JP6916203B2 - 伝送路 - Google Patents

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Description

本発明は、伝送路に関するものである。
近年、通信の高速化および大容量化が進み、半導体素子等が実装される配線基板に関する技術が注目されている。配線基板の伝送路には銅が通常用いられ、銅の表面にニッケル−リン層が被着され、さらにその表面に金層が被着される場合がある。
また、近年、ミリ波やマイクロ波を扱うアンテナ装置では、集積回路技術またはプリント配線技術を用いて、基板上に平面的に形成できることから、量産性、経済性に優れたマイクロストリップアンテナが多用されている。
マイクロストリップアンテナの放射素子と地導体板には通常、銅が用いられる。その銅にはニッケル−リン層と金層が順次被着された構成が用いられることがある。マイクロストリップアンテナは、このような放射素子によって、ミリ波やマイクロ波帯の高周波信号を送受信する。
特許文献1には、ニッケル−リン層のリンの濃度を8〜15%にすることで、ニッケルが非磁性化し、高周波信号の損失を少なくする技術が開示されている。このような技術を使用することで、伝送路やアンテナ装置についても、伝送特性や送受信時の利得を向上させることができる。
特開2001−144392号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、信号の周波数が8GHzを超えると、損失が増加することが、本発明者の実測により明らかになった。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、8GHzを超える周波数の信号を使用する場合でも損失が少ない伝送路を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、8GHzを超える周波数成分を含む高周波信号を伝送する伝送路において、前記伝送路はニッケルおよびリンを含むニッケル−リン層を有し、前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が0質量%を超え、8質量%未満であることを特徴とする。
このような構成によれば、8GHzを超える周波数の信号を伝送させる場合でも損失が少ない伝送路を提供することができる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が6質量%以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、8GHzを超える周波数の信号を伝送させる場合の損失を低減することができる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が4質量%以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、8GHzを超える周波数の信号を伝送させる場合の損失を確実に低減することができる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が3質量%以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、8GHzを超える周波数の信号を伝送させる場合の損失を一層確実に低減することができる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が0.5質量%以上であることを特徴とする。
このような構成によれば、8GHzを超える周波数の信号を伝送させる場合の損失を一層確実に低減することができる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が1.0質量%以上であることを特徴とする。
このような構成によれば、8GHzを超える周波数の信号を伝送させる場合の損失を一層確実に低減することができる。
また、本発明は、前記伝送路は導体層を有し、前記ニッケル−リン層は前記導体層の表面に形成されることを特徴とする。
このような構成によれば、配線基板に形成される伝送路を伝送される8GHzを超える周波数の信号の損失を低減できる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層は誘電体基板の表面に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、配線基板に形成される伝送路を伝送される8GHzを超える周波数の信号の損失を低減できる。
また、前記導体層は銅によって構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、導電率が高く、かつ、値段が安価な銅を導体層として用いることでコストを低減しつつ、損失を低減することができる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層の表面に形成される金層を有することを特徴とする。
このような構成によれば、伝送路が酸化によって伝送損失が増加することの防止や、半導体素子等の実装にも好適である。
また、本発明は、前記伝送路には16Gbaudを超える伝送速度を有するデジタル信号が伝送されることを特徴とする。
このような構成によれば、デジタル信号の劣化を防止できる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層が導波管の内側表面に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、8GHzを超える電磁波の損失を低減することができる。
また、本発明は、前記ニッケル−リン層は無電解めっきによって形成されることを特徴とする。
このような構成によれば、ニッケル−リン層を均一に形成することができる。
また、本発明は、前記高周波信号を送受信する放射素子と、前記放射素子に隣接して配置される地導体板と、前記放射素子に電力を給電または前記放射素子から電力を受電する給電部と、を有するアンテナ装置の少なくとも前記放射素子を構成することを特徴とする。
このような構成によれば、アンテナ装置の損失を低減することができる。
本発明によれば、8GHzを超える周波数の信号を伝送させる場合でも損失が少ない伝送路を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る構成例を示す図である。 図1に示す伝送路の構成例を示す断面図である。 リン含有濃度および周波数と、損失との関係を示す図である。 リン含有濃度と、40GHzの損失との関係を示す図である。 リン含有濃度および伝送速度とアイ開口高さの関係を示す図である。 アイ開口高さについて説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る構成例を示す図である。 本発明の変形実施形態に係る構成例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。 伝送損失を実測する際に用いた試験サンプルの構成を示す断面図である。 図9に示すアンテナ装置の利得特性を示す図である。 図9に示すアンテナ装置の全方向の利得特性を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。 図13に示すアンテナ装置の配置例を示す図である。 本発明の第5実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。 リン濃度を2.12質量%まで減少させた場合の伝送損失を示す図である。 リン濃度を2.12質量%まで減少させた場合のリン含有濃度および周波数と、損失との関係を示す図である。 リン濃度を2.12質量%まで減少させた場合のリン含有濃度および伝送速度とアイ開口高さの関係を示す図である。 リン濃度を2.12質量%まで減少させた場合の図9に示すアンテナ装置の利得特性を示す図である。 メッキ処理の工程を示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は、本発明の第1実施形態の構成例を示す図である。図1に示す第1実施形態は、例えば、データセンター等で使用されるサーバの一部の構成を示している。図1に示す第1実施形態は、バックプレーン基板10およびユニット基板20,30を有している。ここで、バックプレーン基板10は、誘電体基板11、伝送路12、ビア13,14、および、コネクタ15,17を有している。
ここで、誘電体基板11は、誘電体の板状部材によって構成される。伝送路12は、コネクタ15,17の間でデジタル信号を伝送する。伝送路12の両端部には誘電体基板11を貫通するビア13,14が形成されている。誘電体基板11の上部(図1の上方)にはユニット基板20,30が接続されるコネクタ15,17が備えられている。コネクタ15,17の内部にはユニット基板20,30の内部に設けられた伝送路22,32とバックプレーン基板10の内部に設けられた伝送路12を接続するための伝送路16,18がそれぞれ設けられている。
ユニット基板20は、誘電体基板21を有し、伝送路22が設けられ、伝送路22の両端部には誘電体基板21を貫通するビア23,24が形成されている。また、誘電体基板21上にはIC(Integrated Circuit)チップ25が載置され、ICチップ25の図示しない接続端子はビア23を介して伝送路22に接続されている。また、伝送路22は、ビア24を介してコネクタ15の内部の伝送路16に接続されている。
ユニット基板30は、誘電体基板31を有し、伝送路32が設けられ、伝送路32の両端部には誘電体基板31を貫通するビア33,34が形成されている。また、誘電体基板31上にはICチップ35およびコンデンサ等の回路素子36が載置されている。ICチップ35の図示しない接続端子は、ビア33を介して伝送路32に接続されている。また、伝送路32は、ビア34を介してコネクタ17の内部の伝送路18に接続されている。
図1に示す構成では、ユニット基板20が送信側として動作し、ユニット基板30が受信側として動作し、ユニット基板20からユニット基板30に対して、伝送路16,12,18を介してデジタル信号が伝送される。もちろん、この逆の動作をしてもよい。
第1実施形態では、バックプレーン基板10およびユニット基板20,30に設けられた伝送路22,32に本発明が適用されている。すなわち、伝送路22,32は、誘電体基板21,31に対して複数の導体層が被着されて構成されている。より詳細には、銅層、ニッケル−リン層、および、金層が積層された状態で被着されている。そして、ニッケル−リン層が含むリンの含有率が6質量%(なお、以下では適宜「質量」を省略して単に「%」と記載する)以上8質量%未満に設定されており、これにより、8GHzを超える周波数に対して伝送損失を低減できる。
図2は、本発明の伝送路の損失を実測する際に使用した試験サンプルの構成例を示す図である。図2に示す試験サンプルは、図1の伝送路22,32と同様の構成を有している。図2の例では、試験サンプルは、厚さが約0.13mmのPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)系の誘電体基板11に、厚さが約18μmの銅箔を両面に貼り合わせて、エッチング加工とスルーホールめっき処理により、導体層としての銅層121,191を形成する。つぎに、銅層121,191の表面に無電解めっきによってニッケル−リンめっきを施し、厚さが約5μmのニッケル−リン層122,192を形成する。このとき、ニッケル−リン層122,192のリンの濃度が6質量%以上8質量%未満になるようにめっき液の濃度が設定される。そして、ニッケル−リン層122,192の表面に金めっきにより厚さが約50nmの金層123,193を形成する。なお、図2では、誘電体基板11の上側面に形成されているのが伝送路22,32とされ、下側面に形成されているのがグランド層19とされる。
図3は、図2に示す試験サンプルにおいて、ニッケル−リン層122,192のリン含有濃度を変化させた場合のそれぞれの周波数における伝送損失を実測した結果を示している。より詳細には、図3は、試験サンプルの伝送路の10cmあたりの損失を、リン含有濃度と周波数とを変化させて実測した結果である。
リンの濃度は、ニッケル−リン層を硝酸溶液中で溶解し、誘導結合プラズマ原子発光分析装置(島津製作所(株)製、ICPS−7500等)を用いて質量分析する、もしくは層断面のEDS(Energy dispersive X-ray spectrometry)分析による質量分析で測定し、ニッケル−リン層の厚さは蛍光X線膜厚計(セイコー電子工業(株)製、SFT3200等)を用いて測定した。また、電気特性の測定は、後述するように、ネットワークアナライザを用い、伝送損失を計測してサンプルの特性を判断した。
ここで、伝送損失とは、試験片に高周波信号を通し、サンプルの伝送路において、損失、反射、放射を生じることなく、信号が伝送できる割合を示すものである。伝送損失は値が小さい方が、特性が良いと判断される。後述するグラフ・表はマイナスの値で示されており、この場合は値が大きい方が、特性が良いと判断される。
図3に示すように、実測の結果、リンの濃度が6.1,6.6,7.9質量%の場合、8GHzより高い周波数で、他の濃度に比較して損失が小さくなることが明らかになった。すなわち、周波数が2GHzの場合、リンの濃度が6〜8%である場合よりも、9.1,10.9,12.0%の場合の方が、損失が少なくなっている(−1.0dB〜−0.9dBが−0.7dBになっている)。しかしながら、周波数が高くなると、8GHzでは、リンの濃度が変化しても損失は変化しない状態となり(リン濃度によらず損失は−2.3dBで一定となり)、20GHz以上ではリン含有濃度が9.1,10.9,12.0%の場合に比較して、6〜8%の方が、損失が小さくなることが明らかになった。図4に40GHzの伝送損失とリンの濃度の関係を示すように、8%を下回ると急激に伝送損失が小さくなっていることが分かる。
そこで、図1に示す伝送路22,32に対して、図2と同様の構成を有する伝送路を用いるとともに、ニッケル−リン層のリン濃度を6〜8%とすることで、高周波信号の損失を少なくすることができる。
図5は、図2と同様の構成を有する長さ300mmの伝送線路に、1Vppで16〜40Gbaudの信号を入力した場合におけるアイ開口高さのシミュレーション結果を示している。なお、アイ開口高さは、図6に示すように、IEEE802.3の規格に則して算出された1レベルの平均値、0レベルの平均値、3σ(3×1レベルにおける標準偏差雑音)、および、3σ(3×0レベルにおける標準偏差雑音)から、以下の式によって求めることができる。
アイ開口高さ=(1レベルの平均値−3σ)−(0レベルの平均値−3σ) ・・・(1)
図5に示すように、リンの濃度が6〜8%のときに16Gbaud(周波数が8GHzに対応する伝送速度)より速い伝送速度でアイの開口高さが改善する結果が得られ、本発明の効果が確認できた。より詳細には、16Gbaudでは、アイ開口高さはリン含有濃度が6〜8%と12%のそれぞれにおいて0.6で同じである。しかし、伝送速度が速くになるにつれて、例えば、28Gbaudでは、アイ開口高さはリン含有濃度が6〜8%の場合が0.5に対して12%の場合が0.4である。また、32Gbaudでは、アイ開口高さはリン含有濃度が6〜8%の場合が0.4〜0.5に対して12%の場合が0.3である。さらに、40Gbaudでは、アイ開口高さはリン含有濃度が6〜8%の場合が0.3に対して12%の場合が0.2である。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態では、デジタル信号を伝送する伝送路22,32に、図2に示す積層構造を有する伝送路を用いるとともに、ニッケル−リン層のリンの含有濃度を6〜8質量%に設定することで、損失を低減し、アイ開口高さを高くすることができる。この結果、伝送エラーの発生を低減することができる。
(B)本発明の第2実施形態の説明
図7は、本発明の第2実施形態の構成例を示す図である。図7に示す第2実施形態は、光通信等において使用される光/電気変換装置に本発明を適用した例である。図7に示す光/電気変換装置50は、誘電体基板51、コネクタ52、伝送路53、光/電気変換部54、光ファイバ55、および、電子部品56〜58を有している。
ここで、誘電体基板51は、例えば、PTFE等の絶縁体によって構成される。16個のコネクタ52は、半円状に形成された誘電体基板51の端部に配置され、図示しない同軸ケーブルがそれぞれ接続される。伝送路53は、図2と同様の構成とされ、コネクタ52と光/電気変換部54とを接続する。光/電気変換部54は、伝送路53から入力される信号を多重化した後、光信号に変換して光ファイバ55に送信するとともに、光ファイバ55から入力される光信号を電気信号に変換した後、多重分離して伝送路53を介してコネクタ52にそれぞれ供給する。
図7に示す第2実施形態では、伝送路53のそれぞれは、図2と同様の構成とされ、また、ニッケル−リン層のリン濃度は6〜8質量%に設定されている。また、伝送路53のそれぞれには8GHz(16Gbaud)を超える信号が伝送される。このため、図3に示すように、伝送路53を伝送される信号は損失が少なく、また、図5に示すようにアイ開口高さが高い状態に保たれる。このため、図7に示す第2実施形態では、コネクタ52と光/電気変換部54の間における伝送エラーの発生を低減することができる。
(C)本発明の第3実施形態の説明
図9は、本発明の第3実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。図9に示す第3実施形態では、アンテナ装置80は、誘電体基板81、放射素子82、給電線路83、および、地導体板84を有している。
ここで、誘電体基板81は、誘電体の板状部材によって構成され、放射素子82および給電線路83と、地導体板84とを電気的に絶縁する。
放射素子82は、図10を参照して後述するように、複数の導体が積層されて構成され、給電線路83から供給される高周波信号を電波として放射するパッチアンテナである。
給電線路83は、放射素子82に対して、ミリ波やマイクロ波等の高周波信号を供給する。
第3実施形態では、放射素子82、給電線路83、および、地導体板84に本発明が適用されている。すなわち、放射素子82、給電線路83、および、地導体板84は、誘電体基板81に対して複数の導体層が被着されて構成されている。より詳細には、銅層、ニッケル−リン層、および、金層が積層された状態で被着されている。そして、ニッケル−リン層が含むリンの含有率は6質量%以上8質量%未満に設定されており、これにより、8GHzを超える周波数に対して利得を向上できる。
図10は、本発明のアンテナ装置80に用いる放射素子82に、高周波信号を伝送した場合の損失を実測する際に使用した試験サンプルの構成例を示す図である。図10に示す試験サンプルは、図9の放射素子82および地導体板84と同様の構成を有している。図10の例では、試験サンプルは、厚さが約0.13mmのPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)系の誘電体基板81に、厚さが約18μmの銅箔を両面に貼り合わせて、エッチング加工とスルーホールめっき処理により、導体層としての銅層821,841を形成する。つぎに、銅層821,841の表面に無電解めっきによってニッケル−リンめっきを施し、厚さが約5μmのニッケル−リン層822,842を形成する。このとき、ニッケル−リン層822,842のリンの濃度が6質量%以上8質量%未満になるようにめっき液の濃度が設定される。そして、ニッケル−リン層822,842の表面に金めっきにより厚さが約50nmの金層823,843を形成する。
図10に示すサンプルにおいて、ニッケル−リン層822,842のリン含有濃度を変化させた場合のそれぞれの周波数における伝送損失を実測した結果を図3に示す。より詳細には、図3は、図10に示す試験サンプルの伝送路の10cmあたりの損失を、リン含有濃度と周波数を変化させて実測した結果である。
リンの濃度は、ニッケル−リン層を硝酸溶液中で溶解し、誘導結合プラズマ原子発光分析装置(島津製作所(株)製、ICPS−7500等)を用いて質量分析する、もしくは層断面のEDS(Energy Dispersive X-ray Spectrometry)分析による質量分析で測定し、ニッケル−リン層の厚さは蛍光X線膜厚計(セイコー電子工業(株)製、SFT3200等)を用いて測定した。また、電気特性の測定は、後述するように、ネットワークアナライザを用い、伝送損失を計測してサンプルの特性を判断した。
ここで、伝送損失とは、試験片に高周波信号を通し、サンプルの伝送路において、損失、反射、放射を生じることなく、高周波信号が伝送できる割合を示すものである。伝送損失は値が小さい方が、特性が良いと判断される。後述するグラフ・表はマイナスの値で示されており、この場合は値が大きい方が、特性が良いと判断される。
図3に示すように、実測の結果、リンの濃度が6.1,6.6,7.9質量%の場合、8GHzより高い周波数で、他の濃度に比較して損失が小さくなることが明らかになった。すなわち、周波数が2GHzの場合、リンの濃度が6〜8%である場合よりも、9.1,10.9,12.0%の場合の方が、損失が少なくなっている(−1.0dB〜−0.9dBが−0.7dBになっている)。しかしながら、周波数が高くなると、8GHzでは、リンの濃度が変化しても損失は変化しない状態となり(リン濃度によらず損失は−2.3dBで一定となり)、20GHz以上ではリン含有濃度が9.1,10.9,12.0%の場合に比較して、6〜8%の方が、損失が小さくなることが明らかになった。図4に40GHzの伝送損失とリンの濃度の関係を示すように、8%を下回ると急激に伝送損失が小さくなっていることが分かる。
そこで、図9に示す放射素子82、給電線路83、および、地導体板84に対して、図10と同様の構成を適用するとともに、ニッケル−リン層のリン濃度を6〜8%とすることで、放射素子82から電磁波を放射するアンテナ装置の利得を向上することができる。
図11は、図10と同様の構成を有するアンテナ装置80のリン含有濃度を変更した場合の48GHzにおけるアンテナ利得を示している。なお、アンテナ利得とは、放射が最大となる放射角におけるエネルギーの強さを示す指標値であり、値が大きいほど効率が高いことを示す。図11に示すように、リン含有濃度が6〜8質量%の場合は、12質量%の場合に比較して、利得が0.5dBi向上している。
図12は、リン含有濃度を変更した場合のアンテナ装置80の全方向へのアンテナ利得特性を示している。なお、図12において、実線はリン含有濃度が6〜8質量%の場合の特性を示し、一点鎖線はリン含有濃度が12質量%の場合の特性を示している。図12に示すように、リン含有濃度が6〜8質量%の場合は、12質量%の場合に比較して、全方向において利得が向上している。
以上に説明したように、本発明の第3実施形態では、アンテナ装置80の放射素子82および地導体板84として、図10に示す積層構造を用いるとともに、ニッケル−リン層のリンの含有濃度を6〜8質量%に設定することで、アンテナ利得を0.5dBi程度向上させることができる。この結果、送信アンテナおよび受信アンテナの双方に使用することで、1dBi程度の向上させることができる。
(D)本発明の第4実施形態の説明
図13は、本発明の第4実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。図13に示す第4実施形態は、板状逆F型アンテナ装置220として構成される。板状逆F型アンテナ装置220は、放射素子221、短絡部222、および、給電部223を有している。
ここで、板状逆F型アンテナ装置220は、図10に示す積層構造を有する導電体の端部を折り曲げることで構成される。すなわち、図10に示す、銅層821、ニッケル−リン層822、および、金層823を有する板状部材の端部を略直角に折り曲げることで、放射素子221および短絡部222を形成することができる。また、放射素子221の一部に柱状の導体を接続することで給電部223を構成することができる。
図14は、図13に示す板状逆F型アンテナ装置220の地導体板211への配置例を示している。この例では、板状逆F型アンテナ装置220−1〜220−4の4つが、設置位置A〜Cの4箇所に配置されている。地導体板211は、図10に示すように、銅層、ニッケル−リン層、および、金層が積層されて構成されている。
なお、板状逆F型アンテナ装置220は、線状逆F型アンテナ装置を地板に平行な部分を板状にしたものである。ここで、線状逆F型アンテナ装置とは、アンテナの基本でもあるモノポールアンテナを途中で直角に折り曲げ、給電線付近に短絡線を付加してインピーダンス特性を改善したアンテナであり、F字形状をしていることからこの名がある。このような線状逆F型アンテナ装置を改良した、板状逆F型アンテナ装置220は、前述のように、線状逆Fアンテナの地導体板に平行な部分を板状にしたものであり、板状にしたことによって給電線を様々な位置に置くことができるとともに、放射素子にスロット(切り込み)を入れることができるなど、様々な変形が可能となり、アンテナの自由度が増している。なお、板状逆F型アンテナ装置220は、短絡部222にチップ抵抗素子を付加することによってアンテナ長をλ/8にするとともに、アンテナ高を0.01λまで小型化し、帯域幅を基本的な形の板状逆F型アンテナ装置の10倍以上にすることができる。
図13および図14に示す板状逆F型アンテナ装置220によれば、放射素子221、短絡部222、給電部223、および、地導体板211の少なくとも1つに対して、図10に示す積層構造を用いるとともに、ニッケル−リン層のリンの含有濃度を6〜8質量%に設定することで、アンテナ利得を第1実施形態と同様に向上させることができる。なお、送信アンテナと受信アンテナの双方に本発明を適用することで、さらなる利得の向上を図ることができる。
(E)本発明の第5実施形態の説明
図15は、本発明の第5実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。図15に示す第5実施形態は、逆F型アンテナ装置320として構成される。逆F型アンテナ装置320は、誘電体基板321上に、図10と同様の積層構造を有する積層導体層322が形成され、その上にIC(Integrated Circuit)327が載置されている。
ここで、積層導体層322は、矩形形状を有する放射素子323、放射素子323にIC327からの高周波電力を供給する給電部324、放射素子323をグランド導体326に短絡する短絡部325、および、グランド電位に保たれているグランド導体326を有している。
IC327は、グランド導体326上に載置され、給電部324を介して放射素子323に高周波電力を給電する。
なお、図15に示す構成例では、放射素子323、給電部324、短絡部325、および、グランド導体326の全てを図10に示す積層構造としたが、これらの少なくとも1つを図10に示す積層構造としてもよい。
図15に示すF型アンテナ装置320によれば、放射素子323、給電部324、短絡部325、および、グランド導体326の少なくとも1つに対して、図10に示す積層構造を用いるとともに、ニッケル−リン層のリンの含有濃度を6〜8質量%に設定することで、アンテナ利得を第1実施形態と同様に向上させることができる。なお、図15に示す逆F型アンテナ装置320を送信アンテナと受信アンテナの双方に本発明を適用することで、さらなる利得の向上を図ることができる。
(F)変形実施形態の説明
以上の各実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。以上の各実施形態では、ニッケル−リン層のリンの含有濃度を6〜8質量%の範囲に設定したが、これ以下に設定するようにしてもよい。
図16は、40GHzにおける伝送路の10cmあたりの伝送損失(dB)を、ニッケル−リン層のリンの含有濃度を変化させて測定した結果を示している。図16に黒丸で示すように、リン濃度が10.36%から2.12%に減少すると伝送損失も減少する。より詳細には、図16の例では、破線で示すように、リン濃度が10.36%から約8%まで減少しても、伝送損失は大きくは変化しない。しかしながら、8%未満になると伝送損失の減少が顕著となり、2.12%では最小となっている。一方、リン濃度が0%となると、図16の左端のハッチングを施した丸で示すように、伝送損失が16dB以上となる。
図17は、図3と同様の方法により、リン濃度を0%まで測定した結果である。図17に示すように、実測によると、リンの濃度が2.12,4.04,6.79質量%の場合、8GHzより高い周波数で、10.36質量%に比較して損失が小さくなることが明らかになった。すなわち、周波数が2GHzの場合、リンの濃度が2.12〜6.79%である場合よりも、10.36%の場合の方が、損失が少なくなっている。しかしながら、周波数が高くなると、8GHzでは、リン濃度が0.0質量%を除くとリンの濃度が変化しても損失は一定の状態となり、20GHz以上ではリン含有濃度が10.36%の場合に比較して、2.12〜6.79%の方が、損失が小さくなる。なお、リン濃度が0.0質量%の場合には、2.12質量%以上の場合に比較して、損失が大きくなっている。
図18は図5に対応する図である。図18に示すように、リンの濃度が2.12〜10.36%のときに16Gbaud(周波数が8GHzに対応する伝送速度)より速い伝送速度でアイの開口高さが改善する結果が得られた。より詳細には、16Gbaudでは、アイ開口高さは0.6である。しかし、伝送速度が速くになるにつれて、例えば、28Gbaudでは、アイ開口高さはリン含有濃度が2.12%では0.6であり、4.04,6.79%では0.5であり、10.36%では0.4である。また、32Gbaudでは、アイ開口高さはリン含有濃度が2.12%では0.6であり、4.04,6.79%では0.4であり、10.36%では0.3である。さらに、40Gbaudでは、アイ開口高さはリン含有濃度が2.12,4.04%では0.4であり、6.79%では0.3であり、10.36%では0.2である。なお、リン濃度が0.0質量%の場合には、2.12質量%以上の場合に比較して、アイ開口高さが低くなっている。
図19は、図11に対応する図であり、図10と同様の構成を有するアンテナ装置80のリン含有濃度を変更した場合の48GHzにおけるアンテナ利得を示している。図19に示すように、リン含有濃度が2.12質量%の場合は10.36質量%の場合に比較して利得が1.4dBi向上しており、リン含有濃度が4.04質量%の場合は10.36質量%の場合に比較して利得が0.8dBi向上しており、リン含有濃度が6.79質量%の場合は10.36質量%の場合に比較して利得が0.4dBi向上している。なお、リン濃度が0.0質量%の場合には、2.12質量%以上の場合に比較して、アンテナ利得が低下している。
また、最適値は、図16〜図19の比較から、0質量%を超え、3質量%以下の範囲であると考えられる。なお、最適値の下限値については、現時点までの簡易実験では、0.5質量%以上、または、1.0質量%以上である場合には0質量%に比較して特性が改善されることがわかっており、さらに1.0質量%以上である場合には、めっきの際リン濃度の制御をより容易にすることができるため好ましい。2.0質量%以上である場合は、めっきの際リン濃度の制御をより一層容易にすることができるためさらに好ましいが、これを下回る様にしても良い。さらに、最適値の上限値については、6質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であればさらに好ましく、3質量%以下であればさらに一層好ましいことが分かっている。加えて、これらを満たす範囲とすることでニッケル−リン層のはんだ濡れ性(例えば、はんだとの接合の信頼性)を向上させることができ、伝送路としてより好適な特性を実現することができる。
図20は、メッキ処理の工程を示す図である。図20に示すように、メッキ処理の工程では、(1)浸漬脱脂工程にて、脱脂液(例えば、商品名:ICPクリーンSCの150ml/Lの濃度で温度が40℃の液)に4分間浸漬し、(2)酸性脱脂液工程にて酸性脱脂液(例えば、商品名:ICPクリーンS−135Kの150ml/Lの濃度で温度が40℃の液)に4分間浸漬し、(3)ソフトエッチング工程にてソフトエッチング液(例えば、過硫酸ソーダの100g/Lの濃度で温度が25℃の液)に30秒間浸漬し、(4)デスマット工程で、例えば、98%の硫酸を100ml/Lの濃度に設定した25℃の液に30秒間浸漬し、(5)プリディップ工程にて、36%の塩酸を100ml/Lの濃度に設定した25℃の液に30秒間浸漬し、(6)触媒付与工程にて、触媒液(例えば、商品名:ICPアクセラの200ml/Lの濃度で温度が25℃の液)に30秒間浸漬する。
つぎに、(7)無電解ニッケル−リン(Ni−P)めっき工程にてニッケル−リン層を形成する。なお、この工程では、めっき液のpHを4.5〜6.5の範囲、温度を80℃〜88℃の範囲、めっき液のNi濃度を5.0〜6.7g/Lの範囲、時間を15〜40分の範囲で変更した合計で6段階めっき工程にて、各工程で膜厚が5μm程度のニッケル−リン層をそれぞれ形成する。なお、前述した値は一例であって、これら以外の値に設定してもよいことはいうまでもない。
そして、(8)無電解Auめっき工程では、例えば、pHが4.8、温度が80℃、金(Au)の濃度が1.2g/Lのめっき液に10分間浸漬することで、膜厚が0.06μm程度の金層を形成する。
最後に、(9)乾燥工程によって、基板を完成させて終了となる。
以上の工程によれば、図2および図10に示す構造を有する伝送路または放射素子を形成することができる。
また、以上の実施形態では、図2に示すように、誘電体基板11の上側面に伝送路12を形成し、下側面にグランド層19を形成するマイクロストリップ型伝送路としたが、コプレーナ型伝送路を形成するようにしてもよい。このような場合でも、8GHzを超える高周波信号に対して損失を減らすことができる。
また、ニッケル−リン層に本発明で得られる効果を損なわない範囲で他の元素が含有されていてもよい。例えば、FeやZn,Crなどの元素がニッケル−リン層に微小量(例えば、1%以内)で含有されていても、本発明の効果を発揮することができる。
また、以上の各実施形態では、伝送路12は、銅層121、ニッケル−リン層122、および、金層123の三層構造としたが、例えば、誘電体基板11の表面にニッケル−リン層122だけを有する構成としてもよい。あるいは、ニッケル−リン層122と、銅層121または金層123の少なくとも一方を組み合わせるようにしてもよい。そのような構成の場合でも、8GHzを超える高周波信号に対して損失を減らすことができる。
また、以上の各実施形態では、ニッケル−リン層122は、無電解めっきによって形成するようにしたが、これ以外にも、例えば、電解めっきによって形成したり、真空蒸着等によって形成したりしてもよい。
また、ニッケル−リン層122は、非結晶性(アモルファス)の態様を有するようにしてもよいし、結晶性の態様を有するようにしてもよい。
また、銅層121,191の代わりに、他の金属、例えば、アルミニウムによる層を形成するようにしてもよい。また、金層123,193の代わりに、他の金属、例えば、白金等を用いるようにしてもよいし、金層123,193がなくてもよい。
また、以上の各実施形態では、伝送路を伝送する信号がデジタル信号である場合を例に挙げて説明したが、アナログ信号を転送する場合であっても同様の効果が期待できる。また、8GHzを超える高周波信号成分が含まれていれば、それ以外の周波数成分が含まれていても、当該8GHzを超える高周波信号成分については、損失を低減することができる。
また、以上の各実施形態では、電気信号を伝送する伝送路を例に挙げて説明したが、例えば、図8に示すように電磁波を伝送する導波管に本発明を適用することも可能である。図8の例では、図8(A)に示すように、導波管70は、導電性を有する板状部材(例えば、銅またはアルミニウム)で方形(または円形)形状を有するように形成される中空部材71によって形成される。また、図8(B)に拡大して断面を示すように、中空部材71の内側面には、ニッケル−リン層72が形成されている。ニッケル−リン層72は、前述の場合と同様に無電解めっき等によって形成され、リンの濃度は0質量%を超え、8質量%未満に設定されている。このような実施形態によれば、導波管70内を伝送する電磁波の損失を低減することができる。
また、第3および第4実施形態では、送信アンテナ装置を例に挙げて説明を行ったが、受信アンテナ装置に本発明を適用するようにしてもよい。そのような構成によれば、受信利得を向上させることができる。
また、第3および第4実施形態では、放射素子82、地導体板84,211、給電部223,324、および、短絡部222,325は、銅層821、ニッケル−リン層822、および、金層823の三層構造としたが、例えば、誘電体基板81の表面にニッケル−リン層822だけを有する構成としてもよい。あるいは、ニッケル−リン層822と銅層821または金層823の少なくとも一方を組み合わせるようにしてもよい。そのような構成の場合でも、8GHzを超える高周波信号を送受信する場合に、利得を向上させることができる。
また、第3および第4実施形態では、パッチアンテナ、板状逆F型アンテナ、および、逆F型アンテナを例に挙げて説明したが、例えば、λ/4モノポールアンテナを螺旋状にして全長を短縮したノルマルモードヘリカルアンテナや、λ/4モノポールアンテナを折り曲げることで低姿勢化を実現する逆L型アンテナ等に本発明を適用するようにしてもよい。もちろん、これ以外のアンテナ装置に本発明を適用してもよい。
また、以上の各実施形態では、放射素子82、給電線路83、および、地導体板84の全てを図10に示す積層構造としたが、これらの少なくとも1つを図10に示す積層構造としてもよい。また、図13および図14では放射素子221、短絡部222、および、給電部223の少なくとも1部を図10に示す積層構造とし、図15では放射素子323、給電部324、短絡部325、および、グランド導体326の少なくとも1部を図10に示す積層構造としてもよい。
また、図9、図13および図14の構成例において、図15と同様に、地導体板84,211上にICまたは回路素子(抵抗、コンデンサ、コイル、および、その他の素子)を載置するようにしてもよい。
10 バックプレーン基板
11 誘電体基板
12 伝送路
13,14 ビア
15,17 コネクタ
16,18 伝送路
20,30 ユニット基板
21,31 誘電体基板
22,32 伝送路
23,24,33,34 ビア
25,35 ICチップ
36 回路素子
50 光/電気変換装置
51 誘電体基板
52 コネクタ
53 伝送路
54 光/電気変換部
55 光ファイバ
56〜58 電子部品
70 導波管
71 中空部材
72 ニッケル−リン層
80 アンテナ装置
81 誘電体基板
82 放射素子
83 給電線路
84 地導体板
121,191 銅層
122,192 ニッケル−リン層
123,193 金層

Claims (14)

  1. 14GHz以上の周波数成分を含む高周波信号を伝送する伝送路において、
    前記伝送路はニッケルおよびリンを含むニッケル−リン層を有し、
    前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が質量%以下であることを特徴とする伝送路。
  2. 前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が0.5質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の伝送路。
  3. 前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が1.0質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の伝送路。
  4. 前記伝送路は導体層を有し、前記ニッケル−リン層は前記導体層の表面に形成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の伝送路。
  5. 前記ニッケル−リン層は誘電体基板の表面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の伝送路。
  6. 前記伝送路は導体層を有し、前記導体層は銅によって構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の伝送路。
  7. 前記ニッケル−リン層の表面に形成される金層を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の伝送路。
  8. 前記伝送路には28Gbaudを超える伝送速度を有するデジタル信号が伝送されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の伝送路。
  9. 前記ニッケル−リン層が導波管の内側表面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の伝送路。
  10. 前記ニッケル−リン層は無電解めっきによって形成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の伝送路。
  11. 前記高周波信号を送受信する放射素子と、前記放射素子に隣接して配置される地導体板と、前記放射素子に電力を給電または前記放射素子から電力を受電する給電部と、を有するアンテナ装置の少なくとも前記放射素子を構成することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の伝送路。
  12. 8GHzを超える周波数成分を含む高周波信号を伝送する伝送路において、
    前記伝送路はニッケルおよびリンを含むニッケル−リン層を有し、
    前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が0質量%を超え、3質量%以下であることを特徴とする伝送路。
  13. 8GHzを超える周波数成分を含む高周波信号を伝送する伝送路において、
    前記伝送路はニッケルおよびリンを含むニッケル−リン層を有し、
    前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が0質量%を超え、8質量%未満であるとともに、前記ニッケル−リン層が導波管の内側表面に形成されていることを特徴とする伝送路。
  14. 8GHzを超える周波数成分を含む高周波信号を伝送する伝送路において、
    前記伝送路はニッケルおよびリンを含むニッケル−リン層を有し、
    前記ニッケル−リン層は、前記リンの濃度が0質量%を超え、8質量%未満であるとともに、前記高周波信号を送受信する放射素子と、前記放射素子に隣接して配置される地導体板と、前記放射素子に電力を給電または前記放射素子から電力を受電する給電部と、を有するアンテナ装置の少なくとも前記放射素子を構成することを特徴とする伝送路。
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