JP6920885B2 - 既製コンクリート壁ユニット - Google Patents

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本発明は、複数の既製コンクリート杭が併設されてなる既製コンクリート壁から構成される、既製コンクリート壁ユニットに関するものである。
現在、複数の既製コンクリート杭を地盤内に圧入等して併設させて既製コンクリート壁を構成し、この既製コンクリート壁を間隔を置いて対向配置し、これらの間の地山を掘削し、この掘削の際に所定深度ごとに既製コンクリート壁間に腹起しと切梁を設置しながら掘削を所定深度までおこない、床付けをおこない、既製コンクリート壁間に底版を施工して水路等の既製コンクリート壁ユニットを施工する施工方法が適用されている。
このように既製コンクリート杭を使用することで、この既製コンクリート杭が土留め壁と本体構造壁の双方を兼用することになり、施工期間を大幅に短縮することができる。
上記する既製コンクリート壁ユニットにおいて、背面地山を土留めする二つの対向する既製コンクリート壁とそれらの足元の底版のみでは、既製コンクリート壁を構成する各既製コンクリート杭がいわゆる片持ち梁となることから、実際には、各既製コンクリート杭の頭部がコーピングコンクリート体で一体に繋がれて既製コンクリート壁が構成され、間隔を置いて対向配置された二つの既製コンクリート壁頭部のコーピングコンクリート体同士を、コーピングコンクリート体の長手方向に亘って間隔をおいて配設された複数のストラットで繋いでラーメン構造を形成することにより、既製コンクリート壁ユニットが構成されている。
コーピングコンクリート体が存在しない場合、既製コンクリート杭の片持ち梁構造を解消しようとすると、全ての対向する既製コンクリート杭間にストラットを設けなければならず、構造が煩雑になって不経済である。
このように各既製コンクリート杭の頭部をコーピングコンクリート体で一体に繋ぎ、コーピングコンクリート体の長手方向に亘って間隔をおいて複数箇所で複数のストラットにて対向するコーピングコンクリート体同士を繋ぐことにより、既製コンクリート杭の片持ち梁構造を解消しながら、可及的にシンプルな構成の構造体を形成することができる。したがって、たとえばボックスカルバート等で水路を構成する場合と比べて、工費および工期の面で大きなメリットが享受できる。
ところで、従来の既製コンクリート壁ユニットの設計では、当該ユニットの設計供用期間中に発生する確率が高い中規模の地震動であるレベル1地震動(L1地震動)を対象に耐震設計がおこなわれている。なお、このレベル1地震動に対し、設計供用期間中に発生する確率は低いが大きな強度をもつ地震動をレベル2地震動(L2地震動)と言う。
従来の既製コンクリート壁ユニットは、主として道路擁壁や河川護岸、調整池などへ適用されており、たとえば発電所構造物等、高い要求性能が必ずしも必須とされない構造物に対して適用されていたことが、レベル1地震動による耐震設計で必要十分とされていた理由の一つと考えられる。
レベル1地震動を想定した耐震設計に基づき、既製コンクリート杭やコーピングコンクリート体、ストラット等の構成部材の仕様や、各構成部材同士の接続部の構造が決定されることから、たとえば、既製コンクリート杭とコーピングコンクリート体の接合部の構造、コーピングコンクリート体とストラットの接合部の構造はいずれも簡易なピン構造が採用されている。
今後、既製コンクリート壁ユニットが高い要求性能の課される発電所構造物の各種水路等に適用される場合には、レベル2地震動に基づく耐震設計が必要になることは容易に想定され、各構成部材や各構成部材同士の接続部の構造に関してもレベル2地震動を対象とした耐震設計に基づいて設計されることになる。しかしながら、従来技術においては、レベル2地震動に基づいた耐震設計がおこなわれていないことから、どのような構成部材間の結合構造が好適なのか、また、レベル2地震動を受けた際にどの構成部材の破損の危険性が最も高いのか、といったことについては当然に不明なままである。
上記する、複数の既製コンクリート杭が併設され、各既製コンクリート杭の頭部がコーピングコンクリート体で一体に繋がれてなる既製コンクリート壁が対向配置され、二つの既製コンクリート壁のコーピングコンクリート体同士を複数のストラットで繋いで構成した既製コンクリート壁ユニットに関する特許文献は存在しないが、たとえば特許文献1において、複数の矢板壁を併設し、その背面側に複数の鋼管杭を間隔を置いて配設し、トラス状の地中構造材にて矢板壁と鋼管杭を連結してなる水域構造物が開示されている。
特開平9−296427号公報
特許文献1に開示の水域構造物によれば、従来構造に比して耐荷力が高く、経済性に優れているとしているが、上記する構成の既製コンクリート壁ユニットとは構造が明らかに異なることに加えて、この既製コンクリート壁ユニットが掲げる上記する課題、すなわち、レベル2地震動に対する耐震性に優れた既製コンクリート壁ユニットを提供することはできない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、レベル1地震動は勿論のこと、レベル2地震動に対する耐震性に優れた既製コンクリート壁ユニットを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による既製コンクリート壁ユニットは、複数の既製コンクリート杭が併設され、各既製コンクリート杭の頭部がコーピングコンクリート体で一体に繋がれてなる既製コンクリート壁と、間隔を置いて対向配置された二つの前記既製コンクリート壁の前記コーピングコンクリート体同士を、該コーピングコンクリート体の長手方向に亘って間隔をおいて複数箇所で繋ぐ複数のストラットと、二つの前記既製コンクリート壁間に亘って形成される底版と、から構成され、前記既製コンクリート杭の頭部と前記コーピングコンクリート体の結合部が剛結合構造を有しており、かつ、前記コーピングコンクリート体と前記ストラットの結合部が剛結合構造を有しているものである。
本発明の既製コンクリート壁ユニットは、既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部が剛結合構造を有し、かつ、コーピングコンクリート体とストラットの結合部も剛結合構造を有していることに特徴を有している。これら各構成部材同士の接続部がいずれも剛結合構造を有していることで、レベル2地震に対しても十分な構造耐力を有するユニットが形成されることが本発明者等によって特定されている。
なお、レベル2地震動に対処するべく、構造物の構成部材同士の接続部を剛結合とすることは従来一般の技術のように考えられ、たとえば、構造形式は違うものの、たとえば壁や床版、底版同士が剛結合されているボックスカルバートなどが想起できる。しかしながら本発明は、これまで、レベル2地震動に基づく耐震設計がなされてこなかった既製コンクリート壁からなる既製コンクリート壁ユニットにおいて、その構成部材同士の結合構造としてレベル2地震動に対処可能な剛結合構造が必須であることを特定した本発明者等による検証結果に基づくものであり、従来技術では想定し得ない技術思想および設計思想に立脚するものであることを付言する。
本発明の対象とする既製コンクリート壁ユニットは、従来の道路擁壁や河川護岸、調整池などに適用されてもよいことは勿論であるが、レベル2地震動に対する耐震性能にも優れていることから、当該レベル2地震動に基づく耐震設計が一般に要求されている、社会的重要性の高い発電所施設の水路構造体等に好適である。
剛結合構造としては、一方の部材の主筋を所定長さ他方の部材に定着させた構造、一方の部材の主筋の端部に固定された支圧プレート等を他方の部材に埋設させた構造、既製コンクリート杭の直径もしくは断面最大寸法長さだけ頭部をコーピングコンクリート体に埋設した構造など、多様な構造形式がある。
たとえば、既製コンクリート杭にはその内部に中空部が備えてあるのが好ましい。既製コンクリート壁ユニットがたとえば水路に適用される場合、流水による振動が既製コンクリート壁の外周に伝播される可能性があるが、既製コンクリート杭に中空部が備えてあることで、中空部を通過する波に位相差が生じ、振動減衰効果が期待できる。さらに、中空部があることで既製コンクリート杭の軽量化を図ることもでき、施工性がより一層良好になる。
このように中空部を有する既製コンクリート杭を使用する場合でも、既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部を剛結合構造とするべく、既製コンクリート杭の頭部の中空部には補強鉄筋の根元が配設された状態で間詰めコンクリートが充填され、既製コンクリート杭の頭部から上方に突出した所定長の補強鉄筋がコーピングコンクリート体に埋設された構成の剛結合構造などを適用できる。既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部にこの種の剛結合構造を適用することで、既製コンクリート杭の杭頭モーメントをコーピングコンクリート体に良好に伝達可能になる。
また、対向する双方の既製コンクリート壁を構成するコーピングコンクリート体同士をその長手方向に亘って間隔をおいて複数箇所で繋ぐ複数のストラットがコーピングコンクリート体と剛結合構造を有していることで、複数のストラットによって既製コンクリート壁の片持ち構造を解消しながら、ストラットに生じる応力、特に端部応力をコーピングコンクリート体に良好に伝達することができる。
なお、既製コンクリート杭と底版の接合は、たとえば既製コンクリート杭からスタッドジベルを突出させておき、このスタッドジベルを埋設するようにして底版コンクリートが施工されることで双方の接合がおこなわれ、この形式の結合構造はピン結合に近いものとなる。しかしながら、既製コンクリート壁がその全長に亘って底版と接続しており、この底版には既製コンクリート壁ユニットの長手方向に亘って当該スタッドジベルと交差するように主筋が配設されていること、さらには、底版そのものが剛性の大きな盤であること等から、双方の結合構造はピン結合で必要十分となる。
このように、既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部が剛結合構造を有し、かつ、コーピングコンクリート体とストラットの結合部も剛結合構造を有していることで、レベル2地震動に基づく耐震設計において各構成部材が耐力上問題ないことが本発明者等によって検証されている。
また、本発明による既製コンクリート壁ユニットの他の実施の形態は、複数の既製コンクリート杭が併設され、各既製コンクリート杭の頭部がコーピングコンクリート体で一体に繋がれてなる既製コンクリート壁と、間隔を置いて対向配置された二つの前記既製コンクリート壁の前記コーピングコンクリート体同士を、該コーピングコンクリート体の長手方向に亘って間隔をおいて複数箇所で繋ぐ複数のストラットと、二つの前記既製コンクリート壁間に亘って形成される底版と、から構成され、前記コーピングコンクリート体が所定の間隔ごとに構造目地を備えているものである。
この実施の形態は、既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部の結合構造、およびコーピングコンクリート体とストラットの結合部の結合構造を限定しておらず、したがって、双方の結合構造が既述する剛結合構造であってもよいし、ピン結合構造であってもよいし、剛結合とピン結合の間の半剛結合構造であってもよい。すなわち、既述する実施の形態では各構成部材間の結合構造として剛結合構造を必須としているが、本実施の形態のように結合構造に剛結合構造を適用しなくてもコーピングコンクリート体に所定の間隔ごとに構造目地を設けておくことでもレベル2地震動に対する耐震性に優れた既製コンクリート壁ユニットを提供できるものである。尤も、レベル2地震動に対する構造耐力を備えている結合構造として既述する剛結合構造が望ましいことから、構造部材間の結合構造が剛結合構造を有していて、かつコーピングコンクリート体が所定の間隔ごとに構造目地を備えている既製コンクリート壁ユニットとすることで、たとえばコーピングコンクリート体の断面寸法を過度に大きくせずにレベル2地震動に対する耐震性に優れた既製コンクリート壁ユニットを形成できることから、望ましい形態と言える。
特にレベル2地震動が帯状の既製コンクリート壁ユニット(水路構造物等)に入力された場合、その長手方向(縦断方向)において既製コンクリート壁には面外の曲げモーメントが生じる。そして、既製コンクリート壁を構成する各既製コンクリート杭は、基本的に足元で底版に拘束され、頭部でコーピングコンクリート体に拘束されるのみであって、既製コンクリート杭同士は直接接続されていないことから、上記する既製コンクリート壁の長手方向に生じる面外の曲げモーメントは足元の底版と頭部のコーピングコンクリート体に作用することになる。
既述するように、底版は剛性が大きなことから、各既製コンクリート杭の足元から面外の曲げモーメントが底版に作用しても耐力上問題にはなり難い一方で、頭部のコーピングコンクリート体は線状(帯状)構造物であり、底版に比して剛性は格段に小さいことから、各既製コンクリート杭の頭部から面外の曲げモーメントが作用した際に耐力上問題が生じる可能性が十分にある。
そこで、本実施の形態では、コーピングコンクリート体が所定の間隔ごとに構造目地を備えていることにより、コーピングコンクリート体は所定の間隔ごとに構造上縁切りされた構成となる。このことにより、既製コンクリート壁の長手方向に生じ得る面外の曲げモーメントそのものを可及的に抑制することができ、コーピングコンクリート体に過度の面外の曲げモーメントが作用しないようにして、コーピングコンクリート体の構造耐力上の問題を解消するものとした。そして、コーピングコンクリート体には過度の面外の曲げモーメントが作用しないことから、コーピングコンクリート体の断面寸法が過度に大きくなることも解消できる。
設定するレベル2地震動の大きさや適用する既製コンクリート杭の仕様、コーピングコンクリート体の仕様等(既製コンクリート杭の断面剛性、コーピングコンクリート体の断面剛性、底版とコーピングコンクリート体までの離間距離等)によっても相違するが、例えば700mm程度の方形断面の既製コンクリート杭を使用し、幅1400mm×高さ800〜1200mm程度の断面寸法のコーピングコンクリート体を使用し、底版とコーピングコンクリート体までの離間距離を7m程度に設定した際に、コーピングコンクリート体の長手方向に5m間隔程度でストラットを配設するとともに、コーピングコンクリート体の長手方向に5m間隔程度で構造目地を設けて構造上縁切りすることにより(したがって、5m離れた2つのストラットの中央に構造目地がある)、レベル2地震動に対してもコーピングコンクリート体が構造耐力上問題ないことが本発明者等によって検証されている。
また、本発明による既製コンクリート壁ユニットの好ましい実施の形態は、前記既製コンクリート杭の側面には該既製コンクリート杭の長手方向に延びる半割り溝が設けられており、隣接する二つの既製コンクリート杭の前記側面同士が対向した際に、それぞれ対応する前記半割り溝から充填孔が形成され、前記充填孔にはベントナイト混合土体が配設されているものである。
基本的には複数の既製コンクリート杭が併設された構成であることから、水路等に適用される場合には常時の潮位変動や地震時の側圧変化により、既製コンクリート杭間に目開きや目違いが生じ、止水性が担保されない可能性がある。
そこで、既製コンクリート杭の側面において該既製コンクリート杭の長手方向に延びるたとえば一つの半割り溝を設けておき、隣接する既製コンクリート杭の側面同士が対向した際に、双方の半割り溝から一つの充填孔が形成され、この充填孔にモルタル硬化体を配設する形態などが考えられる。このモルタル硬化体により、常時の潮位変動やたとえばレベル1地震動相当の地震時の側圧変化に対して生じ得る既製コンクリート杭間の目開きや目違いを抑制することが可能になる。
しかしながら本実施の形態は、一つの充填孔に形成されるモルタル硬化体に代えて、ベントナイト混合土体を配設するものである。ベントナイト混合土体は、一般に透水性が低く、塑性変形特性あるいは膨潤性を有していることから、モルタル硬化体に比して止水性と可撓性(変形追随性)が良好である。そのため、レベル2地震時における大きな側圧変動に起因して既製コンクリート杭間の目開きや目違いが大きくなった場合でも、ベントナイト混合土体は良好に変形してここにクラック等が発生することが抑制され、その良好な止水性と相俟って既製コンクリート壁ユニットの良好な止水性を担保することが可能になる。
また、本発明による既製コンクリート壁ユニットの好ましい実施の形態は、前記既製コンクリート杭の側面には該既製コンクリート杭の長手方向に延びる二つの半割り溝が設けられており、隣接する二つの既製コンクリート杭の前記側面同士が対向した際に、それぞれ対応する前記半割り溝から二つの充填孔が形成され、一方の前記充填孔にはモルタル硬化体が配設され、他方の前記充填孔にはベントナイト混合土体が配設されているものである。
本実施の形態は、隣接する既製コンクリート杭間に形成された二つの充填孔の一方にモルタル硬化体が配設され、他方にベントナイト混合土体が配設されているものである。ここで、充填孔におけるモルタル硬化体の形成方法は、たとえば充填孔にモルタルを直接充填し、硬化を待ってモルタル硬化体を形成してもよいし、ジャケット袋等にモルタルを充填し、硬化する前にこのジャケット袋等を充填孔に配設し、充填孔内に配設されたジャケット袋内でモルタルが硬化することでモルタル硬化体を形成してもよいし、充填孔にジャケット袋を挿入した後にジャケット袋内にモルタルを充填し、硬化を待ってモルタル硬化体を形成する等の方法であってもよい。
一方の充填孔にモルタル硬化体が配設されていることにより、既述するように、常時の潮位変動やたとえばレベル1地震動相当の地震時の側圧変化に対して生じ得る既製コンクリート杭間の目開きや目違いを抑制することが可能になる。また、このモルタル硬化体による常時やレベル1地震時の既製コンクリート杭間の目開き抑制効果や目違い抑制効果により、他方の充填孔に配設されているベントナイト混合土体の摩耗や劣化を抑制することもできる。
一方、他方の充填孔に配設されているベントナイト混合土体は、既述するように透水性が低く、塑性変形特性あるいは膨潤性を有していることから、モルタル硬化体に比して止水性と可撓性(変形追随性)が良好であり、レベル2地震時に無筋のモルタル硬化体にクラック等が生じた場合でも、ベントナイト混合土体は良好に変形してここにクラック等が発生することが抑制される。
なお、前記既製コンクリート壁の背面に地山が存在する場合においては、地山側に前記ベントナイト混合土体を配設しておくのが好ましい。
また、上記するように二つの充填孔の一方にモルタル硬化体が配設され、他方にベントナイト混合土体が配設されている施工方法としては、以下の施工方法が好ましい。
すなわち、原地盤に複数の既製コンクリート杭を併設配置した後、隣接する二つの既製コンクリート杭の間に二つの充填孔が形成されている状態において、まず、一方の充填孔(たとえば水路の場合、既製コンクリート壁の水路側となる内側の充填孔)にモルタル硬化体を施工し、次いで、他方の充填孔(水路の場合、既製コンクリート壁の背面の地山側となる外側の充填孔)にベントナイト混合土体を施工するのが望ましい。
水路側の充填孔に先行してモルタル硬化体を施工しておくことで、流動性の高いベントナイト混合土を外側の充填孔に充填した際にこのベントナイト混合土が水路内空側に漏出するのを防止することが可能になる。
所定延長となるように複数の既製コンクリート杭が併設して原地盤内に設置され、隣接する二つの既製コンクリート杭間の二つの充填孔にモルタル硬化体とベントナイト混合土体がその順で施工された後、各既製コンクリート杭の頭部をコーピングコンクリート体で一体に繋いで既製コンクリート壁を施工し、対向する既製コンクリート壁間の掘削やストラットの施工、床付け後の底版の施工が順次おこなわれることで既製コンクリート壁ユニットが施工される。
さらに、本発明による既製コンクリート壁ユニットの好ましい実施の形態は、少なくとも前記構造目地に対応する位置に前記ベントナイト混合土体が配設されているものである。
ここで、「少なくとも構造目地に対応する位置にベントナイト混合土体が配設されている」とは、多数のベントナイト混合土体が存在する中で、構造目地が存在する箇所には必ずベントナイト混合土体が配設されていることを意味しており、「対応する位置」とは、構造目地に一致する位置の他に構造目地の近傍位置も含まれる意味である。
たとえば既製コンクリート壁ユニットに対してレベル2地震動が作用し、構造目地を境界として仮にコーピングコンクリート体が割裂分離した場合でも、隣接する二つの既製コンクリート杭間にあるベントナイト混合土体が構造目地に対応する位置に存在することから、コーピングコンクリート体の割裂分離に呼応して隣接する二つの既製コンクリート杭同士が目開きした際に塑性変形特性あるいは膨潤性のあるベントナイト混合土体によって既製コンクリート壁ユニットの止水性を確保することができる。
本発明の既製コンクリート壁ユニットによれば、既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部が剛結合構造を有し、かつ、コーピングコンクリート体とストラットの結合部も剛結合構造を有していることで、レベル2地震動に対する耐震性に優れた既製コンクリート壁ユニットを提供することができる。また、コーピングコンクリート体が所定の間隔ごとに構造目地を備えていることによっても、レベル2地震動に対する耐震性に優れた既製コンクリート壁ユニットを提供することができる。
本発明の既製コンクリート壁ユニットの実施の形態を示した斜視図である。 既製コンクリート壁ユニットの縦断面図である。 図2のIII部の拡大図であって、既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部の構造を説明した図である。 図3のIV−IV矢視図である。 図2のV−V矢視図である。 コーピングコンクリート体とストラットの結合部の構造を説明した図である。 構造目地とベントナイト混合土体の位置関係を説明した模式図である。 (a)、(b)ともに、隣接する二つの既製コンクリート杭間の他の構成形態を説明するとともに、構造目地とベントナイト混合土体の位置関係を説明した模式図である。 (a)、(b)、(c)の順に、隣接する二つの既製コンクリート杭間にある二つの充填孔にモルタル硬化体とベントナイト混合土体を施工する手順を説明した図である。 レベル2地震動に基づく構造解析の際に用いた、既製コンクリート壁ユニットと地山のモデルを模擬した図である。
以下、図面を参照して本発明の既製コンクリート壁ユニットの実施の形態を説明する。なお、図示例の既製コンクリート壁ユニットは、既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部が剛結合構造を有し、かつ、コーピングコンクリート体とストラットの結合部も剛結合構造を有し、さらに、コーピングコンクリート体が所定の間隔ごとに構造目地を備えている形態であるが、レベル2地震動に対する耐震性能を有する既製コンクリート壁ユニットであれば、たとえば、上記各結合構造がピン結合もしくは半剛結合構造であって、コーピングコンクリート体が所定の間隔ごとに構造目地を備えている形態などであってもよい。さらに、図示例の既製コンクリート壁ユニットは発電所施設等の水路構造体を用途としたものであるが、道路擁壁や河川護岸、調整池などを用途としてもよいことは勿論のことである。
(既製コンクリート壁ユニットの実施の形態)
図1は本発明の既製コンクリート壁ユニットの実施の形態を示した斜視図であり、図2は既製コンクリート壁ユニットの縦断面図であり、図3は図2のIII部の拡大図であって、既製コンクリート杭の頭部とコーピングコンクリート体の結合部の構造を説明した図であり、図4は図3のIV−IV矢視図であり、図5は図2のV−V矢視図である。なお、図1は、既製コンクリート杭の頭部を図示するべく、コーピングコンクリート体を途中位置で切断している。
図示する既製コンクリート壁ユニット10は、複数の既製コンクリート杭1が併設され、各既製コンクリート杭1の頭部がコーピングコンクリート体2で一体に繋がれてなる既製コンクリート壁3と、間隔を置いて対向配置された二つの既製コンクリート壁3,3のコーピングコンクリート体2,2同士をコーピングコンクリート体2の長手方向に亘って間隔をおいて複数箇所で繋ぐ複数のストラット4,…と、二つの既製コンクリート壁3,3間に亘って形成される底版5と、から大略構成されている。
図1で示す既製コンクリート壁ユニット10は、レベル2地震動に基づく耐震設計が要求される、発電所施設等の水路構造体であり、所定深度の水Wが流れている。
既製コンクリート杭1は断面形状が略方形を呈しており、その中央に中空部1aを備え、さらに、隣接する二つの既製コンクリート杭1,1の対向側面間には二つの充填孔7A,7Bが形成され、水路内空側の充填孔7Aにはモルタル硬化体8Aが配設され、背面地山側の充填孔7Bにはベントナイト混合土体8Bが配設されている。
隣接する既製コンクリート杭1同士は基本的に相互に接続されておらず、それらの頭部がコーピングコンクリート体2を介して一体化され、下方位置では底版5にて足元が固定されている。なお、図2で示すように、ここでは、底版5の下方にある均しコンクリート層Cおよび砕石層Mの下方地盤が中層混合処理による地盤改良層Rを有しているが、地盤性状が良好な場合にはこの地盤改良層Rは不要となる。
図1に戻り、コーピングコンクリート体2は、その長手方向に亘って所定の間隔s1ごとに構造目地6が設けられており、各構造目地6によって構造上はコーピングコンクリート体2が所定の間隔s1ごとに縁切りされている。図示例においては、コーピングコンクリート体2に設けられた構造目地6,6間の中央位置にストラット4が配設されており、したがってストラット4も同様の間隔s1ごとに設けられている。
既製コンクリート杭1の頭部とコーピングコンクリート体2の結合部の構造は、図3で示すように、既製コンクリート杭1の中空部1aの上方に補強鉄筋T1の根元が配設された状態で間詰めコンクリートNが充填され、既製コンクリート杭1の頭部から上方に突出した所定長t1の補強鉄筋T1がコーピングコンクリート体2に埋設された構成の剛結合構造となっている。なお、既製コンクリート杭1の頭部はコーピングコンクリート体2にたとえば100mm程度埋設されている。また、中空部1a内における間詰めコンクリートNの充填深さは、既製コンクリート杭1の頭部の補強具合とコーピングコンクリート体2との間の剛結合構造への影響度等を勘案して適宜設定される。
図3のIV−IV矢視図である図4で示すように、剛結合構造を構成するべく、ここでは六本の補強鉄筋T1が適用されている。また、図4には、既製コンクリート杭1の二つの側面においてそれぞれ二つの半割り溝1b、1cが開設されている。図1で示すように、隣接する二つの既製コンクリート杭1,1の対向する側面のそれぞれ対応する半割り溝1b、1bから水路内空側の充填孔7Aが形成され、対応する半割り溝1c、1cから背面地山側の充填孔7Bが形成される。
一方、コーピングコンクリート体2とストラット4の結合部の構造は、図5,6で示すように、ストラット4の有する長手方向に延びる主筋T4(T5は主筋T4を包囲するフープ筋)を所定長t2だけコーピングコンクリート体2に埋設させ、コーピングコンクリート体2の長手方向に延びる主筋T2と交差させた構成の剛結合構造となっている。なお、コーピングコンクリート体2では、複数の主筋T2がその長手方向に所定間隔で配設されたフープ筋T3で包囲されており、この構成のコーピングコンクリート体2の配筋内にストラット4の複数の主筋T4が埋め込まれている。
このように、既製コンクリート壁ユニット10では、既製コンクリート杭1の頭部とコーピングコンクリート体2の結合部が剛結合構造を有しており、かつ、コーピングコンクリート体2とストラット4の結合部も同様に剛結合構造を有している。さらに、コーピングコンクリート体2には、その長手方向に亘って所定の間隔s1ごとに構造目地6が備えてある。
なお、図示を省略するが、既製コンクリート杭1における底版5が施工される箇所にはスタッドジベル等が打込まれ、その一部が底版5のコンクリート内に埋設されるようにして既製コンクリート壁3と底版5の接続がおこなわれている。
後述するように、レベル2地震動が図示する帯状の既製コンクリート壁ユニット10に入力された場合、その長手方向において既製コンクリート壁3には面外の曲げモーメントが生じ、既製コンクリート壁3を構成する各既製コンクリート杭1は、基本的に足元と頭部で底版5とコーピングコンクリート体2にて拘束されているに過ぎないことから、この面外の曲げモーメントは底版5とコーピングコンクリート体2に作用することになる。底版5は剛性が大きなことから耐力上問題にはならないが、コーピングコンクリート体2は線状構造物であって底版5に比して剛性が格段に小さいことから、面外の曲げモーメントが作用した際に耐力上問題が生じる可能性がある。
しかしながら、既製コンクリート壁ユニット10においては、コーピングコンクリート体2が所定の間隔s1ごとに構造目地6を備えていることにより、コーピングコンクリート体2は所定の間隔s1ごとに構造上縁切りされ、したがって、既製コンクリート壁3の長手方向に生じ得る面外の曲げモーメントそのものを可及的に抑制することができ、コーピングコンクリート体2に過度の面外の曲げモーメントが作用しない。このように、コーピングコンクリート体2に過度の面外の曲げモーメントが作用しないことから、コーピングコンクリート体2の断面寸法が過度に大きくなることが解消される。
まず、図1で示すように、既製コンクリート壁ユニット10においては、隣接する二つの既製コンクリート杭1,1の対向側面間に二つの充填孔7A,7Bが形成され、水路内空側の充填孔7Aにはモルタル硬化体8Aが配設され、背面地山側の充填孔7Bにはベントナイト混合土体8Bが配設されている。
図7は、隣接する二つの既製コンクリート杭1,1の界面を拡大した図である。水路内空側の充填孔7Aにモルタル硬化体8Aが配設されていることにより、常時の潮位変動やたとえばレベル1地震動相当の地震時の側圧変化に対して生じ得る既製コンクリート杭1,1間の目開きや目違いを抑制することができ、このモルタル硬化体8Aによる常時やレベル1地震時の既製コンクリート杭1,1間の目開き抑制効果や目違い抑制効果により、背面地山側の充填孔7Bに配設されているベントナイト混合土体8Bの摩耗や劣化を抑制することができる。
一方、背面地山側の充填孔7Bに配設されているベントナイト混合土体8Bは、透水性が低く、塑性変形特性あるいは膨潤性を有していることから、モルタル硬化体8Aに比して止水性と変形追随性が良好であり、そのために、レベル2地震時における大きな側圧変動に起因して既製コンクリート杭1,1間の目開きや目違いが大きくなり、モルタル硬化体8Aにクラック等が生じた場合でもベントナイト混合土体8Bは良好に変形してここにクラック等が発生することが抑制され、その良好な止水性と相俟って既製コンクリート壁ユニット10の止水性を担保することができる。なお、モルタル硬化体8Aによってベントナイト混合土体8Bの常時等における摩耗や劣化が抑制されることで、レベル2地震時にその効果が期待されるベントナイト混合土体8Bの良好な状態を維持することができる。
また、図7で示すように、隣接する二つの既製コンクリート杭1,1の界面とコーピングコンクリート体2に形成されている構造目地6の位置は一致しており、したがって、この界面にあるモルタル硬化体8Aやベントナイト混合土体8Bは構造目地6に一致する(対応する)位置にある。
この構成により、既製コンクリート壁ユニット10に対してレベル2地震動が作用し、構造目地6を境界として仮にコーピングコンクリート体2が割裂分離した場合でも、この割裂分離に呼応して隣接する二つの既製コンクリート杭1,1同士が目開きした際に、塑性変形特性あるいは膨潤性のあるベントナイト混合土体8Bによって既製コンクリート壁ユニット10の十分な止水性が確保される。
また、隣接する二つの既製コンクリート杭1,1の界面の構成形態は、図1,7で示す形態(モルタル硬化体8Aとベントナイト混合土体8Bが存在する形態)以外にも、図8(a)、(b)で示す形態がある。
図8(a)、(b)で示す形態はいずれも、既製コンクリート杭1の側面に一つの半割り溝1cが設けられ、隣接する二つの既製コンクリート杭1,1の側面同士が対向した際にそれぞれの半割り溝1c、1cから一つの充填孔7B,7B’が形成され、この一つの充填孔7B,7B’にベントナイト混合土体8B,8B’が配設されているものである。
図8(a)で示す形態は、界面の中央位置よりも地山側にベントナイト混合土体8Bが配設された形態であり、図8(b)で示す形態は、界面の背面地山側から水路内空側に亘って細長い充填孔7B’にベントナイト混合土体8B’が配設されているものである。
いずれの形態であっても、構造目地6に対応する位置にベントナイト混合土体8B,8B’が配設されていることから、図7で示す形態と同様、二つの既製コンクリート杭1,1同士が目開きした際に、塑性変形特性あるいは膨潤性のあるベントナイト混合土体8B、8B’によって既製コンクリート壁ユニット10の十分な止水性が確保される。
次に、図9を参照して、隣接する二つの既製コンクリート杭間にある二つの充填孔(図7で示す構成形態)にモルタル硬化体とベントナイト混合土体を施工する手順を説明する。
図9(a),(b),(c)はこの順に施工手順を示している。まず、図9(a)で示すように、地山Gに複数の既製コンクリート杭1,…を併設配置した後、隣接する二つの既製コンクリート杭1,1間において二つの充填孔7A,7Bが形成される。
図9(b)で示すように、二つの充填孔7A,7Bのうち、まず、既製コンクリート壁3の水路内空側の充填孔7Aにモルタル硬化体8Aを施工する。ここで、充填孔7Aにおけるモルタル硬化体8Aの施工方法は、充填孔7Aにモルタルを直接充填し、硬化を待ってモルタル硬化体8Aを形成してもよいし、ジャケット袋等にモルタルを充填し、硬化する前にこのジャケット袋等を充填孔7Aに配設し、充填孔7A内に配設されたジャケット袋内でモルタルが硬化することでモルタル硬化体8Aを形成する方法であってもよい。
各充填孔7Aにてモルタル硬化体8Aを施工した後、図9(c)で示すように、背面地山側の充填孔7Bにベントナイト混合土体8Bを施工する。
このように水路内空側の充填孔7Aに先行してモルタル硬化体8Aを施工しておくことで、流動性の高いベントナイト混合土を背面地山側の充填孔7Bに充填した際にこのベントナイト混合土8Bが水路内空側に漏出するのを防止することができる。
(レベル2地震動に基づく耐震設計による検証とその結果)
本発明者等は、コンピュータ内にて、ある施工場所の土質をモデル化するとともに、既製コンクリート壁ユニットのフレームモデルを作成し、所定深さの水が収容されている状態を模擬し、動的設計応答変位法に基づくレベル2地震動に対する耐震設計をおこなった。
図10はこの耐震設計におけるモデルを模擬した図である。既製コンクリート壁ユニットを構成する既製コンクリート壁を梁B1とし、ストラットを梁B2とし、底版を梁B3とし、梁B1,B2の節点を剛結合とし、梁B1,B3の節点をピン結合としてモデル化している。なお、既製コンクリート壁をモデル化した梁B1は複数の既製コンクリート杭とコーピングコンクリート体が剛結合された梁である。各地層G1,G2,…の土質性状に応じた地盤バネS1と周面せん断バネS2を設定し、地震時の動水圧Pをフレームモデルに作用させるとともに、レベル2地震時の地盤応答変位Dを二本の梁B1にそれぞれ付与し、既製コンクリート壁ユニットモデルを構成する各梁B1,B2,B3の断面力を照査した。
なお、このモデル化において、ストラットの断面寸法は幅1100mm×高さ1000mmで、所定径の主鉄筋を所定本数配筋し、コーピングコンクリート体の断面寸法は幅1400mm×高さ1200mmで、所定径の主鉄筋を所定本数配筋している。
検証の結果、ストラットについてはレベル2地震時の曲げ耐力およびせん断耐力ともに終局耐力以下であることが確認され、コーピングコンクリート体についてはレベル2地震時の曲げ耐力およびせん断耐力ともに終局耐力以下であること、および、曲げおよびねじり耐力とせん断およびねじり耐力も終局耐力以下であることが確認されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…既製コンクリート杭、1a…中空部、1b、1c…半割り溝、2…コーピングコンクリート体、3…既製コンクリート壁、4…ストラット、5…底版、6…構造目地、7A,7B,7B’…充填孔、8A…モルタル硬化体、8B,8B’…ベントナイト混合土体、10…既製コンクリート壁ユニット、G…地山

Claims (7)

  1. 複数の既製コンクリート杭が併設され、各既製コンクリート杭の頭部が、該複数の既製コンクリート杭が併設される方向である第一長手方向に延びるコーピングコンクリート体で一体に繋がれてなる既製コンクリート壁と、
    間隔を置いて対向配置された二つの前記既製コンクリート壁の前記コーピングコンクリート体同士を、該コーピングコンクリート体の前記第一長手方向に亘って間隔をおいて複数箇所で繋ぐ複数のストラットと、
    二つの前記既製コンクリート壁間に亘って形成される底版と、から構成され、
    前記既製コンクリート杭の頭部と前記コーピングコンクリート体の結合部が剛結合構造を有しており、かつ、前記コーピングコンクリート体と前記ストラットの結合部が剛結合構造を有している、既製コンクリート壁ユニット。
  2. 複数の既製コンクリート杭が併設され、各既製コンクリート杭の頭部が、該複数の既製コンクリート杭が併設される方向である第一長手方向に延びるコーピングコンクリート体で一体に繋がれてなる既製コンクリート壁と、
    間隔を置いて対向配置された二つの前記既製コンクリート壁の前記コーピングコンクリート体同士を、該コーピングコンクリート体の前記第一長手方向に亘って間隔をおいて複数箇所で繋ぐ複数のストラットと、
    二つの前記既製コンクリート壁間に亘って形成される底版と、から構成され、
    前記コーピングコンクリート体が所定の間隔ごとに構造目地を備えている、既製コンクリート壁ユニット。
  3. 前記既製コンクリート杭の頭部と前記コーピングコンクリート体の結合部が剛結合構造を有しており、かつ、前記コーピングコンクリート体と前記ストラットの結合部が剛結合構造を有している、請求項2に記載の既製コンクリート壁ユニット。
  4. 前記既製コンクリート杭の側面には該既製コンクリート杭の足元と頭部を繋いだ方向である第二長手方向に延びる半割り溝が設けられており、
    隣接する二つの既製コンクリート杭の前記側面同士が対向した際に、それぞれ対応する前記半割り溝から充填孔が形成され、
    前記充填孔にはベントナイト混合土体が配設されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の既製コンクリート壁ユニット。
  5. 前記既製コンクリート杭の側面には該既製コンクリート杭の足元と頭部を繋いだ方向である第二長手方向に延びる二つの半割り溝が設けられており、
    隣接する二つの既製コンクリート杭の前記側面同士が対向した際に、それぞれ対応する前記半割り溝から二つの充填孔が形成され、
    一方の前記充填孔にはモルタル硬化体が配設され、他方の前記充填孔にはベントナイト混合土体が配設されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の既製コンクリート壁ユニット。
  6. 前記既製コンクリート壁の背面に地山が存在する場合において、地山側に前記ベントナイト混合土体が配設されている請求項5に記載の既製コンクリート壁ユニット。
  7. 少なくとも前記構造目地に対応する位置に前記ベントナイト混合土体が配設されている、請求項2または3に従属する場合の請求項4〜6のいずれか一項に記載の既製コンクリート壁ユニット。
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