JP6918480B2 - 支柱補強工法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばラーメン高架橋の橋脚や建造物の柱等の支柱補強工法に関する。
例えば、ラーメン高架橋の橋脚や建造物の柱等の支柱の補強工法として、従来から、支柱の周囲に取り囲むように補強枠を配置するとともに、補強枠の下端部に設けられた刃口部を介して前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に沈下させ、前記補強枠と前記支柱との間の空隙の少なくとも一部に充填材を充填して前記支柱を補強する支柱補強工法があり、例えば、特許文献1もそのひとつである。
特許文献1に開示の補強工法は、補強枠を支柱に対して配置するとともに、該補強枠を振動させながら、該補強枠と支柱との間に高圧水を噴射させて補強枠を沈下させる工法であり、つまり補強枠を沈下させながら、沈下方向先端側で高圧水を噴射させる工法であるため、高圧水で対処できない障害物が沈下箇所に出現した場合、既に沈下させた補強枠を一旦撤去して、障害物を取り除く必要などの問題があった。
特開平9−53208号公報
そこで、この発明は、沈下箇所に障害物がある場合であっても補強枠を地盤内の所定箇所にスムーズに配置できる支柱補強工法の提供を目的とする。
この発明は、支柱の周囲に対して間隔を隔てて取り囲むように補強枠を配置するとともに、前記補強枠の下端部に設けられた刃口部を介して前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に沈下させ、前記補強枠と前記支柱との間の空隙の少なくとも一部に充填材を充填して前記支柱を補強する支柱補強工法であって、前記支柱の周面に沿う複数箇所を深さ方向に削孔する削孔工程と、前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に沈下させる補強枠沈下工程と、前記空隙の少なくとも一部に前記充填材を充填する充填工程とをこの順で行い、前記削孔工程のあとに、前記支柱の周囲に取り囲むように補強枠を取付ける補強枠取付工程を行うことを特徴とする。
上記支柱は、例えば高架橋における橋脚や建造物の柱など、四角柱や円柱などを含むものとする。なお、供用中の支柱のみならず供用前の支柱も含むものとする。
上記補強枠は、断面方向において複数に分割し、組み合わせて構成する補強枠、また、支柱の高さに対して複数段に分割し、組み合わせて構成する補強枠などとすることができる。なお、支柱の高さに対して複数段に分割した補強枠の場合、前記補強枠の下端部に設けられた刃口部は、最も先に地盤内に沈下させる、つまり最下段の補強枠の下端部に設けることとなる。
この発明により、沈下箇所に障害物がある場合であっても補強枠を地盤内の所定箇所にスムーズに配置することができる。
詳述すると、前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に沈下させる補強枠沈下工程の前に、前記支柱の周面に沿う複数箇所を深さ方向に削孔する削孔工程を行うため、つまり前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に沈下させる補強枠の沈下箇所である前記支柱の周面において複数箇所を予め深さ方向に削孔するため、沈下箇所の障害物を補強枠の沈下前に予め認識することができる。
また、沈下箇所に出現する障害物を削孔によって破壊する、沈下箇所から逃がす、さらには沈下に支障する障害物を撤去するなど、障害物が沈下に支障しないように補強枠の沈下前に障害物を対処することができる。したがって、沈下工程において補強枠をスムーズに沈下させて、据付け高さまで掘削することなく、地盤内の所定箇所に補強枠を配置することができる。
また、前記削孔工程のあとに、前記支柱の周囲に取り囲むように補強枠を取付ける補強枠取付工程を行うため、安全性が高く、効率的に施工することができる。
例えば、削孔工程完了前に補強枠を取付ける場合は削孔作業空間を避けて補強枠を取付ける必要がある。つまり、支柱における削孔作業箇所より高い場所に補強枠を取付けることとなる。
これに対し、削孔工程の後に補強枠を取付けるため、削孔作業箇所を避けて補強枠を取付ける必要がなく、完了前に補強枠を取付ける場合のように高い場所でなく、地盤面に近い低い場所に補強枠を安全かつ効率的に取付けることができる。したがって、例えば、低空頭な施工箇所であっても、安全かつ効率的に施工することができる。
この発明の態様として、補強枠の厚みに対して3倍以上20倍未満の削孔径で削孔することができる。
この発明により、削孔工程で削孔された穴が補強枠の厚みに対して3倍以上20倍未満であるため、沈下工程において補強枠をスムーズに沈下させることができるとともに、地盤内に無駄な空隙を形成しないため、安全に施工することができる。なお、補強枠を構成する鋼板の厚みが9mm〜15mmである場合、削孔径はφ50mm〜150mmとなる。
詳述すると、補強枠の厚みに対して3倍未満の削孔径である場合、補強枠のスムーズな沈下に支障しない程度まで、沈下箇所に出現する障害物を削孔によって破壊したり、沈下箇所から逃がすことができない。
逆に、補強枠の厚みに対して20倍以上の削孔径である場合、沈下箇所に出現する障害物を削孔によって破壊したり、沈下箇所から逃がすことで補強枠をスムーズに沈下させて地盤内の所定箇所に補強枠を配置できるものの、大きな削孔径によって生じる補強枠配置後の地盤内に残留する大きな空隙による周辺地盤の緩み等を防止し、安全に施工することができる。
またこの発明の態様として、前記支柱を、断面矩形状に形成するとともに、前記削孔工程において、少なくとも前記断面矩形状における角部近傍を削孔することができる。
上記角部近傍は、矩形断面における角部の放射方向外側のみならず、角部を構成する辺部分の外側も含むものとする。
この発明により、断面矩形状の支柱の角部に対して確実に間隔を保持しながら補強枠を沈下させることができる。したがって、前記補強枠の内面と前記支柱の周面との間の空隙における角部に充填材を充填して前記支柱を補強することができる。
またこの発明の態様として、前記角部近傍同士の間を所定間隔で複数削孔することができる。
この発明により、さらにスムーズに補強枠を沈下させることができる。
詳述すると、前記角部近傍同士の間を所定間隔で複数削孔することにより、沈下箇所の障害物を補強枠の沈下前により詳しく認識することができる。したがって、沈下箇所に出現する障害物を対処して、沈下工程において補強枠をよりスムーズに沈下させることができる。
またこの発明の態様として、前記削孔工程において形成された穴を埋戻す埋戻し工を行うことができる。
この発明により、削孔工程完了後から沈下工程までの間に削孔された穴が不用意に崩れることを防止できる。したがって、周辺地盤が緩んだり、不用意に崩れた周辺地盤の支障物が沈下箇所に出現することを防止できる。
またこの発明の態様として、前記削孔工程において、可搬式のオーガ装置で削孔することができる。
この発明により、前記支柱の周面に沿う複数箇所を、大規模な設備を必要とせず、手軽に削孔することができる。
詳述すると、設置式の削孔装置で前記支柱の周面に沿う複数箇所を削孔する場合、補強枠で取り囲む支柱に対して削孔装置を設置して削孔することを、複数の箇所数に対して繰り返して行う必要があるが、可搬式のオーガ装置の場合は、支柱に対して設置したり、高圧噴射水で先掘りするための大規模な設備などが必要なく、効率よく複数箇所を削孔することができる。
また、乾式のオーガ装置である場合、例えば、高圧噴射水で先掘りする際に生じる削孔水の処理が不要であり、さらには削孔水による周辺地盤の緩み等のおそれもなく、安全かつ効率よく施工することができる。
またこの発明の態様として、前記補強枠沈下工程において、前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に圧入する圧入装置で沈下させることができる。
この発明により、複数箇所を深さ方向に削孔した、前記支柱の周面に、補強枠を効率よく沈下させることができる。
この発明によれば、沈下箇所に障害物がある場合であっても補強枠を地盤内の所定箇所にスムーズに配置できる支柱補強工法を提供することができる。
鋼板補強された橋脚の概略斜視図。 補強鋼板枠の分解斜視図。 削孔工についての概略図。 補強鋼板枠と削孔位置とを説明する概略平面図。 橋脚補強工法のフローチャート。 橋脚補強工法の施工状態の説明図。 橋脚補強工法の施工状態の説明図。 橋脚補強工法の施工状態の説明図。 橋脚補強工法の施工状態の説明図。 橋脚補強工法における断面図による説明図。
ラーメン高架橋の支柱となる橋脚1を補強鋼板枠10で囲って補強する橋脚補強工法について図1乃至図10とともに説明する。
図1は鋼板補強された橋脚1の概略斜視図を示し、図2は補強鋼板枠10の分解斜視図を示し、図3は削孔工(ステップs11)についての概略図を示し、図4は補強鋼板枠10と削孔位置を説明する概略平面図を示し、図5は橋脚補強工法のフローチャートを示している。
また図6乃至図9は橋脚補強工法の施工状態の説明図を示し、図10は橋脚補強工法における断面図による説明図を示している。
詳しくは、図6(a)は施工前の橋脚1の概略斜視図を示し、図6(b)は削孔工程(ステップs1)における概略斜視図を示し、図7(a)は準備工程(ステップs2)における概略斜視図を示し、図7(b)は第1補強枠10aを取付ける補強枠取付工(ステップs31)の概略斜視図を示し、図8(a)は補強枠圧入工(ステップs32)における概略斜視図を示し、図8(b)は盛替え工(ステップs34)の概略斜視図を示し、図9(a)は第2補強枠10bを取付ける補強枠取付工(ステップs31)の概略斜視図を示し、図9(b)は鋼板枠設置工程完了時(補強鋼板枠設置工程(ステップs3))の概略斜視図を示し、図10(a)は鋼板枠設置工程完了時(補強鋼板枠設置工程(ステップs3))の断面図を示し、図10(b)は充填材充填工程完了時(充填材充填工程(ステップs4))の断面図を示している。
補強鋼板枠10を用いた橋脚1の橋脚補強工法は、橋脚1の周囲に対して間隔を隔てて取り囲むように補強鋼板枠10を配置するとともに、補強鋼板枠10における第1補強枠10aの下端部に設けられた刃口13を介して補強鋼板枠10を地盤内Gに沈下させ、地盤内Gに沈下させた補強鋼板枠10と、橋脚1の周面との間の空隙の角部に充填材20を充填して橋脚1を補強する工法である。
本実施形態において、橋脚補強工法で補強する橋脚1は、例えばラーメン高架橋における断面略正方形状の鉄筋コンクリート製の橋脚であり、地盤内Gにフーチング2を備えるとともに、所定高さ分が地盤内Gに埋まっている。
なお、橋脚補強工法で補強する橋脚1は、上述のような断面略正方形状のみならず、断面略長方形状、断面略多角形状、断面略円形あるいは断面略楕円形などいずれの断面形状であってもよい。
このような橋脚1を取り囲んで補強する補強鋼板枠10は、橋脚1の断面よりひとまわり大きな断面正方形の枠体であり、橋脚1の高さに対して、複数段の補強枠(10a〜10e)を接続して構成している。
各補強枠(10a乃至10e)は、正方形断面を二分したコ字状のコ字状鋼板11,11同士を対向させて接続し、断面正方形状を構成している。なお、補強鋼板枠10は、本実施形態において、厚みt(図4a部拡大図参照)が9mmから15mmの鋼板を折曲げて構成している。また、コ字状鋼板11において他方のコ字状鋼板11と対向する側面部分の内面側には他方のコ字状鋼板11に向かって延びる裏板12を設けている。
各補強枠を最下段から順に、第1補強枠10a、第2補強枠10b、第3補強枠10c、第4補強枠10d、第5補強枠10eとしており、最下段の第1補強枠10aの下端には刃口13を形成している。
なお、本実施形態において、第1補強枠10a乃至第5補強枠10eの五段に分割して補強鋼板枠10を構成したが、作業性や安全性などによって適宜の高さや段数で構成すればよい。また、補強枠(10a乃至10e)をコ字状鋼板11で構成しているが、正方形断面を適宜の分割形状で分割してもよい。
このように橋脚1の断面よりひとまわり大きな断面形状で構成した補強鋼板枠10を橋脚1に取り付けると、図4に示すように、補強鋼板枠10の内面とコ字状鋼板11の外面との間に所定間隔の空隙cが形成され、空隙cにおける角部にモルタル製の充填材20を充填して、橋脚1を補強鋼板枠10で補強している。
このような補強鋼板枠10及び充填材20で橋脚1を補強する橋脚補強工法の施工方法について、図4乃至図10とともに以下で説明する。なお、図6(b)及び図7乃至図9では、周辺の地盤Gの図示を省略している。
橋脚補強工法は、大別すると、図5(a)に示すように、橋脚1の周りを高さ方向に削孔する削孔工程(ステップs1)、補強鋼板枠10を所定位置に設置するための準備を行う準備工程(ステップs2)、補強鋼板枠10を圧入して所定位置に設置する補強鋼板枠設置工程(ステップs3)、及び空隙cの角部に充填材20を充填する充填材充填工程(ステップs4)の四工程からなる。
削孔工程(ステップs1)は、橋脚1の周面に沿って複数の先掘り穴Hを高さ方向に削孔する工程である。
詳しくは、削孔工程(ステップs1)では、図5(b)に示すように、橋脚1の周面に沿って、可搬式のオーガ装置30で複数の先掘り穴Hを所定間隔Xで削孔する削孔工(ステップs11)(図6(b))、撤去が必要な障害物が後述する圧入位置Lに出現した場合に撤去する撤去工(ステップs13)、及び先掘り穴Hを埋め戻す埋戻し工(ステップs15)をこの順で行う。
なお、先掘り穴Hは、図4a部拡大図に示すように、補強鋼板枠10の厚みtに対して3倍以上20倍未満である17倍の削孔径φ(厚みt=9mmである本実施形態では150mm)で削孔する。
また、先掘り穴Hは、補強鋼板枠10の厚み方向の中心位置である圧入位置L(沈下箇所)上の所定位置において、断面略正方形の橋脚1の角部の近傍と、角部近傍同士の間を所定間隔Xで複数削孔する。
なお、削孔工(ステップs11)では、図3において図示省略する作業者が手持ちで削孔可能な可搬式であるオーガ装置30に上述の削孔径φのオーガドリル31を複数接続して、橋脚1に対して所定長さ(所定深さ)削孔する。このとき、圧入位置Lに礫等の障害物、つまり圧入位置Lに補強鋼板枠10を圧入する際に支障となる障害物が出現すると、オーガドリル31で破壊する、あるいは、圧入位置Lより外側に逃がすなど、障害物が支障しないよう削孔する(ステップs12:No)。
しかし、オーガドリル31で破壊したり圧入位置Lより外側に逃がしたりできない障害物が圧入位置Lに出現すると(ステップs12:Yes)、障害物を撤去する(撤去工(ステップs13))。
このようにして、オーガ装置30による先掘り穴Hの削孔を全数完了するまで繰り返し(ステップs14;No)、全数の削孔が完了すると(ステップs14:Yes)、先掘り穴Hを埋戻して削孔工程(ステップs1)を完了する(埋戻し工(ステップs15))。なお、埋戻し工(ステップs15)において、オーガドリル31を逆回転しながら先掘り穴Hから抜出する際に先掘り穴Hを削孔した削孔土で埋め戻してもよいし、別の埋戻し土で先掘り穴Hを埋め戻してもよい。
削孔工程(ステップs1)の完了後には、後続の補強鋼板枠設置工程(ステップs3)のための準備工程(ステップs2)を行う。
準備工程(ステップs2)では、図7(a)に示すように、橋脚1に対して補強鋼板枠10を圧入するための圧入装置40と圧入定規50とを設置する。
圧入装置40は、断面略正方形の橋脚1の上部において4本の反力枠41を鉢巻き状に取付け、各反力枠41に対して1本または複数の油圧ジャッキ42を下向きに配置するとともに、油圧ジャッキ42の下端に補強鋼板枠10の上端を押圧するための当て板43を備えている。
圧入定規50は、断面略正方形の橋脚1の各辺よりわずかに長い4本のH型鋼51を、圧入位置Lに圧入される補強鋼板枠10の外面側に沿う位置の地盤面に配置して構成する。
補強鋼板枠10を圧入して所定位置に設置する補強鋼板枠設置工程(ステップs3)は、上述の補強鋼板枠10を橋脚1に対して設置する工程である。
詳しくは、補強鋼板枠設置工程(ステップs3)では、図5(c)に示すように、橋脚1の周りに補強枠(10a乃至10e)を取り付ける補強枠取付工(ステップs31)、橋脚1の周りに取り付けた補強枠(10a乃至10e)を圧入装置40で圧入する補強枠圧入工(ステップs32)、及び全補強枠を取付けるための盛替え工(ステップs34)をこの順で行う。
まず最初の補強枠取付工(ステップs31)では、図7(b)に示すように、準備工程(ステップs2)で設置された圧入装置40及び圧入定規50の間の橋脚1に対して、第1補強枠10aを構成するコ字状鋼板11,11を対向させて配置するとともに、コ字状鋼板11同士を溶接して一体化する。なお、最初に取り付けた第1補強枠10aでは刃口13が下端側となるように取り付ける。
補強枠圧入工(ステップs32)では補強枠取付工(ステップs31)で取り付けた第1補強枠10aを圧入装置40で下方に押圧して、橋脚1の外面と圧入定規50との間から地盤内Gに圧入し(図8(b))、第1補強枠10aの圧入完了後は油圧ジャッキ42を縮めて、次の第2補強枠10bを取付けるための盛替え工(ステップs34)を行う(図8(c))。
なお、補強枠圧入工(ステップs32)では、次の補強枠(10b〜10e)が、油圧ジャッキ42を縮めた当て板43と、圧入した先の補強枠(10a〜10d)との間に取り付けることができる高さまで圧入する。
最初の補強鋼板枠設置工程(ステップs3)3の完了後、次の第2補強枠10bを、油圧ジャッキ42を縮めた当て板43と圧入した第1補強枠10aとの間に取り付けるとともに(補強枠取付工(ステップs31))、次の第2補強枠10bの下端と先の第1補強枠10aの上端を溶接して第1補強枠10aと第2補強枠10bとを一体化してから、一体化された第1補強枠10aと第2補強枠10bとを圧入装置40で圧入する(補強枠圧入工(ステップs32))。
このようにして、補強枠取付工(ステップs31)と補強枠圧入工(ステップs32)とを全補強枠の取付及び圧入が完了するまで繰り返し(ステップs33:No)、全補強枠の取付及び圧入が完了すると補強鋼板枠設置工程(ステップs3)は終了する。
なお、このようにして、補強枠取付工(ステップs31)と補強枠圧入工(ステップs32)とを全補強枠(10a乃至10e)の取付及び圧入が完了することで、全補強枠(10a乃至10e)は一体化して補強鋼板枠10が構成されるとともに、橋脚1に対して補強鋼板枠10が所定位置に設置される。
また、橋脚1に対する補強鋼板枠10の所定位置と圧入装置40の位置によっては、例えば最後の第5補強枠10eは、橋脚1に取り付けられるとともに、先に圧入された補強枠(10a乃至10d)と溶接して一体化して圧入しなくてもよい。
このようにして補強鋼板枠10が橋脚1に対して所定位置に設置された後、圧入装置40及び圧入定規50を撤去するとともに、補強鋼板枠設置工程(ステップs3)で設置された補強鋼板枠10の内面と橋脚1の外面と間の空隙cにおける角部に充填材20を注入して(充填材充填工程(ステップs4))、注入された充填材20を所定強度が発現するまで養生して、橋脚補強工法は完了する。
このように、橋脚1の周囲に取り囲むように補強鋼板枠10(10a及び10e)を配置するとともに、第1補強枠10aの下端部に設けられた刃口13を介して補強鋼板枠10の下部を地盤内Gに圧入し、補強鋼板枠10と橋脚1の周面との間の空隙cの角部に充填材20を充填して橋脚1を補強する橋脚補強工法において、橋脚1の周面に沿う複数箇所を深さ方向に削孔する削孔工程(ステップs1)と、補強鋼板枠10の下部を地盤内Gに圧入する補強鋼板枠設置工程(ステップs3)と、空隙cの角部に充填材20を充填する充填材充填工程(ステップs4)とをこの順で行うため、圧入位置Lに障害物がある場合であっても、据付け高さまで掘削することなく、補強鋼板枠10の下部を地盤内Gの所定箇所にスムーズに圧入して配置することができる。
詳述すると、補強鋼板枠10の下部を地盤内Gに圧入する補強鋼板枠設置工程(ステップs3)の前に、橋脚1の周面に沿う複数箇所を深さ方向に削孔する削孔工程(ステップs1)を行うため、つまり補強鋼板枠10の下部を地盤内Gに圧入する圧入位置Lにおける複数箇所を予め深さ方向に削孔して先掘り穴Hを形成しているため、圧入位置Lの障害物を補強鋼板枠10(10a〜10e)の圧入前に予め認識することができる。
また、圧入位置Lに出現する障害物をオーガドリル31の削孔によって破壊する、圧入位置Lから逃がす、さらには補強鋼板枠10の圧入に支障する障害物を撤去する(撤去工(ステップs13))など、障害物が圧入に支障しないように対処することができる。したがって、補強鋼板枠設置工程(ステップs3)において補強鋼板枠10の下部をスムーズに圧入して所定箇所に補強鋼板枠10を配置することができる。
先掘り穴Hを、補強鋼板枠10の厚みtに対して3倍以上20倍未満の17倍の削孔径φで削孔するため、つまり削孔工程(ステップs1)で削孔された先掘り穴Hが補強鋼板枠10の厚みtに対して3倍以上20倍未満の削孔径φであるため、補強鋼板枠設置工程(ステップs3)において補強鋼板枠10の下部をスムーズに圧入して所定箇所に補強鋼板枠10を配置することができるとともに、地盤内Gに無駄な空隙cを形成しないため、安全に施工することができる。
詳述すると、補強鋼板枠10の厚みtに対して3倍未満の削孔径である場合、補強鋼板枠10のスムーズな圧入に支障しない程度まで、障害物をオーガドリル31の削孔によって破壊したり、圧入位置Lから逃がすことができない。
逆に、補強鋼板枠10の厚みtに対して20倍以上の削孔径である場合、圧入位置Lに出現する障害物をオーガドリル31の削孔によって破壊したり、圧入位置Lから逃がすことで補強鋼板枠10の下部をスムーズに圧入して所定箇所に補強鋼板枠10を配置できるものの、大きな削孔径によって生じる補強鋼板枠10配置後の地盤内Gに残留する大きな空隙による周辺地盤の緩み等を防止し、安全に施工することができる。
また、削孔工程(ステップs1)において、断面正方形における角部近傍を削孔して先掘り穴Hを形成するため、断面正方形の橋脚1の角部に対して確実に間隔を保持しながら補強鋼板枠10の下部を圧入することができる。
また、圧入位置Lにおける角部近傍同士の間を所定間隔Xで複数削孔するため、さらにスムーズに補強鋼板枠10の下部を圧入して所定箇所に補強鋼板枠10を配置することができる。
詳述すると、角部近傍同士の間を所定間隔Xで複数削孔することにより、圧入位置Lの障害物を補強鋼板枠10の圧入前により精度よく予め認識することができる。したがって、圧入位置Lに出現する障害物に対して対処して、補強鋼板枠設置工程(ステップs3)において補強鋼板枠10の下部をよりスムーズに圧入して所定箇所に補強鋼板枠10を配置することができる。
また、削孔工程(ステップs1)において形成された先掘り穴Hを埋戻す埋戻し工(ステップs15)を行うため、補強鋼板枠設置工程(ステップs3)までの間に削孔された先掘り穴Hが不用意に崩れることを防止できる。したがって、周辺地盤が緩んだり、不用意に崩れた周辺地盤の支障物が圧入位置Lに出現することを防止できる。
また、削孔工程(ステップs1)において、可搬式のオーガ装置30で削孔するため、橋脚1の周面に沿う複数箇所を、大規模な設備を必要とせず、手軽に削孔することができる。詳述すると、設置式の削孔装置で橋脚1の周面に沿う複数箇所を削孔する場合、補強鋼板枠10で取り囲む橋脚1に対して削孔装置を設置して削孔することを、複数の箇所数に対して繰り返して行う必要があるが、可搬式のオーガ装置30の場合は、橋脚1に対して設置したり、高圧噴射水で先掘りするための大規模な設備などが必要なく、効率よく複数箇所を削孔することができる。
また、オーガ装置30は削孔水を要しない乾式であるため、例えば、高圧噴射水で先掘りする際に生じる削孔水の処理が不要であり、さらには削孔水による周辺地盤の緩み等のおそれもなく、安全かつ効率よく施工することができる。
また、削孔工程(ステップs1)のあとに、橋脚1の周囲に取り囲むように補強鋼板枠10を配置する補強枠取付工(ステップs31)を行うため、安全性が高く、効率的に施工することができる。
例えば、削孔工程(ステップs1)の完了前に補強枠(10a〜10e)を設置する場合は、オーガ装置30で先掘り穴Hを削孔する削孔作業空間を避けて補強枠(10a〜10e)を設置する必要がある。つまり、橋脚1における削孔作業箇所より高い場所に補強枠(10a〜10e)を設置することとなる。
これに対し、削孔工程(ステップs1)の後に補強枠(10a〜10e)を配置するため、オーガ装置30で作業する削孔作業箇所を避けて補強枠(10a〜10e)を配置する必要がなく、削孔工程(ステップs1)の完了前に補強枠(10a〜10e)を配置する場合のように高い場所でなく、地盤面に近い低い場所に補強枠(10a〜10e)を安全かつ効率的に配置することができる。したがって、例えば、低空頭な施工箇所であっても、安全かつ効率的に施工することができる。
また、補強鋼板枠設置工程(ステップs3)において、圧入装置40で補強鋼板枠10を押圧して補強鋼板枠10の下部を地盤内Gに圧入するため、複数箇所を深さ方向に削孔した、橋脚1の周面に補強鋼板枠10を効率よく圧入することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の支柱は橋脚1に対応し、
以下同様に、
補強枠は補強鋼板枠10(10a〜10e)に対応し、
刃口部は刃口13に対応し、
支柱補強工法は橋脚補強工法に対応し、
補強枠沈下工程は補強鋼板枠設置工程(ステップs3)に対応し、
充填工程は充填材充填工程(ステップs4)に対応し、
断面矩形状は断面正方形に対応し、
穴は先掘り穴Hに対応し、
補強枠配置工程は補強枠取付工(ステップs31)に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
なお、上述の説明では、圧入装置40で圧入したが、地盤によっては、圧入装置40を用いずとも、先掘り穴Hが削孔された所定間隔Xの地盤内Gに自重で補強鋼板枠10を沈下させて橋脚1に対する所定位置に補強鋼板枠10を配置してもよい。
また、略正方形断面の橋脚1における角部近傍として、角部の放射方向外側に先掘り穴Hを形成したが、断面正方形の角部を構成する辺部分の外側に先掘り穴Hを形成してもよい。
さらには、橋脚のみならず、建物の支柱に対して上述の補強工法を施しても同様の効果を奏することができる。
また、上述の説明では地盤内Gの橋脚1だけでなく、地盤面から上方に露出した橋脚1に亘って補強鋼板枠10を取付けて補強したが、地盤内Gの橋脚1に対して補強鋼板枠10で補強し、地盤面から上方に露出する橋脚1に対しては異なる補強方法で補強してもよい。
1…橋脚
10…補強鋼板枠
10a…第1補強枠
10b…第2補強枠
10c…第3補強枠
10d…第4補強枠
10e…第5補強枠
13…刃口
20…充填材
30…オーガ装置
40…圧入装置
c…空隙
G…地盤内
H…先掘り穴
L…圧入位置
X…所定間隔
φ…削孔径

Claims (7)

  1. 支柱の周囲に対して間隔を隔てて取り囲むように補強枠を配置するとともに、
    前記補強枠の下端部に設けられた刃口部を介して前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に沈下させ、
    前記補強枠と前記支柱との間の空隙の少なくとも一部に充填材を充填して前記支柱を補強する支柱補強工法であって、
    前記支柱の周面に沿う複数箇所を深さ方向に削孔する削孔工程と、
    前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に沈下させる補強枠沈下工程と、
    前記空隙の少なくとも一部に前記充填材を充填する充填工程とをこの順で行い、
    前記削孔工程のあとに、
    前記支柱の周囲に取り囲むように補強枠を取付ける補強枠取付工程を行う
    支柱補強工法。
  2. 補強枠の厚みに対して3倍以上20倍未満の削孔径で削孔する
    請求項1に記載の支柱補強工法。
  3. 前記支柱を、断面矩形状に形成するとともに、
    前記削孔工程において、
    少なくとも前記断面矩形状における角部近傍を削孔する
    請求項1または2に記載の支柱補強工法。
  4. 前記角部近傍同士の間を所定間隔で複数削孔する
    請求項3に記載の支柱補強工法。
  5. 前記削孔工程において形成された穴を埋戻す埋戻し工を行う
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載の支柱補強工法。
  6. 前記削孔工程において、可搬式のオーガ装置で削孔する
    請求項1乃至5のうちいずれかに記載の支柱補強工法。
  7. 前記補強枠沈下工程において、
    前記補強枠の少なくとも一部を地盤内に圧入する圧入装置で沈下させる
    請求項1乃至のうちいずれかに記載の支柱補強工法。
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