JP6922469B2 - 複合材料成形品の成形装置、および成形方法 - Google Patents

複合材料成形品の成形装置、および成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、複合材料成形品の成形装置、および成形方法に関する。
近年、自動車の車体軽量化のために強化基材に樹脂を含浸させた複合材料成形品が自動車部品として用いられている。複合材料の成形方法として、量産化に適したRTM(Resin Transfer Molding)成形法が注目されている。
RTM成形法において、樹脂の含浸性を確保し、強化基材における繊維の乱れを抑制するために、型の間隔を、強化基材の見かけ上の厚さよりも小さく、狙いの成形厚さよりも大きい範囲において設定することが提案されている。この技術によれば、強化基材が成形型に接触していることによって、繊維乱れを抑制しつつ樹脂を注入することができる(特許文献1を参照)。
特許第5198336号明細書
しかしながら、複合材料成形品の形状によっては、成形型内に配置した強化基材と成形型の成形面との間のクリアランスを広げることが困難な場合がある。このような場合には、樹脂流動性が悪い流路が生じ、そのような流路においては樹脂の流速が遅くなる。このため、樹脂の含浸に比較的長時間を要する結果、複合材料成形品を迅速に成形することができない。また、樹脂の含浸が予め設定された成形時間内に完了しないときには、ドライスポットや内部ボイドなどの含浸不良が発生するという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、成形型内に注入した樹脂の流動性を改善でき、複合材料成形品を迅速かつ含浸不良を発生させることなく成形し得る複合材料成形品の成形装置、および成形方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る複合材料成形品の成形装置は、強化基材に樹脂を含浸させて成形される複合材料成形品を成形する成形装置である。成形装置は、前記複合材料成形品の外形形状に合致した内面形状のキャビティを形成する相対的に開閉自在な成形型と、前記キャビティ内に前記樹脂を注入する樹脂注入部と、を有する。成形装置はさらに、前記成形型にスライド移動自在に設けられ、注入された前記樹脂が流れる流路の一部の流路断面の大きさを変更自在なスライド型と、前記スライド型を前記流路に向けてスライド移動させる弾発力を付勢する付勢部と、を有する。前記スライド型は、注入された前記樹脂の圧力によって、前記付勢部が付勢する弾発力に抵抗して前記流路断面の大きさを拡大する位置に移動され、前記樹脂の注入が終了すると前記付勢部が付勢する弾発力によって、前記流路に向けてスライド移動される。
上記目的を達成する本発明に係る複合材料成形品の成形方法は、強化基材に樹脂を含浸させて複合材料成形品を成形する成形方法であう。成形方法は、まず、前記複合材料成形品の外形形状に合致した内面形状のキャビティを形成する相対的に開閉自在な成形型に前記強化基材を配置する。次に、前記キャビティ内に前記樹脂を注入するとき、前記成形型にスライド移動自在に設けられたスライド型によって、注入された前記樹脂が流れる流路の一部の流路断面の大きさを拡大してなる。前記スライド型を付勢部によって付勢された弾発力によって前記流路に対して前進移動させて前記流路断面の大きさを拡大する前の初期位置に位置させ、かつ、前記成形型を型締めした状態において前記樹脂を注入し、注入された前記樹脂の圧力によって、前記スライド型を前記弾発力に抵抗して前記流路に対して後退移動させて、前記流路断面の大きさを拡大させ、その後、前記樹脂の注入が終了すると前記付勢部が付勢する前記弾発力によって、前記スライド型を前進移動させて初期位置に戻す
本発明によれば、成形型内に注入した樹脂の流動性を改善でき、複合材料成形品を迅速かつ含浸不良を発生させることなく成形することができる。
複合材料成形品の成形装置を説明するための図である。 成形装置の要部であるスライド型の部分を示す断面図である。 スライド型の設定位置を説明するための概念図である。 図1Bの1D−1D線に沿う断面図である。 スライド型が流路断面の大きさを拡大する位置に保持された状態を示す断面図である。 複合材料成形品の成形手順を示す概略フローチャートである。 成形型に強化基材を配置した状態を模式的に示す図である。 樹脂を注入する前の状態を模式的に示す図である。 成形型への樹脂の注入を模式的に示す図である。 樹脂注入後に、成形型を型締めした状態を模式的に示す図である。 複合材料成形品の脱型を模式的に示す図である。 樹脂を注入する前のスライド型の位置を模式的に示す図である。 樹脂を注入しているときのスライド型の位置を模式的に示す図である。 樹脂の注入が終了し、成形型を型締めする前のスライド型の位置を模式的に示す図である。 成形型を型締めしたときのスライド型の位置を模式的に示す図である。 スライド型の改変例を示す断面図である。 スライド型の設定位置の改変例を示す概念図である。 スライド型の設定位置の他の改変例を示す概念図である。 スライド型の改変例を示す要部断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1Aは、複合材料成形品20の成形装置100を説明するための図、図1Bは、成形装置100の要部であるスライド型160の部分を示す断面図、図1Cは、スライド型160の設定位置を説明するための概念図、図1Dは、図1Bの1D−1D線に沿う断面図、図1Eは、スライド型160が流路断面の大きさを拡大する位置に保持された状態を示す断面図である。図2は、複合材料成形品20の成形手順を示す概略フローチャートである。図3Aは、成形型110に強化基材21を配置した状態を模式的に示す図、図3Bは、樹脂22を注入する前の状態を模式的に示す図、図3Cは、成形型110への樹脂22の注入を模式的に示す図、図3Dは、樹脂22注入後に、成形型110を型締めした状態を模式的に示す図、図3Eは、複合材料成形品20の脱型を模式的に示す図である。図4Aは、樹脂22を注入する前のスライド型160の位置を模式的に示す図、図4Bは、樹脂22を注入しているときのスライド型160の位置を模式的に示す図、図4Cは、樹脂22の注入が終了し、成形型110を型締めする前のスライド型160の位置を模式的に示す図、図4Dは、成形型110を型締めしたときのスライド型160の位置を模式的に示す図である。
(複合材料成形品20)
複合材料成形品20は、複合材料から形成された成形品である。複合材料は、強化基材21と、樹脂22とによって構成されている。強化基材21に樹脂22を含浸させ、樹脂22を硬化させることによって複合材料成形品20を得る(図3C、図3Dを参照)。強化基材21および樹脂22を組み合わせることにより、樹脂単体で構成される成形品に比べて高い強度および剛性を備えている。樹脂22は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂によって構成することができる。強化基材21は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維等の織物シートを積層して構成することができる。
(成形装置100)
図1Aを参照して、複合材料成形品20の成形装置100は、概説すると、複合材料成形品20の外形形状に合致した内面形状のキャビティ140を形成する相対的に開閉自在な成形型110と、キャビティ140内に樹脂22を注入する樹脂注入部150と、を有する。成形装置100はさらに、成形型110にスライド移動自在に設けられ、注入された樹脂22が流れる流路168の一部の流路断面S(図1D,図1Eを参照)の大きさを変更自在なスライド型160を有する。スライド型160は、樹脂注入部150によって樹脂22を注入するときに、流路断面Sの大きさを拡大する位置に保持される。図示する実施形態の成形装置100は、スライド型160を流路168に対して進退駆動する駆動部161と、制御部170とをさらに有する。制御部170は、成形型110、樹脂注入部150および駆動部161の作動を制御する。制御部170は、樹脂注入部150によって樹脂22を注入するときに、駆動部161によって流路断面Sの大きさを拡大する後退位置にスライド型160を保持させている。以下、成形装置100を詳述する。
成形型110は、接近離反可能な一対の上型120および下型130を有する。上型120には、樹脂注入部150150と連通する注入口121を設けている。成形型110は、上型120と下型130との間にキャビティ140を形成する。
なお、本明細書において、「キャビティ140」とは、型締めした状態において、複合材料成形品20と略同様の形状を有する空洞(いわゆる、製品キャビティ)のことを意味する。また、下型130に対して、上型120が配置される側(図1中の上側)を「上側」と称し、上型120に対して、下型130が配置される側(図1中の下側)を「下側」と称する。
上型120は、下型130に対して近接離反自在な可動型である。上型120は、上側に向かって凹んだ形状を有する凹部122を有する。上型120は、例えば、油圧シリンダー等を備える不図示の駆動装置と接続している。凹部122には、キャビティ140を形成する第1の成形面123が形成されている。
下型130は、固定型である。下型130は、凹部122の第1の成形面123と協働して、凹部122との間にキャビティ140を形成する第2の成形面133が形成された凸部132を有する。
樹脂注入部150は、注入口121を介してキャビティ140内に樹脂22を注入する。樹脂注入部150は、公知のポンプ機構により構成することができる。
図3B、図3C、図4A、および図4Bを参照して、流路168は、成形型110が開閉する方向(図中上下方向)に対して直交する方向(図中左右方向)に伸びている第1の流路168aと、第1の流路168aに対して交差する方向に伸びている第2の流路168bとを含んでいる。スライド型160は、第2の流路168bの流路断面Sの大きさを変更自在である。
図4Aを参照して、第1の流路168aは、成形型110の開閉方向に対して直交する面に拡がっている。このため、成形型110内に配置した強化基材21と成形型110の第1の成形面123との間のクリアランスCL1を広げることは比較的容易である。しかしながら、第2の流路168bは、成形型110の開閉方向に近い角度で傾斜している。このため、強化基材21と第1の成形面123との間のクリアランスCL2を広げることは比較的困難である。したがって、第2の流路168bは、第1の流路168aに比べて樹脂22流動性が悪く、樹脂22の流速が遅くなる。そのため、スライド型160は、第2の流路168bの流路断面Sの大きさを変更自在であるように配置してある。
図1A、図1Bを参照して、スライド型160は、成形型110の開閉方向に沿ってスライド移動自在に設けられている。上型120には、スライド型160が移動自在に収納されるガイド穴124が形成されている。スライド型160の基端(図中上端)に駆動部161が接続されている。駆動部161は、例えば油圧シリンダー等から構成される。
図1Bを参照して、スライド型160の基部162は、鋼材などから構成されている。基部162の先端側(図中下側)に先端部163が設けられている。スライド型160の先端部163は、フッ素系樹脂など摺動性が良好であり、難接着性の材質から形成されている。このような材質から形成することによって、硬化用の樹脂22がスライド型160に貼りつくことを抑制できる。また、先端部163を構成する樹脂が熱膨張することによって、上型120のガイド穴124の内面に密着する。これによって、シール性が向上し、硬化用の樹脂22が摺動部位に流入することを抑制できる。先端部には、Oリング164などのシール部材を取り付けている。これによって、シール性を一層向上させることができ、樹脂22の流入や真空リークを防止できる。スライド型160の先端部163の先端面(図中、下端面)は、上型120の第1の成形面123と面一になるように傾斜している。
図1Bおよび図1Dに示されるスライド型160は、第2の流路168bの流路断面Sの大きさを拡大する前の初期位置に位置している。この状態から、スライド型160を駆動部161によって第2の流路168bに対して後退移動させると、図1Eに示すように、流路断面Sの大きさが拡大される。初期位置において、第2の流路168bの流路断面Sの高さはh0である。後退位置において、第2の流路168bの流路断面Sの高さはh1となる(h1>h0)。流路断面Sの大きさが拡大されることから、樹脂22を流しやすい空間が確保され、第2の流路168bにおいて樹脂22が流れるときの抵抗が減少する。
図1Cを参照して、スライド型160を設定する位置は、所望の設定時間内においては樹脂22が含浸しない領域と、樹脂22が十分に含浸している領域とを連通するような流路となる位置に設定するのが好ましい。図示例では、注入口121は、強化基材21の上面の中央位置に向かい合って配置されている。樹脂22の流動性は注入口121から離れるほど悪くなる。破線によって囲まれる領域30は、第2の流路168bにおいて注入口121から最も離れており、樹脂22が含浸しない領域となり易い。このため、スライド型160は、第2の流路168bにおいて注入口121に比較敵近い領域と、上記領域30とをつなぐように、2箇所に配置される。このような位置にスライド型160を設定することによって、スライド型160を後退位置に移動させることによって、流路断面Sの大きさが拡大した部分は、樹脂22が積極的に流れるバイパス路の機能を発揮する。
制御部170は、成形型110、樹脂注入部150、スライド型160の作動をそれぞれ制御する。制御部170は、ROMやRAMから構成される記憶部171と、CPUを主体に構成される演算部172と、各種データや制御指令の送受信を行う入出力部173と、を有する。入出力部173は、成形型110、樹脂注入部150、およびスライド型160に電気的に接続している。
(複合材料成形品20の成形手順)
図2、図3A〜図3E、図4A〜図4Dを参照しつつ、複合材料成形品20の成形について説明する。
図2に示すように、複合材料成形品20の成形手順は、まず、成形型110に強化基材21を配置し(工程S1)、成形型110を型締めする前の状態にする(工程S2)。スライド型160を初期位置から後退移動する(工程S3)。成形型110内に樹脂22を注入する(工程S4)。スライド型160を後退位置から初期位置まで前進移動する(工程S5)。成形型110を型締め状態にし、樹脂22を硬化させる(工程S6)。その後、複合材料成形品20を成形型110から脱型する(工程S7)。なお、各工程において、成形型110、樹脂注入部150、駆動部161の作動は、制御部170によって制御される。
工程S1では、図3Aに示すように、成形型110のキャビティ140に強化基材21を配置し、上型120を下型130に対して接近させる。強化基材21は、予め賦形されている。
工程S2では、図3Bに示すように、上型120を下型130に対してさらに接近させ、成形型110を型締めする前の状態にする。この状態では、上型120の第1の成形面123と、強化基材21との間には、隙間Gが形成される。
なお、本明細書において、「成形型110を型締めした状態」とは、成形型110のキャビティ140の形状が、最終的に作製される複合材料成形品20の形状と略同等になるまで、上型120を下型130に対して相対的に接近させた状態を意味する。
工程S3では、図3Bおよび図4Aに示すように、スライド型160を初期位置から後退移動する。スライド型160が後退位置に移動すると、流路断面Sの大きさが拡大される(図1Eを参照)。スライド型160が第1の成形面123よりも凹むことによって、空間が作り出され、樹脂22が流れやすい第2の流路168bが作られる。作り出された空間によって、樹脂22が流れる領域と、樹脂含浸性の悪い領域30とがつながれる。
工程S4では、図3Cおよび図4Bに示すように、樹脂注入部150から注入口121を介して隙間Gに樹脂22を注入する。注入された樹脂22は隙間Gを介して流動する。このため、樹脂22の流動抵抗を低減して、強化基材21の配向の乱れを抑制することができる。第2の流路168bにおいては、スライド型160が後退位置に移動して流路断面Sの大きさが拡大されている。樹脂22を流しやすい空間が確保され、第2の流路168bにおいて樹脂22が流れるときの抵抗が減少する。したがって、流路断面Sの大きさが拡大した部分がバイパス路の機能を発揮し、樹脂22は領域30(図1C)に向けて積極的に流れる。
工程S5では、図4Cに示すように、スライド型160を後退位置から初期位置まで前進移動する。この状態で、流路断面Sの大きさは元の大きさに復帰される(図1Dを参照)。スライド型160の先端部163の先端面は、上型120の第1の成形面123と面一になる(図1Bを参照)。スライド型160を前進移動するタイミングは、適宜設定することができ、所定量の樹脂22を注入し終わってから移動させたり、所定量の樹脂22を注入し終わる直前に移動させたりすることができる。スライド型160を後退位置から初期位置まで前進移動することによって、スライド型160がポンプの機能を発揮し、流路断面Sが拡大した空間に溜まっていた樹脂22を押し出す。これによって、強化基材21への樹脂22の含浸をアシストすることができる。
工程S6は、成形型110を成形板厚まで閉じて樹脂22を強化基材21に含浸させるコンプレッション工程を経て樹脂22を硬化させる。工程S6では、図3Dおよび図4Dに示すように、上型120を下型130に対してさらに接近させ、成形型110を型締めする。この状態において、上型120の第1の成形面123は、強化基材21の表面に当接する。これによって、隙間Gに溜まっていた樹脂22が押圧されて、強化基材21の全体に含浸する。さらに、樹脂22を硬化させる。樹脂22が熱硬化性樹脂の場合、例えば、ヒーター等の加熱装置を用いて成形型110を加熱することによって、樹脂22を硬化させることができる。
工程S7では、図3Eに示すように、樹脂22を硬化させた後、上型120を上昇させ、複合材料成形品20を下型130から脱型する。
以上説明したように、本実施形態によれば、複合材料成形品20の形状などの影響を受けることなく、成形型110内に注入した樹脂22の流動性を改善でき、複合材料成形品20を迅速かつ含浸不良を発生させることなく成形することができる。
さらに詳しくは、本実施形態の複合材料成形品20の成形装置100は、成形型110にスライド移動自在に設けられ注入された樹脂22が流れる流路168の一部の流路断面Sの大きさを変更自在なスライド型160を有している。スライド型160は、樹脂注入部150によって樹脂22を注入するときに、流路断面Sの大きさを拡大する位置に保持される。また、本実施形態の複合材料成形品20の成形方法は、樹脂22を注入するとき、成形型110にスライド移動自在に設けられたスライド型160によって、注入された樹脂22が流れる流路168の一部の流路断面Sの大きさを拡大する。
このように構成することによって、スライド型160を移動させることによって樹脂22を流す流路168を作り、樹脂22の流動性を向上させることができる。複合材料成形品20の形状によらず、所望の流路168における樹脂流動性を改善できるため、樹脂22の流速の低下を抑えて、樹脂22の含浸に要する時間を短くできる。この結果、複合材料成形品20を迅速に成形することが可能となる。さらに、予め設定された成形時間内に樹脂22の含浸を完了させることができるため、ドライスポットや内部ボイドなどの含浸不良が発生することがない。
流路168は、成形型110が開閉する方向に対して直交する方向に伸びている第1の流路168aと、第1の流路168aに対して交差する方向に伸びている第2の流路168bとを含んでいる。スライド型160は、第2の流路168bの流路断面Sの大きさを変更自在に構成されている。また、本実施形態の成形方法において、スライド型160は、第2の流路168bの流路断面Sの大きさを変更する。
このように構成することによって、第1の流路168aに比べて樹脂流動性が悪い第2の流路168bにおける樹脂流動性を改善でき、複合材料成形品20を迅速かつ含浸不良を発生させることなく成形することができる。
複合材料成形品20の成形装置100は、スライド型160を流路168に対して進退駆動する駆動部161と、駆動部161等の作動を制御する制御部170と、をさらに有する。制御部170は、樹脂注入部150によって樹脂22を注入するときに、駆動部161によって流路断面Sの大きさを拡大する後退位置にスライド型160を保持させる。また、本実施形態の成形方法において、スライド型160を駆動部161によって流路168に対して後退移動させて、流路断面Sの大きさを拡大して樹脂22の注入を開始する。そして、樹脂22を注入しているとき、駆動部161によってスライド型160を後退位置に保持させている。
このように構成することによって、駆動部161の動作を制御することによってスライド型160を所望のタイミングにおいて進退駆動でき、樹脂注入時における樹脂流動性の改善を確実に行うことができる。
制御部170は、樹脂注入部150によって樹脂22を注入するときには、成形型110の動作を制御してキャビティ140内に配置した強化基材21と成形型110の第1の成形面123との間に隙間Gを形成させ、樹脂22の注入が終了したときには、成形型110の動作を制御して型締めさせる。
このように構成することによって、成形型110を成形板厚まで閉じて樹脂22を強化基材21に含浸させるコンプレッション工程を実施できる。
本実施形態の複合材料成形品20の成形方法は、キャビティ140内に配置した強化基材21と成形型110の第1の成形面123との間に隙間を形成した状態、かつ、スライド型160を後退移動させた状態において樹脂22を注入する。駆動部161によってスライド型160を前進移動させて、流路断面Sの大きさを拡大する前の初期位置に戻す。その後、成形型110を型締めして強化基材21に樹脂22を含浸させる。
このように構成することによって、成形型110を成形板厚まで閉じて樹脂22を強化基材21に含浸させるコンプレッション工程を実施できる。さらに、スライド型160を後退位置から初期位置に戻すときに、スライド型160がポンプの機能を発揮し、流路断面Sが拡大した空間に溜まっていた樹脂22を押し出す。これによって、樹脂22の圧力が一時的に上昇し、強化基材21への樹脂22の含浸をアシストすることができる(含浸性の向上)。
(スライド型160の可動方向の改変例について)
図5は、スライド型160の改変例を示す断面図である。
スライド型160は、複合材料成形品20の形状や、成形型110の大きさなどに応じて可動方向を適宜設定することができる。図5に示されるスライド型160は、第2の流路168bが伸びている方向に対して直交する方向に沿ってスライド移動自在に設けられている。この点で、スライド型160を成形型110の開閉方向に沿ってスライド移動自在に設けた実施形態と相違する。スライド型160の構成及び作用は、実施形態と同様である。
(スライド型160の設定位置の改変例について)
図6Aは、スライド型160の設定位置の改変例を示す概念図、図6Bは、スライド型160の設定位置の他の改変例を示す概念図である。
スライド型160を設定する位置は、樹脂22が含浸し難い領域30と、樹脂22が十分に含浸している領域とを連通するような流路となる位置に設定することができる。スライド型160の設定位置や個数は図1Cに示した実施形態の例に限定されるものではない。例えば、図6Aに示すように、スライド型160は、第2の流路168bにおいて注入口121に比較敵近い領域と、端部の領域30とをつなぐように、1箇所に配置してもよい。また、図6Bに示すように、図中左手前から右奥に向かって比較的長く伸びているスライド型160を用いて、端部の領域30と、比較的離れた領域とをつなぐようにしてもよい。
スライド型160を上型120に設定する形態について説明したが、上型120に代えて下型130に設けてもよく、上型120と下型130との両方に設けてもよい。
スライド型160を第2の流路168bに設定する形態について説明したが、第2の流路168bに代えて第1の流路168aに設けてもよく、第2の流路168bと第1の流路168aとの両方に設けてもよい。
(スライド型160の改変例について)
図7は、スライド型160の改変例を示す要部断面図である。
スライド型160を駆動部161によって進退駆動する実施形態について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。図7に示す成形装置100は、駆動部161に代えて、スライド型160を流路168に向けてスライド移動させる弾発力を付勢する付勢部166を有している。スライド型160は、注入された樹脂22の圧力によって、付勢部166が付勢する弾発力に抵抗して流路断面Sの大きさを拡大する位置に移動される。そして、樹脂22の注入が終了すると付勢部166が付勢する弾発力によって、流路168に向けてスライド移動される。
付勢部166は、ガイド穴124の上端開口を閉じるプラグ165とスライド型160との間に配置される弾発部材とを有する。弾発部材は例えば圧縮コイルバネから構成される。スライド型160は、弾発部材によって、流路168に向けてスライド移動させる弾発力が付勢される。ガイド穴124内に向けて突出する係合凸部125が、スライド型160のキー溝167内に係合している。係合凸部125がキー溝167の図中上端に当接することによって、弾発力に抵抗してスライド型160の先端が流路168内に突出することがない。プラグ165は、圧縮コイルバネの圧縮長さを調整することによって、スライド型160に付勢する弾発力の大きさを調整することができる。
コンプレッション工程は、樹脂注入後に型締めするときにスライド型160に圧力が作用する。改変例のスライド型160は、弾発力の調整が必要となることから、コンプレッション工程を含まないRTM成形法に適用するのに適している。
具体的には、改変例のスライド型160を適用した成形装置100における成形方法は、まず、スライド型160を付勢部166によって付勢された弾発力によって流路168に対して前進移動させて流路断面Sの大きさを拡大する前の初期位置に位置させ、かつ、成形型110を型締めした状態において樹脂22を注入する。注入された樹脂22の圧力によって、スライド型160を弾発力に抵抗して流路168に対して後退移動させて、流路断面Sの大きさを拡大させる。その後、樹脂22の注入が終了すると付勢部166が付勢する弾発力によって、スライド型160を前進移動させて初期位置に戻すようにする。
改変例のスライド型160を適用した場合においても、実施形態と同様に、複合材料成形品20の形状などの影響を受けることなく、樹脂注入時における樹脂流動性の改善を行うことができき、複合材料成形品20を迅速かつ含浸不良を発生させることなく成形することができる。
20 複合材料成形品、
21 強化基材、
22 樹脂、
30 樹脂が含浸し難い領域、
100 成形装置、
110 成形型、
120 上型、
121 注入口、
122 凹部、
123 第1の成形面、
124 ガイド穴、
130 下型、
132 凸部、
133 第2の成形面、
134 凹溝、
140 キャビティ、
150 樹脂注入部、
160 スライド型、
161 駆動部、
162 基部、
163 先端部、
164 Oリング
165 プラグ
166 圧縮コイルバネ(付勢部)、
167 キー溝
168 流路、
168a 第1の流路、
168b 第2の流路、
170 制御部
G 隙間、
h0 スライド型の初期位置における流路断面の高さ、
h1 スライド型の後退位置における流路断面の高さ、
S 流路断面。

Claims (6)

  1. 強化基材に樹脂を含浸させて成形される複合材料成形品を成形する成形装置であって、
    前記複合材料成形品の外形形状に合致した内面形状のキャビティを形成する相対的に開閉自在な成形型と、
    前記キャビティ内に前記樹脂を注入する樹脂注入部と、
    前記成形型にスライド移動自在に設けられ、注入された前記樹脂が流れる流路の一部の流路断面の大きさを変更自在なスライド型と、
    前記スライド型を前記流路に向けてスライド移動させる弾発力を付勢する付勢部と、を有し、
    前記スライド型は、注入された前記樹脂の圧力によって、前記付勢部が付勢する弾発力に抵抗して前記流路断面の大きさを拡大する位置に移動され、前記樹脂の注入が終了すると前記付勢部が付勢する弾発力によって、前記流路に向けてスライド移動される、複合材料成形品の成形装置。
  2. 前記流路は、前記成形型が開閉する方向に対して直交する方向に伸びている第1の流路と、前記第1の流路に対して交差する方向に伸びている第2の流路とを含み、
    前記スライド型は、前記第2の流路の前記流路断面の大きさを変更自在である、請求項1に記載の複合材料成形品の成形装置。
  3. 前記付勢部の弾発力に抵抗して前記スライド型の先端が前記流路内に突出することを規制する規制部を有する、請求項1または請求項2に記載の複合材料成形品の成形装置。
  4. 前記規制部が、前記スライド型が移動自在に収納されるガイド穴内に向けて突出する係合凸部と、前記スライド型のキー溝とからなる係合構造である、請求項3に記載の複合材料成形品の成形装置。
  5. 強化基材に樹脂を含浸させて複合材料成形品を成形する成形方法であって、
    前記複合材料成形品の外形形状に合致した内面形状のキャビティを形成する相対的に開閉自在な成形型に前記強化基材を配置し、
    前記キャビティ内に前記樹脂を注入するとき、前記成形型にスライド移動自在に設けられたスライド型によって、注入された前記樹脂が流れる流路の一部の流路断面の大きさを拡大してなり、
    前記スライド型を付勢部によって付勢された弾発力によって前記流路に対して前進移動させて前記流路断面の大きさを拡大する前の初期位置に位置させ、かつ、前記成形型を型締めした状態において前記樹脂を注入し、
    注入された前記樹脂の圧力によって、前記スライド型を前記弾発力に抵抗して前記流路に対して後退移動させて、前記流路断面の大きさを拡大させ、
    その後、前記樹脂の注入が終了すると前記付勢部が付勢する前記弾発力によって、前記スライド型を前進移動させて初期位置に戻す、複合材料成形品の成形方法。
  6. 前記流路は、前記成形型が開閉する方向に対して直交する方向に伸びている第1の流路と、前記第1の流路に対して交差する方向に伸びている第2の流路とを含み、
    前記スライド型は、前記第2の流路の流路断面の大きさを変更する、請求項5に記載の複合材料成形品の成形方法。
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