JP6924529B1 - 工作機械の電流計測システムおよびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークと工具とのそれぞれが取り付けられた所定の主軸等を駆動するそれぞれのモータに流れる電流を計測して、それらの電流の大きさの変化により、ワークや工具の状態や動作などを推定する技術を提供すること。【解決手段】第一の電流センサと第二の電流センサとがそれぞれ情報処理装置に接続されている、工作機械の電流計測システムであって、複数種類の工具を変更しながらワークを加工する前記工作機械は、前記ワークを駆動するための第一のモータと、前記工具を駆動するための第二のモータとを備え、前記第一の電流センサにより計測された前記第一のモータの電流と、前記第二の電流センサにより前記計測された前記第二のモータの前記電流とのそれぞれの時刻歴波形を同期させて、前記情報処理装置により解析処理を行うことを特徴とする工作機械の電流計測システム。【選択図】図1

Description

本発明は、工具によりワークの加工を行う工作機械の電流を計測する技術に関するものである。
ワーク(加工対象)および工具のいずれか一方が取り付けられた主軸を軸心として回転させながら工具によりワークの切削加工等を行う工作機械において、ワークと工具とのそれぞれが取り付けられた所定の主軸等を駆動するそれぞれのモータに流れる電流を計測して、それらの電流の大きさの変化により、ワークや工具の状態や動作などを推定することができる。
従来、工具によりワークの切削加工等を行う工作機械において、同じ工具を繰り返し使用することで工具摩耗が進展し、最終的には工具が欠損または破損する。そのため、工作機械の工具にはメ−カ−が推奨する交換(同一の新品の工具へ取り替えること。)の目安となる加工回数(ワークを1本加工するごとに1回としてカウントされる。)が設定されているが、加工方法や加工対象によって最適な工具交換時期が異なるため、切削加工中の工具にかかる負荷に基づいて最適な工具交換時期を推定することが求められていた。
ここで、切削工具を装着した回転する主軸の負荷を予め設定した回転数分だけ検出し、主軸負荷の平均値と回転周波数成分とが連続して一定値となるという条件によって工具摩耗を判定する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、予め設定した主軸を駆動するモータの有効電力波形とワークを加工中の主軸を駆動するモータの有効電力波形とを比較することで工具摩耗を判定する技術が開示されている(特許文献2参照)。
さらに、回転する主軸に備えられた工具がワークに接触している状態を検知し、接触中の主軸にかかる工具負荷の変化の度合いを使用して工具摩耗度合いを検知する工作機械を提供する技術が開示されている(特許文献3参照)。
特許第6637689号公報 特開2006−82154号公報 特開2019−30954号公報
しかし、特許文献1乃至特許文献3に記載の方法では、ワークと工具とのそれぞれが取り付けられた所定の主軸等を駆動するそれぞれのモータに流れる電流を計測して、それらの電流の大きさの変化により、ワークや工具の状態や動作などを推定することは困難であった。
また、特許文献1に記載の方法では、予め設定した回転数分だけ工具負荷を検出するものの、ある時点で使用されている工具に紐付いた回転数を設定しなければ複数種類の工具を使用する(切削加工等により意図する形状によって複数の工具を使い分ける場合など。)ワークの加工に適用することはできない。
また、特許文献2に記載の方法では、主軸のモータの有効電力波形を相対比較するものであるが、複数種類の工具を使用するワークの加工においては工具ごとの有効電力波形を抽出しなければ摩耗が進んだ工具の切り分けができない。
また、特許文献3に記載の技術では、工作機械に備えられたNC(数値制御)装置から工具交換情報を取得することで工具ごとの摩耗を推定することが可能である一方で、外付けの電流計測システムを使用する場合においてはNC装置から工具交換情報を取得することは困難である。
本発明の目的は、ワークと工具とのそれぞれが取り付けられた所定の主軸等を駆動するそれぞれのモータに流れる電流を計測して、それらの電流の大きさの変化により、ワークや工具の状態や動作などを推定する技術を提供することにある。
本発明の工作機械の電流計測システムは、
第一の電流センサと第二の電流センサとがそれぞれ情報処理装置に接続されている、工作機械の電流計測システムであって、
複数種類の工具を変更しながらワークを加工する前記工作機械は、前記ワークを主軸を軸心として回転駆動するための第一のモータと、前記複数種類の工具の変更のための動作を司るための第二のモータとを備え、
前記情報処理装置は、前記第一の電流センサにより計測された前記第一のモータの電流と、前記第二の電流センサにより前記計測された前記第二のモータの前記電流とのそれぞれの時刻歴波形を経過時間を一致させて重ねる処理を行い解析処理において前記第一の電流センサにより前記計測された前記第一のモータの前記電流を、前記複数種類の工具の前記変更のための動作のときに発生する信号ごとに切り出し、それぞれの切り出し区間の電流値を引数とする非負関数値を前記ワークの加工回数ごとに相対比較することで、前記工具の前記種類ごとに工具異常を検知することを特徴とする。
本発明の工作機械の電流計測方法は、
ワークを主軸を軸心として回転駆動するための第一のモータと複数種類の工具の変更のための動作を司るための第二のモータとを備え、前記複数種類の前記工具を変更しながら前記ワークを加工する工作機械の電流計測方法であって、
第一の電流センサと第二の電流センサとがそれぞれ接続されている情報処理装置が、前記第一の電流センサにより計測された前記第一のモータの電流と、前記第二の電流センサにより前記計測された前記第二のモータの前記電流とのそれぞれの時刻歴波形を経過時間を一致させて重ねる処理を行う工程と、
前記情報処理装置が、解析処理において、前記第一の電流センサにより前記計測された前記第一のモータの前記電流を、前記複数種類の工具の前記変更のための動作のときに発生する信号ごとに切り出し、それぞれの切り出し区間の電流値を引数とする非負関数値を前記ワークの加工回数ごとに相対比較することで、前記工具の前記種類ごとに工具異常を検知する工程と
を有することを特徴とする。
本発明によれば、ワークと工具とのそれぞれが取り付けられた所定の主軸等を駆動するそれぞれのモータに流れる電流を計測して、それらの電流の大きさの変化により、ワークや工具の状態や動作などを推定する技術を提供することができる。
本発明の実施の形態における工作機械の電流計測システムの構成図である。 本発明の実施の形態における工作機械の概略図である。 本発明の実施の形態における信号の流れを説明するブロック図である。 本発明の実施の形態における主軸モータを流れる電流とサーボモータを流れる電流の信号の時刻歴波形を示す図である。 本発明の実施の形態における工具の種類ごとの負荷特徴量の推移の説明図である。 本発明の実施の形態における表示装置の表示画面例を示す図である。 本発明の実施の形態における工作機械の電流計測方法の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る工作機械の電流計測システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における工作機械1の電流計測システム10の構成図である。
工作機械の電流計測システム10は、電流センサ205−a、電流センサ205−bと、ケーブル21−a、ケーブル21−bと、情報処理装置(例えば、産業用パーソナルコンピュータである。)30、表示装置(例えば、タッチパネルディスプレイである。)40とから構成されている。
電流センサ205−a、電流センサ205−bは、例えば公知の磁気式電流センサであり、測定したい電流が電流線の周囲に作る磁場を磁気センサによって検知して磁場の大きさを測定することで電流値(電流量)を計測するものである。電流センサ205−a、205−bは、工作機械1の制御盤2から延びる配線のうち、電流センサ205−aは主軸モータ101に流れる電流を計測するために主軸モータ101に接続されるケーブル(電流線)に取り付けられ、電流センサ205−bはサーボモータ102(複数のモータのいずれかのうちの少なくとも1つのモータ)に流れる電流を計測するためにサーボモータ102に接続されるケーブルに取り付けられている。
電流センサ205−a、電流センサ205−bのそれぞれのケーブル21−a、ケーブル21−bは、情報処理装置30に接続されている(無線接続等であってもよい)。
情報処理装置30は、制御部・計算部としての演算装置であるCPU等を備え、記憶部としての所定の記憶装置を内蔵又は外付けHDD等として備えている。また、情報処理装置30は、アナログ回路としての電子回路を内蔵している。
表示装置40は、表示機構と入力機構を備え、所定のスタンドにより支持されたり、工作機械1に所定の治具により固定されていることであってもよい。また、表示装置40は、単なるランプのように報知機能のみ有していることであってもよい。表示装置40は、所定のケーブル41により情報処理装置30と接続されている(無線接続等であってもよい)。
図2は、工作機械1(例えば、周知の「NC旋盤」である。)の一例を示す概略図である。
工作機械1には主軸モータ101と、サーボモータ102が取り付けられている。
加工対象であるワーク103(例えば、棒状の金属である。)は主軸モータ101に取り付けられたチャック104によって固定され、主軸を軸心として回転する。
ワークを加工するための複数種類の工具105−a、105−b(ここでは説明の便宜上aとbの2個としたが、3個以上であってもよい。)は、サーボモータ102に取り付けられた工具台(工具交換装置)106の上に固定されている。なお、サーボモータ102は複数あり、それぞれ、図1中において、図中の左右方向の移動、図中の上下方向の移動、図中の左右方向を軸心とした回動(工具台106の回動により工具105−aと105−bを交換する。)の動作を司る。工作機械によってはサーボモータ102による運動の自由度がさらに増加するものもあり、そのためのモータが追加されることであってもよい。
図1中において、サーボモータ102により工具台106・工具105−aが図中左側に前進移動してワーク103(主軸を軸心として回転している。)に工具105−aが当接して切削加工等を行う。
工具105−aから工具105−bへ変更する場合は、図1中において、工具台106・工具105−aが図中右側に後退移動して、サーボモータ102の回動により工具台106が回動して105−aと工具105−bの位置が入れ替わることにより、工具の変更が実施される(なお、異なる種類の工具への「変更」と、工具の「交換(新品への)」とは異なる概念として説明する。)。これにより、図1中において、サーボモータ102により工具台106・工具105−bが図中左側に前進移動するとワーク103(主軸を軸心として回転している。)に工具105−bが当接することとなる。
また、図2では、工作機械1として「旋盤」を前提として説明したが、例えば、工作機械1として、マシニングセンター等を想定すると、工具105が主軸を軸心として回転する場合もあり得る。さらに、例えば、工具105が扉付きの箱等の中に格納されている工作機械1もあり、その扉が開いて、所定のアームで工具105を把持して取り付けるようなものもあり得る。
従って、工作機械1は、ワーク103側を駆動する第一のモータと、工具105側を駆動する第二のモータとを備えていれば、その具体的な構造は限定されない。上記の図1における説明も便宜上、旋盤を前提として説明したが、これに限定されなく、工作機械1の構造に応じて構成も変更して適用可能である。
図3は、工作機械1(例えば、周知の「NC旋盤」である。)とその電流計測システム10の信号の流れを説明するためのブロック図である。
図3において、まず、NC装置201から出力された制御信号はPLC202、インバータ203およびサーボアンプ204に入力される。
インバータ203は主軸モータ101を駆動し、サーボアンプ204はNC装置201からの指示に従ってサーボモータ102の運動(動作)を制御する。
電流センサ205−aは主軸モータ101に流れる電流を計測し、電流センサ205−bはサーボモータ102(複数のモータのいずれかのうちの少なくとも1つのモータ)に流れる電流を計測する。
NC装置201にはワーク103を所望の形状に加工するためのプログラムが実装されている。
主軸モータ101が回転することによってチャック104で固定されたワーク103も同時に回転する。
NC装置201からの指示に従ってサーボアンプ204がサーボモータ102を駆動することで、工具105がワーク103に接触し、切削加工が行われる。
NC装置201からの指示に従ってサーボアンプ204が工具台106を回動させるようにサーボモータ102を制御することで、ワーク103に接触する工具105が交換される。
また、図3でも、工作機械1として「NC旋盤」を前提として説明したが、上述のとおり、工作機械1は、ワーク103側を駆動する第一のモータと、工具105側を駆動する第二のモータとを備えていれば、その具体的な構造は限定されなく、第一の電流センサとしての電流センサ205−aがワーク103側を駆動する第一のモータに流れる電流を計測し、第二の電流センサとしての電流センサ205−bが工具105側を駆動する第二のモータに流れる電流を計測することであればよい。
図4は、電流センサ205−aによって計測された、工作機械1(例えば、周知の「NC旋盤」である。)が稼働している最中の主軸モータ101に流れる電流の時刻歴波形301(実線)と、電流センサ205−bによって計測された、工作機械1が稼働している最中のサーボモータ102に流れる電流の時刻歴波形302(破線)である。なお、縦軸は電流値、横軸は経過時間である。
切削加工等に使用される工具が、工具105−aから工具105−bへと変更される、又は、工具105−bから工具105−aへと変更される際には、工具台106が回動する。このとき、工具台106を回動させるためにサーボモータ102に大きな電流が流れるため、サーボモータ102に流れる電流の時刻歴波形302には瞬時的なピークが現れる。この瞬時的なピークを含む時刻歴波形302と、主軸モータ101に流れる電流の時刻歴波形301とを同期させる(重ねる)ことで、工具105−aと工具105−bの使用時間に応じた主軸モータ101に流れる電流の時刻歴波形を抽出する(切り出す)ことができる。
計測された電流値は、情報処理装置30の記憶装置等に保存され、その記憶装置等に接続された情報処理装置30の演算装置によってデジタルデータで同期処理を行うことであっても、また、情報処理装置30のアナログ回路(連続的に変化する電気信号を取り扱う電子回路)においてアナログ情報として同期処理を行うことであってもよい。
具体的には、図4に示すように、切削加工等の開始時点から、時刻歴波形302に最初に現れる瞬時的なピークまでは、工具105−aが使用されており、初めて工具台106が回動する際に瞬時的なピークが最初に現れ、その時点で、工具105−aから工具105−bへと変更され、それ以降は、時刻歴波形302に次の瞬時的なピークが現れるまでは、工具105−bが使用されているとみなす(推定する)ことができる。但し、図4は、理解の容易化のために模式的にグラフを表しているに過ぎなく、切削加工等の開始時点から、ワーク103に工具105−aが当たるまでや、工具105−aから工具105−bへと変更される際のワーク103にいずれの工具105も当たっていない状態は無視して表現したものであるし、電流値も必ずしも工具ごとに一定(フラット)の値をとるものではない。
なお、切削加工等に際して、情報処理装置30の記憶装置の所定のテーブル等に予め設定されている複数の工具の使用する順番のデータと紐付けること等により、時刻歴波形302に瞬時的なピークが現れるごとに、1番目の使用工具から2番目の使用工具へ、具体的にどの種類の工具からどの種類の工具へ変更されていくのかを特定することができる。情報処理装置30から上記の複数の工具の使用する順番のデータを取得し、そのデータを、図4に示すデータと紐付けて、表示装置40に具体的にどの時間帯でどの種類の工具が使用されていたかの工具名も表示することであってよい。
また、図4でも、工作機械1として「NC旋盤」を前提として説明したが、上述のとおり、工作機械1は、ワーク103側を駆動する第一のモータと、工具105側を駆動する第二のモータとを備えていれば、その具体的な構造は限定されなく、第一の電流センサとしての電流センサ205−aがワーク103側を駆動する第一のモータに流れる電流を計測し、第二の電流センサとしての電流センサ205−bが工具105側を駆動する第二のモータに流れる電流を計測し、これら2つのモータそれぞれに流れる電流の時刻歴波形を同期させることで、解析処理を実行することができる(なお、後述する図5、図6の説明においても同様である。)。
例えば、工具105が扉付きの箱等の中に格納されている工作機械1の場合、その扉が開いて、所定のアームで工具105を選択して把持して取り付ける際の扉の開閉時の大きな電流(瞬時的なピーク)を計測すれば複数種類の工具105の変更のタイミングを推定することができる。
さらに、工具105の交換のタイミングを推定することのみでなく、工具台106を左右上下に移動させる際にサーボモータ102に大きな電流が流れるため、この左右上下の動作に基づいて工作機械1の稼働時間・稼働率等を推定することもできる。
その他、故障予測(異常検知)に用いることもできる。すなわち、第一の電流センサとしての電流センサ205−aがワーク103側を駆動する第一のモータに流れる電流を計測し、第二の電流センサとしての電流センサ205−bが工具105側を駆動する第二のモータに流れる電流を計測し、これら2つのモータそれぞれに流れる電流の時刻歴波形を同期させ、解析処理を実行し、通常(正常時)の波形とは異なる波形が現れた場合には工作機械1又は工具105が故障する予兆又は故障しているとみなして故障予測を実施することができる。
図5(a)・図5(b)は、加工回数に対する工具の種類ごとの負荷特徴量(なお、ここでいう「負荷」とは、ワークに対して工具を当てると反発する力の大きさのことをいう。種々の計算式や指標があるが、以下では、負荷は、「電流の大きさ」を測定することで推定されるものとする。すなわち、相対的に大きな負荷がかかっている場合(ワークに対して劣化した工具が当たってその分の抵抗力が生じている。)は、相対的に大きい電流が流れ、相対的に小さな負荷がかかっている場合(ワークに対してそれほど劣化していない工具が当たってその分の抵抗力が生じている。)は、相対的に小さい電流が流れ、負荷がかかっていない場合(空転)は、ほぼ電流が流れないことを利用して推定する。)の推移である。
ここでは負荷特徴量とは、図4における各ブロックの電流値の平均値のことをいう。具体的には、図4において、工具105−aが使用されていた時間の電流の大きさがブロック1の領域(切り出し区間)として示され、その時間帯の電流の大きさの平均値を負荷特徴量として、図5(a)中の丸印としてプロットされている。同様に、図4において、工具105−bが使用されていた時間の電流の大きさがブロック2の領域(切り出し区間)として示され、その時間帯の電流の大きさの平均値を負荷特徴量として、図5(b)中の三角印としてプロットされている。なお、図5(a)・図5(b)にプロットされる丸印・三角印は、例えば同じ製品を100本作るケースなどの、同一のワークを同一の条件で加工することを前提として、情報処理装置30の演算装置によって計算処理された負荷特徴量であり、また、理解の容易化のためにグラフで示したに過ぎなくグラフ化は必須ではない。
加工回数の増加に伴い、図5(a)に示す、工具105−aの負荷特徴量401と、図5(b)に示す、工具105−bの負荷特徴量402はともに増加傾向(計測等の誤差があり得るため必ずしも加工回数に比例して負荷特徴量が大きくなるわけではないという意味である。)を示す。
これは、加工回数の増加に伴い、すなわち工具が使用されるに伴い、工具の表面が摩耗して劣化すると、ワークに対して当たった工具の表面の摩擦が大きくなり、すなわち抵抗力が大きくなり、負荷も大きくなるからである。
情報処理装置30の記憶装置の所定のテーブル等に予め設定されている各工具の負荷特徴量の閾値403、閾値404に、情報処理装置30の演算装置によって計算処理された各工具の負荷特徴量が達した(一度達する場合でも、念のため2回連続で達する場合など計測エラ−対策がなされてもよい。9割程度の予備閾値を2回連続で達する場合など追加条件を付加することであってもよい。)と判断された場合、工具の表面が摩耗して劣化が著しく工具の交換時期であるとして推定し、情報処理装置30の演算装置は工具交換のための所定のアラートを表示装置40の表示画面5等に報知する。
なお、上記では、各切り出し区間の電流値を引数とする非負関数値(二乗平均値)を加工対象の加工回数ごとに相対比較したが、非負関数値として計測した電流値の絶対値の総和値を利用することであってもよい。
図6は、表示装置40に表示される表示画面5の一例を示す図である。
表示画面5は、加工品名(例えば、製品名:A社の自動車のカムシャフト)の表示501と、工具交換通知(アラート)の表示502と、工具負荷特徴量の表示503と、電流計測値(電流の時刻歴波形、現時点の電流値も表示されることであってもよい。)の表示504と、工具名の表示505と、過去の履歴情報としての工具交換履歴(交換日時等)の表示506等とによって構成されている。もちろんこれらのすべての表示が必須ということではない。
なお、表示画面5へ出力することなく、所定の別体のランプ等を点滅させることなどにより、工具交換のアラートのみ報知することであってもよい。
また、表示装置40等に出力されるデータは、表示装置40等に出力することなく、情報処理装置30のみにおいて所定の表示部(液晶ディスプレイ等)に表示して利用されることであってもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る工作機械の電流計測システム10を用いた工作機械1の電流計測方法について、図7のフロ−チャ−トを参照して詳細に説明する。
基本的な流れは、第一の電流センサとしての電流センサ205−aが工作機械1のワーク103側を駆動する第一のモータに流れる電流を計測し、第二の電流センサとしての電流センサ205−bが工作機械1の工具105側を駆動する第二のモータに流れる電流を計測し、これら2つのモータそれぞれに流れる電流の時刻歴波形を同期させて、解析処理を実行する、というものである。
以下では、工作機械1として「NC旋盤」を前提として、切削加工等に使用される2種類の工具である工具105−aと工具105−bを変更しながらワーク103を加工する場合において、工具の負荷推定と併用することにより、工具ごとの摩耗状態(摩耗状態が一定限度を超えると「工具異常」の概念に含まれる状態となるものとする。)を推定して工具交換のタイミングを推定して報知するケースについて説明する。
まず、情報処理装置30の記憶装置の所定のテーブル等に工具105−aと工具105−bごとの負荷特徴量の閾値403、閾値404を予め設定する(ステップS1)。
次に、工作機械1により、工具105を用いたワーク103の加工が開始されると、電流センサ205−aは主軸モータ101に流れる電流を計測し、電流センサ205−bはサーボモータ102(複数のモータのいずれかのうちの少なくとも1つのモータ)に流れる電流を計測する(ステップS2)。
そして、情報処理装置30は、図4に示すように、主軸モータ101に流れる電流の時刻歴波形301(実線)と、サーボモータ102に流れる電流の時刻歴波形302(破線)を得て、同期処理を行う(ステップS3)。
情報処理装置30の演算装置は、切削加工等の開始時点から、時刻歴波形302に最初に現れる瞬時的なピーク(ピーク信号)までは、工具105−aが使用されており、初めて工具台106が回動する際に瞬時的なピークが最初に現れ、その時点で、工具105−aから工具105−bへと変更され、それ以降は、時刻歴波形302に次の瞬時的なピークが現れるまでは、工具105−bが使用されているとみなし(推定し)、図4における、工具105−aが使用されていたブロック1の領域と、工具105−bが使用されていたブロック2の領域の電流の大きさの平均値を負荷特徴量として算定する(ステップS4)。なお、情報処理装置30の記憶装置の所定のテーブル等に予め設定されている複数の工具の使用する順番のデータと紐付けること等により、時刻歴波形302に瞬時的なピークが現れるごとに、1番目の使用工具から2番目の使用工具へ、具体的にどの種類の工具からどの種類の工具へ変更されていくのかを特定することができる。
そして、情報処理装置30の演算装置は、上記のステップS1で設定した各工具の負荷特徴量の閾値403、閾値404に、各工具の負荷特徴量が達したか否かをそれぞれ判断し(ステップS5)、達したと判断された工具がある場合、その工具の表面が摩耗して劣化が著しく工具の交換時期であるとして推定し、情報処理装置30の演算装置は、工具摩耗状態がひどく工具交換が必要である旨の所定のアラートを、例えば図6に示すように表示装置40の表示画面5等に報知する(ステップS6)。
このようにすれば、工作機械のNC装置を経由することなく、回転する主軸を駆動するモータの電流と工具交換台を駆動するモータの電流を計測し同期処理することによって、同一種類のワーク103を複数加工する状況において、工具105ごとに切り出された電流波形の非負関数値をワークごとに相対比較し推移を観察することで、ワーク103の加工回数に対する工具105ごとの摩耗状態を推定することができる。
従来、工作機械メーカーは機械の内部で動作しているプログラムからデータを解析することができるが、1つの工場で異なるメーカ等の工作機械を複数使用している場合等において、汎用的に工作機械の外部から(内部の電気回路等に変更を加えると改造品等となりメーカー保証対象外となるリスクもある。)工具の交換タイミング等を判別することが望まれていた。例えば、1個のワークの加工に際して工具を3種類用いて変更しながら加工する場合、ある1種類の工具を相対的に長い時間使用するため、一番早く摩耗するが、工作機械メーカー側で設定された回転数を目安として一括交換するケースや、3種類の工具の合算値で異常値を計測判断しているケースもあり、そのときは残りの2種類の工具はまだ使用できる状態であり、もったいない状況が発生していた。各工具の使用許容範囲の限界まで使用してからそれぞれのタイミングで廃棄・新品交換を実施することで原価低減・経済効率性が実現できる。
上記の本実施の形態によれば、ワーク103と工具105とのそれぞれが取り付けられた所定の主軸等を駆動するそれぞれのモータに流れる電流を計測して、それらの電流の大きさの変化により、ワーク103や工具105の状態や動作などを推定することができる。
また、電流センサ205−aおよび電流センサ205−bのうちの少なくともいずれかと所定の電圧センサとを併用することで、電流と同時に電圧も計測することにより、主軸モータ101やサーボモータ102等の消費電力を使用して上記の電流を使用した実施形態と同様のことを実現することができる。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されてよい。
1 工作機械
2 制御盤
21−a、21−b ケーブル
30 情報処理装置
40 表示装置
41 ケーブル
101 主軸モータ
102 サーボモータ
103 ワーク
104 チャック
105−a、105−b 工具
106 工具台
201 NC装置
202 PLC
203 インバータ
204 サーボアンプ
205−a、205−b 電流センサ
301 主軸モータに流れる電流の時刻歴波形
302 サーボモータに流れる電流の時刻歴波形
401 工具105−aの負荷特徴量
402 工具105−bの負荷特徴量
403 負荷特徴量の閾値
5 表示画面
501 加工品名の表示
502 工具交換通知の表示
503 工具負荷特徴量の推移の表示
504 電流計測値の表示
505 工具交換履歴の表示

Claims (6)

  1. 第一の電流センサと第二の電流センサとがそれぞれ情報処理装置に接続されている、工作機械の電流計測システムであって、
    複数種類の工具を変更しながらワークを加工する前記工作機械は、前記ワークを主軸を軸心として回転駆動するための第一のモータと、前記複数種類の工具の変更のための動作を司るための第二のモータとを備え、
    前記情報処理装置は、前記第一の電流センサにより計測された前記第一のモータの電流と、前記第二の電流センサにより前記計測された前記第二のモータの前記電流とのそれぞれの時刻歴波形を経過時間を一致させて重ねる処理を行い解析処理において前記第一の電流センサにより前記計測された前記第一のモータの前記電流を、前記複数種類の工具の前記変更のための動作のときに発生する信号ごとに切り出し、それぞれの切り出し区間の電流値を引数とする非負関数値を前記ワークの加工回数ごとに相対比較することで、前記工具の前記種類ごとに工具異常を検知することを特徴とする工作機械の電流計測システム。
  2. 前記第一の電流センサにより前記計測された前記第一のモータの電流と、前記第二の電流センサにより前記計測された前記第二のモータの前記電流とのそれぞれの前記計測された電流値は、記憶装置に保存され、前記記憶装置に接続された前記情報処理装置の演算装置によって前記重ねる処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の電流計測システム。
  3. 前記第一の電流センサにより前記計測された前記第一のモータの電流と、前記第二の電流センサにより前記計測された前記第二のモータの前記電流とのそれぞれの前記計測された電流値は、電子回路においてアナログ情報として前記重ねる処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の電流計測システム。
  4. 前記情報処理装置は、前記工具異常の情報を報知させるために所定の装置に対して出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の工作機械の電流計測システム。
  5. 前記第一の電流センサおよび前記第二の電流センサのうちの少なくともいずれかと電圧センサとを併用することで、消費電力を計測することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の工作機械の電流計測システム。
  6. ワークを主軸を軸心として回転駆動するための第一のモータと複数種類の工具の変更のための動作を司るための第二のモータとを備え、前記複数種類の前記工具を変更しながら前記ワークを加工する工作機械の電流計測方法であって、
    第一の電流センサと第二の電流センサとがそれぞれ接続されている情報処理装置が、前記第一の電流センサにより計測された前記第一のモータの電流と、前記第二の電流センサにより前記計測された前記第二のモータの前記電流とのそれぞれの時刻歴波形を経過時間を一致させて重ねる処理を行う工程と、
    前記情報処理装置が、解析処理において、前記第一の電流センサにより前記計測された前記第一のモータの前記電流を、前記複数種類の工具の前記変更のための動作のときに発生する信号ごとに切り出し、それぞれの切り出し区間の電流値を引数とする非負関数値を前記ワークの加工回数ごとに相対比較することで、前記工具の前記種類ごとに工具異常を検知する工程と
    を有することを特徴とする工作機械の電流計測方法。
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