JP6922296B2 - 印刷装置、印刷方法及びプログラム - Google Patents

印刷装置、印刷方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、印刷装置、印刷方法及びプログラムに関する。
印刷媒体上における自装置の移動に従って印刷媒体に印刷対象の画像を印刷する印刷装置が知られている。
例えば、特許文献1は、印字媒体上を移動しつつ印字ヘッドからインクを吐出することによって印刷対象の画像を印刷する底面印字型ハンディプリンタを開示している。
特開平8−067032号公報
特許文献1に記載された底面印字型ハンディプリンタが1回の横方向への移動に従って印刷できる印刷対象の画像の幅は、印字ヘッドの幅以下に制限される。ここで、横方向は、底面印字型ハンディプリンタの移動方向を指す。横方向に直交する方向を縦方向と呼ぶ。幅は、縦方向の辺の長さである。特許文献1に記載された底面印字型ハンディプリンタを用いて、印字ヘッドの幅よりも大きい幅を有する印刷対象の画像を印刷する場合、横方向への移動を複数回行うことによって印刷する必要がある。具体的に、特許文献1に記載された底面印字型ハンディプリンタを、1回の横方向への移動に従った印刷が完了する度に縦方向へ位置をずらし複数回にわたって横方向へ動かして印刷する必要がある。この際、特許文献1に記載された底面印字型ハンディプリンタでは、各回の移動で印刷された印刷対象の画像の間で、縦方向の空隙や重なり、横方向のズレが発生する虞がある。したがって印刷品質の低下を防止するという観点からすると未だ十分ではなく、印刷品質の低下を抑制することが求められている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、印刷対象の画像のサイズに関わらず印刷品質の低下を抑制する印刷装置、印刷方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置は、印刷媒体に対して相対移動されながら印刷を行う印刷装置であって、印刷対象画像を印刷する際に、所定の第1方向への前記相対移動ごとに当該相対移動で印刷可能な印刷幅の画像を前記印刷対象画像から部分画像として切り出すとともに、この切り出した部分画像を当該相対移動のときの印刷対象として印刷するように制御する第1制御処理と、前記部分画像として前記印刷対象画像から切り出すべき領域を所定の検出手段により検出させるための指標マーカを、前記第1制御処理に先だって印刷するよう制御する第2制御処理と、を実行する制御回路を備え、前記第2制御処理は、前記第1方向に対して直交する第2方向への前記相対移動に伴わせて前記指標マーカを印刷するよう制御し、前記指標マーカは、白抜き領域と非白抜き領域とからなるシンボル画像であり、前記シンボル画像において前記白抜き領域が占める割合が前記第2方向に進むに従って次第に大きくなるまたは次第に小さくなる画像として印刷される、ことを特徴とする。
また、本発明に係る印刷方法は、印刷媒体に対して相対移動されながら印刷を行う印刷装置が実行する印刷方法であって、印刷対象画像を印刷する際に、所定の第1方向への前記相対移動ごとに当該相対移動で印刷可能な印刷幅の画像を前記印刷対象画像から部分画像として切り出すとともに、この切り出した部分画像を当該相対移動のときの印刷対象として印刷するように制御する第1制御ステップと、前記部分画像として前記印刷対象画像から切り出すべき領域を所定の検出手段により検出させるための指標マーカを、前記第1制御ステップに先だって印刷するよう制御する第2制御ステップと、を有し、前記第2制御ステップは、前記第1方向に対して直交する第2方向への前記相対移動に伴わせて前記指標マーカを印刷するよう制御し、前記指標マーカは、白抜き領域と非白抜き領域とからなるシンボル画像であり、前記シンボル画像において前記白抜き領域が占める割合が前記第2方向に進むに従って次第に大きくなるまたは次第に小さくなる画像として印刷される、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、印刷媒体に対して相対移動されながら印刷を行う印刷装置のコンピュータに、印刷対象画像を印刷する際に、所定の第1方向への前記相対移動ごとに当該相対移動で印刷可能な印刷幅の画像を前記印刷対象画像から部分画像として切り出すとともに、この切り出した部分画像を当該相対移動のときの印刷対象として印刷するように制御する第1制御処理と、前記部分画像として前記印刷対象画像から切り出すべき領域を所定の検出手段により検出させるための指標マーカを、前記第1制御処理に先だって印刷するよう制御する第2制御処理と、を実行させ、前記第2制御処理は、前記第1方向に対して直交する第2方向への前記相対移動に伴わせて前記指標マーカを印刷するよう制御し、前記指標マーカは、白抜き領域と非白抜き領域とからなるシンボル画像であり、前記シンボル画像において前記白抜き領域が占める割合が前記第2方向に進むに従って次第に大きくなるまたは次第に小さくなる画像として印刷される、ことを特徴とする。
本発明によれば、印刷対象の画像のサイズに関わらず印刷品質の低下を抑制する印刷装置、印刷方法及びプログラムを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る印刷装置の外観を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置が印刷する印刷対象の画像の例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の底面図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の電気的構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の機能的構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置が実行する印刷処理を説明するためのフローチャートである。 印刷データの構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第1の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第2の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第3の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第4の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第5の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第6の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第7の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第8の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第9の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第10の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第11の図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷装置の印刷動作を説明するための第12の図である。 本発明の第2実施形態に係る印刷装置の電気的構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る印刷装置が印刷する印刷対象の画像の例を示す図である。 本発明の変形例に係る印刷装置の印刷動作を説明するための図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る印刷装置について、図面を参照しながら説明する。図中、互いに同一又は同等の構成には、互いに同一の符号を付す。
図1に示す印刷装置1は、ユーザが把持して印刷媒体2上を移動させることが可能であり、当該移動に従って印刷媒体2に印刷対象の画像を印刷する手動走査型の印刷装置である。手動走査型の印刷装置はハンディプリンタ等と呼ばれることもある。なお、印刷装置1は印刷媒体2に対して相対的に移動すればよく、例えば、印刷装置1を固定して、印刷媒体2を印刷装置1に対して相対的に移動させる形態であってもよい。理解を容易にするため、図1に示すxyz座標軸を設定する。以下、x軸に平行な辺の長さを横幅と呼び、y軸に平行な辺の長さを縦幅と呼ぶ。また、以下、x軸方向を右、y軸方向を上と呼ぶ。
印刷対象の画像は、印刷装置1によって印刷媒体2に印刷される画像である。印刷装置1は、印刷対象の画像として、図2に示す対象画像Ia及びシンボル画像Ibを印刷する。
対象画像Iaは、ユーザが印刷を所望する画像である。対象画像Iaの具体例としては、文字、図形、記号、模様、絵又はこれらの組み合わせが挙げられる。図2は、文字列「ABCDE」が対象画像Iaとして印刷された例を示している。
シンボル画像Ibは、当該シンボル画像Ib自体と印刷装置1との位置関係を印刷装置1に対して案内する画像である。シンボル画像Ibの詳細については後述するが、シンボル画像Ibは、不可視インクを用いて印刷された、普通の環境では人が視認困難な画像であり、例えば紫外線を照射することによって蛍光を発して可視化されるものである。なお、図2では、理解を容易にするため、不可視インクを用いて印刷されているため実際には視認困難なシンボル画像Ibを、実線で図示している。シンボル画像Ibは、白抜き領域Ib1とベタ塗り領域Ib2とで構成されている。白抜き領域Ib1とベタ塗り領域Ib2とは、何れも直角三角形の形状を有している。白抜き領域Ib1は、輪郭線のみが印刷されており、輪郭線の内側にはインクが塗られておらず、空白である。ベタ塗り領域Ib2は、輪郭線が印刷されていると共に、輪郭線の内側がインクで塗りつぶされている。
印刷媒体2は、印刷時に印刷対象の画像が印刷される対象物である。印刷媒体2は、被印刷媒体、記録媒体又は印刷対象物等と呼ばれることもある。印刷媒体2の具体例としては、紙、布、合成樹脂、段ボール、箱又は瓶等が挙げられる。手動走査型の印刷装置である印刷装置1は、印刷媒体2を搬送しつつ印刷する据置型の印刷装置に比べて、より多様な印刷媒体2に印刷できる。すなわち、印刷装置1は、搬送が容易な紙等の印刷媒体2に据置型の印刷装置と同様に印刷できるのみならず、搬送が困難な材質又は形状を有するため据置型の印刷装置では印刷が困難な布、合成樹脂、段ボール、箱又は瓶等の印刷媒体2にも印刷できる。
図1に戻って、印刷装置1は、装置本体100を備えている。装置本体100は、筐体等とも呼ばれ、ユーザによって把持される。装置本体100は、底面と上面とを備えている。底面は、印刷時、印刷媒体2に対向する面である。上面は、底面に対向する面である。
装置本体100の底面には、図3に示すように、検出部101と、印刷部102と、UV(Ultraviolet)照射部103と、スキャナ部104と、が配置されている。
検出部101は、例えばレーザ式光学センサを備え、後述するCPU105へ検出信号をサンプリング周期毎に出力する。検出信号は、印刷装置1の移動量及び移動方向を示す移動量検出信号を含んでいる。サンプリング周期は、レーザ式光学センサの性能に応じて予め設定されている。具体的に、検出部101は、印刷媒体2の表面へレーザ光を照射し、印刷媒体2の表面で反射されたレーザ光をイメージセンサによって撮像する。検出部101は、撮像したレーザ光の干渉縞を解析することによって、移動量検出信号を含む検出信号を出力する。印刷装置1は、移動量検出信号に基づいて検出部101すなわち装置本体100の移動量及び移動方向を取得する。また、印刷装置1は、検出信号がリフトオフ条件を満たすか否かを判定することによって、自装置がリフトオフしたか否かを判定する。リフトオフとは、印刷中に印刷装置1が持ち上げられ、印刷媒体2から予め設定されたリフトオフ距離以上に離れることを指す。リフトオフは、ユーザによって印刷の中止又は終了が指示された状態に相当する。また、印刷装置1は、検出信号が載置条件を満たすか否かを判定することによって、自装置が印刷媒体2上へ載置されたか否かを判定する。印刷媒体2上への載置は、ユーザによって印刷の開始が指示された状態に相当する。リフトオフ条件及び載置条件は、実験等の任意の方法によって予め設定されている。
印刷部102は、微滴化したインクを印刷媒体2へ吐出するインクジェット方式により、対象画像Ia及びシンボル画像Ibを印刷対象の画像として印刷媒体2に印刷する。具体的に、印刷部102は、プリンタヘッド102aを備えている。プリンタヘッド102aは、インクジェットヘッド等と呼ばれることもある。プリンタヘッド102aは、後述する第1インクタンク102b又は第2インクタンク102cに充填されたインクを印刷媒体2へ吐出することによって印刷を実行する。より具体的に、プリンタヘッド102a内には、複数のノズルが配列されており、この複数のノズル内のインクがヒータによって加熱されることで気泡が生じ、この気泡が破裂することによってノズルから印刷媒体2へインクが吐出される。なお、プリンタヘッド102a、第1インクタンク102b及び第2インクタンク102cを合わせてインクカートリッジと呼ぶこともある。
印刷装置1は、印刷媒体2上で右方向へ1回移動することによって、最大で、プリンタヘッド102aの縦幅L1と同一の縦幅を有する印刷対象の画像を印刷できる。本実施形態において、1回の移動とは、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されてから、印刷媒体2上を移動した後、リフトオフされるまでの一連の動作を指す。プリンタヘッド102aの縦幅L1よりも大きい縦幅を有する印刷対象の画像を印刷する場合、印刷装置1を、1回ごとに上下に位置をずらしながら複数回にわたって右方向へ動かして印刷する。以下、印刷装置1が、プリンタヘッド102aの縦幅L1よりも大きい縦幅を有する対象画像Iaを印刷する場合を例に説明する。
印刷部102は、可視インクを用いて対象画像Iaを印刷し、不可視インクを用いてシンボル画像Ibを印刷する。可視インクは、印刷に用いられる一般的なインクであって、印刷に用いられた際に人が容易に視認できるインクである。すなわち、印刷部102は、対象画像Iaを、可視インクを用いて、人が容易に視認できる態様で印刷する。不可視インクは、無色透明なインクであって、印刷に用いられた際に人が視認困難なインクである。すなわち、印刷部102は、シンボル画像Ibを、不可視インクを用いて、人が視認困難な態様で印刷する。シンボル画像Ibは、人が視認困難な態様で印刷されているため、印刷された対象画像Iaの美観を損なうことがない。言い換えると、印刷装置1は、シンボル画像Ibを人が視認困難な態様で印刷することにより、印刷された対象画像Iaの美観が損なわれることがないようにしている。本実施形態においては、不可視インクとして紫外線が照射されたときに蛍光を発するものを用いる。このため、不可視インクで印刷されたシンボル画像Ibは、紫外線を照射することによって人が視認可能となる。
UV照射部103は、紫外線を発するUV発光素子103a〜103gを備え、照射範囲にわたって紫外線を印刷媒体2へ照射する。照射範囲は、UV発光素子103a〜103gの性能及び配置に応じて予め設定されている。
スキャナ部104は、ラインセンサを備え、印刷装置1が印刷媒体2上で右方向へ移動しているときに、検出部101により検出された移動量に応じてスキャン範囲にわたって順次スキャンを実行して、紫外線を照射された不可視インクが発する蛍光を検出する。これにより、不可視インクを用いて印刷されたシンボル画像Ibが検出される。すなわち、不可視インクを用いて印刷されたシンボル画像IbにUV照射部103が紫外線を照射し、この紫外線を吸収して不可視インクが発した蛍光をスキャナ部104が検出することによってシンボル画像Ibが検出される。上述したスキャン範囲は、ラインセンサの性能及び配置に応じて予め設定されている。以下、スキャン範囲が、当該スキャン範囲の中心のx座標及びy座標と、装置本体100の中心のx座標及びy座標と、が一致するように設定されている例を用いて説明する。後述するように、印刷装置1は、横幅がプリンタヘッド102aの縦幅L1と同じかそれ以下のシンボル画像Ibを印刷する。UV照射部103は少なくともスキャナ部104が検出を行うスキャン範囲に紫外線を照射するように設定されている。なお、スキャナ部104は、二次元の領域をスキャンするエリアセンサを備えていてもよい。この場合、スキャナ部104が検出を行うスキャン範囲の横幅がシンボル画像Ibの横幅以上に設定されていて、UV照射部103の照射範囲の横幅がシンボル画像Ibの横幅以上に設定されていると、シンボル画像Ibの左端と右端の両端を一度に検出可能となる。
印刷装置1は、上述した構成に加えて、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)105と、ROM(Read Only Memory)106と、RAM(Random Access Memory)107と、第1インクタンク102bと、第2インクタンク102cと、プリンタヘッド制御回路102dと、出力部108と、入力部109と、を備えている。
CPU105は、ROM106に記憶されたプログラム及びデータに従って、各種処理を実行する。CPU105は、コマンド及びデータの伝送経路であるシステムバス110を介して印刷装置1の各部に接続されており、印刷装置1全体を統括制御する。
ROM106は、CPU105が各種処理を実行するために用いるプログラム及びデータを記憶する。具体的に、ROM106は、CPU105が実行する制御プログラムを記憶している。また、ROM106は、印刷装置1がPC(Personal Computer)やスマートフォン等の外部装置から入力部109を介して取得した雛形対象画像データ、雛形シンボル画像データ及び底面配置データを予め記憶している。雛形対象画像データは、対象画像Iaの雛形である雛形対象画像を表すデータである。CPU105は、雛形対象画像データが表す雛形対象画像の縦幅及び横幅を調整することによって、対象画像Iaを表す対象画像データを生成する。後述するように、対象画像Iaの縦幅及び横幅は、ユーザによって指定される。CPU105は、雛形対象画像の縦幅及び横幅をユーザによる指定に従って調整することにより、雛形対象画像と同一デザインでユーザが所望する縦幅及び横幅の対象画像Iaを表す対象画像データを生成する。以下、複数種類の雛形対象画像データをROM106が記憶している場合を例に説明する。雛形シンボル画像データは、シンボル画像Ibの雛形である雛形シンボル画像を表すデータである。CPU105は、雛形シンボル画像データが表す雛形シンボル画像の縦幅及び横幅を調整することによって、シンボル画像Ibを表すシンボル画像データを生成する。後述するように、シンボル画像Ibの縦幅は、ユーザが指定した対象画像Iaの縦幅に従って設定される。CPU105は、雛形シンボル画像の縦幅をユーザが指定した対象画像Iaの縦幅に従って調整することにより、この対象画像Iaの印刷に好適な縦幅のシンボル画像Ibを表すシンボル画像データを生成する。底面配置データは、装置本体100の中心とプリンタヘッド102aとの位置関係を表すデータである。
RAM107は、CPU105が各種処理を実行することによって生成又は取得した各種データを記憶する。具体的に、RAM107には、記憶領域であるバッファが設定されており、CPU105が生成した対象画像データ、シンボル画像データ及び印刷データがこのバッファに記憶される。印刷データの詳細については、後述する。RAM107は、記憶手段に相当する。また、RAM107には、検出部101が検出した印刷装置1の移動量及び移動方向を表すデータと、スキャナ部104による検出結果を表すデータと、が記憶される。また、RAM107は、CPU105のワークエリアとして機能する。すなわち、CPU105は、プログラム及びデータをRAM107へ読み出し、読み出されたプログラム及びデータを適宜参照することによって、各種処理を実行する。また、RAM107は、移動量検出信号によって示される印刷装置1の移動量及び移動方向を表すデータを記憶する。
第1インクタンク102b、第2インクタンク102c及びプリンタヘッド制御回路102dは、印刷部102に配置されている。
第1インクタンク102bには、可視インクが充填されている。第2インクタンク102cには、不可視インクが充填されている。
プリンタヘッド制御回路102dは、CPU105による制御に従って、プリンタヘッド102aによるインクの吐出を制御する。具体的に、プリンタヘッド制御回路102dは、CPU105による制御に従い、後述する印刷データをプリンタヘッド102aへ送信する。プリンタヘッド制御回路102dは、内部に設けられたドライバIC(Integrated Circuit)によりプリンタヘッド102aが備える通電ドットを制御し、インクノズルからインクを吐出させ、印刷を実行する。
出力部108は、CPU105による制御に従って、各種情報を出力する。具体的に、出力部108は、液晶パネル等の表示装置を備え、この表示装置に各種画像を表示する。また、出力部108は、スピーカ等の音声出力装置を備え、この音声出力装置から各種音声を出力する。また、出力部108は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を備え、この発光素子を発光させることによってユーザに対する報知を行う。具体的に、出力部108は、発光素子を第1態様で発光させることによってシンボル画像Ibを印刷するための操作をユーザに促し、発光素子を第1態様とは異なる第2態様で発光させることによって対象画像Iaを印刷するための操作をユーザに促す。第1態様は、予め設定された時間間隔で発光素子が点滅する態様である。第2態様は、発光素子が点滅することなく発光する態様である。
入力部109は、入力キー、操作ボタン、スイッチ、タッチパッド又はタッチパネル等の入力装置を備え、ユーザから入力された各種の操作指示を受け付け、受け付けた操作指示をCPU105へ供給する。また、入力部109は、PCやスマートフォン等の外部装置との間でデータを送受信するためのインタフェースを備え、外部装置との間でデータを送受信する。
上述の物理的構成を備える印刷装置1は、CPU105の機能として、図5に示すように、生成部10と、取得部11と、指定部12と、印刷制御部13と、削除部14と、を備えている。CPU105は、ROM106に記憶された制御プログラムを実行して印刷装置1を制御することにより、これらの各部として機能する。
生成部10は、対象画像Iaを表す対象画像データと、シンボル画像Ibを表すシンボル画像データと、を生成する。また、生成部10は、対象画像データを含み、シンボル画像Ibに対する対象画像Iaの位置関係を表す、後述する印刷データと、を生成する。生成部10は、生成した印刷データをRAM107に設定されたバッファに記憶させる。取得部11は、印刷媒体2に印刷されたシンボル画像Ibを検出することによってシンボル画像Ibに対する印刷装置1の位置関係を表す位置関係情報を取得する。指定部12は、位置関係情報と、印刷データと、に基づいて、後述する部分データを指定する。印刷制御部13は、印刷部102を制御して、部分データに対応する画像を印刷させることによって対象画像Iaの少なくとも一部を印刷媒体2に印刷させる。具体的に、印刷制御部13は、位置関係情報に従って印刷部102に対象画像Iaの印刷を開始させる。印刷制御部13は、印刷部102に、バッファに記憶された印刷データが含む対象画像データに従って対象画像Iaを印刷させる。削除部14は、対象画像データのうち印刷部102が印刷に用いたデータをバッファから順次削除する。
以下、上述の物理的・機能的構成を備える印刷装置1が実行する印刷処理について、図6〜図15を参照して説明する。
印刷装置1は、予め、雛形シンボル画像データと、底面配置データと、複数種類の雛形対象画像データと、を外部装置から入力部109を介して取得し、ROM106に記憶している。この状態において、ユーザが、入力部109を操作することによって、複数種類の雛形対象画像データのうち印刷を所望する対象画像Iaに対応する雛形対象画像データを選択すると、CPU105は、図6のフローチャートに示す印刷処理を開始する。
印刷処理が開始されると、まず、生成部10が、ユーザによる対象画像Iaの縦幅及び横幅の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。指定を受け付けていないと判定すると(ステップS101;No)、処理はステップS101へ戻り、ユーザによる指定を待機する。一方、指定を受け付けたと判定すると(ステップS101;Yes)、処理はステップS102へ移る。この例では、ステップS101の処理において、ユーザが入力部109を操作することによって対象画像Iaの縦幅及び横幅を指定したと判定したものとする(ステップS101;Yes)。以下、ユーザが、対象画像Iaの縦幅として、プリンタヘッド102aの縦幅L1の3倍の縦幅を指定し、印刷装置1が、右方向へ3回移動することによってこの対象画像Iaを印刷する場合を例に用いて説明する。なお、この例では、印刷装置1を右方向へ3回移動させて対象画像Iaを印刷する例を用いて説明するが、これは一例に過ぎない。印刷装置1を右方向へ4回以上移動させて印刷を行うこともでき、この場合も、印刷装置1は、以下説明する処理と同様の処理を実行することによって対象画像Iaを印刷する。
生成部10は、ユーザが選択した雛形対象画像データと、ユーザが指定した対象画像Iaの縦幅及び横幅と、に従って対象画像Iaを表す対象画像データを生成する(ステップS102)。具体的に、ステップS102の処理において、生成部10は、雛形対象画像データが表す雛形対象画像の縦幅及び横幅をそれぞれユーザが指定した縦幅及び横幅へ調整することによって、対象画像データを生成する。生成部10は、生成した対象画像データをバッファに記憶させる。
次に、生成部10は、ROM106に記憶された雛形シンボル画像データを用いて、シンボル画像Ibを表すシンボル画像データを生成する(ステップS103)。生成部10は、シンボル画像Ibが取得部11によって検出される確率を向上させるべく、十分な大きさを有するシンボル画像Ibを表すシンボル画像データを生成する。具体的に、生成部10は、ステップS103の処理において、雛形シンボル画像データが表す雛形シンボル画像の縦幅を、ステップS102で生成した対象画像Iaの縦幅よりも大きい値とするように調整し、当該雛形シンボル画像の横幅を、プリンタヘッド102aの縦幅L1と同一又はそれ以下の横幅へ調整することによって、シンボル画像データを生成する。乗数は、例えば、乗数の値と印刷装置1がシンボル画像Ibを検出する確率との相関関係を実験等の任意の方法によって求めた結果に基づいて、印刷装置1がシンボル画像Ibを比較的高い確率で検出できると推定される値に設定すればよい。生成部10は、シンボル画像データをバッファに記憶させる。
生成部10は、ステップS102で生成した対象画像データと、ステップS103で生成したシンボル画像データと、を用いて、印刷データを生成する(ステップS104)。具体的に、生成部10は、ステップS104の処理において、対象画像データが表す対象画像Iaとシンボル画像データが表すシンボル画像Ibとを互いに対応付けて配置することによって、図7に示す印刷データDDを生成する。すなわち、印刷データDDは、対象画像データと、シンボル画像データと、を含んでいる。理解を容易にするため、図1に示したxyz座標軸の原点を、シンボル画像Ibの中心CCbに設定する。これにより、印刷データDDに含まれる対象画像Ia及びシンボル画像Ibの各部(例えば、シンボル画像Ibの頂点)の座標が設定される。言い換えると、印刷データDDを参照することによって、対象画像Ia及びシンボル画像Ibの各部の座標を取得できる。図6のステップS104の処理において、生成部10は、対象画像Ia及びシンボル画像Ibを、図7に示すように、対象画像Iaの中心CCaのy座標とシンボル画像Ibの中心CCbのy座標とが一致し、かつ、対象画像Iaの左端E1がシンボル画像Ibの左端E2から距離D1だけ離間するように配置することによって、印刷データDDを生成する。距離D1は、ユーザが予め設定した任意の距離である。生成部10は、生成した印刷データDDをバッファに記憶させる。
図6に戻って、ステップS104で印刷データDDを生成した後、CPU105は、出力部108が備える発光素子を上述した第1態様で発光させることによって、シンボル画像Ibを印刷するための操作をユーザに促す(ステップS105)。CPU105は、検出部101から出力された検出信号が上述した載置条件を満たすか否かを判定することによって、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されたか否かを判定する(ステップS106)。載置されていないと判定すると(ステップS106;No)、処理はステップS106へ戻り、載置を待機する。
一方、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されたと判定すると(ステップS106;Yes)、処理はステップS107へ移る。この例では、ステップS106の処理において、図8に示すように、プリンタヘッド102aがx軸に平行となるように、対象画像Iaを印刷することを所望する印刷媒体2上の領域の左側に印刷装置1が載置されたと判定したものとする(ステップS106;Yes)。対象画像Iaを印刷することを所望する領域の左側に印刷装置1を載置することによって、印刷装置1を右方向へ移動させて対象画像Iaを印刷した際に取得部11がシンボル画像Ibを検出可能な位置にシンボル画像Ibを印刷させるのである。なお、装置本体100の底面に配置されたプリンタヘッド102aは、印刷装置1が印刷媒体2上に載置されている状態では実際には視認できない。図8及び後述する図9A〜図9Eでは、理解を容易にするため、本来は視認できないプリンタヘッド102aを点線で図示している。
図6に戻り、印刷制御部13は、検出部101から供給された移動量検出信号を用いて、印刷装置1の移動を検出したか否かを判定する(ステップS107)。移動を検出していないと判定すると(ステップS107;No)、処理はステップS107へ戻り、移動の検出を待機する。
一方、印刷装置1の移動を検出したと判定すると(ステップS107;Yes)、処理はステップS108へ移る。この例では、ステップS107の処理において、図8に示すように、プリンタヘッド102aがx軸に平行となるように印刷媒体2上へ載置された印刷装置1が上から下へ移動されたことを検出したものとする(ステップS107;Yes)。プリンタヘッド102aがx軸に平行となるように印刷媒体2上へ載置された印刷装置1を上から下へ移動させて印刷を行うことによって、プリンタヘッド102aの縦幅L1よりも大きい縦幅を有するシンボル画像Ibを1回の移動で印刷できる。図6〜図15の例では、プリンタヘッド102aの縦幅L1の3倍よりも大きい縦幅を有するシンボル画像Ibを印刷する。
図6に戻り、印刷制御部13は、印刷部102に、印刷データDDが含むシンボル画像データと、検出部101が検出した印刷装置1の移動量と、に従い、不可視インクを用いてシンボル画像Ibを印刷させる(ステップS108)。具体的に、印刷制御部13は、印刷データDDが含むシンボル画像データを、検出部101が検出した印刷装置1の移動量に応じてプリンタヘッド制御回路102dへ供給する。プリンタヘッド制御回路102dは、供給されたシンボル画像データに従って通電ドットを制御することにより、プリンタヘッド102aが備えるインクノズルから不可視インクを吐出させ、シンボル画像Ibを印刷する。
印刷制御部13は、印刷データDDが含むシンボル画像データ全てをプリンタヘッド制御回路102dへ供給したか否かを判定することによって、シンボル画像Ibの印刷が終了したか否かを判定する(ステップS109)。印刷が終了していないと判定すると(ステップS109;No)、処理はステップS107へ戻る。印刷制御部13は、ステップS109でYesと判定されるまでステップS107〜S109の処理を繰り返すことによって、図8に示すシンボル画像Ibを印刷する。
図6に戻って、シンボル画像Ibの印刷が終了したと印刷制御部13が判定すると(ステップS109;Yes)、CPU105は、出力部108が備える発光素子を上述した第2態様で発光させることによって、対象画像Iaを印刷するための操作をユーザに促す(ステップS110)。なお、ステップS110の処理により、ステップS105の処理で開始された、第1態様による発光素子の発光が終了する。CPU105は、UV照射部103に、紫外線の照射を開始させる(ステップS111)。CPU105は、検出部101から出力された検出信号が上述した載置条件を満たすか否かを判定することによって、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されたか否かを判定する(ステップS112)。載置されていないと判定すると(ステップS112;No)、処理はステップS112へ戻り、載置を待機する。
一方、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されたと判定すると(ステップS112;Yes)、処理はステップS113へ移る。この例では、ステップS112の処理において、図9Aに示すように、印刷装置1が、プリンタヘッド102aがy軸に平行となるように、シンボル画像Ibの左側に載置されたと判定したものとする(ステップS112;Yes)。不可視インクを用いて印刷されたシンボル画像Ibは、ユーザにとって視認困難であるものの、UV照射部103による紫外線の照射を受けて蛍光を発することによりユーザが視認できるようになる。ユーザは、装置本体100を把持し、UV照射部103の向きを調整してシンボル画像Ibへ紫外線を照射して目視しつつ、蛍光を発するシンボル画像Ibの左側へ印刷装置1を載置する。
図6に戻り、取得部11は、スキャナ部104に、図9Aに示すスキャン範囲CAにわたってスキャンを実行させる(ステップS113)。なお、図9A及び後述する図9B〜図9Eでは、理解を容易にするため、本来は視認できないスキャン範囲CAを点線で図示している。上述したとおり、スキャン範囲CAが、当該スキャン範囲CAの中心ccのx座標及びy座標と、装置本体100の中心CCのx座標及びy座標と、が一致するように設定されている。取得部11は、ステップS113の処理によってシンボル画像Ibを検出したか否かを判定する(ステップS114)。具体的に、取得部11は、ステップS113の処理でスキャンを行ったスキャン範囲CAの少なくとも一部にシンボル画像Ibの少なくとも一部が含まれていれば、シンボル画像Ibを検出したと判定する。シンボル画像Ibを検出しなかったと判定すると(ステップS114;No)、処理はステップS113へ戻り、シンボル画像Ibの検出を待機する。
一方、シンボル画像Ibを検出したと判定すると(ステップS114;Yes)、処理はステップS115へ移る。この例では、ステップS114の処理において、図9Bに示すように、ユーザが印刷装置1を図9Aに示した載置位置から右方向へx軸に対して平行に移動させ、シンボル画像Ibの左端E2及びその近傍の白抜き領域Ib1が検出されたと判定したものとする(ステップS114;Yes)。
図6に戻り、取得部11は、ステップS113の処理のスキャン結果を、RAM107に記憶させる(ステップS115)。次に、取得部11は、検出部101から供給された移動量検出信号を用いて、印刷装置1の移動を検出したか否かを判定する(ステップS116)。移動を検出していないと判定すると(ステップS116;No)、処理はステップS116へ戻り、移動の検出を待機する。
一方、印刷装置1の移動を検出したと判定すると(ステップS116;Yes)、処理はステップS117へ移る。この例では、ステップS116の処理において、図9Cに示すように、印刷装置1が右方向へx軸に対して平行に移動したと判定したものとする(ステップS116;Yes)。
図6に戻り、取得部11は、検出部101から供給された移動量検出信号に従って印刷装置1の移動量を取得する(ステップS117)。取得部11は、ステップS117の処理で取得した移動量を表すデータを、RAM107に記憶させる。取得部11は、スキャナ部104に、スキャン範囲CAにわたってスキャンを実行させる(ステップS118)。取得部11は、ステップS118の処理によってシンボル画像Ibを検出したか否かを判定する(ステップS119)。具体的に、取得部11は、ステップS118の処理でスキャンを行ったスキャン範囲CAの少なくとも一部にシンボル画像Ibの少なくとも一部が含まれていれば、シンボル画像Ibを検出したと判定する。シンボル画像Ibを検出したと判定すると(ステップS119;Yes)、処理はステップS115へ戻る。一方、シンボル画像Ibを検出しなかったと判定すると(ステップS119;No)、処理はステップS120へ移る。
この例では、ステップS119の処理において、図9Cに示すように、スキャン範囲CAの少なくとも一部にシンボル画像Ibが含まれていると判定したものとする(ステップS119;Yes)。
取得部11は、ステップS118の処理のスキャン結果をRAM107に記憶させ(ステップS115)、処理はステップS116へ移る。この際、取得部11は、図9Cに示すように、スキャン結果を、前回RAM107に記憶させたスキャン結果から、ステップS117の処理で取得した移動量だけずらして格納する。取得部11は、ステップS115〜ステップS119の処理を繰り返すことにより、印刷装置1の右方向への移動に従って、シンボル画像Ibを、スキャン範囲CA分ずつ検出していく。取得部11は、スキャン結果を、印刷装置1の移動量に従って互いにずらして記憶することにより、シンボル画像Ibのうちスキャナ部104によってスキャンされた画像を表すデータをRAM107に順次生成していく。
図6に戻り、取得部11は、ステップS118の処理によってシンボル画像Ibを検出したか否かを判定する(ステップS119)。シンボル画像Ibを検出したと判定すると(ステップS119;Yes)、処理はステップS115へ戻る。一方、シンボル画像Ibを検出しなかったと判定すると(ステップS119;No)、処理はステップS120へ移る。
この例では、ステップS119の処理において、図9Dに示すように、スキャン範囲CAにシンボル画像Ibが含まれてないと判定したものとする(ステップS119;No)。
図6に戻り、取得部11は、スキャン結果が検出条件を満たすか否かを判定することにより、シンボル画像Ibに対する印刷装置1の位置関係を表す位置関係情報を取得するために必要な検出結果が得られたか否かを判定する(ステップS120)。検出条件は、図9Dに示すシンボル画像Ibの左端E2とシンボル画像Ibの右端E3とが検出されることである。
検出条件が満たされたと判定すると(ステップS120;Yes)、処理はステップS121へ移り、以後、対象画像Iaを印刷するための処理であるステップS121〜S131が実行される。一方、検出条件が満たされていないと判定すると(ステップS120;No)、処理はステップS112へ戻る。すなわち、検出条件が満たされない限り、対象画像Iaの印刷は行われない。これにより、不十分なシンボル画像Ibの検出結果に従って対象画像Iaの印刷が行われることによる印刷品質の低下が抑制されると共に、対象画像Iaの印刷を所望するユーザに対し、検出条件を満たすように印刷装置1の載置位置を調整した上で再度右方向へ移動させるよう促すことができる。
この例では、ステップS120の処理において、図9Dに示すように、シンボル画像Ibの左端E2及び右端E3が検出されたと判定したものとする(ステップS120;Yes)。
図6に戻り、CPU105は、UV照射部103に、紫外線の照射を終了させる(ステップS121)。
次に、取得部11が、位置関係情報を取得する(ステップS122)。ステップS122の処理において、取得部11は、ステップS122の処理を実行した時点における印刷装置1のx座標及びy座標を位置関係情報として取得する。以下、図9Eに示す装置本体100の中心CCのx座標及びy座標を印刷装置1のx座標及びy座標として取得する例を用いて説明する。
具体的に、取得部11は、ステップS122の処理において、RAM107に記憶された印刷装置1の移動量を示すデータを参照することによって、ステップS113の処理でシンボル画像Ibの左端E2を検出してからステップS122の処理が実行されるまでの印刷装置1の移動量を取得する。取得部11は、図7に示す印刷データDDを参照することによって、シンボル画像Ibの左端E2のx座標を取得する。取得部11は、取得した移動量と、シンボル画像Ibの左端E2のx座標と、を用いて、ステップS122を実行した時点における装置本体100の中心CCのx座標を算出し、このx座標を印刷装置1のx座標として取得する。
また、取得部11は、ステップS122の処理において、RAM107に記憶されたスキャン結果を参照することによって、スキャン結果に含まれる白抜き領域Ib1の上端の横幅W1及び下端の横幅W3と、スキャン結果に含まれるベタ塗り領域Ib2の上端の横幅W2及び下端の横幅W4と、を取得する。取得部11は、スキャン結果を参照することによって、シンボル画像Ibのうちスキャン結果に含まれる画像の上端及び下端のy座標と、スキャン範囲CAの上端E4及び下端E5のy座標と、の差である調整差を取得する。なお、この例では、上述したとおり、印刷装置1をx軸に平行に移動させるため、スキャン範囲CAの上端E4及び下端E5のy座標と、スキャン範囲CAの中心ccのy座標と、はスキャン処理全体を通じて同一である。図9Eの例では、シンボル画像Ibのうちスキャン結果に含まれる画像の上端及び下端のy座標と、スキャン範囲CAの上端E4及び下端E5のy座標と、は一致している。すなわち、調整差は0である。取得部11は、図7に示す印刷データDDを参照することによって、シンボル画像Ibのうち、白抜き領域Ib1が横幅W1を有し、かつ、ベタ塗り領域Ib2が横幅W2を有する部位のy座標を、シンボル画像Ibのうちスキャン結果に含まれる画像の上端のy座標として取得する。また、取得部11は、印刷データDDを参照することによって、シンボル画像Ibのうち、白抜き領域Ib1が横幅W3を有し、かつ、ベタ塗り領域Ib2が横幅W4を有する部位のy座標を、シンボル画像Ibのうちスキャン結果に含まれる画像の下端のy座標として取得する。取得部11は、シンボル画像Ibのうちスキャン結果に含まれる画像の上端及び下端のy座標と、上述した調整差と、を用いてスキャン範囲CAの上端E4及び下端E5のy座標を取得する。取得部11は、スキャン範囲CAの上端E4及び下端E5のy座標を用いて、スキャン範囲CAの中心ccのy座標を算出し、このy座標を印刷装置1のy座標として取得する。上述したとおり、スキャン範囲CAの中心ccは、装置本体100の中心CCとy座標が一致するように設定されている。従って、スキャン範囲CAの中心ccのy座標を取得することによって、装置本体100の中心CCのy座標を印刷装置1のy座標として取得できるのである。
取得部11が、シンボル画像Ibを検出することによって位置関係情報を取得するということは、言い換えると、シンボル画像Ibが、当該シンボル画像Ib自体に対する印刷装置1の位置関係を印刷装置1に対して案内しているということである。すなわち、シンボル画像Ibは、図2に示すように、当該シンボル画像Ib自体に対する印刷装置1の位置関係を印刷装置1に対して案内できる模様、言い換えると、印刷装置1が当該シンボル画像Ibを検出することによって自装置とシンボル画像Ibとの位置関係を取得できる模様を有している。
図6に戻って、指定部12は、ステップS122で取得された位置関係情報と、図7に示す印刷データDDと、に基づいて、印刷データDDに含まれる対象画像データのうち、印刷装置1を印刷媒体2に対して相対的に1回移動させたときに印刷可能な画像に対応するデータを、部分データDAとして指定する(ステップS123)。
具体的に、指定部12は、ステップS123の処理において、図10に示すように、取得部11が印刷装置1の位置として取得した装置本体100の中心CCの位置と、ROM106に記憶されている上述した装置本体100の中心CCとプリンタヘッド102aとの位置関係を表す底面配置データと、を用いて、プリンタヘッド102aの上端のy座標y1と、プリンタヘッド102aの下端のy座標y2と、を取得する。すなわち、取得部11は、プリンタヘッド102aが印刷可能な範囲の上端及び下端の座標をそれぞれ取得する。指定部12は、部分データDAが表す画像の上端E6のy座標がy座標y1となり、当該画像の下端E7のy座標がy座標y2となるように部分データDAを指定する。これにより、プリンタヘッド102aの縦幅と同一の縦幅を部分データDAが表す画像が有するように部分データDAが指定される。また、指定部12は、部分データDAが表す画像の左端のx座標が対象画像Iaの左端のx座標に一致し、当該画像の右端のx座標が対象画像Iaの右端のx座標に一致するように部分データDAを指定する。
図6に戻って、取得部11は、ステップS122で取得された位置関係情報と、図7に示す印刷データDDと、に基づいて、印刷装置1と対象画像Iaとの間の距離である離隔距離を取得する(ステップS124)。具体的に、取得部11は、印刷データDDを参照することによって、ステップS122で取得した、ステップS122の処理が実行された時点における印刷装置1の位置と、図7に示す対象画像Iaの左端E1と、の間の距離を離隔距離として取得する。
次に、印刷制御部13が、検出部101から供給された移動量検出信号を用いて、印刷装置1の移動を検出したか否かを判定する(ステップS125)。移動を検出していないと判定すると(ステップS125;No)、処理はステップS125へ戻り、移動の検出を待機する。
一方、印刷装置1の移動を検出したと判定すると(ステップS125;Yes)、処理はステップS126へ移る。この例では、ステップS125の処理において、図11に示すように、印刷媒体2上へ載置された印刷装置1が左から右へ移動されたことを検出したものとする(ステップS125;Yes)。
印刷制御部13は、RAM107に記憶された印刷装置1の移動量を表すデータを参照することにより、印刷装置1が、ステップS122の処理を実行した時点における位置から、ステップS124で取得した離隔距離だけ移動したか否かを判定する(ステップS126)。離隔距離だけ移動していないと判定すると(ステップS126;No)、処理はステップS125へ戻り、離隔距離分の移動の検出を待機する。
印刷装置1が離隔距離だけ移動したと判定すると(ステップS126;Yes)、印刷制御部13は、印刷部102に、部分データDAが表す画像を、印刷装置1の移動量に従い、可視インクを用いて印刷させる(ステップS127)。印刷制御部13は、ステップS126及びステップS127の処理を実行することによって、印刷装置1が離隔距離だけ移動したことに応答して、印刷部102に部分データDAが表す画像の印刷を開始させる。すなわち、印刷部102は、離隔距離に従って、対象画像Iaの印刷を開始する。
より具体的に、ステップS127の処理において、印刷制御部13は、部分データDAを、検出部101が検出した印刷装置1の移動量に従って、1単位分ずつプリンタヘッド制御回路102dへ供給する。プリンタヘッド制御回路102dは、供給された部分データDAに従って通電ドットを制御することにより、プリンタヘッド102aが備えるインクノズルから可視インクを吐出させ、印刷を実行する。これにより、複数単位分の画像である部分データDAが表す画像のうち、1単位分の画像が印刷媒体2に印刷される。
削除部14は、印刷制御部13によってプリンタヘッド制御回路102dへ供給された1単位分の部分データDAを、バッファから順次削除する(ステップS128)。言い換えると、削除部14は、印刷部102が印刷に用いたデータを1単位分ずつバッファから順次削除する。
印刷制御部13は、印刷データDDに含まれた対象画像データが削除部14によってバッファから全て削除されたか否かを判定することによって、対象画像Iaの印刷が終了したか否かを判定する(ステップS129)。対象画像データがバッファから全て削除されたと判定すると(ステップS129;Yes)、処理はステップS132へ移る。
一方、対象画像データのうちバッファから未だ削除されていないデータがあると判定すると(ステップS129;No)、処理はステップS130へ移る。この例では、ステップS129の処理において、図11に示すように、対象画像Iaの上部及び下部の画像を表す対象画像データが未だバッファに記憶されていると判定したものとする(ステップS129;No)。
図6に戻り、印刷制御部13は、ステップS123で指定された部分データDAが削除部14によってバッファから全て削除されたか否かを判定することによって、印刷装置1の右方向への1回の移動に従った印刷が終了したか否かを判定する(ステップS130)。印刷が終了していないと判定すると(ステップS130;No)、処理はステップS125へ戻る。上述したとおり、ステップS127の処理で、部分データDAが表す画像のうち1単位分の画像が印刷される。印刷制御部13は、ステップS125〜S130の処理を繰り返すことによって、印刷装置1の右方向への1回の移動に従って、部分データDAが表す画像を1単位分ずつ印刷していく。具体的に、図11の例では、印刷装置1の右方向への1回目の移動に従って、対象画像Iaの中央部の画像が印刷媒体2に印刷される。なお、上述したとおり、印刷装置1の1回の移動とは、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されてから、移動した後、リフトオフされるまでの一連の動作を指す。
一方、部分データDAのうちバッファから全て削除されたと判定すると(ステップS130;Yes)、処理はステップS131へ移る。この例では、ステップS130の処理において、図11に示すように、図10に示す部分データDAがバッファから全て削除されたと判定したものとする(ステップS130;Yes)。
図6に戻り、印刷制御部13は、印刷を停止し(ステップS131)、処理はステップS111へ移る。すなわち、印刷装置1の右方向への1回の移動に従った印刷が終了したと判定すると(ステップS130;Yes)、印刷が停止される(ステップS131)。これにより、ユーザに対して、1回の移動に従った印刷の終了を報知し、次の回の移動に従った印刷を行うための操作を行うように促すことができる。
CPU105は、UV照射部103に紫外線の照射を開始させ(ステップS111)、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されたか否かを判定する(ステップS112)。この例では、ステップS112の処理において、図12に示すように、印刷媒体2上へ印刷装置1が載置されたと判定したものとする(ステップS112;Yes)。この例では、上述したとおり、印刷装置1を、1回ごとに上下に位置をずらしながら複数回にわたって右方向へ動かして、プリンタヘッド102aの縦幅L1の3倍の縦幅を有する対象画像Iaを印刷する。図12の例では、図9Aに示す印刷装置1の載置位置に対して上へずれた位置に印刷装置1を載置している。
以下、印刷装置1は、ステップS113〜ステップS130の処理を実行することにより、印刷装置1の右方向への2回目の移動に従って、対象画像Iaの一部を印刷する。具体的に、図12に示す位置に載置された印刷装置1のシンボル画像Ibに対する位置関係を表す位置関係情報を取得部11が取得し(ステップS122)、この位置関係情報に従って指定部12が図12に示す部分データDAを指定する(ステップS123)。印刷制御部13は、ステップS125〜ステップS130の処理を実行することにより、指定された部分データDAに基づいて、図13に示すように、印刷装置1の右方向への2回目に従って、対象画像Iaの上部を印刷する。なお、削除部14は、印刷部102が印刷に用いた部分データDAをバッファから順次削除する(ステップS128)。
ステップS130の処理において、印刷制御部13は、部分データDAがバッファから全て削除されたか否かを判定する(ステップS130)。部分データDAのうちバッファから未だ削除されていないデータがあると判定すると(ステップS130;No)、処理はステップS125へ戻る。一方、部分データDAがバッファから全て削除されたと判定すると(ステップS130;Yes)、処理はステップS131へ移る。この例では、ステップS130の処理において、図13に示すように、図12に示す部分データDAがバッファから全て削除されたと判定したものとする(ステップS130;Yes)。
図6に戻り、印刷制御部13は、印刷を停止し(ステップS131)、処理はステップS111へ移る。CPU105は、UV照射部103に紫外線の照射を開始させ(ステップS111)、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されたか否かを判定する(ステップS112)。この例では、ステップS112の処理において、図14に示すように、印刷媒体2上へ印刷装置1が載置されたと判定したものとする(ステップS112;Yes)。この例では、上述したとおり、印刷装置1を、1回ごとに上下に位置をずらしながら複数回にわたって右方向へ動かして、プリンタヘッド102aの縦幅L1の3倍の縦幅を有する対象画像Iaを印刷する。図14の例では、図9Aに示す印刷装置1の載置位置に対して下へずれた位置に印刷装置1を載置している。
以下、印刷装置1は、ステップS113〜ステップS130の処理を実行することにより、印刷装置1の右方向への3回目の移動に従って、対象画像Iaの一部を印刷する。具体的に、図14に示す位置に載置された印刷装置1のシンボル画像Ibに対する位置関係を表す位置関係情報を取得部11が取得し(ステップS122)、この位置関係情報に従って指定部12が図14に示す部分データDAを指定する(ステップS123)。印刷制御部13は、ステップS125〜ステップS130の処理を実行することにより、指定された部分データDAに基づいて、図15に示すように、印刷装置1の右方向への3回目に従って、対象画像Iaの下部を印刷する。なお、削除部14は、印刷部102が印刷に用いた部分データDAをバッファから順次削除する(ステップS128)。
ステップS129の処理において、印刷制御部13は、印刷データDDに含まれた対象画像データがバッファから全て削除されたか否かを判定する(ステップS129)。対象画像データのうち未だ削除されていないデータがあると判定すると(ステップS129;No)、処理はステップS130へ移る。一方、対象画像データがバッファから全て削除されたと判定すると(ステップS129;Yes)、処理はステップS132へ移る。この例では、ステップS129の処理において、図15に示すように、印刷データDDに含まれた対象画像データがバッファから全て削除されたと判定したものとする(ステップS129;Yes)。
図6に戻り、CPU105は、ステップS110の処理で開始した、出力部108が備える発光素子による第2態様での発光を停止し(ステップS132)、印刷処理を終了する。
以上説明したとおり、印刷装置1は、シンボル画像Ibを検出することによって、当該シンボル画像Ibに対する自装置の位置関係を表す位置関係情報を取得する。印刷装置1は、この位置関係情報と、シンボル画像Ibに対する対象画像Iaの位置関係を表す印刷データDDと、に従って、対象画像Iaを表す対象画像データのうち1回の移動に従って印刷可能な画像に対応するデータを部分データDAとして指定し、当該部分データDAに対応する画像を印刷する。
すなわち、印刷装置1は、複数回移動を行うことによって対象画像Iaを印刷する際、各回の移動に先立ち、シンボル画像Ibに対する自装置の位置関係を取得し、この位置関係に応じて指定した部分データDAに従って画像を印刷する。このため、各回の移動に従って印刷された画像の間で上下方向に空隙が発生することによる印刷品質の低下を抑制できる。言い換えると、印刷装置1は、プリンタヘッド102aの縦幅L1よりも大きい縦幅を有する対象画像Iaを複数回の移動に従って印刷する場合であっても、印刷品質の低下を抑制できる。すなわち、印刷装置1は、対象画像Iaのサイズに関わらず印刷品質の低下を抑制できる。
また、印刷装置1は、部分データDAのうち印刷に用いたデータをバッファから順次削除する。このため、各回の移動に従って印刷された画像の間で上下方向に重なりが発生することによる印刷品質の低下を抑制できる。また、移動中に印刷装置1が蛇行した場合であっても、各回の移動に従って印刷された画像の間で空隙や重なりが発生することによる印刷品質の低下を抑制できる。
また、印刷装置1は、位置関係情報によって表されるシンボル画像Ibに対する自装置の位置関係に応じて取得された離隔距離に従って画像の印刷を開始するため、各回の移動に従って印刷された画像の間で左右方向のズレが発生することによる印刷品質の低下を抑制できる。
また、印刷装置1は、各回の移動における印刷装置1の載置位置や移動方向に関わらず印刷品質の低下を抑制できるため、操作の自由度を高め、操作性を向上することができる。
また、印刷装置1は、シンボル画像Ibを、不可視インクを用いることによって、人が視認困難な態様で印刷する。このため、印刷された対象画像Iaの美観がシンボル画像Ibによって低下することを抑制できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、印刷装置1が、シンボル画像Ibを、不可視インクを用いることによって、人が視認困難な態様で印刷するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、シンボル画像Ibは、人が視認困難な任意の態様で印刷することができる。以下、人が視認困難なサイズの微小なドットにより構成された後述するシンボル画像Ib’を印刷する印刷装置について、図16及び図17を参照して説明する。
印刷装置1’は、図16に示すように、図4に示した印刷装置1の構成と概ね同様の構成を備えているものの、一部の構成が相違している。以下、印刷装置1’の構成について、印刷装置1の構成との相違点を中心に説明する。
印刷装置1’は、図4に示す印刷部102の代わりに、図16に示す印刷部102’を備えている。印刷部102’は、可視インクを用いて対象画像Iaを印刷すると共に、図17に示す可視インクを用いて、人が視認困難なサイズの微小なドットにより構成されたシンボル画像Ib’を印刷する。具体的に、印刷部102’は、例えば直径50μm程度の微小なドットにより構成されたシンボル画像Ib’を印刷する。このような微小なドットにより構成された画像を人が視認することは、当該画像が可視インクを用いて印刷されている場合であっても、困難である。すなわち、印刷部102’は、シンボル画像Ib’を、人が視認困難なサイズの微小なドットを用いて、人が視認困難な態様で印刷する。これにより、印刷された対象画像Iaの美観の低下が抑制される。
シンボル画像Ib’は、白抜き領域Ib1’とベタ塗り領域Ib2’とで構成されている。白抜き領域Ib1’とベタ塗り領域Ib2’とは、何れも直角三角形の形状を有している。白抜き領域Ib1’は、輪郭線のみが微小なドットを用いて印刷されており、輪郭線の内側にはインクが塗られておらず、空白である。ベタ塗り領域Ib2’は、輪郭線が微小なドットを用いて印刷されていると共に、輪郭線の内側に微小なドットが印刷されている。なお、図17では、理解を容易にするため、微小なドットで印刷されているため実際には視認困難な白抜き領域Ib1’及びベタ塗り領域Ib2’の輪郭線を、点線で図示している。印刷部102’は、微小なドット同士を十分に大きな距離を隔てて印刷することにより、シンボル画像Ib’を印刷する。具体的に、印刷部102’は、ドット同士を例えば300μm程度の距離を隔てて印刷する。微小なドットにより構成された画像の視認性は、当該ドット同士の間隔が広いほど低下する。印刷部102’は、シンボル画像Ib’を、十分に大きな距離を隔てた微小なドットを用いて印刷することにより、シンボル画像Ib’の視認性を低下させ、印刷された対象画像Iaの美観の低下を抑制する。
印刷装置1’は、印刷装置1とは異なり、図4に示す第2インクタンク102cを備えていない。可視インクを用いてシンボル画像Ib’を印刷する印刷装置1’において、不可視インクを充填した第2インクタンク102cは必要ないためである。同様の理由により、印刷装置1’は、印刷装置1とは異なり、図4に示すUV照射部103を備えていない。すなわち、可視インクを用いてシンボル画像Ib’を印刷する印刷装置1’において、不可視インクを発光させるための紫外線を照射するUV照射部103は必要ないのである。また、同様の理由により、印刷装置1’は、図4に示すスキャナ部104の代わりに、図16に示すスキャナ部104’を備えている。
スキャナ部104’は、印刷部102’が印刷に用いる微小なドットを検出可能なスキャナ装置を備え、スキャン範囲CAにわたって印刷媒体2の表面をスキャンする。これにより、微小なドットを用いて印刷されたシンボル画像Ib’が検出される。スキャナ部104’のスキャン範囲CAは、上述したスキャナ部104のスキャン範囲CAと同様の方法で設定されている。
印刷装置1’は、複数回の移動に従って対象画像Iaを印刷する際、各回の移動に先立って、印刷部102’によって微小なドットを用いて印刷されたシンボル画像Ib’をスキャナ部104’により検出することで位置関係情報を取得する。印刷装置1’は、この位置関係情報と、印刷データDDと、に従って部分データDAを指定し、この部分データDAに従って画像を印刷する。具体的に、印刷装置1’は、図6のフローチャートに示した印刷処理を実行することによって、対象画像Iaを印刷する。但し、不可視インクを用いて印刷されたシンボル画像Ibの検出に係る処理であるステップS111及びS116の処理は、実行しない。これにより、印刷装置1’は、印刷装置1と同等の効果を奏することができる。
また、印刷装置1’は、上述したとおり、不可視インクを用いてシンボル画像Ibを印刷する印刷装置1とは異なり、第2インクタンク102c及びUV照射部103を備えていない。すなわち、印刷装置1’は、印刷装置1に比べて簡素な構成を備えている。従って、印刷装置1’は、印刷装置1に比べて小型化・軽量化できると共に、印刷装置1よりも安易かつ簡易に製造できる。さらに、印刷装置1’は、不可視インクよりも安価な可視インクを用いて印刷を行うため、印刷装置1に比べてランニングコストを低減できる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記第1、第2実施形態では、印刷装置1,1’が、位置関係情報として、自装置のx座標及びy座標を取得するものとして説明したが、これは一例に過ぎない。印刷装置1,1’は、シンボル画像Ibに対する自装置の位置関係を表す任意の情報を、位置関係情報として取得できる。例えば、印刷装置1,1’は、シンボル画像Ibに対する自装置の傾きを位置関係情報としてさらに取得してもよい。以下、図18を参照して、印刷装置1が、シンボル画像Ibに対する自装置の傾きを位置関係情報として取得する変形例について説明する。
この例では、印刷装置1は、装置本体100の中心CCを通りプリンタヘッド102aに平行な第1基準線TTと、シンボル画像Ibの右端E3と、がなす角度θを、シンボル画像Ibに対する自装置の傾きとして取得する。なお、図18では、理解を容易にするため、本来は視認できないプリンタヘッド102aを点線で図示している。
また、この例では、印刷装置1が備えるスキャナ部104のスキャン範囲CAが、当該スキャン範囲CAの中心ccを通りスキャン範囲CAの上端E4及び下端E5に直交する第2基準線TT’と、上述した第1基準線TTと、が一致するように設定されている。また、スキャン範囲CAは、当該スキャン範囲CAの中心ccのx座標及びy座標と、装置本体100の中心CCのx座標及びy座標と、が一致するように設定されている。
スキャナ部104がシンボル画像Ibを検出すると、印刷装置1の取得部11は、検出されたシンボル画像Ibの右端E3と、第2基準線TT’と、がなす角度θ’を、上述した角度θとして取得する。
また、取得部11は、検出されたシンボル画像Ibを、画像処理によって角度θだけ回転させる。そして、回転後のシンボル画像Ibを用いて、上述した図6のフローチャートのステップS122の処理と同様の処理を実行し、装置本体100の中心CCのx座標及びy座標を、印刷装置1のx座標及びy座標として取得する。
次に、指定部12が、角度θと、印刷装置1のx座標及びy座標と、装置本体100の中心CCとプリンタヘッド102aとの位置関係を表す底面配置データと、に従って、プリンタヘッド102aの上端及び下端の位置を取得する。指定部12は、プリンタヘッド102aの上端を通りプリンタヘッド102aに直交する直線TL1と、プリンタヘッド102aの下端を通りプリンタヘッド102aに直交する直線TL2と、を取得する。指定部12は、印刷データDDに含まれた対象画像データのうち、直線TL1と直線TL2とで挟まれた領域に属する画像を表すデータを部分データDAとして指定する。
以上説明したように、この変形例に係る印刷装置1は、位置関係情報として、シンボル画像Ibに対する自装置の傾きを取得し、この傾きに従って部分データDAを指定する。この態様によれば、印刷装置1がシンボル画像Ibに対して傾いて載置された場合であっても、位置関係情報に従って印刷を行い、印刷品質の低下を抑制できる。
上記第1、第2実施形態では、生成部10が、対象画像Ia及びシンボル画像Ibを、対象画像Iaの中心CCaのy座標とシンボル画像Ibの中心CCbのy座標とが一致し、かつ、対象画像Iaの左端E1がシンボル画像Ibの左端E2から距離D1だけ離間するように配置することによって、印刷データDDを生成するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、生成部10は、対象画像Iaとシンボル画像Ibとを任意の方法で対応付けて配置することにより印刷データDDを生成できる。
上記第1、第2実施形態では、図6のフローチャートのステップS122の処理が実行された時点における印刷装置1の位置と対象画像Iaの左端E1との間の距離を離隔距離として取得するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、離隔距離は任意の方法で設定できる。具体的に、シンボル画像Ibの左端E2をスキャナ部104が検出した時点における印刷装置1の位置と対象画像Iaの左端E1との間の距離や、シンボル画像Ibの右端E3をスキャナ部104が検出した時点における印刷装置1の位置と対象画像Iaの左端E1との間の距離を、離隔距離として取得してもよい。また、印刷装置1が左方向へ移動しつつ対象画像Iaを印刷する場合には、対象画像Iaの右端とステップS122の処理が実行された時点における印刷装置1の位置との間の距離を離隔距離として取得すればよい。また、印刷装置1が下方向へ移動しつつ対象画像Iaを印刷する場合には、対象画像Iaの上端とステップS122の処理が実行された時点における印刷装置1の位置との間の距離を離隔距離として取得すればよい。また、印刷装置1が上方向へ移動しつつ対象画像Iaを印刷する場合には、対象画像Iaの下端とステップS122の処理が実行された時点における印刷装置1の位置との間の距離を離隔距離として取得すればよい。
上記第1、第2実施形態では、削除部14は、部分データDAのうち印刷部102が印刷に用いたデータを1単位分ずつ削除するものとして説明したが、これは一例に過ぎず、削除部14は、複数単位分のデータをまとめて削除してもよい。
上記第1、第2実施形態では、印刷装置1の1回の移動とは、印刷装置1が印刷媒体2上へ載置されてから、印刷媒体2上を移動した後、リフトオフされるまでの一連の動作を指すものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、印刷装置1の1回の移動は、任意の方法で定義できる。例えば、印刷装置1の1回の移動は、部分データDAが指定されてから当該部分データDAが全て削除されるまでの間の印刷装置1の移動を指すものとしてもよい。
上記第1、第2実施形態では、シンボル画像Ib,Ib’は、印刷装置1,1’によって印刷されるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、印刷装置1,1’は、他の印刷装置によって印刷されたシンボル画像Ib,Ib’を検出することによって位置関係情報を取得してもよい。この態様によれば、印刷装置1,1’を用いてシンボル画像Ib,Ib’を印刷する操作を省略できるため、印刷品質の低下を抑制しつつも、上記第1、第2実施形態に比べて簡易な操作で印刷を実行可能とし、ランニングコストを低減できる。また、上記第1実施形態と同様に不可視インクを用いてシンボル画像Ibを印刷する場合、他の印刷装置にシンボル画像Ibを印刷させることによって、不可視インクを充填する第2インクタンク102cと、不可視インクで印刷されたシンボル画像Ibを発光させるための紫外線を照射するUV照射部103と、を印刷装置1の構成から省略できる。これにより、印刷装置1の構成を簡素化し、製造コストを低減するとともに、装置を小型化・軽量化できる。
上記第1、第2実施形態では、印刷装置1,1’は、プリンタヘッド102aの縦幅L1よりも大きい縦幅を有する対象画像Iaを印刷するものとして説明したが、これは一例に過ぎない。印刷装置1,1’は、プリンタヘッド102aの縦幅L1よりも小さい縦幅を有する対象画像Iaを印刷してもよい。この場合、印刷装置1,1’は、シンボル画像Ibの検出結果に従って位置関係情報を取得し、この位置関係情報と印刷データDDとに従って部分データDAを指定し、この部分データDAに基づいて自装置の1回の移動に従って対象画像Iaを印刷すればよい。この態様によれば、対象画像Iaを、印刷データDDに従って、シンボル画像Ibの印刷位置に応じた位置に印刷することにより、ユーザが所望する位置に対象画像Iaを印刷できる。なお、対象画像Iaの印刷中、誤って印刷装置1,1’をリフトオフしてしまった場合でも、印刷装置1,1’を印刷媒体2上へ再び載置し、シンボル画像Ibを検出させることによって、印刷品質の低下を抑制しつつ印刷を再開できる。
上記第1、第2実施形態では、印刷装置1,1’は、対象画像Iaの縦幅よりも大きい縦幅を有するシンボル画像Ib,Ib’を印刷するものとして説明したが、これは一例に過ぎない。印刷装置1,1’は、対象画像Iaの縦幅以下の縦幅を有するシンボル画像Ib,Ib’を印刷してもよい。
なお、印刷装置1,1’は、シンボル画像Ibの検出結果に従って部分データDAを指定した際、この部分データDAと、前回までの移動に従った印刷の際に指定した部分データDAと、の間に所定値以上の重複があるか否かを判定し、所定値以上の重複があると判定した場合には、重複がある旨を、出力部108を介してユーザへ報知してもよい。所定値は、実験等の任意の手法により予め設定すればよい。また、この場合、印刷装置1,1’は、前回までに指定した部分データDAを特定可能な情報を、当該部分データDAが削除部14によってバッファから削除された後も保持しておくこととすればよい。このような情報の具体例としては、部分データDAが表す画像の上端及び下端のy座標が挙げられる。重複があると判定されたということは、印刷装置1,1’が載置された位置から移動した際に印刷可能な画像のうち少なくとも一部が、前回までの移動に従って印刷済みの画像と重複しているということである。重複がある旨を報知することによって、ユーザへ、重複がない位置へ印刷装置1,1’を載置するように促すことにより、各回の移動に従って印刷された画像の間で重複が発生することを抑制できる。これにより、対象画像Iaを印刷するための印刷装置1の移動回数を抑制し、効率的に印刷を行うことができる。
上記第1実施形態では、印刷装置1が、シンボル画像Ibを、不可視インクを用いて印刷するものとして説明した。また、上記第2実施形態では、印刷装置1’が、シンボル画像Ib’を、微小なドットを用いて印刷するものとして説明した。しかし、これらは例に過ぎず、印刷装置1,1’は、シンボル画像Ib,Ib’を、人が視認困難な任意の態様で印刷できる。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせ、シンボル画像Ib,Ib’を、不可視インクを用いて、微小なドットにより印刷してもよい。あるいは、印刷装置1,1’は、シンボル画像Ib,Ib’を、透かしとして印刷してもよい。
上記第2実施形態では、印刷装置1’が、シンボル画像Ib’を、ドットを用いて印刷するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、印刷装置1’は、シンボル画像Ib’を、人が視認困難なサイズを有する任意の印刷パターンを用いて印刷できる。例えば、印刷装置1’は、シンボル画像Ib’を、人が視認困難なサイズを有する三角形や四角形等の印刷パターンを用いて印刷してもよい。
上記第1、第2実施形態では、印刷装置1,1’が、シンボル画像Ib,Ib’を、人が視認困難な態様で印刷するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、印刷装置1,1’は、シンボル画像Ib,Ib’を、人が視認容易な態様で印刷してもよい。例えば、印刷装置1,1’は、キャラクタ画像や装飾模様等の、印刷された対象画像Iaの美観を低下させない画像を、シンボル画像Ib,Ib’として、可視インクを用いて印刷すればよい。
また、シンボル画像Ib,Ib’は直角三角形の形状を有しているものとしたが、シンボル画像Ib,Ib’の形状はこれに限るものではない。シンボル画像Ib,Ib’は印刷装置1,1’の移動方向と交差する特定の方向に沿った形状が、特定の方向に沿って変化する形状であればよい。
上記第1、第2実施形態では、印刷装置1,1’が、まずシンボル画像Ibを印刷した後、対象画像Iaを印刷するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、印刷装置1,1’は、1回の移動に従ってシンボル画像Ibと対象画像Iaとを同時に印刷してもよい。この場合、印刷装置1,1’は、各回の移動に従った印刷において、シンボル画像Ibのうち前回までの移動に従って印刷された部分を検出し、この検出結果に従って部分データDAを指定して印刷を行う。この態様によれば、ユーザは、対象画像Iaを印刷するための操作とは別にシンボル画像Ibを印刷するための操作を実行する必要がない。すなわち、簡易な操作により対象画像Iaを印刷できる。
上記第1、第2実施形態では、対象画像Iaとシンボル画像Ibとは別の画像であるものとして説明したが、これは一例に過ぎず、同一の画像が対象画像Iaとシンボル画像Ibとの両方を兼ねてもよい。この場合、印刷装置1,1’は、当該画像の各部の位置関係を定めたデータを印刷データDDとして生成する。印刷装置1,1’は、各回の移動に従った印刷において、当該画像のうち前回までの移動に従って印刷された部分を検出し、この検出結果と印刷データDDとに従って部分データDAを指定して印刷を行う。この態様によれば、対象画像Iaがシンボル画像Ibとして機能するため、印刷された対象画像Iaの印刷品質の低下を防止できる。
上記第1実施形態では、図2に示すシンボル画像Ibを印刷するものとして説明した。また、上記第2実施形態では、図17に示すシンボル画像Ib’を印刷するものとして説明した。しかし、これらは例に過ぎず、印刷装置1,1’は、シンボル画像Ib,Ib’として、当該シンボル画像Ib,Ib’自体に対する印刷装置1,1’の位置関係を印刷装置に対して案内できる任意の模様を有する画像を印刷できる。例えば、印刷装置1,1は、二次元コードをシンボル画像Ib,Ib’として印刷すればよい。
上記第1、第2実施形態では、印刷装置1,1’は、右方向へ移動することによって対象画像Iaを印刷するものとして説明したが、これは一例に過ぎない。印刷装置1,1’は、任意の方向への移動に従って対象画像Iaを印刷することができる。例えば、印刷装置1,1’は、右から左へ移動することによって対象画像Iaを印刷すればよい。あるいは、印刷装置1は、上から下へ移動することによって対象画像Iaを印刷すればよい。なお、シンボル画像Ib,Ib’は、対象画像Iaを印刷することをユーザが所望する印刷媒体2上の領域から、当該対象画像Iaを印刷する際の印刷装置1の移動方向とは反対方向へ離れた領域に印刷すればよい。これにより、対象画像Iaの印刷に先立って、印刷装置1,1’によってシンボル画像Ib,Ib’が検出される。
上記第1、第2実施形態では、生成部10が、対象画像データ、シンボル画像データ及び印刷データDDを生成するものとして説明したが、これは一例に過ぎない。これらのデータを外部装置が生成し、印刷装置1が、生成されたデータを、入力部109を介して当該外部装置から取得してもよい。この態様によれば、印刷装置1,1’の処理負荷を軽減できる。
上記第1、第2実施形態では、印刷装置1,1’が、手動走査型の印刷装置であるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、印刷装置1,1’は、印刷媒体2上で自装置を移動させる移動手段を備え、当該移動に従って印刷を行う自走式の印刷装置であってもよい。
上記第1、第2実施形態では、印刷装置1,1’が、外部装置が生成した雛形対象画像データ、雛形シンボル画像データ及び底面配置データを、入力部109を介して取得するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、印刷装置1,1’は、任意の方法によりこれらのデータを取得できる。例えば、印刷装置1,1’は、ユーザによる入力部109を用いた入力を受け付けることによって、これらのデータを自ら生成してもよい。
上記第1、第2実施形態では、印刷部102,102’がインクジェット方式により印刷を行うものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、印刷部102,102’は、任意の方法により印刷を行うことができる。例えば、印刷部102,102’は、感熱方式や熱転写方式により印刷を行ってもよい。
上記第1、第2実施形態では、検出部101がレーザ式光学センサを備えるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、検出部101は、任意のセンサにより印刷装置1の移動量及び移動方向を検出できる。例えば、検出部101は、LED式光学センサを備え、LED光源から印刷媒体2の表面へ光を照射し、印刷媒体2の表面の凹凸により生じた影を撮像し解析することによって移動量検出信号を出力してもよい。
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた印刷装置を本発明に係る印刷装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の印刷装置を、本発明に係る印刷装置として機能させることもできる。すなわち、本発明に係る印刷装置の各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の印刷装置を制御するコンピュータが実行できるように適用することで、当該既存の印刷装置を本発明に係る印刷装置として機能させることができる。
なお、このようなプログラムは任意の方法で適用できる。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、メモリカード等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネット等の通信ネットワークを介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operation System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
印刷装置であって、
印刷媒体上を移動方向に移動しながら前記印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記印刷媒体の画像を取得する取得部と、
前記取得部が取得した、前記印刷媒体に印刷予定の対象画像に対する位置が設定されているシンボル画像の少なくとも一部の画像に基づいて、前記印刷部が前記印刷媒体に印刷する前記対象画像の少なくとも一部の位置を取得する制御回路と、を備えることを特徴とする印刷装置。
(付記2)
前記制御回路は、
前記取得部が取得した前記シンボル画像の前記一部の画像に基づいて、前記シンボル画像に対する前記印刷部の位置関係を表す位置関係情報を取得し、
前記位置関係情報と、設定されている前記対象画像と前記シンボル画像の位置関係と、に基づいて、前記印刷部の前記対象画像に対する位置を取得し、
前記取得した前記印刷部の前記対象画像に対する位置に基づいて、前記印刷部が前記印刷媒体に印刷する前記対象画像の少なくとも一部の位置を取得することを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
(付記3)
前記制御回路は、
前記位置関係情報と前記対象画像に対応する印刷データとに従って、自装置と前記対象画像との間の距離である離隔距離を取得し、
前記印刷部は、前記離隔距離に従って前記対象画像の印刷を開始することを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
(付記4)
前記対象画像に対応する対象画像データを記憶する記憶手段を備え、
前記制御回路は、
前記取得した位置に基づいて、前記対象画像データのうち、前記印刷部を前記印刷媒体に対して前記移動方向に沿って相対的に1回移動させたときに印刷可能な画像に対応するデータを部分データとして指定し、
前記記憶手段に記憶されている前記対象画像データから前記部分データを指定して、前記印刷部による前記部分データに対応する前記画像の印刷を実行させ、前記部分データに対応する前記画像の印刷を実行させた後、前記記憶手段に記憶されている前記対象画像データから前記印刷部が用いた前記部分データを削除することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の印刷装置。
(付記5)
前記シンボル画像は、前記移動方向に交差する方向となる特定方向に沿って変化する形状を有していることを特徴とする付記1乃至4の何れか一つに記載の印刷装置。
(付記6)
前記シンボル画像は、人が視認困難な態様で印刷されていることを特徴とする付記1乃至5の何れか一つに記載の印刷装置。
(付記7)
前記シンボル画像は、人が視認困難な不可視インクを用いて印刷されていることを特徴とする付記1乃至6の何れか一つに記載の印刷装置。
(付記8)
前記シンボル画像は、人が視認困難なサイズの印刷パターンにより構成されていることを特徴とする付記1乃至7の何れか一つに記載の印刷装置。
(付記9)
前記シンボル画像は、前記印刷部により前記印刷媒体に印刷されたものであることを特徴とする付記1乃至8の何れか一つに記載の印刷装置。
(付記10)
印刷装置が実行する印刷方法であって、
印刷媒体に印刷予定の対象画像に対する位置が設定されているシンボル画像の少なくとも一部の画像に基づいて、前記印刷装置の印刷部が前記印刷媒体に印刷する前記対象画像の少なくとも一部の位置を取得することを特徴とする印刷方法。
(付記11)
印刷装置を制御するコンピュータに、
印刷媒体に印刷予定の対象画像に対する位置が設定されているシンボル画像の少なくとも一部の画像に基づいて、前記印刷装置の印刷部が前記印刷媒体に印刷する前記対象画像の少なくとも一部の位置を取得させることを特徴とするプログラム。
1,1’…印刷装置、2…印刷媒体、10…生成部、11…取得部、12…指定部、13…印刷制御部、14…削除部、100…装置本体、101…検出部、102,102’…印刷部、102a…プリンタヘッド、102b…第1インクタンク、102c…第2インクタンク、102d…プリンタヘッド制御回路、103…UV照射部、103a〜103g…UV発光素子、104,104’…スキャナ部、105…CPU、106…ROM、107…RAM、108…出力部、109…入力部、110…システムバス、CA…スキャン範囲、CC…装置本体の中心、cc…スキャン範囲の中心、CCa…対象画像の中心、CCb…シンボル画像の中心、DA…部分データ、DD…印刷データ、D1…シンボル画像の左端と対象画像の左端との間の距離、E1…対象画像の左端、E2…シンボル画像の左端、E3…シンボル画像の右端、E4…スキャン範囲の上端、E5…スキャン範囲の下端、E6…部分データが表す画像の上端、E7…部分データが表す画像の下端、Ia…対象画像、Ib,Ib’…シンボル画像、Ib1,Ib1’…白抜き領域、Ib2,Ib2’…ベタ塗り領域、L1…プリンタヘッドの縦幅、TL1,TL2…直線、TT…第1基準線、TT’…第2基準線、W1…スキャン結果に含まれる白抜き領域の上端の横幅、W2…スキャン結果に含まれるベタ塗り領域の上端の横幅、W3…スキャン結果に含まれる白抜き領域の下端の横幅、W4…スキャン結果に含まれるベタ塗り領域の下端の横幅、y1…プリンタヘッドの上端のy座標、y2…プリンタヘッドの下端のy座標、θ…シンボル画像の右端と第1基準線とがなす角度、θ’…シンボル画像の右端と第2基準線とが成す角度

Claims (7)

  1. 印刷媒体に対して相対移動されながら印刷を行う印刷装置であって、
    印刷対象画像を印刷する際に、所定の第1方向への前記相対移動ごとに当該相対移動で印刷可能な印刷幅の画像を前記印刷対象画像から部分画像として切り出すとともに、この切り出した部分画像を当該相対移動のときの印刷対象として印刷するように制御する第1制御処理と、
    前記部分画像として前記印刷対象画像から切り出すべき領域を所定の検出手段により検出させるための指標マーカを、前記第1制御処理に先だって印刷するよう制御する第2制御処理と、
    を実行する制御回路を備え、
    前記第2制御処理は、前記第1方向に対して直交する第2方向への前記相対移動に伴わせて前記指標マーカを印刷するよう制御し、
    前記指標マーカは、白抜き領域と非白抜き領域とからなるシンボル画像であり、前記シンボル画像において前記白抜き領域が占める割合が前記第2方向に進むに従って次第に大きくなるまたは次第に小さくなる画像として印刷される、
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記検出手段は、前記指標マーカを光学的に読み取るための画像読取面を有し、
    前記画像読取面は、画像を印刷すべく前記印刷媒体に向けて所定のインクを吐出するプリンタヘッド部よりも前方側に位置するように、設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記指標マーカは、可視光では透明な画像となるインクで印刷される、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 前記第1制御処理は、前記印刷対象画像から前記部分画像を切り出す際は、切り出し済みの部分画像が切り出し対象から省かれるように前記部分画像を切り出す、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の印刷装置。
  5. 前記相対移動される際の移動方向を検出する第2検出手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の印刷装置。
  6. 印刷媒体に対して相対移動されながら印刷を行う印刷装置が実行する印刷方法であって、
    印刷対象画像を印刷する際に、所定の第1方向への前記相対移動ごとに当該相対移動で印刷可能な印刷幅の画像を前記印刷対象画像から部分画像として切り出すとともに、この切り出した部分画像を当該相対移動のときの印刷対象として印刷するように制御する第1制御ステップと、
    前記部分画像として前記印刷対象画像から切り出すべき領域を所定の検出手段により検出させるための指標マーカを、前記第1制御ステップに先だって印刷するよう制御する第2制御ステップと、
    を有し、
    前記第2制御ステップは、前記第1方向に対して直交する第2方向への前記相対移動に伴わせて前記指標マーカを印刷するよう制御し、
    前記指標マーカは、白抜き領域と非白抜き領域とからなるシンボル画像であり、前記シンボル画像において前記白抜き領域が占める割合が前記第2方向に進むに従って次第に大きくなるまたは次第に小さくなる画像として印刷される、
    ことを特徴とする印刷方法。
  7. 印刷媒体に対して相対移動されながら印刷を行う印刷装置のコンピュータに、
    印刷対象画像を印刷する際に、所定の第1方向への前記相対移動ごとに当該相対移動で印刷可能な印刷幅の画像を前記印刷対象画像から部分画像として切り出すとともに、この切り出した部分画像を当該相対移動のときの印刷対象として印刷するように制御する第1制御処理と、
    前記部分画像として前記印刷対象画像から切り出すべき領域を所定の検出手段により検出させるための指標マーカを、前記第1制御処理に先だって印刷するよう制御する第2制御処理と、
    を実行させ
    前記第2制御処理は、前記第1方向に対して直交する第2方向への前記相対移動に伴わせて前記指標マーカを印刷するよう制御し、
    前記指標マーカは、白抜き領域と非白抜き領域とからなるシンボル画像であり、前記シンボル画像において前記白抜き領域が占める割合が前記第2方向に進むに従って次第に大きくなるまたは次第に小さくなる画像として印刷される、
    ことを特徴とするプログラム
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