JP6915439B2 - ポストキュアインフレータ用リム、及びその製造方法 - Google Patents

ポストキュアインフレータ用リム、及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6915439B2
JP6915439B2 JP2017152201A JP2017152201A JP6915439B2 JP 6915439 B2 JP6915439 B2 JP 6915439B2 JP 2017152201 A JP2017152201 A JP 2017152201A JP 2017152201 A JP2017152201 A JP 2017152201A JP 6915439 B2 JP6915439 B2 JP 6915439B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rim
post
roughness
cure inflator
cure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017152201A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018144467A (ja
Inventor
泰雄 内藤
泰雄 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Publication of JP2018144467A publication Critical patent/JP2018144467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6915439B2 publication Critical patent/JP6915439B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

本発明は、加硫金型から取り出された加硫直後の高温度の空気入りタイヤを、インフレート状態で冷却するためのポストキュアインフレータにおいて、空気入りタイヤを保持するポストキュアインフレータ用リム、及びその製造方法に関する。
空気入りタイヤでは、タイヤの骨格をなすカーカスのカーカスコードとして、有機繊維コードが広く使用されている。しかし、空気入りタイヤの製造工程において、加硫金型から取り出された高温度のタイヤをそのまま自然冷却すると、前記有機繊維コードが大きく収縮してタイヤが変形し、ユニフォミティを損ねるという問題が生じる。
そこで従来においては、加硫直後の高温度のタイヤは、ポストキュアインフレータを用い、タイヤ内部に圧縮空気を充填したインフレート状態を保ちながら、冷却することが行われている(例えば特許文献1参照。)。
ポストキュアインフレータは、支持軸部に取り付く上リムと、昇降手段によって昇降自在に支持される下リムとを具える。そして、下リムの上昇により、加硫直後のタイヤを上リムと下リムとの間で挟んで気密に保持する。なお支持軸部にはロッキングシャフトが連設されており、上リムと下リムとは、所定間隔(リム幅)を隔てて連結可能である。
ここで、ポストキュアインフレータでは、ビート径の異なるタイヤを冷却する場合、ビート径に合ったサイズの上下リムに交換する必要がある。しかし、特に上リムは、高所に位置する支持軸部に取り付けられている。そのため上リムの交換は、高所作業となり、しかもリム自体の重量も大であるため、交換作業性に問題がある。
なお従来においては、上下リムは、アルミニウム等の軽量金属にて形成されているが、交換作業性の向上のために、さらなる軽量化が望まれる。
特開平6−106548号公報
本発明は、ポストキュアインフレータ用リムにおいては、タイヤの加硫熱(例えば180℃程度)及びインフレート内圧(例えば200kPa程度)において変形しない強度、剛性及び耐久性を有していれば良いことに着目してなされたものであり、繊維強化プラスチックで形成することを基本として、さらなる軽量化を達成でき、交換作業性を向上しうるポストキュアインフレータ用リム、及びその製造方法を提供することを課題としている。
本願の第1発明は、ポストキュアインフレータに用いられ、加硫直後の空気入りタイヤを保持するためのポストキュアインフレータ用リムであって、
前記空気入りタイヤの一方のビード部にタイヤ軸方向外側から装着される第1のリム体と、他方のビード部にタイヤ軸方向外側から装着される第2のリム体とを具えるとともに、
前記第1、第2のリム体は、繊維強化プラスチックから形成される。
本発明に係るポストキュアインフレータ用リムでは、前記繊維強化プラスチックは、190℃における曲げ弾性率が3GPa以上、最大曲げ応力が20MPa以上であることが好ましい。
本発明に係るポストキュアインフレータ用リムでは、前記繊維強化プラスチックは、荷重たわみ温度が190℃以上であることが好ましい。
本発明に係るポストキュアインフレータ用リムでは、プラスチックとしての不飽和ポリエステル樹脂、及び強化繊維としてのガラス繊維を含むことが好ましい。
本発明に係るポストキュアインフレータ用リムでは、前記第1、第2のリム体は、表面に撥油性を有するコーティング層を有することが好ましい。
本発明に係るポストキュアインフレータ用リムでは、前記第1、第2のリム体は、前記コーティング層の形成前において、表面粗さRa(算術平均粗さ)が2.5μm以下、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)が50μm以下であることが好ましい。
本発明に係るポストキュアインフレータ用リムでは、前記コーティング層は、フッ素系樹脂を含むことが好ましい。
本願の第2発明は、第1発明のポストキュアインフレータ用リムの製造方法であって、
前記第1のリム体用及び第2のリム体用の樹脂成形体を、それぞれ繊維強化プラスチックを用いて成形する工程と、
前記樹脂成形体の表面に、撥油性を有するコーティング層を形成する工程とを具えるとともに、
前記樹脂成形体の表面の表面粗さRa(算術平均粗さ)が2.5μmより大、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)が50μmより大のとき、前記コーティング層の形成に先駆けて、前記樹脂成形体の表面を研磨処理し、該表面の表面粗さRa(算術平均粗さ)を2.5μm以下、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)を50μm以下とする工程を含む。
本発明は叙上の如く、第1、第2のリム体を繊維強化プラスチックで形成している。そのため、必要な耐熱性や強度を確保しながら、例えばアルミニウム製よりもさらに軽量化を図ることが可能であり、交換作業性を向上させることができる。
本発明の一実施形態のポストキュアインフレータ用リムが、ポストキュアインフレータに取り付けられた状態を示す断面図である。 (A)、(B)はポストキュアインフレータ用リムの断面図及び底面図である。 (A)、(B)はポストキュアインフレータ用リムの製造方法の一例を示す断面図である。 (A)、(B)はポストキュアインフレータに空気入りタイヤが装着される段階を示す断面図である。 表1の繊維強化プラスチックにおける、190℃での曲げ弾性率及び最大曲げ応力を示すグラフ。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1には、一実施形態のポストキュアインフレータ用リム(以下「PCI用リム」という。)1が、ポストキュアインフレータ(以下「PCI装置」という。)2に取り付けられた状態が示される。
図1に示すように、PCI装置2は、加硫直後の高温度の空気入りタイヤTをインフレート状態で横向きに保持するPCI用リム1と、このPCI用リム1を支持するリム保持手段3とを含む。
前記PCI用リム1は、第1のリム体5と、第2のリム体6とを具える。第1のリム体5は、空気入りタイヤTの一方のビード部(本例では上側のビード部)Tb1に、タイヤ軸方向外側から装着される。又第2のリム体6は、他方のビード部(本例では下側のビード部)Tb2に、タイヤ軸方向外側から装着される。なお一方、他方のビード部Tb1、Tb2を総称するとき、ビード部Tbという。
図2に示すように、第1、第2のリム体5、6は、それぞれ円盤状の基体7と、この基体7の外周に配されるビード保持部8とを具える。
基体7には、その中心に、後述するロッキングシャフト9が通る挿通孔10が形成されるとともに、前記挿通孔10の半径方向外側には、複数のボルト挿通孔11が形成される。又前記ビード保持部8は、ビード部Tbを着座させて保持するビードシート部分8aと、そのタイヤ軸方向外縁からタイヤ半径方向外側に立ち上がるリムフランジ部分8bとから構成される。
図1に示すように、リム保持手段3は、第1のリム体5を保持する第1の保持手段3Aと、空気入りタイヤTの脱着に際して、第2のリム体6を保持する第2の保持手段3Bとを具える。
第1の保持手段3Aは、本例では、PCI装置2のフレームFに支持される支持軸15を具える。この支持軸15の下端部15Eに、前記第1のリム体5の基体7がボルト16を介して交換可能に取り付けられる。又支持軸15の下端部15Eには、ロッキングシャフト9が同心に連設される。このロッキングシャフト9は、第1、第2のリム体5、6を、所定間隔(リム幅)を隔てて連結しうる。
なお第2のリム体6の基体7には、ロッキングシャフト9の下端部9Eと連結可能なボス体17が取り付いている。このボス体17は、前記基体7の下面に、ボルト16を介して固定される。ボス体17には、前記下端部9Eに設ける係止部(図示省略)と、係脱可能な係合穴18が凹設される。本例の係合穴18は、前記下端部9Eが係合穴18に挿入され、かつロッキングシャフト9が例えば90度回転することで、前記係止部と連結できる。これにより、第1、第2のリム体5、6間で、空気入りタイヤTを挟んで気密に保持しうる。又ボス体17の下面には、第2の保持手段3Bに保持される保持穴19が配される。
第2の保持手段3Bは、例えばシリンダ等の昇降手段(図示省略)に昇降自在に支持されるリム保持軸部20を具える。このリム保持軸部20は、前記保持穴19と連結でき、前記第2のリム体6を、リム保持軸部20と一体に昇降移動させうる。
従って、図4(A)に示すように、リム保持軸部20による第2のリム体6の下降位置において、第2のリム体6上に、加硫直後の空気入りタイヤTを投入しうる。その後、リム保持軸部20とともに第2のリム体6を上昇させる。これにより、図4(B)に示すように、ロッキングシャフト9とボス体17とが、係合穴18を介して連結できる。これにより、第1、第2のリム体5、6間で、空気入りタイヤTを挟んで気密に保持できる。その後、リム保持軸部20は、冷却が終了するまで、前記下降位置で待機する。
本発明では、第1、第2のリム体5、6は、繊維強化プラスチックから形成される。これにより軽量化を達成する。
PCI用リム1では、タイヤの加硫熱(例えば180℃程度)及びインフレート内圧(例えば200kPa程度)において変形しない強度、剛性、及び耐久性を有することが必要である。そのため、繊維強化プラスチックとして、190℃における曲げ弾性率が2GPa以上、さらには3GPa以上、最大曲げ応力が15MPa以上、さらには20MPa以上であることが好ましい。なお。前記曲げ弾性率、及び最大曲げ応力は、JIS K7171の「プラスチック−曲げ特性の求め方」に準拠し、3点曲げ試験によって測定した値である。
このように、190℃における曲げ弾性率及び最大曲げ応力を上記範囲に規制することで、ポストキュアインフレートにおける第1、第2のリム体5、6の変形を抑制でき、かつ必要な耐久性を確保しうる。
又繊維強化プラスチックでは、荷重たわみ温度が190℃以上、さらには200℃以上であることが好ましい。前記荷重たわみ温度は、試験方法規格(ASTM D648)に規定の荷重たわみ温度試験に準拠して測定した値である。
繊維強化プラスチックでは、マトリックス樹脂(プラスチック)として熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が採用しうる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ナイロン樹脂(PA)、ポリカーボネイト樹脂(PC)、(アクリル樹脂(PMMA)等が挙げられる。又熱硬化性樹脂として、例えば、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、ビニルエステル樹脂(VE)、エポキシ樹脂(EP)、フェノール樹脂(PH)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の場合、例えば射出成形が可能であるなど成形性で優れるものの、高温特性、特に高温での曲げ弾性率において不充分となる。従って、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂が好適に採用しうる。
また強化繊維としては、炭素繊維及びガラス繊維が好適に採用しうるが、コストの観点からガラス繊維がより好適に採用しうる。
ここで、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を採用した場合、例えばSMC(シートモールディングコンパウンド)プレス成形法、BMC(バルクモールディングコンパウンド)成形法、プリプレグプレス成形法等が採用可能である。特に、コスト、成形性の観点から、不飽和ポリエステル樹脂(UP)をマトリックス樹脂としたSMCを用いたSMCプレス成形法で形成することが好ましい。
SMCとは、周知のように、例えば25〜50mm程度に切断した強化繊維の層に、マトリックス樹脂と炭酸カルシウムなどの充填材を配合したコンパウンドを浸み込ませた、厚さ数ミリのシート状材料である。SMCプレス成形法では、まず、図3(A)、(B)に示すように、所定枚数のSMCを所定形状にカットしかつ積層させ、所定形状の板状材料35を形成する。しかる後、この板状材料35を、上下の金型30、31間で加圧、加熱することにより、第1、第2のリム体用の樹脂成形体36を形成する。本例では、挿通孔10及びボルト挿通孔11等を形成するために、樹脂成形体36に切削加工を施す場合が示される。しかし金型30、31に、孔部形成用のピン等を設け、切削加工を要することなく、樹脂成形と同時に挿通孔10及びボルト挿通孔11等を形成してもよい。
BMC成形法では、周知のように、切断した強化繊維と、マトリックス樹脂と炭酸カルシウムなどの充填材とをミキサーで混合させたバルク状材料であるBMCを使用する。BMCは、トランスファー成形機のポットに装入され、プランジャを用いて、成型機のキャビティ内に圧入される。そしてキャビティ内で加圧、加熱することで樹脂成形体36が形成される。
またプリプレグプレス成形法では、周知のように、強化繊維の織物にマトリックス樹脂を浸み込ませた薄いシート状材料であるプリプレグを用いる。所定枚数のプリプレグを所定形状にカットしかつ積層させて所定形状の板状材料35を形成した後、上下の金型30、31間で加圧、加熱することで樹脂成形体36を形成する。
前記BMC成形法では、BMCの形成にミキサーを使用するため、SMCに比して強化繊維は短く、かつ強化繊維の配合量も低くなる。そのため、BMC成形法で形成された第1、第2のリム体5、6は、SMCプレス成形法で形成されたものよりも、曲げ弾性率及び最大曲げ応力が低くなる。
またプリプレグプレス成形法では、強化繊維が織物状をなすため、補強に方向性が生じてしまい、第1、第2のリム体5、6に採用するのは好ましくない。
従って、第1、第2のリム体5、6の形成には、SMCプレス成形法がより好適である。特に、SMCに用いる熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂(UP)が好適である。
なおガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂(UP)とを用いたSMCの場合、比重が1.8〜1.9程度であり、重量を、アルミニウム(比重2.66)製の従来のPCI用リムの約70%に軽減できる。
次に、加硫直後の高温度の空気入りタイヤTでは、表面から、配合ゴム中の薬品の一部が気化して飛散する。この飛散物はヒュームと呼ばれ、その主成分の一つにオイルが挙げられる。ヒュームは、PCI用リムにも付着する。そのため、PCI用リムを頻繁に洗浄する必要がある。しかし、冷却によって固化したヒュームは、薄く広がって付着しているため、剥がれにくい。しかもPCI用リムの重量が大であるため、洗浄作業に多くの労力を要する。
そこで図2(A)に示すように、第1、第2のリム体5、6の表面に、撥油性を有するコーティング層21を設けるのが好ましい。本例では、コーティング層21が表面全体に形成された場合が示されるが、少なくとも表面の一部に形成されればよい。
コーティング層21としては、コーティング材料にフッ素系樹脂を含んだフッ素樹脂コート、及びコーティング材料にチタン、クロム、アルミ、ケイ素等の窒化物及び炭化物を含んだセラミックコートが適宜採用しうる。
このようなコーティング層21を形成した場合、付着したヒュームが、弾かれて玉のような形状にまとまる。そのため固化したとき、コーティング層21が有する剥離性と相俟って、より剥がれやすくなる。しかも繊維強化プラスチックによって軽量化が履かされるため、洗浄作業性をさらに高めることができる。
本発明者の研究の結果、ヒュームに対しては、フッ素樹脂コートが、より剥がれやすく洗浄作業性に優れることが確認された。
他方、本発明者の研究の結果、コーティング層21を設けた場合であっても、第1、第2のリム体5、6の表面が粗面である場合、その凹部内にヒュームが入り込みやすい。そのためコーティング層21の効果が十分に発揮されないことが確認された。そして、第1、第2のリム体5、6では、コーティング層21の形成前の状態において、その表面の表面粗さRa(算術平均粗さ)が2.5μm以下、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)が50μm以下であることが、ヒューム等への汚損抑制のために好ましいことが判明した。
なお第1、第2のリム体5、6が粗面となる原因として、
A)金型30、31の金型面自体が粗面であり、成形時にそれが転写されて樹脂成形体36の表面が粗面となる場合:及び
B)金型30、31の金型面自体は鏡面であるが、成形後に樹脂成形体36に切削加工が施され、繊維強化プラスチックの繊維に折れや抜けが発生し、これが樹脂成形体36の表面に付着して粗面となる場合:
などが考えられる。
何れの場合にも、コーティング層21を形成する工程前において、樹脂成形体36の表面が粗面である時には、この樹脂成形体36の表面に研磨処理を施し、その表面粗さRa(算術平均粗さ)を2.5μm以下、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)を50μm以下に減じることが好ましい。
前記ポストキュアインフレータ用リム1の製造方法は、前述したように
(ア)第1、第2のリム体用の樹脂成形体36を、それぞれ繊維強化プラスチックを用いて成形する工程(樹脂成形工程という場合がある。)と、
(イ)前記樹脂成形体の表面に、撥油性を有するコーティング層21を形成する工程(コーティング工程という場合がある。)とを具えるとともに、
(ウ)前記樹脂成形体の表面の表面粗さRa(算術平均粗さ)が2.5μmより大、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)が50μmより大のとき、前記コーティング層の形成に先駆けて、前記樹脂成形体の表面を研磨処理し、該表面の表面粗さRa(算術平均粗さ)を2.5μm以下、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)を50μm以下とする工程(研磨工程という場合がある。)
をさらに含むことが好ましい。
なお樹脂成形工程では、前述したように、SMCプレス成形法、BMC成形法、プリプレグプレス成形法、及び射出成形法などの樹脂成形法が適宜採用しうる。研磨工程で行う研磨処理では、規定の表面粗さRa、Rzを得るために、粒度1500番(♯1500)より細かい、特には粒度2000番(♯2000)より細かい研磨布紙を用いるのが好ましい。コーティング工程で形成するコーティング層21として、前述したように、コーティング材料にフッ素系樹脂を含んだフッ素樹脂コート、及びコーティング材料にチタン、クロム、アルミ、ケイ素等の窒化物及び炭化物を含んだセラミックコートなどが適宜採用しうる。
なお特に、第1、第2のリム体5、6の粗面原因が上記A)の場合、樹脂成形法に用いる金型の金型面に前記研磨工程と同様の研磨処理を行い、金型面の表面粗さRaを2.5μm以下、又は表面粗さRzを50μm以下に減じることにより第1、第2のリム体5、6の表面粗さRa、Rzを規定値以下に減じることもできる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
(1)図2に示すPCI用リムを、表1の仕様で試作し、図1に示すPCI装置に装着してポストキュアインフレートを行った。表1の繊維強化プラスチックにおける、190℃での曲げ弾性率及び最大曲げ応力を測定し、その結果を図5に示す。なお実施例1〜5では、荷重たわみ温度(試験方法規格:ASTM D648)が200℃以上であった。ポストキュアインフレートにおいて、空気入りタイヤの温度の最大は180℃、インフレート内圧は200kPaであった。各PCI用リムは、材料のみ相違し、形状は実質的に同一である。
表1中の繊維強化プラスチックは、以下の通りである。
PPS--ポリフェニレンサルファイド樹脂
PEEK--ポリエーテルエーテルケトン樹脂
VE--ビニルエステル樹脂
UP--不飽和ポリエステル樹脂
Figure 0006915439
実施例では、ポストキュアインフレートを問題なく行うことができた。なお実施例1〜3は軽量化に優れるが、射出成型が技術的に難しく、生産性では実施例4,5に劣る。
(2)
表2に示すように、コーティング工程前に研磨工程を行ったPCI用リム(実施例A1〜A5)と、研磨工程を行わないPCI用リム(実施例B1)とをそれぞれ試作した。そして各PCI用リムを用いてポストキュアインフレートを行った後、表面に付着したヒュームの拭き取り作業を行った。
実施例A1〜A5、及び実施例B1ともに、SMCプレス成形法にて形成された樹脂成形体36に、挿通孔10及びボルト挿通孔11を切削加工によって形成している。切削加工前に測定した樹脂成形体36の表面粗さRaは約0.85μm、Rzは約35μmであった。
<拭き取り作業>
リム表面に付着したヒュームを、布を用いて拭き取りしたときの作業性を4段階で評価した。数値が大きい方が拭き取り作業に優れる。なお4点は、布にて軽く拭くだけで、ヒュームを除去することができるレベルである。1点は、ヒュームが表面の凹部内に入り込み、布による拭き取り作業のみでは完全に除去することが難しいレベルである。
Figure 0006915439
1 ポストキュアインフレータ用リム
2 ポストキュアインフレータ
5 第1のリム体
6 第2のリム体
21 コーティング層
T 空気入りタイヤ
Tb ビード部

Claims (8)

  1. ポストキュアインフレータに用いられ、加硫直後の空気入りタイヤを保持するためのポストキュアインフレータ用リムであって、
    前記空気入りタイヤの一方のビード部にタイヤ軸方向外側から装着される第1のリム体と、他方のビード部にタイヤ軸方向外側から装着される第2のリム体とを具えるとともに、
    前記第1、第2のリム体は、繊維強化プラスチックから形成され、かつ、表面に撥油性を有するコーティング層を有するポストキュアインフレータ用リム。
  2. 前記繊維強化プラスチックは、190℃における曲げ弾性率が3GPa以上、最大曲げ応力が20MPa以上である請求項1記載のポストキュアインフレータ用リム。
  3. 前記繊維強化プラスチックは、荷重たわみ温度が190℃以上である請求項1又は2記載のポストキュアインフレータ用リム。
  4. 前記繊維強化プラスチックは、プラスチックとしての不飽和ポリエステル樹脂、及び強化繊維としてのガラス繊維を含む請求項1〜3の何れかに記載のポストキュアインフレータ用リム。
  5. 前記第1、第2のリム体は、それぞれ円盤状の基体と、前記基体の外周に配されるビード保持部とを具え、
    前記基体は、その中心に、前記第1、第2のリム体を所定間隔を隔てて連結するロッキングシャフトが通る挿通孔10が形成されるとともに、前記挿通孔の半径方向外側に複数のボルト挿通孔11が形成される請求項1〜4の何れかに記載のポストキュアインフレータ用リム。
  6. 前記第1、第2のリム体は、前記コーティング層の形成前において、表面粗さRa(算術平均粗さ)が2.5μm以下、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)が50μm以下である請求項1〜5の何れかに記載のポストキュアインフレータ用リム。
  7. 前記コーティング層は、フッ素系樹脂を含む請求項1〜6の何れかに記載のポストキュアインフレータ用リム。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載のポストキュアインフレータ用リムの製造方法であって、
    前記第1のリム体用及び前記第2のリム体用の樹脂成形体を、それぞれ前記繊維強化プラスチックを用いて成形する工程と、
    前記樹脂成形体の表面に、前記コーティング層を形成する工程とを具えるとともに、
    前記樹脂成形体の表面の表面粗さRa(算術平均粗さ)が2.5μmより大、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)が50μmより大のとき、前記コーティング層の形成に先駆けて、前記樹脂成形体の表面を研磨処理し、該表面の表面粗さRa(算術平均粗さ)を2.5μm以下、又は表面粗さRz(最大高さ粗さ)を50μm以下とする工程を含むポストキュアインフレータ用リムの製造方法。
JP2017152201A 2017-03-03 2017-08-07 ポストキュアインフレータ用リム、及びその製造方法 Active JP6915439B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017040706 2017-03-03
JP2017040706 2017-03-03

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018144467A JP2018144467A (ja) 2018-09-20
JP6915439B2 true JP6915439B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=63589263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017152201A Active JP6915439B2 (ja) 2017-03-03 2017-08-07 ポストキュアインフレータ用リム、及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6915439B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51119765A (en) * 1975-04-15 1976-10-20 Kuraray Co Resin mould for reinforced plastic moulding
JPS5597926A (en) * 1979-01-19 1980-07-25 Asahi Glass Co Ltd Molding of fiber-reinforced synthetic resin having hollow section
JPH0516238U (ja) * 1991-08-08 1993-03-02 帝人株式会社 樹脂成形用金型
DE19724746A1 (de) * 1997-06-12 1998-12-24 Continental Ag Vorrichtung und Verfahren zum Vulkanisieren eines wulstlosen Fahrzeugluftreifens
JP2006044072A (ja) * 2004-08-04 2006-02-16 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤモールド
JP2006142651A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浴槽の製造方法
JP4583944B2 (ja) * 2005-01-19 2010-11-17 住友ゴム工業株式会社 自動二輪車用タイヤ
JP5160151B2 (ja) * 2007-06-27 2013-03-13 ジャパンコンポジット株式会社 成形材料の製造方法、成形材料及び成形品
JP5420390B2 (ja) * 2009-12-25 2014-02-19 株式会社ブリヂストン ポストキュアインフレータ及びタイヤ製造方法
EP2422959B1 (en) * 2010-08-31 2020-08-19 Campagnolo S.r.l. Process for manufacturing a bicycle wheel rim and rim obtainable with such a process

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018144467A (ja) 2018-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2331348B1 (en) Method of molding a fibre-reinforced composite wheel
CN104693401B (zh) 一种聚氨酯低速实心轮胎及其生产工艺
CN203267229U (zh) 一种纤维增强树脂基复合材料管状制品成型装置
JP2008279753A (ja) 繊維強化プラスチックの製造方法
JP2017043095A (ja) 繊維強化複合材料成形体およびその製造方法
US10596735B2 (en) Apparatus and method for producing fiber composite preform
TWI756696B (zh) 纖維強化複合材料的成形裝置及纖維強化複合材料成形品的製造方法
JP2018058541A (ja) 非空気圧タイヤ及びその製造方法
JP6462547B2 (ja) 樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法
CN207710486U (zh) 一种管形料生产用模具的修磨装置
JP6915439B2 (ja) ポストキュアインフレータ用リム、及びその製造方法
JP5088213B2 (ja) 内圧成形装置
JP2007030421A (ja) ゴム製筒体の製造方法
US20090297319A1 (en) Composite for automated handling device
US8622731B2 (en) Apparatus for forming flanges on components
JP2017226203A (ja) 繊維強化複合材料成形品の脱型方法
CN111037889A (zh) 连续纤维增强热塑性复合材料的成型设备及制备工艺
JP6251084B2 (ja) タイヤ形成用の剛性中子
JP4868953B2 (ja) バレル研磨機における研磨槽のライニング構造の形成方法
US8097198B2 (en) Manufacturing method with vacuum bag
CN110014681A (zh) 一种工程机械轮胎翻新方法
JP6374779B2 (ja) タイヤ形成用の剛性中子
CN102837421A (zh) 复合材料结构件制程及其结构
CN209794335U (zh) 一种橡胶轮胎固化用的硫化装置
JP2007106013A (ja) 内装材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6915439

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250