JP6925234B2 - スピーカシステム、表示装置、テレビジョン装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に記載のディフューザを設けても、表示装置の正面側に、音の拡散量、拡散方向にバラツキがある。
図1は、本発明の表示装置の斜視図である。表示装置1(例えば薄型のテレビジョン装置)は、パネルモジュール3、スピーカシステム7L,7R、背面筐体6を有している。なお、パネルモジュール3が本発明の表示パネルに相当する。
図2は、表示装置の分解斜視図である。パネルモジュール3は、例えば、液晶層やガラス基板などを有した矩形状のLCD(Liquid Crystal Display)パネル4や、その図示は省略するが、例えば、保護ガラス、偏光板、拡散板、バックライト等を有している。LCDパネル4の後方には、表示装置1を駆動させる回路基板5が設けられる。
各スピーカシステム7L,7Rは、2つのスピーカ装置(第1スピーカ装置10、第2スピーカ装置20)をそれぞれ有している。
なお、スピーカシステム7Lとスピーカシステム7Rは同じ構造であるため、以下は、スピーカシステム7Rについて詳細に説明し、スピーカシステム7Lの説明は省略する。
第1スピーカ装置10は、略円筒状に形成されて上下方向に延びた第1エンクロージャ11を有する。図3(A)に示すように、第1エンクロージャ11には、第1スピーカユニット12、共鳴管13が収容される。第1スピーカユニット12は、例えば中低音出力用のスピーカ(ミッドバススピーカ)であり、第1エンクロージャ11の下端に設置されている。
一方、第2スピーカ装置20は、略円筒状に形成されて上下方向に延びた第2エンクロージャ21を有する。第2エンクロージャ21には、第2スピーカユニット22、共鳴管23が収容される。第2スピーカユニット22は、例えばミッドバススピーカであり、第2エンクロージャ21の上端に設置されている。
このように、第1スピーカユニット12の放音面12aと、第2スピーカユニット22の放音面22aは、表示装置1の上下方向で対向している。
第1エンクロージャ11と第2エンクロージャ21との間には、連結部材30が設けられている。具体的には、連結部材30は、例えば表示装置1の正面側を開放した断面半円筒状に形成されており、表示装置1の背面側で、第1エンクロージャ11の下端と第2エンクロージャ21の上端を連結している。
反射面に凹形状が存在すると、音の焦点が発生する。その焦点のポイント(いわゆるスイートスポット)で音を聴くと、ベストな音声品位が得られるが、その位置を少しでも外れた場合には、音声品位が低下する。本発明は、どの位置で聴いても音声品位の差(ばらつき)が少なくなることを目指し、できるだけ焦点の発生しにくい形状を検討した結果、完全な凸形状(=球型)が最も有効であるとしたものである。
平面部もしくは充填物(吸音綿など)を有する空洞部31cは、表示装置1の背面側に対峙した後方位置に形成され、中央位置には軸部32が設けられる。ディフューザ31は、軸部32を介して連結部材30に固定される。
これにより、表示装置1の背面側も球形状に形成した場合に比べて、軸部32をディフューザ31に設置しやすい。また、軸部32を長く形成できるため、連結部材30への設置も容易になる。
マイクロフォンはスピーカシステム7Rの周辺、詳しくは、ディフューザ31の前方(正面)、表示装置1の正面から見て、ディフューザ31の右前方(外側45°)、ディフューザ31の右方(外側90°)、ディフューザ31の左前方(内側45°)、そして、ディフューザ31の左方(内側90°)にそれぞれ配置した。スピーカシステム7Rからマイクロフォンまでの距離は1mである。なお、スピーカシステム7Lのみを駆動させた場合の音圧特性は、スピーカシステム7Rのみを駆動させた場合のそれと基本的に同じであるため、スピーカシステム7Lのみを駆動させた場合は省略する。
まず、比較例1は、特許文献1に記載のディフューザを用いている。この場合の測定結果の図示は省略するが、音声の品位低下があった。例えば、2kHz付近の帯域で述べると、ディフューザ31の左方(内側90°)では音圧レベルが77dB SPLであったのに対し、ディフューザ31の右前方(外側45°)では音圧レベルが84dB SPLであった。このように、内側90°の音圧レベルが外側45°の音圧レベルに比べて7dB小さくなっており、左右方向でバラツキがあった。
上記第1実施形態では、球状部31a,31a’、円柱状部31b、平面部もしくは充填物(吸音綿など)を有する空洞部31cから構成されたディフューザ31の例を挙げて説明した。しかし、本発明は、この例に限定されるものではなく、少なくとも表示装置1の正面側に対峙した前方位置に、球形状を有していればよい。
具体的には、図6(A)に示すように、ディフューザ31は、ほぼ完全な球体で形成され、第1,2スピーカユニット12,22の中間位置に、軸部(図示省略)を介して連結部材30に固定してもよい。この場合にも、第1,2スピーカユニット12,22からの音声は、従来に比べて上下方向および左右方向に均等に広がる。
もしくは、図6(B)に示すように、ディフューザ31は、表示装置の正面側に対峙した前方位置が球体で形成され、表示装置の背面側に対峙した後方位置が平面状もしくは空洞状などに形成されていてもよい。この場合にも、ディフューザ31は、第1,2スピーカユニット12,22の中間位置に、軸部32を介して連結部材30に固定されており、第1,2スピーカユニット12,22からの音声は、従来に比べて上下方向および左右方向に均等に広がる。第3実施形態によれば、表示装置の背面側も球形状に形成した場合に比べて、軸部32をディフューザ31に設置しやすい。軸部32を長くできるため、連結部材30への設置も容易になる。
または、ディフューザ31は、図4で説明した平面部もしくは充填物(吸音綿など)を有する空洞部31cを省略し、図6(C)に示すように、表示装置の正面側および背面側の双方が同様に形成され、第1スピーカユニット12に対向配置された球状部31aと、第2のスピーカユニット22に対向配置された球状部31a’と、球状部31aと球状部31a’との間に配置された円柱状部31bとで形成してもよい。この場合にも、第1,2スピーカユニット12,22からの音声は、従来に比べて上下方向および左右方向に均等に広がる。
上記の直接音と反射音との干渉を減らし、音声の品位低下の防止策として、パネル方向への発音の音圧を下げることが考えられる。図8(A)は、図7(B)の一部を拡大したものである。ディフューザ31の周囲に示した点線は、図7(B)と同様に、音の広がりを示しているが、ディフューザ31の周囲に示した実線は、スピーカの方向と音圧の特例を示す。本来は、この実線は、360度均等に円形となるものである。しかし、パネル方向への音圧を下げるためには、実線で示すように、パネルモジュール3側のみ音圧を下げる特性が必要である。
次に、図6(B)で説明した半球形状のディフューザについて考える。テレビの視聴のためのスピーカであるので、前方向は球形として均一に拡散し、背面側への拡散を押さえたものである。図9(A)に示した点線は、図7(B)と同じ音の広がりを示し、図9(A)に示した実線が、半球形状のディフューザ31の音圧レベルの特性である。テレビの背面への音圧は、点線の場合に比べて低いが、テレビの表示面への音圧は、点線の場合と同様に高い。そのため、表示面での音の反射が大きく、直接音と反射音との干渉が発生し、音質を下げることとなる。そこで、図9(B)に示したディフューザ41は、球状部41aと、凹状部41dと、後方位置に形成された平面部もしくは充填物(吸音綿など)を有する空洞部41cとを有しており、平面部もしくは充填物(吸音綿など)を有する空洞部41cの中央位置に軸部42が設けられている。凹状部41dのように、半球形状のテレビ側をカットすることによって、実線で示すように、テレビ側の音圧を下げることが出来、音質を向上させることが出来る。
ところで、図10は、図2に示したスピーカシステム7Rである。図示のようにディフューザ41にツイータ50を埋め込む際、ツイータ50の電極51を図2で説明したパネルモジュール3側に配置すると、図10に示すように球形の一部が不連続(非球面状)となる。本来、不連続となることで、音の拡散能力が低下するが、この不連続部分で音の拡散能力が下がることを利用して、表示面への音の反射を低減することが出来る。具体的には、ディフューザ内蔵のツイータの電極部分をテレビ側に配置することによって、ディフューザ41は凹状部41dを有するため、テレビパネル側のディフューザの球形が不連続となり、テレビ側への音圧を下げることが出来る。
このように、ディフューザの形状をテレビ側と他の側で変えることで、テレビの表示面での音の反射を軽減し、音質を改善することが出来る。
Claims (6)
- 表示装置の側方に設けられ、各放音面が表示装置の上下方向で対向している第1スピーカユニットおよび第2スピーカユニットを備えたスピーカシステムであって、
前記第1スピーカユニットと前記第2のスピーカユニットとの間に設けられ、前記第1スピーカユニットおよび前記第2のスピーカユニットからの音声を前記表示装置の正面側に向けて反射するディフューザを有し、
該ディフューザは、少なくとも前記表示装置の前記正面側に対峙した前方位置が球形状であることを特徴とするスピーカシステム。 - 請求項1に記載のスピーカシステムであって、
前記ディフューザが、前記第1スピーカユニットに対向配置された第1半球体と、前記第2のスピーカユニットに対向配置された第2半球体と、前記第1半球体と前記第2半球体との間に配置された円柱体とで形成されていることを特徴とするスピーカシステム。 - 請求項1に記載のスピーカシステムであって、
前記ディフューザが、球体で形成されていることを特徴とするスピーカシステム。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のスピーカシステムであって、
前記ディフューザは、前記表示装置の側方に対峙した側方位置の部分が前記球形状の球面よりも凹んでいることを特徴とするスピーカシステム。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のスピーカシステムと、表示パネルとを備えた表示装置。
- 請求項5に記載の表示装置を備えたテレビジョン装置。
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