JP6922830B2 - 高圧タンクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧タンクの製造方法に関する。
高圧タンクの製造方法として、フィラメントワインディング(Filament Winding)法(以下「FW」法とも呼ぶ)が知られている。FW法とは、ライナの外周に、予め熱硬化性樹脂を含浸させた強化繊維を幾重にも巻き付け、熱硬化性樹脂を熱硬化させて高圧タンクを製造する方法である。FW法を用いることで、ライナの表層に高強度の繊維強化樹脂層を形成できる。
FW法を用いて高圧タンクを製造する場合、所望の強度を得るために、ライナに巻き付ける繊維を適切な位置および角度で巻き付ける必要がある。しかし、たとえば繊維がライナ表面を滑るなどして、繊維が適切な位置からずれてしまうことがある。このような場合、繊維の間に空隙が生じ、ライナの表層に所望の強度を得られなくなってしまう。そこで、FW法によって製造された高圧タンクに対して、繊維が正しい構造になっているか否かを検査したいという要請がある。特許文献1には、高圧タンクの表面の最外層からの反射光の光量と、最外層の下の第2層からの反射光の光量との差に基づいて、高圧タンクの表層の繊維構造を検査する方法が開示されている。
特開2010−78545号公報
例えば高圧タンクの最外層の厚さが薄い場合、高圧タンクの側面にはほとんど凹凸が生じない。すなわち、高圧タンクの最外層と第2層との間には、ほとんど凹凸が生じない。このような高圧タンクにおいては、最外層からの反射光の光量と第2層からの反射光の光量はほぼ等しい。したがって、最外層からの反射光の光量と第2層からの反射光の光量との差を測定することが困難である。このような場合、特許文献1に記載の方法では、高圧タンクの繊維構造を正確に評価することができないという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、高圧タンクの繊維構造をより正確に評価することができる、高圧タンクの製造方法を提供するものである。
本発明に係る高圧タンクの製造方法は、フィラメントワインディング法を用いて高圧タンクを製造する高圧タンクの製造方法であって、基材上に第1の角度でカーボン繊維を巻き付けて、前記高圧タンクの第1の層を形成するステップと、前記第1の層上に、前記第1の角度とは異なる第2の角度で前記カーボン繊維を巻き付けて、前記高圧タンクの第2の層を形成するステップと、形成された前記第2の層の少なくとも一部の表面に対する反射光の偏光角度を測定するステップと、前記第1の角度で巻き付けられている前記カーボン繊維によって生じる反射光の偏光角度に基づいて、前記第2の層の形成が異常か否かを判定するステップと、を備えることを特徴としたものである。
このような構成においては、高圧タンクのカーボン繊維の向きを、反射光の偏光角度に基づいて判定する。したがって、反射光の光量にほとんど差が無い場合であっても、高圧タンクの繊維構造を評価することができる。
本発明により、高圧タンクの繊維構造をより正確に評価することができる、高圧タンクの製造方法を提供することができる。
高圧タンクの製造方法を表す模式図である。 ライナの構造を示す模式図である。 高圧タンクの製造方法の全体フローチャートである。 図3のステップS50の詳細フローチャートである。 第1の層の偏光画像の例である。 図5の偏光画像に基づいて求められた、カーボン繊維の角度の分布を表すグラフである。 正常な第2の層の偏光画像の例である。 図7の偏光画像に基づいて求められた、カーボン繊維の角度の分布を表すグラフである。 図8の部分拡大図である。 異常な第2の層の偏光画像の例である。 図10の偏光画像に基づいて求められた、カーボン繊維の角度の分布を表すグラフである。 図11の部分拡大図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
なお、当然のことながら、図1およびその他の図面に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正向きが鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る高圧タンク1の製造方法について説明する。高圧タンク1は、高圧水素ガスなどの高圧流体を貯蔵するためのタンクである。図1は、高圧タンク1の製造方法を表す模式図である。高圧タンク1は、FW法を用いて製造される。図1において、回転軸CXは高圧タンク1の回転軸を示し、x軸と平行である。
図1に示すように、本実施形態の高圧タンク1の製造方法においては、基材10と、カーボン繊維100と、カーボン繊維100を繰り出すボビン13と、偏光カメラ2と、制御装置3と、照明4と、が用いられる。
高圧タンク1は、基材10と、第1カーボン繊維バンド11と、第2カーボン繊維バンド12と、を備える。
基材10は、高圧タンク1の形状を有する部材であり、外表面にカーボン繊維100が巻き付けられる。基材10は、例えば、図2に示すようなライナ14である。あるいは、基材10は、製造途中の状態にある高圧タンク1、すなわちカーボン繊維100がある程度巻かれた状態のライナ14である。図2は、本実施形態に係るライナ14の構造を示す模式図である。
ライナ14は、高圧タンク1の内殻を構成する部材であり、その内部は空洞である。図2に示すように、ライナ14は、円筒部141と、2つのドーム部142と、2つの口金部143と、を備える。円筒部141とドーム部142は、低密度ポリエチレンで形成されている。口金部143は、ステンレスやアルミニウム等の金属材料で形成されている。
円筒部141は円筒状の外観を有する。円筒部141の軸線は、高圧タンク1の回転軸CXに一致する(図1参照)。円筒部141の両端には、それぞれドーム部142が連なる。2つのドーム部142は、それぞれドーム状の外観形状を有する。2つのドーム部142のそれぞれの頂部には口金部143が設けられている。口金部143は、配管や弁を取り付けるために用いられる。
なお、円筒部141、ドーム部142は、低密度ポリエチレンに代えて、高密度ポリエチレンやリニアポリエチレンなどの他の樹脂材料、または金属材料により形成されていてもよい。
高圧タンク1の製造工程において、図1に示すように、基材10はモータ(不図示)によって、回転軸CX周りに、y軸正方向側からz軸正方向側に向かうように回転される。この回転に伴って、基材10の外表面上にはカーボン繊維100が所定の角度で巻き付けられる。図1の例では、所定の角度とは、角度α及び角度βである。
回転軸CXから角度αの向きに巻き付けられたカーボン繊維100は、帯状の集合となって、第1カーボン繊維バンド11を形成する。回転軸CXから角度βの向きに巻き付けられたカーボン繊維100は、帯状の集合となって、第2カーボン繊維バンド12を形成する。
カーボン繊維100は、直径が数μm程度のカーボン製の繊維であって、たとえばポリアクリロニトリル系カーボン繊維が用いられる。また、カーボン繊維100には熱硬化性樹脂が含浸されている。熱硬化性樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。
なお、カーボン繊維100には、ポリアクリロニトリル系カーボン繊維に代えて、レーヨン系カーボン繊維やピッチ系カーボン繊維など、他の任意の種類のカーボン繊維を用いてもよい。また、カーボン繊維100には、熱硬化性樹脂に代えて紫外線硬化性樹脂が含浸されていてもよい。
高圧タンク1の製造において、基材10へのカーボン繊維100の巻き方として、ヘリカル巻きとフープ巻きとが用いられる。ヘリカル巻きでは、基材10の全体に、ヘリカル状にカーボン繊維100が巻かれる。フープ巻きでは、基材10のうち円筒部141に対応する領域(図2参照)に、基材10の回転方向と略平行にカーボン繊維100が巻かれる。ヘリカル巻きおよびフープ巻きにより、基材10上に複数のカーボン繊維100の層が形成される。
図1では、カーボン繊維100の巻き方の例として、基材10にヘリカル状の第1カーボン繊維バンド11と第2カーボン繊維バンド12が巻かれる様子を示している。第1カーボン繊維バンド11と第2カーボン繊維バンド12は、それぞれ複数本ずつあって、交互に重なるように巻かれている。このようにして、第1カーボン繊維バンド11と第2カーボン繊維バンド12は、高圧タンク1における1つの層を形成する。
本実施形態における高圧タンク1の製造方法においては、基材10上にカーボン繊維100を所定の角度で巻き付けてカーボン繊維100の層を1層形成したのち、さらに別の角度でカーボン繊維100を巻き付けて、新たなカーボン繊維100の層を形成する。換言すると、基材10上に第1の角度でカーボン繊維100を巻き付けて、高圧タンク1の第1の層を形成したのち、第1の層上に、第1の角度とは異なる第2の角度でカーボン繊維100を巻き付けて、高圧タンク1の第2の層を形成する。このように、異なる角度で巻き付けられたカーボン繊維100の層を繰り返し重ねることで、高圧タンク1の強度をより高めることができる。
最終的には、カーボン繊維100が多数、たとえば2万本束ねられ、基材10の外表面を覆う。束ねられた多数のカーボン繊維100は加熱処理で硬化され、補強層として形成される。なお、高圧タンク1の強度の観点から、カーボン繊維100は、少なくとも基材10のうち円筒部141に対応する領域(図2参照)の外表面を完全に覆うことが好ましい。
偏光カメラ2は、カーボン繊維100が巻き付けられた高圧タンク1の偏光画像を撮像するカメラである。偏光カメラ2は、集光レンズ群と、偏光フィルタと、撮像素子とを備える。集光レンズ群は、入射した光を撮像素子に集める。偏光フィルタは4種類あり、それぞれ0°、45°、90°、135°の偏光角度を有する光を通す。偏光フィルタは、各撮像素子の前に整列されており、各撮像素子には、所定の偏光角度を有する光のみが入射される。撮像素子には、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが用いられる。このような構成によって、偏光カメラ2は、画素ごとに入射する偏光角度を測定することができる。画素ごとに取得された偏光角度の情報は、輝度情報に変換され、偏光画像データとなって制御装置3に出力される。
なお、偏光カメラ2は、複数台備えられていてもよい。また、偏光カメラ2は、固定させていても、移動可能に設置されていてもよい。偏光カメラ2が高圧タンク1の長手方向(x軸方向)に移動可能に設置されている場合は、撮像する領域を自由に選択できる。
制御装置3は、高圧タンク1の製造方法における工程を制御する装置である。制御装置3は、例えばコンピュータである。制御装置3のCPU(Central Processing Unit)は、メモリに予め格納されている制御プログラムを実行することにより、制御部31、画像取得部32、角度検出部33、及び判定部34として機能する。制御部31は、画像取得部32、角度検出部33、及び判定部34をそれぞれ制御して、カーボン繊維100の構造を算出する。
照明4は、高圧タンク1の長手方向(x軸方向)に配置されており、高圧タンク1の側面に向けて白色光を照射する。照明4が照射した光は、高圧タンク1の側面で反射し、偏光カメラ2に入射される。このため、照明4は、光の照射方向と偏光カメラ2の撮像方向とが0°〜90°の角度をなすように配置されることが好ましい。
なお、照明4の照射する光は白色光でなくてもよいが、無偏光であることが好ましい。
後述するように、高圧タンク1の外表面で光が反射する際、カーボン繊維100の角度によって、反射光の偏光角度が異なる。例えば、角度αで巻き付けられたカーボン繊維100で形成された第1カーボン繊維バンド11で反射する反射光と、角度βで巻き付けられたカーボン繊維100で形成された第2カーボン繊維バンド12で反射する反射光とでは、それぞれ偏光角度が異なる。このため、図1に示すような高圧タンク1の側面を偏光カメラ2が撮像した場合、第1カーボン繊維バンド11に対応する領域と、第2カーボン繊維バンド12に対応する領域とは、異なる輝度で表示される。
同様に、第1の角度で巻き付けられたカーボン繊維100で形成された第1の層の反射光と、第1の角度とは異なる第2の角度で巻き付けられたカーボン繊維100で形成された第2の層の反射光についても、それぞれの偏光角度が異なる。このため、それぞれの層の偏光画像は、異なる輝度で表示される。したがって、第1の層と第2の層とで反射光の光量にほとんど差が無い場合であっても、これらの偏光画像に基づいて、第1の層と第2の層とを区別することができる。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る高圧タンク1の製造方法について説明する。図3は、本実施形態に係る高圧タンク1の製造方法の全体フローチャートである。
図3に示すように、高圧タンク1の製造方法においては、まず、ステップS10において、基材10上に第1の角度でカーボン繊維100を巻き付けて、高圧タンク1の第1の層を形成する。
次に、ステップS20において、照明4が高圧タンク1の外表面に光を照射させるとともに、偏光カメラ2が第1の層の少なくとも一部の表面を撮像する。すなわち、偏光カメラ2は、第1の層の少なくとも一部の表面に対する反射光の偏光角度を測定する。
次に、ステップS30において、第1の層上に、第1の角度とは異なる第2の角度でカーボン繊維100を巻き付けて、高圧タンク1の第2の層を形成する。
次に、ステップS40において、照明4が高圧タンク1の外表面に光を照射させるとともに、偏光カメラ2が第2の層の少なくとも一部の表面を撮像する。すなわち、偏光カメラ2は、第2の層の少なくとも一部の表面に対する反射光の偏光角度を測定する。なお、このとき、偏光カメラ2は、高圧タンク1の外表面のうち、ステップS20で撮像した領域と同じ領域を撮像することが好ましい。
最後に、ステップS50において、制御装置3は、第1の角度で巻き付けられているカーボン繊維100によって生じる反射光の偏光角度に基づいて、第2の層の形成が異常か否かを判定する。その後、フローを終了する。
ここで、ステップS50の詳細について、図4〜図12を用いてさらに説明する。図4は、ステップS50の詳細なフローチャートである。図4に示すように、ステップS50は、ステップS51〜ステップS58を備える。
まず、ステップS51において、画像取得部32は、ステップS20(図3参照)で撮像された第1の層の偏光画像を取得する。図5は、第1の層の偏光画像21の例である。
図5に示される偏光画像21には、相対的に輝度の高い領域21_1と、相対的に輝度の低い領域21_2と、が含まれている。前述した通り、偏光画像21の輝度は、カーボン繊維100の反射光の偏光角度の大きさに対応する。また、カーボン繊維100の反射光の偏光角度は、そのカーボン繊維100の角度によって定まる。したがってこの場合、領域21_1と領域21_2は、それぞれ異なる角度で巻き付けられたカーボン繊維100の繊維バンドに対応することが分かる。
次に、ステップS52に進むと、角度検出部33は、ステップS51で取得した偏光画像21に基づいて、第1の層におけるカーボン繊維100の角度の分布を測定する。
具体的には、角度検出部33は、偏光画像21において輝度ごとに画素を分類し、それぞれの画素の数を計測する。上述した通り、偏光画像の輝度はカーボン繊維100の角度によって定まるため、このような計測により、各角度のカーボン繊維100に対応する画素がいくつあるかというヒストグラムを作成することができる。なお、このとき、角度検出部33は、偏光画像21において、隣接する画素と大きく輝度が離れている画素に対しては、当該画素をノイズであると判断して計測対象から除外してもよい。
図6は、図5の偏光画像21に基づいて求められた、カーボン繊維100の角度の分布を表すグラフである。図6の横軸は、カーボン繊維100の角度を表す。図6の縦軸は、各角度のカーボン繊維100における度数、すなわち各角度のカーボン繊維100によって生じる反射光の偏光角度を示す画素の数を表す。
次に、ステップS53に進むと、角度検出部33は、ステップS52で求めた角度の分布において局所的に高い度数を与える角度を、第1の層を形成するカーボン繊維100のピーク角度として決定する。このとき求められるピーク角度は、図5の偏光画像21における領域21_1、21_2を表す2種類のカーボン繊維100のバンドの角度に対応する。
例えば、角度検出部33は、図6のデータに対して2つのガウス関数の和でカーブフィッティングを行い、それぞれのガウス関数のピーク中心位置を、第1の層を形成するカーボン繊維100のピーク角度として決定する。図6の例では、角度A1及び角度A2が偏光画像21におけるカーボン繊維100のピーク角度である。このようにして求められた角度A1及び角度A2は、それぞれ図5の領域21_1、21_2のカーボン繊維100の角度のいずれかに対応する。第1の層が正しく形成されている場合、角度A1及び角度A2は、それぞれ第1の角度と等しい。
さらに、角度検出部33は、角度A1における度数と、角度A2における度数を比較し、より大きな度数を有する角度をカーボン繊維100の最大ピーク角度として決定する。図6の例では、角度A1における度数が24000程度であり、角度A2における度数が10000程度であるため、角度A1がカーボン繊維100の最大ピーク角度として決定される。なお、図6の例では、角度A1は36°である。
次に、ステップS54に進むと、画像取得部32は、ステップS40(図3参照)で撮像した第2の層の偏光画像を取得する。図7は、正常な第2の層の偏光画像22aの例である。
図7に示される偏光画像22aには、相対的に輝度の高い領域22a_1と、相対的に輝度の低い領域22a_2と、が含まれている。前述した通り、偏光画像22aの輝度は、カーボン繊維100の反射光の偏光角度の大きさに対応する。また、カーボン繊維100の反射光の偏光角度は、そのカーボン繊維100の角度によって定まる。したがってこの場合、領域22a_1と領域22a_2は、それぞれ異なる角度で巻き付けられたカーボン繊維100の繊維バンドに対応することが分かる。
次に、ステップS55に進むと、角度検出部33は、ステップS54で取得した偏光画像22aに基づいて、第2の層におけるカーボン繊維100の角度の分布を測定する。
具体的には、角度検出部33は、偏光画像22aにおいて輝度ごとに画素を分類し、それぞれの画素の数を計測する。上述した通り、偏光画像の輝度はカーボン繊維100の角度によって定まるため、このような計測により、各角度のカーボン繊維100に対応する画素がいくつあるかというヒストグラムを作成することができる。なお、このとき、角度検出部33は、偏光画像22aにおいて、隣接する画素と大きく輝度が離れている画素に対しては、当該画素をノイズであると判断して計測対象から除外してもよい。
図8は、図7の偏光画像22aに基づいて求められた、カーボン繊維100の角度の分布を表すグラフである。図8の横軸は、カーボン繊維100の角度を表す。図8の縦軸は、各角度のカーボン繊維100における度数、すなわち各角度のカーボン繊維100によって生じる反射光の偏光角度を示す画素の数を表す。
なお、角度検出部33は、ステップS53と同様の手順に従って、局所的に高い度数を与える角度を、第2の層を形成するカーボン繊維100のピーク角度として決定してもよい。このとき求められるピーク角度は、図7の偏光画像22aにおける領域22a_1、22a_2を表す2種類のカーボン繊維100のバンドの角度に対応する。
この場合、角度検出部33は、図8のデータに対して2つのガウス関数の和でカーブフィッティングを行い、それぞれのガウス関数のピーク中心位置を、第2の層を形成するカーボン繊維100のピーク角度として決定する。図8の例では、角度a1及び角度a2が偏光画像22aにおけるカーボン繊維100のピーク角度である。このようにして求められた角度a1及び角度a2は、それぞれ図7の領域22a_1、22a_2のカーボン繊維100の角度のいずれかに対応する。第2の層が正しく形成されている場合、角度a1及び角度a2は、それぞれ第2の角度と等しい。
次に、ステップS56に進むと、判定部34は、ステップS55で求めた角度の分布に基づいて、第1の層を形成するカーボン繊維100の最大ピーク角度に対応する度数が基準値以下か否かを判定する。具体的には、図8に示すようなグラフにおいて、角度A1における度数が基準値以下か否かを判定する。
なお、ステップS56における基準値は、ユーザが任意に決めることができる。本実施形態においては、基準値は20とする。
図9は、角度A1付近における図8の部分拡大図である。図9に示すように、角度A1(=36°)における度数B1は5であり、基準値C(=20)以下である。この結果は、第1の層が十分に第2の層で覆われており、外表面から第1の層が観測できないことを示す。この場合は、ステップS57へと進み、判定部34は第2の層を正常であると判定する。
一方、図10は、異常な第2の層の偏光画像22bの例である。偏光画像22bには、相対的に輝度の高い領域22b_1と、相対的に輝度の低い領域22b_2と、が含まれている。角度検出部33は、ステップS55と同様の手順に従って、偏光画像22bに基づくカーボン繊維100の角度の分布を図11のように求めることができる。
なお、角度検出部33は、ステップS53と同様の手順に従って、図10の偏光画像22bにおけるカーボン繊維100のピーク角度を決定してもよい。図11の例では、角度b1及び角度b2が偏光画像22bにおけるカーボン繊維100のピーク角度である。角度b1及び角度b2は、それぞれ図10の領域22b_1、22b_2のカーボン繊維100の角度のいずれかに対応する。
図12は、角度A1付近における図11の部分拡大図である。図12に示すように、角度A1(=36°)における度数B2は53であり、基準値C(=20)を超えている。この結果は、第1の層が十分に第2の層で覆われておらず、第1の層が外表面に露出していることを示す。この場合、ステップS58へと進み、判定部34は、第2の層を異常であると判定する。
以上のように、高圧タンク1のカーボン繊維100の向きを、反射光の偏光角度に基づいて判定することができる。このため、反射光の光量にほとんど差が無い場合であっても、高圧タンク1の繊維構造を評価することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、第1の層を形成するカーボン繊維100の角度、すなわち第1の角度が予め別の方法で測定されている場合は、ステップS51〜S53を省略してもよい。このとき、ステップS56における判定部34は、測定された当該第1の角度における度数が基準値以下か否かを判定することで、第2の層が正常であるか否かを判定する。
また、ステップS53及びステップS55において、角度検出部33がガウス関数でデータフィッティングを行う例を説明したが、ガウス関数以外の関数をフィッティングに用いてもよい。例えば、ガウス関数と偏光カメラ2の分解能を表す関数との畳み込み積分による関数をフィッティングに用いてもよい。また、角度検出部33は、データを移動平均法によって平滑化させてからフィッティング等の処理を行ってもよい。あるいは、角度検出部33は、予め定められた角度の範囲内において、最大の度数を与える角度の値をピーク角度として検出してもよい。
また、ステップS53において、角度検出部33は、カーボン繊維100の角度の分布における各ピークの線幅に基づいて、最大ピーク角度を決定してもよい。この場合、角度検出部33は、図6における角度A1付近のピークの線幅と、角度A2付近のピークの線幅とを比較し、より細い線幅を与えるピークの角度を最大ピーク角度と決定する。図6の例では、角度A1付近のピークの方が角度A2付近のピークに比べて細い線幅を有しているため、最大ピーク角度は角度A1となる。このようにして決定される最大ピーク角度は、偏光カメラ2の分解能がより高い領域で観測されたピーク角度であると言える。
また、判定部34は、ステップS53において求められたピーク角度に基づいて、第1の層に異常があるか否かを判定してもよい。この場合、判定部34は、図6のピーク角度として検出された角度A1及び角度A2が、それぞれ第1の角度と一致するか否かを判定する。角度A1及び角度A2がそれぞれ第1の角度から大きく離れている場合は、第1の層が正しく形成されていないと判定できる。
また、ステップS55においてピーク角度を求めた場合は、当該ピーク角度に基づいて第2の層に異常があるか否かを判定してもよい。この場合、判定部34は、例えば、図11のピーク角度として検出された角度b1及び角度b2が、それぞれ第2の角度と一致するか否かを判定する。角度b1及び角度b2がそれぞれ第2の角度から大きく離れている場合は、その時点で第2の層が正しく形成されていないと判定することができる。
また、ステップS56において、判定部34は、ステップS55で求めた角度の分布に基づいて、第1の層を形成するカーボン繊維100のピーク角度の近傍の角度に対応する度数の平均値が基準値以下か否かを判定してもよい。すなわち、例えば、図8や図11に示すようなグラフにおいて、角度A1の近傍の角度に対応する度数の平均値が基準値C以下か否かを判定してもよい。このような構成においては、判定部34の判定の精度を高めることができる。
もちろん、ステップS56において、判定部34は、図8や図11に示すようなグラフにおいて、角度A2の近傍の角度に対応する度数の平均値が基準値C以下か否かを判定してもよい。
また、ステップS57に進んだ場合、第2の層上に、第2の角度とは異なる第3の角度でカーボン繊維100を巻き付けて、第3の層を形成するようにしてもよい。さらに、第3の層を形成した後、ステップS40、S50と同様の手順によって、第3の層の形成が異常か否かを判定するようにしてもよい。このような操作を繰り返すことで、高圧タンク1を形成する各層に対して異常か否かを繰り返し判定することができる。
また、ステップS58に進んだ場合、制御装置3は、高圧タンク1を逆回転させてステップS30で形成された第2の層を剥がし、再度第2の層を形成し直すようにしてもよい。あるいは、制御装置3は、さらに高圧タンク1にカーボン繊維100を巻き付けて、高圧タンク1を補強するようにしてもよい。このように構成することで、高圧タンク1の強度を保つことができる。
以上で説明した複数の構成例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の構成は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の構成は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
1 高圧タンク
2 偏光カメラ
3 制御装置
4 照明
10 基材
11 第1カーボン繊維バンド
12 第2カーボン繊維バンド
13 ボビン
14 ライナ
21 偏光画像
21_1、21_2 領域
22a、22b 偏光画像
22a_1、22a_2、22b_1、22b_2 領域
31 制御部
32 画像取得部
33 角度検出部
34 判定部
100 カーボン繊維
141 円筒部
142 ドーム部
143 口金部
B1 度数
B2 度数
C 基準値
CX 回転軸

Claims (1)

  1. フィラメントワインディング法を用いて高圧タンクを製造する高圧タンクの製造方法であって、
    基材上に第1の角度でカーボン繊維を巻き付けて、前記高圧タンクの第1の層を形成するステップと、
    前記第1の層上に、前記第1の角度とは異なる第2の角度で前記カーボン繊維を巻き付けて、前記高圧タンクの第2の層を形成するステップと、
    形成された前記第2の層の少なくとも一部の表面に対する反射光の偏光角度を測定するステップと、
    前記第1の角度で巻き付けられている前記カーボン繊維によって生じる反射光の偏光角度に基づいて、前記第2の層の形成が異常か否かを判定するステップと、を備える、
    高圧タンクの製造方法。
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