JP6916763B2 - スライドブーム - Google Patents

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Description

本発明は、スライドブームに関する。
従来、搭載式または自走式のブームスプレーヤに用いられる多段式のスライドブームが知られている。例えば、特許文献1に記載されたスライドブームは、3段のブームを備えており、3段のブームのそれぞれに噴霧管が設けられている。3段のブームの噴霧管には、薬液等供給用のホースがそれぞれ接続されている。
特開2013−236595号公報
複数のブームによって構成される多段式のスライドブームにおいては、基端側(ブームスプレーヤの車両に近い側)に配置されたブームに接続されるホース長に比べて、先端側に配置されたブームに接続されるホース長が大きくなる。そのため、先端側のブームに接続されたホースでは、基端側のブームに接続されたホースに比べてヘッドロス(圧力損失)が大きくなっている。このようにホース長が大きくなるとヘッドロスが増大するため、例えば基端側に配置されたブームと先端側に配置されたブームとの間で薬液の散布量に違いが生じる虞がある。
本発明の一形態は、ヘッドロスを低減することができるスライドブームを提供することを目的とする。
本発明の一側面のスライドブーム(100)は、走行可能な車両(2)に搭載されるスライドブーム(100)であって、第1ブーム(110)と、第1送液管(121)を有し、第1ブーム(110)に沿ってスライド移動する第2ブーム(120)と、第2送液管(131)を有し、第2ブーム(120)に沿ってスライド移動する第3ブーム(130)と、車両(2)に搭載された液体タンク(10)と第1送液管(121)とを接続する螺旋状をなす第1ホース部(150)と、液体タンク(10)と第2送液管(131)とを接続する螺旋状をなす第2ホース部(160)と、を備え、第2ホース部(160)の少なくとも一部の内径は、第1ホース部(150)の内径よりも大きい。
上記のスライドブーム(100)では、第2ブーム(120)が第1ブーム(110)に沿ってスライド移動し、第3ブーム(130)が第2ブーム(120)に沿ってスライド移動する。すなわち、車両(2)を基端として、第3ブーム(130)は第2ブーム(120)よりも遠くの位置に配置される。第2ブーム(120)に設けられた第1送液管(121)には、第1ホース部(150)を介して液体タンク(10)から液体が供給され得る。また、第3ブーム(130)に設けられた第2送液管(131)には、第2ホース部(160)を介して液体タンク(10)から液体が供給され得る。第2ホース部(160)の少なくとも一部の内径は、第1ホース部(150)の内径よりも大きく形成されている。そのため、例えば、第2ホース部(160)の内径が第1ホース部(150)の内径と同じである場合に比べて、第2ホース部(160)におけるヘッドロスを低減することができる。
第1ホース部(150)は、第2ブーム(120)のスライド移動に伴って伸縮する第1コイルホース(151)を含み、第2ホース部(160)は、第2ブーム(120)のスライド移動に伴って伸縮する第2コイルホース(162)と、第2コイルホース(162)に直列に接続され、第3ブーム(130)のスライド移動に伴って伸縮する第3コイルホース(163)とを含み、第2コイルホース(162)の内径は、第1コイルホース(151)の内径よりも大きくてよい。この構成では、第2ホース部(160)の基端側である第2コイルホース(162)の内径が大きく形成されているので、第2ホース部(160)におけるヘッドロスが低減され得る。
第1コイルホース(151)は、螺旋状をなす第2コイルホース(162)の内側空間(162a)に配置されていてもよい。第2コイルホース(162)の内径が大きく形成されている場合、第2コイルホース(162)が形成するコイルの径が大きくなることが考えられる。この場合、第1コイルホース(151)、第2コイルホース(162)及び第3コイルホース(163)が並列に配置されると、スライドブーム全体のサイズが増大し得る。上記のように、第2コイルホース(162)の内側空間(162a)に第1コイルホース(151)が配置されることによって、スライドブーム(100)のサイズが増大することを抑制できる。
スライドブーム(100)は、第1ブーム(110)に沿って張架され、第2コイルホース(162)を内側空間(162a)から支持する第1補助部材(112A,112B)と、第1ブーム(110)に沿って張架され、第2コイルホース(162)の内側空間(162a)において、第1コイルホース(151)の内側空間(151a)の外側であり、且つ、第1補助部材(112A,112B)の下方に配置される第2補助部材(112E)と、をさらに備えてもよい。この構成では、第1補助部材(112A,112B)に支持された第2コイルホース(162)の揺動が、第2補助部材(112E)によって抑制され得る。そのため、第2コイルホース(162)と第1コイルホース(151)とが干渉し合うことが抑制される。
スライドブーム(100)は、第1ブーム(110)に沿って張架され、第1コイルホース(151)を内側空間151aから支持する第3補助部材(112C)と、第1ブーム(110)に沿って張架され、第1コイルホース(151)の内側空間(151a)において第3補助部材(112C)の下方に配置される第4補助部材(112D)と、をさらに備えてもよい。この構成では、第3補助部材(112C)に支持された第1コイルホース(151)の揺動が、第4補助部材(112D)によって抑制され得る。そのため、第2コイルホース(162)と第1コイルホース(151)とが干渉し合うことがより抑制される。
本発明の一側面に係るスライドブームよれば、ヘッドロスを低減することができる。
一例に係るブームスプレーヤの斜視図のである。 一例に係るスライドブームの側面図である。 図3のIII−III線に沿った断面図である。 スライドブームの基端側を拡大した斜視図である。 スライドブームの先端側を拡大した斜視図である。 配管系統の構成を示す概略図である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図1は、スライドブームが搭載されたブームスプレーヤを示す斜視図である。図2は、スライドブームの側面図である。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。ブームスプレーヤ1は、車輪を備えた走行可能な車両2と、車両2に取り付けられたスライドブーム100とを有する。ブームスプレーヤ1は、圃場において車両2を走行させながら、車両に搭載された液体タンク10に貯留された薬液等の液体を散布する。図示例では、トラクタ等の自走機体に牽引されて走行するブームスプレーヤ1を示しているが、ブームスプレーヤ1の車両2は自走式であってもよい。以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」は、特に断らない限り、ブームスプレーヤ1を基準とする。なお、図1では、車両前方に向かって右側に配置されたスライドブーム100のみを示しているが、車両前方に向かって左側にもスライドブーム100が設けられていてよい。
スライドブーム100は、車両2を構成するフレーム3の後部において左右の一端又は両端に取り付けられている。スライドブーム100は、第1ブーム110、第2ブーム120、第3ブーム130、第1ホース部150及び第2ホース部160を有している。なお、図示例では、車両2のフレーム3の後部にセンターブーム8が取り付けられている。センターブーム8には複数のノズル8aが長手方向に間隔を空けて接続されている。センターブーム8のノズル8aには、配管を通して液体タンク10から薬液が送られるようになっている。
第1ブーム110は、一方向に延びる長尺部材である(図2参照)。第1ブーム110の基端は、第1ブーム110が水平方向及び上下方向のそれぞれに対して揺動可能となるように、フレーム3に取り付けられている。図3に示すように、第1ブーム110は、筒状の送液管111を有する。送液管111は、第1ブーム110の長手方向に沿って配置されている。送液管111には、複数のノズル111aが長手方向に沿って間隔を空けて接続されている。送液管111は、例えば接続ホースを介して液体タンク10に接続されている。
また、第1ブーム110には、第1ブーム110の長手方向に沿って張架されるワイヤ112A〜112Eが設けられている。図4は、スライドブームの基端側を拡大した斜視図である。図5は、スライドブームの先端側を拡大した斜視図である。図3、図4に示すように、第1ブーム110の基端部には、上方へ延びる支柱113が固定されている。また、図5に示すように、第1ブーム110の先端部には、上方へ延びる支柱114が固定されている。ワイヤ112A〜112Eは、支柱113,114間に張架されている。これらのワイヤ112A〜112Eは、上下方向において互いに離間するように配置されている。図示例では、ワイヤ(第1補助部材)112A,112Bが支柱113,114間の上端に固定されている。すなわち、ワイヤ112A,112Bは同じ高さ位置において左右に並設されている。ワイヤ(第3補助部材)112Cは、ワイヤ112A,112Bよりも下側の位置において支柱113,114間に固定されている。ワイヤ(第4補助部材)112Dは、ワイヤ112Cよりも下側の位置において支柱113,114間に固定されている。ワイヤ(第2補助部材)112Eは、ワイヤ112Dよりも下側の位置において支柱113,114間に固定されている。各ワイヤ同士は、例えば互いに平行になるように配置されている。
第2ブーム120は、一方向に延びる長尺部材である。第2ブーム120は、第1ブーム110に支持されており、第1ブーム110の長手方向に沿ってスライド移動する。例えば図3に示すように、第2ブーム120は、第1ブーム110の外側に配置されている。第2ブーム120は、筒状の送液管(第1送液管)121を有する。送液管121は、第2ブーム120の長手方向に沿って配置されている。送液管121には、複数のノズル121aが長手方向に沿って間隔を空けて接続されている。
また、第2ブーム120には、第2ブーム120の長手方向に沿って張架されるワイヤ122Fが設けられている。図4に示すように、第2ブーム120の基端部には、上方へ延びる支柱123が固定されている。また、図5に示すように、第2ブーム120の先端部には、上方へ延びる支柱124が固定されている。ワイヤ122Fは、支柱123,124間に張架されている。図2、図3に示すように、ワイヤ122Fの高さ位置は、ワイヤ112Eの高さ位置と略同じであってもよい。
第3ブーム130は、一方向に延びる長尺部材である。例えば図3に示すように、第3ブーム130は、第2ブーム120の外側において第2ブーム120に支持されており、第2ブーム120の長手方向に沿ってスライド移動する。第3ブーム130は、筒状の送液管(第2送液管)131を有する。送液管131は、第3ブーム130の長手方向に沿って配置されている。送液管131には、複数のノズル131aが長手方向に沿って間隔を空けて接続されている。
第1ブーム110の側面には、長手方向に沿った溝115が設けられている。溝115の上下には、ローラ117が配置されている。第2ブーム120の上面及び下面には、長手方向に延びる溝126が形成されている。溝126には、第1ブーム110のローラ117が嵌合している。溝126及びローラ117によって、第2ブーム120は第1ブーム110に対して長手方向に沿ってスライド移動し得る。同様に、第2ブーム120の側面には、長手方向に沿った溝125が設けられている。溝125の上下には、ローラ127が配置されている。第3ブーム130の上面及び下面には、長手方向に延びる溝136が形成されている。溝136には、第2ブーム120のローラ127が嵌合している。溝136及びローラ127によって、第3ブーム130は第2ブーム120に対して長手方向に沿ってスライド移動し得る。
第1ホース部150は、第1コイルホース151を含んでおり、液体タンク10と送液管121とを接続する。第2ホース部160は、第2コイルホース162及び第3コイルホース163を含んでおり、液体タンク10と送液管131とを接続する。図6は、ブームスプレーヤ1における配管系統を示す図である。図6に示されるように、ブームスプレーヤ1は、薬液を圧送するための圧送ポンプ19を備える。液体タンク10と圧送ポンプ19とを接続する第一供給ラインL1には、送液バルブ17、ドレンプラグ18、およびストレーナ21がこの順に設けられている。圧送ポンプ19の吐出側に接続された第二供給ラインL2には、調圧弁16が設けられている。調圧弁16には、送液ラインL3、L4、L5が接続されている。送液ラインL3は、第1ブーム110に設けられた送液管111に接続されている。送液ラインL4は、第1コイルホース151を介して、第2ブーム120に設けられた送液管121に接続されている。送液ラインL5は、第2コイルホース162及び第3コイルホース163を介して、第3ブーム130に設けられた送液管に131接続されている。また、調圧弁16は、第一戻りラインL6および第二戻りラインL7を介して液体タンク10に接続されている。第一戻りラインL6にはコック15aが設けられている。第二戻りラインL7は、ジェットポンプ15の吐出側に接続されている。第二戻りラインL7にはフート弁15bが設けられる。ジェットポンプ15の吐出側であってフート弁15bの上流側に、第一戻りラインL6が合流している。
第1コイルホース151は、第1ブーム110の長手方向を軸方向とした螺旋状をなしている。図3に示すように、螺旋状をなす第1コイルホース151は、内側空間151aを有している。内側空間151aは、第1コイルホース151をコイルの軸方向から見た場合に、円環状をなす第1コイルホース151の内周縁151bによって画定される空間である。なお、第2コイルホース162及び第3コイルホース163も同様に内側空間162a,163aを有している。第1コイルホース151は、内側空間151aに挿通されたワイヤ112Cによって支持されている。また、第1コイルホース151の内側空間151aには、ワイヤ112Dが挿通されている。ワイヤ112Dは、ワイヤ112Cの下方に配置されている。図示例では、ワイヤ112Dの左右方向の位置と、ワイヤ112Cの左右方向の位置とが一致している。
第1コイルホース151の基端151c(図4参照)は、第1ブーム110の支柱113に設けられた配管118aに接続されている。第1コイルホース151は配管118aを介して送液ラインL4に接続されている。第1コイルホース151の先端151dは、第2ブーム120の基端に固定された配管128aに接続されている。図示例では、第2ブーム120の基端に上方に延びる支柱129が設けられており、この支柱129に配管128aが固定されている。配管128aは、第2ブーム120の送液管121に接続されている。
第1コイルホース151は、第2ブーム120のスライド移動に伴って伸縮する。すなわち、第2ブーム120が第1ブーム110の先端側にスライド移動した場合、第1コイルホース151は第2ブーム120に固定された配管128aに引っ張られて、ワイヤ112Cに沿って伸長する。第2ブーム120が第1ブーム110の基端側にスライド移動した場合、第1コイルホース151は収縮する。
第2コイルホース162と第3コイルホース163とは直列に接続されており、第2コイルホース162は液体タンク10側に配置され、第3コイルホース163は送液管131側に配置されている。第2コイルホース162は、第1ブーム110の長手方向を軸方向とした螺旋状をなしている。第2コイルホース162は、内側空間162aに挿通されたワイヤ112A,112Bによって支持されている。また、第2コイルホース162の内側空間162aには、ワイヤ112Eが挿通されている。ワイヤ112Eは、第1コイルホース151の内側空間151aの外側であり、且つ、ワイヤ112A,112Bの下方に配置されている。図示例では、ワイヤ112A,112Bの左右方向の位置と、ワイヤ112Eの左右方向の位置とが略一致している。
第2コイルホース162の基端162c(図4参照)は、第1ブーム110の支柱113に設けられた配管118bに接続されている。第2コイルホース162は配管118bを介して送液ラインL5に接続されている。第2コイルホース162の先端162dは、第2ブーム120の支柱129に固定された配管128bに接続されている。配管128bは、第3コイルホース163の基端163cに接続されている。
第2コイルホース162は、第2ブーム120のスライド移動に伴って伸縮する。すなわち、第2ブーム120が第1ブーム110の先端側にスライド移動した場合、第2コイルホース162は第2ブーム120に固定された配管128bに引っ張られて、ワイヤ112A,112Bに沿って伸長する。第2ブーム120が第1ブーム110の基端側にスライド移動した場合、第2コイルホース162は収縮する。
第3コイルホース163は、第2ブーム120の長手方向を軸方向とした螺旋状をなしている。第3コイルホース163は、内側空間163aに挿通されたワイヤ122Fによって支持されている。第3コイルホース163の基端163cは、上述の通り、第2ブーム120に固定された配管128bに接続されている。すなわち、第3コイルホース163は配管128b、第2コイルホース162、配管118b等を介して送液ラインL5に接続されている。第3コイルホース163の先端163dは、第3ブーム130の基端に固定された配管138aに接続されている。配管138aは、第3ブームに設けられた支柱138に固定されており、第3ブーム130の送液管131に接続されている。
第3コイルホース163は、第2ブーム120のスライド移動に伴って伸縮する。すなわち、第3ブーム130が第2ブーム120の先端側にスライド移動した場合、第3コイルホース163は第3ブーム130に固定された配管138aに引っ張られて、ワイヤ122Fに沿って伸長する。第3ブーム130が第2ブーム120の基端側にスライド移動した場合、第3コイルホース163は収縮する。なお、本実施形態では、第1コイルホース151の螺旋の向きと第3コイルホース163の螺旋の向きとは一致しており、第2コイルホース162の螺旋の向きと反対になっている。
第2ホース部160の少なくとも一部の内径は、第1ホース部150の内径よりも大きい。図示例では、第2ホース部160を形成する第2コイルホース162の内径が、第1ホース部150を形成する第1コイルホース151の内径よりも大きくなっている。一例として、第2コイルホース162の内径は、第1コイルホース151の内径の約3倍であってよい。なお、第3コイルホース163の内径は、例えば第1コイルホース151の内径と同じであってよい。この場合、第1コイルホース151と第3コイルホース163とで、共通の部品が使用され得る。
図3に示すように、収縮している状態の第1コイルホース151のコイル外径は、収縮している状態の第2コイルホース162のコイル内径よりも小さい。一例として、第1コイルホース151のコイル外径は、第2コイルホース162のコイル内径の1/3程度であってよい。
第1コイルホース151は、螺旋状をなす第2コイルホース162の内側空間162a内に配置されている。内側空間162aは、コイル状をなす第2コイルホース162をコイルの軸方向から見た場合に、円環状をなす第2コイルホース162の内周縁162bによって画定される空間である。
図示のように、第1コイルホース151は、第1コイルホース151及び第2コイルホース162がいずれも理想的なコイル形状を形成したときに、第1コイルホース151の中心と第2コイルホース162の中心とが略一致するように配置されている。すなわち、第1コイルホース151を支持するワイヤ112Cは、第2コイルホース162を支持するワイヤ112A,112Bよりも、第2コイルホース162のコイル内径と第1コイルホース151のコイル内径との差の半分程度の距離だけ低い位置に配置されている。
以上説明したスライドブーム100では、第2ブーム120が第1ブーム110に沿ってスライド移動し、第3ブーム130が第2ブーム120に沿ってスライド移動する。すなわち、車両2を基端として、第3ブーム130は第2ブーム120よりも遠くの位置に配置される。第2ブーム120に設けられた送液管121には、第1ホース部150を介して液体タンク10から液体が供給され得る。また、第3ブーム130に設けられた送液管131には、第2ホース部160を介して液体タンク10から液体が供給され得る。第2ホース部160の少なくとも一部の内径は、第1ホース部150の内径よりも大きく形成されている。そのため、例えば、第2ホース部160の内径が第1ホース部150の内径と同じである場合に比べて、第2ホース部160におけるヘッドロスを低減することができる。これにより、例えば、ブーム間で液体の散布量に違いが生じることを抑制できる。
第1ホース部150は、第2ブーム120のスライド移動に伴って伸縮する第1コイルホース151を含み、第2ホース部160は、第2ブーム120のスライド移動に伴って伸縮する第2コイルホース162と、第2コイルホース162に直列に接続され、第3ブーム130のスライド移動に伴って伸縮する第3コイルホース163とを含み、第2コイルホース162の内径は、第1コイルホース151の内径よりも大きくなっている。この構成では、第2ホース部160の基端側である第2コイルホース162の内径が大きく形成されているので、第2ホース部160におけるヘッドロスが低減され得る。
第1コイルホース151は、螺旋状をなす第2コイルホース162の内側空間162aに配置されている。上記した例では、第2コイルホース162の内径が大きいために、第2コイルホース162が形成するコイルの径が大きくなっている。この場合、第1コイルホース151、第2コイルホース162及び第3コイルホース163が並列に配置されると、スライドブーム全体のサイズが増大し得る。そこで、上記例では、第2コイルホース162の内側空間162a内に第1コイルホース151を配置することによって、スライドブーム100のサイズが増大することを抑制している。
スライドブーム100は、第1ブーム110に沿って張架され、第2コイルホース162を内側空間162aから支持するワイヤ112A,112Bと、第1ブーム110に沿って張架され、第2コイルホース162の内側空間162a内において、第1コイルホース151の内側空間151aの外側であり、且つ、ワイヤ112A,112Bの下方に配置されるワイヤ112Eと、を備えている。この構成では、ワイヤ112A,112Bに支持された第2コイルホース162の揺動が、ワイヤ112Eによって抑制され得る。そのため、第2コイルホース162と第1コイルホース151とが干渉し合うことが抑制される。
スライドブーム100は、第1ブーム110に沿って張架され、第1コイルホース151を内側空間151aから支持するワイヤ112Cと、第1ブーム110に沿って張架され、第1コイルホース151の内側空間151a内において、ワイヤ112Cの下方に配置されるワイヤ112Dと、を備えている。この構成では、ワイヤ112Cに支持された第1コイルホース151の揺動が、ワイヤ112Dによって抑制され得る。そのため、第2コイルホース162と第1コイルホース151とが干渉し合うことがさらに抑制される。
以上、一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。例えば、ワイヤ112A〜112Eの左右位置が略一致している例を示したが、これに限定されない。ワイヤ112D,112Eは、第1コイルホース151、第2コイルホース162の揺動を抑制できる位置であれば、いずれの位置に配置されてもよい。また、第1コイルホース151、第2コイルホース162の揺動を抑制するために、さらにワイヤを備えてもよい。
1…ブームスプレーヤ、2…車両、10…液体タンク、100…スライドブーム、110…第1ブーム、112A,112B…ワイヤ(第1補助部材)、112C…ワイヤ(第3補助部材)、112D…ワイヤ(第4補助部材)、112E…ワイヤ(第2補助部材)、120…第2ブーム、121…送液管(第1送液管)、130…第3ブーム、131…送液管(第2送液管)、150…第1ホース部、151…第1コイルホース、160…第2ホース部、162…第2コイルホース、162a…内側空間、163…第3コイルホース。

Claims (3)

  1. 走行可能な車両(2)に搭載されるスライドブーム(100)であって、
    第1ブーム(110)と、
    第1送液管(121)を有し、前記第1ブーム(110)に沿ってスライド移動する第2ブーム(120)と、
    第2送液管(131)を有し、前記第2ブーム(120)に沿ってスライド移動する第3ブーム(130)と、
    前記車両(2)に搭載された液体タンク(10)と前記第1送液管(121)とを接続する螺旋状をなす第1ホース部(150)と、
    前記液体タンク(10)と前記第2送液管(131)とを接続する螺旋状をなす第2ホース部(160)と、を備え、
    前記第2ホース部(160)の少なくとも一部の内径は、前記第1ホース部(150)の内径よりも大きく、
    前記第1ホース部(150)は、前記第2ブーム(120)のスライド移動に伴って伸縮する第1コイルホース(151)を含み、
    前記第2ホース部(160)は、前記第2ブーム(120)のスライド移動に伴って伸縮する第2コイルホース(162)と、前記第2コイルホース(162)に直列に接続され、前記第3ブーム(130)のスライド移動に伴って伸縮する第3コイルホース(163)とを含み、
    前記第2コイルホース(162)の内径は、前記第1コイルホース(151)の内径よりも大きく、
    前記第1コイルホース(151)は、螺旋状をなす前記第2コイルホース(162)の内側空間(162a)に配置されている、スライドブーム(100)。
  2. 前記第1ブーム(110)に沿って張架され、前記第2コイルホース(162)を内側空間(162a)から支持する第1補助部材(112A,112B)と、
    前記第1ブーム(110)に沿って張架され、前記第2コイルホース(162)の内側空間(162a)において、前記第1コイルホース(151)の内側空間(151a)の外側であり、且つ、前記第1補助部材(112A,112B)の下方に配置される第2補助部材(112E)と、をさらに備える、請求項に記載のスライドブーム(100)。
  3. 前記第1ブーム(110)に沿って張架され、前記第1コイルホース(151)を内側空間151aから支持する第3補助部材(112C)と、
    前記第1ブーム(110)に沿って張架され、前記第1コイルホース(151)の内側空間(151a)において前記第3補助部材(112C)の下方に配置される第4補助部材(112D)と、をさらに備える、請求項に記載のスライドブーム(100)。
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