以下、本発明に係る制御基板ボックス備える遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照し、パチンコ機1の概略的な構成について説明する。便宜上、図1の説明では、外枠41に対し中枠42と表枠43を閉じたときの遊技盤2の盤面の向き、すなわちホールに設置されたパチンコ機1で遊技を行う遊技者からパチンコ機1を見た向きを基準に、前後、左右、上下の説明を行う。パチンコ機1は、外枠41、中枠42、および表枠43を備える。中枠42には遊技盤2が配設される。外枠41は、遊技場の島設備(図示略)に配設される正面視長方形状の枠部材である。
中枠42は、正面視略長方形状で金属製のアングル部材からなる。中枠42の左柱部42Aは、上ヒンジ45と下ヒンジ46を介して外枠41の左柱部41A近傍に軸支される。これにより中枠42は、外枠41に対して略水平方向に回動(開閉)することができる。中枠42が開閉されると、中枠42の右柱部42Bは、外枠41の右柱部41Bに対して脱着される。
中枠42の上半分には遊技盤2が配設される。中枠42の正面側における遊技盤2の下方には上皿5が設けられ、上皿5の下方には下皿6が設けられる。下皿6の右側には、発射装置(図示略)が遊技球を打ち出す強さを調整する発射ハンドル7が設けられる。
遊技盤2の正面側には、正面視略矩形状の表枠43が設けられる。表枠43の略中央には円形の開口部が形成され、開口部には、透明なガラス窓17が嵌め込まれる。表枠43の左側端部43Aは、中枠42の左柱部42Aの近傍に軸支される。これにより表枠43は、中枠42に対して略水平方向に回動(開閉)することができる。表枠43が開閉されると、表枠43の右側端部43Bは、中枠42の右柱部42Bに対して脱着される。
表枠43の左上部と右上部には、それぞれスピーカ48が配設される。スピーカ48はサブ制御基板(図示略)に電気的に接続され、サブ制御基板の制御によって様々な音声を発生する。表枠43の前面には、演出用の電飾ランプ(図示略)が多数設けられる。電飾ランプはランプドライバ基板(図示略)に電気的に接続され、ランプドライバ基板の制御によって発光する。
遊技盤2の正面側の略中央には、液晶表示装置20やLED等を備えた図柄表示装置8が設けられる。図柄表示装置8の下側には始動入賞口15が設けられ、始動入賞口15の下側には普通電動役物13が設けられ、普通電動役物13の下側には大入賞口18が設けられる。発射装置から発射された遊技球は、遊技盤2とガラス窓17によって形成される遊技領域4を流下する。始動入賞口15または普通電動役物13へ遊技球が入賞すると、大当たり判定が行われる。液晶表示装置20では、大当たり判定の結果に応じた様々な演出が行われる。大当たりと判定されると大入賞口18が開放される大当たり遊技が実行され、多数の遊技球が払い出される。これらの一連の遊技、演出等は、遊技盤2の背面側に配設される複数の制御基板によって制御される。
遊技盤2の背面側にはセンターカバー23が設けられる。センターカバー23は、各種制御基板を収納する複数の制御基板ボックスを保護する。センターカバー23の下方には下部カバー24が設けられる。下部カバー24は、パチンコ機1を動作させるための様々な部品を保護する。センターカバー23の上方には、遊技場の島設備から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク25が配設される。
図2を参照し、遊技盤2の背面側の制御部30について説明する。便宜上、図2の説明では、紙面右側を制御部30の右側、紙面左側を制御部30の左側として説明する。遊技盤2の背面側には、立方体形状の制御基板ボックスが複数配設される。各々の制御基板ボックスはそれぞれ制御基板を収納する。各制御基板は、パチンコ機1の制御部30を構成する。
詳細には、遊技盤2の背面側の下半分には、ランプドライバ基板ボックス(図示略)が配設される。ランプドライバ基板ボックスは、各種電飾ランプおよびLEDの発光を制御するランプドライバ基板(図示略)を収納する。ランプドライバ基板の背面側(図2の紙面手前側)には、主制御基板ボックス100が配設される。主制御基板ボックス100は、パチンコ機1の主制御を司る主制御基板105(図4参照)を収納する。すなわち、ランプドライバ基板ボックスと主制御基板ボックス100は、遊技盤2の背面側の下部にて前後に積層される。主制御基板ボックス100の詳細な構成については後述する。主制御基板105は、始動入賞口15または普通電動役物13へ遊技球が入賞することを契機として大当たり判定を行い、判定結果に応じて他の制御基板に制御信号を出力する。
遊技盤2の背面側の上半分には、液晶基板ボックス33が配設される。液晶基板ボックス33は液晶表示装置20(図1参照)の背面側を覆う。液晶基板ボックス33の背面側には、演出制御基板ボックス34とサブ制御基板ボックス35が配設される。演出制御基板ボックス34は、液晶基板ボックス33背面の中央よりやや左側に配設される。演出制御基板ボックス34は、演出制御基板(図示略)を収納する。演出制御基板は液晶表示装置20を駆動する。出制御基板は、画像データを記憶したCGROMを備え、サブ制御基板から受信する制御コマンドに従って液晶表示装置20の表示を制御する。
サブ制御基板ボックス35は演出制御基板ボックス34の右側に配設される。サブ制御基板ボックス35にはサブ制御基板が収納される。サブ制御基板は、主制御基板105から受信する制御コマンドに応じて演出全体を制御する。
各制御基板ボックスは、ビスによって、遊技盤2または他の制御基板ボックスに固定される。例えば、液晶基板ボックス33は、4つのビス38(図2ではそのうちの3つを図示する。)によって四隅の近傍で遊技盤2に固定される。サブ制御基板ボックス35の上端部は、ビス39によって遊技盤2に固定される。主制御基板ボックス100の右端部は、2つのビス40によって遊技盤2に固定される。
図3〜図5を参照し、主制御基板ボックス100の構成について説明する。便宜上、図3以降の説明では、図3にて矢印で示す方向を基準に、前後、左右、上下の説明を行う。
図3、図4に示すように、主制御基板ボックス100は、前後方向が左右方向よりも長く、上下方向に厚みを有する略直方体形状の箱体である。主制御基板ボックス100は、上カバー110と下カバー140を備える。
下カバー140は板状で、上面にリブ構造を有し、主制御基板105の下面(裏面)側を覆う。下カバー140の左右両側の縁部には、それぞれ4つのフック141が前後に並んで設けられる。フック141は、それぞれ、上方に延び且つ後方に屈曲して延びる。下カバー140の前側の縁部は立設し、前壁を形成する。下カバー140の前壁は、前面に封印構造部145を備える。封印構造部145の構成は後述する。
上カバー110は、前壁、後壁、左右側壁、上壁を備え、下部が開放する箱状で、主制御基板105の上面(表面)を覆う。主制御基板105は、長方形状の基板トレイ106上に載置され、ビス106A(図4ではそのうちの3つを図示する。)で基板トレイ106ごと上カバー110内に固定される。上カバー110の左右両側の縁部には、下カバー140のフック141に係合する4つのフック穴111(図4では右側縁部のフック穴111を図示する。)がそれぞれ前後に並んで設けられる。上カバー110の天板の右側には、前後方向に延びる開口部112が形成される。主制御基板105の開口部112に対応する位置には、各種制御基板との接続を担う接続線(図示略)を取り付ける複数のコネクタ(図示略)が設けられる。上カバー110の前壁は、前面に封印構造部115を備える。封印構造部115の構成は後述する。
上カバー110は、下カバー140に対して後方に位置をずらした状態で下カバー140上に重ね合わされる。上カバー110が下カバー140に対して前方にスライド移動することで、フック141がフック穴111に係合し、上カバー110と下カバー140が一体の箱体を形成する。上カバー110の右壁、左壁、後壁それぞれの下端部は、下カバー140の右縁部、左縁部、後縁部のそれぞれに密着するため、隙間から工具等の挿入することは難しく、フック141は破壊されにくい。主制御基板ボックス100は、上カバー110と下カバー140を組み合わせて形成される箱体の内部空間に、主制御基板105を収容する。
次に、上カバー110の封印構造部115の構成について説明する。図5に示すように、封印構造部115には、第一上側締結部120、第二上側締結部125、上側貼付部135が設けられる。第一上側締結部120は封印構造部115の右端部に設けられ、第二上側締結部125は封印構造部115の左端部に設けられる。第一上側締結部120、第二上側締結部125は、それぞれ、第一下側締結部150、第二下側締結部155(後述)と共に、上カバー110と下カバー140とを締結して封印する締結部102、103を構成する。上側貼付部135は、第一上側締結部120と第二上側締結部125との間に設けられる。
第一上側締結部120と第二上側締結部125は略直方体形状に形成され、それぞれ上カバー110の前壁から前方に突出する。第一上側締結部120は、本体部121、根元部122、脆弱部123を有する。本体部121は、上壁、前壁、後壁、左壁、右壁を有し、内部をリブで補強する。本体部121の上壁上面には、挿入穴121Aが形成される。挿入穴121Aの開口周縁部は、上壁下面から下方へ筒状に突出し、本体部121内のリブによって支持される。よって挿入穴121Aは、本体部121内を上下に貫通する。挿入穴121Aの内面は、上部が六角形状で、下部が上部よりも小径の丸形状を有する。第一上側締結部120と第一下側締結部150の締結時、挿入穴121A内には、頭部が六角形状のアンカーリベット130が挿通される。アンカーリベット130の下端部は、第一下側締結部150内に配置される。アンカーリベット130内には封印ねじ131が挿入される。封印ねじ131は、ねじ込み方向へのみトルクを加えることができる特殊形状のねじ頭を有する、いわゆるワンウェイねじである。封印ねじ131をねじ込むと、アンカーリベット130の下端部は拡径される。
根元部122は、上カバー110の前壁から台状に突出し、第一上側締結部120の基部を構成する。脆弱部123は、根元部122の前側に位置する。脆弱部123は上壁、左壁および右壁を有し、内部にリブが形成されない。脆弱部123の左壁と右壁は、それぞれ上壁の左右両端から下方へ延び、脆弱部123の高さの略1/3の高さに形成される。脆弱部123の左壁と右壁より下方の部分は、切り欠き状に形成される。脆弱部123の上壁には、2つの開口部123Aが形成される。すなわち、脆弱部123は、上壁の開口部123Aを除く部分と左壁および右壁とによって本体部121と根元部122とを接続する。脆弱部123は、ニッパ等で破壊することが可能な部位である。脆弱部123が破壊されることによって、第一上側締結部120は上カバー110から本体部121を分離することができる。
本体部121の右壁には、爪部124が設けられる。爪部124は、本体部121右壁から右方に突出し、前後に延びる。爪部124の下面は水平面で、上面は斜面に形成される。爪部124は、保護カバー170(後述)の組み付けに用いられる。第一上側締結部120の上面および右側面は、上カバー110の上面および右側面に対し、保護カバー170の厚み分の段状に形成される。
第二上側締結部125は、本体部126、根元部127、脆弱部128を有する。本体部126は、上壁、前壁、後壁、左壁、右壁を有し、内部をリブで補強する。本体部126の上壁上面には、挿入穴126Aが形成される。挿入穴126Aの開口周縁部は、上壁下面から下方へ筒状に突出し、本体部126内のリブによって支持される。よって挿入穴126Aは、本体部126内を上下に貫通する。挿入穴126Aの内面は、上部、下部共に丸形状で、下部が上部よりも小径に形成される。挿入穴126A内には封印ねじ132が挿通可能である。封印ねじ132もワンウェイねじである。封印ねじ132は、第二上側締結部125と第二下側締結部155の非締結時、第二下側締結部155内にて保持される。
根元部127は、上カバー110の前壁から台状に突出し、第二上側締結部125の基部を構成する。脆弱部128は、根元部127の前側に位置する。脆弱部128は上壁、左壁および右壁を有し、内部にリブが形成されない。脆弱部128の左壁と右壁は、それぞれ上壁の左右両端から下方へ延び、脆弱部128の高さの略1/3の高さに形成される。脆弱部128の左壁と右壁より下方の部分は、切り欠き状に形成される。脆弱部128の上壁には、2つの開口部128Aが形成される。脆弱部128は、上壁の開口部128Aを除く部分と左壁および右壁とによって本体部126と根元部127とを接続する。脆弱部128も同様に、例えばニッパ等で破壊できる。脆弱部128が破壊された場合、第二上側締結部125は上カバー110から本体部126を分離することができる。
本体部126の左壁には、爪部129が設けられる。爪部129は、本体部126左壁から左方に突出し、前後に延びる。爪部129の下面は水平面で、上面は斜面に形成される。爪部129も、保護カバー170の組み付けに用いられる。第二上側締結部125の上面および左側面は、上カバー110の上面および左側面に対し、保護カバー170の厚み分の段状に形成される。
上側貼付部135と下側貼付部165(後述)は、封印シール107(図6参照)を貼り付ける貼付部104を構成する。上側貼付部135は、封印シール107の上側略半分が貼り付けられる部位である。上側貼付部135は、平面視、略長方形状である。上側貼付部135の上面は、上カバー110の上面を保護カバー170の厚みと封印シール107の厚みの大きさ分、段状に低い位置に設けられる。上側貼付部135上面の左右両端には、前後に延び上方に突出する突状部136が形成される。突状部136は封印シール107の厚み分突出し、封印シール107の左右両端の位置決めに用いられる。
上側貼付部135の前部は上カバー110の前壁よりも前方に突出し、上側貼付部135上面において封印シール107の貼付面積が確保される。上側貼付部135の前壁には切り欠き状のボス収容溝137が設けられる。上側貼付部135の上壁にはビス穴138が開口し、ボス収容溝137内に連通する。上カバー110と下カバー140とが組み合わされたとき、ボス収容溝137内には下カバー140の封印構造部145に設けられるボス142が収容される。ボス142にはビス穴138を介してビス139が締結される。
次に、下カバー140の封印構造部145の構成について説明する。封印構造部145には、第一下側締結部150、第二下側締結部155、下側貼付部165、右側固定部161、左側固定部163、ボス142が設けられる。第一下側締結部150は封印構造部145の右端部に設けられ、第二下側締結部155は封印構造部145の左端部に設けられる。下側貼付部165は、第一下側締結部150と第二下側締結部155との間に設けられる。
第一下側締結部150と第二下側締結部155は略直方体形状に形成され、それぞれ下カバー140の前壁から前方に突出する。第一下側締結部150は、前壁、左壁、右壁、下壁を有し、内部をリブで補強する。第一下側締結部150の大きさは、第一上側締結部120の大きさと略同じである。上カバー110と下カバー140とが組み合わされたとき、第一上側締結部120の本体部121の前壁、左壁、右壁と、第一下側締結部150の前壁、左壁、右壁とは、それぞれ、略同一な平面を形成する。第一下側締結部150は、上下に延びる筒状の挿入穴151を有する。挿入穴151は、第一下側締結部150内のリブによって支持される。挿入穴151の内面は丸形状である。挿入穴151は、第一上側締結部120の挿入穴121Aに対応し、上カバー110と下カバー140とが組み合わされたとき、挿入穴151は挿入穴121Aと接続する。第一上側締結部120と第一下側締結部150の締結時、挿入穴151内には、アンカーリベット130の下端部が挿入される。挿入穴151の下面は、第一下側締結部150の下壁から離れて位置する。アンカーリベット130の下端部は、拡径すると、挿入穴151の下面に係合する。
第二下側締結部155は、前壁、左壁、右壁、下壁を有し、内部をリブで補強する。第二下側締結部155の大きさは、第二上側締結部125の大きさと略同じである。上カバー110と下カバー140とが組み合わされたとき、第二上側締結部125の本体部126の前壁、左壁、右壁と、第二下側締結部155の前壁、左壁、右壁とは、それぞれ、略同一な平面を形成する。第二下側締結部155は、上下に延びる筒状の挿入穴156を有する。挿入穴156は、第二下側締結部155内のリブによって支持される。挿入穴156の内面は丸形状である。挿入穴156は、第二上側締結部125の挿入穴126Aに対応し、上カバー110と下カバー140とが組み合わされたとき、挿入穴156は挿入穴126Aと接続する。挿入穴126Aは、第一下側締結部150の下壁には開口しない。第二上側締結部125と第二下側締結部155の締結時、挿入穴156内には、封印ねじ132の下端部がねじ込まれる。
貼付部104の下側貼付部165は、封印シール107の下側略半分が貼り付けられる部位である。下側貼付部165は、上下よりも左右に長く、前後を厚みとする略長方形の板状に形成される。下カバー140の下壁は、第一下側締結部150と第二下側締結部155との間にて前壁から前方へ突出し、第一下側締結部150の下壁と第二下側締結部155の下壁とを接続する接続部160を形成する。接続部160の前端部は上方に立設する。下側貼付部165は、接続部160において立設し、その後側にて接続部160からボス142が立設する。上カバー110と下カバー140とが組み合わされたとき、下側貼付部165の後面は、上側貼付部135前部の前面との間に、間隙G3を有する。間隙G3内にはシールカッター108(図6参照)が配置される。下側貼付部165の上面は、上側貼付部135の上面と略同じ高さに位置する。
右側固定部161は、接続部160の前端部で第一下側締結部150寄りの位置から前方へ突出する。右側固定部161は、上壁、左壁、右壁を有し、正面視略コの字に形成される。右側固定部161の上壁には固定穴162が開口する。左側固定部163は、接続部160の前端部で第二下側締結部155寄りの位置から前方へ突出する。左側固定部163は、上壁、左壁、右壁を有し、正面視略コの字に形成される。左側固定部163の上壁には固定穴164が開口する。主制御基板ボックス100は、固定穴162、164に挿入されるビス40(図2参照)によって、遊技盤2に固定される。
次に、保護カバー170について説明する。図6に示すように、保護カバー170は、透明な樹脂部材からなり、保護部175、第一覆部180、第二覆部190を備える。保護部175は、上側保護部176と下側保護部177を備え、封印シール107を保護する。上側保護部176は、前後よりも左右に長く延び上下に厚みを有する略長方形の板状をなす。上側保護部176は、上側貼付部135の段状の部分に係合し、上側貼付部135の上面全体を覆う。下側保護部177は、上側保護部176の前端から下方に延びる。下側保護部177は、上下よりも左右に長く延び前後に厚みを有する略長方形の板状をなす。下側保護部177は、下側貼付部165の前側に配置され、下側貼付部165の前面全体を覆う。下側保護部177は、後面下部に、後方へ突出する2つの突起部178を備える。突起部178は、下側保護部177後面下部にて左右両端にそれぞれ設けられる。突起部178の上面は水平面で、下面は斜面に形成される。突起部178は、シールカッター108の屈曲部108Bに係合する。
第一覆部180は、保護部175の左側に設けられ、第二覆部190は、保護部175の右側に設けられる。第一覆部180は、上覆部181、前覆部182、左覆部183、右覆部184を有する。上覆部181は、第一上側締結部120の上面を覆い、挿入穴121Aの開口を覆い隠す。上覆部181の左端部は、上側保護部176の右端部に接続する。前覆部182は、第一上側締結部120の前面を覆う。前覆部182の上下方向の長さは、第一上側締結部120前面の上下方向の長さよりも長く、第一上側締結部120と第一下側締結部150の合わせ目G1を跨ぐ。左覆部183は、第一上側締結部120の左側面を覆う。左覆部183の上下方向の長さは、第一上側締結部120左側面の上下方向の長さよりも長く、合わせ目G1を跨ぐ。左覆部183は、前後方向の中間部分にて、下側保護部177の右端部に接続する。右覆部184は、第一上側締結部120の右側面を覆う。右覆部184の上下方向の長さは、第一上側締結部120右側面の上下方向の長さよりも長く、合わせ目G1を跨ぐ。右覆部184の略中央よりもやや下側には、第一上側締結部120の爪部124が係合する係合穴186が形成される。また、上覆部181の後端部と、左覆部183の後端部と、右覆部184の後端部とは、脆弱部123と根元部122を覆う。この部位を、脆弱覆部185と称す。
第二覆部190は、上覆部191、前覆部192、左覆部193、右覆部194を有する。上覆部191は、第二上側締結部125の上面を覆い、挿入穴126Aの開口を覆い隠す。上覆部191の右端部は、上側保護部176の左端部に接続する。前覆部192は、第二上側締結部125の前面を覆う。前覆部192の上下方向の長さは、第二上側締結部125前面の上下方向の長さよりも長く、第二上側締結部125と第二下側締結部155の合わせ目G2を跨ぐ。左覆部193は、第二上側締結部125の左側面を覆う。左覆部193の上下方向の長さは、第二上側締結部125左側面の上下方向の長さよりも長く、合わせ目G2を跨ぐ。左覆部193の略中央よりもやや下側には、第二上側締結部125の爪部129が係合する係合穴196が形成される。右覆部194は、第二上側締結部125の右側面を覆う。右覆部194の上下方向の長さは、第二上側締結部125右側面の上下方向の長さよりも長く、合わせ目G2を跨ぐ。右覆部194は、前後方向の中間部分にて、下側保護部177の左端部に接続する。また、上覆部191の後端部と、左覆部193の後端部と、右覆部194の後端部とは、脆弱部128と根元部127を覆う。この部位を、脆弱覆部195と称す。
シールカッター108は、上下よりも左右に長く、前後を厚みとする板状をなす。シールカッター108の上側の縁部は、山谷が連続するノコギリ歯状の刃部108Aを形成する。シールカッター108の左右両側の端部は柱状に形成され、下端部が前方に屈曲する屈曲部108Bを形成する。2つの屈曲部108B間の距離は、下側貼付部165の左右の長さよりも長い。シールカッター108は、上側貼付部135と下側貼付部165の間隙G3内に配置される。保護カバー170は、シールカッター108が間隙G3内に配置され、封印シール107が間隙G3を跨いで上側貼付部135と下側貼付部165とに貼り付けられた状態で、封印構造部115,145に取り付けられる。
主制御基板105は、主制御基板ボックス100内に、以下のように収容される。図4に示すように、主制御基板105は、上カバー110内にビス106Aで固定される。上カバー110は下カバー140上に、後方にずらした状態で重ね合わされて、前方にスライド移動される。フック141がフック穴111に係合し、上カバー110の左右側面が下カバー140の左右側面に固定される。
図6に示すように、上カバー110の封印構造部115の第一上側締結部120と第二上側締結部125は、それぞれ、下カバー140の封印構造部145の第一下側締結部150上と第二下側締結部155上に重なって配置される。第一上側締結部120の本体部121の前壁、左壁、右壁と、第一下側締結部150の前壁、左壁、右壁とが、それぞれ、略同一な平面を形成し、合わせ目G1が形成される。第二上側締結部125の本体部126の前壁、左壁、右壁と、第二下側締結部155の前壁、左壁、右壁とが、それぞれ、略同一な平面を形成し、合わせ目G2が形成される。
下カバー140のボス142(図5参照)にビス139が締結され、上側貼付部135が下側貼付部165に対して固定される。アンカーリベット130(図5参照)が第一上側締結部120の挿入穴121Aに挿入され、封印ねじ131がねじ込まれることで、アンカーリベット130の下端部が第一下側締結部150内で拡径し、第一上側締結部120が第一下側締結部150に締結される。第一上側締結部120と第一下側締結部150とが締結される場合、第二上側締結部125と第二下側締結部155とは締結されない。
上側貼付部135と下側貼付部165の間隙G3に、シールカッター108が配置される。シールカッター108の屈曲部108Bは、下側貼付部165の左右両側に配置される。間隙G3を跨ぎ、上側貼付部135と下側貼付部165とに封印シール107が貼り付けられる。シールカッター108は、間隙G3内で、封印シール107に対して刃部108Aを向けた状態で配置される。
図7に示すように、保護カバー170は上方から封印構造部115,145に嵌め込まれて取り付けられる。第一覆部180の係合穴186と、第二覆部190の係合穴196は、第一上側締結部120の爪部124と第二上側締結部125の爪部129にそれぞれ係合する。これにより、保護カバー170は封印構造部115,145に保持される。下側保護部177の突起部178(図6参照)は、シールカッター108の屈曲部108Bの下側で屈曲部108Bに係合する。下側保護部177の下端部は、封印構造部145の接続部160前端部の後側に位置し、前方への移動が規制される。故に下側保護部177を前方に撓めて突起部178と屈曲部108Bとの係合状態を外すことは難しい。
保護部175は封印シール107の上面と前面を覆い、封印シール107を保護する。仮に、不正行為を行う者が、主制御基板ボックス100をこじ開けようとする場合に、溶剤等を用いて封印シール107を破ることなく剥がすためには、保護カバー170を外さなければならない。爪部129と係合穴196の係合状態が不正に外され、保護カバー170が上方に持ち上げられた場合、下側保護部177の突起部178がシールカッター108の屈曲部108Bを上方に押圧する。この場合、シールカッター108は、保護カバー170と共に上方に移動し、刃部108Aによって間隙G3を跨ぐ封印シール107を破断する。故に、主制御基板ボックス100は、不正の痕跡を残すことができる。
図7〜図10に示すように、第一覆部180は、第一上側締結部120の全体を覆い、第二覆部190は、第二上側締結部125の全体を覆う。上覆部181は挿入穴121Aの開口を覆い、上覆部191は、挿入穴126Aの開口を覆う。仮に、不正行為を行う者が、封印ねじ131または132を不正に外して主制御基板ボックス100をこじ開けようとする場合、挿入穴121Aまたは126A内に工具等を差し込むためには、第一覆部180または第二覆部190を上方に持ち上げなければならない。第一覆部180と第二覆部190は保護部175と一体であるため、第一覆部180または第二覆部190が持ち上げられると保護部175も持ち上げられて、シールカッター108が封印シール107を破断する。故に、主制御基板ボックス100は、上記同様、不正の痕跡を残すことができる。
第一覆部180の前覆部182、左覆部183、右覆部184は、それぞれ、第一上側締結部120と第一下側締結部150の合わせ目G1を跨ぎ、第一下側締結部150の上部を覆う。仮に、不正行為を行う者が、第一上側締結部120と第一下側締結部150の締結部分を工具等で破壊して主制御基板ボックス100をこじ開けようとする場合、合わせ目G1に工具等を差し込むためには、第一覆部180を上方に持ち上げなければならない。第一覆部180は保護部175と一体であるため、第一覆部180が持ち上げられると保護部175も持ち上げられて、シールカッター108が封印シール107を破断する。故に、主制御基板ボックス100は、上記同様、不正の痕跡を残すことができる。また、前覆部182、左覆部183、右覆部184が合わせ目G1の前方、左方、右方の三方を覆うので、第一下側締結部150に対して第一上側締結部120を左右または前後にずらし、合わせ目G1に工具等を差し込むための段差を作ることは、できない。
第二覆部190の前覆部192、左覆部193、右覆部194は、それぞれ、第二上側締結部125と第二下側締結部155の合わせ目G2を跨ぎ、第二下側締結部155の上部を覆う。仮に、不正行為を行う者が、第二上側締結部125と第二下側締結部155の締結部分を工具等で破壊して主制御基板ボックス100をこじ開けようとする場合、合わせ目G2に工具等を差し込むためには、第二覆部190を上方に持ち上げなければならない。第二覆部190は保護部175と一体であるため、第二覆部190が持ち上げられると保護部175も持ち上げられて、シールカッター108が封印シール107を破断する。故に、主制御基板ボックス100は、上記同様、不正の痕跡を残すことができる。また、前覆部192、左覆部193、右覆部194が合わせ目G2の前方、左方、右方の三方を覆うので、第二下側締結部155に対して第二上側締結部125を左右または前後にずらし、合わせ目G2に工具等を差し込むための段差を作ることは、できない。
第一覆部180の脆弱覆部185は、脆弱部123と根元部122を覆い、第二覆部190の脆弱覆部195は、脆弱部128と根元部127を覆う。仮に、不正行為を行う者が、脆弱部123または128を破壊して主制御基板ボックス100をこじ開けようとする場合、脆弱部123または128に工具等をあてがうためには、第一覆部180または第二覆部190を上方に持ち上げなければならない。第一覆部180と第二覆部190は保護部175と一体であるため、第一覆部180または第二覆部190が持ち上げられると保護部175も持ち上げられて、シールカッター108が封印シール107を破断する。故に、主制御基板ボックス100は、上記同様、不正の痕跡を残すことができる。
なお、例えば主制御基板105の検査等のため、主制御基板ボックス100を開ける場合には、保護カバー170を取り外し、脆弱部123をニッパ等で破壊して本体部121と根元部122とを切り離す。これにより、第一上側締結部120と第一下側締結部150との締結状態が解除されるので、ビス139を外し、下カバー140に対して上カバー110を後方にスライド移動すれば、主制御基板ボックス100を開けることができる。封印シール107は破断されるが、正規な手順による検査の場合は新たな封印シール107を貼り直すことができる。よって、主制御基板ボックス100を再び閉じる場合、第二上側締結部125と第二下側締結部155を封印ねじ132で締結し、保護カバー170を取り付ける。
以上説明したように、保護カバー170の上覆部181,191は第一上側締結部120,第二上側締結部125の挿入穴121A,126Aを覆うので、工具等で封印ねじ131,132を挿入穴121A,126Aから取り外そうとする行為を未然に防止する。保護カバー170は、封印シール107と封印ねじ131,132を一部材で保護するので、コスト削減に寄与する。
前覆部182,192、左覆部183,193、右覆部184,194は、第一下側締結部150,第二下側締結部155と第一上側締結部120,第二上側締結部125の合わせ目G1,G2を覆い、封印ねじ131,132または挿入穴121A,126Aを破壊する工具が合わせ目G1,G2から挿入されるのを防ぐ。また、前覆部182,192、左覆部183,193、右覆部184,194は、第一下側締結部150,第二下側締結部155と第一上側締結部120,第二上側締結部125とが、基体と蓋体の重ね方向の交差方向にずらされることを規制する。即ち前覆部182,192、左覆部183,193、右覆部184,194は、合わせ目G1,G2内に工具を挿入する切っ掛けとなる段部の形成を阻止する。故に保護カバー170は、主制御基板ボックス100の不正開封を防止できる。
保護カバー170の保護部175に係合穴186,196がある場合、係合穴186,196を介して工具が挿入されて、シールカッター108が破壊される可能性がある。係合穴186,196を右覆部184、左覆部193に設けたことで、保護部175には、係合穴186,196が設けられていない。故に保護カバー170は、主制御基板ボックス100の不正開封を防止できる。
脆弱覆部185,195は、脆弱部123,128と根元部122,127を覆い、ニッパ等の工具で脆弱部123,128が破壊されるのを防ぐ。故に保護カバー170は、主制御基板ボックス100の不正開封を防止できる。
第一上側締結部120,第二上側締結部125が上側貼付部135の側方にあるので、上覆部181,191は、保護カバー170の保護部175から延ばされて形成される。故に、2つの第一上側締結部120,第二上側締結部125を保護部175の側方の一方側で並べて設けた場合において、保護部175から遠い側の第一上側締結部120または第二上側締結部125の挿入穴121Aまたは126Aを覆う上覆部181または191は、所定の外力を受けた場合に、保護部175から近い側の第一上側締結部120または第二上側締結部125の挿入穴121Aまたは126Aを覆う上覆部181または191よりも撓みやすい。第一上側締結部120,第二上側締結部125を保護部175の両側に設けることで、第一上側締結部120,第二上側締結部125の挿入穴121A,126Aを覆う上覆部181,191はどちらも保護カバー170の保護部175を覆う部分から離れる距離が同程度となるので、同程度の撓みにくさを確保できる。故に保護カバー170は、主制御基板ボックス100の不正開封を防止できる。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。本発明に係る制御基板ボックスは、主制御基板105を収容する主制御基板ボックス100を例に説明したが、これに限らず、サブ制御基板、演出制御基板等、他の制御基板を収容するボックスであってもよい。上カバー110と下カバー140を締結する締結部102,103は2つ設けたが、1つであってもよいし、3つ以上あってもよい。第一覆部180、第二覆部190は、それぞれ前覆部182,192、左覆部183,193、右覆部184,194がなく、上覆部181,191が挿入穴121A,126Aを覆うだけの構成であってもよい。また、第一覆部180、第二覆部190は、脆弱覆部185,195がなくてもよい。
保護カバー170を封印構造部115,145に固定するための係合穴186,196と爪部124,129の構成は、なくてもよい。例えば、保護カバー170を単なる嵌め込みによって封印構造部115,145に固定してもよい。あるいは、保護カバー170をねじ留めによって封印構造部115,145に固定してもよい。
第一上側締結部120、第二上側締結部125において、根元部122,127はなくてもよい。脆弱部123,128もなくてもよい。なお、脆弱部123,128の構成を省いた場合、封印ねじ131,132は、ワンウェイねじでなくてもよい。
特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、表示装置、普通電動役物、図柄作動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、各要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
なお、本発明においては、主制御基板105が「制御基板」に相当する。下カバー140が「基体」に相当する。上カバー110が「蓋体」に相当する。第一下側締結部150と第二下側締結部155が「基体側締結部」に相当する。第一上側締結部120と第二上側締結部125が「蓋体側締結部」に相当する。アンカーリベット130と封印ねじ一三一,132が「締結部材」に相当する。下側貼付部165が「基体側貼付部」に相当する。上側貼付部135が「蓋体側貼付部」に相当する。上覆部181,191が「開口覆部」に相当する。保護カバー170が「保護部材」に相当する。主制御基板ボックス100が「制御基板ボックス」に相当する。前覆部182,192、左覆部183,193、右覆部184,194が「側面覆部」に相当する。係合穴186,196が「係合部」に相当する。