本明細書における「実施形態」、「1実施形態」や、「種々の実施形態」等への言及は、その実施形態に関連して記載される少なくとも1つの特別の形態、構造又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すことを意図している。従って、本明細書の様々な箇所に存在し得る「実施形態において」、「1実施形態において」、「種々の実施形態において」等の言葉使い(言い回し、語句)は、必ずしも全く同じ実施形態に言及しているとは限らず、代わって、異なる実施形態に言及していることもある。更に、本明細書の文脈で説明(定義)されている特別(特有)の形態、構造又は特徴は、あらゆる適当なやり方(方法)で、記載されているものとは異なっていてさえ良い、1つ以上の実施形態に結合されても良い。特に図の例について、この中に用いられている参照番号及び空間的基準(例えば、「より上の」、「より下の」、「最上面」、「底面」、「前面」、「背面」、「垂直の」等)は、単に、便宜上与えられているものであり、従って、保護の範囲、若しくは実施形態の範囲、を限定するものではない。図の中では、類似する要素、若しくは技術的に互いに均等である要素、を示す為に、同一の参照番号が用いられている。
図1に、一般的なコンテナ、特に自動車両(自動車、動力車、motor vehicle)のタンク、が全体として1で示されている。本明細書の続きにおいて、(単純化の為に、「タンク」とも言う)このコンテナ1は、好ましくは、液状添加物又は還元剤を含むように設計され、そして、ブロック2で概略的に示される内燃機関の排ガス処理用システムの一部をなすように設計されるものとすることができる。種々の実施形態において、この処理システム2は、内燃機関、例えば、自動車両のディーゼルエンジン、の窒素酸化物の排出を減少させるのに用いられるSCRタイプである。上記還元剤は、従って、好ましくは、溶液、特に、例えば商標名アドブルー(AdBlueTM)で商業的に知られているもののような、蒸留水溶液における尿素、である。コンテナ1は、何れにせよ、他の目的の為に、及び/又は、自動車分野とは異なる分野において、使用されることができ、そして、異なる液状物質、例えば燃料、を収容するように設計されることができる。
タンク1の本体1aは、どのような材料から形成されても良く、特に、収容される物質に対して化学的に耐性を有し、且つ、好ましくは、電気絶縁性を有する材料、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)のような周知技術に係る適切なプラスチック材料、から形成されることができる。例えば酷寒の場合には、或いは、タンク1に対して、タンク自体を及び/又はその内容物を加熱する為に用いられるそれ自体知られたタイプのヒーターを関連付けても良い。図中、概略的に、EHで表示されるブロックにより、電気ヒーターが示されている。種々の実施形態において、好都合にも、1つのそのようなヒーターEHが、本発明に係るセンサー装置に結合される(関連付けられる、と連携するassociated)か又は一体化される。
例示されている図の例において、タンクは、上部3、例えば、溶液で満たす為に開口3aが設けられているその上壁、を有する。タンク1の下部4、例えばその底壁は、出口開口5を有しており、これを通して、溶液は流出し、若しくは、例えばポンプを介してその溶液は引き抜かれ、その液体はシステム2に供給される。再度、下部4において、タンク1は、6で示される第2開口を有する。この第2開口に、本発明の種々の可能な実施形態に係るセンサー装置のボディ(body)が密閉状態で固定される、種々の好ましい実施形態において、事実上、本発明に係るセンサー装置は、その液状物質が最低限度の液面を有している時でさえ、そのボディの外面が少なくとも部分的にこの液状物質と接するであろうように、コンテナの下部に取り付けられることができる。
全体として10で示されるセンサー装置は、特にレベル感知軸(水平面感知軸、水平面高さ感知軸)Xに従って、タンク1内に少なくとも部分的に延在するように設計されたレベル感知部(水平面感知部、水平面高さ感知部)11を含む。このレベル感知軸は、好ましくは、実質的に垂直である(が、しかし、必要なら、垂直に対して、傾斜していても良い)。好ましくは、タンク内におけるレベル(液面)が大変低くてもこれを検出できるようにする為に、感知部11の基端部領域は、タンク1内において、底壁4に比較的近い高さまで延在する。タンク1の上記開口6に直接取り付けられる代わりに、本発明に係る装置10は、タンクの異なる開口に密閉状態に取り付けられる更なるボディ若しくは構成部品(構成要素、コンポーネント)を提供しても、該ボディ若しくは構成部品と結合(連携 associated)しても、或いは該ボディ若しくは構成部品に一体化されても、良い、ことに注目されるべきである。該構成部品は、例えば、UDM(ユリア・デリバリーモジュール(Urea-Delivery Module))として、その分野で知られているタイプの構成部品である。
図2及び図3において、可能な実施形態に係るセンサー10は、異なる角度から独立して示されている。装置10は、ケーシングボディを有しており、該ケーシングボディにおいて、
-外部システム、例えば車両に搭載されるSCRシステムの電子制御ユニットへの装置10の電気接続の為の、及び/又はその制御装置の為の、接続及び/又は制御部分14と、
-電気的に絶縁されており、液密であり、そして感知部11に有効に属する、感知部分15と、そして、
-上記開口6に、密閉状態に結合されるべく、及び/又は固定されるべく、及び/又は位置決めされるべく、構成された、取り付け部分16と、が特定できる。
種々の実施形態において、上記接続部分14は、電気端子17の各部分17aが中に延在する、大略中空のコネクターボディ14aを含む。種々の実施形態において、好ましくは、帯金属からスタンピング又はブランキングによって得られる端子17は、コネクターボディ14aに、装置10の外部接続用インターフェース、例えば上記SCRシステムの電子制御ユニットに対するインターフェース、を提供する。好ましくは、各端子17は、コネクターボディ14aの窪み内に位置決めされるように設計された薄板状接触部分17aと、以下に記載する基板若しくは回路基板上に存在する各接触要素(24a、図8)との電気的結合及び機械的結合の為に設計された、制限された相互連結部分17b(例えば、図4参照)と、を有する。
種々の実施形態において、上記取り付け部分16は、電気接続部分14と、感知部分15との間で軸方向に延在し、該部分16は、タンク1内に収容される液体と接触するように構成された底壁であって、該底壁から上記感知部11が突出する、底壁を有する。種々の実施形態において、上記部分16は、好ましくは、装置10のボディを全体として固定する為に用いられ得る半径方向形成部(放射状形成部)18aを備えたフランジ部18を形成する。種々の好ましい実施形態において、上記部分16は、その外周面において、タンクに対してセンサー10を、又、可能性として、柔軟に取り付ける機能を奏し得るガスケット等の環状シーリング部材(環状密閉部材、環状密封部材)の為の少なくとも1つのシート19aを有する。
図4と図5において、本発明の可能な実施形態に係るセンサー装置が、部分分解図によって、異なる角度から示されている。これらの図において、上記環状シーリング部材又はガスケット、例えば上記取り付け部分16に設けられた対応するシート19aに位置決めされるように設計されたオーリング(O-ring)、が、19により示されている。
図4及び図5において、全体として20で示される基板若しくは電子回路基板が、取り付け部分16から突出する対応する基端部分と共に、又、部分的に見えている。これらの図において、別個のパーツとして構成される2つのボディパーツ(ボディ部)又はケーシングであって、図3及び図4の接続部分14を少なくとも部分的に形成するように、間に配置される回路基板20の上記突出部分と共に結合されることができる、2つのボディパーツ(ボディ部)又はケーシングが、21と22によって示されている。この例において、そのボディ部21は、コネクターボディ14aを一体的に形成しており、そして、その電気端子17は、その中に一体化されている。特に、図4から理解され得るように、種々の実施形態において、上記ボディ部21は、突出する窪み(凹部)21aを形成しており、その中に、回路基板20と電気接続するように設計された端子17の第2部分17bが存している。
進歩性の観点に従って、感知部分15と、装置10のボディの取り付け部分16の少なくとも一部とは、回路基板20の少なくとも一部上にオーバーモールドされる少なくとも1つの材料Mから形成される。
図6〜図8は、本発明の可能な実施形態に係るセンサー装置に用いられることができる回路基板若しくは基板20についての異なる図である。基板20は、プリント配線を製造するのに適切な電気絶縁材料、例えばFR4又はファイバーグラスタイプの同様の複合材料、或いは、再び、セラミック材料又は高分子(ポリマー)塩基を有する材料で、好ましくは成形可能な材料、から形成される。上記基板20上には、電気接続要素(例えば、コンダクターや電気路)の少なくとも一部、及び/又は、電極等の電気的及び電子的なレベル感知コンポーネント(構成要素)及び/又は制御コンポーネントの少なくとも一部、が設けられる。
上記基板20は、上記レベル感知軸に従って、2つの端部の間を長手方向に延在し、大略平坦な形状、若しくは実質的に二次元の形状、を有し、該形状は、2つの主要な反対側の面20a,20bと、2つの反対側の長手方向エッジ20c,20dとを含む。上記反対側の面20a,20bは、該面の間に、基板厚さT(図8)を画定し、上記2つの反対側の長手方向エッジ20c,20dは、該エッジの間に、基板幅W(図6及び図7)を画定する。
上記基板20においては、以下、単純化の為に「制御領域」と言われる基板の基端部を含む第2領域24と同様に、装置10の上記感知部11に属し基板の末端部を含む感知領域23が特定され得る。センサー10の外部電気接続用の上記端子17をもって、基板20の領域24に主に連携する(結合される)のは、センサー10の電気的及び電子的処理及び/又は制御コンポーネントである。
基板20の上記領域23と主に連携するのは、代わって、レベル感知コンポーネントである。更に、特に、領域23と連携するのは、容量素子の少なくとも1つの第1アレイであって、ここでは20aによって示されている面である、基板の主要な面20a、にある第1電極の少なくとも1つの第1列(first series)を含む第1アレイである。例における上記電極の数「n」は22に等しいが - その電極の幾つかは、図6において、対応する列における電極の位置を特定する数字が続く文字Jで示されている。
種々の実施形態において、上記列の電極Jは、実質的に互いに等しく、そして、事前に定義され且つ好ましくは均整のとれた方法で、レベル感知軸Xに沿って互いに隔てられている。一方、例示されていない可能な実施形態に依れば、基板の1つの面と連携る容量素子のアレイは、又、電極の異なる数の列を含み、1つの列の電極は、同一アレイの他の列の電極とは異なる配列(配置、geometry)を有することができる。
上記電極Jは、導電性材料、例えば金属材料又は金属合金、から形成され、基板20の少なくとも1つの主要な面(主要面)20a,20bと連携する。電極Jは、好ましくは、互いに同一平面上にある。そして、電極Jは、例えば、平板(皿、plates)の形態であっても、或いは、基板20上にエッチング又は塗布された薄膜(laminas)の形態であっても、或いは、例えばスクリーン印刷技術等を用いて基板20上に沈積(堆積)せしめられた導電層から形成されても良い。種々の実施形態において、基板20は、基板の面20a上に設けられた電極Jと、対応する伝導接続経路(conductive connection paths)と、及び/又は、面20b上に存在する不図示の他の可能な電極と、の間における電気接続用の伝導材料(conductive material)を含む貫通穴を有する。
一般に、図8に示されているような、基板20の感知領域23の少なくとも1つの面に設けられている電極Jは、少なくとも2つの反対側の側面エッジと、2つの反対側の横断エッジとを有する。上記2つの反対側の側面エッジは、該側面エッジの間に、最大電極幅Wjを画定し、上記2つの反対側の横断エッジは、該横断エッジの間に、最大電極高さHjを画定する。
種々の実施形態において、又、図6〜図8から視覚的に理解できるように、感知領域23における最大電極幅Wjと基板幅Wとの相違は、大変小さく、特に、感知軸Xの方向において、互いに隣接する2つの電極Jの2つの対向する横断エッジの間の空間(spacing)又は距離よりも小さい。この目的の為に、好ましくは、電極Jは、実質的に、基板幅Wの全体を通して、横断方向に延在する。これにより、その相違は、最小若しくはゼロ、好ましくは0mmと1mmの間、特に0.3mmと0.6mmの間であることが理解される。値Wと値Wjの間の相違は最小限であるにもかかわらず、これは、例えば、複雑な形状の場合に、及び/又はレーザー切断又はCNC(計算機数値制御)装置による切断の場合に、回路基板20の製造又は切断を目的として、役立ち得る。ここでは、その切断公差が、又、可能性として、上記電極Jと関与(干渉)することを防止(つまり、切断公差が、可能性として、均一でない仕方(やり方)で、電極Jの静電容量(電気容量、キャパシタンス)及び/又は対応する静電容量又は電界の測定、を変化させることを防止)するように、たとえ電極を有しない最小領域であっても残しておくのが好ましい。
理解されるであろうように、電極Jの上記好ましい構造は、レベル感知の質を上げるために、有利である。
上記領域24は、好ましくは、基板20の基端部と、上記列の第1電極J(ここでは、電極J1)との間に構成される。装置の回路配置に属する処理コンポーネント及び/又は電子制御装置が、基板20の全体を通して配置、又は感知領域23内に配置、つまり上記基端に配置及び/又は電極J間に配置、されている場合には、本発明の範囲内にある。この観点において、接続及び/又は制御領域は、その一部が感知領域に共通した状態で、又、実質的に、基板20の全長に亙って延在することができる。
種々の実施形態において、装置10の計測及び又は制御回路装置25,26に属するコンポーネントは、この領域24内に位置する。これらのコンポーネントは、好ましくは、少なくとも1つの制御ユニット若しくはコントローラー(制御装置)を含む。これらの制御ユニット若しくはコントローラーは、例えば、図7の26でその中の幾つかが概略的に示されている、トランジスター、MOSFET、抵抗器、コンデンサー、ダイオード等の能動及び/又は受動素子に加えて、図7の25で示されている、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサー、CPU(中央処理装置)、DSP(デジタル信号処理装置)、メモリー、集積回路、演算回路、A/Dコンバーター回路、電子スイッチング回路、の中から選択されるか、若しくは、その中の少なくとも1つを有する。例示されたこの場合において、コントローラー25は、電極Jを支持する面とは反対側の、基板20の面20b上に取り付けられているが、しかし、これは、発明の範囲を制限することを意図するものではない。又、コンポーネント26は、構想時に、制御領域24において、基板20の主要な面20a,20bの一方若しくは両方のどちらに設けられても良い。種々の実施形態において、コントローラー25は、電極Jが電気接続された複数の入力装置を有する。このコントローラー25は、好ましくは、少なくとも1つの処理及び/又は制御論理ユニット、メモリー、及びアナログ/デジタルタイプの入力装置と出力装置とを有する。上記コントローラーは、例えば、Microchip Technology Inc.により製造された、コードPIC16F1517によって特定されるマイクロプロセッサーであることができ、或いは、Cypress Semiconductor Corporationにより製造された、シリーズのコードCY8C4200Mによって特定されるマイクロプロセッサーであることができる。
説明した通り、種々の回路部品、例えば、電極J、コンポーネント25,26、端子17等、の接続用の不図示の導電路(導電経路、electrically conductive paths)は、基板20の面上、又は少なくとも部分的にその内側、に備えられる。好ましくは、基板20は、又、異なる経路を互いに接続する為に、及び/又は経路を接続する為に、及び/又は基板の反対側の面及び/又は基板の内面に設けられた回路部品を接続する為に、金属を被せた穴(金属化した穴、metallized hole)を有する。この点に関して、回路基板20が多層タイプであり得ることは、注目されるべきである。該多層タイプにあっては、上記経路は、ちょうど内部に存在することができ、つまり、上記経路は、例えば、電極Jのみを外側に残して、基板の内層上に形成されることができる。
種々の実施形態において、本発明に係る装置は、上記液体のレベル以外の少なくとも1つの更なる量を検出する為の少なくとも1つの更なるセンサーを含む。その更なるセンサーは、例えば、温度センサー、圧力センサー、品質センサー、及び混合物(composition)の特徴及び/又は流体の物理化学的特徴を検出するように設計されたセンサー(例えば、光式センサー)、の中から選択されることができる。
種々の実施形態において、電極J以外の1以上の感知部品であって、特に1以上の興味がある更なる量を検出するための感知部品が、又、基板20上に取り付けられる。例えば、種々の実施形態において、装置10の回路装置は、少なくとも1つの温度センサー、特に、NTCタイプ又はPTCタイプのセンサーのような、温度によって変化する電気抵抗を有するセンサー、を含む。そのようなセンサーは、基板20の感知領域23の基端部領域、末端部領域、及び中間領域の中から、少なくとも1つに設けられることができる。図7に示された例において、領域23それ自体の反対側の端部領域に、2つの温度センサー27a,27bが、領域23に、特に基板の面20bに、設けられており、該温度センサー27a,27bは、制御領域24に設けられた回路装置に、対応する伝導路(伝導経路、conductive paths)を介して、接続されている。図1に示されたタイプのタンク1内にセンサー10を設けたと仮定すれば、上記温度センサー27aは、特に、タンクの底壁近くの領域における液体の温度を検出するのに用いられることができ、一方、上記センサー27bは、タンクの中央領域若しくはタンクの上壁近くの領域におけるその液体の温度を検出するのに用いられることができる。つまり、そのタンクが完全に満たされていなくても、その液体の上にあるタンクの内部容積には、温度、例えば、大気の温度(空気の温度)が存在する。特に2つの温度センサー27a,27bを有する、図7に示されるタイプの構成は、図1の構成におけるか、若しくは、例えば、ソフトウェアーレベルにおいて、機能(function)を逆にすることにより、そして、特に、電極(複数)Jの機能とセンサー27a,27bの機能を逆にすることにより、図1の構成に関して上下逆さまにした構成における、タンク1内でのセンサー10の設置を可能にする。温度検出用センサーは、或いは、例えば、タンク1の外側の周囲温度を検出する為に、基板の上記制御領域24内に、特に、装置10のボディの上記接続部分14内に、設けられることができる。種々の実施形態において、多数の温度センサーが、展開された電極Jの列であって、その少なくとも1つが容量素子のアレイの2つの端部電極の間の中間位置にある展開された電極Jの列に沿って設けられる。
図6〜図8から理解できるように、進歩性の観点に依れば、上記回路基板20の上記第2領域24は、全体として30で示された、少なくとも1つの制限された基板部分であって、感知領域23の幅W(図23)よりも小さい基板幅Wr(図23)を有する基板部分を含む。
上記制限された部分30には、或いは、図7及び図8に例示したような回路部品26が備えられ得る。種々の実施形態において、この制限された部分30は、該制限された部分30の幅Wrと、上記感知領域23の幅Wとの間の中間の幅を有する部分内に形成されることができる。そのような中間幅の部分は、図6〜図8において、30’で示されており、その存在は、何れにせよ、任意的に考慮されねばならない。上記制限された部分は、又、上記領域24の全長にわたって延在することができる。
進歩性の観点に依れば、上記制限された基板部分30の少なくとも一部は、装置のボディの取り付け部分16に軸方向に延在し、それは、以下で明らかになるであろう利点をもって、基板20上にオーバーモールド(オーバーモールド成形)される。
図9〜図11は、本発明の可能な実施形態に係るセンサー装置10のボディの取り付け部分16の少なくとも一部と、感知部分15とのオーバーモールドの為の可能な動作シーケンスの概略図である。種々の実施形態において、装置10のボディは、環状部材、例えば、感知部分15と取り付け部分16の少なくとも一部とを提供するところのオーバーモールドされた材料Mに結合された成形された金属リング、を含むことが注目されるべきである。図9〜図11は、31で示される上記リングの使用が考えられるプロセス(工程)を例示している。
種々の実施形態において、上記リング31は、これ迄に19で示したガスケット等の密閉部材用シートの少なくとも一部を提供する為に用いられる。このタイプの実施形態においては、以下に説明されるように、リング31は、オーバーモールドされたボディ上で軸方向に変位されるべく構成され、これにより、後者の円形面又は円筒面における輪郭の明確化が可能になり、ガスケット19の為の良好な密閉と、良好な休止部分(静止部分、a good resting portion)、特に、(金型(鋳型、モールド)の2つの部品(パーツ)が閉じる領域又は接合する領域に一般に存在する)ギザギザや起伏がない面、とが保証される。上記変位を容易化する為に、リング31は、好ましくは、逃げ(relief)における少なくとも一部分(1つの部分)、例えば、適切な器具(装置)を用いて軸方向スラストが作用せしめられ得る、環状の逃げ(annular relief)又は外周逃げ角(横逃げ角、radial relief)における少なくとも一部分、を与えるように形成される。
理解されるであろうように、一方で、リング31は、なくても良く、その対応する形状は、オーバーモールドされた材料Mによって得られることができる。
最初に、図9を参照すると、金型の2つの部品は、41,42によって示されており、各部品は、装置のケーシングボディの上記部分15,16の外側の輪郭(プロフィール)の形成に必要な各凹部又はインプレッション(型彫刻部分)を形成している。これらのインプレッション(の中の只1つが、41aで示され、部分的に見えている)は、又、上記成形されたリング31の位置決めを目的に、予め、準備されている。
種々の実施形態において、上記リング31は、その2つの金型部品の1つ、ここでは部品41、のインプレッションの対応する領域内に位置決めされる。次いで、対応する回路部品(J,24a,25,26、及び、可能性として27a,27b)であって既に回路部品が結合された回路基板20が、基板の制御領域24の少なくとも一部、特にその制限された部分30の少なくとも一部、を囲むリング31と共に、上記インプレッション41aそれ自体の内側に位置決めされる。
種々の実施形態において、上記基板20が上記金型内に位置決めされる前に、例えば、オーバーモールド材料Mで被覆されることができる少なくともその一部にポリマー又はレジンの薄膜で被覆することによって、更なる保護バリアが、それに提供される。上記ポリマー又はレジンは、例えば、特に、基板20を被覆する(覆う)ように、均一に広がる(延びる)ように設計された、「コンフォーマルコーティング」と言われるタイプのポリマー又はレジンである。従って、種々の実施形態において、上記基板は、特に、上記基板に塗布された第1保護材料(例えば、上記引き合いに出したポリマー若しくはレジン)の第1層と、第1保護材料の第1層上に形成された第2保護材料の少なくとも1つの第2層と、を備えた多層被覆を有する。
上記金型部品41,42、特に、対応するインプレッション、は、例えば図10ではっきり見ることができるように、上記基板(図6〜図8)の制御領域24の少なくとも1つの端部、ここではコントローラー25を含む部分、が、インプレッション自体の外側に留まるであろうように構成される。種々の実施形態において、この装置は、又、更なる金型部品43、特にセンサーのボディのフランジ18が考慮される時に該フランジ18の半径方向形成部18aに少なくとも貫通穴を形成するのに必要な突出部43aを有する可動インサート又は往復台(carriage)、を備える。図示されている非限定的な例において、この往復台43の突出部43bは、又、種々の実施形態において、装置10のケーシングボディの更なる部品(コンポーネント)を固定する為に用いられる(以下、32aで示される)形成部の軸方向凹部を得るのに用いられる。
図10は、上記金型が閉じている状態を示しており、この状態に続いて、上記往復台43は、対応する突出部43a,43bが部品41,42の通路41b,41c,41d内にそれぞれ挿入された状態をもって、結合(連結)される。これに続いて、金型内に、感知部分15の形成と、上記リングがここで又結合される(関連付けられるところの取り付け部分16の主要な部分(prevalent part)の形成と、に必要なプラスチック材料Mが射出(注入)される。オーバーモールドの為に用いられる材料Mは、例えば、熱可塑性材料若しくは熱硬化性材料であることができる。好ましい材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリブテン(PB)、ポリプロピレン(PP)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリアミド(PA,PA6,PA66)及びポリフェニレンサルファイド(PPS)である。
好ましい実施形態において、感知部分15、つまり、検出されるべきレベルの媒体から基板20を分離して隔てる壁(壁部)、における材料Mの厚さは、1mmと2.4mmの間、好ましくは、1.4mmと1.8mmの間、大変好ましくは、1.5mmと1.6mmの間、の厚さである。これらの好ましい厚さは、オーバーモールドされた絶縁材料の透過性(浸透性)が最小であったとしても、これによる動作の不具合(障害)を防止する。このタイプの構成においては、又、電極Jの高さHjは、2.5mmと3.5mmの間、特に約3mm、であることが好ましく、2つの隣接する電極J間の距離は、0.8mmと1.2mm、特に約1mm、であることが好ましい。
図11は、上記金型(この図においては、上記往復台43の動作位置を説明する目的の為だけに、該往復台は、まだ、金型部品41内に挿入されたままになっていることに注意されたし)を再度開く後続ステップを概略的に示している。図12に見ることができるように、装置のボディの対応する部分を提供する材料M内に部分的に嵌め込まれた回路基板20を実質的に含むものとして示しているこの金型から、つまり、その金型部分41から、半製品が抜き出され得る。特に、示された例において、上記オーバーモールドされた部分は、上記基板(図6及び図7)の感知領域23を完全に覆う感知部分15と、上記制限された部分30及び例えば中間幅30’の部分の主要な部分を含む上記基板(図6及び図7)の制御領域24の一部を覆う取り付け部分16と、を含む。ここで、中間幅30’の部分の露出される最小部分を含む制御領域24の残りの部分には、上記オーバーモールドされた材料Mは存在しない。
理解されるであろうように、図12の半製品において、上記リング31は、基板20の上記制限された部分30の一部と、該部分を囲む、オーバーモールドされた材料Mの対応する一部と、の両方を取り囲む。
図12に示す状態から出発して、上記リング31は、次いで、フランジ18に向けて軸方向に並進せしめられる。この観点をより良く理解する為に、実質的に図12の状態に対応する状態を示している図13と、リング31が既にフランジ18に当接するまで軸方向に変位せしめられているところの図19とが、参照され得る。リング31のこの変位と、リング31を所定位置に維持することを可能にする為に、図13に19bで示されているボディ部分は、リング31によって外接せしめられるそのボディ部分の輪郭(外径、プロフィール)19aに実質的に対応する外側の輪郭又は直径をもってオーバーモールドされている。
既に述べたように、リング31の存在と、特にその内面の存在とは、そのオーバーモールドされたボディの、密閉ガスケット(シールガスケット)が位置決めされるべき、実質的に滑らかで均一な外側の輪郭又は円筒面(図13の19a参照)を形成(画定)する目的を有している。すなわち、この目的の為に、種々の実施形態において、リング31の内側円筒面は、0と3.2の間の、好ましくは、0.4と1.2の間の、大変好ましくは、0.7と0.9の間の、粗さRaを有しているが、これは、特に、ガスケット19用シートの上記外面又は輪郭における同様の粗さを得る為である。
理解されるであろうように、図12と図13の状態から出発して、リング31は、上記滑らかな面が直接露出したままになるであろうようなやり方(方法)で、そしてこれにより、上記ガスケットがその上に静止(休止)できるようなやり方で、図19の位置まで変位せしめられる。すなわち、その静止面を含むシートは、上記の通り、図中、19aで示されている。このリング31は、しなしながら、装置のボディの一部を形成するように留まる。これは、ここでは、制限された部分30によって示されている、基板20のより狭くなった部分における、上記取り付け部分16の構造的強度の利益の為である。
しかしながら、既に述べたように、リング31の存在は、例えば、図16から明らかなように、任意的なものとして理解され得る。図16においては、密閉ガスケット用シート19aは、完全に、オーバーモールドされた材料Mによって形成されている。
種々の実施形態において、オーバーモールドされた材料Mは、又、上記取り付け部分を越え基板20の基端部に向けて軸方向に延在する少なくとも1つの固定部であって、装置のボディの1つ以上の更なる部品(コンポーネント)を固定するのに使用され得る固定部を形成する。例示されたケースについて、オーバーモールドされた材料Mによって形成された上記固定部は、図12において、32で示されている。この固定部は、感知部分15に関して、その反対側から、フランジ18を越えて延在している。この例において、この固定部32は、好ましくは軸方向に中空で横断通路32b が備えられた軸方向形成部32aを形成している。
種々の実施形態において、特に、対応する上記接続部分14を提供する為に、装置10のケーシングボディは、1つ以上の更なるボディ部を、図12の半製品に結合することによって、完成せしめられ得る。この目的の為に、例えば、図2及び図3の実施形態について、上記接続部分14は、図4及び図5のボディ部21,22であって、間に配置される基板20の制御領域24の少なくとも一部をもって互いに結合されるボディ部21,22にして、ボディ部の1つ - ここではボディ部21 - が、基板20上の回路部品に電気的に接続されるべく設けられている上記端子17と連携するコネクターボディ14aを形成している、ボディ部21,22を含む。
図2〜図5の実施形態の場合、オーバーモールドされた部分15,16の1端部分は、又、上記2つのボディ部21,22の間に、特に、上記形成部32a(図5及び図12参照)を含む上記固定部32の少なくとも一部分に、配置される。
図4から注目され得るように、上記ボディ部21は、窪み(凹部)21aを形成しており、その内側において、端子17の端部17bが突出している。この目的の為に、例えば、ボディ部21は、その端部17a,17bが露出されたままになるように、端子17上にオーバーモールドされた電気絶縁性プラスチック材料から形成されることができる。上記ボディ部21は、同様に、それぞれ同軸穴が備えられた2つの壁によって横方向に区切られた(横方向に境界が定められた)軸方向シート21bを形成する。上記同軸穴の1つは、図3及び図4において、21cによって示されている。
上記ボディ部21は、対応する横断通路32bが上記穴21cに同軸になる状態をもって、図5及び図12の上記形成部32aが上記シート21b内に挿入されるように、図12の半製品上に位置決めされる。更に、この位置決めに続いて、上記端子の端部17bが、基板20の制御領域24内に設けられた、目的をもって設計されている接触要素内に挿入される。これらの接触要素は、図8において、24aで示されている。この例において、これらの要素24aは、基板20の金属を被せた貫通穴であって、上記したタイプの各導電路が接続される貫通穴、を備えている(上記貫通穴は、導電パッドに置換されるか、若しくは導電パッドに結合されることができる)。端子の上記端部17bは、次いで、上記金属を被せた貫通穴(及び/又は上記導電パッド)に、ハンダ付けされることができる。- そのハンダ付け操作に関してのみ、図40を参照されたし - 或いは、上記貫通穴(及び/又は上記パッド)には、一般に知られている圧入タイプの電気接続部(このタイプの接続部に関してのみ、図27を参照されたし)が備えられていても良い。選択的に、上記電気接続部は、少なくとも部分的に柔軟なタイプのものであることができる。この目的の為に、上記接触要素24a及び/又は端子17の上記端部17aに、少なくとも部分的に柔軟な電気接点が、関連付けられ得る。
上記ボディ部21は、次いで、特に、上記穴21cを通して、これ故に上記形成部32aの対応する横断穴32bを通過するネジS(図4及び図5参照)を締め付けることによって、図12の半製品に固定されることができる。示されていない変形形態においては、上記部分(パーツ)21と32の間で、上記ネジの代わりに、固定ピン又は相互係合手段が備えられ得る。好都合にも、上記窪み21aは、好ましくは、基板20の各部分も被覆するように設計された保護レジンで充填され得る。これは、特に、あらゆる浸透(浸潤)及び/又は外部からの汚染(汚濁)に関して、密閉(密封、シール)を提供する為である。
次いで、ボディ部(パーツ)22がボディ部(パーツ)21に結合され、オーバーモールドされた材料Mから軸方向に突出する、基板20のその部分が位置する、パーツ21の窪み21aが閉じられるようにする。種々の実施形態において、上記パーツ22は、従って、上記パーツ21を閉鎖する為の一種の蓋を提供し、この目的の為に、上記部分22は、好ましくは、その面がボディ部21に面する結合及び/又は密閉部材22a(図5)を有する。上記2つのパーツ間の固定は、密閉状態での固定であり得る。上記2つのパーツ間の固定は、スナップ動作による固定(snap-action fixing)又は更なるネジ切り部材(threaded members)の助けによる固定を排除するものではないが、例えば、パーツ22をパーツ21上に接着するか溶接するかによってなされることができる。最後に、装置10のボディの取り付け部分16に備えられているシート19aに、環状シーリング部材又はガスケット19が取り付けられ得る。
図13〜図15において、図12の半製品は、対応する断面図により示されており、該図から、基板20が、主に、上記感知部分15と、上記取り付け部分16と、対応する固定部32と、を単一ピースで提供するオーバーモールドされた材料M内に、どのように備えられているかが注目され得る。図13から、どのように、上記制限された部分30がオーバーモールドされた材料M内に完全に埋め込まれているかが、特に注目され得る。その制限された部分30(図6〜図8参照)の2つの軸方向端部に形成されている段部(ステップ)の存在は、そのオーバーモールドされたボディ内において、全体として、基板20を固定するのに好都合である。
上記の通り、図13は、好ましくはフランジ18(図19参照)に当接するまで、(図13で見たときに)軸方向上向きに並進せしめられることができるリング31の非限定的な位置を例示している。この変位に続いて、図4及び図5のシールリング(密閉リング、密封リング)19用の上記シート19aが、リング31の底部と、取り付け部分16(図19参照)の半径方向に突出する部分との間に形成される。
それ自体で自律的に進歩性を有する実施形態において、すなわち、又、上記回路基板20の上記制限された部分が存在しない場合において、レベルセンサー装置10は、基板20の上記感知領域23上に容量素子の第2アレイを有する。ここで、この第2アレイは、好ましくは、実質的に互いに等しく同一平面上にある(共面の)第2電極であって、上記レベル感知軸に沿って互いに隔てられており且つ基板20の第2の主要な面20bに設けられる第2電極、の少なくとも1つの第2列(second series)を有する。このタイプの実施形態は、図13〜図15に類似する図16〜図18に、又、図13及び図14に類似する図19及び図20に、概略的に示されており、ここでは、上記第2電極は、J’で示されている。
種々の実施形態において、又、上記回路基板20の上記制限された部分が存在しない場合において、基板20の上記面20bにある第2電極J’は、上記面20aにある第1電極Jに関して、上記感知軸Xを基準として有する千鳥状位置(ジグザグ状位置、互い違いになった位置)にある。このタイプの例は、図16〜図18に示されている。この種の実施形態は、センサー装置10のレベル測定分解能力(レベル測定分解能)のかなりの(相当の)増大を可能にする。この目的の為に、基板20の1つの面20b上にある電極J’が、他の面20aに存在する電極Jに関して、中間位置に延在することが好ましく、逆も又同様である。このような特徴は、図17の詳細において、明確に理解され得る。このタイプの実施形態において、電極J及びJ’は、好ましくは、個別に、コントローラー25の各入力装置に接続される。好ましくは、電極J及びJ’は、等しい幾何学的形状を有し、或いは、異なる形状を有するが、等しい面寸法を有するか、又は、一般に、等しい静電容量を有する。この構成において、電極J’は、単に電極Jで検出されることができる液位(液体のレベル)の間にある中間的な液位の検出を可能にする。
図16によって、又、上記取り付け部分16の可能な選択的実施形態の強調が可能になる。この場合には、金属リング31は無く、上記環状シーリング部材又はガスケット19用のシート19aは、完全に、上記オーバーモールドされた材料Mによって形成される。
種々の実施形態において、又、上記基板20の上記制限された部分が存在しない場合には、基板20の主要な面上に設けられた少なくとも1つの第1電極J、又は各第1電極Jは、金属を被せた穴等の電気接続部の手段によって、基板の他方の主要な面上に設けられた対応する第2電極J’に接続される。この種の例は、図19及び図20に示されている。このタイプの実施形態は、 - 基板20の寸法及び/又は電極Jの配置が同一である場合には - 面(又は静電容量又は電界)の増加(又は倍加)を可能にし、これにより、センサー装置10の感度と解像度(分解能)との増加(又は倍加)を可能にする。この種の実施形態において、電極J,J’の各対は、コントローラー25の各入力装置に接続される。好ましくは、電極J,J’は、基板の2つの面20a,20b上の鏡面位置にある。つまり、電極J,J’は、図16〜図18の場合とは異なり、互いに対して、交互に配列されない。
有利な実施形態において、上記電気接続部(電気接続パーツ)は、例えば、図20の詳細にはっきり見ることができるように、回路基板20の各貫通孔を通って延在する。この図20において、上記パーツの幾つかは、Cで示されている。このタイプの実施形態において、その接続パーツCは、好ましくは、基板20の穴であって、各穴の端部は2つの反対側の電極J,J’に存在する穴、を充填する導電性材料からなる。他の実施形態に依れば、代わって、その接続パーツは、例えば基板20の長手方向端部(長手方向エッジ)の上をまたぐ(越える)、例えば2つの反対側の電極J,J’を接続する導電路(導電経路)又はワイヤの形態で、基板の外面に形成されることができる。この2つの反対側の電極J,J’は、又、間接的に、互いに接続されることもできる。すなわち、上記電気接続部又は金属を被せた穴は、又、各中間的な電気路又は接続部、例えば基板内の電気路、に接続されることができる。
図19は、又、既に説明したように、上記金属リング31の好ましい最終位置をより明確にしている。つまり、この場合、リング31の上部は、実質的に上記フランジ18に当接しており、上記シールリング19用シート19aは、リング31の下端部と、上記取り付け部分16の広げられた(拡大された、拡張された)下部との間に形成されている。
装置のボディの上記取り付け部分16に位置する、上記基板20の制限された部分30の存在は、上記引用された公知技術と比較されるように、レベル感知の質の向上の観点において、生産目的に対して特に有利である。
この観点をより良く理解する為に、図21は、特許文献1の教示に従って用いられているタイプの回路基板20''の正面図における略図であり、一方、図22は、再度、特許文献1の教示に従うレベル感知装置10''の垂直断面図における略図であって、それがタンク、例えば図1のタンクに類似するタンク1、に設けられたその状態の略図である。
注目され得るように、電極J''を支持している基板20''は、その感知領域23''に関して、如何なる制限も呈していない。換言すれば、その基板20''の幅W''は、基板そのものの拡大された部分であって、その基端側にある制御領域24''に含まれる部分まで、一定である。
特許文献1の既知の構成と実質的に均等である図22の既知の構成について、その基板20''は、前もって形成された感知ボディ内に挿入される。その感知部分15''は、軸方向に中空であり、そして、内側に、基板自体を位置決めする為の(見えない)長手方向リブを有している。
更に、Gで示されているレジン又はゲルが、感知部分15''内に案内される。該レジン又はゲルは、基本的に、電極J''を支持する基板20''と、感知部分15''それ自体の内面と、の間に存在するギャップ(空隙、隙間)を充填する機能を有している。基板20''の制御領域24''の一部は、環状シーリング部材19''用の対応するシート19a''が形成されている、装置10''のボディの取り付け部分16''を通っている。理解され得るように、その基板20''は、取り付け部分16''を通して、感知部分15''内に軸方向に挿入される。つまり、それは、それが少なくとも1つの基板部を収容する為に設けられた部分14''を通るようにして、挿入される。
上記環状シーリング部材19''の直径、従って、上記対応するシート19a''の直径は、明らかに、タンク1に設けられた貫通孔の直径に依存する。このシート19a''の存在によって、結局、上記部分15''と 16''の内側の凹部の幅は、上記シート19a''それ自体の底部の直径よりも遙かに小さく(つまり、設けられた上記シーリング部材の内径よりも小さく、該内径からシーリング部材が乗る壁部の厚さが減算されることになる)、一定値よりも大きくなることができない。つまり、事実上、- 構造上の理由により - 何れにせよ、上記シート19a''における装置のボディの壁部の厚さを最小にして利用(使用)できるようにすることが必要である。この理由で、そして、基板20''を上記部分15''と 16''の凹部内に上記軸方向に挿入する必要性に鑑みて、基板の感知領域23''の幅W''は、上記部分15'', 16''それ自体の凹部の幅よりも、必然的に、小さくなければならないであろう。よって、電極J''の幅Wj''は、更に、減じられるであろう。
図23及び図24は、代わって、図21及び図22に類似する図をもって、本発明の可能な実施形態に係る装置10及び基板20を、タンク1に取り付けられた状態で、示している。なお、装置10の開口6は、図22の開口6の直径に対応する直径を有している。この目的の為に、好ましくは、本発明に係る装置が、既に市場で入手可能なタンクに設けられるべく(つまり、前もって形成されたアタッチメント又は取り付け開口をもって)、事前に準備されることは、注目されるべきである。すなわち、それは、既知の装置と交換可能である。
図23及び図24と、図21及び図22との比較から理解され得るように、タンクの開口6の直径が同一であれば、- 又、従って、上記既知の装置に設けられているリング19''の直径とシート19a''の直径に対して、リング19の直径とその対応するシート19aの直径が同一であれば - 上記制限された部分30の存在のお陰で、又、装置のボディの上記部分15,16が基板20上にオーバーモールドされた上記材料Mから形成されているという事実のお陰で、何れにせよ、上記シート19aにおける十分な肉厚が保証されて、上記感知領域23は、図22の既知の装置10''に用いられている基板20''の対応する幅W''よりも大きい幅Wを有することができる。
上記感知領域における基板の幅Wが上記公知技術の基板の幅W''よりも大きくなり得るという事実は、電極Jの幅Wj(図23)の寸法の増大を可能にし、従って、静電容量タイプのレベル計測(液面計測)が依拠する静電容量及び/又は電界強度が電極の表面に正比例して依存していることを考慮して、静電容量及び/又は電界及びレベルセンサー装置10の感度の増大を可能にする。更に、好都合なことに、種々の実施形態において、上記電極の幅Wjは、上記制限された基板部分30の幅Wrと等しいか又は該幅Wrよりも大きい(例えば、図23参照)。
図21から、更に、上記既知の基板20''に設けられている電極J''が、如何にして、その対応する側面エッジが基板自体の長手方向エッジからかなりの距離を隔てて設置されるといった方法(やり方)で、寸法構成されているかが、又、何れにしても、如何にして、上記感知領域23''における電極の幅Wj''と基板の幅W''との間の相違が2つの電極J''間の距離よりも、つまり2つの電極J''の2つの向き合う横断エッジ間の距離よりも、感知できる程度により大きくなるといった方法で、寸法構成されているかが、注目され得る。
一方、既に述べたように、本発明の種々の実施形態において、感知領域23における電極の幅Wjと基板の幅Wとの相違は、最小限であり、そして、好ましくは、2つの電極J間の間隔又は距離、つまり2つの電極Jの向き合う横断エッジ間の間隔又は距離、よりも小さい。当該間隔又は距離は、又、何れにしても、非常に限定されており、好ましくは、0.8mmと1.2mmとの間に含まれ、特に、約1mmである。これは、電極幅の更なる増大(増加)を可能にし、従って、上記公知の装置と比較される限り、静電容量及び/又は電界及び装置の感度の増大を可能にする。
例えば、図24に示される実施形態等の種々の実施形態において、上記領域23における基板20の横側面(20c,20d)上にオーバーモールドされた材料Mの最小厚さ(例えば、1.5mm〜1.6mm)は、上記制限された部分30における(及び、中間幅30’の可能な部分における)上記横側面上にオーバーモールドされた材料Mの最小厚さと等しいか又は小さい。
種々の実施形態において、上記ガスケット19用シート19aの深さ「h」は、ガスケット自体の弦(chord)の直径「d」の約3/4に等しいか又は近い(ここで、「弦」は、図24に見ることができるように、ガスケットのボディの断面を意味する)。すなわち、(上記制限された部分30の2つの側面における)深さ「h」の2倍は、上記直径「d」の約1.5倍(3/4+3/4)である。この観点において、好ましい実施形態では、上記制限された部分30の幅は、
Wr ≦ W - (h ・ 2) 又は Wr ≦ W - (d ・ 1.5)
として、定義されることができる。
更に、図22に関して、上記タイプの既知の解決策では、回路基板20''がその2つの主要な面の両面上に電極を備える可能性が妨げられていることに注目されるべきである。これらの既知の解決策において、事実上、上記部分15'',16''の凹部は、必然的に、生産上の理由で、所謂、抜け勾配(draft angle)、つまり、その内部空洞を形成する金型部分に対して如何なる損傷も無しに抜き取りを許容するように設計された、僅かに傾斜した壁部、を提供しなければならない。この結果、基板20''の主要な面の一方のみ、つまり電極J''を支持するその一方、は、軸方向に「真っ直ぐ」であり、そして上記部分15''の対応する内面に正確に(完全に)接し得る。これは、実質的に、計測目的で、もう一方の「傾斜した」主要な面を役に立たないものにする(上記壁部のこの傾斜を補償する為に、又、何れにしても、正確な静止位置を提供すると共に上記「真っ直ぐ」な感知壁に向けて上記基板のスラスト(押圧力)を提供する為に、公知技術は、典型的に、この傾斜した壁部上に軸方向リブ又は逃げを設けることを考慮(検討、構想、envisage)するが、これは、更に、基板と検出されるべき流体(液体)との間の距離を増加させ、以て、上記傾斜した壁部における検出を不可能にする)。
種々の実施形態において、上記基板20を備える回路装置の部品(コンポーネント)の少なくとも一部は、上記材料Mのオーバーモールドの工程(プロセス)に関わり得る上記制御領域24の中間領域、特に、上記制限された部分30を含むか又は有する領域、に位置する。例えば、図8を見られたし。ここでは、上記部分30内に、一連の部品26が設けられている。このタイプの実施形態において、基板20の上記中間領域を少なくとも部分的に保護するか、若しくは少なくとも部分的に取り囲む、保護ボディ、好ましくは、管状ボディ又は少なくともシェル、を備えることが有利である(都合が良い)、と分かるかも知れない。このように、上記感知部分15と、上記取り付け部分16の少なくとも一部と、を形成する上記材料Mは、上記保護ボディ上に少なくとも部分的にオーバーモールドされることができ、これは、従って、オーバーモールドする工程(ステップ)の中で、上記回路部品を保護する少なくとも一部の機能を奏し、又、好ましくは、上記取り付け部分16を構造的に強化する機能を奏する。
種々の実施形態において、上記保護ボディは、好ましくは、少なくとも1つのシェルからなる、又は2つのシェルが共に連結されてなる、シェル又は管状ボディである。
図25は、手動連結用に設計された2つのシェル45,46の場合を示している。該2つのシェル45,46の間に設定される上記中間領域であって、上記制限された部分30の少なくとも一部に対応するか又は該一部を含む中間領域には、回路部品が備えられている。この目的の為に、好ましくは、上記2つのシェル45,46には、例えば、シェル46のピン46aとシート46bがシェル45の対応するシートとピンに連結されるように設計された、連結手段が備えられる。図25は、更に、コネクターボディ14aと端子17とを一体化するボディ部21であって、図4及び図5のボディ部21に関して、僅かに変更(修正)が加えられた形状を有するボディ部21、を強調する。種々の実施形態において、又、上記パーツ21と、上記2つのシェルの少なくとも1つ、好ましくは該シェルの両方は、互いに連結(結合)されるべく構成される。図25及び図26に例示されているケースにおいて、この目的で、上記ボディ部21は、シェル45,46(又、図27参照)の対応する端部分を受け入れるべく構成された端部シート21eを形成する。有利にして、他の実施形態においては、上記ボディ部21と上記シェル46は、単一ピースで形成される。
種々の実施形態において、(例えば、上記2つのシェル45,46、又は只1つのシェル46、又は上記ボディ21と上記シェル46とを一体化する単一ピースからなる)上記保護ボディは、260℃より高い溶融点を有するポリマー、若しくは、何れにしても、この温度に耐えるように設計されたポリマー、から形成される。これは、特に、250℃未満の温度で少なくとも1つのポリマーをその上にオーバーモールドすることに耐えられるようにする為である。この目的の為に、種々の実施形態において、上記保護ボディ(例えば、上記シェル45,46、又は上記シェル46、又は上記シェル46に又一体化する上記ボディ21)用の材料は、ポリフタルアミド(PPA)、ポリアミド共重合体(PA66)及びポリフェニレンサルファイド(PPS)、の中から選択される。
組み立てる目的で、例えば、上記2つのシェル45,46が共に連結(結合)され、基板20の上記対応する中間領域が間に設定された状態で、上記管状ボディが形成されるようにする。このように形成された管状ボディ45,46は、図27に例示されているように、上記端子の上記部分17aが基板20の上記各接触要素24aに互いに結合した状態で、基板20の基端部領域が上記ボディ部21自体の凹部21a内に位置決めされるように、上記ボディ部21に結合されている。ここでは、その接触要素24aには、圧入タイプの接続部が備えられている。明らかに、上記接触要素24aと、端子17の上記部分17bとの間の接続は、導電性材料、例えばすず、を適用するハンダ付けによって、なされ得る。
次いで、上記ボディ部21と上記シェル45,46とが関連付けられた、該基板20のその部分は、少なくとも1つのポリマー又はレジン、例えば、熱可塑性材料、を塗布する為に、金型内に挿入される。用いられる材料は、好ましくは、低い溶融点又は重合温度、特に、電子部品を損傷しないような変態温度(例えば、180℃と240℃の間の温度、好ましくは、200℃に近い温度)、を有するタイプのものである。この目的の為に設計される熱可塑性材料は、「ホットメルト」又は「熱接着剤」として定義されるタイプのものであり得る。
このような工程は、図28に概略的に示されており、該図28において、2つの金型パーツが、50,51で示されている。該パーツ50は、上記ボディ部21と上記シェル46とを収容するべく形成されたインプレッションを有しており、上記パーツ51は、代わって、上記シェル45を収容するべく形成されたインプレッションであって、上記ポリマー又はレジンで得られる(以下、52で示される)保護被覆の外側の輪郭を画定するべく形成されたインプレッションを有している。上記金型のパーツ50,51を閉じた後、該金型内に、上記被覆の形成に必要な材料(ポリマー又はレジン)が射出される。上記被覆は、以下、単純化の為に、「レジン」として定義される。この工程は、図29に概略的に示されており、該図29において、レジンは、Rで示されている。この工程において、射出されたレジンRの一部は、シェル45,46の内面と、基板20のその対応する部分との間の空間を満たし(つまり、それは、管状ボディ45,46を満たし)、一方、レジンRの他の部分は、金型内にある基板20の残りの部分(つまり、上記ボディ部21内に収容されている部分(パーツ))を被覆する。
このように - 図30に例示されているように - 次に続くレジンRの凝固と、金型の再開の後に、好ましくは、レジンRの一部が又上記管状ボディ45,46の内側を満たして基板の上記制限された部分30を取り囲み且つ保護する状態をもって、基板20の基端部領域は、上記ボディ部21と、全体として52で示されているレジンRで得られた被覆と、の間に包み込まれて(包囲されて、取り囲まれて)保護される。
次いで、金型50,51からの抜き取り後、図30に見ることができる、その半製品は、図9〜図11に関してて記載された形態に実質的に類似する形態であって、(明らかに、従って、当該技術に精通した者にとってはそれ自体明確であるような方法(やり方)で、上記シェル45,46によって形成される少なくとも上記管状ボディを収容するように設計されたインプレッションを有する金型パーツを備えるところの変更が加えられた装置を用いる)形態をもって、外被部分(ケーシング部分)15の形成と、取り付け部分16の外部の形成と、に必要な材料Mの更なるオーバーモールドを実行する為に、更なる金型内に位置決めされ得る。この作業(操作、動作、operation)の過程で、基板20の上記制限された部分に設けられているその回路部品26は、材料Mがオーバーモールドされた領域内に位置してはいるが、何れにせよ、被覆52の各部分と、シェル45,46と、の両方によって保護されており、従って、そのオーバーモールドされる材料Mは、その回路部品26に到達できない。
上記オーバーモールドの作業の結果は、図31に例示されている。該図31において、示されている装置10は、上記部分15と、上記取り付け部分16とを有しており、後者の外側は、主に、上で言及したシェルにおいてオーバーモールドされた材料Mから得られたものである。その結果は、同様に、図32から十分に理解されよう。該図32は、シェル46(つまり、少なくとも上記コネクターボディ14a及び/又は上記電気端子17と一体化しているシェル46)が上記ボディ部21と単一ピースになったものから形成された場合を示している。この図から、如何にして、上記接続部分14が、基本的に、上記ボディ部21によって、又、上記被覆52の第1部分によって、形成されているかが、注目され得る。上記被覆52の第2部分は、上記シェル45,46の間に位置して、上記コンポーネント26を支持する上記制限された部分30を取り囲んでおり、これにより、可能性として、上記オーバーモールドされた材料Mがこれらのコンポーネントに到達することが、防止されている。上記被覆52を形成するレジンRの固定を助ける為に、及び/又は、上記シェルをより硬く及び/又はより強くする為に、再度、図32から、同様に、如何にして、好ましくは、上記シェル45,46の内側の輪郭が - 例えば、突出部の手段によって - 形成されるかが、注目され得る。
この目的の為に、好ましくは、上記被覆52の材料Rが、比較的柔軟、つまり非剛直(non-rigid)、であることが考慮されるべきである。これは、特に、上記電子部品への機械的ストレス、例えば、上記成形(モールディング)の工程又はオーバーモールドの工程に続く収縮中に存在するストレス、を防止する為である。好ましくは、上記感知部分15のボディの材料Mは、代わって、比較的に、より硬く(堅く、固く、硬直した、rigid)、及び/又は寸法的により安定しており、これは、特に、上記ガスケット19用シート19aの寸法安定性をより大きくすることを保証する為である。好ましくは、尚一層硬い材料からなる上記シェル45,46の少なくとも1つによって形成される、更なる内部的剛構造の存在は、全体的な構造上の剛性及び/又は上記シート19aの上記寸法安定性の獲得に寄与する。
好ましい構成に依れば(図25〜図32参照)、上記被覆52は、PAから形成され、上記ボディ部21(又は、21,46)は、PA66又はPPAから形成され、上記保護ボディ45,46の少なくとも1つは、PPSから形成され、そして、少なくとも上記感知部分15のボディは、HDPEから形成される。
したがって、種々の実施形態において、上記基板20の少なくとも一部分(例えば、中間部分30及び/又は制限された部分30及び/又は電子部品26を有する部分30)は、少なくとも3つの材料層、例えば、R又は52,45及び/又は46,M又は16で示される要素に対応する材料層、特に、互いに異なる3つの材料層及び/又は異なる工程で成形された3つの材料層、からなる多層被覆つまり多層外皮(多層ケーシング)を有することが理解されるであろう。好ましい実施形態に依れば、又、上記材料Mのオーバーモールドの前に、上記基板20の少なくとも一部上に塗布(適用)される(好ましくは、コンフォーマルコーティングタイプの)ポリマー又はレジンから形成された上記薄い被覆の保護層によって提供される、更なる層が備えられ得る。
同様に、それ自体で自律的に進歩性を有する他の観点に依れば、上記装置の生産に関する方法論は、
特に、上記保護ボディ45,46又は46又は21+46の少なくとも一部上に、少なくとも1つのポリマーM,Rをオーバーモールドする、又は少なくとも2つの異なるポリマーM,Rをオーバーモールドする、2つの異なる工程、
少なくとも2つの異なる材料又はポリマーM,Rであって、好ましくは、どちらも、180℃と240℃の間に含まれる、溶融温度又は成形温度又は変態温度を有する、少なくとも2つの異なる材料又はポリマーM,R、をオーバーモールドする工程、
成形しオーバーモールドする少なくとも3つの異なる工程、例えば、
-好ましくは、260℃よりも高い溶融点を有するポリマーで、上記保護
ボディ45,46又は46又は21+46を単独で成形する工程、
-上記保護ボディの少なくとも一部上及び/又は上記基板20の少なくと
も一部上に、第1ポリマーR、好ましくは250℃未満の溶融点を有する
ポリマー、をオーバーモールドする工程、及び、
-上記保護ボディの少なくとも一部上及び/又は上記基板20の少なくと
も一部上に、第2ポリマーM、好ましくは250℃未満の溶融点を有する
ポリマー、をオーバーモールドする工程、の中の少なくとも1つを構想(着想、envisage)し得ることが理解されるであろう。
又、この場合、上記基板の少なくとも一部は、前もって、上記タイプのポリマー又はレジンの薄い保護層(保護膜)によって、少なくとも部分的に被覆されても良い。この薄い保護層は、例えば、吹き付け(噴霧、スプレー)によって、或いは、問題にしている流体状態のポリマー又はレジンを収容している容器内に基板20を完全に浸すことによって、塗布されても良い。
示されていない他の実施形態に依れば、図25〜図32の装置に類似する装置は、基板20の基端部領域及び/又は上記制限された部分30を被覆して絶縁するべく形成された、つまりオーバーモールドされるポリマーRが、可能性として、シェル又は管状ボディ内に入り込むことを防止するべく形成された(つまり、この結果、上記シェル又は管状ボディの外側のみに被覆(覆い、外皮、カバー)52のオーバーモールドが可能になる)、シェル若しくは管状ボディを構想(着想、envisage)し得る。
示されていない他の実施形態に依れば、図25〜図32の装置に類似する装置は、上記基板20の基端部領域及び/又は上記制限された部分30における上記被覆52の全体形状を実現するべく異なった形状を有する金型を提供することによって、得られる。金型からの抜き取り後、(例えば、45,46又は46又は21+46で示されたタイプと同じタイプの)保護ボディが、上記基板20と上記被覆52とを有する半製品上に取り付けられる。その半製品は、次いで、上記感知部分15の形成と、上記取り付け部分16の外面の少なくとも一部と、の形成に必要な材料Mの更なるオーバーモールドを実行する為に、更なる金型内に設置され得る。
種々の実施形態において、上記シェル46が上記ボディ21に接続されるか又は上記ボディ21に一体的に形成された状態で、上記シェル45は、省かれることができる。このようなケースは、図33〜図35に例示されている。
図28〜図30の概念に類似する概念の1つの金型パーツ50であって、上記ボディ部21と上記シェル46とを収容するべく(又は、上記ボディ21とシェル46とを単一ピースで形成する単体を収容するべく)形成された対応するインプレッション50aを備えた金型パーツ50は、図33に見ることができる。図34において、51’で示された第2金型パーツは、代わって、レジンRからなる上記保護被覆52の外側の輪郭を画定するべく形成されたインプレッションを有している。得られた半製品は、図35に見ることができる。該図35から、如何にして、上記基板20の制御部分が、上記被覆52のレジンRをもって少なくとも部分的に被覆されるのかが、及び/又は、上記基板20の制御部分が、シェル45をもって、上記被覆52のレジンRの少なくとも一部と、上記ボディ部21との間に少なくとも部分的に設置されるのかが、理解されよう。
又、このケースでは、上記金型50,50’から抜き取られた半製品は、図35に見られるように、上記の如く、上記感知部分15の形成と、上記取り付け部分16の外部の形成と、に必要な材料Mのオーバーモールドを実行する為に、更なる金型内に位置決めされることができる。
図28〜図32及び図33〜図35を参照して例示された工程(プロセス)と構造は、可能性として電子部品26が取り付けられる上記基板20の領域においてさえ、高い寸法収縮率及び/又は高い溶融点を有する材料を或いは用いて、電子部品を損傷させることなく、装置のボディの上記部分15,16を得る為のオーバーモールドの実行を可能にする。上記の通り、この目的で、上記領域は、記載した上記1つのシェル又は複数のシェルと、保護レジンRと、の手段によって、保護される。
上記の通り、上記材料Mは、190℃と230℃の間の溶融点を有する高密度ポリエチレン(HDPE)、若しくは同様の溶融点を有する他の材料、例えば、ポリブテン(PB)又はポリプロピレン(PP)、であることができる。原理上、270℃と350℃の間にさえある、より高い溶融点を有する材料、例えば、ポリフタルアミド(PPA)、ポリアミド(PA66)及びポリフェニレンサルファイド(PPS)、を用いることが可能である。これらの場合、上記基板20は、上記シェル45又はシェル45,46(例えば、ポリフェニレンサルファイド - PPS)のような、適切な耐熱材料(例えば、ポリイミド - PI)から形成されるであろう。
種々の実施形態において、上記基板20は、オーバーモールド材料M内に、好ましくは、熱硬化性材料内に、完全に、又は実質的に完全に、埋め込まれる(埋設される)ことができる。このタイプの解決策においては、次いで、装置のボディの上記部分14,15,16は、或いは他の補助的なボディパーツの付加をもって、オーバーモールドされる材料Mで形成されることができる。
このタイプの実施形態において、上記オーバーモールドされた材料に結合されるであろう、及び/又は上記オーバーモールドされた材料内に少なくとも部分的に組み込まれる(含まれる、englobed)であろう、上記端子17用の位置決め及び/又は支持要素が、考慮(envisaged)され得る。例えば、図36及び図37は、60で示される、そのような支持部の可能な実施形態を示している。該支持部は、好ましくは打ち抜き(ブランキング)及び/又は変形操作によって帯金属から開始して得られる端子17上にオーバーモールドされる、プラスチック材料又はポリマー材料(例えば、熱硬化性材料、好ましくは、同じ材料M、又はポリフェニレンサルファイド - PPS)から形成されたボディを有する。
示された実施形態において、上記支持部60のボディは、実質的に互いに直角である2つの壁部61,62を有しており、そこから、特別の目的をもって形成された上記端子の上記部分17a,17bが、それぞれ、直角に突出している。好ましくは、この構成(配置)は、又、全く同一の端子17の上記部分17a,17bが、異なる方向性を排除するものではないけれども、実質的に、互いに直角であるような構成である。上記形成された端子17上に上記支持部60のボディの上記材料を直接的にオーバーモールドする代わりに、図38及び図39に例示されているように、後続する端子17の取り付け目的の為に、その壁部61,62に適切なシート及び/又は通路61a,62aを形成することにより、そのボディそのものを前もって準備しておくことも、又、可能である。上記シート及び/又は通路61a,62aは、特に生産目的の為に、上記支持部60上でのハンダ付け及び/又は上記部分14の上記材料のオーバーモールドに続いて、より完全に固定するまで上記支持部60と端子17とを有する上記半製品の取り扱いを可能にするように設計された、例えば、上記端子17用の干渉はまり(締まりばめ、interference-fit)タイプの位置決め及び/又は固定手段を有し得る。
有利にして、上記支持部60は、例えば、上記コネクターボディ14aを提供する為に、図示されたものとは異なるように形成されても良い。
上記支持部60が前もって準備された後、例えば、図36及び図37に見ることができるように、その形成された端部17bは、図40におけるような、上記基板20の領域24の、その対応する電気接続穴又はパッド24aに連結(結合)され、これによって、その必要な電気接続がなされる。図40は、材料T、例えばすず、を適用してハンダ付けする場合を示しているが、上記の通り、他の電気機械的接続の形態、例えば、圧入タイプの形態、が可能である。上記接続に続いて、支持部60の上記壁部61,62は、(又、図43に見ることができるように)基板20に対して、それぞれ、実質的に、垂直及び平行になる。このようにして、端子17の上記部分17aは、基板20に対して、実質的に、平行になる。示されていない他の実施形態に依れば、端子17の上記部分17aは、代わって、基板20に対して、垂直であることができる。
次いで、図40の半製品 - つまり上記端子の支持部60を有する基板20 - は、適切な金型であって、金型のパーツが上記装置のボディの外側の輪郭を画定するべく構成された各インプレションを形成している金型、の中に設置される。種々の実施形態において、上記オーバーモールドされる材料Mは、比較時に、熱可塑性材料よりも低い圧力で成形可能な特徴を有する熱硬化性材料であって、基板20を構成する材料の熱膨張率に類似する熱膨張率を有する熱硬化性材料の中から選択される。該熱硬化性材料は、好ましくは、FR4である。熱硬化性材料の使用に代わるものとして、上記オーバーモールドされる材料Mは、適切なレジン、例えば、エポキシ樹脂、又はその目的で設計された他のタイプのポリマー、であることができる。
上記したものにより実現され得る装置は、図41〜図44に例示されている。例示されているケースにおいては、又、リング31が備えられているが、これは、解決策に関する任意的な特徴である。この装置のボディの形態(形状、構造)は、図42〜図44に示される断面図にはっきり見ることができる。該図42〜図44から、基板20が、如何にして、上記オーバーモールドされる材料Mであって、基板自体の上記基端部領域と、上記端子の支持部60の少なくとも一部と、を取り囲む部分65を含む材料M、の中に事実上完全に埋め込まれるのかが、注目され得る。上記部分65は、又、好ましくは、上記端子の部分17aが内側に延在する、上記コネクターボディ14aを提供する。このタイプの解決策においては、次いで、又、可能性として、特に多層被覆を形成する為に、ポリマー又はレジンの薄い保護層、例えば絶縁保護コーティング(コンフォーマルコーティング)タイプの薄い保護層、による被覆が塗布(適用)された後に、電気及び/又は電子部品25,26が、上記オーバーモールドされる材料Mの中に埋め込まれる。
種々の実施形態において、上記装置のボディは、その基板を実質的に完全に被覆するように、しかしながら、露出される1つ以上の制限(限定)された領域であって、コネクター等の電気相互接続要素の後続する取り付けと電気接続とを可能にする為に必要な領域を残して、オーバーモールドされる。このタイプの解決策は、全く同一の構成のセンサー10に、外部システムに対する幾つかの異形の電気接続部が備えられねばならない時、図36〜図44に示されたものと比較して、特に有利である。この意味での例は、図45〜図51に概略的に示されている。
最初に、図45及び図46を参照すると、上記装置のボディは、その大部分が、上記材料M、好ましくは熱硬化性材料又はレジン、を上記回路基板上にオーバーモールドすることによって、形成されている。そのオーバーモールドされる材料Mは、露出される上記電気接続部を形成するのに必要なその小さい領域を残して、上記基板それ自体の上記基端部を取り囲む(取り巻く)ように設計された部分65’を含む。特に、図45を参照すると、上記部分65’は、好ましくは、基盤20の露出する第1領域、ここでは、上記コントローラー25を支持するその主要な面における第1領域であって、上記電気接続穴又はパッド24aの第1端部が位置する第1領域、を残す第1開口65aを提供するように、オーバーモールドされる。好ましくは、この開口65aは、オーバーモールドされた材料Mによって画定される窪み(凹部)又はシート65bであって、可能性として、上記コントローラー及び/又は上記電子回路の少なくとも一部を被覆する層65cを含む窪み又はシート65b、の内側に形成される。例示されたケースにおいて、上記材料Mは、又、対応する形成部32aを有する上記固定部32を形成する。上記部分65’は、好ましくは、又、基板20の露出する第2領域であって、上記接続穴24aの第2端部が位置する第2の主要な面における第2領域、を残す第2開口を提供するように、オーバーモールドされる。この第2開口は、図46(この図は、上記端子が既に接続されている状態を示していることに注目されたし)における65dによって示されている。別の実施形態において、上記第1及び第2開口は、例えば、上記端子17が、支持部20に、予め基板20にハンダ付けされて上記オーバーモールド材料Mから突出する圧入タイプの接続部若しくは他の電気タブ接続部をもって、接続される場合には、無いことさえあり得る。
次いで、図45の上記シート65bに、図47に示される如く、コネクターボディ14aと、対応する端子17とを一体化したボディ部21が取り付けられる。上記パーツ21は、図4の機械的接続構成に類似する機械的接続構成、つまり、
(図4において、21bで示されているものに類似する)軸方向シートを有する構成、を備え得る。該軸方向シートは、(図3及び図4における21c,21dで示されているものに類似する)同軸穴がそれぞれ備えられた2つの壁によって横方向(側面方向)に区切られている(境界が定められている)が、これは、既に上記した形態に従い、そして、これ故に、ネジS又は他の係合手段の助けを借りて、上記形成部32a(図45)と結合(連結)する為のものである。図45の上記シート65b内への上記ボディ21の位置決めに続いて、図46で例示した場合におけるように、圧入タイプの接続、或いは、基板20の反対側の面におけるハンダ付けによる接続、を可能にする(確立する)為、端子の上記部分17bが、基板20の対応する接続要素24aに接続される。これは、上記オーバーモールドされた材料Mによって形成された上記開口65dの存在のお陰である。次いで、図48に例示されているように、上記開口65dは、例えば、更なるオーバーモールドによって、又は該開口65dを充填する適切な封止樹脂(シーリングレジン)を適用(塗布)することによって、或いは目的をもって提供された蓋によって、閉じられ得る。蓋を適用する場合には、何れにしても、上記薄膜(薄い膜、薄い層)のレジンが適用され得る。
このようにして得られた装置10は、図49〜図51の断面図に見ることができる。該図49〜図51において、この場合、如何にして、上記オーバーモールドされた材料Mが、事実上、全体的に、基板20を取り囲み、従って、上記固定部32と上記65’とを有するその部分14,15,16を取り囲む、装置10のケーシングボディを形成しているのかが、注目され得る。上記可能なリング31に加えて、更なる要素が、上記電気コネクターと、上記レジン又は蓋66とを統合又は形成する、上記ボディ部21によって示されている。
上記図面においては、上記電極J, J’は、実質的に矩形の幾何学的形態(外形)を有するものとして、概略的に、示された。この形状は、しかしながら、種々の実施形態において、上記基板20の面の一方又は両方に連携(結合)する電極が異なる形状を有し得る限りにおいて、必須のものと見做されるべきではない。
それ自体で自律的に進歩性を有する実施形態において、すなわち、上記基板20が制限された部分を欠いている場合においてさえ、矩形の電極に代えて、異なる形状の電極、又は不規則な外形(輪郭)を有する電極、例えば、少なくとも、2つの反対側の横端部(側面端部)に面取りしてできる面を有する電極(つまり、基本的に、対応する横断側面又は横側面の少なくとも1つおいて面取りされたコーナ部を有する電極)、及び/又は、各中間領域又は中央領域において凹部又は制限された部分を有する電極、が備えられる。このタイプの実施形態は、図52〜図54に例示されている。
上記電極Jの幾つかの面取りしてできる面は、図53において、69,69’により示されており、一方、電極Jの幾つかの凹部は、図52及び図53において、75,75’により示されている。当該電極の面取りしてできる面の形状と、その凹部の形状とは、ここでは、直線的な広がり(方向)をもって例示されているが、しかしながら、それらの輪郭(外形)は、例えば、湾曲した広がり(方向)、又は湾曲した広がり(方向)と直線的な広がり(方向)を組み合わせたもの、又は複雑な輪郭(外形)、から得られる、違ったものであり得る。
種々の実施形態において、2つの隣接する電極Jは、基板20の上記領域23の中で露出される各領域を残すように、上記面取りされたコーナ部を鏡面位置に有して、配置される。示された例において、これらの露出された領域 - その幾つかが図52において15a’で示されているが - は、ほぼ三角形状又は台形状を有しているが、しかしながら、電極Jの上記鋭角(シャープエッジ、sharp edges)は、実質的に半円形状の領域15a’等を画定するように、異なる形状をもって、例えば湾曲した輪郭をもって、丸味みを付けられることができる。種々の実施形態において、上記電極Jの少なくとも幾つかは、各通路、又は凹部、例えば図52及び図53において75’で示されている凹部、を画定するように、形成される。これは、上記基板20の露出された領域の存在を決定するためである。
それ自体で自律的に進歩性を有する実施形態において、すなわち、又、制限された部分30を欠く場合には、上記回路基板20は、好ましくは、感知領域自体の長手方向に配置される、そして大変好ましくは、その方向に互いに整列せしめられる、少なくとも複数の貫通孔を、その感知領域に有する。ここでは、該貫通孔は、上記装置のケーシングボディの上記感知部分15を提供することができる上記オーバーモールドされる材料Mの各部によって、満たされる。
そのような実施形態の1例は、図52に示されている。該図52では上記孔の幾つかが - 円形穴の形状で - 70,71で示されている。該孔70,71の存在により、上記オーバーモールド成形の工程中に金型内に射出される溶融状態における上記材料Mの流動が、用いられる金型パーツの2つの対向するインプレッションの間で、疑問の余地なく改善される。上記孔の存在は、同様に、装置10のボディの - 長手方向に殆どの広がりを有する部分である - 上記部分15の凝固する材料Mの、上記回路基板20に対する、固定を改善する。これは、構造的強度に有利である。
好ましくは、上記孔70,71内に存在する上記被覆及び絶縁材料Mの部分は、上記基板20の反対側の面20a,20bの材料間のブリッジ(橋渡し)又は接続を提供し、該面20a,20bに関する材料自体の固定を改善する。例えば、上記ブリッジ又は接続は、例えば相違する温度における上記材料の相違する膨張率(拡張度)に続いて、上記部分15の材料Mが上記面20a,20b及び/又は上記電極Jから可能性として分離し及び/又は離れることを防止し、及び/又は上記面20a,20b上にある上記部分15の材料Mの軸方向移動又は滑りを防止するのに役立つ。この点について、例えば、上記部分15の材料Mと基板20の材料との温度による異なる膨張率は、(例えば、又、最小(極小)の空気層であっても該層の介在の為に、或いは、上記基板20に関する材料Mの反復微小摩擦(repeated miro-rubbing)に起因する、電極及び/又は伝導路及び/又は電子部品への損傷の為に)分離及び/又は相互滑りを導き、測定の変更やエラーを決定付けること等があり得ることは、考慮されるべきである。
示されていない可能な変形形態に依れば、上記基板20に対する上記オーバーモールド材料Mの固定をより良いものにする目的で、及び/又は相互の軸方向移動を防止する為に、上記基板は、その側面20c及び/又は20dにシート及び/又は逃げを有する。
上記の通り、それ自体で自律的に進歩性を有する実施形態において、すなわち、又、上記回路基板20の制限された部分を欠く場合であって、孔70,71の1つのアレイが存在する場合には、上記電極は、上記孔における各通路又は凹部を画定するように、形成される。
例えば、図52及び図53に関して、如何にして、上記電極Jが各凹部(その幾つかはそれらの横断側面の中間領域に75で示されている)を形成(画定)しているのかが、注目され得る。注目され得るように、上記孔70は、2つの隣接する電極Jの対向する凹部又は鏡面位置にある凹部75を部分的に占めている。理解されるであろうように、又、該凹部75の存在は、電極Jが上記レベル感知軸の方向に互いに十分に接近して保持されることを可能にする。これは、センサー装置の測定の感度と解像度にとって有利である。むしろ、各電極Jの横断側面の両方に凹部75があることが好まれる場合には、幾何学的に等しいか又は鏡面位置にある電極の1つの列を有することが可能になる。この結果、対応する静電容量は均一、つまり、各電極における、静電容量の検出又は電界の検出が均一、になる。電極Jの数よりも明確に少ない数の孔70が存在している場合においてさえ、従って、何れにしても、全ての電極が、凹部75、又は、何れにしても、均等な面、を備えていることが、好ましい。
図52及び図53に例示されているもののような種々の実施形態において、上記基板に設けられている孔のアレイは、互いに異なる、第1孔70と第2孔71とを含む。特に、第1孔70は、第2孔71よりも、小さい直径又は断面の通路を有する。そのより大きい孔71は、それらが考慮される時、以下に例示されるように、上記オーバーモールドする金型の要素を位置決め及び/又はセンタリングする為の静止シート(休止シート、resting seats)又は静止点(休止点、resting points)を提供する機能を有する。
この理由で、好ましい実施形態においては、間に孔71が位置する隣接する電極には - 各横軸対向側面(対向する各横断側面)に - 上記孔70に設けられている凹部75よりも更に大きい(広い)凹部75’が備えられている。この概念は、電極J9,J10(図52)のその対向凹部75’に関して、又、電極J18,J19(図53)のそれらに関して、図52及び図53から理解され得る。このように、より広い孔71の存在にもかかわらず、その列の電極Jは、上記感知軸の方向に、実質的に一定の距離を置いて、十分に接近した状態に保たれ(維持され)得る。
その列の或る電極 - ここでは、図52における電極J9,J10,J18,J19 - が、より広い凹部75’を有する、という事実は、電極それ自体の上の、面取りしてできる面69’の存在によって、補償される。該面69’は、その列の全ての電極が、何れにしても、同じ有用な面を有するように、その列の他の電極の、面取りしてできる面69よりも、更に、制限(限定)されている。換言すれば、従って、たとえ、上記電極J9,J10,J18,J19が、他の電極J1〜J7,J11〜J17,J10〜J22とは異なる幾何学的形状を有していたとしても、全ての電極J1〜J22の面は、結果的に、対応する静電容量又は電界の均一性、及び各電極における検出の均一性をもって、実質的同一である。
上記面取りしてできる面及び/又は上記凹部の存在により決定付けられる露出領域の存在は、上記材料Mのオーバーモールド成形に用いられる上記金型の適切なセンタリング及び/又は位置決め要素の静止(休止)を可能ならしめる為に、有利に考慮される。ここで、これらの要素は、厳密な意味においての成形工程中に、つまり、金型内での上記材料の射出工程中に、退避(退却、後退、recede)するように設計される。この観点をより良く理解する為に、図55は、図9〜図11に示した装置に類似する、可能な成形装置を概略的に例示している。注目され得るように、この例においては、2つの金型パーツ41,42は、各々、少なくと1つのハウジングを形成しており、該ハウジングには、可動インサート又はプラグ44が取り付けられている(上記2つの金型パーツ41,42の一方と、上記2つのプラグ44の一方とに関して見ることができない上記要素は、他方の金型パーツ又はキャリッジ(運び台)に関して見ることができる要素に類似する方法で作られているものと見做されたし)。
各ハウジング42fの底部には、上記インサート44の各部分44a,44bが係合する通路42d,42eが形成されており、インサート44からは、対応する位置決め及び/又はセンタリング要素44’,44''が、それぞれ、突出している。各位置決め及び/又はセンタリング要素44’,44''に対応して、対応する金型パーツ41,42のインプレッション42aの内側には、対応する穴がある。このような穴の幾つかは、42b,42cで示されている。
(図10におけるように)上記回路基板が間にセット(設置)された状態で、上記2つの金型パーツが閉じられる時、上記位置決め及び/又はセンタリング要素44’,44''は、上記インプレッション内にある上記対応する穴42b,42cから突出し、基板の上記2つの面の各点(ポイント)に当接(圧接)する。該各点は、15a’で示される露出領域によって表示されており、及び/又は上記基板の対応する貫通孔71を有する上記電極Jの凹部75’によって決定される露出領域によって表示されている。このようにして、上記基板自体が、上記2つの金型パーツに対向するインプレッション42aに関して、所定位置に保持され及び/又はセンタリングされる。
上記金型41,42内に材料Mの射出を開始した後、上記インプレッションが、上記溶融状態にある材料で少なくとも部分的に満たされた時、上記インサート44は、僅かに退避せしめられ、上記位置決め及び/又はセンタリング要素44’,44''は、これに対応して退避せしめられる。これにより、又、何れにしても、上記領域15a’は、上記オーバーモールド材料によって被覆され、そして上記凹部75’により決定される露出領域と、上記孔71とは、それによって満たされる(充填される)であろう。これらの領域と孔においては、しかしながら、そのオーバーモールド材料Mは、例えば、図54において15a,15a’で示されているような、円筒部分、又は半円筒部分、又は環状部分の形態で、より厚くなり得る。
もし、上記オーバーモールド材料のこれらの厚い部分において、矩形電極の下に位置する部分が存在する場合には(つまり、面取りしてできる面69、露出された領域15a’及び上記凹部75’により決定される露出された領域等、電極のその輪郭について、変形形態(バリエーション)を欠く場合には)、上記電極部分は、正確に、上記円筒部分15a又は環状部分15a’のオーバーモールドされた材料によって決定される、その大きい絶縁厚さの為に、レベルの静電容量の検出に対して、感度が無くなるか、又は感度がより低下するであろう。換言すれば、或る特定の電極のその活性表面(又は静電容量又は電界)は、その同一のアレイの他の電極のものよりも、より小さくなり、結果的に、感度はより低く或いは異なったものになり、従って、感知精度はより低いものになるであろう。これは、より厚くオーバーモールドされた材料によって覆われた(被覆された)電極部分を有する上記領域において、検出が非直線的になる為である。再度、換言すれば、より厚い上記部分15a, 15a’により被覆されていない第1電極は、(より高い)第1の静電容量又は電界を有し、一方、上記部分15a, 15a’により部分的に被覆されている第2電極は、(より低い)第2の静電容量又は電界を有するであろう。つまり、そのレベル測定は、従って、上記第2電極において、低下するであろう。
一方、ここに記載された解決策に依れば、全ての電極Jに、面取りしてできる面及び/又は凹部によって区別される(特徴付けられる)輪郭を備える、という事実 - 又、ここでは、44’,44''により示されるタイプの金型をセンタリングする為の要素の静止は考慮されておらず、従って、又、ここでは、材料Mの肉厚部分の存在は考慮されていない - によって、電気的に活性な表面又は領域の水準において、同一の又は均等な1列の電極を有することが可能になり、結果的に、対応する静電容量又は電界が均一化、つまり各電極における検出が均一化、される。
上記電極Jの活性な表面又は領域間におけるこの均一性は、又、種々の温度における静電容量の変化又は電界の変化を、より正確且つ便利に、補償することを目的として、有用であり得る。例えば、異なる温度において、所定の表面を有する基準電極、例えば温度センサー27aに近接する第1電極J1、の静電容量又は電界の変化を検出することにより、上記補償電極J1と同じ活性表面又は領域を有する全ての他の電極Jの静電容量又は電界の温度における補償が可能になる(一方で、異なる活性表面又は領域を有する電極の補償は、損なわれ得るか、若しくは問題となり得る)。
図52を参照して、種々の実施形態において、上記感知領域23の末端部にある最後の電極J(電極Jn)は、その列における最後から2番目の電極の方向性(方位、向き)と同様の方向性を有していることが、つまり上記2つの電極間には鏡面位置における面取りしてできる面が存在していないことが、注目されるべきである。これは、しかしながら、上記基板20の上記末端部において、もし、又、この末端部における肉厚部分15aが仮に考慮される場合には、2つの対応する領域15a’の形成を可能にする。
2つの隣接する電極J間における上記面取りしてできる面69の存在は、成形中に、上記位置決め要素44’,44''を受け入れるべく、或いは、該成形に続いて、15a,15a’で示されるタイプの上記ケーシングの肉厚部分を受け入れるべく、電極間に十分に広い領域を形成する程度の距離を隔てて電極を設置しなければならない代わりに、該電極Jを十分に接近した状態に維持することを可能にし、以て、良好なレベル測定分解能を保証する。更に、上記領域15a’が、隣接する2つの電極の面取りしてできる面69によって形成されている、という事実は、各電極の活性表面の減少を最小化することができる。説明した通り、上記センサー装置の感度は、静電容量又は電界の値に依存しており、該値は、上記電極の表面と相関している。つまり、何れにしても、対になって隣接している電極上に、面取りしてできる面又は凹部を備えることで、それらの幅が減少する場合と比較した時、電極それ自体の為のより広い表面を維持することが可能になる。
上記電極Jの特定の形態に関わりなく、図52は、又、如何にして、種々の実施形態において、上記基板20の制御領域24が、2つ以上の制限された部分30を含み得るか、を示すことを目的にしている。
このタイプの形態において、2つの制限された部分30の間に構成された、基板20の、より幅が広い部分(これは、ここでは、いずれにしても、上記感知領域23よりも狭い幅を有している)の存在は、基板それ自体に対する上記オーバーモールドされた材料Mの固体の更なる改善を可能にする。
種々の実施形態において、少なくとも1つの金型パーツ41,42は、対応するインプレッション42aが - 例えば、図55における42gで示されているチャネルと同じタイプの - 長手方向チャネルであって、金型が閉じられている状態にあっては、基板20の長手方向に整列する貫通孔70,70’に対応する領域に延在する長手方向チャネル、を有するように、前もって準備される。該チャネルは、金型内で、オーバーモールド材料の流動を容易化して、上記孔の充填を容易化する。更に、有利なことに、上記感知部分15の長手方向の一種の肋骨(肋材、ribbing)を提供する、材料Mの肉厚部、の形成が可能になる。上記装置のボディの上記感知部分15を更に強化するのに有効なそのような肋骨は、図54中、15bで示されている。明らかに、そのような肋骨は、図54では見ることができないが、上記感知部分15の反対側にも、及び/又は異なる位置にも、形成され得る。
明らかに、上で説明された概念が維持される場合、上記電極、上記面取りしてできる面、及び上記凹部は、図に例示されたものとは異なる形状を有し得る。同様に、図52〜図54を参照して記載した上記特徴が、全ての実施形態に、又、図1〜図51を参照して上記した実施形態に、適用可能であることは、明らかである。
図53は、図52に従う回路基板20に、上記ケーシングボディの対応する部分、特に上記接続部分14、を備えることにより、得られる半製品を概略的に示している。これは、ここでは、図25〜図30を参照して記載されたもの、つまり、ポリマー又はレジンからなる保護部52が上にオーバーモールドされた関連付けられたシェル45,46を備えたボディ部21を含むもの、に実質的に類似する方法で得られる。次いで、又、環状シーリング部材19が取り付けられているところの図54に見ることができるように、図53の半製品上に、上記感知部分15と上記取り付け部分16とを得るのに必要な材料Mがオーバーモールドされる。
図54は、又、種々の実施形態において、例えば、タンクの対応する開口6に、センサー装置を、スナップ動作によって、又は密閉剤によって、又はハンダ付けによって、取り付けることを目的として、如何にして、装置10のボディの上記取り付け部分16が、半径方向(放射状)に突出するフランジ無しに存在し得るのかを示している。明らかに、図54の場合においても、又、対応するフランジを備えた上記部分16は、実現され得る。
上記したように、種々の実施形態において、上記基板20の感知領域23に設けられた電極は、上記コントローラー25の各入力装置に接続される。図56は、コントローラー25 - 例えば、マイクロコントローラー - の概略図である。該コントローラー25は、単なる例として、「n」個(ここでは、20個)の信号入力装置INを含んでおり、該信号入力装置INは、上記したタイプの対応する伝導路(導電路)CTを通して、多数の電極Jに単一の形態で接続されている。つまり、該信号入力装置INは、他の電極に対して、共通に、又は並列に(同時に)、接続されていない。
種々の実施形態において、上記入力装置INの各々における、静電容量の値又は電界の値の検出は、間接的な方法によって、例えば、電圧の計測に基づいて、或いは、入力における静電容量を均等な抵抗(抵抗値)に変換してから該均等な抵抗を通して測定される電流をデジタル計数に変換することによって、なされる。これらの場合、好ましくは、上記コントローラー25の入力装置INは、アナログ入力装置であり、そのコントローラーは、アナログ・デジタル変換器(の機能)を遂行するか、或いは、該アナログ・デジタル変換器と連携している。上記値は、量子化プロセスに従って、コントローラー25内でデジタル化され、純粋な数(pure number)又は生データ(raw datum)の形態を取る。すなわち、検出された値(及び/又は均等な値及び/又は処理された値)は、装置のコントローラー25及び/又は制御回路装置のメモリー回路内に格納され得る。
種々の実施形態において、各入力装置INには、操作可能スイッチ(制御可能スイッチ)と、コンデンサーと、を含む、サンプリング又は測定回路が、関連付けられる(結合せしめられる)。該操作可能スイッチと、コンデンサーは、ここでは、又、サンプリングスイッチと、サンプリングコンデンサーとして、定義される。その操作可能スイッチは、サンプリングコンデンサーが電圧源に接続される第1位置と、該コンデンサー自体が各電極J(又は、共通に接続されている多数の電極J)に接続される第2位置と、の間で、切り替えが可能である。好ましくは、上記電圧は、直流電圧、例えば、上記基板20に設けられている上記回路装置の供給電圧である。好ましくは、上記コントローラー25は、電気的に接続を断つ手段を有するか、又はその手段と連携している。上記コントローラー25は、或いは、接地接続手段、つまり1つ以上の上記入力装置IN(つまり、上記対応する電極J)であって、計測を目的として考慮される入力装置とは異なるものを有するか、又はその手段と連携している。上記コントローラー25は、更に、上記対応する電極J(又は、共通に接続されている電極Jの組)に関連付けられる静電容量の値に比例する方法で、上記サンプリングコンデンサーを放電させるように、上記操作可能スイッチの上記第1位置から上記第2位置への切り替えを生じさせる為の手段を有するか、該手段と連携している。実施に当たっては、計測を目的として考慮される度に、互いに異なる全ての上記入力装置IN(つまり、電極J)の接地接続が考慮されても良い。可能な変形形態において、接地接続の代わりに、計測を目的として考慮される、互いに異なる1つ又は複数の入力装置IN(つまり、対応する電極J)は、接続を断たれても良いし、或いは、所定の異なる電圧、つまり異なる基準電圧、好ましくは静電容量の計測を目的として考慮される度毎の上記入力装置IN又は電極Jにおける電圧とは異なる電圧又は電位(例えば、正の供給電圧と、グラウンド(地面、アース端子、接地、ground)電圧又は電位、又は負の電圧又は電位と、の間の電圧)に接続されても良い。
更に、上記コントローラー25は、上記操作可能スイッチが上記第2位置にある時に、上記入力装置INにおける電圧であって、上記電極J(又は、共通に接続されている電極の組)に関連付けられている静電容量を表している電圧を決定する為の手段を有する。上記コントローラー25は、更に、入力装置INにおいて存在する決定された電圧を少なくとも1つの対応する基準値又は閾値と比較する為の制御手段又はコンパレーターであって、これにより、その液体が上記電極J(或いは、共通に接続されている電極Jの組の少なくとも1つの電極)に面しているか否かを推測(推定)する制御手段又はコンパレーターを有する。種々の実施形態において、上記入力装置INのスキャンとサンプリングが、アナログ・デジタル変換器と連携するサンプル・ホールド回路(標本(見本)及び保持回路)を用いて、実行され、そして、各電極J(又は、電極の組)の静電容量の測定が、上記回路の固有の静電容量(内因性静電容量、intrinsic capacitance)に関する測定比較として、なされる。
図56の構成に係るセンサー装置 - つまり、上記コントローラー25の各入力装置INに接続された単一の複数の電極(single electrodes)を有するセンサー装置 - の動作の概略的な例が、図57に概略的に示されている。上から取り付けられたレベルセンサー装置、つまり図1の構成に関して逆になった(逆さまになった)構成を有するレベルセンサー装置が、必要条件をより明確化することだけを目的とした、この図面に示されていることは、注目されるべきである。その対応する電極Jは、しかしながら、図56におけるのと同じ順序で、従って、電極J1が最も低い位置に設置されており、そして電極Jnが最も高い位置に設置されている状態で、示されている。又、図57の構成においては、少なくとも1つの温度センサー、ここでは、最も低い位置に設置されている電極J1に対応する位置に設置されている温度センサー27a、が設けられている。該温度センサー27aは、上記コントローラー25の少なくとも1つの対応する入力装置INTSに接続されており、この例において、該温度センサー27aは、また、適切な基準入力装置つまりノードINREFに接続されている。
図57には、内側にセンサーの感知部11を有し、Lで示されている液体中に少なくとも部分的に浸されている対応する感知部分15に含まれる電極J1-Jnを有する、タンク1を見ることができる(ここでは、明確化する理由の為、上記基板20は示されていない)。図示されている例において、コントローラー25の上記アナログ入力装置INは、ここではマルチプレクサー(多重変換装置)MTPで示されているマルチプレクサー手段に接続されている。該マルチプレクサーMTPは、好ましくは、コントローラー自体の中に設けられており、サンプル・ホールド回路が関連付けられている電子セレクタースイッチとして実質的に作動する。該サンプル・ホールド回路は、例えば、保持コンデンサー(保持容量)CHOLDと、サンプリングスイッチSSとを備える。該スイッチSSは、電圧VDD(例えば、コントローラー25の供給電圧)に接続する為の第1位置と、マルチプレクサーMTPの出力に接続する為の第2位置、つまり上記電極Jへの接続位置と、の間で、切り替えられる。
上記したように、上記回路構成又はそのコントローラー25は、接地接続又は非接地接続の為の、或いは異なる電位の1つ以上の入力装置IN、つまり上記サンプル・ホールド回路に接続する度に互いに異なる対応する電極J、に対して断続する為の、電子的手段又はスイッチを有し得る。図57のケースにおいては、例えば、上記マルチプレクサーMTPは、毎回、上記サンプル・ホールド回路に対して各入力装置INを切り替えるように、そして、図57中、接地符号GMで概略的に示しているように、接地する1つ以上の(可能性として、全ての)他の入力装置INを切り替えるように、構成される。述べたように、接地接続に代えて、異なる所定電圧に対する断続が考慮され得る(この観点において、上記符号GMは、又、上記所定電圧に対する断続を示すものとして、理解され得る)。
上記マルチプレクサーMTPによって、上記入力装置IN、従って上記電極Jは、上記スイッチSSに、順次、接続される。上記したように、上記入力装置INの各々が、上記マルチプレクサーMTPによって、上記スイッチSSに接続される時、そのマルチプレクサーは、又、グラウンドに対して、又は異なる所定電圧に対して、1つ以上の他の入力装置IN、好ましくは上記サンプル・ホールド回路に毎回接続される電極Jに隣接又は近接して設けられている電極Jに対応する少なくとも上記入力装置IN、を断続する。上記スイッチSSは、周期的に、上記マルチプレクサーMTPの動作に同期する方法で、上記コンデンサーCHOLDを充電する為の上記第1位置と、該コンデンサー自体を、マルチプレクサーMTPにより目下選択されている上記入力装置INに、従って対応する電極Jに、接続する為の上記第2位置との間で、切り替えられる。この第2位置にある上記スイッチSSにより、コンデンサーCHOLDの静電容量と、ここでは電極J1として仮定されているところの考慮される電極Jに関連付けられる静電容量と、の間で、荷電平衡が実質的に取られる。換言すれば、この荷電平衡をもって、上記コンデンサーCHOLDは、電極J1と、該電極J1に隣接する電極J2と、により限定(定義)されるコンデンサーの静電容量に比例する方法で、放電せしめられ、そして、グラウンドに接続されるか、又は、上記異なる所定電圧に接続される(上記検出又は放電を目的として、もし、それが、システムの動作の説明をより単純化し且つ明確に行う為に無視できる方法(やり方)従ってここでは考慮されない方法で、グラウンド又は異なる所定の電位に接続される場合には、他の隣接する電極J、例えば示されている電極J3、も、又、貢献し得ることが、考慮されるべきである)。ADCにより、電荷の量、つまり上記コンデンサーCHOLDの残留電圧が、従って、決定される。考慮される電極J1が、上記液体Lに面しているか否かを推測する為に、上記電荷を表すデータ(生データ)は、次いで、所定の基準値又は閾値と比較される。接地接続形態の例として、少なくとも1対の電極Jが上記液体Lに面している時、つまり上記感知電極Jと、グランドに接続されているか若しくは異なる電圧に接続されている少なくとも1つの電極J(例えば、図57の電極J1,J2)とが上記液体に面している時、静電容量の第1の値がそれに関連付けられる一方、(図57の電極Jn,Jn-1の場合のように)そうでない場合には、静電容量の、第1の値とは異なる、第2の値がそれに関連付けられる。
上記コンデンサーCHOLDの電荷と、上記電極J1の電荷との間の上記バランスに続いて、上記コンデンサーを通る電圧の値及び/又は上記入力装置IN1における電圧の値を表している上記生データは、実質的に、上記コントローラー25に前もって格納されているところの与えられた基準閾値に一致するか、さもなくば該基準閾値よりも、大きいか又は小さい可能性がある。例えば、1実施形態において、上記コントローラー25は、所定の閾値に等しいか又は該閾値よりも大きい、入力装置INにおける電圧又は生データの検出が、(電極J1の場合におけるように)考慮された電極が上記液体Lに面している事実を示すようにする一方、閾値よりも小さい、入力装置INにおける電圧又は生データの検出が、(電極Jnの場合におけるように)電極が上記液体に面していない事実を示すように、プログラムされることができる。
理解され得るように、上記逐次サンプリングを行うことによって、上記コントローラー25は、タンク1内において、液体から大気(空気)への変り目(liquid-to-air transition)に対応する2つの電極J(ここでは、電極Jn-1,Jn)を特定することができる。すなわち、一旦、上記液体から大気への変り目の存在が感知された場合には、上記コントローラー25は、その閾値よりも低い電圧の値が関連している、2つの電極Jの中のその電極が大気内にある第1電極である、という事実に基づいて、その液位を推測することができる(或いは、逆に、その閾値と等しい電圧値か又はその閾値よりも高い電圧値が関連している電極は、その流体(液体)に面している最終電極(last electrode)である)。この目的の為に、好ましくは、所定の測定ユニットにより、上記レベル(液位)を計算又は確定することができるように、各電極Jの位置に対応する長さ(高さ)の値、又は、いずれにしても、上記感知軸Xの方向における複数の電極J間の距離の値、を表す情報は、コントローラー25が備える、メモリー手段、及び/又は、プログラム又はソフトウェア、内に格納されるか、又は事前に定義(規定)される。上記センサー装置の電子装置は、特にその電気コネクターを介して、外界に対して、上記レベル情報を表す信号、及び可能性として各電極の状態(例えば、大気や液体の状態)に関する情報を表す信号、及び/又は各電極により検出された値を表す信号、及び/又はそれに関連付けられる値を表す信号、を伝送するか又は発生させる。
図57を参照して記載された動作は、又、上記例示したものとは異なる制御回路や方法論であって、(例えば、本出願の名前で提出された特許文献1〜3のいずれか1つの教示内容に係る)その分野に精通した者にとって明白な概念の制御回路や方法論をもって、実現され得ることが理解されるであろう。
可能な変形形態において、上記感知電極Jは、上記コントローラー25の各入力装置INに接続された第1感知電極と、該第1感知電極に、共通に、又は並列に、電気接続された第2感知電極と、を有する。このタイプの例は、図58に概略的に示されている。該図58において、上記第1電極は、電極J4からJ20に及んでおり、一方、上記第2電極は、電極J21からJnに及んでいる。つまり、この例において、電極J1-J3は、基準電極であり得る。図58の構成において、電極J4からJ20に及ぶ、第1電極の第1の副列(first sub-series)を特定することは、基本的に可能であり、又、電極J21からJnに及び実質的に互いに並行に接続された、第2電極の第2の副列(second sub-series)を特定することは、基本的に可能である。電極の副列の数は、明らかに、異なっても良い。
このタイプの実施形態においては、上記液体が、上記第1感知電極(電極J4)に面しているか否か、及び/又は上記対応する第2感知電極(電極J21)に面しているか否か、を推測する為に、上記コントローラー25内で実現される上記制御手段又はコンパレーターは、共通に接続された2つの電極(例えば、並列電極J4,J21)に対応する上記入力装置INで決定された電圧を少なくとも2つの対応する基準閾値と比較する為に、前もって準備される。その測定は、実質的に、上記形態に従って、行われ得る。種々の実施形態において、その測定から得られる値は、共通に接続された電極の数を1つ増やした数に等しい数の閾値と比較される。2つの並列電極Jについてここで考慮されている例を参照して、次いで、その仮定値(前提値、value assumed)は、前もって定義された3つの異なる閾値と比較され得る。すなわち、第1の閾値に等しい値、又は与えられたその近隣内(例えば、+/-40%)にある値は、何れの電極も上記液体に面していないことを示しており、第2の閾値に等しい値、又は与えられたその近隣内(例えば、+/-40%)にある値は、(その物理的位置に基づいて知られている)それらの電極の一方が上記液体に面しており且つ他方の電極が面していないことを示しており、最終的に、第3の閾値に等しい値、又は与えられたその近隣内(例えば、+/-40%)にある値は、両方の電極が上記液体に面していることを示している。
本発明に係る装置の動作に関する計算及び/又は処理は、全体的に又は部分的に、装置それ自体の外側でなされ得る又は実行され得る、ということが、つまり、基板20上の制御回路25,26及び/又はコントローラー25を直接的に必ずしも用いる必要がない、ということが、再度、強調されるべきである。その制御回路構成は、事実上、(明らかに、上記電極Jは除いて)全体的に又は部分的に、外部の電子回路内、例えば車両上の電子制御ユニット内、において、実行され得る。そのような外部の回路は、従って、装置10の上記感知部11を通して得られる信号やデータを受け取る為に、そして、そのレベル感知の機能若しくは方法論の少なくとも一部を実行するべくその信号を処理する為に、前もって準備され得る。- つまり、そのような外部の回路は、上記信号やデータを受け取ってその処理を行う為の手段を有し得る - このタイプの処理において、次いで、本発明に係る装置は、遠隔位置におけるパーツ、例えば、11で上に示されたパーツに実質的に対応する感知パーツ(感知部)と、例えば、該感知パーツが関連付けられる上記コンテナに関して遠隔位置に設置され、電子制御ユニット又は回路内に一体化された、処理及び/又は制御パーツであって、そこから(感知パーツから)その必要な信号やデータを受け取るために前もって準備される処理及び/又は制御パーツと、を有し得る。
種々の実施形態において、上記センサー装置10の上記電子制御装置は、好ましくはシリアルフォーマットでの、大変好ましくはシリアルインターフェイス又はシリアルプロトコルでの、例えばSENT(シングル・エッジ・ニブル伝送、Single-Edge Nibble Transmission)プロトコル又はCAN(コンローラ・エリア・ネットワーク、Controller Area Network)プロトコルでの、データの伝送及び/又は受け取りの為に、前もって準備される。好ましくは、データの伝送及び/又は受け取りは、上記接続部分14を通して、特に、上記電気端子17を通して、実行される。
伝送されたデータ又は値は、上記電極Jにより実行された検出に続いて得られるレベル情報(例えば、静電容量の値、及び/又は、インピーダンスの値、及び/又は、電界の値、及び/又は、均等な生データの値又は計算済み生データの値)、及び可能な更なる情報、例えば温度の値(例えば、タンク内の液体の温度)、及び/又は、可能な故障状態に関する情報、を表し得る。伝送されたデータ又は値、及び/又は受け取られたデータ又は値は、又、例えば、目盛り及び/又は閾(threshold)及び/又は基準値等、上記電極Jの少なくとも幾つかに関連を有し得る。上記装置10のコントローラー25は、伝送されたデータ又は情報、及び/又は受け取られたデータ又は情報、及び/又は処理動作の結果、を格納し得る。
上の記載から、本願発明の特徴は、提案されている上記レベルセンサー装置の構成を単純化することによって、その含まれるコストによって、そしてその精度と信頼性とによって、基本的に示されている、その利点と同様に、明確に明らかになっている。
多数の変形形態が、添付の特許請求の範囲に限定されているような本発明の範囲から離れることなく、例として記載された本装置と本方法の分野に精通した人によってなされ得ることは、明らかである。
示されていない可能な実施形態において、上記基板20の上記制御領域は、添付図面において24で示されているものよりも短くなることが可能であり、及び/又は、上記制御領域は、その基端部領域における広げられた部分無しに、存在することができる。これらの実施形態において、そのような「より短い」制御領域を取り囲む、装置のケーシングボディのその部分は、上記ボディ部分14,16の機能を実質的に実現する為に、構成され得る(例えば、そのような制御領域は、実質的に、各種図面において30’で示されているその部分(パーツ)に対応し得る)。これらの場合、しかしながら、それを取り囲むケーシングボディのその部分において、コンテナ1の上記開口6における - ハンダ付けによる可能な取り付けを含む - 密閉された取り付けに必要な要素を備えることができるように、その制御領域は、十分に長くなるであろう。更に、制限された基板部分30は、基板20の上記制御領域の長さ全体を通して軸方向に延在することができる。或いは、(図52のケースにおけるような)複数の制限された部分30が、その長さ全体にわたる制御領域に関連し得る。
本発明は、特に、液状媒体、特に尿素を前提とする添加剤(urea-based additive)、のレベルの検出について記載された。しかし、既に述べたように、記載されたセンサーは、異なる物質及び材料との組み合わせにおいて使用されることができ、更には、可能性として、凍結により凝固する物質及び材料との組み合わせにおいてさえ、使用されることができる。
幾つかの適用(応用)において、異なる感知領域を有してのレベル測定であって、各感知領域は、センサー装置10の感知部11の異なる部分に位置すると共に、異なる測定解像度を有する、異なる感知領域を有してのレベル測定が要求されるかも知れない。つまり、この要求は、例えば、基板の上記感知領域23に沿って - 形状と寸法の見地から - 異なる形態を有する電極の位置決めに導く。これによって、その与えられた領域において要求される測定(計測)の解像度又は公差(許容差)が保証される。この選択は、ある場合において、コントローラー25のコストを最小化する要求によって、強制される。これは、又、その入力装置の数と、従ってそれが扱える電極の数と、に関連付けられる。この理由により、幾つかの適用において、最大の感知解像度が必要ではない(典型的に、2つの両端における)領域において、電極寸法を大きくすることが好都合だと判明するかも知れない。この観点において、可能な変形形態に依れば、上記基板20の、その感知領域23における、1つの主要な面上、又は各主要な面上、に設けられた容量素子のアレイは、形状及び/又は寸法の見地から、互いに異なる多数の電極の列を有し得る。