JP6924753B2 - フレーバーおよびフレグランス組成物における、ホルミルチオフェン類およびその使用 - Google Patents

フレーバーおよびフレグランス組成物における、ホルミルチオフェン類およびその使用 Download PDF

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Description

(関連出願のステータス)
本出願は、2015年11月6日に出願された、米国仮特許出願第62/251,900号の利益を主張し、その内容は、参照することにより記載されているかのように、本明細書に組み込まれる。
(本発明の技術分野)
本発明は、新規な化学物質、ならびにフレーバーおよびフレグランス材料としてのその使用に関する。
フレーバー産業において、食品の調製のための、シトラス系で、シトラール様で、新鮮で若々しい感覚のような、新規なフレーバーを増強または提供する、新規なフレーバーおよび芳香化合物に関する継続的なニーズが存在している。香料製造者および他の人々に、パフューム、コロンおよびパーソナルケア製品のための新規なフレグランスの創造能力を与える、フレグランスの化学物質に関する同様の継続的なニーズが存在している。当業者は、どのような分子の化学構造の違いが、香気、ノートおよび特徴の重要な違いをもたらすことができるのかについて正しく理解する。たとえば、酷似した類似体の小さな構造の違いが、示差的なフレーバーの特性を有する分子をもたらしうる。これらの示差的な特性は、フレーバー組成物に対して、これらが特有の、顕著な特徴を与えるとして、非常に有益でありうる。しかしながら、これらの示差的な特性の多くは、また、好ましくないものでもありえて、それ故、フレーバー用途に適さない分子を与えうる。
本発明は、新規な化学物質、および食品、チューインガム、歯用および口腔衛生品、および医薬用製品等のフレーバーを増強するための、その用途を提供する。また、本発明は、パフューム、化粧水、コロンおよび人体用品等のフレグランスを増強するための、これらの新規な化学物質の用途をも対象とする。
より詳細には、本発明は、新規な3−置換のホルミルチオフェン化合物および以下に記載される式Aで表される3−置換のホルミルチオフェン化合物の嗅覚の許容しうる量の添加による、フレーバーまたはフレグランス製剤の改善、増強または変性方法を対象とする:
Figure 0006924753
ここで、Rは、C−Cの直鎖状または分岐状のアルキルまたはアルケニル基を表す。
本発明の他の一実施形態は、以下に記載される式Bで表される、新規な3−アルケニル−ホルミルチオフェン化合物に関する:
Figure 0006924753
ここで、R’は、C−Cの直鎖状または分岐状のアルケニル基を表す。
本発明の他の一実施形態は、以下に記載される式Cで表される、新規な3−アルキル−ホルミルチオフェン化合物に関する:
Figure 0006924753
ここで、R’’は、C−Cの直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。
本発明の他の一実施形態は、上記で示された新規な化合物ならびに食品、チューインガム、歯用の製品、口腔衛生品および医薬用製品からなる群より選択される材料を含む、フレーバー製剤を対象とする。
本発明の他の一実施形態は、上記で示された新規な化合物を、嗅覚の許容しうる量で組み込むことによる、材料に対する、風味の増大、増強または付与方法を対象とする。
本発明の他の一実施形態は、上記で示した新規な化合物を含む、フレグランス製剤に関する。
本発明の他の一実施形態は、上記で示した新規な化合物を、嗅覚の許容しうる量で組み込むことによる、フレグランス製剤の改善、増強または変性方法を対象とする。
本発明のこれらおよび他の実施形態は、以下の明細書を読むことによって明らかにされうる。
(発明の詳細な説明)
本発明の化合物は、例えば、以下の反応スキームに従って生成され、その詳細は実施例に明記される。原料は、別途記載しない限り、シグマ−アルドリッチケミカルカンパニーから購入した。
本発明に係る3−置換のホルミルチオフェン化合物は、例えば、以下の手順に従って準備されうる:
Figure 0006924753
ここで、XおよびYは、同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子を表す;
Rは、上記のように定義される;および
DMFは、ジメチルホルムアミドを表す。
当業者は、本発明の化合物のいくつかはキラル中心を含み、それ故、特許請求の範囲に記載された化合物の多数の異性体が提供されることを認識しうる。本発明の化合物は、当業者に知られる技術を用いて分離されてもよい個々の異性体と同様に、異性体混合物が挙げられることが本願明細書において意図される。ある実施形態において、本発明の化合物として、位置異性体もまた挙げられうる。適切な技術は、HPLCと称される高速液体クロマトグラフィー、特にシリカゲルクロマトグラフ、およびGCトラッピングとして知られるガスクロマトグラフィートラッピングのようなクロマトグラフィーが挙げられる。しかし、これらの製品の商用版は、主に混合物として提供される。
本発明の化合物は、例えば、フレーバーの増強および好ましい全体のフレーバープロファイルの提供によって、食品、チューインガム、歯用および口腔衛生品ならびに医薬用製品に対して、風味の増強または体性感覚効果を増大または増強する点でこれらの使用についての利点が示される、シトラス系の、シトラール様の、新鮮な、若々しい特徴のような、予期しない強く、長続きする感覚受容性の特性を有することが見出される。本発明は、さらに、本発明の化合物を添加することによって、食品、チューインガム、歯用および口腔衛生品ならびに医薬用製品に対する、風味または体性感覚効果の増大または増強の方法に関する。
香味料組成物において本発明の化合物が使用されるとき、これらは、当該技術分野において周知であり、過去に広範に記載されている、従来の香味量材料または補助剤と組み合わせられうる。従来の香味料材料は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、アミノ酸;第一級および第二級アルコールを含むアルコール;エステル;ケトンを含むカルボニル化合物;アルデヒド;ラクトン;ベンゼン誘導体を含む環式有機物質、非環式化合物、フラン、ピリジンおよびピラジン等のような複素環式化合物;チオール、硫化物および二硫化物等を含む硫黄含有化合物;タンパク質;脂質;炭水化物;グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸マグネシウム、グルタミン酸カルシウム、グアニル酸塩およびイノシン酸塩のようないわゆるフレーバー増強剤;加水分解物、ココア、バニラおよびカラメルのような自然の香味料材料;アニス油およびチョウジ油等のような精油および抽出物;およびバニリン、エチルバニリンなどのような人工の香料材料が挙げられる。補助剤への要求は:(1)これらが本発明の3−置換のホルミルチオフェンとの間で非反応性であること;(2)これらが感覚受容性的に本発明の3−置換のホルミルチオフェンと相性がよく、それ故、補助剤の使用によって、3−置換のホルミルチオフェンが添加される最終消費製品のフレーバーに悪影響が無いこと;および(3)これらは摂取が可能であり、したがって非毒性またはそうでなければ非有毒性であることが挙げられる。また、他のフレーバー材料、媒体、安定剤、増粘剤、界面活性剤、コンディショナーおよびフレーバー増感剤もまたさらに挙げられうる。
本発明の化合物の使用は、パフュームおよびコロンの調製、石鹸、シャワーゲル、およびヘアケア製品のようなパーソナルケア製品の賦香、布地ケア製品、エアフレッシュナー、および化粧品を含む流通している香料製品にもさらに応用できる。本発明は、洗剤、食器洗い用の材料、スクラブ組成物、および窓ガラス用洗剤などのような、しかしこれらに限定されない洗浄剤の香り付けにもまた用いられうる。
これらの調製において、本発明の化合物は、単独で、または他の賦香組成物、溶媒、および補助剤などとの組み合わせで用いられうる。使用されうる他の材料の性質および種類は、当業者に知られている。本発明において、多くの種類の香料が使用されうるが、使用される他の成分との適合性のみが限定される。適切な香料は、アーモンド、リンゴ、チェリー、ブドウ、ナシ、パイナップル、オレンジ、イチゴ、ラズベリーなどの果実、ジャコウ、ラベンダー様、バラ様、アイリス様、カーネーション様などの花の香りが挙げられるが、これらに限定されない。他の良い香りは、松、トウヒおよび他の森林のにおい由来の草木や森の香りが挙げられる。香料は、また、精油のような種々の油、またはペパーミントおよびスペアミントなどのような植物性材料に由来していてもよい。
適切な香料のリストは、その内容が参照することにより記載されているかのように本明細書に組み込まれる、米国特許第4,534,891号明細書において提供される。適切な香料その他のソースは、W.A.Poucherによって1959年に編集された、「Perfumes, Cosmetics AND Soaps」、第2版において見られる。この専門書において提供される香料の間では、アカシア、キンゴウカン、シプレ、シクラメン、シダ、クチナシ、サンザシ、ヘリオトロープ、スイカズラ、ヒヤシンス、ジャスミン、ライラック、ユリ、モクレン、ミモザ、スイセン、刈りたての干し草、オレンジの花、ラン、モクセイソウ、スイートピー、トレフル、ゲッカコウ、バニラ、スミレおよびニオイアラセイトウなどである。
本発明の化合物は、相補的な香料化合物と組み合わせて用いられうる。本願明細書において用いられる用語「相補的な香料化合物は、2−[(4−メチルフェニル)メチレン]−ヘプタナール (アカレア(Acalea))、イソ−アミルオキシ酢酸アリルエステル (アリルアミルグリコレート(Allyl Amyl Glycolate))、(3,3−ジメチルシクロヘキシル)エチルエチルプロパン−1,3−ジオエート (アップルライド(Applelide))、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−5−アセトアルデヒド、(E/Z)−1−エトキシ−1−デセン (アークティカル(Arctical))、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロ−ペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール (バクダノール(Bacdanol))、2−メチル−3−[(1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)オキシ]エクソ−1−プロパノール (ボルナフィックス(Bornafix))、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4H−インデン−4−オン (カシュメラン(Cashmeran))、トリメチルシクロペンテニルメチルオキサビシクロオクタン (カシフィックス(Cassiffix))、1,1−ジメトキシ3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン (シトラール DMA(Citral DMA)、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール (シトロネロール(Citronellol)、3A,4,5,6,7,7A−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−5/6−イルアセタート (シクラセット(Cyclacet)、3A,4,5,6,7,7A−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−5/6−イルプロピオナート (シクラプロップ(Cyclaprop))、3A,4,5,6,7,7A−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1G−インデン−5/6−イルブチラート (シクロブタナート(Cyclobutanate))、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン (デルタ ダマスコン(Delta Damascone))、(1S)−1−[(1R)−3,3−ジメチルシクロヘキシル]エチルエチルマロネート、4−エチルオクタナール、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパンニトリル (フレーラニル(Fleuranil))、3−(O/P−エチルフェニル)2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド (フロラロゾン(Floralozone)、テトラヒドロ−4−メチル−2−(2−メチルプロピル)−2H−ピラン−4−オール (フロリフォル(Floriffol))、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−ガンマ−2−ベンゾピラン (ガラクソリド(Galaxolide))、1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ペンタ−4−エン−1−オン (ガルバスコン(Galbascone))、E/Z−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−イルアセタート (ゲラニルアセタート(Geranyl Acetate))、α−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−プロパナール (ヘリオナール(Helional))、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−1,6−ヘプタジエン−3−オン (ヘキサロン(Hexalon))、(Z)−3−ヘキセニル−2−ヒドロキシベンゾアート (ヘキセニル サリシラート(Hexenyl Salicylate)、シス−3 (CIS−3)、4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン (イオノン α(Ionone α))、1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−エタン−1−オン (イソ E スーパー(Iso E Super))、メチル3−メチルシクロヘキサンカルボキシラート、メチル3−オキソ−2−ペンチルシクロペンタンアセタート (カリスマール(Kharismal))、2,2,4−トリメチル−4−フェニル−ブタンニトリル (クシニール(Khusinil))、3,4,5,6,6−ペンタメチルヘプト−3−エン−2−オン (コアボン(Koavone))、3/4−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド (リラール(Lyral))、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン (メチル イオノン γ(Methyl Ionone γ))、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)ペンタ−1−エン−3−オン(メチル イオノン α エキストラ (Methyl Ionone α Extra)、メチル イオノン N (Methyl Ionone N))、[(Z)−ヘキシ−3−エニル]シクロプロパンカルボキシラート、3−メチル−4−フェニルブタン−2−オール (ムグエシア(Muguesia))、シクロペンタデカ−4−エン−1−オン (ムスク Z4(Musk Z4))、3,3,4,5,5−ペンタメチル−11,13−ジオキサトリシクロ[7.4.0.0<2,6>]トリデカ−2(6)−エン(ネブロン(Nebulone))、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−イルアセタート (ネリルアセタート(Neryl Acetate))、3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン (オシメン(Ocimene))、デカ−6または7または8−エナル、2,2,6,6,7,8,8−ヘプタメチル−4,5,6,7,8,8B−ヘキサヒドロ−3AH−インデノ[4,5−D][1,3]ジオキソール、シス−1−(1,1−ジメチルプロピル)−4−エトキシシクロヘキサン、オルト−トリルエタノール (ペオモサ(Peomosa))、3−メチル−5−フェニルペンタノール (フェノキサノール)、1−メチル−4−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボキシアルデヒド (プレシクレモン B(Precyclemone B))、4−メチル−8−メチレン−2−アダマンタノール (プリスマントール(Prismantol))、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール (サンジノール(Sanjinol))、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール (サンタリフ(Santaliff))、7,7,8,9,9−ペンタメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロペンタ[H]キナゾリン、3−[シス−4−(2−メチルプロピル)シクロヘキシル]プロパナール、4−(ヘプチルオキシ)−3−メチルブタナール、テルピネオール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド (トリプラール(Triplal))、デカヒドロ−2,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−2H−インデノ[4,5−D]フラン (トリサンバー(Trisamber))、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキシラート、3,4,5−トリメチルオクタヒドロ−1H−4,7−メタノインデン−5−オール、2−tert−ブチルシクロヘキシルアセタート (ベルドックス(Verdox))、(3E)−4−メチルデカ−3−エン−5−オン、4−tert−ブチルシクロヘキシルアセタート (べルテネックス(Vertenex))、アセチルセドレン (ベルトフィックス(Vertofix))、3,6/4,6−ジメチルシクロヘキシ−3−エン−1−カルボキシアルデヒド (ビオリフ(Vertoliff))および(3Z)−1−[(2−メチル−2−プロペニル)オキシ]−3−ヘキセン (ビバルディエ(Vivaldie))からなる群より選択される香料化合物として定義される。
本願明細書において用いられる用語「食品」は、固体及び液体の両方の、人間又は動物が摂取できるような物質を含み、このような物質は、必須ではないが、栄養価を有する。それ故、食品は、肉、ソース、スープ、インスタント食品、麦芽、アルコールまたはその他の飲料、ミルクおよび乳製品、魚、甲殻類および軟体動物などを含む海産食品、砂糖菓子、野菜、穀草類、清涼飲料、軽食、ドッグおよびキャットフードならびに他の獣医製品などが挙げられる。
用語「フレーバー組成物」および「フレーバー製剤」は、同じことを意味し、心地のよいまたは望ましいフレーバーを製造する、消費者組成物を指す。フレーバー組成物は、単一の化合物または化合物の混合物を含む。本発明のフレーバー組成物は、本発明の化合物を含む、消費者組成物である。
用語「フレーバー製品」は、本発明の化合物およびさらに食品、チューインガム、歯用の製品、口腔衛生品または医薬用製品を含む、消費者製品を意味する。
用語「フレグランス組成物」、「フレグランス製剤」および「パフューム組成物」は、同じことを意味し、例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、ラクトン、ニトリル、天然油、合成油およびメルカプタンを含む、化合物の混合物であって、これらが混合されることで、個々の化合物の複合の香気が心地よいまたは望ましいフレグランスを製造する、消費者組成物を指す。本発明のフレグランス組成物は、本発明の化合物を含む消費者組成物である。本発明のフレグランス組成物は、本発明の化合物およびさらに上記で定義するような相補的なフレグランス化合物を含む。
用語「フレグランス製品」は、芳香を加え、または悪臭を覆い隠す、香料成分を含む、消費者製品を意味する。フレグランス製品は、例えば、パフューム、コロン、化粧水、固形石けん、液状せっけん、シャワーゲル、泡風呂、化粧品、クリーム、ローションおよびシェービング製品のようなスキンケア製品を含む、パーソナルケア製品、洗髪、リンス、コンディショニング、脱色、着色、染色、整髪のためのヘアケア製品、デオドラントおよび発汗抑制剤、タンポンおよび女性用ナプキンのような女性用ケア製品、おむつ、よだれ掛け、拭き取り繊維(wipes)のような育児製品、トイレットペーパー、化粧紙、鼻紙またはペーパータオルのような介護製品(family care products)、柔軟剤および消臭剤(fresheners)のような布地ケア製品、エアフレッシュナーおよびフレグランスデリバリーシステムのようなエアケア製品、化粧品、洗剤、食器洗い用の材料、スクラブ組成物のような清浄用製品および消毒剤、窓ガラス用洗剤、キッチン天板クリーナーのようなガラスおよび金属クリーナー、床およびカーペットクリーナー、トイレクリーナーおよび漂白剤添加物、汎用洗浄剤、重質洗浄剤および手洗い用洗浄剤または洗濯洗剤およびリンス添加剤を含む織物布地用(fine fabric)洗浄剤のような洗浄剤、練り歯磨き、歯磨きゲル、デンタルフロス、入れ歯洗浄剤、入れ歯安定剤、歯磨剤、歯用ホワイトニングおよび口内洗浄液のような歯用および口腔衛生品、ヘルスケアおよび栄養製品ならびに間食および清涼飲料製品のような食品を挙げることができる。本発明のフレグランス製品は、本発明の化合物を含む、消費者製品である。本発明のフレグランス製品は、本発明の化合物およびさらに上記で定義するような相補的なフレグランス化合物を含む。
用語「改善」は、フレーバーまたはフレグランス組成物をより望ましい特性へと高めることを意味すると理解される。用語「増強」は、フレーバーまたはフレグランス組成物の効果をより向上させること、またはフレーバーまたはフレグランス組成物に改善された特性を与えることを意味すると理解される。用語「変性」は、フレーバーまたはフレグランス組成物に特性の変化を与えることを意味すると理解される。
用語「嗅覚の許容しうる量」は、フレーバーまたはフレグランス製剤中の化合物の量を意味すると理解され、化合物は、個々の嗅覚特性に寄与しうる。しかしながら、フレーバーまたはフレグランス製剤の嗅覚効果は、フレーバーまたはフレグランス成分の各々の効果の合計でありうる。それ故、本発明の化合物は、フレーバーまたはフレグランス製剤の香り特性を改善又は増強するため、または製剤中の他の材料が一因となる嗅覚反応を変質するために用いられうる。嗅覚の許容しうる量は、他の材料、それらの相対量および求められる嗅覚効果を含む、多くの要素に依存して変化しても良い。
通常、フレーバー組成物において使用される3−置換のホルミルチオフェンの嗅覚の許容しうる量は、重量比約0.1ppb超、好ましくは重量比約1ppbから約500ppmまで、より好ましくは重量比約10ppbから約100ppmまで、さらにより好ましくは重量比約100ppbから約50ppmまでである。フレグランス組成物において使用される3−置換のホルミルチオフェンの嗅覚の許容しうる量は、約0.005重量%から約70重量%まで、好ましくは約0.005重量%から約50重量%まで、より好ましくは約0.5重量%から約25重量%まで、およびさらにより好ましくは約1重量%から約10重量%まで変化する。当業者は、望ましいフレーバーまたはフレグランス効果および強度を提供するための望ましい量を使用することができる。本発明の化合物に加えて、フレーバーまたはフレグランス組成物と併せて他の材料もまた使用して、フレーバーまたはフレグランスをカプセル化し、および/または届けることもまた可能である。いくつかの周知の材料は、例えば、界面活性剤、乳化剤、脂肪、ワックスおよびリン脂質を含む脂質、オーガニックオイル、鉱油、ワセリン、天然油、パフューム定着剤、繊維、でんぷん、糖ならびにゼオライトおよびシリカのような固体表面材料のような、ポリマー、オリゴマー、非ポリマーであるが、これらに限定されるものではない。
以下は、本発明の特定の実施形態として提供される。この発明の他の変性は、当業者にとって容易に明らかでありうる。このような改変は、本発明の範囲内であると理解される。本願明細書において、特に注記がない限り、全てのパーセントは重量%であり、ppbは十億分率を表すと理解され、ppmは百万分率を表すと理解され、Lはリットルであると理解され、mLはミリリットルであると理解され、Kgはキログラムであると理解され、gはグラムであると理解され、molはモルであると理解され、mmolはミリモルであると理解され、Mはモル濃度であると理解される。実施例において用いられるようなIFFは、インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス社、ニューヨーク、NY、USA(International Flavors&Fragrances Inc.,New York,NY,USA)を意味すると理解される。
実施例I
Figure 0006924753
3−(3−メチル−ブタ−2−エニル)−2−ホルミルチオフェンの生成(構造B1):
2Lの4つ口フラスコにエチルエーテル((CO)(75mL))中の1−ブロモ−3−メチルブタ−2−エン(10g,67mmol)を入れて、無色溶液とした。[1,2−ビス(ビフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(II)(dppeNiCl)(0.5g,1mmol)を加え、0℃で混合物を攪拌した。3−チエニルマグネシウムヨーデイド(224mL,67mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を室温へと温め、8時間攪拌した。反応が完了した後、塩酸水溶液(HCl)(10%)と共に、氷を加えた。反応混合物をエーテルで抽出した。有機相を分離し、塩水で洗浄し、マグネシウムスルファート(MgSO)上で乾燥し、濃縮した。粗生成物のクーゲルロール蒸留を用いた精製によって、3−(3−メチル−ブタ−2−エニル)−チオフェン(22g)が提供された。500mLの4つ口フラスコにジメチルホルムアミド((CHNC(O)H)(DMF)(9.6g,131mmol)を入れて、攪拌しながら温度を0℃へと冷却した。氷浴を使用して温度を10℃未満に維持しながら、オキシ塩化リン(POCl)(2.8g,18mmol)を滴下した。混合物をさらに15分間攪拌した。3−(3−メチル−ブタ−2−エニル)−チオフェン(2.5g,16mmol)をその後、10℃で滴下した。氷浴を除去し、反応混合物を70℃へと加熱し、6時間攪拌した。反応が完了した後、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)(5%)と共に、氷を加えた。反応混合物をメチルtert−ブチルエーテル((CHCOCH)(300mL)で抽出した。有機相を分離し、水および塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。結果として生じる粗生成物を真空蒸留およびバイオタージ(Biotage)(ヘキサン:エチルアセタート=4:1)で精製し、3−(3−メチル−ブタ−2−エニル)−2−ホルミルチオフェン(0.5g)を生産した。
Figure 0006924753
実施例II
Figure 0006924753
3−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)−2−ホルミルチオフェンの生成(構造B2):
室温で窒素下で、トルエン(65mL)中の2−(3−ブロモチオフェン−2−イル)−1,3−ジオキソラン(CBrOS)(4.3g,18.29mmol)、4−メチル−3−ペンテニルボロン酸ピナコールエステル(C1223BO)(5g,23.78mmol)、および炭酸カリウム(KCO)(7.58g,54.9mmol)の混合物に対して、水(9.5mL)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2‘,6‘−ジイソプロポキシビフェニル(RuPhos)(0.34g,0.73mmol)およびパラジウ(II)アセタート(Pd(OCCH)(82mg,0.37mmol)に添加した。窒素下で、反応混合物を120℃へと加熱して、6時間攪拌した。化学反応を室温へと冷却した後、反応混合物を濾過し、エチルアセタート(CHCO)および水で洗浄し、その後エチルアセタートで抽出した。有機相を分離し、塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。エチルアセタート/ヘキサンで溶出することで、シリカゲル上において、クロマトグラフィーによって粗生成物は精製され、2−(3−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)チオフェン−2−イル)−1,3−ジオキソランを生産し、2−(3−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)チオフェン−2−イル)−1,3−ジオキソランはトルエン(25mL)中に再溶解され、濃塩酸(HCl)(2mL)と共に添加された。反応混合物を1時間室温で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)溶液で急冷し、エーテルで抽出した。有機相を分離し、次いで水および塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、結果として生じる粗生成物を蒸留により精製して、黄色い溶液として、3−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)−2−ホルミルチオフェン(1g)を生産した。
Figure 0006924753
実施例III
Figure 0006924753
4−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)−2−ホルミルチオフェンの生成(構造B3):
室温下で、1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(DMPU)(20g)中のニッケル(II)ヨーデイド(NiI)(0.17g,0.55mmol)、水(32mg,1.75mmol)、ナトリウムヨーデイド(NaI)(0.19g,1.25mmol)、ピリジン(CN)(0.79g,10mmol),5−ブロモ−2−メチルペンタ−2−エン(Br(CHCHC(CH)(0.82g,5mmol),1,10−phenanthroline(C12)(0.09g,0.5mmol)および2−(4−ブロモチオフェン−2−イル)−1,3−ジオキソラン(1.18g,5mmol)の混合物に、亜鉛末(0.65g,10mmol)を加えた。反応混合物を室温で5分間攪拌し、70℃へと加熱し、さらに20時間攪拌した。化学反応を室温へと冷却した後、反応混合物を水(100mL)中へと注ぎ、エーテル(50mL)で抽出した。有機相を分離し、NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。エチルアセタート/ヘキサンで溶出することで、シリカゲル上において、クロマトグラフィーによって粗生成物を精製して、清澄液として、2−(4−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)チオフェン−2−イル)−1,3−ジオキソラン(0.5g)を生産した。最終生成物である4−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)−2−ホルミルチオフェン(0.3g)を、続いて、2−(4−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)チオフェン−2−イル)−1,3−ジオキソランから、実施例IIに従って同様に生成した。
Figure 0006924753
実施例IV
Figure 0006924753
3−ブチル−2−ホルミルチオフェン(構造C1)の生成:
1Lの3つ口フラスコにDMF(208g,2.852mol)を入れた。窒素ガス(N)下で、氷浴を使用して温度を10℃未満に維持しながら、POCl(60g,392mmol)をゆっくりと添加した。添加が完了した後、氷浴を除去して、反応混合物を室温へと温めて、10分間攪拌した。3−ブチルチオフェン(50g,357mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分間攪拌し、その後70℃へと加熱して、さらに4.5時間攪拌した。結果として生じる反応混合物をNaOH溶液(5%,400mL)へと添加し、メチル−tert−ブチルエーテル(600mL)で抽出した。有機相を分離し、塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。蒸留(98℃/2.86mmHg)による粗生成物のさらなる精製によって、3−ブチル−2−ホルミルチオフェン(45.6g)を生産した。
Figure 0006924753
実施例V
Figure 0006924753
3−イソペンチル−2−ホルミルチオフェン(構造C2)の精製:
500mLの4つ口フラスコに3−ブロモチオフェン(14g,83mmol)、dppeNiCl(0.9g,1.7mmol)およびテトラヒドロフラン(THF)(CHO(100mL)を入れた。イソペンチルマグネシウムブロミド(18g,100mmol)をTHF(100mL)中で希釈して、室温で混合物に滴下した。得られた混合物をその後、還流によって2時間攪拌した。反応が完了した後、NaOH溶液(10%,200mL)を添加し、続いてメチルtert−ブチルエーテル(300mL)で抽出した。有機相を分離し、塩水で2回洗浄し、MgSO上で乾燥させた。粗3−イソペンチル−チオフェンを得て、クーゲルロール蒸留(80℃/7mmHg)で精製した。500mLの3つ口フラスコにDMF(19g,259mmol)を入れた。N下で、氷浴を使用して温度を10℃未満に維持しながら、POCl(5g,36mmol)をゆっくりと添加した。添加が完了した後、氷浴を除去し、反応混合物を10分間室温で攪拌した。3−イソペンチル−チオフェン(5g,32mmol)をその後滴下し、反応混合物を65℃へと加熱し、8時間攪拌した。結果として生じる混合物をNaOH溶液(5%,20mL)へ添加し、エチルアセタート(100mL)で抽出した。有機相を分離し、塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。ショートシリカカラム(ヘキサン:エチルアセタート=10:1)を用いたさらなる蒸留によって、3−イソペンチル−2−ホルミルチオフェン(3.2g)を得た。
Figure 0006924753
実施例VI
以下のホルミルチオフェンを同様に生成した。
3−イソブチル−2−ホルミルチオフェン(構造C3):
Figure 0006924753
3−ペンチル−2−ホルミルチオフェン(構造C4):
Figure 0006924753
3−ヘキシル−2−ホルミルチオフェン(構造C5):
Figure 0006924753
3−ヘプチル−2−ホルミルチオフェン(構造C6):
Figure 0006924753
3−オクチル−2−ホルミルチオフェン(構造C7):
Figure 0006924753
2−ホルミルチオフェン(構造1)および3−メチル−2−ホルミルチオフェン(構造2):
シグマ−アルドリッチケミカル社(Sigma−Aldrich Chemical Company)より購入した。
3−エチル−2−ホルミルチオフェン(構造3):
Figure 0006924753
3−プロピル−2−ホルミルチオフェン(構造4):
Figure 0006924753
3−ノニル−2−ホルミルチオフェン(構造5):
Figure 0006924753
3−デシル−2−ホルミルチオフェン(構造6):
Figure 0006924753
3−プロペニル−2−ホルミルチオフェン(構造7):
Figure 0006924753
3−プロパ−1−イニル−2−ホルミルチオフェン(構造8):
Figure 0006924753
実施例VII
Figure 0006924753
3−シクロペンチル−2−ホルミルチオフェンの生成(構造9):
上記の手順にしたがって、3−ブロモチオフェンおよびシクロペンチルマグネシウムクロリドを用いて、まずは3−シクロペンチル−チオフェンを生成した。3−シクロペンチル−チオフェンおよびDMFを用いて、続いて3−シクロペンチル−2−ホルミルチオフェンを生成した。
Figure 0006924753
実施例VIII
以下のホルミルチオフェンを同様に生成した。
3−シクロプロピル−2−ホルミルチオフェン(構造10):
Figure 0006924753
3−シクロヘキシル−2−ホルミルチオフェン(構造11):
Figure 0006924753
実施例IX
Figure 0006924753
4−ブチル−2−ホルミルチオフェンの生成(構造12):
反応器に水中のトルエンの9:1の重量比の溶液(150mL)(a solution of toluene in water in a weight ratio of 9:1)、4−ブロモ−2−ホルミルチオフェン(6.3g,33mmol)、1−ブタンボロン酸(5g,49mmol)、パラジウム(II)アセタート(Pd(OAc))(0.1g,0.6mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2‘,6‘−ジイソプロポキシビフェニル(RuPhos)(C3043P)(0.6g,1.3mmol)および無水炭酸カリウム(KCO)(13.6g,98mmol)を入れた。反応器をシールし、150℃へと加熱した。反応を6時間実行した。反応が完了した後、エチルアセタート(100mL)を添加した。反応混合物を塩水で2回洗浄した。有機相を分離し、MgSO上で乾燥し、濃縮させた。結果として生じる粗生成物をクーゲルロール蒸留(140−150℃/1.1mmHg)で精製して、4−ブチル−2−ホルミルチオフェン(6.4g)を生産した。
Figure 0006924753
実施例X
以下のホルミルチオフェンを同様に生成した。
4−エチル−2−ホルミルチオフェン(構造13):
Figure 0006924753
4−プロピル−2−ホルミルチオフェン(構造14):
Figure 0006924753
4−イソブチル−2−ホルミルチオフェン(構造15):
Figure 0006924753
4−ペンチル−2−ホルミルチオフェン(構造16):
Figure 0006924753
4−ヘキシル−2−ホルミルチオフェン(構造17):
Figure 0006924753
実施例XI
Figure 0006924753
5−ブチル−2−ホルミルチオフェンの生成(構造18):
丸底フラスコにDMF(21g,285mmol)を入れた。N下で、氷浴を使用して温度を10℃未満に維持しながら、POCl(6.0g,39mmol)をゆっくりと添加した。添加が完了した後、氷浴を除去し、溶液を室温で10分間攪拌した。2−ブチルチオフェン(5g,36mmol)を滴下し、8時間で反応混合物を65℃へと加熱した。反応混合物を飽和炭酸ナトリウム(NaCO)溶液(20mL)にその後注ぎ、エチルアセタート(100mL)で抽出した。結果として生じる有機相を分離し、塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。粗生成物を濃縮し、ショートシリカゲルカラムを使用して精製して、5−ブチル−2−ホルミルチオフェン(4g)を生産した。
Figure 0006924753
実施例XII
以下のホルミルチオフェンを同様に生成した。
5−メチル−2−ホルミルチオフェン(構造19):
シグマ−アルドリッチケミカル社(Sigma−Aldrich Chemical Company)より購入した。
5−ペンチル−2−ホルミルチオフェン(構造20):
Figure 0006924753
5−ヘキシル−2−ホルミルチオフェン(構造21):
Figure 0006924753
2−プロピル−3−ホルミルチオフェン(構造22):
Naf,et al.(Flavour&Fragrance Journal.2000 15(5):329−334)に記載された手順に従い、2−プロピル−3−ホルミルチオフェンを生成した。
Figure 0006924753
実施例XIII
上記のホルミルチオフェンの感覚受容性の特性を評価し、以下に報告した:
Figure 0006924753
実施例XIII(続き)
Figure 0006924753
上記の実施例におけるホルミルチオフェンの評価は、3−置換のホルミルチオフェンで、置換はC−Cの直鎖状または分岐状のアルキルまたはアルケニル基のものは、他のホルミルチオフェンおいて認められない、増強された触感および特に望まれる強いシトラス系およびシトラール様のノートを持つことを驚くべきことに明らかにした。このような3−置換のホルミルチオフェンの強度および複雑性の有利な特性は、それに応じて予測し得ない、優れたものである。

Claims (16)

  1. 3−(3−メチル−ブタ−2−エニル)−2−ホルミルチオフェン;
    3−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)−2−ホルミルチオフェン;
    3−ブチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−イソペンチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−イソブチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−ペンチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−ヘキシル−2−ホルミルチオフェン;
    3−ヘプチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−オクチル−2−ホルミルチオフェン;および
    これらの混合物;
    からなる群より選択される化合物を、嗅覚の許容しうる量で含む、組成物
    こで、前記組成物は、フレーバーまたはフレグランス組成物である。
  2. 前記組成物は、前記フレーバー組成物であり、前記嗅覚の許容しうる量は、前記フレーバー組成物の重量比0.1ppb超である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物は、前記フレーバー組成物であり、前記嗅覚の許容しうる量は、前記フレーバー組成物の重量比1ppbから500ppmまでである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記組成物は、前記フレーバー組成物であり、前記嗅覚の許容しうる量は、前記フレーバー組成物の重量比10ppbから100ppmまでである、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記組成物は、前記フレグランス組成物であり、前記嗅覚の許容しうる量は、前記フレグランス組成物の0.005重量%から50重量%までである、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記組成物は、前記フレグランス組成物であり、前記嗅覚の許容しうる量は、前記フレグランス組成物の0.5重量%から25重量%までである、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記組成物は、前記フレグランス組成物であり、前記嗅覚の許容しうる量は、前記フレグランス組成物の1重量%から10重量%までである、請求項1に記載の組成物。
  8. フレーバーまたはフレグランス製品である、請求項1に記載の化合物を、嗅覚の許容しうる量で含む、製品。
  9. ポリマー、オリゴマーおよび非ポリマーからなる群より選択される材料をさらに含む、請求項に記載の製品
  10. 前記製品は、食品、チューインガム、歯用の製品、口腔衛生品および医薬用製品からなる群より選択される材料をさらに含む、前記フレーバー製品である、請求項に記載の製品。
  11. 前記製品は、パフューム、コロン、化粧水、化粧品、パーソナルケア製品、布地ケア製品、清浄用製品、エアフレッシュナー、固形石けん、液状せっけん、シャワーゲル、泡風呂、スキンケア製品、ヘアケア製品、デオドラント、発汗抑制剤、女性用ケア製品、育児製品、介護製品、エアケア製品、フレグランスデリバリーシステム、消毒剤、洗浄剤、歯用および口腔衛生品、ヘルスケアおよび栄養製品ならびに食品からなる群より選択される材料をさらに含む、前記フレグランス製品である、請求項に記載の製品。
  12. 前記清浄用製品は、洗剤、食器洗い用の材料、スクラブ組成物、ガラスクリーナー、金属クリーナー、キッチン天板クリーナー、床クリーナー、カーペットクリーナー、トイレクリーナーおよび漂白剤添加物からなる群より選択される、請求項11に記載の製品。
  13. 3−(3−メチル−ブタ−2−エニル)−2−ホルミルチオフェン;
    3−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)−2−ホルミルチオフェン;
    3−ブチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−イソペンチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−イソブチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−ペンチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−ヘキシル−2−ホルミルチオフェン;
    3−ヘプチル−2−ホルミルチオフェン;
    3−オクチル−2−ホルミルチオフェン;および
    これらの混合物;
    からなる群より選択される化合物を、嗅覚の許容しうる量で添加することによる、組成物の改善、増強または変性方法
    こで、前記組成物は、フレーバーまたはフレグランス組成物である。
  14. 前記組成物は、前記フレーバー組成物であり、前記嗅覚の許容しうる量は、前記フレーバー組成物の重量比10ppbから100ppmまでである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記組成物は、前記フレグランス組成物であり、前記嗅覚の許容しうる量は、前記フレグランス組成物の0.5重量%から25重量%までである、請求項13に記載の方法。
  16. 式Bの化合物:
    Figure 0006924753

    ここで、R’は、C−Cの直鎖状または分岐状のアルケニル基を表し、
    前記化合物は、3−(3−メチル−ブタ−2−エニル)−2−ホルミルチオフェンおよび3−(4−メチル−ペンタ−3−エニル)−2−ホルミルチオフェンからなる群より選択される。
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