JP6921265B1 - 制御装置一体型回転電機 - Google Patents

制御装置一体型回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP6921265B1
JP6921265B1 JP2020066364A JP2020066364A JP6921265B1 JP 6921265 B1 JP6921265 B1 JP 6921265B1 JP 2020066364 A JP2020066364 A JP 2020066364A JP 2020066364 A JP2020066364 A JP 2020066364A JP 6921265 B1 JP6921265 B1 JP 6921265B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric machine
rotary electric
armature winding
temperature detector
cooling fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020066364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021164347A (ja
Inventor
柏原 利昭
利昭 柏原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2020066364A priority Critical patent/JP6921265B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6921265B1 publication Critical patent/JP6921265B1/ja
Publication of JP2021164347A publication Critical patent/JP2021164347A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】制御装置一体型回転電機における冷却流体通路の異常を検出するとともに、異常時に回転電機部の駆動ないし発電作用を抑制することを可能にすることを目的とする。【解決手段】インバータ装置の冷却流体通路と、電機子巻線のリヤ側コイルエンドの冷却流体通路とが連通された制御装置一体型回転電機であって、電機子巻線のフロント側コイルエンド部に取り付けられた第一の温度検出器と、電機子巻線のリヤ側コイルエンド部に取り付けられた第二の温度検出器と、第一の温度検出器による温度情報および第二の温度検出器による温度情報とを比較し、両者の温度差が予め定められた閾値を超えたとき、インバータ装置の冷却流体通路が異常であると判定して出力を発生し、回転電機部の動作を抑制するものである。【選択図】図1

Description

本願は、制御装置一体型回転電機に関するものである。
従来の回転電機として、電機子巻線の温度を高い応答性で高精度に検出するため、電機子巻線の周囲にサーミスタを設置するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、インバータモジュールにサーミスタを設置し、インバータが過熱していると判定された場合に発電電動機の発電作用を抑制ないし停止することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−131775号公報 特開平10―191691号公報
しかしながら、自動車に搭載される特許文献1の回転電機においては、電機子巻線の温度を高い応答性で高精度に検出することが可能であるものの、制御装置一体型回転電機における電力変換装置の冷却流体通路と、電機子巻線部の冷却流体通路とが連通されている場合、運転に際して、自動車用タイヤによる泥水、砂利、小石などの巻き上げによって冷却流体通路が閉塞されることがあり、冷却流体通路の異常を判定することができなかった。
また、特許文献2の回転電機においては、インバータが過熱している場合に発電電動機の駆動ないし発電作用を抑制ないし停止することは可能であるものの、上記と同様に冷却流体通路の異常を判定することができなかった。
本願は、上述のような問題点を解決するためなされたもので、制御装置一体型回転電機における冷却流体通路の異常を検出するとともに、異常な加熱を抑制することを可能にした制御装置一体型交流電動発電機を提供することを目的とする。
本願に係る制御装置一体型回転電機は、フロントブラケットとリヤブラケットからなるハウジング、電機子巻線を有し、ハウジングに固定された固定子、ハウジングに回転可能に支承され、固定子に対向して配置されるとともに、界磁巻線、フロントファンおよびリヤファンが取り付けられた回転子からなる回転電機部と、リヤブラケット側に設けられ、回転電機部を制御するインバータ装置とを備え、インバータ装置の冷却流体通路と、電機子巻線のリヤ側コイルエンドの冷却流体通路とが連通された制御装置一体型回転電機であって、電機子巻線のフロント側コイルエンド部に取り付けられた第一の温度検出器と、電機子巻線のリヤ側コイルエンド部に取り付けられた第二の温度検出器と、第一の温度検出器による温度情報および第二の温度検出器による温度情報とを比較し、両者の温度差が予め定められた閾値を超えたとき、インバータ装置の冷却流体通路が異常であると判定して出力を発生する判定回路と、この判定回路の出力に基づいてインバータ装置を制御する出力回路とを備え、判定回路により冷却流体通路の異常を判定したとき、回転電機部の動作を抑制することを特徴とするものである。
本願に開示される制御装置一体型交流電動発電機によれば、電機子巻線のフロント側コイルエンド部およびリヤ側コイルエンド部にそれぞれ第一の温度検出器および第二の温度検出器を設け、両者の温度情報を比較することにより、冷却流体通路の異常を検出することが可能となり、また、これにより回転電機部の異常な加熱を防止することができる。
実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機の構造を示す断面図である。 実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機の電気系統の構成を示す回路図である。 実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機における冷却作用を説明するための図である。 実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機の要部構成を示す平面図である。 実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機の他の要部構成を示す平面図である。 実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機における冷却作用の制御系を示すブロック図である。 実施の形態1における電機子巻線の構造を示す斜視図である。 実施の形態2に係る制御装置一体型回転電機における冷却作用の制御系を示すブロック図である。 実施の形態2に係る制御装置一体型回転電機の動作特性を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機の構造を示す断面図である。
図において、制御装置一体型回転電機1は、発電機能および電動機能を有する回転電機部2と、直流交流電力相互変換回路およびこの直流交流電力相互変換回路を制御する制御回路部からなるインバータ装置3とを備えている。
ここで、回転電機部2は、フロントブラケット4およびリヤブラケット5からなるハウジング6と、このハウジング6内に収納され、回転軸7の両端部がフロントブラケット4およびリヤブラケット5にフロントベアリング8およびリヤベアリング9を介して回転自在に支持された回転子10と、この回転子10の外周に設けられ、フロントブラケット4およびリヤブラケット5とに挟持されて固定された固定子11とを備えている。
また、回転電機部2は、回転軸7を介して回転子10の回転状態を検出する回転センサ12と、リヤブラケット5から突出した回転軸7の先端部に設けられたスリップリング13と、ブラシホルダ14に収納されているとともにスリップリング13に先端面が摺接した一対のブラシ15とを備えている。
さらに、回転子10は、界磁鉄心16と、この界磁鉄心16に巻装された界磁巻線17とを備えている。
この界磁鉄心16の両端面には、それぞれ冷却風を発生させるためのフロントファン18aとリヤファン18bが取り付けられている。また、界磁巻線17は、スリップリング13に接続線19を介して電気的に接続されており、ブラシ15からスリップリング13を介して界磁電流が供給される。さらに、回転子10が取り付けられた回転軸7の一端部は、フロントブラケット4から突出しており、その先端部にベルト23を介してエンジン(図示せず)とトルクを双方向に授受するためのプーリ22が取り付けられている。
一方、固定子11は、固定子鉄心20と、この固定子鉄心20に巻装され、回転子10のフロントファン18aに対向するフロント側コイルエンド部21aおよび回転子10のリヤファン18bに対向するリヤ側コイルエンド部21bを有する電機子巻線21とを備えている。
また、この電機子巻線21におけるフロント側コイルエンド部21aおよびリヤ側コイルエンド部21bには、それぞれ第一の温度検出器101および第二の温度検出器102が取り付けられている。
さらに、プーリ22と反対側のハウジング6の外側に設けられたインバータ装置3は、保護用カバー36で覆われており、電機子巻線21に交流電力を供給し、かつ界磁巻線17に直流電流を通電する直流交流電力相互変換回路部と、この直流交流電力相互変換回路部の動作を制御する制御回路部とを備えている。
この直流交流電力相互変換回路部は、電機子巻線21に交流電力を供給するパワー回路用半導体スイッチング素子28を内包したパワーモジュール29と、界磁巻線17に直流電流を通電する界磁回路用半導体スイッチング素子30を内包した界磁モジュール31と、パワーモジュール29および界磁モジュール31が実装され、放熱用フィン33を有する冷却用のヒートシンク34と、パワーモジュール29の端子、界磁モジュール31の端子(いずれも図示せず)にそれぞれ電気的に接続され、インサート成形されたケース用ターミナル(図示せず)を有するパワーモジュール用ケース32および界磁モジュール用ケース37とを備えている。
なお、ヒートシンク34は、後述する4隅の固定部をリヤブラケット5にボルトなどによりねじ止めすることによって制御回路部が回転電機部2と一体になるように構成されている。また、制御回路部は、パワーモジュール29および界磁モジュール31をそれぞれ駆動制御するための制御回路が形成される制御基板38,39を備えている。
図2は、実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機における電気系統の構成を示す回路図である。
図において、パワーモジュール29および界磁モジュール31は、バッテリ35から電力が供給されるとともに制御回路40によって動作状態が制御されている。なお、パワーモジュール29は、6組の上アームと下アームが直列となる構成であり、下アームのアースがヒートシンク34を介してリヤブラケット5に電気的に接続されている。また、同様に界磁モジュール31のアームのアースもヒートシンク34を介してリヤブラケット5に電気的に接続されている。
次に、上述のような制御装置一体型回転電機1の動作について説明する。
まず、エンジンの始動時には、バッテリ35からインバータ装置3のパワーモジュール29に直流電力が供給されて三相交流電力に変換され、この三相交流電力が電機子巻線21に供給される。一方、界磁モジュール31により制御された界磁電流がブラシ15、スリップリング13、接続線19、界磁巻線17に供給されて回転子10の界磁巻線17に供給され、回転磁界によって回転子10が回転駆動される。この回転子10の回転トルクが回転軸7、プーリ22およびベルト23を介してエンジンに伝達され、エンジンが始動される。
エンジンが始動されると、エンジンの回転トルクがクランクプーリ、ベルト23およびプーリ22を介して回転電機部2に伝達される。これにより、回転子10が回転され、電機子巻線21に三相交流電圧が誘起される。この三相交流電圧は、パワーモジュール29により直流電力に整流され、バッテリ35および電気負荷に供給される。
次に、制御装置一体型回転電機1の冷却の仕組みについて図3を用いて説明する。
まず、回転子10が回転駆動されると、フロントファン18aとリヤファン18bが回転され、図3に矢印で示すように、フロント側では、フロントブラケット4の軸方向内周側に設けられた第一の吸気孔から外気を吸入し、フロントファン18aによって、遠心方向に曲げられ、電機子巻線のフロント側コイルエンド部21aおよびフロントブラケット4を冷却しながらフロントブラケット4の径方向外周側に設けられた排気孔から排出されることになる。
また、リヤ側では、保護用カバー36の径方向外周に設けられた第二の吸気孔から、ヒートシンク34のベース面とリヤブラケット5の後端面の間に存在するヒートシンク34のフィン33間へ流れ、リヤブラケット5のリヤベアリング9の保持部外周に設けられた通風孔を通過した後、リヤファン18bによって、遠心方向に曲げられ、電機子巻線21のリヤ側コイルエンド部21bおよびリヤブラケット5を冷却しながらリヤブラケット5の径方向外周側に設けられた排気孔から排出されることになる。
すなわち、冷却流体がヒートシンク34のフィン33を通過することにより、ヒートシンク34を冷却することができ、パワーモジュール29および界磁モジュール31の温度上昇を抑制することができる。
図4は、リヤブラケット5とフィン33との間の位置で、A−A線に沿ってフロント側からヒートシンク34側を見た図である。パワーモジュール29および界磁モジュール31の温度上昇を低減するため、周方向に複数のフィン33が配置され、フィン33とフィン33との間には、外径側から内径側に冷却流体が通過する通路が形成されている。
ここでは、一例としてフィン33の周方向の厚みが2mm、フィン33とフィン33との間の冷却通路の幅が4mmに設定されており、また、4隅にはリヤブラケット5に固定するための固定部34aが設けられている。
図5は、図4に対し、パワーモジュール29および界磁モジュール31のさらなる温度上昇を低減するため、フィン33とフィン33との間において内径側の冷却流体速度を高めるように、例えば外径側が5mm、内径側が3mmとし、外径側から内径側に行くにしたがって冷却流体通路が徐々に狭くなるように構成されている。
以上のように冷却流体通路を狭く設定した場合、自動車の運転時に自動車用タイヤによる泥水、砂利、小石などの巻き上げが生じると、冷却流体通路が閉塞され易くなり、この冷却流体通路の閉塞によって、パワーモジュール29および界磁モジュール31の冷却が行われず、異常発熱による故障を生じる恐れがある。
また、電機子巻線21は、絶縁被膜によって、固定子鉄心20のスロット内で隣接する巻線間の短絡を防止しているが、冷却流体通路が閉塞された場合、絶縁被膜が異常に高温となり、絶縁破壊温度に達することによって相間短絡を生じる恐れがある。
このような故障を防止するために、実施の形態1においては、電機子巻線21のフロント側コイルエンド部21aに第一の温度検出器101と、リヤ側コイルエンド部21bに第二の温度検出器102を設け、温度検出器101,102の温度差を検出して異常発熱を防止するように構成している。
図6は、この異常発熱を防止する制御系を示すブロック図である。
図において、第一の温度検出器101および第二の温度検出器102に接続され、温度検出器101,102により検出された温度情報を比較し、その温度の差分が予め定められた閾値を超えたとき、冷却流体通路が異常であると判定する判定回路103と、判定回路103の出力を受けて制御信号を発生し、インバータ装置3における制御回路40を制御する出力回路104と、冷却流体通路の異常を表示する表示器105を備えている。
なお、第一の温度検出器101および第二の温度検出器102としては、サーミスタを用いることができ、あるいは熱電対を用いることもできる。
次に、異常発熱を防止する制御系の具体的な動作について説明する。
まず、冷却流体通路が正常である場合、電機子巻線21におけるフロント側コイルエンド部21aの第一の温度検出器101は、温度が150℃程度となり、リヤ側コイルエンド部21bの第二の温度検出器102は、160℃程度となり、両者の温度差は10℃程度を示すことになる。
一方、冷却流体通路が閉塞した場合、冷却作用が十分に行われず、第一の温度検出器101は170℃、第二の温度検出器102は220℃と高温を示すことになり、これらの温度差は50℃程度となる。この温度差50℃を閾値として、検出した温度差が閾値を超えたとき、判定回路103は、冷却流体通路に異常があると判定し、出力回路104を介して制御回路40に出力を供給する。この出力を受けて、制御回路40は、インバータ装置3の電機子巻線21および界磁巻線17の電流を抑制することになり、パワーモジュール29および界磁モジュール31における発熱量を制限することができる。また、このとき、出力回路104の出力によって冷却流体通路に異常があることを表示器105に表示させることにより、冷却流体通路を正常に復帰させる処理を促すことができる。
なお、図3に示すように、フロント側コイルエンド部21aの第一の温度検出器101は、軸方向に厚みt1があり、フロントファン18aのファンブレード幅h1の範囲内に配置されるとともに、同様に、リヤ側コイルエンド部21bの第二の温度検出器102は、軸方向に厚みt2があり、フロントファン18aのファンブレード幅h2の範囲内に配置されている。このため、ファンブレードの外径側は、冷却流体の排出側であり、ファンブレードの位置に適合し、ファンブレードと温度検出器101および温度検出器102とを近接させることによって、車両走行時に発生する制御装置一体型回転電機1の外周部の走行風の影響を受けず、精度よく温度を検知することができるため、冷却流体通路の異常判定を正確に行わせることができる。
図7は、実施の形態1における電機子巻線21の構造を示す斜視図である。
図において、第一の温度検出器101および第二の温度検出器102は、それぞれ固定子11における電機子巻線21のフロント側コイルエンド部21aおよびリヤ側コイルエンド部21bの最内層の内径側に取り付けられている。このような位置に温度検出器101および第二の温度検出器102を配置することによって車両走行時に発生する制御装置一体型回転電機1の外周部の走行風の影響を受け難くなり、温度を精度よく検知することが可能となり、冷却流体通路の異常判定を正確に行わせることができる。
なお、一例として、フロント側コイルエンド部21aの第一の温度検出器101とリヤ側コイルエンド部21bの第二の温度検出器102は、同じ相の巻線部に位置することが望ましく、ここではU相の巻線部に取り付けられている。
このように構成することによって、冷却流体通路に異常がなくても、U相コイルが同一スロット内で層間短絡(レイアショート)すると、U相コイルが異常発熱することがあるが、軸方向の巻線長Lの範囲で第一の温度検出器101と第二の温度検出器102が相互に熱授受を行うことになり、温度が平均化されるため、第一の温度検出器101と第二の温度検出器102の温度差は生じなくなる。したがって、相コイルが同一スロット内で層間短絡(レイアショート)したときに、冷却流体通路の異常を判定させないようにすることもできる。
さらに、他の実施例として、二組三相の電機子巻線21をY結線とした場合、フロント側コイルエンド部21aの第一の温度検出器101とリヤ側コイルエンド部21bの第二の温度検出器102は、三相の中性点接続部に位置することが望ましく、一方の三相のU相、V相、W相の中性点接続をフロント側コイルエンド部21aで行い、他方の三相のX相、V相、W相の中性点接続をリヤ側コイルエンド部21bで行うとともに、中性点接続部にそれぞれ温度検出器101,102を配置することによって、一方の三相のU相、V相、W相および他方の三相のX相、V相、W相がそれぞれ相互に熱授受を行うことになり、それぞれ平準化された温度を検出することができる。この場合、U相、V相、W相、X相、V相、W相の6ペアにそれぞれ温度検出器を配置しなくてもよく、装置を簡略化することができる利点がある。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る制御装置一体型回転電機における冷却作用の制御系を示すブロック図である。
この実施の形態2は、実施の形態1に対し、回転軸7に取り付けられた回転センサ12の出力を判定回路103に供給し、判定回路103の動作を制限するように構成している。
ここで、回転子10のリヤファン18bは、回転軸7と同期して回転するため、冷却流体通路の流量は、回転速度に応じて変化する。また、回転電機部2は、回転数が1000r/min付近で発電を開始し、6000r/min付近まで発電電流が上昇するとともに、6000r/minを超えると、電機子反作用によって発電電流がほぼ一定となる特性を有している。
図9は、電機子巻線21のフロント側コイルエンド部21aにおける第一の温度検出器101と、リヤ側コイルエンド部21bにおける第二の温度検出器102によって得られる温度測定値を示している。コイルエンド部21a,21bの温度変化の特徴は、図9に示すように、冷却流体通路の流量が回転速度に応じて比例関係であること、および回転電機部2が回転子10の回転数1000r/min付近で発電を開始し、6000r/min付近まで発電電流が上昇する特性を有しているために、回転速度が1000〜3000r/minでは、発電電流が冷却流体通路の流量に比べて比較的小さく、コイルエンド部21a,21bの温度は低くなる。一方、回転速度が3000〜6000r/minでは、発電電流の増加に対して、冷却流体通路の流量が小さいため、コイルエンド部21a,21bの温度は高くなり、回転速度が6000r/min以上では、冷却流体通路の流量が大きくなるため、コイルエンド部21a,21bの温度は低下する。
したがって、冷却流体通路が正常である場合、電機子巻線21のフロント側コイルエンド部21aの温度Tf1とリヤ側コイルエンド部21bの温度Tf2の温度差は,約10℃であるが、冷却流体通路に異常がある場合、特に、回転速度が3000〜6000r/minの範囲内において、電機子巻線21のフロント側コイルエンド部21aの温度Tf2とリヤ側コイルエンド部21bの温度Tr2の温度との温度差は、約50℃と大きくなり、顕著な差が生じるため、この回転速度範囲内で検知した温度情報により異常を判定するように判定回路103を構成すれば、精度よく冷却流体通路の異常を検出することが可能となる。
なお、以上の実施の形態においては、冷却流体通路の異常を検出する温度および温度差を特定して説明したが、この値は、制御装置一体型回転電機1の構造により変動するものであり、予め装置を稼働させて望ましい値を選定することにより、冷却流体通路の異常検出を最適なものとすることができる。
また、表示器105は、冷却流体通路に異常がある場合に、車両のインストールパネル内にあるバッテリ警告灯を一定の時間間隔で点滅させることにより、上述の冷却流体通路に異常があることを車両運転者に認識させることができ、冷却流体通路を正常に復帰させる処理を促すことができる。特に、一般的な自動車では、制御装置一体型回転電機が正常である場合は、バッテリ警告灯が消灯し、制御装置一体型回転電機が無発電ないし無制御の場合、バッテリ警告灯が点灯するように構成されているため、バッテリ警告灯を一定の時間間隔で点滅させるという異なる表示形態を採ることにより、バッテリ警告灯を表示器105として兼用することができる。
なお、本願は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1:制御装置一体型回転電機、 2:回転電機部、 3:インバータ装置、
4:フロントブラケット、 5:リヤブラケット、 6:ハウジング、
10:回転子、 11:固定子、 12:回転センサ、 17:界磁巻線、
18a:フロントファン、 18b:リヤファン、 21:電機子巻線、
21a:フロント側コイルエンド部、 21b:リヤ側コイルエンド部、
29:パワーモジュール、 31:界磁モジュール、 33:フィン、
34:ヒートシンク、 35:バッテリ、 40:制御回路、
101:第一の温度検出器、 102:第二の温度検出器、 103:判定回路、
104:出力回路、105:表示器

Claims (9)

  1. フロントブラケットとリヤブラケットからなるハウジング、電機子巻線を有し、前記ハウジングに固定された固定子、前記ハウジングに回転可能に支承され、前記固定子に対向して配置されるとともに、界磁巻線、フロントファンおよびリヤファンが取り付けられた回転子からなる回転電機部と、
    前記リヤブラケット側に設けられ、前記回転電機部を制御するインバータ装置とを備え、前記インバータ装置の冷却流体通路と、前記電機子巻線のリヤ側コイルエンドの冷却流体通路とが連通された制御装置一体型回転電機であって、
    前記電機子巻線のフロント側コイルエンド部に取り付けられた第一の温度検出器と、前記電機子巻線のリヤ側コイルエンド部に取り付けられた第二の温度検出器と、前記第一の温度検出器による温度情報および前記第二の温度検出器による温度情報とを比較し、両者の温度差が予め定められた閾値を超えたとき、前記インバータ装置の冷却流体通路が異常であると判定して出力を発生する判定回路と、この判定回路の出力に基づいて前記インバータ装置を制御する出力回路とを備え、前記判定回路により冷却流体通路の異常を判定したとき、前記回転電機部の動作を抑制することを特徴とした制御装置一体型回転電機。
  2. 前記電機子巻線におけるフロント側コイルエンド部の前記第一の温度検出器は、前記回転子の回転軸方向に厚みを有し、この厚みが前記回転子のファンブレード幅の範囲内に配置されるとともに、ファンブレードの外径側に配置され、
    前記電機子巻線におけるリヤ側コイルエンド部の第二の温度検出器は、前記回転軸方向に厚みを有し、この厚みが前記回転子のファンブレード幅の範囲内に配置されるとともに、ファンブレードの外径側に配置されていることを特徴とした請求項1に記載の制御装置一体型回転電機。
  3. 前記電機子巻線におけるフロント側コイルエンド部の第一の温度検出器とリヤ側コイルエンド部の第二の温度検出器は、電機子巻線の最内層で、かつ同一相の巻線に配置されていることを特徴とした請求項1または2に記載の制御装置一体型回転電機。
  4. 前記電機子巻線は、二組三相のY結線で構成され、前記電機子巻線におけるフロント側コイルエンド部の第一の温度検出器は、一方の三相の中性点接続部に配置され、前記電機子巻線におけるリヤ側コイルエンド部の第二の温度検出器は、他方の三相の中性点接続部に配置されていることを特徴とした請求項1または2に記載の制御装置一体型回転電機。
  5. 前記インバータ装置は、複数のフィンからなるヒートシンクを備え、前記複数のフィンにおける互いに向かい合う相互間には外径側から内径側に向かう冷却流体通路が構成されていることを特徴とした請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置一体型回転電機。
  6. 前記インバータ装置における前記ヒートシンクの互いに向かい合うフィン相互間の冷却流体通路幅は、外径側から内径側に向うに従って徐々に狭く構成されていることを特徴とした請求項5に記載の制御装置一体型回転電機。
  7. 前記回転子の回転を検出する回転センサをさらに備え、前記回転センサによって得られた回転情報を前記判定回路に供給し、予め定められた回転速度の範囲内において前記判定回路による冷却流体通路の異常を判定することを特徴とした請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置一体型回転電機。
  8. フロントブラケットとリヤブラケットからなるハウジング、電機子巻線を有し、前記ハウジングに固定された固定子、前記ハウジングに回転可能に支承され、前記固定子に対向して配置されるとともに、界磁巻線、フロントファンおよびリヤファンが取り付けられた回転子からなる回転電機部と、
    前記リヤブラケット側に設けられ、前記回転電機部を制御するインバータ装置とを備え、前記インバータ装置の冷却流体通路と、前記電機子巻線のリヤ側コイルエンドの冷却流体通路とが連通された制御装置一体型回転電機であって、
    前記電機子巻線のフロント側コイルエンド部に取り付けられた第一の温度検出器と、前記電機子巻線のリヤ側コイルエンド部に取り付けられた第二の温度検出器と、前記第一の温度検出器による温度情報および前記第二の温度検出器による温度情報とを比較し、両者の温度差が予め定められた閾値を超えたとき、前記インバータ装置の冷却流体通路が異常であると判定して出力を発生する判定回路と、この判定回路の出力に基づいて前記インバータ装置を制御する出力回路とを備え、前記出力回路の出力に基づいて冷却流体通路の異常を表示する信号を出力するようにしたことを特徴とした制御装置一体型回転電機。
  9. 前記出力回路の出力によって車両のインストールパネル内にあるバッテリ警告灯を一定の時間間隔で点滅させるようにしたことを特徴とした請求項8に記載の制御装置一体型回転電機。
JP2020066364A 2020-04-02 2020-04-02 制御装置一体型回転電機 Active JP6921265B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020066364A JP6921265B1 (ja) 2020-04-02 2020-04-02 制御装置一体型回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020066364A JP6921265B1 (ja) 2020-04-02 2020-04-02 制御装置一体型回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6921265B1 true JP6921265B1 (ja) 2021-08-18
JP2021164347A JP2021164347A (ja) 2021-10-11

Family

ID=77269501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020066364A Active JP6921265B1 (ja) 2020-04-02 2020-04-02 制御装置一体型回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6921265B1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08163827A (ja) * 1994-12-08 1996-06-21 Mitsubishi Electric Corp 車両用電動機
JP4156542B2 (ja) * 2004-03-03 2008-09-24 三菱電機株式会社 車両用回転電機装置
JP4858001B2 (ja) * 2006-08-09 2012-01-18 株式会社日立製作所 回転電機および発電システム
JP2010239727A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Hitachi Automotive Systems Ltd 車両用交流発電機及び車両用発電電動装置
JP6213397B2 (ja) * 2014-07-03 2017-10-18 株式会社デンソー 回転電機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021164347A (ja) 2021-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7224078B2 (en) Electric rotating machine for vehicle
US7265463B2 (en) Rotary electric apparatus with high cooling performance
US7208918B2 (en) Vehicle rotating electric machine
US8110954B2 (en) Electric rotating machine
JP2007189865A (ja) 制御装置一体型回転電機
WO2005078906A1 (ja) 回転電機
JP6180601B1 (ja) 車両用回転電機
JP3719176B2 (ja) 発電機の保護装置
JP6921265B1 (ja) 制御装置一体型回転電機
JP4815473B2 (ja) 回転電機
US11807250B2 (en) Control apparatus for electric motor and vehicle
JP3591158B2 (ja) ターボ分子ポンプの電源装置
JP2019075909A (ja) 制御装置
JP7002621B1 (ja) 制御装置一体型回転電機
JP2016147577A (ja) 車両用回転電機の冷却装置
US20230238911A1 (en) Motor control system and motor control method
JP2007166900A (ja) 車両用電源装置
JP2005348494A (ja) 回転電機
JP2000125599A (ja) 交流発電機およびそれを用いた車両
JP6544387B2 (ja) 電力変換装置
JP2007181345A (ja) 自動車
WO2021090731A1 (ja) 電動機の制御装置、電動車両、電動機の制御方法
JPH0884471A (ja) 自動車用発電機の冷却装置
CN117413456A (zh) 用于控制逆变器/整流器的装置
JPH01110089A (ja) 可変速誘導電動機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210727

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6921265

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151