JP6915292B2 - 制御装置、光偏向システム、画像投影装置、車両、移動体、非移動体、光書込装置、物体認識装置及び制御方法 - Google Patents

制御装置、光偏向システム、画像投影装置、車両、移動体、非移動体、光書込装置、物体認識装置及び制御方法 Download PDF

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本発明は、制御装置、光偏向システム、画像投影装置、及び制御方法に関する。
近年、光ビームを偏向して光走査するための手段として、電圧を圧電部に印加して圧電部を変形させることを利用して反射面を可動させる光偏向器等の可動装置がある。この可動装置に対して、上記圧電部に印加する所定の波形の駆動電圧を制御する駆動装置等の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような制御装置では、通常、圧電定数の値は駆動電圧によらず一定であると仮定して、駆動電圧を定めている。
しかしながら、実際には、圧電定数の値は駆動電圧の大きさに依存し、特に駆動電圧の最小値付近では、圧電定数が大きく変化するため、圧電部の変形が駆動電圧に比例せず、反射面の可動速度の均一性を安定して高めることができなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、反射面の可動速度の均一性を向上することにある。
本発明は、圧電部に駆動電圧を印加して該圧電部を変形させることにより反射面の可動を制御する制御装置であって、前記圧電部に前記駆動電圧を印加する印加手段と、前記駆動電圧を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段が制御する前記駆動電圧の最小値はゼロから所定の差を有し、前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期において該駆動電圧に対する前記圧電部の圧電定数の値の変化率が、該駆動電圧の最小値がゼロの場合に比べて小さくなるように設定されている制御装置である。
本発明によれば、反射面の可動速度の均一性を向上することができる。
光走査システムの一例の概略図である。 光走査システムの一例のハードウェア構成図である。 制御装置の一例の機能ブロック図である。 光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。 ヘッドアップディスプレイ装置を搭載した自動車の一例の概略図である。 ヘッドアップディスプレイ装置の一例の概略図である。 光書込装置を搭載した画像形成装置の一例の概略図である。 光書込装置の一例の概略図である。 レーザレーダ装置を搭載した自動車の一例の概略図である。 レーザレーダ装置の一例の概略図である。 パッケージングされた可動装置の一例の概略図である。 可動装置の一例を+Z方向から見たときの平面図である。 図12に示す可動装置のP−P’断面図である。 図12に示す可動装置のQ−Q’断面図である。 (a)〜(c)は、可動装置の第2駆動部の変形を模式的に表した模式図である。 (a)は、可動装置の圧電駆動部群Aに印加される駆動電圧Aの波形の一例を示すグラフ図であり、(b)は、可動装置の圧電駆動部群Bに印加される駆動電圧Bの波形の一例を示すグラフ図であり、(c)は、(a)の駆動電圧の波形と(b)の駆動電圧の波形を重ね合わせた一例を示すグラフ図である。 反射面の第2軸周りの可動速度が一定(均一)である場合の反射面の第2軸周りの振れ角の時間変化を示すグラフ図である。 反射面の第2軸周りの可動速度が一定(均一)ではない場合の反射面の第2軸周りの振れ角の時間変化を示すグラフ図である。 (a)反射面の第2軸周りの可動速度が均一である場合の投影画像の一例のイメージ図であり、(b)反射面の第2軸周りの可動速度が不均一である場合の投影画像の一例のイメージ図である。 圧電部の圧電定数の電圧依存性を表したグラフ図である。 最小値が最小電圧値ΔEの駆動電圧A、Bの波形の一例を示す図である。 均一性指標について説明する図である。 最小電圧値ΔEの変化による均一性指標の変化を表したグラフ図である。 駆動電圧Aと駆動電圧Bで最小値の最小電圧値ΔEを異ならせた場合の駆動電圧の波形を示す図である。 可動装置の第1の変形例を+Z方向から見たときの平面図である。 可動装置の第2の変形例を+Z方向から見たときの平面図である。 圧電部の圧電定数曲線の一例を表したグラフ図である。 加温条件下における圧電定数曲線の経時変化を示したグラフ図である。 駆動電圧の設定処理の一例のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[光走査システム]
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置を適用した光走査システムについて詳細に説明する。
図1に、光走査システムの一例の概略図を示す。
図1に示すように、光走査システム10は、制御装置11の制御に従って光源装置12から照射された光を可動装置13の有する反射面14により偏向して被走査面15を光走査するシステムである。
光走査システム10は、制御装置11、光源装置12、反射面14を有する可動装置13により構成される。
制御装置11は、例えばCPU(Central Processing Unit)およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を備えた電子回路ユニットである。可動装置13は、例えば反射面14を有し、反射面14を可動可能なMEMS(Micro Electromechanical Systems)デバイスである。光源装置12は、例えばレーザを照射するレーザ装置である。なお、被走査面15は、例えばスクリーンである。
制御装置11は、取得した光走査情報に基づいて光源装置12および可動装置13の制命令を生成し、制御命令に基づいて光源装置12および可動装置13に駆動信号を出力する。
光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光源の照射を行う。可動装置13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14を1軸方向または2軸方向の少なくともいずれかに可動させる。
これにより、例えば、光走査情報の一例である画像情報に基づいた制御装置11の制御によって、可動装置13の反射面14を所定の範囲で2軸方向に往復可動させ、反射面14に入射する光源装置12からの照射光をある1軸周りに偏向して光走査することにより、被走査面15に任意の画像を投影することができる。
なお、可動装置の詳細および本実施形態の制御装置による制御の詳細については後述する。
次に、図2を参照して、光走査システム10の一例のハードウェア構成について説明する。
図2は、光走査システム10の一例のハードウェア構成図である。
図2に示すように、光走査システム10は、制御装置11、光源装置12および可動装置13を備え、それぞれが電気的に接続されている。
[制御装置]
このうち、制御装置11は、CPU20、RAM21(Random Access Memory)、ROM22(Read Only Memory)、FPGA23、外部I/F24、光源装置ドライバ25、可動装置ドライバ26を備えている。
CPU20は、ROM22等の記憶装置からプログラムやデータをRAM21上に読み出し、処理を実行して、制御装置11の全体の制御や機能を実現する演算装置である。
RAM21は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の記憶装置である。
ROM22は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の記憶装置であり、CPU20が光走査システム10の各機能を制御するために実行する処理用プログラムやデータを記憶している。
FPGA23は、CPU20の処理に従って、光源装置ドライバ25および可動装置ドライバ26に適した制御信号を出力する回路である。
外部I/F24は、例えば外部装置やネットワーク等とのインタフェースである。外部装置には、例えば、PC(Personal Computer)等の上位装置、USBメモリ、SDカード、CD、DVD、HDD、SSD等の記憶装置が含まれる。また、ネットワークは、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット等である。外部I/F24は、外部装置との接続または通信を可能にする構成であればよく、外部装置ごとに外部I/F24が用意されてもよい。
光源装置トライバは、入力された制御信号に従って光源装置12に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
可動装置ドライバ26は、入力された制御信号に従って可動装置13に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
制御装置11において、CPU20は、外部I/F24を介して外部装置やネットワークから光走査情報を取得する。なお、CPU20が光走査情報を取得することができる構成であればよく、制御装置11内のROM22やFPGA23に光走査情報を格納する構成としてもよいし、制御装置11内に新たにSSD等の記憶装置を設けて、その記憶装置に光走査情報を格納する構成としてもよい。
ここで、光走査情報とは、被走査面15にどのように光走査させるかを示した情報であり、例えば、光走査により画像を表示する場合は、光走査情報は画像データである。また、例えば、光走査により光書込みを行う場合は、光走査情報は書込み順や書込み箇所を示した書込みデータである。他にも、例えば、光走査により物体認識を行う場合は、光走査情報は物体認識用の光を照射するタイミングと照射範囲を示す照射データである。
本実施形態に係る制御装置11は、CPU20の命令および図2に示したハードウェア構成によって、次に説明する機能構成を実現することができる。
[制御装置]
次に、図3を参照して、光走査システム10の制御装置11の機能構成について説明する。図3は、光走査システムの制御装置の一例の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御装置11は、機能として制御部30と駆動信号出力部31とを有する。
制御部30は、例えばCPU20、FPGA23等により実現され、外部装置から光走査情報を取得し、光走査情報を制御信号に変換して駆動信号出力部31に出力する。例えば、制御部30は、制御手段を構成し、外部装置等から画像データを光走査情報として取得し、所定の処理により画像データから制御信号を生成して駆動信号出力部31に出力する。
駆動信号出力部31は、印加手段を構成し、光源装置12ドライバ25、可動装置13ドライバ26等により実現され、入力された制御信号に基づいて光源装置12または可動装置13に駆動信号を出力する。
駆動信号は、光源装置12または可動装置13の駆動を制御するための信号である。例えば、光源装置12においては、光源の照射タイミングおよび照射強度を制御する駆動電圧である。また、例えば、可動装置13においては、可動装置13の有する反射面14を可動させるタイミングおよび可動範囲を制御する駆動電圧である。
[光走査処理]
次に、図4を参照して、光走査システム10が被走査面15を光走査する処理について説明する。図4は、光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。
ステップS11において、制御部30は、外部装置等から光走査情報を取得する。
ステップS12において、制御部30は、取得した光走査情報から制御信号を生成し、制御信号を駆動信号出力部31に出力する。
ステップS13において、駆動信号出力部31は、入力された制御信号に基づいて駆動信号を光源装置12および可動装置13に出力する。
ステップS14において、光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光照射を行う。また、可動装置13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14の可動を行う。光源装置12および可動装置13の駆動により、任意の方向に光が偏向され、光走査される。
なお、上記光走査システム10では、1つの制御装置11が光源装置12および可動装置13を制御する装置および機能を有しているが、光源装置用の制御装置および可動装置用の制御装置と、別体に設けてもよい。
また、上記光走査システム10では、一つの制御装置11に光源装置12および可動装置13の制御部30の機能および駆動信号出力部31の機能を設けているが、これらの機能は別体として存在していてもよく、例えば制御部30を有した制御装置11とは別に駆動信号出力部31を有した駆動信号出力装置を設ける構成としてもよい。なお、上記光走査システム10のうち、反射面14を有した可動装置13と制御装置11により、光偏向を行う光偏向システムを構成してもよい。
[画像投影装置]
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態の制御装置を適用した画像投影装置について詳細に説明する。
図5は、画像投影装置の一例であるヘッドアップディスプレイ装置500を搭載した自動車400の実施形態に係る概略図である。また、図6はヘッドアップディスプレイ装置500の一例の概略図である。
画像投影装置は、光走査により画像を投影する装置であり、例えばヘッドアップディスプレイ装置である。
図5に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、例えば、自動車400のウインドシールド(フロントガラス401等)の付近に設置される。ヘッドアップディスプレイ装置500から発せられる投射光Lがフロントガラス401で反射され、ユーザーである観察者(運転者402)に向かう。
これにより、運転者402は、ヘッドアップディスプレイ装置500によって投影された画像等を虚像として視認することができる。なお、ウインドシールドの内壁面にコンバイナを設置し、コンバイナによって反射する投射光によってユーザーに虚像を視認させる構成にしてもよい。
図6に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、赤色、緑色、青色のレーザ光源501R、501G、501Bからレーザ光が出射される。出射されたレーザ光は、各レーザ光源に対して設けられるコリメータレンズ502、503、504と、2つのダイクロイックミラー505、506と、光量調整部507と、から構成される入射光学系を経た後、反射面14を有する可動装置13にて偏向される。
そして、偏向されたレーザ光は、自由曲面ミラー509と、中間スクリーン510と、投射ミラー511とから構成される投射光学系を経て、スクリーンに投影される。
なお、上記ヘッドアップディスプレイ装置500では、レーザ光源501R、501G、501B、コリメータレンズ502、503、504、ダイクロイックミラー505、506は、光源ユニット530として光学ハウジングによってユニット化されている。
上記ヘッドアップディスプレイ装置500は、中間スクリーン510に表示される中間像を自動車400のフロントガラス401に投射することで、その中間像を運転者402に虚像として視認させる。
レーザ光源501R、501G、501Bから発せられる各色レーザ光は、それぞれ、コリメータレンズ502、503、504で略平行光とされ、2つのダイクロイックミラー505、506により合成される。合成されたレーザ光は、光量調整部507で光量が調整された後、反射面14を有する可動装置13によって二次元走査される。可動装置13で二次元走査された投射光Lは、自由曲面ミラー509で反射されて歪みを補正された後、中間スクリーン510に集光され、中間像を表示する。中間スクリーン510は、マイクロレンズが二次元配置されたマイクロレンズアレイで構成されており、中間スクリーン510に入射してくる投射光Lをマイクロレンズ単位で拡大する。
可動装置13は、反射面14を2軸方向に往復可動させ、反射面14に入射する投射光Lを二次元走査する。この可動装置13の駆動制御は、レーザ光源501R、501G、501Bの発光タイミングに同期して行われる。
以上、画像投影装置の一例としてのヘッドアップディスプレイ装置500の説明をしたが、画像投影装置は、反射面14を有した可動装置13により光走査を行うことで画像を投影する装置であればよい。
例えば、机等に置かれ、表示スクリーン上に画像を投影するプロジェクタや、観測者の頭部等に装着される装着部材に搭載され、装着部材が有する反射透過スクリーンに投影、または眼球をスクリーンとして画像を投影するヘッドマウントディスプレイ装置等にも、同様に適用することができる。
また、画像投影装置は、車両や装着部材だけでなく、例えば、航空機、船舶、移動式ロボット等の移動体、あるいは、その場から移動せずにマニピュレータ等の駆動対象を操作する作業ロボットなどの非移動体に搭載されてもよい。
[光書込装置]
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態の制御装置11を適用した光書込装置について詳細に説明する。
図7は、光書込装置600を組み込んだ画像形成装置の一例である。また、図8は、光書込装置の一例の概略図である。
図7に示すように、上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有するレーザプリンタ650等に代表される画像形成装置の構成部材として使用される。画像形成装置において光書込装置600は、1本または複数本のレーザビームで被走査面15である感光体ドラムを光走査することにより、感光体ドラムに光書込を行う。
図8に示すように、光書込装置600において、レーザ素子などの光源装置12からのレーザ光は、コリメータレンズなどの結像光学系601を経た後、反射面14を有する可動装置13により1軸方向または2軸方向に偏向される。
そして、可動装置13で偏向されたレーザ光は、その後、第一レンズ602aと第二レンズ602b、反射ミラー部602cからなる走査光学系602を経て、被走査面15(例えば感光体ドラムや感光紙)に照射し、光書込みを行う。走査光学系602は、被走査面15にスポット状に光ビームを結像する。
また、光源装置12および反射面14を有する可動装置13は、制御装置11の制御に基づき駆動する。
このように上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有する画像形成装置の構成部材として使用することができる。
また、走査光学系を異ならせて1軸方向だけでなく2軸方向に光走査可能にすることで、レーザ光をサーマルメディアに偏向して光走査し、加熱することで印字するレーザラベル装置等の画像形成装置の構成部材として使用することができる。
上記光書込装置に適用される反射面14を有した可動装置13は、ポリゴンミラー等を用いた回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、光書込装置の省電力化に有利である。
また、可動装置13の振動時における風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、光書込装置の静粛性の改善に有利である。光書込装置は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また可動装置13の発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、よって画像形成装置の小型化に有利である
[物体認識装置]
次に、図9及び図10を参照して、上記本実施形態の制御装置を適用した物体認識装置について詳細に説明する。
図9は、物体認識装置の一例であるレーザレーダ装置を搭載した自動車の概略図である。また、図10はレーザレーダ装置の一例の概略図である。
物体認識装置は、対象方向の物体を認識する装置であり、例えばレーザレーダ装置である。
図9に示すように、レーザレーダ装置700は、例えば自動車701に搭載され、対象方向を光走査して、対象方向に存在する被対象物702からの反射光を受光することで、被対象物702を認識する。
図10に示すように、光源装置12から出射されたレーザ光は、発散光を略平行光とする光学系であるコリメートレンズ703と、平面ミラー704とから構成される入射光学系を経て、反射面14を有する可動装置13で1軸もしくは2軸方向に走査される。
そして、投光光学系である投光レンズ705等を経て装置前方の被対象物702に照射される。光源装置12および可動装置13は、制御装置11により駆動を制御される。被対象物702で反射された反射光は、光検出器709により光検出される。
すなわち、反射光は入射光検出受光光学系である集光レンズ706等を経て撮像素子707により受光され、撮像素子707は検出信号を信号処理装置708に出力する。信号処理回路708は、入力された検出信号に2値化やノイズ処理等の所定の処理を行い、結果を測距回路710に出力する。
測距回路710は、光源装置12がレーザ光を発光したタイミングと、光検出器709でレーザ光を受光したタイミングとの時間差、または受光した撮像素子707の画素ごとの位相差によって、被対象物702の有無を認識し、さらに被対象物702との距離情報を算出する。
反射面14を有する可動装置13は多面鏡に比べて破損しづらく、小型であるため、耐久性の高い小型のレーダ装置を提供することができる。
このようなレーダレーダ装置は、例えば車両、航空機、船舶、ロボット等に取り付けられ、所定範囲を光走査して障害物の有無や障害物までの距離を認識することができる。
上記物体認識装置では、一例としてのレーザレーダ装置700の説明をしたが、物体認識装置は、反射面14を有した可動装置13を制御装置11で制御することにより光走査を行い、光検出器により反射光を受光することで被対象物702を認識する装置であればよく、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、手や顔を光走査して得た距離情報から形状等の物体情報を算出し、記録と参照することで対象物を認識する生体認証や、対象範囲への光走査により侵入物を認識するセキュリティセンサ、光走査により得た距離情報から形状等の物体情報を算出して認識し、3次元データとして出力する3次元スキャナの構成部材などにも同様に適用することができる。
[パッケージング]
次に、図11を参照して、本実施形態の制御装置により制御される可動装置のパッケージングについて説明する。
図11は、パッケージングされた可動装置の一例の概略図である。
図11に示すように、可動装置13は、パッケージ部材802の内側に配置される取付部材801に取り付けられ、パッケージ部材の一部を透過部材803で覆われて、密閉されることでパッケージングされる。
さらに、パッケージ内は窒素等の不活性ガスが密封されている。これにより、可動装置13の酸化による劣化が抑制され、さらに温度等の環境の変化に対する耐久性が向上する。
次に、図11〜図28を参照して、以上に説明した光偏向システム、光走査システム、画像投射装置、光書込装置、物体認識装置に使用される可動装置の詳細および本実施形態の制御装置による制御の詳細について説明する。
[可動装置の詳細]
まず、図12〜図14を参照して、可動装置について詳細に説明する。
図12は、2軸方向に光偏向可能な両持ちタイプの可動装置の平面図である。図13は、図12のP−P’断面図である。図14は図12のQ−Q’断面図である。
図12に示すように、可動装置13は、入射した光を反射するミラー部101と、ミラー部に接続され、ミラー部をY軸に平行な第1軸周りに駆動する第1駆動部110a、110bと、ミラー部および第1駆動部を支持する第1支持部120と、第1支持部に接続され、ミラー部および第1支持部をX軸に平行な第2軸周りに駆動する第2駆動部130a、130bと、第2駆動部を支持する第2支持部140と、第1駆動部および第2駆動部および制御装置に電気的に接続される電極接続部150と、を有する。
可動装置13は、例えば、1枚のSOI(Silicon On Insulator)基板をエッチング処理等により成形し、成形した基板上に反射面14や第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132f、電極接続部150等を形成することで、各構成部が一体的に形成されている。
なお、上記の各構成部の形成は、SOI基板の成形後に行ってもよいし、SOI基板の成形中に行ってもよい。
SOI基板は、単結晶シリコン(Si)からなる第1のシリコン層の上に酸化シリコン層162が設けられ、その酸化シリコン層の上にさらに単結晶シリコンからなる第2のシリコン層が設けられている基板である。以降、第1のシリコン層をシリコン支持層161、第2のシリコン層をシリコン活性層163とする。
シリコン活性層163は、X軸方向またはY軸方向に対してZ軸方向への厚みが小さいため、シリコン活性層163のみで構成された部材は、弾性を有する弾性部としての機能を備える。
なお、SOI基板は、必ず平面状である必要はなく、曲率等を有していてもよい。また、エッチング処理等により一体的に成形でき、部分的に弾性を持たせることができる基板であれば可動装置13の形成に用いられる部材はSOI基板に限られない。
ミラー部101は、例えば、円形状のミラー部基体102と、ミラー部基体の+Z側の面上に形成された反射面14とから構成される。ミラー部基体102は、例えば、シリコン活性層163から構成される。
反射面14は、例えば、アルミニウム、金、銀等を含む金属薄膜で構成される。また、ミラー部101は、ミラー部基体102の−Z側の面にミラー部補強用のリブが形成されていてもよい。
リブは、例えば、シリコン支持層161および酸化シリコン層162から構成され、可動によって生じる反射面14の歪みを抑制することができる。
第1駆動部110a、110bは、ミラー部基体102に一端が接続し、第1軸方向にそれぞれ延びてミラー部101を可動可能に支持する2つのトーションバー111a、111bと、一端がトーションバーに接続され、他端が第1支持部の内周部に接続される第1圧電駆動部112a、112bと、から構成される。
図13に示すように、トーションバー111a、111bはシリコン活性層163から構成される。また、第1圧電駆動部112a、112bは、弾性部であるシリコン活性層163の+Z側の面上に下部電極201、圧電部202、上部電極203の順に形成されて構成される。
上部電極203および下部電極201は、例えば金(Au)または白金(Pt)等から構成される。圧電部202は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。
図12に戻り、第1支持部120は、例えば、シリコン支持層161、酸化シリコン層162、シリコン活性層163から構成され、ミラー部101を囲うように形成された矩形形状の支持体である。
第2駆動部130a、130bは、例えば、折り返すように連結された複数の第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132fから構成されており、第2駆動部130a、130bの一端は第1支持部120の外周部に接続され、他端は第2支持部140の内周部に接続されている。
このとき、第2駆動部130aと第1支持部120の接続箇所および第2駆動部130bと第1支持部120の接続箇所、さらに第2駆動部130aと第2支持部140の接続箇所および第2駆動部130bと第2支持部140の接続箇所は、反射面14の中心に対して点対称となっている。
図14に示すように、第2圧電駆動部130a、130bは、弾性部であるシリコン活性層163の+Z側の面上に下部電極201、圧電部202、上部電極203の順に形成されて構成される。上部電極203および下部電極201は、例えば金(Au)または白金(Pt)等から構成される。圧電部202は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。
図12に戻り、第2支持部140は、例えば、シリコン支持層161、酸化シリコン層162、シリコン活性層163から構成され、ミラー部101、第1駆動部110a、110b、第1支持部120および第2駆動部130a、130bを囲うように形成された矩形の支持体である。
電極接続部150は、例えば、第2支持部140の+Z側の面上に形成され、第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動131a〜131fの各上部電極203および各下部電極201、および制御装置11にアルミニウム(Al)等の電極配線を介して電気的に接続されている。
なお、上部電極203または下部電極201は、それぞれが電極接続部と直接接続されていてもよいし、電極同士を接続する等により間接的に接続されていてもよい。
なお、本実施形態では、圧電部202が弾性部であるシリコン活性層163の一面(+Z側の面)のみに形成された場合を一例として説明したが、弾性部の他の面(例えば−Z側の面)に設けても良いし、弾性部の一面および他面の双方に設けても良い。
また、ミラー部101を第1軸周りまたは第2軸周りに駆動可能であれば、各構成部の形状は実施形態の形状に限定されない。例えば、トーションバー111a、111bや第1圧電駆動部112a、112bが曲率を有した形状を有していてもよい。
さらに、第1駆動部110a、110bの上部電極203の+Z側の面上、第1支持部の+Z側の面上、第2駆動部130a、130bの上部電極203の+Z側の面上、第2支持部の+Z側の面上の少なくともいずれかに酸化シリコン膜からなる絶縁層が形成されていてもよい。
このとき、絶縁層の上に電極配線を設け、また、上部電極203または下部電極201と電極配線とが接続される接続スポットに、開口部として部分的に絶縁層を除去または絶縁層を形成しないことにより、第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bおよび電極配線の設計自由度をあげ、さらに電極同士の接触による短絡を抑制することができる。また、酸化シリコン膜は、反射防止材としての機能も備える。
[制御装置の制御の詳細]
次に、可動装置の第1駆動部および第2駆動部を駆動させる制御装置の制御の詳細について説明する。
第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bが有する圧電部202は、分極方向に正または負の電圧が印加されると印加電圧の電位に比例した変形(例えば、伸縮)が生じ、いわゆる逆圧電効果を発揮する。第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bは、上記の逆圧電効果を利用してミラー部101を可動させる。
このとき、ミラー部101の反射面14に入射した光束が偏向される角度を振れ角とよぶ。圧電部に電圧を印加していないときの振れ角をゼロとし、その角度よりも偏向角度が大きい場合を正の振れ角、小さい場合を負の振れ角とする。
まず、第1駆動部を駆動させる制御装置の制御について説明する。
第1駆動部110a、110bでは、第1圧電駆動部112a、112bが有する圧電部202に、上部電極203および下部電極201を介して駆動電圧が並列に印加されると、それぞれの圧電部202が変形する。この圧電部202の変形による作用により、第1圧電駆動部112a、112bが屈曲変形する。
その結果、2つのトーションバー111a、111bのねじれを介してミラー部101に第1軸周りの駆動力が作用し、ミラー部101が第1軸周りに可動する。第1駆動部110a、110bに印加される駆動電圧は、制御装置11によって制御される。
そこで、制御装置11によって、第1駆動部110a、110bが有する第1圧電駆動部112a、112bに所定の正弦波形の駆動電圧を並行して印加することで、ミラー部101を、第1軸周りに所定の正弦波形の駆動電圧の周期で可動させることができる。
特に、例えば、正弦波形電圧の周波数がトーションバー111a、111bの共振周波数と同程度である約20kHzに設定された場合、トーションバー111a、111bのねじれによる機械的共振が生じるのを利用して、ミラー部101を約20kHzで共振振動させることができる。
次に、図15〜図27を参照して、第2駆動部を駆動させる制御装置の制御について説明する。
図15(a)〜(c)は、可動装置の第2駆動部130bの駆動を模式的に表した模式図である。斜線で表されている領域がミラー部101等である。
第2駆動部130aが有する複数の第2圧電駆動部131a〜131fのうち、最もミラー部に距離が近い第2圧電駆動部(131a)から数えて偶数番目の第2圧電駆動部、すなわち第2圧電駆動部131b、131d、131fを圧電駆動部群Aとする。
また、さらに第2駆動部130bが有する複数の第2圧電駆動部132a〜132fのうち、最もミラー部に距離が近い第2圧電駆動部(132a)から数えて奇数番目の第2圧電駆動部、すなわち第2圧電駆動部132a、132c、132eを同様に圧電駆動部群Aとする。圧電駆動部群Aは、駆動電圧が並行に印加されると、図15(a)に示すように、圧電駆動部群Aが同一方向に屈曲変形し、正の振れ角となるようにミラー部101が第2軸周りに可動する。
また、第2駆動部130aが有する複数の第2圧電駆動部131a〜131fのうち、最もミラー部に距離が近い第2圧電駆動部(131a)から数えて奇数番目の第2圧電駆動部、すなわち第2圧電駆動部131a、131c、131eを圧電駆動部群Bとする。 また、さらに第2駆動部130bが有する複数の第2圧電駆動部132a〜132fのうち、最もミラー部に距離が近い第2圧電駆動部(132a)から数えて偶数番目の第2圧電駆動部、すなわち、132b、132d、132fを同様に圧電駆動部群Bとする。圧電駆動部群Bは、駆動電圧が並行に印加されると、図15(c)に示すように、圧電駆動部群Bが同一方向に屈曲変形し、負の振れ角となるようにミラー部101第2軸周りに可動する。
図15(a)、図15(c)に示すように、第2駆動部130aまたは130bでは、圧電駆動部群Aが有する複数の圧電部202または圧電駆動部群Bが有する複数の圧電部202を屈曲変形させることにより、屈曲変形による可動量を累積させ、ミラー部101の第2軸周りの振れ角を大きくすることができる。
例えば、図12に示すように、第2駆動部130a、130bが、第1支持部の中心点に対して第1支持部に点対称で接続されている。そのため、圧電駆動部群Aに駆動電圧を印加すると、第2駆動部130aでは第1支持部と第2駆動部130aの接続部に+Z方向に動かす駆動力が生じ、第2駆動部130bでは第1支持部と第2駆動部130bの接続部に−Z方向に動かす駆動力が生じ、可動量が累積されてミラー部101の第2軸周りの振れ角度を大きくすることができる。
また、図15(b)に示すように、電圧が印加されていない、または、電圧印加による圧電駆動部群Aによるミラー部101の可動量と電圧印加による圧電駆動群Bによるミラー部101の可動量が釣り合っている時は、振れ角はゼロとなる。
図15(a)〜図15(c)を連続的に繰り返すように第2圧電駆動部に駆動電圧を印加することにより、ミラー部を第2軸周りに駆動させることができる。
[駆動電圧]
第2駆動部に印加される駆動電圧は、制御装置によって制御される。
図16を参照して、圧電駆動部群Aに印加される駆動電圧(以下、駆動電圧A)、圧電駆動部群Bに印加される駆動電圧(以下、駆動電圧B)について説明する。
図16(a)は、可動装置の圧電駆動部群Aに印加される駆動電圧Aの波形の一例である。図16(b)は、可動装置の圧電駆動部群Bに印加される駆動電圧の波形Bの一例である。図16(c)は、駆動電圧Aの波形と駆動電圧Bの波形を重ね合わせた図である。
図16(a)に示すように、圧電駆動部群Aに印加される駆動電圧Aは、例えば、ノコギリ波状の波形の駆動電圧であり、周波数は、例えば60Hzである。
また、駆動電圧Aの波形は、電圧値が極小値から次の極大値まで増加していく立ち上がり期間の時間幅をTrA、電圧値が極大値から次の極小値まで減少していく立ち下がり期間の時間幅をTfAとしたとき、例えば、TrA:TfA=9:1となる比率があらかじめ設定されている。このとき、一周期に対するTrAの比率を駆動電圧Aのシンメトリという。
図16(b)に示すように、圧電駆動部群Bに印加される駆動電圧Bは、例えば、ノコギリ波状の波形の駆動電圧であり、周波数は、例えば60Hzである。
また、駆動電圧Bの波形は、電圧値が極小値から次の極大値まで増加していく立ち上がり期間の時間幅をTrB、電圧値が極大値から次の極小値まで減少していく立ち下がり期間の時間幅をTfBとしたとき、例えば、TfB:TrB=9:1となる比率があらかじめ設定されている。このとき、一周期に対するTfBの比率を駆動電圧Bのシンメトリという。
また、図16(c)に示すように、例えば、駆動電圧Aの波形の周期TAと駆動電圧Bの波形の周期TBは、同一となるように設定されている。
なお、上記の駆動電圧Aおよび駆動電圧Bのノコギリ波状の波形は、正弦波の重ね合わせによって生成される。
また、本実施形態では、駆動電圧A、Bとしてノコギリ波状の波形の駆動電圧を用いているが、これに限らず、ノコギリ波状の波形の頂点を丸くした波形の駆動電圧や、ノコギリ波状の波形の直線領域を曲線とした波形の駆動電圧など、可動装置のデバイス特性に応じて波形を変えることも可能である。
次に、図17〜図19を参照して、可動装置の反射面の第2軸周りの可動速度、すなわち反射面の第2軸周りの振れ角の時間変化について説明する。
図17は、反射面の第2軸周りの可動速度が一定(均一)である場合の反射面の第2軸周りの振れ角の時間変化を示す図である。図18は、反射面の第2軸周りの可動速度が一定(均一)ではない場合の反射面の第2軸周りの振れ角の時間変化を示す図である。図19(a)は、第2軸周りのミラー部101の可動速度が均一であるときの投影画像のイメージ図である。図19(b)は、第2軸周りのミラー部101の可動速度が不均一であるときの投影画像のイメージ図である。
反射面14の第2軸周りの振れ角の時間変化、すなわち反射面14の第2軸周りの可動速度は、図17に示すように直線的であることが望ましい。つまり、ミラー部101の第2軸周りの可動速度に変動が生じないことが望ましい。ミラー部101の第2軸周りの可動速度に変動が生じると、直線的な光走査が妨げられ、例えば、被走査面15に形成される画像に輝度ムラ、歪みなどが発生し、画質の劣化を招くからである。
しかしながら、実際には、図18に示すように、第2駆動部130a、130bによるミラー部101の第2軸周りの可動動作においては、振れ角の−側の最大付近と+側の最大付近で可動速度に変動が生じてしまい、すなわち、可動速度が減速による鈍り(なまり)が生じてしまい、可動速度の均一性を保つことができない。
[投影画像]
図18に示すような不均一な可動速度で光走査する可動装置を用いて画像投影を行った場合、本来は図19(a)のように表示される投影画像が、図19(b)のように画像上端部周辺と画像下端部周辺が歪んでしまう。
そこで、本実施形態では、制御装置11は、圧電部202に所定の波形の駆動電圧を印加する際に、所定の波形の駆動電圧の最小値がゼロから所定の値を有する駆動電圧を印加するように制御する。
この結果、ミラー部の第2軸周りの可動動作においては、振れ角の−側の最大付近と+側の最大付近で生じる可動速度の変動を抑制し、ミラー部の可動速度の均一性を向上させることができる。
以下、図20〜図23を参照して、上記制御によりミラー部101の可動速度の均一性が向上する理由について詳細に説明する。
[圧電定数]
図20は、圧電部の圧電定数の電圧依存性を表したグラフ図である。圧電定数の電圧依存性は、圧電定数曲線ともよぶ。
圧電部の圧電定数は以下のように求められる。
長さLのシリコン活性層からなる弾性部の+Z面上にPZTからなる圧電部を形成し、圧電部の上下に電圧を印加することで弾性部を屈曲変形させ、レーザドップラー振動計により、印加電圧を変化させながら弾性部端の変位量Kを計測している。測定された弾性部端の変位量ΔKと、下記の式(1)により印加電圧に対する圧電定数d31が求められる。圧電定数d31は、圧電部に電圧Eが印加されたときの変化のしやすさを示す定数である。
Figure 0006915292
ΔKは弾性部の先端変位量、Lは弾性部の長さ、TPZTはPZTの厚み、d31は圧電定数、EはPZTに印加する電界、AはESi(Siのヤング率)/EPZT(PZTのヤング率)から求められる定数、BはTSi(弾性部のSiの厚み)/TPZT(PZTの厚み)、である。
本実施形態においては、パラメータとして、L=3500μm、TPZT=2μm、ESi=170GPa、EPZT=90GPa、TSi=40μmを使用し、圧電定数d31を求めた。
図20に示すように、圧電部202は、印加電圧が0V〜10Vの間は圧電定数が一定ではなく、印加電圧が10V以上となると、圧電定数がほぼ一定となる。特に、印加電圧が0〜5Vの間は、圧電定数の変化が大きい。
これは、圧電部202を構成するPZTは、スパッタリングによる成膜、もしくはスピンコートを使ったゾルゲル法により形成されているためであると考えられる。このような方法により形成されたPZTは、一般的に印加電圧が所定の値までは圧電定数が一定とならない、すなわち、印加電圧によって圧電部の変形のしやすさが変化する。
したがって、圧電部202に印加する駆動電圧の電圧値が、例えば、図20に示す印加電圧の電圧値の範囲(a)のような一周期において0からE1までの間で立ち上がり、立ち下がりを繰り返す場合、圧電定数の変化が大きい0付近の低電圧領域では圧電部202の変形が電圧値に比例しない。すなわち、電圧値が0付近の低電圧領域では、圧電部202に印加されるミラー部101の振れ角最大付近では、可動速度の均一性が保てなくなる。
そこで、本実施形態では、制御装置11は、図20に示す範囲(b)のように、圧電部202に印加する駆動電圧の電圧値を、0から所定の値のズレ量を有する最小電圧値ΔEからE2までの間で立ち上がり、立ち下がりを繰り返す駆動電圧を印加するように制御する。
具体的には、圧電定数の値の変化率(一周期における最大電圧値を印加したときの圧電定数と最小電圧を印加したときの圧電定数の変化の割合)が20%以内になるように最小電圧値ΔEを定めると良い。さらに好ましくは、圧電定数の値の変化率が10%以内になるように最小電圧値ΔEを定めると良い。このとき、圧電定数の値の変化率は、印加開始から半周期における最大電圧値を印加したときの圧電定数と、最小電圧を印加したときの圧電定数の変化の割合としても良い。圧電部の特性によっては圧電定数曲線の圧電定数が数Vで極大値をとった後に徐々に下がっていく場合がある。そのような場合にも、印加開始から半周期の圧電定数の変化率に基づいて最小電圧値ΔEを定めることで、上記の低電圧領域における変形と電圧値の比例関係に加え、後述の分極特性により、可動速度の均一性が向上する効果がある。
これにより、圧電定数の変化が小さい範囲の電圧値を用いるため、圧電部の変形が駆動電圧の大きさに比例しやすくなり、特に第2軸周りの反射面の可動速度の均一性を向上できる。
[駆動電圧]
図21は、ΔE〜E2の電圧値の範囲で圧電駆動部群A、電駆動部群Bの有する圧電部202に印加する駆動電圧A、Bの波形の一例である。
このとき、図21に示す最小電圧値ΔEを変化させて第2駆動部130a、130bに印加したときの反射面の第2軸周りの可動速度の変化、すなわち振れ角の時間変化を、均一性指標というパラメータにより評価した。
次に、図22を参照して、均一性指標について説明する。図22は、第1縦軸(図左軸)に振れ角誤差、第2縦軸(図右軸)に印加電圧、横軸に時間を表したグラフ図である。
図22に示すように、光走査期間は、光走査に用いられる期間であり、例えば図15を参照して説明した駆動信号Aの立ち上がり時間TrAまたは駆動信号Bの立ち下がり時間TfBに相当する。また、評価期間は、光走査期間の1周期の始まりから5%、終わりから5%をそれぞれ除いた残り90%の期間である。なお、画像形成等の際には、この評価期間を画像形成期間として一般的に用いられる。
また、図22に示す太実線は、上記評価期間において、第2軸周りの振れ角の時間変化の二乗近似等により近似直線を算出し、振れ角の時間変化から近似直線を差し引いた結果、すなわち理想的な振れ角との誤差を示す振れ角誤差を示している。このとき、振れ角誤差の正の方向の最大の差を差分a、負の方向の最大の差を差分bとする。
均一性指標は次のように求められる。
均一性指標=(差分a+差分b)/(最大電圧値E2−最小電圧値ΔE)
走査線直線性指標の値が小さいほど、可動速度が均一化されていることを示す。
最大電圧値E2と最小電圧値ΔEの差をEcとしたとき、Ecを固定したままE2およびΔEを変化させた。
図23は、横軸に最小電圧値ΔE、縦軸に均一性指標を表したグラフ図である。
図23より、最小電圧値ΔEを大きくすると均一性指標の値が小さくなり、可動速度の均一性が向上していることがわかる。また、最小電圧値ΔEを一定以上より大きくしたとき、均一性指標がほぼ変化しなくなっていることがわかる。例えば、圧電定数の値の変化率が20%程度となる最小電圧値ΔEが約2Vのとき、均一性指標が向上し、圧電定数の値の変化率が10%程度となる最小電圧値ΔEが約4.5Vのとき、さらに均一性指標が向上した。そして圧電定数の変化率が5%程度となる最小電圧値ΔEが約7Vのとき、均一性指標は約4.5Vのときとほぼ同一となった。
最小電圧値ΔEを大きくし過ぎると、圧電定数の値の変化率がそれほど大きくないために均一性指標がさほど変化しないにも関わらず、消費電力の増加や圧電部202へのダメージが起きてしまうため、好ましくない。
そこで、例えば、圧電定数の値の変化率が5%以上、20%以下となるように最小電圧値ΔEを設定すると消費電力の増加や圧電部202へのダメージの増加を抑制しつつ、均一性指標を向上させることができる。さらに好ましくは、圧電定数の値の変化率が5%以上、10%以下となるように最小電圧値ΔEを設定すると、均一性指標をより向上させることができる。
また、圧電定数は、圧電部の形成方法、圧電部を構成する材料の組成比等によって異なる。そこで、例えば最小電圧値ΔEを徐々に大きく、または徐々に小さくしながら直線性指標を測定し、均一性指標が望ましい値となった電圧を最適な最小電圧値ΔEとしてもよい。例えば、均一性指標が5%以内になるときの最小電圧値ΔEを最適値としてもよい。
以上より、本実施形態の制御装置11では、第2駆動部130a、130bに印加する所定の波形の駆動電圧の最小値がゼロから所定の差を有しており、前記所定の差は、一周期における圧電部202の圧電定数の値の変化率が、最小値がゼロの場合に比べて小さくなるように設定されるようにしたため、反射面14の可動速度の均一性を向上することができる。
より詳しく説明すると、制御装置11が、図23に示すように、駆動電圧の最小値を圧電部202の圧電定数の値が大きく変化する0V付近の低電圧領域よりも大きい値に定める。言い換えると、図20に示す駆動電圧の範囲(a)ではなく、駆動電圧の範囲(b)を用いる。これにより、図18に示す鈍りを、図17に示すように抑制することができる。すなわち、反射面の可動速度の均一性を向上することができる。このような均一性の向上により、例えば、図19(b)に示す画像上端部周辺および画像下端部周辺の歪みを抑制し、図19(a)に示す投影画像を表示することができる。
上記制御装置の実施形態の変形例として、図24に示すように、圧電駆動群Aに印加する駆動電圧Aと、圧電駆動群Bに印加する駆動電圧Bで駆動電圧の最小値を異ならせてもよい。
例えば、駆動電圧Aの最小値をE3とし、駆動電圧Bの最小値をE4としたとき、E4>E3とすることにより、反射面14の可動速度の均一性をより向上させることができる。例えば、E4をE3の±5%以内で調整することが望ましい。
これは、圧電駆動部群Aと圧電駆動部群Bは配線や接続スポットの設計が完全に同一でなく、また、圧電駆動群Aと圧電駆動群Bの製造誤差等が生じることにより、圧電駆動部群Aと圧電駆動部群Bとで圧電定数や駆動電圧に対する屈曲変形の度合いが同一とならないためであり、圧電駆動部群Aと圧電駆動部群Bの最小値を異ならせることで、反射面14の可動速度の均一性をより向上することができる。
また、上記制御装置の実施形態の別の変形例として、駆動電圧Aのシンメトリと、駆動電圧Bのシンメトリを異ならせても良い。
所定の変調信号(例えばノコギリ波状信号)によって可動装置を駆動した場合、その変調信号の種類によっては周波数スペクトル(変調信号をフーリエ変換して周波数成分に分解したもの)に、一定間隔の「谷(理論上電力密度がゼロとなる点)」が存在する。
駆動電圧Aまたは駆動電圧Bのシンメトリを調整することにより、上記の「谷」の周波数域を調整することが可能であり、可動装置が有する機械的な共振周波数が上記の「谷」の周波数域に入るように駆動電圧Aと駆動電圧Bを調整することで、可動装置が駆動電圧の高調波等によって機械的な共振が励起されることを抑制し、反射面14の可動速度の均一性をより向上することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した各実施形態は本発明の一適用例を示したものである。本発明は、上述した各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えて具体化することができる。
例えば、上記実施形態では、制御装置は圧電部に常に正の電圧値を有する波形の駆動電圧を印加しているが、圧電部に駆動電圧が印加されて圧電部の変形が生じる構成であれば、これに限られない。
例えば、制御装置は、圧電部に常に負の電圧値を有する波形の駆動電圧を印加してもよい。なお、所定の波形の駆動電圧が常に負の値である場合は、最小値は、グランドからの電位差が最も小さい値となる。
なお、本実施形態では、可動装置13は図12に示すように、トーションバー111a、111bから+X方向に向かって第一圧電駆動部112a、112bが延びる片持ちタイプの可動装置を用いているが、電圧印加された圧電部により反射面を可動させる構成であれば、これに限られない。
例えば、図25に示すように、トーションバー211a、211bから+X方向に向かって延びる第一圧電駆動部212a、212bおよび−X方向に向かって延びる第一圧電駆動部212c、212dを有する両持ちタイプの可動装置を用いてもよい。また、1軸方向のみに反射面を可動させる場合は、図26に示すように、可動部220に反射面14を設ける構成としてもよい。
また、図27は圧電部の圧電定数曲線の一例を示すグラフ図である。図27に示すように、圧電部の圧電定数は、0−30Vの間において、6.5V付近で極大値をとった後、徐々に圧電定数が下がっていく場合もある。
このような圧電特性を持つ圧電部(例えばPZT)であっても、圧電部に駆動電圧を印加して可動部を制御する際に、制御部30が0Vから所定の差を有するように駆動電圧を設定することで、上記実施形態と同様に反射面の可動速度の均一性が向上することが実験より判明した。
これは、上記実施形態で説明した内容に加えて、さらに圧電部の分極特性が原因であると考えられ、以下に詳細を説明する。
圧電部(例えばPZT)は、分極方向に正または負の電圧が印加されると印加電圧に応じた変形が生じる逆圧電効果を利用している。すなわち、圧電部は分極されている必要がある。
このとき、製造後の時間経過により、圧電部は脱分極する場合がある。
脱分極したとしても、数Vほどの電圧を印加すれば再分極すると考えられ、さらに再分極の速度が非常に速いため、数V以上の電圧を印加する場合においては脱分極が問題となることは少ない。
しかしながら、0V付近では、脱分極が原因と思われる影響が大きいことが実験から判明した。
図28は、加温条件下における圧電定数曲線の経時変化を示したグラフ図である。加温条件は、分極状態等の時間変化を速めるために行っている。なお、図28の実験に使用した光偏光器は、製造から所定時間が経過している光偏向器(圧電部の脱分極がある程度進んでいる光偏向器)を使用している。
125度の加温条件下において0h、1h、3hの間、駆動電圧を印加して圧電部を駆動した後、それぞれの場合において圧電特性を測定し、さらに0hの圧電定数曲線において極大値Mをとる電圧において同一の値となるように規格化した結果を示している。なお、規格化しない場合は、駆動時間が長いほど圧電定数の値が全体的に小さくなる傾向にある。
図28に示すように、0〜4.5V付近では、4.5V以降に比べて、時間経過による極大値に対する圧電定数の値の変化が大きいことがわかる。特に、0〜2Vでは極大値に対する圧電定数の値の変化が大きいことがわかる。これは、製造時は分極している圧電部が、製造時から時間が経過することで脱分極が進んでいたところに、電圧印加による駆動を続けることで、再分極が進んでいくためであると考えられる。このとき、上記のように数V以上の電圧を印加する場合においては再分極がすぐに進むため脱分極の影響は軽微だが、0V付近では再分極の進みが遅いため、脱分極の影響が大きい。したがって、脱分極の影響が現れやすい低電圧範囲ほど、圧電定数の値の変化が大きくなると考えられる。
脱分極の影響が大きい電圧範囲では、駆動時間によって圧電特性が変化するため、初期に設定した駆動電圧を印加したとき、駆動時間によっては予定していた圧電部の変形を得られず、反射面の可動速度の均一性に悪影響が生じる。また、駆動時間に応じて駆動電圧波形を変化させることは、制御の複雑化を招く。
したがって、制御部30が駆動電圧において0Vから所定の差を有するように設定することで、脱分極の影響を抑制し、反射面の可動速度の均一性を向上することができる。
このとき、脱分極の影響は、0〜4.5Vの間で大きく、特に0〜2Vの間で特に大きいことが実験的にわかっている。そこで、制御部30は、駆動電圧の所定の差を2Vとすることが好ましい。より好ましくは、4.5V以上とするのが好ましい。
また、圧電定数の変化は、圧電定数曲線の極大値をとる印加電圧(以下、印加電圧M)より低電圧側で大きくなる傾向があることが実験的にわかっている。
そこで、制御部30は、駆動電圧の所定の差を印加電圧Mの値としても良い。ただし、印加電圧Mから数Vの範囲では脱分極の影響が大きくはないので、印加電圧Mの30%以上の印加電圧(すなわち、極大値が6.5Vであれば2V以上)を所定の差とするのが好ましい。より好ましくは、印加電圧Mの70%以上の印加電圧(すなわち、極大値が6.5Vであれば4.5V以上)を所定の差とするのがより好ましい。また、所定の差を大きくしすぎると圧電部の駆動に高い駆動電圧が必要となるため、7V以下にすることがより好ましい。
[駆動電圧の設定処理]
図29を参照して、駆動電圧の設定処理について説明する。図29は、駆動電圧の設定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS21では、制御部30が駆動電圧の設定が完了しているか否かを確認する。YesであればステップS23に移行し、設定を完了する。NoであればステップS24に移行する。
ステップS22では、制御部30が所定の差を有する駆動電圧を設定する。このとき、予め定めた所定の差を有する駆動電圧を手動で入力して設定しても良いし、圧電部の圧電定数を記憶しておき、圧電定数を読出して予め定めた法則(例えば、最小値は圧電定数曲線の極大値のときの印加電圧の30%、最大値は最小値の+25V)に従って、自動で所定の差を有する駆動電圧を入力して設定しても良い。設定後、ステップS23に移行する。
ステップS23では、制御部30が所定の差を有する駆動電圧が設定されていることを確認した後、設定完了フラグをONにし、設定を完了する。
以上のフローに従って駆動電圧を設定することで、反射面の可動速度の均一性を向上することができる。
10…光走査システム、11…制御装置、12…光源装置、13…可動装置、14…反射面、15…被走査面、30…制御部(制御手段の一例)、31…駆動信号出力部(印加手段の一例)、101…ミラー部、102…ミラー基体、110a、100b…第1駆動部a、b、111a、b…トーションバーa、b、112a、112b…第1圧電駆動部、120…第1支持部、130a、130b…第2駆動部、131a〜131f…第2圧電駆動部a、132a〜132f…第2圧電駆動部b、140…第2支持部、150…電極接続部、161…シリコン支持層、162…酸化シリコン層、163…シリコン活性層、201…下部電極、202…圧電部、203…上部電極、400…自動車、500…ヘッドアップディスプレイ装置(画像投射装置)、600…光書込装置、650…レーザプリンタ(画像形成装置)、700…レーザレーダ装置(物体認識装置)
特開2015−55829公報

Claims (19)

  1. 圧電部に駆動電圧を印加して前記圧電部を変形させることにより反射面の可動を制御する制御装置であって、
    前記圧電部に前記駆動電圧を印加する印加手段と、
    前記駆動電圧を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段が制御する前記駆動電圧の最小値は、ゼロから所定の差を有し
    前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期において該駆動電圧に対する前記圧電部の圧電定数の値の変化率が、該駆動電圧の最小値がゼロの場合に比べて小さくなるように設定されていることを特徴とする制御装置。
  2. 前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期または印加開始から半周期において該駆動電圧に対する前記圧電部の圧電定数の値の変化率が、20%以内となるように定められている請求項に記載の制御装置。
  3. 前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期または印加開始から半周期において該駆動電圧に対する前記圧電部の圧電定数の値の変化率が、10%以内となるように定められている請求項に記載の制御装置。
  4. 前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期または印加開始から半周期において該駆動電圧に対する前記圧電部の圧電定数の値の変化率が、5%以上、10%以内となるように定められている請求項に記載の制御装置。
  5. 前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期における圧電定数の変化における極大値をとるときの電圧の30%以上の値となるように定められている請求項1に記載の制御装置。
  6. 前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期における圧電定数の変化における極大値をとるときの電圧の70%以上の値となるように定められている請求項1に記載の制御装置。
  7. 前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期における圧電定数の変化における極大値をとるときの電圧よりも小さい値となるように定められている請求項またはに記載の制御装置。
  8. 前記駆動電圧の最小値は、2V以上である請求項1に記載の制御装置。
  9. 前記駆動電圧の最小値は、4.5V乃至7Vである請求項1に記載の制御装置。
  10. 前記印加手段は、前記圧電部に対して第1の波形の駆動電圧を印加し、該圧電部とは異なる圧電部に対して第2の波形の駆動電圧を印加し、
    前記制御手段は、前記第1の波形の駆動電圧の最小値と、前記第2の波形の駆動電圧の最小値を異ならせる請求項1乃至のいずれか一項に記載の制御装置。
  11. 前記圧電部および前記反射面を有する可動装置を制御する制御装置であって、
    前記印加手段は、前記圧電部に対して第1の波形の駆動電圧を印加し、前記圧電部とは異なる圧電部に対して第2の波形の駆動電圧を印加し、
    前記第1の波形は、一周期に対する立ち上がり時間と立ち下がり時間を有するノコギリ波状波形であり、
    前記第2の波形は、一周期に対する立ち上がり時間と立ち下がり時間を有するノコギリ波状波形であり、
    前記制御手段は、前記可動装置が有する機械的な共振周波数が前記第1または第2の駆動電圧の高調波成分が低減する周波数領域の少なくとも1つに含まれるように、駆動電圧の一周期に対する前記第1の波形の立ち上がり時間または前記第2の波形の立ち下がり時間の比率を制御する請求項1乃至のいずれか一項に記載の制御装置。
  12. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の制御装置と、
    前記反射面を有するミラー部と、
    前記圧電部を有し、前記圧電部が変形することによりミラー部を一軸周りに可動可能にする圧電駆動部と、
    を備える光偏向システム。
  13. 画像情報に基づいて変調された光により被走査面を走査して画像を形成する画像投影装置であって、
    前記光を照射する光源装置と、
    前記光源装置からの光を偏向する請求項12に記載の光偏向システムと、
    を備える画像投影装置。
  14. 請求項13に記載の画像投影装置を備える車両。
  15. 請求項13に記載の画像投影装置を備える移動体。
  16. 請求項13に記載の画像投影装置を備える非移動体。
  17. 請求項12に記載の光偏向システムを備える光書込装置。
  18. 請求項12に記載の光偏向システムを備える物体認識装置。
  19. 圧電部に駆動電圧を印加して該圧電部を変形させることにより反射面の可動を制御する制御装置の制御方法であって、
    前記圧電部に所定の波形の駆動電圧を印加する印加工程と、
    前記駆動電圧を制御する制御工程と、を含み、
    前記制御工程が制御する前記駆動電圧の最小値は、ゼロから所定の差を有し
    前記所定の差は、前記駆動電圧の一周期において該駆動電圧に対する前記圧電部の圧電定数の値の変化率が、該駆動電圧の最小値がゼロの場合に比べて小さくなるように設定される制御方法。
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