JP6918914B2 - 検体前処理カートリッジを用いた前処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検体前処理カートリッジを用いた前処理方法に関する。
血漿中に含まれる核酸を分析する場合、血漿から核酸を抽出する前処理が行われる。たとえば、前処理は、核酸に結合したタンパク質を分解して核酸を単離させる工程と、単離された核酸を磁性粒子に吸着させる工程と、磁性粒子に吸着された不純物を洗浄する工程と、磁性粒子から核酸を遊離させて核酸を抽出する工程と、を含む。特許文献1には、容量が1mL程度の1つの反応容器を用いて検体から核酸を抽出し、抽出した核酸のうち目的の細菌やウィルスに由来する核酸をPCRで増幅して、目的の核酸の分析を行う分析装置が記載されている。
特表2015−514223号公報
特許文献1の分析装置では、25μL〜75μL程度と少量の血漿から核酸を抽出するため、容量が1mL程度の1つの反応容器を用いている。しかしながら、1mL以上の多量の血漿から核酸を抽出する場合、容量が1mL程度の反応容器では、少量の血漿から核酸を抽出する処理を複数回に分けて行わなければならないため、前処理に時間がかかる。特に、癌細胞由来の核酸を抽出して分析する場合、癌の進行が初期の状態であると抽出できる癌細胞由来の核酸は微量であるため、前処理では、多量の血漿を用いて核酸を抽出する必要がある。このように多量の血漿に対して前処理を行うと、前処理に要する時間が一層長くなる。
特許文献1に記載の構成では、容量が1mL程度の1つの反応容器を用いているため、多量の血漿を一度に処理することができない。その場合、容量の大きな反応容器を用いて多量の血漿を処理することが考えられる。しかしながら、乳児、幼児または小児の場合には、多量の血漿を採取するのが難しいため、少量の血漿から核酸を抽出する必要があるが、容量の大きな反応容器を用いた場合には、容量の小さな反応容器を用いる場合に比べて、反応容器中の少量の血漿を完全に吸引できない恐れがある。そのため、前処理に要する時間を短縮でき、且つ、多量の血漿にも少量の血漿にも対応可能な手法が望まれている。
本発明の主たる態様は、検体前処理カートリッジを用いて血漿検体から核酸を自動で抽出するための前処理方法に関する。この態様に係る前処理方法は、前記検体前処理カートリッジに一体的に形成されている複数の反応容器のうち、前記血漿検体の量に応じた数の前記反応容器に、前記血漿検体を分注する
本発明によれば、前処理に要する時間を短縮でき、且つ、多量の血漿にも少量の血漿にも対応できる。
図1は、実施形態に係る検体前処理装置の内部構成を上から見た場合の模式図である。 図2(a)は、実施形態に係る検体前処理カートリッジの構成を示す斜視図である。図2(b)は、実施形態に係る試薬カートリッジの構成を示す斜視図である。 図3(a)〜(f)は、実施形態に係る検体前処理装置による処理の流れを説明するための図である。 図4は、実施形態に係る分注部の構成を上から見た場合の模式図である。 図5は、実施形態に係る反応部、洗浄部、および溶出部の構成を示す図である。 図6は、実施形態に係る検体前処理装置の構成を示すブロック図である。 図7は、実施形態に係る血漿検体の量に関する情報を記憶し、核酸抽出処理を開始するための検体前処理装置の処理を示すフローチャートである。 図8は、実施形態に係る設定画面の構成を示す図である。 図9は、実施形態に係る核酸抽出処理を示すフローチャートである。 図10(a)〜(f)は、実施形態に係る第1〜第3処理によって血漿検体からDNAが抽出されることを説明するための図である。 図11は、実施形態に係る第1工程の処理を示すフローチャートである。 図12は、実施形態に係る第2工程の処理を示すフローチャートである。 図13は、実施形態に係る第2工程の処理を示すフローチャートである。 図14(a)〜(h)は、実施形態に係る第2工程の前半部分における試料の分注について説明するための図である。 図15は、実施形態に係る第2工程の処理を示すフローチャートである。 図16は、実施形態に係る第2工程の処理を示すフローチャートである。 図17は、実施形態に係る第3工程の処理を示すフローチャートである。 図18(a)〜(e)は、実施形態に係る検体前処理カートリッジの変更例を示す模式図である。
以下の実施形態は、血漿検体から核酸を抽出するための検体前処理装置に本発明を適用したものである。実施形態の検体前処理装置は、特にDNAを抽出する。実施形態の検体前処理装置によりDNAが抽出されると、その後、たとえばBEAMing(Bead, Emulsion, Amplification, and Magnetics)法に基づいて遺伝子が検出される。すなわち、実施形態の検体前処理装置は、遺伝子検出の前に、DNAを抽出するための前処理を行う。実施形態の検体前処理カートリッジは、遺伝子検出の前に、DNAを抽出するための前処理に用いられる。
図1に示すように、検体前処理装置100は、板部材110、120、130と、保持部材140、150、160と、分注部200と、6つの反応部300と、6つの洗浄部400と、6つの溶出部500と、6つの冷却部600と、制御部701と、記憶部702と、を備える。図1において、XYZ軸は、互いに直交している。X軸正方向は左方向を示し、Y軸正方向は後方を示し、Z軸正方向は鉛直下方向を示している。以下の図面においても、XYZ軸は、図1に示すXYZ軸と同じである。
板部材110、120、130には、以下で説明するように孔が形成されている。保持部材140、150、160には、上面に対して窪んだ穴状の保持部が形成されている。これらの孔および保持部は、Y軸方向に延びる列101〜106に沿って並んでいる。列101〜106は、検体前処理装置100内においてX軸正方向に順に並んでいる。列101〜106に沿って並ぶ孔および保持部は、それぞれ、1つの検体の処理領域に対応している。したがって、検体前処理装置100は、6つの血漿検体の処理領域を有している。
板部材110には、列101〜106に沿って、それぞれ、5つの孔111と、1つの孔112と、1つの孔113とが形成されている。孔111〜113は、板部材110を貫通している。1つの検体前処理カートリッジ10が設置される際、Y軸方向に並ぶ5つの孔111と、1つの孔112と、1つの孔113に、それぞれ、検体前処理カートリッジ10の5つの反応容器11と、1つの洗浄容器12と、1つの溶出容器13とが通される。そして、5つの反応容器11が、板部材110の下方にある穴状の保持部を有する反応部300に支持され、溶出容器13が、板部材110の下方にある穴状の保持部を有する溶出部500に支持される。これにより、1つの検体前処理カートリッジ10が板部材110に対して設置される。板部材110には、列101〜106に沿って6つの検体前処理カートリッジ10を設置できる。
血漿検体の処理を開始する際には、列101〜106のうち検体容器41が設置された列の位置に、新しい検体前処理カートリッジ10が、あらかじめ設置される。検体前処理カートリッジ10の構成については、追って図2(a)を参照して説明する。
反応容器11と溶出容器13が反応部300と溶出部500に支持されることに代えて、図2(a)に示す検体前処理カートリッジ10の平面部10aが板部材110の上面に支持されることにより、検体前処理カートリッジ10が板部材110に対して設置されてもよい。
板部材120には、列101〜106に沿って、それぞれ、8つの試薬容器保持部121が形成されている。試薬容器保持部121は、板部材120に設けられた孔である。試薬容器保持部121は、板部材120を貫通している。1つの試薬カートリッジ20が設置される際、Y軸方向に並ぶ8つの試薬容器保持部121に、試薬カートリッジ20の試薬容器21〜28が通される。そして、図2(b)に示す試薬カートリッジ20の平面部20aが板部材120の上面に支持されることにより、1つの試薬カートリッジ20が板部材120に対して設置される。板部材120には、列101〜106に沿って6つの試薬カートリッジ20を設置できる。
血漿検体の処理を開始する際には、列101〜106のうち検体容器41が設置された列の位置に、試薬を収容した状態の試薬カートリッジ20が、あらかじめ設置される。試薬カートリッジ20の試薬容器21〜28には、それぞれ、可溶化液、調製液、抽出液、第1試薬、第1洗浄液、第2洗浄液、第3洗浄液、および第2試薬が収容される。試薬カートリッジ20の構成については、追って図2(b)を参照して説明する。
板部材130には、列101〜106の位置に、それぞれ孔131が形成されている。孔131は、板部材130を貫通している。試薬容器31が設置される際、孔131に試薬容器31が通される。そして、試薬容器31が板部材130の下方にある穴状の保持部を有する冷却部600に支持されることにより、試薬容器31が板部材130に対して設置される。板部材130には、列101〜106の位置に6つの試薬容器31を設置できる。血漿検体の処理を開始する際には、列101〜106のうち検体容器41が設置された列の位置に、試薬を収容した試薬容器31が、あらかじめ設置される。試薬容器31には、プロテイナーゼKが収容される。プロテイナーゼKを収容した試薬容器31は、プロテイナーゼKの分注が行われるまで、冷却部600により冷却される。
保持部材140には、列101〜106の位置に、それぞれ穴状の検体容器保持部141が形成されている。検体容器保持部141は、検体容器41を保持する。保持部材140は、列101〜106の位置に6つの検体容器41を保持できる。血漿検体の処理を開始する際には、血漿検体を収容した検体容器41が、あらかじめ検体容器保持部141に設置される。
保持部材150には、列101〜106に沿って、それぞれ、8つの保持部151が形成されている。保持部151は、保持部材150の上面から下方向に窪んだ穴形状を有している。Y軸方向に並ぶ8つの保持部151のうち、Y軸正側の6つの保持部151はチップ51を保持し、Y軸負側の2つの保持部151はチップ52を保持する。保持部材150は、列101〜106の位置に、36個のチップ51と12個のチップ52を保持できる。血漿検体の処理を開始する際には、列101〜106のうち検体容器41が設置された列の保持部151に、新しいチップ51、52が、あらかじめ設置される。
保持部材160には、列101〜106の位置に、それぞれ穴状の保持部161が形成されている。保持部161は、容器61を保持する。保持部材160は、列101〜106の位置に6つの容器61を保持できる。血漿検体の処理を開始する際には、列101〜106のうち検体容器41が設置された列の保持部161に、新しい容器61が、あらかじめ設置される。
分注部200は、列101〜106の位置に、それぞれ、一対のノズル201、202を備える。分注部200は、ノズル201、202をY軸方向およびZ軸方向に移動させる構成を備えている。ノズル201、202の下端は、円柱形状を有する。ノズル201が、保持部材150に保持されたチップ51の真上に位置付けられ下降されると、ノズル201の下端にチップ51が装着される。同様に、ノズル202が、保持部材150に保持されたチップ52の真上に位置付けられ下降されると、ノズル202の下端にチップ52が装着される。また、検体前処理装置100は、ノズル201、202に装着されたチップ51、52を廃棄するための、図示しない廃棄部を備える。ノズル201、202が廃棄部の孔に挿入された状態でY軸方向に移動されると、ノズル201、202の下端からチップ51、52が外れ、外れたチップ51、52が廃棄部に回収される。
また、分注部200は、チップ51、52を介して血漿検体と試薬とを分注可能に構成されている。分注部200は、ノズル201、202にチップ51、52を装着した状態で、チップ51、52の下端を液面下まで下ろし、吸引を行う。分注部200は、吸引を行った後、チップ51、52の下端を吐出対象の容器内に移動させ、吸引によりチップ51、52内に収容した液体を、吐出対象の容器に吐出する。なお、分注部200は、吸引した液体を廃棄する場合、チップ51、52内に収容した液体を、図示しない廃棄部に吐出する。分注部200の構成については、追って図4を参照して説明する。
6つの反応部300は、板部材110の下方に設置されており、それぞれ、列101〜106に沿って並んでいる。1つの反応部300には、1つの検体前処理カートリッジ10が有する5つの反応容器11が配置される。反応部300は、配置された反応容器11を加温して、反応容器11に収容された血漿検体と試薬との反応を促進させる。
6つの洗浄部400は、板部材110と保持部材140、150の下方に設置されており、それぞれ、列101〜106に沿って並んでいる。1つの洗浄部400には、1つの検体前処理カートリッジ10が有する洗浄容器12が配置される。洗浄部400は、配置された洗浄容器12において、磁性粒子に吸着された不純物を除去するための処理を行う。
6つの溶出部500は、板部材110、120の下方に設置されており、それぞれ、列101〜106に沿って並んでいる。1つの溶出部500には、1つの検体前処理カートリッジ10が有する溶出容器13が配置される。溶出部500は、配置された溶出容器13において、磁性粒子とDNAとを分離させてDNAを抽出するための処理を行う。
6つの冷却部600は、板部材130の下方に設置されており、それぞれ、列101〜106の位置に並んでいる。1つの冷却部600には、1つの試薬容器31が配置される。冷却部600は、配置された試薬容器31を所定温度に冷却する。
制御部701は、記憶部702に記憶されたプログラムに基づいて、検体前処理装置100の各部から信号を受信し、各部を制御する。
図2(a)に示すように、検体前処理カートリッジ10は、Y軸方向に延びた平面部10aと、5つの反応容器11と、1つの洗浄容器12と、1つの溶出容器13と、を備える。5つの反応容器11と、1つの洗浄容器12と、1つの溶出容器13と、平面部10aは、一体的に形成されている。具体的には、5つの反応容器11、1つの洗浄容器12、1つの溶出容器13、平面部10aのそれぞれが別部品となっており、各部品が接着剤等により接着されることにより、検体前処理カートリッジ10が一体的に形成されている。この他にもたとえば、プラスチック等の樹脂材料が射出成形されることにより、5つの反応容器11と、1つの洗浄容器12と、1つの溶出容器13と、平面部10aとが同じ材料で一体成形されることにより、検体前処理カートリッジ10が一体的に形成されてもよい。反応容器11と、洗浄容器12と、溶出容器13は、平面部10aの下面側に形成されている。反応容器11と、洗浄容器12と、溶出容器13の上部には、それぞれ、開口11a、12a、13aが形成されている。開口11a、12a、13aを介して、それぞれ、反応容器11と、洗浄容器12と、溶出容器13の内部に、上方からにチップ51、52が挿入される。
反応容器11の内側面は、開口11aから所定の深さ位置までは開口11aの径と同じ径となっている。反応容器11の内側面は、この深さ位置からZ軸正方向に向かうに従って次第に径が小さくなり、その後、球面形状に窪んだ底面へと繋がっている。すなわち、反応容器11は、円柱形状の内側面と、円錐状の内側面と、球面形状に窪んだ底面とを有している。洗浄容器12と溶出容器13も、反応容器11と同様、円柱形状の内側面と、円錐状の内側面と、球面形状に窪んだ底面とを有している。洗浄容器12および溶出容器13の径および深さは、反応容器11と異なっている。洗浄容器12の容量は溶出容器13の容量よりも大きく、反応容器11の容量は、洗浄容器12の容量よりも大きい。
反応容器11には、血漿検体および血漿検体中の核酸を磁性粒子に吸着させるための試薬が分注される。洗浄容器12には、磁性粒子に吸着された不純物を除去するために、反応容器11における反応が完了した試料が分注される。溶出容器13には、後述する磁性粒子と、血漿検体中のDNAとを分離させるために、洗浄容器12における処理が完了した試料が分注される。
5つの反応容器11と、1つの洗浄容器12と、1つの溶出容器13とが、検体前処理カートリッジ10において一体的に形成されているため、これらの容器を検体前処理装置100に対して簡便かつ同時に着脱できる。
なお、5つの反応容器11と、1つの洗浄容器12と、1つの溶出容器13が、あらかじめ検体前処理装置100に備え付けられていてもよい。この場合、血漿検体ごとに各容器を洗浄して利用する。ただし、この場合、洗浄が不十分で血漿検体が容器内に残ると、処理を行う血漿検体に他の血漿検体が混じるおそれがある。したがって、実施形態では、上述したように、血漿検体の処理を開始する際に、新しい検体前処理カートリッジ10が設置される。このように血漿検体ごとに検体前処理カートリッジ10が交換されると、検体前処理装置100に備え付けの容器を毎回洗浄して使用する場合に比べて、血漿検体に他の血漿検体が混じってしまうといったコンタミネーションを防ぐことができる。
5つの反応容器11は、互いに同じ形状を有する。これにより、5つの反応容器11において、同様に反応を進めることが可能となる。5つの反応容器11は、平面部10aの長手方向に沿って直線状に一列に並んでいる。これにより、複数の検体前処理カートリッジ10を並べて配置しやすくなる。具体的には、反応容器11の並ぶ方向と交わる方向に検体前処理カートリッジ10を並べれば、複数の検体前処理カートリッジ10を検体前処理装置100内においてコンパクトに設置しやすくなる。
洗浄容器12と溶出容器13は、検体前処理カートリッジ10の端に形成されている。これにより、洗浄部400を、反応容器11と溶出容器13から離間させて検体前処理装置100内に設置することが容易になる。同様に、溶出部500を、反応容器11と洗浄容器12から離間させて検体前処理装置100内に設置することが容易になる。また、洗浄容器12と溶出容器13は、互いに隣り合わない位置に形成されている。これにより、洗浄部400と溶出部500を個別に検体前処理装置100内に設置することが容易になる。
図2(b)に示すように、試薬カートリッジ20は、Y軸方向に延びた平面部20aと、試薬容器21〜28と、を備える。試薬容器21〜28と平面部20aは、一体的に形成されている。具体的には、試薬容器21〜28と平面部20aのそれぞれが別部品となっており、各部品が接着剤等により接着されることにより、試薬カートリッジ20が一体的に形成されている。この他にもたとえば、プラスチック等の樹脂材料が射出成形されることにより、試薬容器21〜28と平面部20aとが同じ材料で一体成形されることにより、試薬カートリッジ20が一体的に形成されてもよい。試薬容器21〜28は、平面部20aの下面側に形成されており、互いに同じ形状を有する。試薬容器21〜28は、反応容器11と同様、円柱形状の内側面と、円錐状の内側面と、球面形状に窪んだ底面とを有している。なお、試薬容器21〜28は、収容する試薬の容量に応じて、互いに異なる形状を有してもよい。試薬容器21〜28の上部には、それぞれ、開口21a〜28aが形成されている。開口21a〜28aを介して、それぞれ、試薬容器21〜28の内部に、上方からチップ51、52が挿入される。
上述したように、試薬カートリッジ20の試薬容器21〜28には、それぞれ、可溶化液、調製液、抽出液、第1試薬、第1洗浄液、第2洗浄液、第3洗浄液、および、第2試薬が収容される。調製液、抽出液、および第1試薬は、血漿検体中のDNAを磁性粒子に吸着させるための試薬である。第2試薬は、磁性粒子に吸着したDNAを遊離させるための試薬である。
たとえば、可溶化液は、Tris-HCl、EDTA-2Na、Guanidine Thiocyanate、およびTween(登録商標)20を含む。抽出液は、Tris-HCl、EDTA-2Na、GuanidineThiocyanate、およびTween(登録商標)20を含む。調製液は、Isopropanolを含む。第1試薬は、Sodium azide、および、血漿検体中のDNAを吸着させるための磁性粒子を含む。磁性粒子は、磁性を帯びた粒子の表面がシリカで覆われたものである。磁性粒子を構成する粒子は、たとえば酸化鉄である。第1洗浄液は、EDTA-2Na、Guanidine Hydrochloride、Sodium Azide、およびEthanolを含む。第2洗浄液は、Sodium AzideおよびEthanolを含む。第3洗浄液は、Ethanolを含む。第2試薬は、Tris-HCl、EDTA-2Na、およびSodium Azideを含む。
上述したように、血漿検体の処理を開始する際に、試薬を収容した新しい試薬カートリッジ20が、血漿検体が配置された列に設置される。これにより、試薬を分注するために、分注部200は、ノズル201、202をX軸方向に移動させるための構成を備える必要がなくなる。
なお、試薬容器21〜28が収容する8つの試薬および試薬容器31が収容する試薬を、あらかじめ検体前処理装置100に備え付けられた9つの容器に収容させてもよい。この場合、9つの容器は、たとえば、保持部材150のX軸負側に設置され、各容器に収容された試薬は、列101〜106に対する処理について共通に用いられる。こうすると、分注部200は、ノズル201、202をX軸方向に移動させるための機構を備える必要がある。また、検体前処理装置100のX軸方向の設置面積が増える。その反面、9つの試薬を収容する容器が、各血漿検体で共通して利用されるため、6つの試薬カートリッジ20および6つの試薬容器31を配置するための領域を削減でき、検体前処理装置100のY軸方向の設置面積を抑えることができる。
次に、図1および図3(a)〜(f)を参照して、検体前処理装置100による処理の流れの概要について説明する。
オペレータは、血漿検体を収容した検体容器41を検体容器保持部141に設置する。オペレータは、処理対象の血漿検体の数に応じて、検体容器保持部141に検体容器41を設置する。図1には、6つの検体容器保持部141のうち、列101〜103に対応する右側の3つの検体容器保持部141に検体容器41が設置され、3つの血漿検体について処理が行われる例が示されている。
オペレータは、後述する図6に示す入力部704を介して、検体容器保持部141に設置した検体容器41ごとに、処理を行う血漿検体の量を入力する。具体的には、オペレータは、入力部704を介して、1mL、2mL、3mL、4mL、5mLのうち、いずれかの値を血漿検体ごとに入力する。制御部701は、入力された値を、血漿検体の量に関する情報として取得し、取得した血漿検体の量に関する情報を記憶部702に記憶する。なお、オペレータは、検体容器41について入力する量以上の血漿検体を、あらかじめ検体容器41に収容させて、検体容器41を検体容器保持部141に設置する。その後、オペレータは、入力部704を介して、処理を開始するための指示を入力する。
なお、血漿検体の量に関する情報は、入力部704を介して取得されることに限られない。たとえば、検体容器41内の血漿検体を全量吸引することにより分注部200に備え付けられた測定部が吸引した量を測定し、測定部の検出信号に基づいて、制御部701が血漿検体の量に関する情報を取得してもよい。この場合、たとえば、分注部200により取得された血漿検体の量の小数点以下が切り捨てられた値が取得される。このとき、小数点以下が切り捨てられた値が6以上の値の場合、値は5とされる。こうして得られた値が、血漿検体の量に関する情報とされる。
ただし、この例では、検体容器41に収容された血漿検体の量に応じて、血漿検体に関する情報が自動的に決められてしまうため、オペレータは、血漿検体の量が処理すべき所望の量となるように、あらかじめ検体容器41に収容させる血漿検体の量を微調整しなければならない。したがって、実施形態のように、検体容器41に収容された血漿検体の量にかかわらず、オペレータが入力した値に基づいて血漿検体の量に関する情報が決められる方が、オペレータの作業を簡便にできる。
血漿検体の量に関する情報は、入力部704を介して取得されることに限られず、検体容器41に貼られたバーコードやRFIDから読み取られてもよい。
続いて、開始指示が入力されると、制御部701は、各検体容器41に収容されている血漿検体の処理を並行して行う。血漿検体の処理には、この血漿検体を収容する検体容器41に対してY軸方向に延びる列に設置された、検体前処理カートリッジ10と、試薬カートリッジ20と、試薬容器31と、チップ51、52と、容器61と、が用いられる。
制御部701は、記憶部702に記憶した血漿検体の量に関する情報を読み出して、血漿検体の量に関する情報に応じた数の反応容器11に、検体容器41に収容された血漿検体と、試薬カートリッジ20に収容された試薬と、試薬容器31に収容された試薬とを分注するよう、分注部200を制御する。具体的には、処理を行う血漿検体の量として1mL、2mL、3mL、4mL、または5mLが入力された場合、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの反応容器11に血漿検体と試薬が分注される。
たとえば、処理を行う量として5mLが入力された血漿検体の場合、この血漿検体と同列に配置された5つの反応容器11に血漿検体と試薬が分注される。処理を行う量として3mLが入力された血漿検体の場合、この血漿検体と同列に配置された3つの反応容器11に血漿検体と試薬が分注される。3つの反応容器11が用いられる場合、列方向に並ぶ5つの反応容器11のうち、Y軸負側の3つの反応容器11が用いられ、Y軸正側の2つの反応容器11は用いられない。
5つの反応容器11の容量は、それぞれ、分注された血漿検体と試薬とを短時間で効率的に反応させるのに適した容量に設定されている。すなわち、反応容器11に分注された血漿検体に対して所定の比率で試薬を分注でき、かつ、反応容器11に収容された血漿検体と試薬とを所定の温度に迅速に加温して反応を促進できるように、各反応容器11の容量が設定されている。
以下、便宜上、処理を行う量として5mLが入力された血漿検体の処理について説明する。以下の分注処理は、制御部701が分注部200を制御することにより行われる。
まず、試薬容器31に収容されたプロテイナーゼKが、5つの反応容器11に分注される。各反応容器11には、互いに等しい量のプロテイナーゼKが分注される。続いて、図3(a)に示すように、検体容器41に収容された血漿検体が、5つの反応容器11に分注される。各反応容器11には、互いに等しい量の血漿検体が分注される。具体的には、5つの反応容器11にそれぞれ1mLずつ血漿検体が分注される。
続いて、図3(b)に示すように、試薬カートリッジ20に収容された可溶化液、調製液、抽出液、および第1試薬が、5つの反応容器11に分注される。各反応容器11には、互いに等しい量の試薬が分注され、血漿検体中のDNAが磁性粒子に吸着する。
続いて、図3(c)に示すように、各反応容器11から順に所定量の試料が洗浄容器12に分注され、試料に含まれる不純物が液体成分として除去される。さらに、全ての反応容器11中の試料が洗浄容器12に分注された後、図3(d)に示すように、試薬カートリッジ20に収容された第1〜第3洗浄液が洗浄容器12に分注され、洗浄容器12内の試料に含まれる不純物が液体成分として除去される。
続いて、図3(e)に示すように、洗浄容器12内の試料と、試薬カートリッジ20に収容された第2試薬とが、溶出容器13に分注され、磁性粒子とDNAとが分離される。続いて、溶出容器13に磁力を印加した状態で、図3(f)に示すように、溶出容器13内の上澄みが容器61に分注される。容器61内の試料は、抽出されたDNAを含んでいる。こうして、1つの血漿検体に対する処理が完了する。なお、他の血漿検体に対する処理も、並行して同様に行われる。
処理を行う血漿検体の量として5mL以外の量が入力された場合、処理に用いる反応容器11の数が、入力された血漿検体の量に応じて変更される。たとえば、処理を行う血漿検体の量として3mLが入力された場合、3つの反応容器11に1mLずつ血漿検体が分注される。また、これら3つの反応容器11に上記試薬が分注される。
このように、血漿検体の量に応じた数の反応容器11に血漿検体と試薬が分注されて、血漿検体と試薬が分注された各反応容器11において、血漿検体に対する反応が並行して行われる。すなわち、血漿検体の量が多量、たとえば5mLの場合には、5つの反応容器11が用いられ、血漿検体の量が少量、たとえば1mLの場合には、1つの反応容器11が用いられる。
このため、処理を行う血漿検体と試薬とが1つの大容量の反応容器にまとめて分注される場合に比べて、血漿検体と試薬との反応に要する時間を短縮できる。また、大容量の反応容器において反応が行われる場合、血漿検体の量によって反応の進行度合いにばらつきが生じ得るため、安定的にDNAを抽出することが難しい。しかしながら、上記のように血漿検体の量に応じた数の反応容器11において反応が行われると、血漿検体の量にかかわらず、安定的にDNAを抽出できる。
また、血漿検体の量に応じて血漿検体が分注される反応容器11の数が決定される。このため、全ての反応容器11に収容できる総容量、すなわち実施形態では5mLまでの範囲において、一度に血漿検体を処理できる。よって、実施形態の検体前処理装置100によれば、DNAを抽出するための前処理に要する時間を短縮でき、かつ、多量の血漿検体にも少量の血漿検体にも対応できる。
上述したように、各反応容器11には、検体容器41から血漿検体が1mLずつ均等に分配される。すなわち、各反応容器11には、互いに等しい量の血漿検体が分注される。これにより、処理を行う血漿検体が不均等に各反応容器11に分注される場合に比べて、全ての反応容器11において反応が終わるまでに要する時間を短くできる。また、各反応容器11において反応が略均等に進むようになる。
なお、制御部701は、処理を行う血漿検体の量に関する情報として、整数値以外の値を受け付けてもよい。この場合、反応容器11に分注される血漿検体の量が1mLに近くなるよう、血漿検体が分注される反応容器11の数と、分注する血漿検体の量とが決められてもよい。たとえば、3.6mLが入力された場合、4つの反応容器11にそれぞれ0.9mLの血漿検体を分注してもよい。4.4mLが入力された場合、4つの反応容器11にそれぞれ1.1mLの血漿検体を分注してもよい。また、各反応容器11における反応に大きな差が出なければ、各反応容器11に異なる量の血漿検体が分注されてもよい。たとえば、3.6mLが入力された場合、4つの反応容器11に、それぞれ1mL、1mL、0.8mL、0.8mLの血漿検体が分注されてもよい。
制御部701は、処理を行う血漿検体の量に関する情報として、1mLより少ない量を受け付けてもよい。この場合、1つの反応容器11のみに、受け付けた量の血漿検体が分注される。こうすると、さらに少量の血漿検体に対応可能となる。
実施形態では、検体前処理カートリッジ10は、5つの反応容器11を備えたが、これに限らず、2〜4または6以上の反応容器11を備えてもよい。
図4に示すように、分注部200は、ノズル201、202と、圧力印加部210と、6つの上下移送部220と、前後移送部230と、を備える。
圧力印加部210は、6つのバルブ211と、6つのバルブ212と、6つの圧力センサ213と、6つのポンプ214と、を備える。バルブ211が開けられ、バルブ212が閉じられたときに、ポンプ214が駆動されると、ノズル201に装着されたチップ51を介して液体の分注が可能となる。バルブ211が閉じられ、バルブ212が開けられたときに、ポンプ214が駆動されると、ノズル202に装着されたチップ52を介して液体の分注が可能となる。圧力センサ213は、ポンプ214とバルブ211、212とを繋ぐ流路の圧力を検出する。
6つの上下移送部220は、列101〜106に沿って設けられたノズル201、202に対応して、支持部231の下面側に設置されている。上下移送部220は、図示しないモータを備え、モータの駆動により、列方向に並ぶ一対のノズル201、202を上下方向に移送させる。6つの上下移送部220は、それぞれ個別に駆動可能である。これにより、列101〜106に配置された血漿検体および試薬について、個別に分注を行うことが可能となる。前後移送部230は、支持部231と、2つのレール232と、を備える。前後移送部230は、図示しないモータを備え、モータの駆動により、レール232に沿って支持部231をY軸方向に移送させる。
液体を吸引する際には、制御部701は、分注部200を制御して、液面の上方からチップ51、52を下ろす。チップ51、52の下端が液面に接触すると、ポンプ214とバルブ211、212とを繋ぐ流路の圧力が変化する。制御部701は、圧力センサ213の検出信号が変化したことに基づいて、チップ51、52の下端が液面に接触したことを検知する。そして、制御部701は、分注部200を制御して、分注量に応じて、ノズル201、202を下方向に移動させ、チップ51、52を介して所定量の液体を吸引する。液体を吐出する際には、制御部701は、分注部200を制御して、吐出対象の容器内にチップ51、52の下端を位置付ける。そして、制御部701は、分注部200を制御して、チップ51、52内に位置付けられた液体を吐出する。
図5を参照して、反応部300と、洗浄部400と、溶出部500の構成について説明する。図5には、検体前処理カートリッジ10と、板部材110と、伝導部材312、512を、検体前処理カートリッジ10のX軸方向の中心位置を通るY−Z平面に平行な面によって切断したときの断面が示されている。その他の構成については、便宜上、X軸負方向に見たときの外観が示されている。
反応部300は、反応容器11を加温する加温部310を備える。加温部310は、2つのヒータ311と、伝導部材312と、2つの放熱部材313と、を備える。2つのヒータ311は、伝導部材312の下面に設置されており、伝導部材312を加温することにより、5つの反応容器11を加温する。ヒータ311に代えて、ペルチェ素子が用いられてもよい。
伝導部材312は、熱伝導性の高い金属により構成されており、ヒータ311の熱を反応容器11へと伝導させる。2つの放熱部材313は、それぞれ、2つのヒータ311の下面に設置されており、ヒータ311による加温が終了した後、ヒータ311と伝導部材312の熱を効率よく放熱させる。伝導部材312は、5つの反応容器11をそれぞれ保持するための5つの反応容器保持部312aを備える。5つの反応容器保持部312aは、伝導部材312の上面から窪んだ円形の穴形状に形成されている。反応容器保持部312aの径は、反応容器11の径と略同じである。反応容器保持部312aの内側面は、反応容器11の外側面が嵌る形状となっている。
洗浄部400は、洗浄容器12に磁力を印加する磁力印加部410を備える。磁力印加部410は、磁石411と、磁石411を移動させる磁石駆動部412と、を備える。磁石駆動部412は、レール412aと、移動部材412bと、モータ412cと、駆動軸412dと、を備える。移動部材412bは、レール412aに沿って移動可能に構成されている。移動部材412bには、棒状の部材を介して磁石411が設置されている。モータ412cは、検体前処理装置100内に固定されている。駆動軸412dの一方の端部は、モータ412cの軸に接続されている。駆動軸412dにはネジ溝が形成されている。駆動軸412dのネジ溝は、移動部材412bに形成されたネジ孔に接続されている。
検体前処理カートリッジ10が設置されると、図5に示すように、洗浄容器12は、平面部10aを介して、図1に示す孔111の下方に位置付けられる。この状態でモータ412cが駆動されると、移動部材412bと駆動軸412dを介して、磁石411が、洗浄容器12の底部に近い位置と、洗浄容器12の底部から遠い位置との間で移動される。レール412aは、Y軸に平行な方向に対してY軸正側がZ軸負方向に持ち上げられるように配置されている。これにより、磁石411は、モータ412cの駆動に伴い、斜めに移動する。
溶出部500は、溶出容器13を加温する加温部510と、溶出容器13に磁力を印加する磁力印加部520と、を備える。加温部510は、ヒータ511と、伝導部材512と、放熱部材513と、を備える。ヒータ511は、伝導部材512の下面に設置されており、伝導部材512を加温する。ヒータ511に代えて、ペルチェ素子が用いられてもよい。
伝導部材512は、熱伝導性の高い金属により構成されており、ヒータ511の熱を溶出容器13へと伝導させる。放熱部材513は、ヒータ511の下面に設置されており、ヒータ511による加温が終了した後、ヒータ511と伝導部材512の熱を効率よく放熱させる。伝導部材512は、溶出容器13を保持するための溶出容器保持部512aと、溶出容器保持部512aに繋がる孔512bと、を備える。溶出容器保持部512aは、伝導部材512の上面から窪んだ円形の穴形状に形成されている。溶出容器保持部512aの径は、溶出容器13の径と略同じである。溶出容器保持部512aの内側面は、溶出容器13の外側面が嵌る形状となっている。孔512bは、伝導部材512の側面から溶出容器保持部512aに繋がっている。
磁力印加部520は、磁石521と、磁石521を移動させる磁石駆動部522と、を備える。磁石駆動部522は、レール522aと、移動部材522bと、モータ522cと、ベルト522dと、を備える。移動部材522bは、レール522aに沿って移動可能に構成されている。移動部材522bには、棒状の部材を介して磁石521が設置されている。モータ522cは、検体前処理装置100内に固定されている。ベルト522dは、2つのプーリに架けられている。Y軸正側のプーリは、モータ522cの軸に接続されている。移動部材522bは、留め具によりベルト522dに接続されている。
検体前処理カートリッジ10が設置されると、図5に示すように、溶出容器13が溶出容器保持部512aに保持される。この状態でモータ522cが駆動されると、移動部材522bとベルト522dを介して、磁石521が、孔512bに沿って、溶出容器13の底部に近い位置と、溶出容器13の底部から遠い位置との間で移動される。レール522aは、Y軸に平行な方向に対してY軸負側がZ軸負方向に持ち上げられるように配置されている。孔512bは、レール522aに平行に延びている。これにより、磁石521は、モータ522cの駆動に伴い、斜めに移動する。
検体前処理カートリッジ10が設置される際には、図1に示す板部材110の孔111を通された5つの反応容器11が、反応容器保持部312aに挿入され、反応容器保持部312aにより保持される。また、図1に示す板部材110の孔113を通された1つの溶出容器13が、溶出容器保持部512aに挿入され、溶出容器保持部512aにより保持される。これにより、5つの反応容器11が反応部300に配置され、洗浄容器12が洗浄部400に配置され、溶出容器13が溶出部500に配置される。
検体前処理カートリッジ10が設置される際には、反応容器11の外側面が、反応容器保持部312aに隙間無く保持され、溶出容器13の外側面が、溶出容器保持部512aに隙間無く保持されるのが望ましい。これにより、ヒータ311から生じた熱が、伝導部材312を介して効率よく反応容器11に伝わり、ヒータ511から生じた熱が、伝導部材512を介して効率よく溶出容器13に伝わる。
実施形態では、反応部300と、洗浄部400と、溶出部500は、血漿検体ごとに配置される検体前処理カートリッジ10に対応して、すなわち、列101〜106に対応して設けられている。これにより、血漿検体ごとに、反応部300と、洗浄部400と、溶出部500による処理を、独立して行うことができる。なお、反応部300において、5つの反応容器11ごとに個別にヒータが設けられてもよい。
なお、列101〜106における血漿検体の処理が互いに同期して行われる場合、反応部300と、洗浄部400と、溶出部500は、列101〜106に対して共通に1つずつ設けられてもよい。この場合、列101〜106に配置された6つの検体前処理カートリッジ10に対応するよう、ヒータ311、511と、伝導部材312、512と、放熱部材313、513とが、X軸方向に延ばされる。また、各洗浄容器12に対応する6つの磁石411が、1つの磁石駆動部412により駆動され、各溶出容器13に対応する6つの磁石521が、1つの磁石駆動部522により駆動される。
図6に示すように、検体前処理装置100は、制御部701と、記憶部702と、表示部703と、入力部704と、分注部200と、反応部300と、洗浄部400と、溶出部500と、冷却部600と、を備える。
制御部701は、CPUまたはマイクロコンピュータにより構成される。制御部701は、検体前処理装置100の各部から信号を受信し、各部を制御する。記憶部702は、RAM、ROM、ハードディスク等によって構成される。制御部701は、CPUおよびマイクロコンピュータにより構成されてもよい。この場合、たとえば、マイクロコンピュータが検体前処理装置100の各部を制御し、マイクロコンピュータと通信可能に接続されたCPUが、マイクロコンピュータに指示信号を送信してもよい。すなわち、制御部701は、複数の制御部により構成されても良い。
表示部703は、ディスプレイにより構成される。入力部704は、マウスおよびキーボードにより構成される。検体前処理装置100は、表示部703および入力部704に代えて、タッチパネル式のディスプレイにより構成される表示入力部を備えてもよい。
次に、検体前処理装置100で行われる処理について、フローチャートを参照して説明する。
図7に示すように、ステップS1において、制御部701は、オペレータにより入力部704を介して設定開始指示を受け付けたか否かを判定する。制御部701は、設定開始指示を受け付けると、ステップS2において、表示部703に設定画面800を表示する。
図8に示すように、設定画面800は、設定表示領域801〜806と、開始ボタン811と、キャンセルボタン812と、を備える。設定表示領域801〜806は、それぞれ、列101〜106において処理を行う血漿検体の量を設定可能な値入力部を備える。図8に示す例では、値入力部は、6つのラジオボタンにより構成されている。6つのラジオボタンは、それぞれ、なし、1mL、2mL、3mL、4mL、5mLに対応している。初期状態では、「なし」に対応するラジオボタンが選択されている。設定表示領域801〜806の値入力部は、上記のようにラジオボタンに限らず、血漿検体の量を設定可能なリストボックス、テキストボックス等により構成されてもよい。
オペレータは、検体容器41を設置した列に対応する設定表示領域において、この検体容器41に収容された血漿検体のうち処理を行う血漿検体の量を、入力部704を介してラジオボタンを選択することにより設定する。そして、オペレータは、入力部704を介して開始ボタン811を押して、検体前処理装置100による核酸抽出の処理を開始させる。このとき、制御部701は、「なし」が設定されている列については、処理を開始させない。オペレータは、設定表示領域801〜806における設定を破棄して設定画面800を閉じる場合、入力部704を介してキャンセルボタン812を押す。
なお、核酸抽出の処理が行われている途中で設定画面800が表示された場合、処理が行われている列に対応する設定表示領域は、入力を受け付けない状態となっている。たとえば、列103に対応する血漿検体の処理が既に行われている場合、図8に示す例のように、設定表示領域803は破線表示で示すように入力を受け付けない状態となり、設定表示領域803の下方には処理中であることを示す「処理中」が表示される。このように処理中の列があっても、処理が行われていない列があれば、処理が行われていない列に対する入力は受け付け可能な状態となる。オペレータが、入力部704を介して、入力を受け付け可能な設定表示領域において血漿検体の量を選択し、開始ボタン811を押すと、設定された列に対応する核酸抽出の処理が開始される。なお、後から開始された処理は、既に行われている核酸抽出の処理と並行して行われる。
図7に戻り、ステップS3において、制御部701は、オペレータにより入力部704を介して開始ボタン811が押されたか否かを判定する。制御部701は、開始ボタン811が押されたと判定すると、ステップS4において、設定表示領域801〜806に基づいて、血漿検体の量に関する情報を記憶部702に記憶する。なお、ステップS4では、処理が行われていない列に対応する設定表示領域において1mL〜5mLのいずれかの値が設定された場合に、この設定表示領域に基づいて、血漿検体の量に関する情報が記憶される。そして、ステップS5において、制御部701は、血漿検体の量に関する情報を記憶した血漿検体について、核酸抽出処理を開始する。
図9に示すように、核酸抽出処理において、制御部701は、ステップS11の第1工程と、ステップS12の第2工程と、ステップS13の第3工程と、を順に実行する。ステップS11〜S13の処理は、血漿検体ごとに行われる。各工程の詳細については、追って図11〜図17を参照して説明する。ここでは、各工程の詳細な説明の前に、各工程によって、血漿検体からどのようにDNAの抽出が行われるかについて説明する。
図10(a)に示すように、検体容器41中の血漿検体は、DNA71、血漿検体中でDNAと結合するDNA結合タンパクであるヒストン72、DNA71を分解する酵素73、および血漿検体中タンパク74等を含んでいる。第1工程において、プロテイナーゼKが反応容器11に分注され、検体容器41中の血漿検体が反応容器11に分注され、可溶化液が反応容器11に分注される。プロテイナーゼKは、DNA71と結合しているヒストン72を分解し、DNA71からヒストン72を分離する。また、プロテイナーゼKは、酵素73を分解させて、酵素73の働きを抑制する。この他、プロテイナーゼKは、血漿検体中タンパク74を分解させる。可溶化液は、プロテイナーゼKが働きやすい環境を作る。
続いて、調製液と抽出液が、反応容器11に分注される。DNA71は親水性が高いため、溶液中では水分子と水素結合しやすい。一方、図10(c)に示す磁性粒子77の表面を覆うシリカは疎水性が高い。したがって、初期の状態のDNA71は、磁性粒子77のシリカと結合しにくい。調製液は、DNA71の水和分子を除去して、DNA71を疎水的にする。これにより、疎水的になったDNA71が、磁性粒子77のシリカに吸着するようになる。また、抽出液は、DNA71が磁性粒子77に吸着するための環境を作る。第1工程において、反応容器11内で反応が進むと、反応容器11内は、たとえば図10(b)に示す状態となる。
図10(b)に示すように、このときの反応容器11中の試料は、DNA71、酵素73、血漿検体中タンパク74、および変性物質75、76等を含む。変性物質75は、ヒストン72が変性および分解されたものである。変性物質76は、酵素73と血漿検体中タンパク74とが変性および分解されたものである。反応容器11で反応が進むと、DNA71からヒストン72が分離され、ヒストン72、酵素73、および血漿検体中タンパク74が変性および分解される。さらに、第1工程において、反応容器11に磁性粒子を含む第1試薬が分注される。これにより、DNA71が磁性粒子77に吸着し、反応容器11内は、たとえば図10(c)に示す状態となる。なお、血漿検体中の変性物質75、76等も、磁性粒子77に吸着する。
第2工程において、反応容器11中の試料が洗浄容器12に分注され、図5で示した洗浄部400の磁石411により、磁性粒子77が洗浄容器12の内壁に吸着される。そして、洗浄容器12から上澄み液が除去される。これにより、血漿検体中で磁性粒子77と結合していない変性物質75、76が除去される。続いて、洗浄容器12に第1洗浄液が分注される。これにより、磁性粒子77と結合した変性物質75、76が分離され、洗浄容器12内は、たとえば図10(d)に示す状態となる。そして、磁石411を用いて洗浄容器12から上澄み液が除去されることにより、試料から変性物質75、76が除去される。続いて、洗浄容器12に第2洗浄液が分注される。そして、磁石411を用いて洗浄容器12から上澄み液が除去されることにより、試料からさらに変性物質75、76が除去される。
続いて、洗浄容器12に第3洗浄液が分注される。そして、洗浄容器12中の試料が溶出容器13に分注され、図5で示した溶出部500の磁石521により、磁性粒子77が溶出容器13の内壁に吸着される。そして、溶出容器13から上澄み液が除去されることにより、試料からさらに変性物質75、76が除去される。
第3工程において、溶出容器13に第2試薬が分注される。これにより、DNA71が磁性粒子77から遊離し、溶出容器13内は、たとえば図10(e)に示す状態となる。続いて、図5で示した溶出部500の磁石521により、磁性粒子77が溶出容器13の内壁に吸着され、溶出容器13の上澄み液が容器61に分注される。このとき、容器61内の試料は、たとえば図10(f)に示すように、DNA71以外の不要な物質が除去された状態となる。こうして、1つの血漿検体に対する核酸抽出処理が終了する。
次に、図11〜図17を参照して、第1〜第3工程について説明する。
以下に示すフローチャートでは、制御部701が、分注部200と、反応部300と、洗浄部400と、溶出部500とを制御することにより、各ステップの処理が実行される。上述したように、第1〜第3工程は、処理が開始された血漿検体ごとに行われるため、以下の説明は、1つの血漿検体について行われる処理に関するものである。
図11に示すように、ステップS101において、制御部701は、処理行う血漿検体に対応する血漿検体の量に関する情報を記憶部702から読み出し、分注対象とする反応容器11を、読み出した血漿検体の量に関する情報に応じて決定する。
具体的には、血漿検体の量に関する情報が1mL、2mL、3mL、4mL、5mLに対応する場合、それぞれ、分注対象とする反応容器11の数は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つとされる。そして、分注対象とする反応容器11は、板部材110上に配置された5つの反応容器11のうち、Y軸負側の反応容器11から順に決定される。たとえば、血漿検体の量に関する情報が3mLに対応する場合、Y軸負側の3つの反応容器11が分注対象とされる。したがって、以下の処理では、5つの反応容器11のうち、分注対象とされた反応容器11のみが処理に用いられることになる。すなわち、分注処理は、分注対象とされた反応容器11に対してのみ行われる。
ステップS102において、制御部701は、保持部材150に保持された新しいチップ51をノズル201に装着する。ステップS103において、制御部701は、試薬容器31に収容されたプロテイナーゼKを、各反応容器11に所定量分注する。ステップS104において、制御部701は、ノズル201に装着しているチップ51を廃棄して、新しいチップ51をノズル201に装着する。ステップS105において、制御部701は、検体容器41に収容された血漿検体を、各反応容器11に1mL分注する。
ステップS106において、制御部701は、ノズル201に装着しているチップ51を廃棄して、新しいチップ51をノズル201に装着する。ステップS107において、制御部701は、試薬容器21に収容された可溶化液を、各反応容器11に所定量分注する。ステップS108において、制御部701は、反応部300の2つのヒータ311により各反応容器11を加温して、各反応容器11内の試料を加温する。これにより、反応容器11で反応が進み、図10(b)を参照して説明したように、DNA71からヒストン72が分離され、ヒストン72、酵素73、および血漿検体中タンパク74が変性および分解される。
ステップS109において、制御部701は、ノズル201に装着しているチップ51を廃棄して、新しいチップ51をノズル201に装着する。ステップS110において、制御部701は、試薬容器22に収容された調製液を、各反応容器11に所定量分注する。さらに、ステップS111において、制御部701は、試薬容器23に収容された抽出液を、各反応容器11に所定量分注する。
ステップS112において、制御部701は、ノズル201に装着しているチップ51を廃棄して、新しいチップ52をノズル202に装着する。ステップS113において、制御部701は、試薬容器24に収容された第1試薬を、各反応容器11に所定量分注する。ステップS114において、制御部701は、各反応容器11において、反応容器11内の試料を吸引し吐出する動作を連続で行うことにより、反応容器11内の試料を攪拌する。このような攪拌動作を、以下「吸排攪拌」と称する。ステップS115において、制御部701は、2つのヒータ311により各反応容器11を加温して、各反応容器11内の試料を加温する。これにより、図10(c)を参照して説明したように、DNA71が磁性粒子77に吸着する。こうして第1工程が終了する。
反応容器11に分注される血漿検体の量および試薬の量は、反応容器11内で反応が効率よく行われるように決められている。このような観点から、実施形態では、反応容器11に分注される血漿検体の量が1mLに決められており、反応容器11に分注される試薬の量がそれぞれ所定量に決められている。これにより、第1工程が終了した時点で、各反応容器11は、いずれも2.92mLの試料を収容することになる。
なお、ステップS103のプロテイナーゼKの分注と、ステップS105の血漿検体の分注と、ステップS107の可溶化液の分注と、ステップS108の加温とは、上記のような順で行われなくてもよい。各処理は、どのような順序で行われてもよく、並行して行われてもよい。
図12に示すように、ステップS201において、制御部701は、洗浄部400の磁石411を洗浄容器12に近付ける。ステップS202において、制御部701は、ノズル202に装着しているチップ52を廃棄して、新しいチップ51をノズル201に装着する。ステップS203において、制御部701は、反応容器11の処理位置を1に設定する。これにより、分注対象の反応容器11のうち、最もY軸負側に位置する反応容器11の位置が、処理位置となる。処理位置は、後述するステップS210において1ずつインクリメントされることにより、順にY軸正側へ1つずつ移動される。処理位置の値は、記憶部702に記憶される。
制御部701は、ステップS204において、処理位置の反応容器11に、1.2mL以上の試料があるか否かを判定する。上述したように、第1工程が終了した時点で、各反応容器11に収容されている試料は2.92mLであり、制御部701は、後述するステップS206において反応容器11から吸引した試料の量を、記憶部702に記憶している。ステップS204では、制御部701は、これらの情報に基づいて、処理位置の反応容器11に1.2mL以上の試料があるか否かを判定する。なお、ステップS204の判定の閾値は、チップ51を介して一度に分注できる最大の量に設定されている。
制御部701は、ステップS204において処理位置の反応容器11に1.2mL以上の試料があると判定すると、ステップS205において、処理位置の反応容器11に収容されている試料を吸排攪拌する。ステップS206において、制御部701は、処理位置の反応容器11から洗浄容器12に1.2mLの試料を分注する。ステップS206における試料の分注量は、チップ51を介して一度に分注できる最大の量に設定されている。これにより、反応容器11から洗浄容器12への分注回数を最小限に抑えることができる。ステップS206の分注により、洗浄容器12の内壁に、試料中の磁性粒子77が吸着する。ステップS207において、制御部701は、洗浄容器12内の上清、すなわち洗浄容器12内の試料の上澄みを吸引し、廃棄部に廃棄する。そして、制御部701は、処理をステップS204に戻す。
制御部701は、ステップS204において処理位置の反応容器11に1.2mL以上の試料がないと判定すると、ステップS208において、処理位置が最後の位置であるか否かを判定する。すなわち、ステップS208において、制御部701は、処理位置が分注対象の反応容器11のうち最もY軸正側に位置する反応容器11の位置か否かを判定する。
制御部701は、ステップS208において処理位置が最後の処理位置ではないと判定すると、ステップS209において、処理位置の反応容器11に収容されている全ての試料を、処理位置+1の反応容器11に分注する。ステップS210において、制御部701は、処理位置の値を1インクリメントすることにより、処理位置をY軸正側に1つ移動する。そして、制御部701は、処理をステップS204に戻す。他方、制御部701は、ステップS208において処理位置が最後の位置であると判定すると、処理を図13のステップS211に進める。
図13に示すように、ステップS211において、制御部701は、処理位置の反応容器11に収容されている試料を吸排攪拌する。ステップS212において、制御部701は、処理位置の反応容器11に収容されている全ての試料を、洗浄容器12に分注する。ステップS213において、制御部701は、洗浄容器12内の上清を除去する。ステップS214において、制御部701は、洗浄部400の磁石411を洗浄容器12から離し、処理を図15のステップS215に進める。
このように、ステップS201〜S214の処理において、反応が完了した反応容器11から一定量の試料を洗浄容器12に分注し、磁性粒子を洗浄容器12の内壁に吸着させた後、洗浄容器12から上清を除去する動作が複数回行われる。これにより、各反応容器11の試料をまとめて大容量の容器に移し、この容器において上清を除去する動作を1回だけ行う場合に比べて、不要な成分を含む上清を迅速かつ確実に除去できる。
ここで、図14(a)〜(h)を参照して、図12のステップS203〜S210における試料の分注について説明する。図14(a)〜(h)に示す例では、Y軸負側の2つの反応容器11のみが処理に用いられている。
ステップS203において、処理位置が1に設定される。ステップS204において、処理位置にあるY軸負側の反応容器11には、1.2mL以上の試料があると判定される。このため、図14(a)に示すように、ステップS206において、処理位置にあるY軸負側の反応容器11から洗浄容器12に、1.2mLの試料が分注される。これにより、図14(b)に示すように、処理位置の液量が減少し、洗浄容器12の液量が増加する。そして、ステップS207において、洗浄容器12内の上清が除去され、処理がステップS204に戻される。
ステップS204において、処理位置にあるY軸負側の反応容器11には、未だ1.2mL以上の試料があると判定される。このため、図14(c)に示すように、ステップS206において試料の分注が行われ、図14(d)に示すように、処理位置の液量が減少し、洗浄容器12の液量が増加する。そして、ステップS207において、洗浄容器12内の上清が除去され、処理がステップS204に戻される。
このとき、図14(e)に示すように、処理位置の反応容器11には、チップ51の最大の吸引量である1.2mLに満たない試料が残されている。ここでは、2.92−1.2×2=0.52mLが残されている。上述したように、1つの反応容器11内で効率よく反応が進むよう、あらかじめ決められた量の血漿検体と試薬とが反応容器11に分注され、結果、反応容器11は2.92mLの試料を収容することになる。また、反応容器11から吸引される試料の量は、チップ51を介して一度に分注できる最大の量である1.2mLである。したがって、実施形態では、1つの反応容器11から試料を分注すると、所定の量の試料が残されることになる。
ステップS204において、処理位置にあるY軸負側の反応容器11には、1.2mL以上の試料がないと判定される。そして、ステップS208において、処理位置が最後の位置ではないと判定される。このため、図14(e)に示すように、ステップS209において、処理位置にあるY軸負側の反応容器11に収容されている全ての試料が、処理位置+1にあるY軸正側の反応容器11に分注される。これにより、図14(f)に示すように、処理位置の反応容器11の液量が0になり、処理位置+1の反応容器11の液量が増加する。そして、ステップS210において、処理位置が1だけインクリメントされ、処理がステップS204に戻される。
ステップS204において、処理位置にあるY軸正側の反応容器11には、1.2mL以上の試料があると判定される。このため、図14(g)に示すように、ステップS206において、処理位置にあるY軸正側の反応容器11から洗浄容器12に、1.2mLの試料が分注される。これにより、図14(h)に示すように、処理位置の液量が減少し、洗浄容器12の液量が増加する。同様にして、Y軸正側の反応容器11から、1.2mLずつ血漿検体が洗浄容器12に分注される。
その後、ステップS204において、処理位置にあるY軸正側の反応容器11に、1.2mL以上の試料がないと判定され、ステップS208において、処理位置が最後の位置であると判定されると、処理がステップS211に進められる。そして、ステップS212において、処理位置にあるY軸正側の反応容器11に収容されている全ての試料が、洗浄容器12に分注される。こうして、反応が完了した各反応容器11から洗浄容器12に試料が分注される。
このように、処理位置の反応容器11にある試料の量が一定量に満たない場合、処理位置の反応容器11に残存する試料が、処理位置+1の反応容器11に分注される。これにより、洗浄容器12において上清の除去を行う回数を減らすことができるため、全体の処理に要する時間を短縮できる。また、処理位置の反応容器11に残存する試料が、処理位置+1の反応容器11に分注された後、処理位置+1の反応容器11から洗浄容器12に対する試料の分注が進められる。これにより、処理位置+1にある反応容器11以外に、試料を収容する他の反応容器11がある場合、他の反応容器11から試料の分注を進めるような場合に比べて、チップ51の総移動距離を短くできる。よって、全体の処理に要する時間を短縮できる。
上述したように、第2工程が開始された時点で、各反応容器11に収容されている試料は2.92mLである。実施形態では、2.92mLの試料を収容した反応容器11は、さらに一定量の試料を収容可能となるよう構成されている。具体的には、実施形態の反応容器11は、2.92+1.2=4.12mLの試料を収容可能となるよう構成されている。これにより、収容する試料が1.2mL未満であると判定された場合に、この試料を、2つの反応容器11に分けて収容させることなく、処理位置+1にある1つの反応容器11に収容させることができる。よって、分注にかかる時間を短縮できる。
なお、反応容器11に収容される試料の量およびチップ51の吸引量が、実施形態以外の値に設定された場合に、ステップS206において、処理位置にある全ての試料が洗浄容器12に分注されることも考えられる。この場合、処理位置が最後の位置でなければ、ステップS207の処理の後、処理位置が1インクリメントされ、処理がステップS204に戻される。また、処理位置が最後の位置であれば、ステップS207の処理の後、ステップS214に処理が進められる。
図15に示すように、ステップS215において、制御部701は、ノズル201に装着しているチップ51を廃棄して、新しいチップ51をノズル201に装着する。ステップS216において、制御部701は、試薬容器25に収容された第1洗浄液を、洗浄容器12に所定量分注する。ステップS217において、制御部701は、洗浄容器12内の試料を吸排攪拌する。ステップS218において、制御部701は、洗浄部400の磁石411を洗浄容器12に近付ける。これにより、洗浄容器12の内壁に、試料中の磁性粒子77が吸着する。ステップS219において、制御部701は、洗浄容器12内の上清を除去する。これにより第1洗浄液による洗浄が完了する。ステップS220において、制御部701は、洗浄部400の磁石411を洗浄容器12から離す。
ステップS221において、制御部701は、試薬容器26に収容された第2洗浄液を、洗浄容器12に所定量分注する。そして、制御部701は、ステップS217〜S220の処理と同様に、ステップS222〜S225の処理を行う。ステップS224における上清の除去により、第2洗浄液による洗浄が完了する。第1洗浄液と第2洗浄液が分注されることにより、図10(d)を参照して説明したように、磁性粒子77と結合した変性物質75、76が分離される。そして、ステップS219、S224において上清が除去されることにより、試料から変性物質75、76が除去される。
図16に示すように、ステップS226において、制御部701は、試薬容器27に収容された第3洗浄液を、洗浄容器12に所定量分注する。ステップS227において、制御部701は、洗浄容器12内の試料を吸排攪拌する。ステップS228において、制御部701は、溶出部500の磁石521を溶出容器13に近付ける。ステップS229において、制御部701は、洗浄容器12に収容されている試料を溶出容器13に分注する。すなわち、制御部701は、第1、第2洗浄液による洗浄が完了した洗浄容器12から溶出容器13に試料を分注する。
ステップS230において、制御部701は、溶出容器13内の上清を除去する。これにより第3洗浄液による洗浄が完了する。ステップS230において上清が除去されることにより、試料から変性物質75、76が除去される。ステップS231において、制御部701は、溶出部500のヒータ511により溶出容器13を加温して、溶出容器13内の試料を加温する。これにより、溶出容器13内の試料から、残存する試薬が蒸発する。ステップS232において、制御部701は、溶出容器13から磁石521を離す。こうして第2工程が終了する。
第1〜第3洗浄液は、洗浄容器12から磁石411を離した状態で、洗浄容器12に分注される。これにより、洗浄容器12内の試料が第1〜第3洗浄液により攪拌されるため、より効率よく洗浄容器12内の攪拌を行うことができる。
図17に示すように、ステップS301において、制御部701は、ノズル201に装着しているチップ51を廃棄して、新しいチップ52をノズル202に装着する。ステップS302において、制御部701は、試薬容器28に収容された第2試薬を溶出容器13に所定量分注する。ステップS303において、制御部701は、溶出容器13内の試料を吸排攪拌する。ステップS304において、制御部701は、溶出部500のヒータ511により溶出容器13を加温して、溶出容器13内の試料を加温する。これにより、溶出容器13で反応が進み、図10(e)を参照して説明したように、DNA71が磁性粒子77から遊離する。
ステップS305において、制御部701は、溶出容器13に磁石521近付ける。これにより、溶出容器13の内壁に、試料中の磁性粒子77が吸着する。ステップS306において、制御部701は、溶出容器13内の上清を、容器61に分注する。これにより、図10(f)を参照して説明したように、容器61内の試料は、DNA71以外の不要な物質が除去された状態となる。ステップS307において、制御部701は、溶出容器13から磁石521を離す。こうして第3工程が終了する。
<検体前処理カートリッジの変更例>
検体前処理カートリッジ10は、図18(a)〜(e)に示すように構成されてもよい。
図18(a)に示す構成では、図1に示す構成と比較して、洗浄容器12と溶出容器13の間で、Y軸方向に2列に並ぶようにして6つの反応容器11が設けられている。図18(b)に示す構成では、図1に示す構成と比較して、洗浄容器12と溶出容器13が、平面部10aの同じ側の端に形成されている。また、洗浄容器12と溶出容器13のY軸正側に、それぞれ3つの反応容器11が設けられている。図18(c)に示す構成では、図1に示す構成と比較して、洗浄容器12が、溶出容器13とY軸正側の反応容器11との間に設けられている。図18(d)に示す構成では、図1に示す構成と比較して、各容器が円に沿って設けられている。図18(e)に示す例では、図1に示す構成と比較して、平面部10aがY軸正方向に延ばされ、延ばされた平面部10aの位置に、試薬容器21〜28が設けられている。
図18(a)、(b)、(d)に示す例では、検体前処理カートリッジ10の各容器が一列に並んでいないために、ノズル201、202をX軸方向にも移動させる必要がある。しかしながら、Y軸方向における検体前処理カートリッジ10の幅が小さくなるため、Y軸方向における検体前処理装置100の設置面積を小さくできる。
図18(c)に示す例では、洗浄容器12が検体前処理カートリッジ10の端に設けられていないため、洗浄部400は、他の容器から離間するように、洗浄容器12の位置からX軸方向に設置される必要がある。同様に、図18(e)に示す例では、溶出容器13が検体前処理カートリッジ10の端に設けられていないため、溶出部500は、他の容器から離間するように、溶出容器13の位置からX軸方向に設置される必要がある。このように、図18(c)、(e)に示す例では、X軸方向における検体前処理装置100の設置面積が大きくなってしまう。したがって、洗浄容器12と溶出容器13は、検体前処理カートリッジ10の端に設けられるのが望ましい。
図18(e)に示す構成では、検体前処理カートリッジ10に、試薬容器21〜28が設けられているため、図1に示した試薬カートリッジ20を別途用意する必要がない。これにより、1つの検体前処理カートリッジ10を設置するだけで、反応容器11、洗浄容器12、溶出容器13、および試薬容器21〜28を、検体前処理装置100にセットできる。
なお、図1に示す検体前処理カートリッジ10は、試料に含まれる不純物を除く処理と、磁性粒子からDNAを分離する処理とを行うために、洗浄容器12と溶出容器13を備えた。しかしながら、これに限らず、検体前処理カートリッジ10は、不純物の除去およびDNAの分離を行うために、洗浄容器12と溶出容器13に加えて、さらに容器を備えていてもよい。
10 検体前処理カートリッジ
11 反応容器
12 洗浄容器
13 溶出容器
24、28 試薬容器
41 検体容器
51、52 チップ
100 検体前処理装置
121 試薬容器保持部
141 検体容器保持部
200 分注部
300 反応部
311 ヒータ
312a 反応容器保持部
400 洗浄部
410 磁力印加部
500 溶出部
510 加温部
511 ヒータ
512 伝導部材
512a 溶出容器保持部
512b 孔
520 磁力印加部
521 磁石
522 磁石駆動部
701 制御部
704 入力部

Claims (11)

  1. 体前処理カートリッジを用いて血漿検体から核酸を自動で抽出するための前処理方法であって、
    前記検体前処理カートリッジに一体的に形成されている複数の反応容器のうち、前記血漿検体の量に応じた数の前記反応容器に、前記血漿検体を分注する、検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  2. 前記複数の反応容器は、互いに同じ形状を有する、請求項1に記載の検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  3. 前記複数の反応容器は、前記検体前処理カートリッジの長手方向に沿って直線状に一列に並んでいる、請求項1または2に記載の検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  4. 前記検体前処理カートリッジの長手方向に延びた平面部がさらに前記検体前処理カートリッジに形成されており、
    前記平面部は、前記複数の反応容器と一体的に形成されている、請求項1ないし3の何れか一項に記載の検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  5. 前記血漿検体中の核酸を吸着するための磁性粒子を含む第1試薬を収容するための第1試薬容器と、前記磁性粒子に吸着した核酸を遊離させるための第2試薬を収容するための第2試薬容器と、がさらに前記検体前処理カートリッジに形成されており、
    前記第1試薬容器および前記第2試薬容器は、前記複数の反応容器と一体的に形成されている、請求項1ないし4の何れか一項に記載の検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  6. 前記血漿検体の量に応じた数の前記反応容器に前記第1試薬分注する、請求項5に記載の検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  7. 浄容器が、さらに、前記複数の反応容器と一体的に前記検体前処理カートリッジに形成され、
    前記血漿検体および前記第1試薬を含む試料中の液体成分を除去するために、前記血漿検体の量に応じた数の前記反応容器における反応が完了した試料を、前記洗浄容器に分注する、請求項5または6に記載の検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  8. 前記洗浄容器に磁力を印加して、前記磁性粒子に吸着された不純物を除去するための処理、請求項7に検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  9. 出容器が、さらに、前記複数の反応容器と一体的に前記検体前処理カートリッジに形成され、
    前記磁性粒子と核酸とを分離させるために、前記第2試薬を前記溶出容器に分注する、請求項5ないし8の何れか一項に記載の検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  10. 前記溶出容器磁力印加ると共に加温して、前記核酸抽出の処理を行う、請求項9に検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
  11. 前記複数の反応容器は、それぞれ、前記溶出容器よりも大きい容量を有する、請求項9または10に記載の検体前処理カートリッジを用いた前処理方法
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