JP6915599B2 - 熱伝導性シリコーン組成物 - Google Patents
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1.(A)分子鎖末端にのみ少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、25℃における動粘度が100〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して10〜99質量部、
(B)1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、25℃における動粘度が100〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン(ただし、上記(A)成分を除く):(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1〜90質量部、
(C)下記一般式(1)
で表される片末端3官能の加水分解性メチルポリシロキサン:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して40〜400質量部、
(D)10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して500〜3,000質量部、
(E)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直結した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:{(E)成分のSi−H基の個数}/{(A)成分と(B)成分のアルケニル基の個数}が0.5〜1.5になる量、及び
(F)白金及び白金化合物からなる群より選択される触媒:白金原子として(A)成分と(B)成分の合計量の0.1〜500ppm(質量)となる量
を含有する熱伝導性シリコーン組成物。
2.さらに、(G)アセチレン化合物、窒素化合物、有機りん化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物より選択される制御剤を、(A)成分と(B)成分の合計量に対して0.1〜5質量%含有する1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
3.熱伝導性シリコーン組成物を150℃にて90分間加熱して作製した2mm厚シートでJIS K6251に記載の2号ダンベルの形状を作製し、これを用いて測定した伸びが100%以上である1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
4.熱伝導率が4.0W/mK以上である1〜3のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
(A)成分は、分子鎖末端にのみ少なくとも2個、好ましくは2〜6個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、25℃における動粘度が100〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(A)オルガノポリシロキサンは、直鎖状でも分岐状でもよく、またこれら2種以上の異なる粘度の混合物でもよい。
(B)1分子中に少なくとも3個、好ましくは3〜30個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、25℃における動粘度が100〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン(ただし、上記(A)成分を除く)であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(B)オルガノポリシロキサンは、直鎖状でも分岐状でもよく、またこれら2種以上の異なる粘度の混合物でもよい。具体的には、末端のケイ素原子以外のケイ素原子にアルケニル基が結合するものである。分子鎖末端にはアルケニル基を有していてもいなくてもよく、アルケニル基を有する場合、片末端でも両末端でもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1〜90質量部であり、1〜80質量部が好ましく、4〜70質量部がより好ましい。
(B)成分が10質量部未満だと、組成物が加熱硬化後に十分硬化せず、90質量部を超えると、加熱硬化後の伸びが低下するおそれがある。
(C)成分は下記一般式(1)
で表される片末端3官能の加水分解性メチルポリシロキサンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(D)成分は10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。熱伝導性充填材としては、熱伝導率が10W/m・℃以上、好ましくは15W/m・℃以上のものが使用される。充填材のもつ熱伝導率が10W/m・℃未満だと、熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率そのものが小さくなるためである。かかる熱伝導性充填材としては、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、金粉末、錫粉末、金属ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、酸化アルミニウム(アルミナ)粉末、ダイヤモンド粉末、カーボン粉末、インジウム粉末、ガリウム粉末、酸化亜鉛粉末等が挙げられる。
本発明の(E)成分は1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直結した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明の(E)成分は、架橋により組成を網状化するためにSi−H基を少なくとも1分子中に2個、好ましくは2〜20個有することが必要である。
(F)成分は、白金及び白金化合物からなる群より選択される触媒であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この触媒は、(A)成分及び(B)成分のアルケニル基と(E)成分のSi−H基との間の付加反応の促進成分である。この(F)成分は、例えば、白金の単体、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金配位化合物等が挙げられる。
本発明の組成物には、上記(A)〜(G)成分以外に必要に応じて、劣化を防ぐために酸化防止剤や、下記一般式(2)
で表されるベンゾトリアゾール誘導体を配合することができる。これは、上記(F)の触媒と相互作用することにより、組成物の耐熱性が向上する(熱伝導性シリコーン組成物の硬化後の高温エージング時の硬度上昇を抑制する。)。
本発明の組成物は、例えば、上記必須成分及び任意成分を、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリミキサー(何れも井上製作所(株)製混合機の登録商標)ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機にて混合することにより得ることができる。
本発明の組成物の回転粘度計により測定した25℃における絶対粘度は、100〜800Pa・sが好ましく、100〜600Pa・sがより好ましい。
得られた熱伝導性シリコーン組成物を硬化物とする際の加熱温度は、80〜170℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。時間は50〜120分間が好ましく、50〜90分間がより好ましい。
熱伝導性シリコーン組成物を150℃にて90分間加熱して作製した2mm厚シートでJIS K6251に記載の2号ダンベルの形状を作製し、これを用いて測定した伸びは100%以上が好ましく、110%以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、500%とすることもできる。
本発明に関わる効果に関する試験は次のように行った。
熱伝導性シリコーン組成物の絶対粘度は、マルコム粘度計(タイプPC−1TL)を用いて25℃で測定した。
熱伝導性シリコーン組成物を3cm厚の型に流し込み、キッチン用ラップをかぶせて京都電子工業(株)製のModel QTM−500で測定した。
熱伝導性シリコーン組成物を150℃にて90分間加熱して2mm厚シートを作製した。このシートを用いて、JIS K6251に記載の2号ダンベルの形状を作製し、ダンベルを10mm厚み以上になるように重ねてアスカーC硬度計を用いて硬度を測定した。
熱伝導性シリコーン組成物を150℃にて90分間加熱して2mm厚シートを作製した。このシートでJIS K6251に記載の2号ダンベルの形状を作製して測定を行った。
15mm×15mm×1mmtのSiチップと15mm×15mm×1mmtのNiプレートの間に、熱伝導性シリコーン組成物を挟み込み、150℃のオーブンに90分間装入して熱伝導性シリコーン組成物を加熱硬化させ、熱抵抗測定用の試験片を作製した。さらにその後ヒートサイクル試験(−55℃⇔125℃)を1,000サイクル実施して熱抵抗の変化を観察した。なお、この熱抵抗測定はナノフラッシュ(ニッチェ社製、LFA447)によって行った。
[(A)成分]
A−1:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が600mm2/sのジメチルポリシロキサン
A−2:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が30,000 mm2/sのジメチルポリシロキサン
B−1:分子鎖内にメチルビニルシリル基を8つ持ち、25℃における動粘度が600mm2/sのジメチルポリシロキサン
B−2:分子鎖内にメチルビニルシリル基を15個持ち、両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された25℃における動粘度が800mm2/sのジメチルポリシロキサン
B−3:分子鎖内にメチルビニルシリル基を1つ持ち、両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された25℃における動粘度が30,000mm2/sのジメチルポリシロキサン
C−1:
((CH3)3SiO1/2)((CH3)2SiO)30((OCH3)3SiO1/2)
下記のアルミニウム粉末又は酸化アルミニウム(アルミナ)粉末と酸化亜鉛粉末を5リットルプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)を用いて下記(表1)の混合(質量)比で室温にて15分間混合し、D−1,D−2を得た。
平均粒径12μmのアルミニウム粉末(熱伝導率:236W/m・℃)
平均粒径10μmの酸化アルミニウム(アルミナ)粉末(熱伝導率:27W/m・℃)
平均粒径0.6μmの酸化亜鉛粉末(熱伝導率:25W/m・℃)
F−1:白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のA−1溶液、白金原子として1質量%含有
G−1:1−エチニル−1−シクロヘキサノール
5リットルプラネタリーミキサー(井上製作所(株)社製)に成分(A)を取り、表2,表3に示す配合量で成分(B)、(C)、(D)を加え、170℃で1時間混合した。常温になるまで冷却し、次に成分(E)、(F)、(G)、(H)成分を表2,表3に示す配合量で加えて均一になるように混合した。
Claims (4)
- (A)分子鎖末端にのみ少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、25℃における動粘度が100〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して10〜99質量部、
(B)1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、25℃における動粘度が100〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン(ただし、上記(A)成分を除く):(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1〜90質量部、
(C)下記一般式(1)
で表される片末端3官能の加水分解性メチルポリシロキサン:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して40〜400質量部、
(D)10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材:(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して500〜3,000質量部、
(E)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直結した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:{(E)成分のSi−H基の個数}/{(A)成分と(B)成分のアルケニル基の個数}が0.5〜1.5になる量、及び
(F)白金及び白金化合物からなる群より選択される触媒:白金原子として(A)成分と(B)成分の合計量の0.1〜500ppm(質量)となる量
を含有する熱伝導性シリコーン組成物。 - さらに、(G)アセチレン化合物、窒素化合物、有機りん化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物より選択される制御剤を、(A)成分と(B)成分の合計量に対して0.1〜5質量%含有する請求項1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
- 熱伝導性シリコーン組成物を150℃にて90分間加熱して作製した2mm厚シートでJIS K6251に記載の2号ダンベルの形状を作製し、これを用いて測定した伸びが100%以上である請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
- 熱伝導率が4.0W/mK以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
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