JP6913864B1 - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動的に均一な成膜が可能な成膜装置を提供する。【解決手段】成膜装置10は、駆動部12、成膜部14および制御部16を備える。駆動部12は成膜装置10を走行させるための装置であり、成膜部14は液剤を噴霧または塗布の少なくとも一方をおこなうための装置であり、制御部16は駆動部12と成膜部14をコントロールするための装置である。成膜装置10は制御部16から駆動部12および成膜部14に信号を送ることで自動的に移動しながら液剤を成膜する。建築物の屋上、テラス、ベランダ、防水フロア等に成膜装置10を配置することで、自動的に成膜することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、液剤またはシートを成膜する成膜装置に関するものである。
建築物の屋上を防水処理するために作業者が防水剤を均一に塗布している。真夏は高温環境での作業となり、作業者への負担が大きい。下記特許文献1は遠隔操作によってロボットが走行し、液剤を噴霧している。遠隔操作によって液剤が噴霧されるので、作業者の負担が小さくなり、省力化できる。
しかし、特許文献1はロボットの具体的な走行方法などを記載していない。噴霧された液剤の厚みが均一にできるか不明である。ロボットが走行することで、噴霧された液剤を傷つけたり、はがされたりするおそれもある。
特開2019−93344号公報
本発明の目的は、自動的に均一な成膜が可能な成膜装置を提供することにある。
本発明の成膜装置は、2輪以上で走行する駆動部と、前記駆動部に積載され、該駆動部が走行する部分を液剤、補強材またはその両方で成膜する成膜部と、前記駆動部が走行して成膜された部分同士に隙間が生じないように駆動部を走行させる制御部とを備える。
本発明によると、駆動部によって走行し、制御部の制御によって成膜部が液剤、補強材またはその両方を隙間なく成膜できる。それらは自動的に行われるため、炎天下の作業などの負担を軽減でき、また作業者の液剤の吸引防止、作業者による塗膜厚差の軽減、装置による均一な成膜精度と作業効率を向上できる。
成膜装置の構成を示す模式図である。 遠隔制御可能な成膜装置の構成を示す模式図である。 隙間なく液剤を成膜する様子を示す図である。 制御部などが載置台以外の場所に配置された成膜装置の構成を示す模式図である。 液剤を成膜した後の層を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)の円Aを拡大した断面図であり、(c)は側部同士を重ねて成膜した図である。 載置台にセンサを取り付けた成膜装置の構成を示す模式図である。 8輪の車輪を備えた載置台の構成を示す模式図である。 球状の車輪の構成を示す模式図である。 回転可動部を備えた成膜装置の構成を示す模式図である。 吐出部にセンサを取り付けた成膜装置の構成を示す模式図である。 補強材を成膜するための成膜装置の構成を示す模式図である。 ブラシを備えた成膜装置の構成を示す模式図である。 硬化促進部を備えた成膜装置の構成を示す模式図である。 ウインチを備えた成膜装置の構成を示す模式図である。 カメラを備えた成膜装置の構成を示す模式図である。 成膜中の欠陥を示す模式図である。 吐出部が複数の個別吐出部で構成された成膜装置の構成を示す模式図である。
本発明の成膜装置について図面を使用して説明する。複数の実施形態を説明するが、同一の構成は同一の符号を付して重複説明を省略する場合がある。
[実施形態1]
図1に示す成膜装置10は、駆動部12、成膜部14および制御部16を備える。駆動部12は成膜装置10を走行させるための装置であり、成膜部14は液剤を噴霧または塗布の少なくとも一方をおこなうための装置であり、制御部16は駆動部12と成膜部14をコントロールするための装置である。
駆動部12は少なくとも2輪の車輪18およびその車輪18を回転させる駆動源を備える。駆動される車輪18は少なくとも1輪であり、駆動する車輪18によって他の車輪18が従動回転してもよい。たとえば、駆動部12は3輪または4輪の車輪18を備え、その中の少なくとも1輪の車輪18が駆動源で駆動される。フレームまたは板体などで構成される載置台20の下部に車輪18が回転可能に取り付けられている。駆動源としてモータが挙げられ、モータは載置台20の任意の場所に取り付けられる。モータの電源は一次電池、二次電池など限定されず、太陽電池または燃料電池などの発電される電源であってもよい。モータの代わりにガソリンなどの引火性液体で駆動するエンジンを利用してもよい。なお、車輪18を2輪にした場合、載置台20の傾きを検知する角度センサを設け、載置台20の傾きが水平になるように車輪18を駆動させてもよい。
車輪18は被成膜面22の上を走行する。車輪18の被成膜面22に対する接地部分は柔軟性のある樹脂の層を設けてもよい。たとえば、車輪18の接地部分にシリコーンゴムまたはフッ素系樹脂の層を設けてもよい。層形成された液剤の上を車輪18が通過したときに、車輪18に液剤がついたり、液剤をはがしたりしないようにする。
成膜部14は車輪18の通過した部分に液剤を層形成する装置である。成膜部14は液剤を溜めるタンク24、そのタンク24に溜められた液剤を被成膜面22に向けて吐出する吐出部26、タンク24から吐出部26に液剤を送るポンプ28を備える。
液剤は被成膜面22に噴霧されたり塗布されたりし、その後に硬化することで厚さ数ミクロンから数千ミクロンの層30になる。複数回成膜することで数千ミクロンの厚さにしてもよい。液剤は硬化した後、防水機能を有するものであればよい。液剤としてウレタン、アクリルまたは不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を混合させたものが挙げられる。液剤は上記材料を溶かすための溶剤が含まれてもよい。また、液剤はペンキをはじめとした塗料であってもよい。液剤は上記材料に限定されず、任意の高分子ポリマー、セメント系材料、それらを溶剤に分散させたものであってもよい。
吐出部26は液剤を被成膜面22に向けて吐出し、かつ液剤を一定の層厚にするための装置である。吐出部26としてスプレー装置、スリットコーター、ローラ、ナイフブレード、くしベラ、コテなどが挙げられる。スプレー装置およびスリットコーターは液剤を吐出する装置であり、ローラ、ナイフブレード、くしベラ、コテなどは吐出された液剤を平坦にするための装置である。吐出部26は載置台20における走行方向の下流側に配置される。成膜された液剤の上を車輪が走行しないようになっている。載置台20にアーム32を取り付け、そのアーム32に吐出部26が取り付けられてもよいし、載置台20に吐出部26が取り付けられてもよい。タンク24と吐出部26はチューブ34でつなげられている。
チューブ34の一端または途中にポンプ28を備える。ポンプ28は載置台20に載置されている。ポンプ28が液剤をタンク24から吐出部26に送る。
制御部16は駆動部12および成膜部14を制御するための装置である。CPU(Central Processing Unit)またはPLC(Programmable Logic Controller)を含む演算装置および記憶装置などを備える。制御部16から駆動部12および成膜部14に信号が送られ、駆動部12および成膜部14が動作する。具体的には制御部16から駆動部12のモータの駆動回路に信号を送ることで、モータが駆動し、車輪18を回転させ、載置台20が移動する。また、制御部16から成膜部14のポンプ28の駆動回路に信号を送ることで、タンク24から吐出部26に液剤が送られ、液剤が被成膜面22に塗布される。
制御部16は記憶装置に必要なプログラムおよびデータを記憶しておく。たとえば、モータの回転速度およびポンプによる液剤の流量を記憶しておき、演算装置はそれに応じた信号を送出する。成膜装置10が走行する位置情報を記憶しておいてもよい。
成膜装置10は制御部16から駆動部12および成膜部14に信号を送ることで自動的に移動しながら液剤を成膜する。建築物の屋上、テラス、ベランダ、防水フロア等に成膜装置10を配置することで、自動的に成膜することができる。
[実施形態2]
制御部16は層30の厚みが均一になるように駆動部12および成膜部14を制御してもよい。駆動部12による載置台20の進行速度とタンク24に蓄えられた液剤の単位時間当たりの消費量から、単位面積当たりの液剤の吐出量を計算する。この単位面積当たりの液剤の吐出量が一定になるようにする。このため、車輪18を回転させるモータの回転数を計測するセンサとタンクの液剤の残量を計測するセンサを備える。それらのセンサの値から、制御部16が進行速度と液剤の消費量を計算する。
[実施形態3]
図2に示す成膜装置36のように、無線機38を備えてもよい。無線機38は送信機40と受信機42で構成される。受信機42が載置台20の上で制御部16に接続されている。作業者が送信機40を操作して受信機42に信号を送信する。作業者が無線機38によって成膜装置36を遠隔制御する。無線機38によって駆動部12の始動および停止、成膜の開始および終了などを指示する。図2は一方向の通信であるが、双方向通信であってもよい。タンク24の容量および電源の容量をセンサで検知し、送信してもよい。
作業者が操作する送信機40は特別な装置で無くてもよい。スマートフォン、タブレット、ラップトップ型コンピュータ(ノート型パソコン)などの携行可能な装置であってもよい。それらの装置に作業者が操作するためのソフトウェアを記憶しておく。送信機40と受信機42とで短距離無線通信をおこなえるようにしても良い。また、送信機40と受信機42はLTE(Long Term Evolution)またはWiFiなどの無線通信できる装置であってもよい。また、作業者は被成膜面22を視認できる場所にいなくてもよい。成膜装置36は周囲を撮影できるカメラを備え、送信機40にその画像を送信してもよい。作業者はカメラで撮影された画像を見ながら送信機40を操作する。
[実施形態4]
成膜装置10は直線状に移動することに限定されない。たとえば図3に示すように、一直線に移動して帯状に液剤の層30を成膜した後、その成膜された帯状の液剤の層30の横に移動し、新たな帯状に液剤の層30を成膜しても良い。駆動部12は載置台20に対して相対的に車輪18の方向を変更する機構を備える。制御部16の記憶装置に記憶された位置情報に応じて駆動部12の車輪18の方向を制御してもよい。また、上記無線機器36によって車輪18の方向を変更できるようにしてもよい。
制御部16の記憶装置に被成膜面22を記憶してもよい。その被成膜面22を中央または縁から液剤の層30に隙間が生じないように駆動部12が制御される。制御部16が被成膜面22のデータに基づいて移動方向を決定する。移動した位置が認識できるように、GPS(Global Positioning System)を備えてもよい。GPSのデータを制御部16に入力し、制御部16で移動した位置を認識する。
[実施形態5]
載置台20の上にタンク24、ポンプ28および制御部16が載置されていたが、図4の成膜装置44のように、タンク24、ポンプ28および制御部16が載置台20に配置されなくてもよい。タンク24等は成膜装置44が成膜する場所の隅などに配置する。吐出部26とタンク24およびポンプ28を柔軟性のあるチューブ34で接続し、吐出部26に液剤が供給されるようにする。駆動部12のモータと電源を配線で接続し、電源からモータに電力供給できるようにする。電源は商用の出源が利用でき、100V〜200Vの電圧を商用のコンセントから電源コードで給電してもよい。
[実施形態6]
載置台20が移動しながら液剤を吐出して硬化させると、硬化した液剤の層30は帯状になる(図5(a))。その層30の両側部46は縁から徐々に厚くなるようにする(図5(b))。載置台20が移動し、吐出した液剤の隣を通過するとき、側部46同士が重なるようにする(図5(c))。縁同士を合わせながら液剤を吐出すると、層30同士に隙間が生じやすいが、側部46を重ねながら液剤を塗布することで、層30同士に隙間を生じさせない。側部46同士が重ねられてもその部分だけ厚みが厚くなることもなく、硬化した液剤の層30が均一な厚みになる。
上記のように側部46が縁から徐々に厚くなるようにするために、液剤の層30の幅方向に液剤の吐出量を調整する。たとえば、スプレーで液剤を成膜する場合に、端にあるノズルの吐出量を他の部分に比べて少なくし、他の部分の吐出量は一定にする。
[実施形態7]
吐出部26の周囲に拡散防止部材を配置してもよい。液剤が周囲に飛び散らないようにする。拡散防止部材は板状またはシート状の部材で構成される。拡散防止部材は成膜された液剤に接しない高さに配置する。
[実施形態8]
図6の成膜装置48のように、周囲を監視するためのセンサ50、52が設けられてもよい。たとえば、載置台20の前方下部に超音波式のセンサ50を設ける。センサ50は超音波の発信機と受信機で構成される。発信機が被成膜面22に向けて超音波を発信し、受信機で反射した超音波を受信する。被成膜面22がなければ受信機で超音波を受信できない。センサ50と制御部16を接続し、センサ50の信号を制御部16で受信する。超音波の受信の有無でセンサ50から制御部16に送る信号を異ならせておく。制御部16はセンサ50からの信号に応じて駆動部12および成膜部14を制御する。被成膜面22がなければ駆動部12は停止し、吐出も停止する。
センサは被成膜面22に向けるものに限定されない。たとえば、成膜装置48の進行方向の障害物の有無を検出するセンサ52であってもよい。上記センサ52と同様に超音波式のセンサであり、障害物による跳ね返りを検出する。
センサ50、52は超音波式に限定されない。ミリ波などの電磁波を利用したセンサであってもよい。センサ50、52としてカメラであってもよい。カメラで静止画または動画を撮影し、制御部16が撮影されたデータの画像処理をおこない、被成膜面22または前方の障害物を検出してもよい。障害物が検出されれば、制御部16が駆動部12および成膜部14に信号を送り、駆動部12および成膜部14を停止させたり、成膜装置48が障害物を避けるように駆動部12に信号を送信したりする。
また、図3のように隙間なく液剤を成膜する際、カメラで塗布した部分の縁を撮影し、制御部16が載置台20の走行位置を決定し、駆動部12を制御してもよい。また、図5のように、液剤を一部重ねる場合も、カメラで塗布した部分の縁を撮影し、制御部16が駆動部12に信号を送り、駆動部12の走行位置を調節する。
制御部16によって吐出部26を制御することで成膜される液剤の幅を変更できるようにしてもよい。たとえば、駆動するスプレー装置の数を変更し、液剤の幅を変更する。また、吐出部26は交換できるようにしてもよい。吐出部26の種類を変更したり、吐出される液剤の幅を変更したりする。
[実施形態9]
駆動部12は直線状に前進する構成に限定されない。たとえば、回転等できるように2つの車輪18に内輪差ができるようにしてもよい。後退できるように車輪にギヤを入れてもよい。
車輪数を4輪以上にしてもよい。たとえば図7に示すように、第1方向を向いた4輪の第1車輪54と、第2方向を向いた4輪の第2車輪56を備える。第1方向と第2方向は直交する方向になる。成膜装置10を第1方向に移動させたいとき、第1車輪54が駆動する。成膜装置10を第2方向に移動させたいとき、第2車輪56が駆動する。第1車輪54と第2車輪56を載置台20に対して上下動させる装置を備え、駆動させる車輪54、56を下降させ、駆動しない車輪54、54を上昇させておく。
車輪はリング状または円盤状の車輪に限定されず、球状の車輪58であってもよい(図8)。球状の車輪58は複数のローラ60が接しており、ローラ60が回転することで球状の車輪58が回転する。ローラ60を回転させるモータ62に対して制御部16から信号を送信する。複数のローラ60によって球状の車輪58を全方向に回転させることが可能になっている。
[実施形態10]
図9の成膜装置64のように回転可動部66を備えてもよい。少なくともアーム32および吐出部26を備えた第1載置台20aと駆動部12を備えた第2載置台20bとを回転可動部66が相対的に回転させる。回転可動部66はモータなどを備える。たとえば、いずれか一方の載置台20a(20b)に回転可動部66が固定されており、他方の載置台20b(20a)を回転させる。他の実施形態においても回転可動部66を備えてもよい。回転可動部66が駆動することで成膜する位置を変更することができる。
[実施形態11]
図10の成膜装置68のように、吐出部26に被成膜面22に対する距離を検知するセンサ70を取り付けてもよい。センサ70は超音波の反射によって被成膜面22に対する高さを検知するセンサが挙げられる。アーム32によって吐出部26が被成膜面22に対して上下左右に移動可能なように構成し、制御部16がアーム32を操作して吐出部26の位置を調整し、液剤の成膜位置を調整してもい。吐出部26を移動させるためにアーム32を複数の部材に分け、各部材を駆動させるシリンダおよびモータなどの駆動装置を備える。制御部16はセンサ70の値に基づいてアーム32を制御し、吐出部26の高さを制御する。被成膜面22に対して吐出部26が一定の高さになり、均一な成膜が可能になる。被成膜面22に凹凸があった場合であっても、吐出部26が被成膜面22に対して一定距離になるように移動するため、均一な成膜になる。また、アーム32によって吐出部26の角度を変更できるようにしても良い。
[実施形態12]
制御部16の記憶装置に液剤の被成膜面22の形状を記憶してもよい。制御部16にGPSなどの成膜装置10の位置を特定する装置を備えてもよい。制御部16はGPSで成膜装置10の位置を特定し、液剤を塗布した面を特定する。制御部16は液剤の塗布していない面に液剤が塗布されるように駆動部12を制御する。
[実施形態13]
成膜されるのは液剤に限定されない。補強材を敷くことで成膜してもよい。補強材はクロス、マット、メッシュまたはネットなどで平面状になった部材である。補強材はガラス繊維、ポリエステルまたはビニロンなどで構成されている。図11の成膜装置72は長尺状の補強材74を巻き回した第1ローラ76および補強材74を圧着するための第2ローラ78を備える。吐出部26で液剤を成膜した後、その上に補強材74を配置し、圧着する。さらに、補強材74の上に液剤を成膜してもよい。補強材74は液剤の層を補強するための部材である。液剤を成膜した直後に補強材74を敷いており、作業効率が良い。
図11は液剤と補強材74の両方を成膜できるが、補強材74のみを成膜できてもよい。吐出部26を省略し、第1ローラ76と第2ローラ78のみ備える。また、第1ローラ76のみ備えた成膜装置、第2ローラ78のみ備えた成膜装置であってもよい。
成膜部14はシートを巻き回したローラ以外に、シートを切断するカッターを備えてもよい。シートを敷き終わった後、シートを切断する。
[実施形態14]
図12の成膜装置80のように、吐出部26よりも進行方向上流側にブラシ82を設けてもよい。ブラシ82によって被成膜面22を清掃し、その後で成膜する。ごみ等が液剤に混ざらず、純粋な液剤の層30を形成しやすくする。液剤の層30にごみ等が混ざらないため、液剤の層30の性能を高く保持しやすくなる。
ブラシ82は成膜装置80の進行方向に対して傾斜していてもよい。ブラシ82で吐き出されたごみ等が被成膜面22の横に吐き出されるようにする。ブラシ82における成膜されていない側が進行方向に対して下流に傾斜される。また、ごみ等を吸引する装置を備えてもよい。ごみ等を吐き出さずに吸引することで、被成膜面22にごみ等が入りにくくする。
[実施形態15]
図13の成膜装置84のように、液剤を硬化させる硬化促進部86を備えてもよい。硬貨促進部86はたとえば紫外線照射装置である。紫外線を照射するためのLEDを備える。LEDで発光される光の波長は約350〜400nmである。液剤に紫外線に対する硬化剤が含まれる場合に紫外線を照射することで液剤の硬化を促進する。
硬化促進部86はヒーターであってもよい。液剤が熱硬化する場合に、硬化促進部86によって液剤の硬化時間を短縮し、作業効率を向上させる。なお、紫外線照射装置とヒーターの両方を備えてもよい。
[実施形態16]
複数の成膜装置10を用いて、同時に広い面を成膜してもよい。建築物の屋上が広い場合に1台の成膜装置10では成膜に時間がかかるが、複数の成膜装置10で成膜することで、短時間で成膜することができる。
[実施形態17]
ドローンなどの無人航空機および画像処理装置を備えてもよい。無人航空機によって被成膜面22を撮影する。画像処理装置はコンピュータを利用でき、無人航空機で撮影された画像から被成膜面22を抽出する。被成膜面22は記憶装置に記憶され、制御部16が駆動部12を制御するために利用する。
[実施形態18]
上記実施形態は防水処理することを前提に説明しているが、本願は防水処理に限定されない。たとえば、屋上をデザインするために、種々の塗料を成膜してもよい。被成膜面22は平坦な屋上に限定されず、勾配のある屋根であってもよい。車輪12の接地面に滑り止めを設ける。
また、本願は建築物の屋上を成膜することに限定されない。たとえば、本願の成膜装置10はアスファルト道路の白線および黄線をひいてもよい。さらに本願の成膜装置10は建築物の屋内の床にワックスを成膜してもよい。
[実施形態19]
図14の成膜装置88にように載置台20にワイヤー90を取り付けてもよい。ワイヤー90はウインチ92を介して載置台20に取り付けられている。ウインチ92は載置台20における吐出部26の反対側に設けられている。ワイヤー90の先端はフック94になっている。成膜装置88の直進性が向上する。また、フック94が任意の位置に引っ掛けられることで、成膜装置88が建築物の屋上などから転落することを防止できる。
車輪18を駆動させず、ウインチ92によって載置台20を移動させてもよい。任意の場所にフック94を引っ掛け、ウインチ94を駆動させて載置台20を移動させる。車輪18が回転し、載置台20がフック94のある方向に移動する。ウインチ92が駆動部12として機能する。
成膜装置88はフック94を壁の上部に引っ掛け、ウインチ92を駆動させることで、成膜装置88が壁に沿って上昇することも可能である。成膜装置88が壁の成膜を行うことができる。成膜装置88は水平面以外の平面を成膜できる。
[実施形態20]
図15の成膜装置96のように、成膜の状況を撮影するカメラ98を備えてもよい。カメラ98は成膜装置96の進行方向において吐出部26の下流側に配置される。図16に示すように、欠陥100をカメラ98で撮影することができる。制御部16はカメラ98の画像を画像処理する手段を備えてもよい。画像処理によって欠陥100が確認されれば、駆動部12および成膜部14を停止させてもよい。欠陥100が確認されれば、スピーカーで警報音を発したり、警報ランプを点灯させたりして、作業者に欠陥を知らせてもよい。
欠陥100が発生した場合、通信手段を使用して欠陥100の画像を作業者の所有するタブレット、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータなどに送信してもよい。作業者は欠陥100の位置を確認して修正することができる。また、図16のように成膜装置96の移動方向と一致するように直線状に欠陥100が発生した場合、欠陥100の部分に対応する吐出部26に異常が生じている。吐出部26の修理または交換の必要性を認識できる。なお、図16に示す欠陥100は層30の長さ方向に沿って形成されているが、欠陥100は層30に部分的に生じる場合もある。そのような場合であっても、カメラ98で欠陥100を撮影し、画像処理によって欠陥100を確認できるようにする。
カメラ98はアーム32に固定されることに限定されない。たとえば、ドローンなどのカメラを利用してもよい。
カメラ98で撮影するのは液剤の層30に限定されず、補強材74も撮影してもよい。制御部16で画像処理することに限定されず、画像処理するための装置を別個設けてもよい。
[実施形態21]
図17に示す成膜装置102のように、吐出部26が個別吐出部104を集合させたものであってもよい。個別吐出部104は複数であり、個別吐出部104の数は限定されない。個別吐出部104は成膜装置102の進行方向に対して垂直方向に並べられている。個別吐出部104ごとに被成膜面22に対して液剤を成膜する。図17に示すように、制御部16によって個別吐出部104ごとに液剤の吐出時間を制御することで、被成膜面22に対して任意の形状の液剤の層106を形成することができる。成膜装置102によって液剤の層106を文字、記号、図形などにしてもよい。図17の液剤の層106は直線になっているが、成膜装置102が回転することで、曲線状の液剤の層106を成膜することもできる。個別吐出部104ごとに吐出される液剤に顔料などを加え、液剤の色を変更してもよい。個別吐出部104ごとにタンク24を備え、各タンク24に必要な液剤を溜める。成膜された液剤の層106をカメラ98で撮影し、液剤の層106が所望形状になっているかを確認してもよい。たとえば、屋上駐車場の駐車スペースを示す線、文字記号を形成したり、ヘリポートのマークを形成したりすることができる。隣り合う個別吐出部104の影響を小さくするため、個別吐出部104同士の間に仕切り板を配置してもよい。
個別吐出部104はスプレー装置に限定されず、スリットコーター、ローラ、ナイフブレード、くしベラ、コテなどであってもよい。液剤を吐出す際に、複数の顔料を混合させ、液剤の色を変更してもよい。
[実施形態22]
載置台20の周囲を複数のカメラで撮影してもよい。制御部16で画像処理し、駆動部12を制御する。周囲の状況から載置台20の走行位置を補正する。たとえば、目標物を定め、その目標物に向かって載置台20が進行するようにする。また、目標物が直線状になっていれば、その目標物との距離が一定になるように載置台20が進行するようにする。
[実施形態23]
載置台20の下方が被成膜面22になっていたが、載置台20の側方が被成膜面22であってもよい。成膜部12は側方に向けて液剤を噴出するスプレーなどを備えてもよい。また、アーム32によって吐出部26の角度を変更し、載置台20の側方に液剤を吐出できるようにしてもよい。
[実施形態24]
載置台20の上に人が乗れるようになっていてもよい。作業者が間近で成膜の様子を確認することができる。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。説明した各実施形態は独立したものではなく、複数の実施形態は適宜組み合わされてもよい。
10、36、44、48、64、68、72、80、84、88、96、102:成膜装置
12:駆動部
14:成膜部
16:制御部
18:車輪
20、20a、20b:載置台
22:被成膜面
24:タンク
26:吐出部
28:ポンプ
30、106:液剤の層
32:アーム
34:チューブ
38:無線機
40:送信機
42:受信機
46:液剤の層の側部
50、52:センサ
54:第1車輪
56:第2車輪
58:球状の車輪
60:ローラ
62:モータ
66:回転可動部
70:センサ
74:補強材
76、78:ローラ
82:ブラシ
86:硬化促進部
90:ワイヤー
92:ウインチ
94:フック
98:カメラ
100:欠陥
104:個別吐出部

Claims (3)

  1. 2輪以上で走行する駆動部と、
    前記駆動部に積載され、該駆動部が走行する部分を液剤及び補強材で成膜する成膜部と、
    前記駆動部が走行して成膜された部分同士に隙間が生じないように駆動部を走行させる制御部と、を備え、
    前記補強材が、長尺状のクロス、マット、メッシュまたはネットを含み、
    前記成膜部が、前記補強材を巻き回した第1ローラを備え、前記液剤を塗布した後、その上に前記該第1ローラによって前記補強材を配置するものである成膜装置。
  2. 前記成膜部が、前記液剤の上に配置された補強材を圧着する第2ローラをさらに備えたものである請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記成膜部が複数の個別吐出部を備えており、前記制御部が個別吐出部ごとに液剤の吐出を制御する請求項1または2記載の成膜装置。
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