JP6916073B2 - 光デバイス - Google Patents
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本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
本実施形態における光デバイスは、金属膜および誘電体層を含む光反射膜と、蛍光体層とを備える。誘電体層は、金属膜の上に配置される。蛍光体層は、誘電体層の上に配置される。蛍光体層は、光源からの光によって励起されることで発光する。蛍光体層の側から光反射膜に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長は、蛍光体層の発光スペクトルの重心波長よりも長い。あるいは、誘電体層に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長は、光源の発光スペクトルと、蛍光体層の発光スペクトルとの両方を含む光スペクトルの重心波長よりも長い。前記誘電体層は、2以上6以下の層の積層構造体であって、前記誘電体層における隣り合う任意の2層の屈折率は異なる。
上記の金属層41および誘電体層42を含む光反射膜40の基本構成を説明する。誘電体層42は、2以上6以下の層の積層構造体である。誘電体層42における隣り合う任意の2層の屈折率は異なる。なお、当該積層構造体が有する各層の厚みは、少なくとも3nm以上である。当該積層構造体は、厚み3nm未満の層を有してもよいが、その場合、当該層は、当該積層構造体の層数としてはカウントしない。従来のDBRまたは誘電体多層膜と異なり、誘電体層42は周期構造を有しない。したがって、誘電体層42では、周期構造に起因するブラッグ反射は生じず、後述する薄膜干渉に起因する反射が生じる。誘電体材料による積層構造体は、一般に、当該積層構造体と同じ厚さおよび同じ平均屈折率を有する一様媒質よりも高い反射率を有する。そのため、本実施形態では、誘電体層42として、誘電体材料による積層構造体を用いる。しかし、以下の説明では、定式化を容易にするために、積層構造体である誘電体層42を、一様な媒質として近似する。
図3は、蛍光体層20から光反射膜40に入射する光量の入射角度依存性を説明するための図である。図3に示す半球の半径は1である。蛍光体層20は、全方向に光を発する。したがって、蛍光体層20から発せられた光は、光反射膜40にあらゆる入射角度(0°≦θ1≦90°)で入射する。蛍光体層20からの光が、光反射膜40に入射角度θ1で入射する場合を想定する。蛍光体層20からのこの光は、2πsinθ1の周長およびdθ1の幅をもつ微小表面を通過する。その微小表面の面積は2πsinθ1dθ1である。光反射膜40の反射率をR(λ、θ1)とすると、上記の微小表面を通過した光が光反射膜40に反射される際の反射強度は、R(λ、θ1)×2πsinθ1dθ1に比例する。R(λ、θ1)×2πsinθ1dθ1を、0°≦θ1≦90°(0≦θ1≦π/2)の範囲で積分すれば、角度依存性を考慮した光反射膜40の反射強度Y(λ)が得られる。Y(λ)は、式(8)によって表される。
蛍光体層20の発光スペクトルをI(λ)とし、光デバイス50の性能指標をZとする。光デバイス50の性能指標Zは、角度依存性が考慮された光反射膜40の反射強度Y(λ)と、蛍光体層20の発光スペクトルI(λ)との積の積分で計算できる。光デバイス50の性能指標Zは、式(9)によって表される。
光デバイス50のエネルギー変換効率には、大きい入射角度での光反射膜40の反射率の寄与が大きい。蛍光体層20の発光スペクトルの重心波長をλcとし、入射角度90°で入射する波長λの光についての光反射膜40の反射率をR90(λ)とする。反射率R90(λc)が高いほど、光デバイス50の効率は高くなる。
図5は、波長λ0およびλcが等しい場合における、入射角度0°での光反射膜40の反射スペクトルの例と、入射角度90°での光反射膜40の反射スペクトルの例とを示す図である。この例では、従来の設計思想に従い、入射角度0°での光反射膜40の反射率が最大になる波長λ0が、蛍光体層20の発光スペクトルの重心波長λcに一致するように誘電体層42が設計されている。波長λcの光が入射角度90°で光反射膜40に入射するときの反射率R90(λc)は、当該反射率のピーク値よりも低い。
以下に、図1における光デバイス50の構成要素をより詳細に説明する。
本発明者らは、本実施形態の光反射膜40を設けることにより、光デバイス50の効率が向上することをシミュレーションによって確認した。本シミュレーションにおいては、式(9)で表される光デバイスの性能指標Zの計算を行なった。
光反射膜の製造方法の一実施例を説明する。本発明者らは、以下の方法により、光反射膜を試作した。
光反射膜の構成の一実施例を図17に示す。図17に示すように、金属層41としてAg合金(Ag−Pd−Cu)を用い、膜の厚さを150nmとした。金属層41上に形成する誘電体層42は、Al2O3、SiO2およびTiO2の積層構造によって構成した。
金属層および前記金属層上の誘電体層を含む光反射膜と、
前記誘電体層上の蛍光体層であって、光源からの光によって励起されることで発光する蛍光体層と、
を備え、
前記蛍光体層の側から前記光反射膜に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長は、前記蛍光体層の発光スペクトルの重心波長よりも長く、
前記誘電体層は、2以上6以下の層の積層構造体であって、前記誘電体層における隣り合う任意の2層の屈折率は異なる、
光デバイス。
前記蛍光体層の側から前記光反射膜に垂直に入射する光の反射率が80%以上になる波長域の幅は、500nm以上である、
項目1に記載の光デバイス。
前記蛍光体層の側から前記光反射膜に垂直に入射する光の反射率が最大になる第1の波長は、前記蛍光体層の側から前記光反射膜に入射角45°で入射する光の反射率が最大になる第2の波長よりも長く、前記第1の波長と前記第2の波長との差は、70nm以下である、
項目1または2に記載の光デバイス。
前記第1の波長と前記第2の波長との差は、40nm以下である、
項目1または2に記載の光デバイス。
前記誘電体層の膜厚は、400nm以下である、
項目1から4のいずれかに記載の光デバイス。
前記誘電体層の膜厚は、200nm以下である、
項目1から4のいずれかに記載の光デバイス。
前記蛍光体層の屈折率をnAとし、
前記誘電体層の平均屈折率をnBとし、
前記誘電体層に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長をλ0とし、
前記蛍光体層の発光スペクトルの重心波長をλcとするとき、
項目1から6のいずれかに記載の光デバイス。
前記蛍光体層の屈折率をnAとし、
前記誘電体層の平均屈折率をnBとし、
前記誘電体層に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長をλ0とし、
前記蛍光体層の発光スペクトルの重心波長をλcとするとき、
項目1から6のいずれかに記載の光デバイス。
前記蛍光体層の屈折率をnAとし、
前記誘電体層の平均屈折率をnBとし、
前記誘電体層に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長をλ0とし、
前記蛍光体層の発光スペクトルの重心波長をλcとするとき、
項目1から6のいずれかに記載の光デバイス。
前記蛍光体層の発光スペクトルは、400nm〜800nmの範囲に、少なくとも1つのピークを有する、
項目1から10のいずれかに記載の光デバイス。
前記金属層を支持する基板をさらに有する、
項目1から11のいずれかに記載の光デバイス。
前記金属層は、銀、銀合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金の少なくとも1つを含む、
項目1から12のいずれかに記載の光デバイス。
前記蛍光体層は、セリウムがドープされたイットリウム・アルミニウム・ガーネットを含む、
項目1から13のいずれかに記載の光デバイス。
前記光源は、固体レーザを含む、
項目1から14のいずれかに記載の光デバイス。
前記光源からの光は、前記蛍光体層の、前記誘電体層とは反対側の面から入射する、
項目1から15のいずれかに記載の光デバイス。
金属層および前記金属層上の誘電体層を含む光反射膜と、
前記誘電体層上の蛍光体層であって、光源からの光によって励起されることで発光する蛍光体層と、
を備え、
前記蛍光体層の側から前記光反射膜に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長は、前記光源の発光スペクトルと、前記蛍光体層の発光スペクトルとを合わせた光スペクトルの重心波長よりも長く、
前記誘電体層は、2以上5以下の層の積層構造体であって、前記誘電体層における隣り合う任意の2層の屈折率は異なる、
光デバイス。
10 固体光源
20 蛍光体
30 基板
40 光反射膜
41 金属層
42 誘電体層
50 蛍光体デバイス
Claims (17)
- 金属層および前記金属層上の誘電体層を含む光反射膜と、
前記誘電体層上の蛍光体層であって、光源からの光によって励起されることで発光する
蛍光体層と、
を備え、
前記蛍光体層の側から前記光反射膜に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長は、
前記蛍光体層の発光スペクトルの重心波長よりも長く、
前記誘電体層は、2以上6以下の層の積層構造体であって、前記誘電体層における隣り合う任意の2層の屈折率は異なる、
光デバイス。 - 前記蛍光体層の側から前記光反射膜に垂直に入射する光の反射率が80%以上になる波長域の幅は、500nm以上である、
請求項1に記載の光デバイス。 - 前記蛍光体層の側から前記光反射膜に垂直に入射する光の反射率が最大になる第1の波長は、前記蛍光体層の側から前記光反射膜に入射角45°で入射する光の反射率が最大になる第2の波長よりも長く、前記第1の波長と前記第2の波長との差は、70nm以下である、
請求項1または2に記載の光デバイス。 - 前記第1の波長と前記第2の波長との差は、40nm以下である、
請求項3に記載の光デバイス。 - 前記誘電体層の膜厚は、400nm以下である、
請求項1から4のいずれかに記載の光デバイス。 - 前記誘電体層の膜厚は、200nm以下である、
請求項1から4のいずれかに記載の光デバイス。 - 前記蛍光体層の発光スペクトルは、400nm〜800nmの範囲に、少なくとも1つのピークを有する、
請求項1から10のいずれかに記載の光デバイス。 - 前記金属層を支持する基板をさらに有する、
請求項1から11のいずれかに記載の光デバイス。 - 前記金属層は、銀、銀合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金の少なくとも1つを含む、
請求項1から12のいずれかに記載の光デバイス。 - 前記蛍光体層は、セリウムがドープされたイットリウム・アルミニウム・ガーネットを含む、
請求項1から13のいずれかに記載の光デバイス。 - 前記光源は、固体レーザを含む、
請求項1から14のいずれかに記載の光デバイス。 - 前記光源からの光は、前記蛍光体層の、前記誘電体層とは反対側の面から入射する、
請求項1から15のいずれかに記載の光デバイス。 - 金属層および前記金属層上の誘電体層を含む光反射膜と、
前記誘電体層上の蛍光体層であって、光源からの光によって励起されることで発光する蛍光体層と、
を備え、
前記蛍光体層の側から前記光反射膜に垂直に入射する光の反射率が最大になる波長は、前記光源の発光スペクトルと、前記蛍光体層の発光スペクトルとを合わせた光スペクトルの重心波長よりも長く、
前記誘電体層は、2以上5以下の層の積層構造体であって、前記誘電体層における隣り合う任意の2層の屈折率は異なる、
光デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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US15/888,180 US10458623B2 (en) | 2017-02-28 | 2018-02-05 | Optical device comprising light reflection film |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017036977 | 2017-02-28 | ||
JP2017036977 | 2017-02-28 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=63528182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017175612A Active JP6916073B2 (ja) | 2017-02-28 | 2017-09-13 | 光デバイス |
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2017
- 2017-09-13 JP JP2017175612A patent/JP6916073B2/ja active Active
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