスの利用を促進できる。利用者端末200は、問合せ通知を受信すると、問合せ通知をプッシュ通知として表示させる。
例えば、上述した図3に示す事例1の場合、図4に示すように、利用者端末200が備えるディスプレイ210にプッシュ通知の画像NTC40を表示させる。プッシュ通知の画像NTC40は、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかを利用者U1に問い合わせるための問合せ通知に対応するメッセージ41と、決済計画に関する情報を示すメッセージ42とを含んでいる。また、プッシュ通知の画像NTC40には、プッシュ通知の画像NTC40から決済処理を実行する場合に利用者U1に操作させるためのボタン43と、プッシュ通知の画像NTC40から決済処理を行わない場合に利用者U1に操作させるためのボタン44と、プッシュ通知の画像NTC40から決済サーバ100が提案する決済計画に従って決済処理を実行する場合に利用者U1に操作させるためのボタン45とを含んでいる。利用者端末200は、ボタン43及びボタン45に対する利用者U1の操作を検出した場合、プッシュ通知の画像NTC40から決済アプリの決済画面に遷移させ、利用者U1の操作に従って決済要求を決済サーバ100に送信する。決済サーバ100は、たとえば、決済計画に従って決済処理することを要求する決済要求を受信した場合、利用者U1に紐づく決済口座の残高において、費用請求情報に基づく請求金額に相当する額のデジタルマネーをロックする。また、利用者端末200は、ボタン44に対する利用者U1の操作を検出した場合、プッシュ通知画面を消去し、たとえばホーム画面に遷移させる。なお、図4は、ブッシュ通知の画像の一例を示すものであり、図4に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。図4に示すように、ディスプレイ210に表示されているプッシュ通知の画像NTC40におけるメッセージ42には、決済計画に関する情報として、キャンペーンの最終日である3月20日までの決済を提案する旨が記載されている。
また、例えば、上述した図3に示す事例2の場合、図5に示すように、利用者端末200が備えるディスプレイ210にプッシュ通知の画像NTC50を表示させる。図5に示す画像NTC50は、図4に示す画像NTC40と同様の構成を有する。図5に示すように、ディスプレイ210に表示されているプッシュ通知の画像NTC50におけるメッセージ52には、決済計画に関する情報として、キャンペーンの開始日である3月15日以降の決済を提案する旨が記載されている。
また、例えば、上述した図3に示す事例3の場合、図6に示すように、利用者端末200が備えるディスプレイ210にプッシュ通知の画像NTC60を表示させる。図6に示す画像NTC60は、図4に示す画像NTC40や図5に示す画像NTC50と同様の構成を有する。図6に示すように、ディスプレイ210に表示されているプッシュ通知の画像NTC60におけるメッセージ62には、決済計画に関する情報として、開催中のキャンペーン特典の獲得状況が上限(額)に達している旨、及び次回開催予定のキャンペーンの開始日である3月20日以降の決済を提案する旨が記載されている。なお、メッセージ62は、開催中のキャンペーン特典の獲得状況が上限(額)に達している旨を含まなくてもよい。
なお、決済サーバ100は、上述した図4〜図6に示すように、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかを利用者U1に問い合わせる問合せ通知とともに、決済計画に関する情報(たとえば、メッセージ42,52,62)をプッシュ通知として利用者U1に提供する例に特に限定される必要はない。例えば、決済サーバ100は、決済計画に関する情報の代わりに、費用請求情報に含まれる支払期日よりも前に開催が予定されているキャンペーンに関する情報を利用者U1に通知してもよい。図7は、本実施形態に係る販促に関する情報の提供例を示す図である。図7に示す画像NTC70は、図4に示す画像NTC40や、図5に示す画像NTC50や、図6に示す画像NTC60と基本的には同様の構成を有するが、たとえば、ディスプレイ210に表示されるプッシュ通知の画像NTC70におけるメッセージ72には、決済計画に関する情報の代わりに、新しいキャンペーンが始まる旨、及びキャンペーンの内容が記載される点が相違する。また、図7に示すプッシュ通知の画像NTC70は、キャンペーンの内容をさらに詳細を表示するためのボタン75を有する。これにより、利用者U1に対して電子決済サービスを利用した決済への動機づけを与えることができる。
なお、上述した図3では、決済サーバ100が、事業者サーバ700から費用請求情報を受信することを契機として、決済計画に関する情報を利用者U1に提供する情報処理の一例を説明した。これに限らず、決済サーバ100は、費用請求情報に含まれる支払期日よりも前に開催が予定されているキャンペーンがある場合、このキャンペーンが開始されるタイミングで、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかを利用者U1に問い合わせる問合せ通知を利用者U1に提供してもよい。
〔3.装置構成例〕
以下、本実施形態に係る決済サーバ100の構成について説明する。図8は、本実施形態に係る決済サーバの構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、決済サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
(通信部110について)
通信部110は、有線又は無線により、ネットワークN−1又はネットワークN−3に接続される。通信部110は、ネットワークN−1又はネットワークN−3を介して、利用者端末200や、支払元サーバ300や、銀行サーバ400や、店舗端末600や、事業者サーバ700等との間で情報の送受信を行う。通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
(記憶部120について)
記憶部120は、制御部130による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図8に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、口座情報記憶部122と、販促情報記憶部123とを有する。
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、決済サーバ100が提供する電子決済サービスを利用する利用者(たとえば、利用者U1)に関する利用者情報を記憶する。図9は、本実施形態に係る利用者情報の概要を示す図である。なお、図9は、本実施形態に係る利用者情報の一例を示すものであり、図9に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。
図9に示すように、利用者情報記憶部121に記憶される利用者情報は、「利用者ID」や、「口座ID」などの複数の項目を有している。利用者情報が有する各項目は相互に対応付けられている。
「利用者ID」の項目は、決済サーバ100が提供する電子決済サービスを利用する利用者(たとえば、利用者U1や支払元、提供者など)を識別するために、各利用者に対して個別に付与される利用者IDが記憶される。また、「口座ID」の項目は、決済口座を識別するための口座識別情報(以下、適宜「口座ID」と記載する。)が記憶される。
(口座情報記憶部122について)
口座情報記憶部122は、利用者、給与の支払元、提供者などが電子決済サービスにおいて所有する口座(決済口座)に関する各種の情報(上述した残高情報の一例)を記憶する。図10は、本実施形態に係る口座情報の概要を示す図である。なお、図10は、本実施形態に係る口座情報の一例を示すものであり、図10に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。
図10に示すように、口座情報記憶部122に記憶される口座情報は、「口座ID」や、「所有者ID」や、「総残高」や、「内訳」などの複数の項目を有している。口座情報が有する各項目は相互に対応付けられている。
「口座ID」の項目には、決済口座を識別するための口座IDが記憶される。口座情報が有する「口座ID」の項目に記憶される口座IDの情報は、上述した利用者情報が有する「口座ID」の項目に記憶される口座IDの情報に対応する。「所有者ID」の項目には、口座IDに紐付けられた決済口座を所有する所有者を識別するための識別情報が記憶される。たとえば、図10に示す例において、「所有者ID」の項目には、利用者U1の利用者IDである「U#001」や、給与を支払う支払元の支払元IDである「U#002」や、取引対象を提供する提供者の提供者IDや事業者を識別するための識別情報である事業者IDである「U#003」等が記憶されている。
「総残高」の項目には、決済口座の総残高を示す情報が記憶される。「内訳」項目には、総残高の内訳を示す情報が記憶される。具体的には、「内訳」の項目には、「給与」の項目および「給与以外」の項目が含まれており、「給与以外」の項目は、たとえば「通常」の項目や、「利益」の項目等の小項目に細分化されている。
「給与」の項目には、「総残高」項目に記憶された総残高のうち、給与として入金されたデジタルマネーの残高を示す情報が記憶される。「給与以外」の項目には、「総残高」項目に記憶された総残高のうち、給与以外の名目で入金されたデジタルマネーの残高を示す情報が記憶される。
また、「給与以外」の項目のうち、「通常」の項目には、決済口座の所有者が自らチャージしたデジタルマネーの残高を示す情報が記憶される。一例として、「通常」の項目には、決済口座に紐付けられたクレジットカードまたは銀行口座から入金されたデジタルマネーの残高を示す情報が記憶される。「利益」の項目には、たとえば、情報処理システム1が提供する電子決済サービスを利用した際に決済金額に対してキャッシュバックされたデジタルマネーの残高を示す情報が記憶される。
(販促情報記憶部123について)
販促情報記憶部123は、電子決済サービスの利用に応じて所定の利益を利用者に付与する販促(キャンペーン)に関する販促情報を記憶する。図11は、本実施形態に係る販促情報の一例を示す図である。なお、図11は、本実施形態に係る販促情報の概要を示すものであり、図11に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。
図11に示すように、販促情報記憶部123に記憶される販促情報は、「キャンペーンID」の項目や、「キャンペーン対象」の項目や、「キャンペーン実施期間」の項目や、「特典内容」の項目や、「上限額」の項目や、「適用回数」の項目などの複数の項目を有している。販促情報が有する各項目は相互に対応付けられている。
「キャンペーンID」の項目には、キャンペーンに関する情報を識別するための識別情報(以下、適宜「キャンペーンID」と記載する。)が記憶される。「キャンペーン対象」の項目には、電子決済サービスを利用した決済のうちキャンペーンの適用対象となる決済を示す情報が記憶される。「キャンペーン実施期間」の項目には、キャンペーンが実施される日付を示す情報が記憶される。
「特典内容」の項目には、キャンペーン対象となる決済を行った場合に提供される特典の内容を示す情報が記憶される。「上限額」の項目には、キャンペーン対象となった場合に利用者が獲得可能な利益の上限額を示す情報が記憶される。「適用回数」の項目には、キャンペーン期間中にキャンペーン対象となる決済を行った利用者に対して、特典の内容が適用される回数の条件を示す情報が記憶される。
たとえば、図11に示す例では、キャンペーンID:「CAM#1」で識別されるキャンペーンが、「給与残高からの決済」をキャンペーン対象として、「2021年3月1日から2021年3月14」まで実施され、「決済金額の20%をキャッシュバック」するという特典内容を、「10,000ポイント」を上限額とし、適用回数を「無制限」という条件で提供することが示されている。
(制御部130について)
制御部130は、決済サーバ100の制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部130の各部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決済サーバ100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図8に示すように、制御部130は、決定部131と、提供部132と、実行部133とを有する。制御部130は、図8に示す各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図8に示す各部に限られず、デジタルマネーの総残高のうち少なくとも給与残高を分けて管理するための情報処理の機能や作用を実現または実行する各部を有していてもよい。なお、これらの各部については後述する。
(決定部131について)
決定部131は、電子決済サービスの利用者に紐づく費用請求情報に含まれる支払期日と、電子決済サービスの利用に応じて所定の利益を利用者に付与する販促の実施期間とに基づいて、利用者が所定の利益を獲得可能な決済計画を決定する。図12は、本実施形態に係る費用請求情報の一例を示す図である。
図12に示すように、費用請求情報は、「請求元ID」や、「請求先ID」や、「請求金額」や、「支払期日」や、「入金先情報」などの情報を含む。「請求元ID」は、費用請求情報を送信した請求元を識別するための識別情報であり、たとえば、事業者サーバ700を運営・管理する事業者の識別情報に該当する。「請求先ID」は、事業者が提供する商品またはサービスを利用した利用者の識別情報であり、例えば、電子決済サービスの利用者に付与される利用者IDが用いられる。また、「請求金額」は、事業者が提供した商品またはサービスの対価として利用者が支払うべき金額を示す情報である。「支払期日」は、請求金額の支払期限を示す情報である。「入金先情報」は、請求金額の支払い先を識別するための識別情報であり、たとえば、口座IDが用いられる。
たとえば、決定部131は、費用請求情報に含まれる支払期日から、利用者U1に適用可能なキャンペーン情報があるかを確認する。ここでのキャンペーンは、電子決済サービスを利用して給与残高から請求金額の決済を行った場合に、決済した金額に応じて所定の利益を付与する販促に該当する。例えば、上述した図3の事例1に示すように、利用者U1に紐づく費用請求情報に含まれている支払期日である「3月25日」に対して、利用者U1に提供可能なキャンペーン情報として、「3月20日」が最終日となる開催中のキャンペーン期間があったとする。この場合、決定部131は、キャンペーン最終日までの決済で利用者U1に対して所定の利益を付与できるので、キャンペーンの最終日である月20日までの決済計画を決定する。
また、たとえば、決定部131は、上述した図3の事例2に示すように、利用者U1に紐づく費用請求情報に含まれている支払期日である「3月25日」に対して、利用者U1に提供可能なキャンペーン情報として、「3月15日」が開始日となる開催予定のキャンペーンがあったとする。この場合、決定部131は、キャンペーンの開始日以降の決済で利用者U1に対して所定の利益を付与できるので、キャンペーンの開始日である3月15日以降の決済計画を決定する。
また、決定部131は、販促(キャンペーン)の実施期間において利用者が獲得可能な所定の利益の上限額をさらに加味して、決済計画を決定できる。具体的には、決定部131は、販促(キャンペーン)の第1の実施期間においてユーザが獲得済みの所定の利益が上限額に到達している場合、第1の実施期間に続く販促の第2の実施期間に費用請求情報に対応する決済を回す決済計画を決定できる。たとえば、決定部131は、利用者U1に紐づく費用請求情報に含まれている支払期日である「3月25日」に対して、利用者U1に提供可能なキャンペーン情報として、「3月15日」が最終日となる開催中の第1キャンペーンと、「3月20日」から開始される予定の第2キャンペーンがあったとする。また、第1キャンペーンの実施期間における利用者U1の特典獲得状況が上限額(たとえば、10,000ポイント)に到達しているものとする。この場合、決定部131は、第2キャンペーンの開始日以降の決済で利用者U1に対して所定の利益を付与できるので、第2キャンペーンの開始日である3月20から支払期日である3月25日までの決済計画を決定する。
(提供部132について)
提供部132は、決定部131により決定された決済計画に関する情報を利用者に提供する。たとえば、提供部132は、利用者端末200が備えるディスプレイ210にプッシュ通知の画像NTC40(図4参照)や、画像NTC50(図5参照)や、画像NTC60(図5参照)を表示させる。プッシュ通知の画像NTC40,50,60は、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかを利用者U1に問い合わせるための問合せ通知に対応するメッセージ41,51,61や、決済計画に関する情報を示すメッセージ42,52,62などを含んでいる。なお、提供部132は、例えば、プッシュ通知に記載するメッセージの内容を示すテキスト情報とともに、利用者端末200にインストールされている決済アプリを識別するためのデバイストークンを指定し、プッシュ通知ネットワークのサーバを呼び出すことにより実現される。
また、提供部132は、決済計画に関する情報の代わりに、支払期日よりも前に開催が予定されている販促(キャンペーン)に関する情報を利用者に提供してもよい(図7参照)。たとえば、提供部132は、利用者端末200が備えるディスプレイ210にプッシュ通知の画像NTC70(図7参照)を表示させる。プッシュ通知の画像NTC70は、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかを利用者U1に問い合わせるための問合せ通知に対応するメッセージ71や、キャンペーンに関する情報を示すメッセージ72などを含んでいる。ディスプレイ210に表示されるプッシュ通知の画像NTC70におけるメッセージ72には、決済計画に関する情報の代わりに、たとえば、新しいキャンペーンが始まる旨、及びキャンペーンの内容が記載されている。
(実行部133について)
実行部133は、提供部132により利用者U1に対して提供された決済計画に対して利用者U1の承認を受け付けた場合、決済計画に従って決済処理を実行する。たとえば、実行部133は、通信部110を通じて、利用者端末200から取得した決済要求が単に決済を希望する要求である場合、そのまま決済処理を実行する。また、実行部133は、通信部110を通じて、利用者端末200から取得した決済要求が決済計画に従って決済処理することを要求する決済要求である場合、つまり、ボタン45(図4参照)やボタン55(図5参照)やボタン65(図6参照)の操作によって送信された決済要求である場合、決済計画に対する利用者U1の承認があったと判断する。そして、実行部133は、決済計画に従って決済処理を実行する。このとき、実行部133は、利用者U1に紐づく決済口座の残高において、費用請求情報に基づく請求金額に相当する額のデジタルマネーをロックする。
また、制御部130は、デジタルマネーの総残高のうち少なくとも給与残高を分けて管理するための情報処理の機能や作用を実現または実行する各部として、受付部と、入金処理部と、出金処理部と、表示制御部とをさらに有してもよい。なお、以下に説明する受付部や、入金処理部や、出金処理部や、表示制御部にそれぞれに対応する処理機能は、決済サーバ100と連携する他のサーバ装置により実現されてもよい。
受付部(入金受付部の一例)は、デジタルマネーの入金要求を受け付ける。また、受付部は、デジタルマネーのATM500への出金要求を受け付ける。また、受付部は、電子商取引サービスでの取引対象に対する決済に関する決済情報を受け付けてもよい。たとえば、受付部は、利用者を識別する利用者IDと、取引対象を提供する提供者を識別する提供者IDと、取引対象の価格(決済金額)とを示す決済情報を利用者端末200から受け付ける。
また、受付部は、店舗に設置された店舗端末600から決済情報を受け付けてもよい。たとえば、受付部は、店舗端末600が読み取った利用者IDであって、利用者端末200に表示された利用者IDと、決済金額と、店舗を識別する情報とを示す決済情報を受け付ける。
また、受付部は、利用者端末200からデジタルマネーの総残高の確認要求を受け付けてもよい。この場合、確認要求には、少なくとも利用者IDが含まれていればよい。
入金処理部は、受付部によって受け付けられた入金要求に基づいて口座情報記憶部122に対する入金処理を行う。具体的には、入金処理部は、入金要求に含まれる支払元IDに紐付けられた決済口座から、入金要求に含まれる支払先IDに紐付けられた決済口座に対し、入金要求に含まれる入金額に相当するデジタルマネーの資金移動を行う。すなわち、入金処理部は、支払元IDに紐付けられた決済口座の総残高から入金額を減算するとともに、支払先IDに紐付けられた決済口座の総残高に入金額を加算する。
また、入金処理部は、入金要求に含まれる名目が「給与」である場合、支払先IDに紐付けられた決済口座の総残高のうちの「給与」の項目に対して入金額を加算する。一方、入金処理部は、入金要求に含まれる名目が「給与以外」である場合、支払先IDに紐付けられた決済口座の総残高のうちの「給与以外」の項目に対して入金額を加算する。たとえば、入金処理部は、入金要求に含まれる名目が「通常」である場合、支払先IDに紐付けられた決済口座の総残高のうちの「通常」の項目に対して入金額を加算する。また、入金処理部は、入金要求に含まれる名目が「利益」である場合、支払先IDに紐付けられた決済口座の総残高のうちの「利益」の項目に対して入金額を加算する。
出金処理部は、受付部によって受け付けられた出金要求に基づいて口座情報記憶部122に対する出金処理を行う。具体的には、出金処理部は、出金要求に含まれる出金元IDに紐付けられた決済口座から、出金要求に含まれる出金額に相当するデジタルマネーを減算する。そして、出金処理部は、通信部110およびネットワークN−1を介し、出金要求に含まれる銀行IDに紐づく銀行サーバ400に対して出金指示を送信する。出金指示には、出金元IDおよび出金額といった情報が含まれていてもよい。
また、出金処理部は、出金要求に含まれる出金先が「ATM」である場合、出金元IDに紐付けられた決済口座の総残高のうちの「給与」の項目から出金額を減算する。一方、出金処理部は、出金要求に含まれる出金先が「ATM」以外である場合、たとえば、出金先が「銀行口座」である場合、出金元IDに紐付けられた決済口座の「給与」の項目および「通常」の項目のうち、利用者によって選択された項目から出金額を減算してもよい。出金元とする残高項目(ここでは、「給与」の項目および「通常」の項目)の選択は、ATM500への操作によって行われても良い。また、利用者によって予め設定されていてもよい。
表示制御部は、情報処理システム1が提供する電子決済サービスに関するコンテンツを利用者が利用する利用者端末200に表示させる。たとえば、表示制御部は、受付部によって利用者端末200から総残高の確認要求が受け付けられた場合に、確認要求に含まれる利用者IDによって識別される利用者の利用者端末200に対し、その利用者が所有する決済口座の総残高を示す残高情報を送信する。このとき、表示制御部は、たとえば、利用者IDに紐付けられた決済口座から「総残高」の項目、「給与」の項目および「給与以外」の項目の各情報を取得し、取得した各情報を、利用者端末200に予めインストールされている決済アプリを通じて、利用者端末200に表示させる。
〔4.処理手順〕
以下、図13を用いて、本実施形態に係る決済サーバ100の処理手順について説明する。図13は、本実施形態に係る決済サーバの処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、決済サーバ100の制御部130によって繰り返し実行される。
図13に示すように、決定部131は、費用請求情報を受信すると(ステップS101)、費用請求情報に紐づく利用者に対して適用可能なキャンペーンがあるかどうかを判定する(ステップS102)。
決定部131は、費用請求情報に紐づく利用者に対して適用可能なキャンペーンがあると判定した場合(ステップS102;Yes)、電子決済サービスの利用に応じて所定の利益を利用者が獲得可能となる決済計画を決定する(ステップS103)。
提供部132は、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかを利用者U1に問い合わせるための問合せ通知とともに、決定部131により決定された決済計画に関する情報を利用者に提供して(ステップS104)、図13に示す処理手順を終了する。
一方、決定部131により、費用請求情報に紐づく利用者に対して適用可能なキャンペーンがないと判定された場合(ステップS102;Yes)、提供部132は、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかを利用者U1に問い合わせるための問合せ通知を利用者に提供して(ステップS105)、図13に示す処理手順を終了する。
〔5.変形例〕
上述してきた本実施形態は、本実施形態に係る情報処理の一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。例えば、決済サーバ100は、費用請求情報を受信した場合、支払期日となったタイミングで、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかの問合せ通知を利用者に提供してもよい。
また、上述した本実施形態では、決済サーバ100が、費用請求情報の受信を契機として決済計画を決定し、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかの問合せ通知とともに、決済計画に関する情報を利用者に提供する例を説明した。この例には特に限定される必要はなく、決済サーバ100は、利用者による決済指示の受付を契機として決済計画を決定し、決済計画に関する情報を利用者に提供してもよい。
また、決済サーバ100は、電子決済サービスの利用状況に応じて利用者に適用される特典(以下、「利用状況特典」と記載する。)が存在する場合、利用者の利用状況を加味して決済計画を決定してもよい。例えば、利用状況特典として、利用者の前月の決済額に所定の比率を乗じて、利用者に付与する利益の額を決定し、決定した利益の額を利用者に付与する特典が設定されている場合を例示する。この場合、決済サーバ100は、今月中の決済により利用者の決済額に乗算される比率が上がる場合、費用請求に含まれる支払期日を超過しないことを条件に、今月中の決済を利用者に提案するような決済計画を決定し、利用者に提案する。
また、決済サーバ100は、利用者に適用可能なキャンペーン情報の特典(以下、「キャンペーン特典」と記載する。)と、上述した利用状況特典の双方を加味して、決済計画を決定してもよい。例えば、決済サーバ100は、費用請求情報を受信した場合、キャンペーン特典及び利用状況特典の2つの特典を利用者に獲得させることが可能かどうかを判定する。決済サーバ100は、2つの特典を利用者に獲得させることができると判定した場合、費用請求に含まれる支払期日を超過しないことを条件に、最適な決済計画を決定し、利用者に提案する。例えば、決済サーバ100は、キャンペーン特典を利用者に獲得させることができ、かつ利用状況特典の利益の額を大きくできるような決済スケジュールを特定し、利用者に提供することが考えられる。
また、決済サーバ100は、キャンペーン特典及び利用状況特典のうちのいずれか一方を利用者に獲得させることができると判定した場合、より利用者に付与される利益が大きい方の特典を優先的に選択してもよい。そして、決済サーバ100は、費用請求に含まれる支払期日を超過しないことを条件に、より利益が大きいキャンペーン特典又は利用状況特典のいずれか一方を利用者に獲得させるための最適な決済計画を決定し、利用者に提案する。
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた本実施形態に係る決済サーバ100は、例えば、図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決済サーバ100を例に挙げて説明する。図14は、本実施形態に係る決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、ネットワークNを介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が決済サーバ100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、決済サーバ100の記憶装置内の各データが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ100は、決定部131と、提供部132とを有する。決定部131は、電子決済サービスの利用者に紐づく費用請求情報に含まれる支払期日と、電子決済サービスの利用に応じて所定の利益を利用者に付与する販促の実施期間とに基づいて、利用者が所定の利益を獲得可能な決済計画を決定する。提供部132は、決定部131により決定された決済計画に関する情報を利用者に提供する。
これにより、決済サーバ100は、利用者U1が電子決済サービスを利用して費用請求に対する決済を行う場合に、所定の利益が付与されるような決済計画を提案でき、給与の受け取り手段としてのデジタルマネーの優位性を高めることができる。
また、決済サーバ100は、決済計画に対する利用者の承認を受け付けた場合、決済計画に従って決済処理を実行する実行部133をさらに有する。これにより、決済サーバ100は、利用者の利便性をさらに向上できる。
また、実行部133は、決済計画に対する利用者の承認を受け付けた場合、利用者に紐づく決済口座の残高において費用請求情報に基づく請求金額に相当する額のデジタルマネーをロックする。これにより、決済サーバ100は、決済処理を確実に遂行できる。結果として、決済サーバ100は、利用者に対してキャンペーンに基づく利益を確実に付与できる。
また、決定部131は、販促の実施期間において利用者が獲得可能な所定の利益の上限額をさらに加味して、決済計画を決定する。これにより、決済サーバ100は、電子決済サービスの利用を促進しつつ、給与の受け取り手段としてのデジタルマネーの優位性を高めることができる。
また、決定部131は、販促(キャンペーン)の第1の実施期間において利用者が獲得済みの所定の利益が上限額に到達している場合、第1の実施期間に続く販促の第2の実施期間に費用請求情報に対応する決済を回す決済計画を決定する。これにより、決済サーバ100は、電子決済サービスの継続的な利用を促しつつ、給与の受け取り手段としてのデジタルマネーの優位性を高めることができる。
また、提供部132は、決済計画に関する情報の代わりに、支払期日よりも前に開催が予定されている販促に関する情報を利用者に提供する。これにより、決済サーバ100は、電子決済サービスを利用した決済への動機づけを利用者に与えることができる。
また、決定部131は、電子決済サービスの利用状況に応じて利用者に付与される所定の利益であって、利用状況に応じて増減する利益額を加味して、決済計画を決定する。これにより、決済サーバ100は、電子決済サービスの利用を促進しつつ、給与の受け取り手段としてのデジタルマネーの優位性を高めることができる。
また、提供部132は、費用請求情報の受付に応じて、費用請求情報に対応する決済を行うかどうかをユーザに問い合わせる問合せ通知とともに、決済計画に関する情報を利用者に提供する。これにより、決済サーバ100は、電子決済サービスを利用した決済を行う上で最適な方法を利用者に認識させることができる。
また、決済サーバ100は、入金受付部と、入金処理部とをさらに有してもよい。入金受付部は、デジタルマネーの入金を受ける利用者の識別情報および入金の名目を含む入金要求を受け付ける。入金処理部は、入金受付部によって受け付けられた入金要求に含まれる名目が給与である場合に、入金要求に含まれる識別情報に紐付けられた総残高のうち給与残高に対する入金処理を行い、入金受付部によって受け付けられた入金要求に含まれる名目が給与以外の名目である場合には、入金要求に含まれる識別情報に紐付けられた総残高のうち給与以外残高に対する入金処理を行う。これにより、電子決済サービスにおいて給与を含む残高を適切に管理できる。
また、決済サーバ100は、出金受付部と、出金処理部とをさらに有してもよい。出金受付部は、識別情報を含むATMへの出金要求を受け付ける。出金処理部は、出金受付部によって出金要求が受け付けられた場合に、出金要求に含まれる識別情報に紐付けられた総残高のうち給与残高からの出金処理を行う。これにより、決済サーバ100は、利用者がデジタルマネーで受け取った給与を現金化する際に、銀行口座を経由することなく(すなわち、デジタルマネーを一旦銀行口座に移動させることなく)、直接ATMから引き出すことを可能とする。
また、決済サーバ100は、総残高を、給与残高と給与以外残高とに分けて利用者が利用する端末装置に表示させる表示制御部をさらに有してもよい。これにより、決済サーバ100は、利用者に対して、自身の決済口座に入金された給与の残高を容易に確認させることができる。また、決済サーバ100は、利用者に対して、自身が所有するデジタルマネーの総残高のうち、ATMで現金化することができるデジタルマネーの残高を容易に把握させることができる。
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述した決済サーバ10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、決定部は、決定手段や決定回路に読み替えることができる。
また、本願の実施形態に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本願の実施形態は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、実施形態の記載から当業者にとって明らかな他の効果を奏しうる。